JPS6341681B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、金属加工工業用の切削インサート
に関し、特に、金属工作物から材料を除去するた
めにツールホルダと共に使用される割出可能な焼
結炭化物切削インサートに係るものである。

金属加工技術においては多数の切削インサート
設計および形態がある。最近の形態のあるものは
Mc Creeryらの米国特許第3973307号を参照すれ
ばわかるであろう。この特許には、チツプ コン
トロールがチツプの流れを妨害しかつ馬力要求量
を増大しうる成形チツプ ブレーカみぞまたは上
部構造体を使用することなしに達成されうること
を認識した新型の切削インサートが開示されてい
る。

Mc Creeryらによつて開示された切削インサ
ートは、相互にある関係を有するところの、切削
刃、ランド区域、降下壁および平坦床を持つもの
であつた。成形チツプ ブレーカみぞを有する。
類似のインサートもまたMc Kelveyの米国特許
第3733664号に示されている。

1930年に許可された米国特許第1756516号に開
始されている、Klopstockの切削工具形態のよう
な、他の切削工具形態も参照される。この工具形
態は焼結炭化物および割出可能インサートが開発
される大分前の単ピース工具用のものであり、さ
らに、Klopstockは金属工作物から除去されるに
したがつて破砕されるチツプを効果的にコントロ
ールするためのすべての適切な特徴および相互関
係について開示していない。

本発明に従つて、例えば、焼結硬質金属炭化
物、セラミツクまたは類似材料から作られる硬質
耐摩耗性切削インサート、好適には、成形インサ
ートはより効果的に金属を除去するための形態を
備えている。

さらに詳述すると、本発明に係るインサート
は、Mc Creeryらの米国特許第3973307号明細書
の第７図で例示された設計の従来のインサートよ
りも、摩耗しがたくかつ角部または鼻部において
洗浄しやすい。このインサート設計は重送り速度
においてより大きい直径のチツプを生じ、これに
よつて動力消費量が低減される。さらに、切削の
深さが増大するにしたがつて、生成されるチツプ
は円錐形態のものになり、これは動力消費量およ
びクレータ（crater）摩耗の低減を助長する。こ
のインサート設計はまたチツプがインサートを去
るにしたがつて飛散する方向を制御するのに役立
つ。

本発明に係る切削インサートは多角形ボデイを
有し、このボデイは頂面および底面および周壁を
有し、丸味付角部が前記頂面および底面と接合し
ている。周壁と頂面および底面の少なくとも１つ
との接合部に切削刃が形成されている。少なくと
も２つの角関連させられた切削刃が丸味付角部に
よつて接合されかつ平面を画定している。各切削
刃の後方にはランド区域が接合され、このランド
区域は多角形ボデイ中へ内方に延在する。ランド
区域の内縁において、降下壁がランド区域から延
在しかつ切削刃によつて画定された平面と第一の
鋭夾角を形成している。ついで傾斜床が平坦床で
終わり、この平坦床は切削刃によつて画定された
平面に実質的に平行でありまたはインサートの中
心まで延在する。

切削インサートは好適には角部における第一の
夾角が角部から離れた区域における第一の夾角よ
りも大きくなるように設計される。

切削刃の平面から降下壁が傾斜床と接合する点
までの垂直距離が角部において最小であり、多角
形ボデイの隣接角部の中間において最大であるこ
ともまた好適である。

第二の鋭角が第一の鋭角よりも小さいこともま
た好適である。

この発明の好適な実施態様においては、角部に
おける降下壁は円弧状の線に沿つて傾斜床と接合
する。隣接角部の中間においては、降下壁は角部
に形成された円弧状の線に実質的に接線をなして
接合するところの線に沿つて傾斜床と接合する。

さらに好適な実施態様においては、前記多角形
ボデイの角部における第一の夾角は20〜35度であ
るべきであり、一方、前記角部から離れた位置に
ある降下壁の区域においては、それは10〜25度で
あるが、低送り速度用に設計されたインサートの
場合には角部における該角よりも常に小さくある
べきである。重送り速度用に設計されたインサー
トにおいては、両方の角は等しくかつ10〜25度の
範囲内にあるべきである。切削刃の平面から平坦
床の平面までの垂直距離は0.008〜0.030インチ
（0.20〜0.76mm）であり、一方切削刃の平面から
降下壁が傾斜床と接合する点までの垂直距離は
0.003〜0.030インチ（0.08〜0.76mm）であること
もまた好適である。

以上の点を考慮に入れて、この発明の主目的
は、動力要求量がより少ない点でより効果的であ
るところの切削インサートを提供することであ
る。

この発明の別の目的は、摩耗しがたくかつ角部
において洗浄しやすいところの切削インサートを
提供することである。

この発明の別の目的は、より大きい切削深さに
おいて円錐形チツプを生成しかつこれらのチツプ
を制御された方向に指向させるところの切削イン
サートを提供することである。

この発明の本質は添付図面と関連する以下の詳
細な説明を参照することによつてさらに明瞭にな
るであろう。

図面を参照すると、第１，２図には多角形ボデ
イ１を有する硬質耐摩耗性切削インサートが示さ
れており、ボデイ１は頂面３および底面５および
頂面３と底面５に接合する、丸味付角部９を備え
た周壁７を有する。周壁７と頂面３および底面５
の少なくとも一方との接合部に切削刃１１が形成
されている。少なくとも２つの角関連させられた
切削刃１１が丸味付角部によつて接合されてい
る。これらの２つの切削刃は空間に平面を画定し
ている。

各切削刃１１の後方には平坦なランド区域１３
が接合され、このランド区域はインサートの多角
形ボデイ中へ内方に延在する。ランド１３の内縁
には降下壁１５があり、この降下壁はランド区域
１３から延在しかつ切削刃１１の平面と第一の鋭
夾角a1を形成している。この降下壁１５は傾斜
床１７で終わり、この傾斜壁はインサート ボデ
イ１の内方へ延在するにしたがつて降下してい
る。傾斜床１７は切削刃１１で画定された平面と
第二の鋭夾角b1を形成している。さらに好適に
は、傾斜床１７は、隣接切削刃１１で形成された
角部角Ｃの二等分線を含む垂直平面に垂直である
ところの軸Ｘを中心として、角b1だけ回転させ
られた平面を画定している（第４図参照）。

傾斜床１７は、切削刃で画定された平面に実質
的に平行であるところの平坦床で終わりまたは平
坦床（図示せず）に遭遇することなく穴２１まで
延在する。平坦床１９はインサートの頂面３の大
体中央に配置され、平坦床１９の中央には穴２１
が配置され、この穴は切削インサート１の厚さを
貫通している。穴２１はインサートを切削工具上
に保持するためにインサート ピン（図示せず）
と係合させられる。

切削インサート１は好適には角部における第一
の夾角a1が角部から離れた区域における第一の
夾角より大きくなるように画定される。切削刃１
１の平面から降下壁１５が傾斜壁に接合する点ま
での垂直距離H1が、角部９において最小であり、
多角形ボデイ１の隣接角部９の中間において最大
であることもまた好適である。第２図に示されて
いるように、第二の鋭角b1が第一の鋭角a1より
も小さいこともまた好適である。

第４図を参照すると、インサート１の角部の１
つの部分拡大平面図が示されており、図示のよう
に、角部における降下壁１５は円弧状の線２３に
沿つて傾斜床１７に接合している。隣接角部９の
中間においては、降下壁１５は実質的にまつすぐ
な線２５に沿つて傾斜床１７に接合し、線２５は
角部９に形成された円弧状の線２３に実質的に接
線をなして接合している。

第２，３図は、それぞれ、角部および２つの隣
接角部の中間の区域の断面図を示している。

第２図に示されているように、多角形ボデイ１
の角部９における第一の夾角a1は20〜35度であ
るべきであり、一方、第３図に示されているよう
に、前記角部から離れた位置にある降下区域にお
いては、角a1は10〜25度であるべきであるが、
この角は、軽送り速度用に設計されたインサート
の場合には、角部９における対応角よりも常に小
さくあるべきである。最も好適には、角部におけ
る角a1は24〜28度であり、隣接角部の中間にお
ける角a1は14〜18度である。重送り速度用に設
計されたインサートの場合には、これらの２つの
角は等しくかつ10〜25度、最も好適には、14〜18
度の範囲内にあるべきである。

切削刃１１の平面から平坦床１９の平面までの
垂直距離H2は0.008〜0.030インチ（0.20〜0.76mm）
であり、一方切削刃の平面から降下壁１５が傾斜
床１７と接合する点までの垂直距離H1は0.003〜
0.030インチ（0.08〜0.76mm）であることもまた好
適である。さらに好適には、H2は0.010〜0.015イ
ンチ（0.25〜0.38mm）であるべきであり、H1は
0.003〜0.015インチ（0.08〜0.38mm）である。角
部においては、H1は最も好適には0.003〜0.007イ
ンチ（0.08〜0.18mm）である。H1はH2よりも大
きくはないが、降下壁１５、傾斜床および平坦床
が接合するところの点３０においてはH1はH2に
等しいことが注目されるべきである（第３図参
照）。

軽送り速度用に設計されたインサートの場合に
は、角部９におけるランド区域の幅を表わす距離
L1は隣接角部の中間のランド区域の幅L2よりも
狭い。L1およびL2は0.003〜0.050インチ（0.08〜
1.27mm）の値を有する。さらに好適には、角部９
において、L1は0.003〜0.007インチ（0.08〜0.18
mm）であり、隣接角部の中間の区域において、
L2は好適には0.010〜0.015インチ（0.25〜0.38mm）
である。重送り速度用に設計されたインサートに
おいては、L1はL2に等しくあるべきであり、両
者は0.010〜0.050インチ（0.25〜1.27mm）、最も好
適には、0.010〜0.015インチ（0.25〜0.38mm）の
値を有する。

以上の詳細な説明による特徴を組合せて設計さ
れたインサートは効果的に金属を除去しかつ摩耗
に対するすぐれた抵抗を有しかつ角部において洗
浄作用をするものである。さらに、切削の深さが
増大するにしたがつて、生成されるチツプを円錐
形態のものになり、これは動力消費量およびクレ
ータ摩耗の低減を助長する。さらに、このインサ
ート設計はまたチツプが投出される方向を制御す
るのに役立つ。

特許請求の範囲内で多くの改変がなされうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る切削インサートの斜視図
である。第２図は第１図の−線断面図であ
る。第３図は第１図の−線断面図である。第
４図は本発明に係る切削インサートの角部の拡大
部分平面図である。 １……インサート ボデイ、３……頂面、５…
…底面、７……周壁、９……角部、１１……切削
刃、１３……ランド、１５……降下壁、１７……
傾斜床、１９……平坦床、２１……穴、２３……
円弧状線、２５……直線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 切削インサートにして、 頂面１、底面５および前記頂底面３，５をつな
   ぐ丸味付角部９のある周壁７とを有する多角ボデ
   イ１と、 前記周壁７と前記頂底面３，５の少なくとも一
   つとの接合縁における切削手段であつて、前記丸
   味付角部９によりつながれ、一つの平面を定義
   し、角度をなす少なくとも二個の切削刃１１を有
   する切削手段と、 前記切削刃１１に連なり、前記多角形ボデイ１
   の内側に延在するランド区域１３と、 前記ランド区域１３に連なり、これより延在
   し、前記切削刃１１のなす平面と第１の鋭角をな
   す降下壁１５と、 を有し、 前記降下壁１５は、前記角部９から内方に向か
   つて下降延在する傾斜床区域１７で終端し、前記
   切削刃１１の平面と前記傾斜床区域１７との間の
   前記降下壁１５の長さは、前記角部９に隣接して
   最小となり、しかして前記多角形ボデイ１の隣接
   角部９の中間で最大となるように構成された切削
   インサート。 ２ 特許請求の範囲の第１項に記載の切削インサ
   ートにおいて、前記傾斜床区域１７は、前記切削
   刃１１により定義される前記平面と第２の鋭角
   （b1）をなし、前記角部９における前記第１鋭角
   （a1）は、前記角部９から離れた部分での前記第
   １鋭角（a1）よりも大きく構成した切削インサ
   ート。