JPS6330345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、アイライナー、アイブロウ等の棒状
化粧料芯のためのカートリツジペンシルに関する
もので、より詳細には、化粧芯保持手段と螺旋繰
出機構との両方を内蔵したカートリツジと、これ
に組合わされてはじめて該繰出機構を可動ならし
めるホルダーから成り、不要な長さを短縮し収納
し易くしたカートリツジペンシルに関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来のこの種のカートリツジペンシルは、例え
ば先筒と螺旋筒とが別体であるなど部品点数が多
く機構複雑で製造に多くの工程を要しかつ故障し
易いという欠点があつた。又、部品点数が多いた
めにカートリツジ及び螺旋機構全体の長さが非常
に長く、使用時には使い易いが不使用時に収納ス
ペースを多くとるという欠点があつた。さらに、
従来のカートリツジとホルダーとの嵌着支持には
板バネが多用され、挿着感があまり良いものでは
なかつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記不都合を解消するためになされた
もので、本考案の目的は、カートリツジ自身の従
来利用されなかつた内部空間及び外周面を利用し
て繰出機構、ホルダーとの嵌着手段などを設ける
ことにより、部品点数を大幅に減少させ、ペンシ
ル長を短縮させると共に機構の単純化、簡潔化を
図り、以て収納し易く使用し易いカートリツジペ
ンシルを提供することである。

〔考案の概要〕

本考案は、基本的には、内周に螺旋溝を有し、
外周には環状嵌合部を有するカートリツジ筒と、
該カートリツジ筒内に収容され溝及び噛合部を有
する溝パイプと、該溝パイプ内に挿入され螺旋溝
に係合する突起部を有する芯チヤツクと、前記カ
ートリツジ後端に固着された尾栓と、該尾栓を貫
通して溝パイプ噛合部に噛合う突出噛合部と、内
周にカートリツジ筒外周の環状嵌合部と嵌着する
相補状嵌合部とを有するホルダーと、から成るも
のである。

〔考案の好適実施例〕

次に図面を参照して本考案の好適実施例につい
て説明する。第１図は、本考案を実施したカート
リツジペンシルの一部縦断面図である。化粧芯を
収容するカートリツジ筒１は、両端が開放したほ
ぼ円筒形状であり、その筒状中空の内壁には螺旋
溝１１が刻設されている。カートリツジ筒１の外
周前方は先細り状に丸味づけられ、先端開口部１
２から化粧芯が突出可能である。外周中央部には
好適には段部１３が設けられ、外周後方部は小径
となつている。この外周後方部の外表面上に環状
の嵌合凸部（又は凹部）１４が一体に形成されて
いる。カートリツジ筒１内に溝パイプ２が回転自
在に収容されている。溝パイプ２は、その縦軸方
向に延びる溝孔１５を有する円筒状部材であり、
後端部には以下に述べるホルダーと噛合するため
の噛合部１６が設けられている。本実施例におけ
る噛合部１６は、溝パイプ２の後端を筒状中空と
してその内周に軸方向に数本の縦溝を刻んだ形状
にしてある（第２図参照）。

なお、２２は溝パイプ２の後端に入れた割りで
あり、後述のように、芯チヤツク３が最も前進し
た位置及び最も後退した位置におけるクラツチ作
用を果たす。

溝パイプ２内には芯チヤツク３が摺動可能回転
不能に挿入されている。芯チヤツク３には突起部
１７を突設され、突起部１７は溝パイプ２の溝孔
１５から突出して、カートリツジ筒１内周の螺旋
溝１１に係合している。さらに芯チヤツク３は前
方で棒状化粧芯４を保持しているので、芯チヤツ
ク３の前進後退移動に従つて棒状化粧芯４も進退
する。

尾栓５がカートリツジ筒１の後端に嵌合固着さ
れ、溝パイプの後方への抜けを防止する。尾栓５
の中央には挿通孔１８が穿たれている。以上がカ
ートリツジの構成であり、カートリツジ自身の内
部に化粧芯保持手段と螺旋繰出機構との両方を備
えているので、繰出機構を外部に別体に設けた従
来のものに比し大幅に長さを短縮し、コンパクト
化、シンプル化することができる。

次にホルダー６は、一端に底部を有するほぼ円
筒状であり、その中空内壁前方には環状の嵌合凹
部（又は凸部）１９が設けられている。嵌合凹部
１９はカートリツジ筒１の嵌合凸部１４とスナツ
プ嵌め式に嵌合するようになつていて、それによ
るカートリツジ筒１をホルダー６内に挿入してい
くと最後にパチンと嵌まり合い、カートリツジ筒
１とホルダー６とは相対回転可能であるが通常の
状態では抜けが防止されることになる。

ホルダー６の底部内面から突出している突出噛
合部２０は、カートリツジ挿着時に尾栓５の挿通
孔１８を貫いて伸び、溝パイプ２の後端内周にあ
る噛合部１６に回転不能に嵌挿される。

本実施例における突出噛合部２０は、円柱の外
周に軸方向に数本の縦溝を刻設したローレツト状
にしてある。嵌挿係合部の横断面図を第２図に示
す。噛合部１６及び突出噛合部２０は、互いに回
転不能に嵌挿係合するような如何なる形状（外
形）であつても良い。

以上のように、カートリツジ筒１をホルダー６
内にスナツプ嵌めすると、溝パイプ２の噛合部１
６とホルダー６内の突出噛合部２０とが通常は回
転不能に係合するので、ホルダー６に対してカー
トリツジ筒１を回転させることにより、芯チヤツ
ク３と螺旋溝１１との相対回転運動が引起され
て、化粧芯４が進退する。カートリツジ筒１のみ
では化粧芯を進退させることは不可能であり、ホ
ルダーに挿着して始めて化粧に使用できる。

なお、前述のように、芯チヤツク３が最も前進
した時及び最も後退した時には、カートリツジ筒
１とホルダー６とをそれ以上相対回転させようと
しても、芯チヤツク突起部１７が螺旋溝１１の終
端壁に当つているので動けない。その場合に、溝
パイプ２後端に割り２２を設けておけば、無理な
回転力が加わつたときに、該後端が径方向外方へ
開いて噛合部１６と２０の噛合を外れるようにす
ることができる。いわばクラツチが切れるのであ
る。これにより噛合部１６，２０の互いの損傷が
避けられると共に噛合部１６，２０における空回
りの音がするので、使用者に対する警報ともな
る。本考案による短いカートリツジを使用するに
際し適当な長さが望まれるならば、ホルダー、特
にその後端を適切な長さに選択すれば良い。或い
は、本願と同一の出願人による昭和58年９月５日
付出願に係る「折り曲げ可能なダブル化粧料用
具」又は「折り曲げ可能な化粧料容器」に記載さ
れた如き折り曲げ機構をホルダー６に組込むこと
により、本考案の短いカートリツジがより好都合
な効果をもたらす。

第１図に示すホルダー６の後部（右方）に設け
てある溝２１は、折り曲げ機構に必要なヒンジ部
材２４（第３図参照）を挿入させるための溝であ
る。この溝は、もちろん任意なものであり、単独
のカートリツジペンシルにとつては必要ではな
い。本考案のカートリツジを折り曲げ可能なダブ
ル化粧料用具に適用した場合の実施例を第３図に
示す。２つのホルダー２６，２６′はそれぞれピ
ン２５，２５′によつてヒンジ部材２４に対して
枢着れている。かくしてホルダー２６，２６′は
ヒンジ部材２４に対しそれぞれピン２５，２５′
を中心として回るので、折り曲げ可能となる。真
直維持手段としての金属製薄肉円筒のスライドパ
イプ２７がホルダー２６，２６′の外周上に摺動
可能に取付けられている。第３図は、スライドパ
イプ２７が両方のホルダー２６，２６′の外周に
跨つている位置を示している。スライドパイプの
この位置においては、ホルダー２６，２６′は折
り曲げを禁止され一直線の状態が維持される。ス
ライドパイプ２７を左方へ滑動させて、１方のホ
ルダー２６から完全に離し、さらにヒンジ部材２
４を全部露出させる位置にまで移動させれば、両
ホルダー２６，２６′を折り曲げることが可能と
なる。

第４図は、本考案のカートリツジを異なる折り
曲げ機構に適用した場合の実施例を示す。ホルダ
ー３６の後部（右方）は、側面に軸線方向の溝孔
３４を有する中空筒体である。ホルダー３７の後
部（左方）も同様な中空筒体であり、これらの中
空内に真直維持手段としての固定部材３５が往復
動可能に遊挿されている。固定部材３５は溝孔３
４から外部に突出する突起３８を有し、突起３８
によつて固定部材を左右に滑動させることができ
る。固定部材を第４図の右方へと移動させたとき
に、２つのホルダーは折り曲げ部３９での折り曲
げを禁止される。

〔考案の効果〕

以上説明してきたように、本考案に係るカート
リツジペンシルは、長さが短かく収納し易く、部
品点数が少いので製造工程が簡略化され故障も起
きにくい。またカートリツジ筒をホルダーに挿着
させるときにパチンと確実な動作が保証されるの
で非常に使い心地が良い。さらに、繰出機構が外
から手で回せないので、ホルダー非挿着時に、不
用意に化粧芯が飛び出してしまうことがなく、繰
出機構も保護される。加えて、使用し易すさを高
めるためにホルダーの長さを任意に選択すること
ができ、特に、本考案を折り曲げ可能ホルダーに
組込んだ時には、使用時には一直線で長く、収納
時には折り曲げてコンパクトになるなど、多大の
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例のカートリツジペ
ンシルの縦断面図である。第２図は、第１図の実
施例の突出噛合部２０の嵌挿係合状態を示す横断
面図である。第３図は、本考案のカートリツジを
折り曲げ可能なダブル化粧料用具に適用した場合
の実施例の縦断面図である。第４図は、本考案の
カートリツジを異なる折り曲げ機構に適用した場
合の実施例の一部縦断面図である。 主要符号の説明、１…カートリツジ筒、２…溝
パイプ、３…芯チヤツク、４…化粧芯、５…尾
栓、６…ホルダー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 全長の半分以上にわたり内周に螺旋溝１１を
   有し、外周には環状突起または環状凹溝の嵌合
   部１４を有する両端開放したカートリツジ筒
   １； 該カートリツジ筒内に回転自在に収容され、
   長さ方向に溝孔１５を有し、後端筒状部の内周
   に縦溝を刻設して噛合部１６とし、該後端筒状
   部の少なくとも一箇所に割り２２を入れた、溝
   パイプ２； 該溝パイプ内に摺動可能に挿入され、溝孔か
   ら突出して前記螺旋溝に係合する突起部１７を
   有し、前記螺旋溝の内側に収納される化粧芯４
   を先端に支持する芯チヤツク３； 前記カートリツジ筒後端に固着され、中央に
   挿通孔１８を有する尾栓５；ならびに 前記カートリツジ筒外周に抜き差し自在に嵌
   着し、一端を底部で閉じられたほぼ円筒状のホ
   ルダー６であり、その内周に前記カートリツジ
   筒の嵌合部と相補的に嵌合する嵌合部１９を有
   し、内部底面から突出して前記尾栓の挿通孔を
   貫通し前記溝パイプの噛合部と噛合する縦みぞ
   を外周に設けた円柱状噛合部２０を有するホル
   ダー６； から成り 前記ホルダーの嵌着時に、総長が短く、前記
   カートリツジ筒が前記ホルダーに対して相対回
   転可能であり、前記溝パイプが前記ホルダーに
   対して平常時相対回転不能であるが大きいトル
   クの際には前記の割りにより前記後端筒状部が
   拡張して相対回転可能になる； ことを特徴とするカートリツジペンシル。 ２ 折り曲げ機構２４，２５を介して２本のカー
   トリツジペンシルが結合している、請求の範囲
   第１項記載のカートリツジペンシル。