JPS6328449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、回路基板両面に相互に電気接続され
る回路素子と液晶表示素子とを配設液晶表示に関
するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来より電子機器を構成する回路基板に電子部
品を取り付け、各部品相互の接続をなすうえでの
実装方法が種々提案されているが、一般に収納容
器の空間を有効に使用し機器の小型化を計るため
には回路基板の両面に電子部品を配列固定し、各
部品の入力出端子を相互接続する構成が好まし
い。

第１図および第２図は基板両面に電子部品を配
列し、各部品相互の接続をなすうえで有効なスル
ーホール基板を用いたときの実装構造を示すもの
で、液晶表示素子を用いたデジタル時計を例にあ
げて以下に説明する。

図において、１は駆動回路をなすICチツプお
よび表示素子を相互に接続固定するためのスルー
ホール基板、２は基板１の片面に接続固定される
回路部品、３は基板１の他面に固定される液晶表
示素子を示し、回路部品２は基板表面に形成され
る電路に半田付けされ、液晶表示素子３は照明用
導光体４に半透過反射板をはさんで載置され、基
板１に係止されるセルケース５により回路部との
接続をなす導電ゴム６をはさんで固定されてい
る。

この場合、液晶表示素子３と回路部品２との接
続はドライブIC2aのリードピン２ｂを基板１の
スルーホール１ａにつながる露出端子に半田付け
し、他面に形成される電路１ｂとの電気接続をな
し、これに導電ゴム６を介在して駆動信号経路を
構成する。

ところで、スルーホール１ａの径は素子のリー
ドを挿入し得る大きさを必要とし、さらに端子間
の接触を防止するため各穿孔位置にある程度の間
隔を要することから、ドライブIC２ａのリード
ピン２ｂの出力本数が多くなる場合にはスルーホ
ール１ａの占有面積が大きくなり、回路部品２の
配列に要する面積に比して基板１が大きくなると
いう欠点を有し、単なる配線のために装着全体の
小型化に制約を与えるという問題を有している。

〔考案の目的〕

本考案は、絶縁性ベース基板の両面を覆うべく
フレキシブルプリント板を折曲被着することによ
り、片面側に配列固定した電子部品と、折曲した
他面側に位置決め固定した液晶表示素子の相互接
続を容易にしかつ部品の配列に要する最小面積の
回路基板で高密度の配線を可能にした液晶表示装
置の電気接続構造の提供を目的とするものであ
る。

〔考案の概要〕

本考案は、ベース基板の表面に被着する基部
と、基板裏面に折曲被着する一対の折曲部とから
なるフレキシブルプリント板を形成し、折曲部端
部に液晶表示素子の電極端子と接続する端子部を
形成するとともに、導電ゴムを介在して液晶表示
素子を接続し、上記フレキシブルプリント板の基
部に接続した電子部品との電気接続を高密度に行
い、かつきわめて小型のユニツトを構成したこと
を特徴とする。

〔考案の実施例〕

第３図において、１０は絶縁性のベース基板
で、セラミツクあるいはベーク板等で形成し、そ
の周縁には図示しない収納ケースへの位置決め等
に使用する切欠き部が設けられている。１１はフ
レキシブルプリント板で、上記ベース基板１０の
片面に被着し、電子部品を配列固定する基部１１
Ａと基板１０の縁部で裏面側に折曲し、その端部
に基部側からの接続端子を露出した折曲部１１Ｂ
からなる。

いま、デジタル時計用として計時回路および液
晶表示素子１２を配列するとすれば、フレキシブ
ルプリント板１１の基部１１Ａには時計用ドライ
ブIC１３のリードピン１３ａが接続されるIC用
端子１１ａと、修正用スイツチあるいはチツプコ
ンデンサ等が接続される端子１１ｂが露出形成さ
れ、折曲部１１ＢにはIC用端子１１ａの駆動信
号出力部から折曲面を扇状に延在してつながる液
晶表示素子１２用端子１１ｃが形成される。

第４図Ａ，Ｂはベース基板１０にフレキシブル
プリント板１１を折曲被着したときの外観図を示
すもので、時計用ドライブIC１３等の回路部品
が配列される必要面積のみの大きさを確保すれば
よく、第１図あるいは第２図に示したスルーホー
ルの占有面積による配線のための基板の大型化を
解消し、小型の液晶表示装置に極めて有効な電気
接続構造を提供し得る。

第５図は本考案になる回路基板を用い、時計用
ドライブIC１３等の回路部品および液晶表示素
子１２を配列固定したときの、デジタル時計用表
示ユニツトの断面図を示すもので、ベース基板１
０に折曲被着されるフレキシブルプリント板１１
の基部１１ＡにはドライブIC１３等の計時回路
部品が配列固定され、折曲部１１Ｂの端子１１Ｃ
には導電ゴム１４を介して液晶表示素子１２の電
極端子が接続される。液晶表示素子１２は導電ゴ
ム１４による計時回路との接続をなしてセルケー
ス１５により挟着固定されるが、セルケース１５
の外周部にはベース基板１０の切欠き部との係止
をなす弾性腕１５ａがその先端に係止爪１５ｂを
有して一体形成され、液晶表示素子１２の夜間照
明用導光板１６をその背後に配して同時に固定す
る構成としている。

〔考案の効果〕

以上の構成において明らかなように、ベース基
板の両面にフレキシブルプリント板１１を折曲被
着して、両面に配設する液晶表示素子と電子部品
の相互接続を可能とした本考案基板によれば、基
板両面に配列する部品の最大占有面積をもつて基
板の大きさを決定し得、配線による無駄な占有面
積の拡大もなく、さらに両面基板の銅箔形成やス
ルーホール基板のごとく穿孔工程のない安価な基
板として作成でき、かつスルーホール等の銅箔剥
離による接続線路の破断等の危険もなくまた一対
の折曲部による接続構成で配線を高密度にでき、
装置の小型化に極めて有効な電気接続構造とする
ことができる。

なお、上述した実施例は回路基板の片面に電子
部品を配列し、他面にこれと接続される液晶表示
素子を配設した時計用表示ユニツトとして説明し
たものであるが、液晶表示素子において多種の情
報を切換え表示するような高密度電極パターンを
採用する場合のように、特に両面に配する部品相
互の接続本数が多岐にわたる場合その効果をより
顕著にすることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は液晶表示素子と表示駆動回路との接続
関係をなす表示ユニツトの従来例を示す分解斜視
図、第２図は同ユニツトの組付け態を示す断面
図、第３図は本考案になる接続用基板を使用した
表示ユニツトの一実施例を示す分解斜視図、第４
図Ａ，Ｂは同基板の表裏面の電路形成状態を示す
斜視図、第５図は同基板を用いた表示ユニツトの
組付け状態を示す断面図である。 １０……絶縁性ベース基板、１１………フレキ
シブルプリント板、１１Ａ……基部、１１Ｂ……
折曲部、１２……液晶表示素子、１３……回路部
品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁性ベース基板の表面に被着する基部と、上
   記ベース基板の対向する縁部で折曲し、ベース基
   板裏面に被着する一対の折曲部とを連続的に形成
   してなるフレキシブルプリント板を有し、フレキ
   シブルプリント板の基部表面に電子部品を配列接
   続する端子部を形成し、少なくともこの端子部か
   ら一対の折曲部へと延在する電路を設け、折曲部
   端部に液晶表示素子の電極端子との接続用端子部
   を形成し、この接続用端子部に導電ゴムを介在し
   て液晶表示素子を接続したことを特徴とする液晶
   表示装置の電気接続構造。