JPS6242567Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車用ウインドウモールデイング
に関するものである。

自動車の車体に固定されるウインドウガラスの
周縁と車体パネルとの間隙を覆うように取付けら
れるウインドウモールデイングとして、合成樹脂
の押出成形品からなる長尺状のモールデイングが
使用されている。

第１図は自動車の車体を示す斜視図、第２図は
従来のモールデイングの取付状態を示すＡ−Ａ断
面図、第３図はモールデイングの取付前の状態を
示すＡ−Ａ断面図である。図面において、１はモ
ールデイングで、ウインドウガラス２と車体パネ
ル３間に取付けられている。パネル３は基準面３
ａ、この基準面に連なる傾斜面３ｂおよびこの傾
斜面に連なる後退面３ｃからなる。

モールデイング１はガラス２の周縁とパネル３
との間隙Ｓを覆う頭部４、この頭部４から下方に
伸びて間隙Ｓ内に挿入される脚部５、この脚部５
からガラス２の端面２ａに当接するように伸びる
２枚のリツプ６，７および脚部５からパネル３の
傾斜面３ｂに当接するように伸びる３枚のリツプ
８，９，１０から構成されている。１１はパネル
３の後退面３ｃおよびガラス２に当接するように
設けられたダムラバーで、接着剤１２を保持す
る。

以上のように構成されたモールデイング１は、
第２図に示すように、ダムラバー１１にガラス２
を当接した状態で凹部に接着剤１２を充填し、リ
ツプ６、７がガラス２の端面２ａに当接し、リツ
プ８，９，１０がパネル３の傾斜面３ｂに当接す
るように脚部５を間隙Ｓに挿入し、頭部４をガラ
ス２および基準面３ａに当接させて間隙Ｓを覆
い、この状態で接着剤１２を硬化させて取付けて
いる。

しかしながら、このような従来の自動車用ウイ
ンドウモールデイングにおいては、モールデイン
グ１のリツプ６……１０がガラス２の端面２ａお
よびパネル３の傾斜面３ｂに当接し、それにより
たわむことにより生ずる端面２ａおよび傾斜面３
ｂとの摩擦力、ならびにモールデイング１と接着
剤１２の粘着力により、接着剤１２が硬化するま
でのモールデイング１の浮上防止をしていたた
め、リツプ６……１０の復元力によりモールデイ
ング１全体が浮き上るという問題点があつた。

またモールデイング１はガラス２の周縁に沿つ
て取付けられるため、コーナー部Ｃでは頭部４の
面方向に90゜前後の角度に折曲げられるが、頭部
４の右部４ａと左部４ｂとでは長さ、厚み等に差
があるため、脚部５方向への折曲げ強度に差が生
じ、このためコーナー部Ｃでの折曲げの際、折曲
げ強度の小さい左部４ｂのみが脚部５方向に折曲
がつてモールデイング１全体を持上げ、右部４ａ
とパネル３の基準面３ａとの間に隙間を生じさせ
るという問題点があつた。さらにガラス２の車体
への組付バラツキにより、ガラス２の端面２ａと
パネル３の傾斜面３ｂとの間隙Ｓが狭くなる場
合、多数のリツプ６……１０があるため脚部５が
間隙Ｓに入りにくくなるという問題点もあつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、モールデイングの脚部にガラ
スより下の位置からパネル側に伸びるリツプ、ガ
ラスの下側に伸びるリツプおよびガラスの端面に
当接するように伸びるリツプを形成することによ
り、上記問題点を解決することを目的としてい
る。

この考案は車体に固定されるウインドウガラス
の周縁と車体パネルとの間隙を覆う頭部、この頭
部から下方に伸びて前記間隙内に挿入される脚
部、この脚部の前記ガラスより下の位置からパネ
ル側に伸びるリツプ、前記脚部のガラスより下の
位置からガラスの下側に伸びるリツプ、およびこ
のリツプの上側に前記脚部からガラスの端面に当
接するように伸びるリツプを備え、パネル側に伸
びるリツプはガラス側に伸びるリツプよりも厚く
形成されていることを特徴とする自動車用ウイン
ドウモールデイングである。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。第
４図はこの考案の一実施例によるモールデイング
の取付前の状態を示す第１図のＡ−Ａ断面図、第
５図は取付状態を示すＡ−Ａ断面図であり、第１
図ないし第３図と同一符号は同一または相当部分
を示す。

モールデイング１は軟質ポリ塩化ビニル樹脂等
の軟質合成樹脂の押出成形品からなる。頭部４は
脚部５に対してほぼ左右対称となつて、脚部５方
向への折曲げ強度がほぼ等しくなつている。脚部
５は頭部４のほぼ中央部から下に伸び、挿入され
たときにガラス２より下に位置する部分からパネ
ル３の傾斜面３ｂに当接するように伸びるリツプ
１３、同じくガラス２より下に位置する部分から
ガラス２の下面２ｂに当接するように伸びるリツ
プ１４、およびリツプ１４より上側からガラス２
の端面２ａに当接するように伸びるリツプ１５が
形成されている。リツプ１３はリツプ１４，１５
より厚いが、リツプ１４，１５の合計の厚みより
は薄くなつている。

以上のように構成されたモールデイング１は、
第２図の場合と同様に、リツプ１３……１５をパ
ネル３の傾斜面３ｂおよびガラス２の端面２ａに
当接させ、たわませた状態で脚部５を間隙Ｓに挿
入すると、ガラス２側のリツプ１４，１５の合計
弾発力がリツプ１３の弾発力より強いため、脚部
５は傾斜面３ｂ寄りに下降し、リツプ１４がガラ
ス２の端面２ａから外れやすくなる。リツプ１４
がガラス２の端面２ａから外れて下面２ｂに入り
込むと、リツプ１３の弾発力がリツプ１５の弾発
力に勝つため、脚部５はガラス２側に押され、リ
ツプ１４はさらに奥へ入り込むことになる。この
ためリツプ１４の係止作用によりモールデイング
１の上向の移動は阻止され、浮上りが防止され
る。リツプ１５はガラス２の端面２ａに当接した
ままで、脚部５を適正な位置に保つ。

なお、リツプ１３……１５および他の部分の形
状、構造、取付位置等は図示のものに限定され
ず、変更可能である。

以上説明してきたように、この考案によれば、
モールデイングの脚部にガラスより下の位置から
パネル側に伸びるリツプ、ガラスの下側に伸びる
リツプ、およびガラスの端面に当接するように伸
びるリツプを設け、パネル側に伸びるリツプはガ
ラス側に伸びるリツプよりも厚く形成するように
構成したので、モールデイング１の直線部分およ
びコーナー部における浮上りが防止され、またリ
ツプの数が少ないため弾発力が弱く、脚部の間隙
への挿入およびガラスの下側に伸びるリツプのガ
ラスとの係合が容易になるなどの効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の車体を示す斜視図、第２図は
従来のモールデイングの取付状態を示すＡ−Ａ断
面図、第３図はその取付前の状態を示すＡ−Ａ断
面図、第４図はこの考案の一実施例によるモール
デイングの取付前の状態を示すＡ−Ａ断面図、第
５図はその取付状態を示すＡ−Ａ断面図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示
し、１はモールデイング、２はウインドウガラ
ス、３は車体パネル、４は頭部、５は脚部、６…
…１０、１３……１５はリツプ、１１はダムラバ
ー、１２は接着剤である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体に固定されるウインドウガラスの周縁と
   車体パネルとの間隙を覆う頭部、この頭部から
   下方に伸びて前記間隙内に挿入される脚部、こ
   の脚部の前記ガラスより下の位置からパネル側
   に伸びるリツプ、前記脚部のガラスより下の位
   置からガラスの下側に伸びるリツプ、およびこ
   のリツプの上側に前記脚部からガラスの端面に
   当接するように伸びるリツプを備え、パネル側
   に伸びるリツプはガラス側に伸びるリツプより
   も厚く形成されていることを特徴とする自動車
   用ウインドウモールデイング。 (2) パネル側に伸びるリツプはガラス側に伸びる
   リツプの合計厚さよりも薄く形成されている実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の自動車用ウ
   インドウモールデイング。