JPS61186453A - すぐれた耐溶接割れ性、耐エロ−ジヨン性及び耐クリ−プ特性を有する高強度高靭性焼ならし型低炭素ボイラ・圧力容器用鋼板 - Google Patents

すぐれた耐溶接割れ性、耐エロ−ジヨン性及び耐クリ−プ特性を有する高強度高靭性焼ならし型低炭素ボイラ・圧力容器用鋼板

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JPS61186453A
JPS61186453A JP2748585A JP2748585A JPS61186453A JP S61186453 A JPS61186453 A JP S61186453A JP 2748585 A JP2748585 A JP 2748585A JP 2748585 A JP2748585 A JP 2748585A JP S61186453 A JPS61186453 A JP S61186453A
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steel plate
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strength
erosion
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Motomi Kanano
叶野 元巳
Haruo Kaji
梶 晴男
Mutsuo Hiromatsu
廣松 睦生
Shoji Tone
登根 正二
Akihito Nishijima
西島 明史
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ボイラ・圧力容器用低炭素鋼板に関し、詳し
くは、焼ならし後の組織におけるベイナイトの割合が2
0〜85%であって、すぐれた耐溶接割れ性、耐エロー
ジヨン性及び耐クリープ特性を有する高強度高靭性焼な
らし型低炭素ボイラ・圧力容器用鋼板に関する。
(従来の技術) 従来より、発電プラントや化学プラント等におけるボイ
ラ・圧力容器用構造材料として、JIS 5R49(A
STM A315 Gr、70)やJIS SGV 4
9 (ASTM^516Gr、 70)等の圧延鋼材が
用いられている。これらの圧延鋼材はフェライト・パー
ライト組織を有し、その室温及び約300〜400℃の
高温での強度を確保するために、C量を0.20〜0.
3Q%と比較的多量に添加して、パーライトの割合を高
めている。しかし、このように、C量を高めた圧延鋼材
においては、溶接割れ感受性組成PeMが高く、その溶
接施工にあたっては、低温割れ防止のために、通常、1
50〜350℃程度での高温の予熱を必要とし、製造期
間の長期化や熱エネルギーの大量消費等、製造コスト上
昇の一因となっている。
他方において、低温割れ感受性を低めて溶接性を改善す
るためには、PCNを低減すること、特にC量を下げる
ことが有効であることは既によく知られている。しかし
、C量を低減すれば、強度の低下、耐エロージヨン性の
低下、高温クリープ強度の低下等の問題を生じる。
一方、Bは、従来、焼入れ焼戻しを行なう調質鋼につい
ては広く利用されているが、一般に、焼ならし鋼或いは
焼ならし焼戻し鋼には、従来、殆ど添加されていないと
ころ、最近に至って、焼ならし鋼或いは焼ならし焼戻し
鋼にも微量のBを添加して、鋼の焼入れ性の増加を図り
、強度を増加させる方法が実用化されるに至っている。
最近になって、ボイラ・圧力容器用鋼板の分野において
も、低炭素鋼にBを添加することによって、すぐれた耐
溶接割れ性と高強度とを兼ね備えさせ得ることが報告さ
れているが、このようにして得られる鋼板は、焼ならし
ままでの靭性が低く、ボイラや圧力容器の製造時の冷間
曲げ加工等において脆性破壊の発生が懸念されるので、
従来、加工に際しでは熱間曲げ加工を行なうか、又は冷
間曲げ加工前に焼戻しを行なって、靭性を回復させてい
る。
従って、この含B鋼を用いる場合も、製造期間の長期化
や製造コストの上昇が避けられない、特に、近年、冷間
加工技術の進歩に伴って、冷間曲げ加工が多用される傾
向にあるので、焼ならしままで高靭性を有するボイラ・
圧力容器用鋼板への要望が極めて高くなってきている。
(発明の目的) 本発明者らは、かかる要望に応えるべく鋭意研究した結
果、耐溶接割れ性を改善するためにC量を著しく低減し
たにもかかわらず、Bの焼入れ性向上効果を活用すると
同時に、Cu、Ni及びCrを複合添加することによっ
て、低炭素台゛B鋼における焼ならしままの靭性を格段
に改善し、更に、CIo、20〜0.35%の従来のボ
イラ・圧力容器用鋼板と同等又はそれ以上にまで、強度
、耐エロージヨン性、耐クリープ特性を改善し得て、従
来にない新規なボイラ・圧力容器用鋼板を得ることがで
きることを見出して、本発明に至ったものである。
従って、本発明は焼ならしままですぐれた耐溶接割れ性
、耐エロージヨン性及び耐クリープ特性を有する高強度
高靭性低炭素イラ・圧力容器用鋼板を提供することを目
的としている。
(発明の構成) 本発明によるすぐれた耐溶接割れ性、耐エロージヨン性
及び耐クリープ特性を有する高強度高靭性焼ならし型低
炭素イラ・圧力容器用鋼板は、第1には、 重量%で C0.02〜0.12%、 sio、os〜1.0%、 Mn  0.30〜1.50%、 Cu  0.05〜0.19%、 Ni0.05〜0.39%、 Cr  0.05〜0.40%、 Mo0.03〜0.45%、 sol  AN   0.005〜0.10%、B  
  0.0003〜0.0020%、N   0.00
5%以下、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、 C+0.17Mn≦0.30(%) を満足すると共に、 で定義されるPoが0.23%以下であり、且つ、焼な
らし後の組織におけるベイナイトの割合が20〜85%
であることを特徴とする。
また、本発明による第2の鋼板は、上記した化学成分に
加えて、 Ti  0.005〜0.08%、 Nb  0.005〜0.08%、 v   o、oosに0.10%及び Ca  0.0005〜0.010% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有す
ることを特徴とする。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明によるボイラ・圧力容器用鋼板において、Bは、
オーステナイト中に固溶し、結晶粒界に偏析して、フェ
ライト変態を抑制するため、鋼の焼入れ性を向上させる
。しかし、他方において、Bは、鋼中のNと結合しやく
、BがBNを生成すると、鋼中におけるBの有効量が減
少し、焼入れ性を低下させる。従って、本発明において
は、鋼の焼入れ性を向上させるべく、Bの有効量を確保
するために、鋼中のN量を低減すると共に、A1によっ
てNを固定する。しかし、Bを過多に添加するときは、
オーステナイト粒界にB化合物が析出し、却って焼入れ
性を低下させるので、本発明においては、B及び5ol
Ajlの添加量を後述するように所定の範囲に限定する
と共に、N量を規制する。
しかし、本発明鋼板のように、低C鋼においては、Bの
焼入れ性向上効果を利用するだけでは、強度、靭性ほか
目的とする望ましい特性を得ることは困難である。ここ
において、本発明者らは、研究を重ねた結果、低C#に
おいて、Bを所定量添加して、その焼入性向上効果を利
用すると共に、Cu % N 1及びCrを複合添加す
ることにより、鋼の焼入れ性を一層向上させると同時に
、Bの焼入れ性向上効果との相乗効果によって、鋼の組
織を一層ペイナイト化することができ、ここに、ベイナ
イトは、フェライトと比較して、各元素の固溶限が高い
ために、結晶粒界に析出物を生じ難い性質を有している
ので、耐エローシコン性及び耐クリープ特性をも従来鋼
と同等以上に改善できることを見出したのである。
次に、本発明によるボイラ・圧力容器用鋼板における化
学成分の限定理由について説明する。
Cは、鋼の強度及び耐エロージヨン性を確保するために
、本発明鋼においては、0.02%以上を添加すること
が必要であるが、反面、C量の増加と共に耐溶接割れ性
及び靭性が低下するので、添加量の上限は0.12%と
する。
3iは、強度の確保及び耐酸化性の向上のために有効で
あり、少なくとも0.05%を含有させることが必要で
あるが、しかし、過多に含有させるときは、靭性が低下
するので、本発明においては、含有量の上限は1.0%
とする。
Mnは、鋼の焼入れ性を高めるのに有効であり、本発明
においては、Poが0.23%以下であり、且つ、後述
するように、C+0.17Mnが0.30%以下の範囲
で所定の鋼強度を確保するために、0.30%以上を添
加することが必要である。しかし、1.50%を越えて
過多に添加するときは、靭性及び耐溶接割れ性が低下す
るので、添加量は0゜30%〜1.50%の範囲とする
Cuは、固溶強化及び析出強化に有効な°成分であり、
且つ、耐エロージヨン性の向上にも効果がある。かかる
効果を有効区発揮させるためには、少なくとも0.05
%を添加する必要がある。一方、0.19%を越えて過
多に添加すると、耐溶接割れ性が低下するので、Cuの
添加量は0.05〜0.19%の範囲とする。
Niは、鋼の焼入れ性を増し、また、耐エロージヨン性
の向上に効果があり、更に、高温におけるオーステナイ
ト粒界へのCuの析出による亀甲割れを防止するのに有
効である。かかる効果を有効に発現させるためには、0
.05%以上を添加する必要がある。しかし、Niは高
価な元素であるので、実用的な観点から、その添加量は
0.05〜0.39%の範囲とする。
Crは、高温における耐食性と強度を確保するために、
少な(とも0.05%を添加することが必要である。し
かし、過度に添加すると靭性が劣化するので、その添加
量の上限は0.40%とする。
MOは、鋼の焼入れ性、特にBと共存した場合の焼なら
し時の焼入れ性を高めるために、本発明鋼において不可
欠の元素であって、0.03%以上の添加を必要とする
。しかし、高価な元素であるので、その添加量の上限は
、実用的な見地から0゜45%とする。
Bは、前記したように、焼ならし時の焼入れ性を高め、
強度上昇の効果を有効に得るために、本発明鋼において
は、0.0003%以上を添加することが必要である。
しかし、0.0020%を越えて過剰に添加するときは
、焼ならし時にB化合物を生成し、焼入れ性を低下させ
ると同時に靭性の劣化も生じる。従って、添加量の上限
は0.0020%とする。
5olAj!は、前記したように、Nを固定し、また、
組織を微細化して、靭性を高める効果を有するが、その
含有量が0.005%よりも少ないときは、上記の効果
が期待できず、一方、含有量が0゜10%を越えると、
鋼塊表面割れの原因となることから、その含有量はo、
oos〜0.10%の範囲とする。
Nは、その含有量がo、oos%を越えるときは、BN
を生成しやすくなり、その結果、焼入れ性に有効なり量
が減少し、鋼板の焼入れ性が低下するので、含有量は0
.005%以下とする。
前記PCMは、よく知られているように、溶接時の低温
割れ感受性を示す指標であり、溶接施工時の予熱温度を
より低くするためには、この値を極力低く抑える必要が
ある。予熱温度を約100℃にしても割れを生じないよ
うにするため、本発明による鋼板においては、Pc11
を0.23%以下とする。
本発明による第2のボイラ・圧力容器用鋼板は、前記し
た元素に加えて、Tis Nb5V及びCaよりなる群
から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有する。
Tiは、1200℃以上の高温域までNの固定に有効で
あるが、その添加量がo、 o o s%よりも少ない
ときは、かかる効果に乏゛シ<、一方、0.08%を越
えて過多に添加するときは、靭性を著しく損なう、従っ
て、添加量は0.005〜0.08%の範囲とする。
Nb、Vは共に、結晶粒を微細化して強度を向上させる
のに有効であるが、それぞれ0.005%未満ではその
効果が期待できず、一方、添加量がNbについて0.0
8%、■について0.10%をそれぞれ越えるときは、
靭性及び溶接性を劣化させるのみならず、経済性の点か
らも好ましくない。
従って、その添加量は、Nbについてはo、oos〜0
.08%、■については0.005〜0.10%の範囲
とする。
Caは、靭性を改善し、また、溶接継手、ボンド部の靭
性を向上させ、更に、板厚方向の特性を改善する。かか
る効果を有効に発揮させるには、少なくとも0.000
5%を添加することが必要である。しかし、0.010
%を越えて過多に添加するときは、非金属介在物の量が
増して、延性を低下させる。従って、本発明鋼において
は、その添加量をo、 o o o s〜0.010%
の範囲とすし、好ましくはo、 o o o s〜0.
0070%の範囲とする。
上記Ti、Nb5V及びCaは必要に応じて適当に組み
合わせて使用されるが、第2の発明に従って、■を添加
する場合も、PCMを0.23%以下に抑える必要があ
る。
次に、本発明鋼においては、前記したように、Bと共に
Cu、Ni及びCrを複合添加することにより、焼なら
し後の鋼組織として一層ペイナイトを有しているが、本
発明鋼は、この焼ならし後の鋼組織に占めるベイナイト
の割合が20〜85%の範囲にあることが必要である。
このベイナイト量が20%よりも少ない場合は、ベイナ
イトに基づく強度上昇の効果が殆どなく、実質的にC量
に応じた強度しか得ることができない。一方、ベイナイ
ト量が85%を越える場合は、焼ならしままで高強度を
得ることはできるが、靭性が非常に低い、従って、焼な
らしままにて高強度高靭性を得るには、焼ならし後の&
l1raをベイナイト・フェライト又はベイナイト・フ
ェライト・パーライトとし、且つ、ベイナイトの割合を
上記範囲とする必要がある。
このように、焼ならし後の組織に占めるベイナイトの割
合を前記所定の範囲とするためには、Cu SN i及
びCrの添加量を前記したように規制すると共に、焼入
れ性を高めるC及びMn量を規制することが必要であり
、本発明においてぽ、C+0.17Mn(但し、元素記
号は当該元素の重量%を示す。)を0.30%以下とす
る必要がある。
C+0.17Mnが0930%を越えると、vEoが急
激に低下し、vTrsも大幅に上昇する。後述するよう
に、C+0.17Mnを0.30%以下とすることによ
って、vEoを10.0kgf−m以上、vTrsを一
5℃以下とすることができ、従って、本発明においては
、C+0.17Mnを0.30%以下とする。
本発明による鋼板を製造するには、常法に従い、本発明
による化学成分を有する綱片を熱間圧延し引続いて熱処
理を行なえばよい。尚、焼ならし時に加速冷却を実施す
ることにより、本発明鋼の特性を一層改善することがで
きる。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、鋼におけるC量を著し
く低減して、耐溶接割れ性を改善するのみならず、Bと
共にCu % N 1及びCrを複合添加することによ
って、低炭素含B鋼における焼ならしままの靭性を格段
に改善し、か(して、従来の比較的C量の多い鋼板と同
等又はそれ以上にまで、強度、耐エロージヨン性、耐ク
リープ特性をまで改善することができ、このようにして
、従来にない新規なボイラ・圧力容器用鋼板を得ること
ができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を挙げる。
実施例 第1表に本発明鋼A−D及び比較1i1E−1の化学成
分、PCM及びC+0.17Mnを、また、第2表にこ
れらの鋼板の熱処理条件、その引張特性、衝撃特性、溶
接性及び焼ならし後の組織におけるベイナイトの割合を
それぞれ示す。
本発明鋼はいずれも、比較銅Bに比べてC量を大幅に低
減しているために、PCMが著しく低く1、そのために
、本発明鋼の斜めY形溶接割れ試験におけるルート割れ
防止予熱温度は、比較鋼Eの場合、150℃であるのに
対して、本発明鋼によれば50℃以下である。また、本
発明鋼では、焼ならしまま、又はSR後のいずれであっ
ても、50kgf/m+w”以上の引張強さが得られる
と同時に、衝撃特性においても、0℃における吸収エネ
ルギーvEoは10.0kg1m以上である。
比較鋼F〜■は低C含Bf4である。比較鋼Fは、Cr
量が本発明で規定する範囲を越えて過多に添加されてい
るため、vEoが著しく低く、また、ルート割れ防止予
熱温度も本発明鋼に比べて劣る。
比較鋼G、H及び■はいずれもすぐれた耐溶接割れ性を
有するが、比較fiGは、N量が高いためにBの焼入れ
性向上効果が十分に発揮されず、強度が著しく劣る。比
較鋼H及び■は共にMn量が高く、C+0.17Mnが
0.30%を越え、その結果として、焼ならし後の組織
におけるベイナイト量が85%を越えるので、高強度が
得られるものの、焼ならし後の靭性が非常に低い。
第1図にCu0.005〜0.19%、N i 0.0
5〜0.39%、Cr 0.05〜0.40%及びB3
〜20 ppmを含有する板厚40〜80鶴の鋼板のC
+0.17Mn及び焼ならし後の組織に占めるベイナイ
トの割合と焼ならしままの衝撃特性との関係を示す。C
+0.17Mnが0.30%を越えるとき、vEoが急
激に低下すると共に、vTrsも大幅に上昇することが
認められるのに対して、本発明に従って、C+0.17
Mnを0.30%以下とするとき、vEoは10.Ok
gf−m以上、に、vTrsは一5℃以下である。
また、第2図に本発明鋼及び比較鋼の耐エロージヨン性
を示す。B 、、Cu % N i及びCrを含有しな
い比較鋼である高C鋼(C0,26%)に比較して、低
C含B綱であっても、CuSNi及びCrを含有しない
比較鋼は、耐エロージヨン性が低下してるが、本発明鋼
は、従来鋼よりすぐれた耐エロージヨン性を有している
。これは、本発明鋼においては、Cu及びNiの複合添
加によって、鋼の耐食性自体が向上していること、また
、極低C化すると共に、組織の一部をベイナイト化した
ので、結晶粒界での析出物が少なく、また、析出する炭
化物も結晶粒内に微細に生じているために、ミクロ的硬
度が均一となって、局部的な腐食が起こり難いことによ
る。更に、本発明鋼においては、B及び上記Cu、Ni
及びCrの複合添加による焼入れ性の向上のために、全
体として硬度が上昇していることも、耐エロージヨン性
の向上に寄与している。
尚、耐エロージヨン性試験は、それぞれ表面を研摩した
直径10wmの試験片の中心部に高圧で150℃の水を
流速5m/秒で500時間衝突させた後、試験片の腐食
減電量を測定することにより行なった。
第3図に本発明鋼及び比較鋼の高温クリープ破断強度を
示す。横軸(P)はLarson−Millerパラメ
ータを示し、Tは試験温度(K) 、tは破断時間(h
)である。本発明鋼の破断強度は、比較鋼のそれと比較
して同等以上である。これは、本発明鋼によれば、クリ
ープ温度域において、ボイド発生の核となる結晶粒界上
の炭化物の析出が少ないうえに、粒界と粒内の強度差も
小さいため、粒界に歪の集中が起こり難いことによるも
のである。
また、本発明鋼は、第2表に示したように、溶接施工後
に実施されるSR後でも、高強度高靭性を有している。
このように、本発明鋼は、耐溶接割れ性、耐エロージヨ
ン性及び耐クリープ特性にすぐれ且つ、高強度高靭性を
有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋼板のC+0.17Mn及び焼ならし後のU織
におけるベイナイトの割合と焼ならしままの衝撃特性と
の関係を示すグラフ、第2図は本発明鋼及び比較鋼の耐
エロージヨン性を示すグラフ、第3図は本発明鋼及び比
較鋼の高温クリープ破断強度を示すグラフである。 第1図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で C0.02〜0.12%、 Si0.05〜1.0%、 Mn0.30〜1.50%、 Cu0.05〜0.19%、 Ni0.05〜0.39%、 Cr0.05〜0.40%、 Mo0.03〜0.45%、 solAl0.005〜0.10%、 B0.0003〜0.0020%、 N0.005%以下、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、 C+0.17Mn≦0.30(%) を満足すると共に、 P_C_M=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/
    20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B(%) で定義されるP_C_Mが0.23%以下であり、且つ
    、焼ならし後の組織におけるベイナイトの割合が20〜
    85%であることを特徴とするすぐれた耐溶接割れ性、
    耐エロージヨン性及び耐クリープ特性を有する高強度高
    靭性焼ならし型低炭素ボイラ・圧力容器用鋼板。
  2. (2)重量%で (a)C0.02〜0.12%、 Si0.05〜1.0%、 Mn0.30〜1.50%、 Cu0.05〜0.19%、 Ni0.05〜0.39%、 Cr0.05〜0.40%、 Mo0.03〜0.45%、 solAl0.005〜0.10%、 B0.0003〜0.0020%、 N0.005%以下を含有すると共に、 (b)Ti0.005〜0.08%、 Nb0.005〜0.08%、 V0.005〜0.10%及び Ca0.0005〜0.010% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有し
    、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、 C+0.17Mn≦0.30(%) を満足すると共に、 P_C_M=C+Si/30+(Mn+Cu+Cr)/
    20+Ni/60+Mo/15+V/10+5B(%) で定義されるP_C_Mが0.23%以下であり、且つ
    、焼ならし後の組織におけるベイナイトの割合が20〜
    85%であることを特徴とするすぐれた耐溶接割れ性、
    耐エロージヨン性及び耐クリープ特性を有する高強度高
    靭性焼ならし型低炭素ボイラ・圧力容器用鋼板。
JP2748585A 1985-02-13 1985-02-13 すぐれた耐溶接割れ性、耐エロ−ジヨン性及び耐クリ−プ特性を有する高強度高靭性焼ならし型低炭素ボイラ・圧力容器用鋼板 Pending JPS61186453A (ja)

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