JPS5953749B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁気記録再生装置に関し、特に例えば映像信
号記録再生回転磁気ヘッドを用いて再生時に記録テープ
上に記録された映像信号トラック上を映像信号記録再生
用磁気ヘッドが正しく走行、するように調整する際にそ
の調整を容易にするものにおいて、映像信号を高密度で
記録するために隣り合う磁気トラック間に間隙を形成し
ないようにまたは隣り合う磁気トラックが互に一部重な
るように記録する方式の磁気記録再生装置に関すフる。

以下に第１図〜第４図を参照してこの発明の背景となる
磁気記録再生装置の一例を説明する。

第１図において、映像信号記録再生用磁気ヘッド１およ
び２が回転体３上に相互に１８００の角間丁隔をもつて
取付けられている。ヘッド１および２の磁気ギャップｇ
ｌおよびｇ２の幅方向となす角は、第２図に示すように
、矢符９で示すヘッド１および２の走査方向に対して互
いに異るように構成されている。磁気テープ４はシリン
ダ５の周面ク上に斜めにわたつて１８００より若干多め
に巻きつけて走行させる。さらに、前記回転体３には磁
性体片６が取付けられておりこの磁性体片６の回転する
軌跡と対向する位置に互に１８００の角間隔をもつて回
転位相検出コイル７および８が取付けら５れている。つ
ぎに、磁気テープ４をシリンダ５の周面上に斜めに１８
００よりわずか多めの角度範囲にわたつて巻きつけて走
行させ、ヘツド１および２をフレーム周波数３０圧で回
転させた状態で、ヘツド１および２に周波数変調した映
像信号を供給して磁気テープ４に記録する。

このようにすれば、第３図に示すように、磁気テープ４
の長手方向に対して斜めの磁気トラツクＴｌ，Ｔ２，Ｔ
ｌ，Ｔ２・・・・・・を順次１フイールド毎に交互に形
成するように記録される。また磁気テープ４はシリンダ
５に１８０゜より多めに巻きついているので、隣接する
トラツクの始終端部にオーバラツプ部ができ、信号の円
滑な切換えが計られるようになつている。また垂直同期
信号（図示せず）はテープの側縁よりトラツクの中心線
に沿つて一定の距離のところに記録される。この場合第
３図に示すように隣り合うトラツクＴ１およびＴ２間に
間隔が形成されないように記録したりあるいは隣り合う
磁気トラツクが互いに一部重なるように記録する。ここ
で、水平同期信号ＨはトラツクＴｌ，Ｔ２の対接部で一
致するように記録する。このようなパターンで記録され
た磁気テープ４より再生信号を得る場合ヘツド１によつ
て記録されたトラツクＴ１をヘツド１により再生し、ヘ
ツド２によつて記録されたトラツクＴ２をへツド２によ
つて再生すれば、ヘツド１およびへツド２の幅方向に対
するギヤツプｇ１およびＧ２の成す角度が互いに異るの
で、いわゆるアジマス損失によつて隣接するトラツクか
らの妨害が少ない。

そのため、上述のように、隣り合うトラツク相互間の間
隔がないように記録できるので記録密度が大幅に増加す
る。第４図は上述のように記録されたトラツクより信号
を再生するためのこの発明の背景となる磁気記録再生装
置のプロツク図である。

この発明の理解を容易にする目的でその概要を説明する
。予め磁気テープ４の側縁に例えばトラツクＴ１に対応
・させて記録しておいた映像信号中の垂直同期信号に関
連した信号、すなわちコントロール信号を図示しないコ
ントロールヘツド１９にて再生し、増幅器２０で増幅す
る。この増幅器２０出力を、該コントロール信号の位相
を変化させるため移相マｚルチ２１を通した後、位相比
較回路２２に供給する。一方、ヘツド１および２の回転
位相を検出する回転位相検出コイル８からのパルス信号
は増幅器１７を介して位相比較回路２２に供給される。
この比較回路２２の出力は、誤差信号として、増幅器２
３を介して取出される。従つて、この増幅器２３出力は
、ヘツド１および２の回転を制御するためのブレーキコ
イル２４に加えられ、ヘツド１および２がそれぞれトラ
ツクＴ１およびＴ２を走査するように回転位相を制御す
る。このようにして、前期コントロール信号と回転検出
パルスとはある一定の位相差をもつて同期する。そして
移相マルチ２１の移相量を適当に設定すればヘツド１お
よび２はそれぞれトラツクＴ１およびＴ２上を正しく走
査することになる。一方、へツド１および２によつてそ
れぞれトラツクＴ１およびＴ２より再生された再生信号
は、増幅器１０および１１を介してスイツチヤ１２に加
えられる。

スイツチヤ１２は、トラツクＴ１およびＴ２のオーバラ
ツプ部において、ヘツド１および２の出力を切換えて連
続信号に合成する。この合成信号がリミタ１３を通じて
復調器１４に加えられ、応じて復調された映像信号が出
力端１５に得られる。スイツチヤ１２に供給するスイツ
チングパルスは、ヘツド１および２がちようど各トラツ
タＴ１およびＴ２上のオーバラツプ部分を走査する時点
において、前記回転位相を検出する回転位相検出コイル
７および８の出力（これら出力は互に１８０゜の位相差
をもつて発生する）を増幅器１６および１７を通じてフ
リツプフロツプ回路１８に供給することにより得られる
。

このスイツチングパルスの立上りおよび立下りに相当す
る磁気テープ４における位置は例えば第３図の点線Ｓ１
およびＳ２で示される。すなわち、ヘツド１，２が回転
して磁気テープ４の側縁より一定の距離にある点線部Ｓ
１に達したときにスイツチングパルスが切換わり、この
時点よりヘツド１，２がちようど半回転（１８０゜）す
るとヘツドはもう一方の点線部Ｓ２に達してスイツチン
グパルスが再び切換わる。さて、上述のごとくの従来の
磁気記録再生装置では、例えばシリンダ５とコントロー
ルヘツド１９（図示せず）との距離、すなわち回転体３
に取付けられた映像信号記録再生用磁気ヘツド１および
２とコントロールヘツドとの距離が、ある一定の値を有
する磁気記録再生装置で映像信号を記録し、前記両磁気
ヘツド間の距離が異なる他の磁気記録再生装置を用いて
再生する、いわゆる互換再生の場合には映像信号記録再
生磁気へツドが正確にトラツク上を走査しないことがあ
る。

これは、いわゆるトラツクずれのために完全な再生がで
きない。すなわち、個々の装置の前記一定距離が異なる
場合には、その記録テープの互換性がないと．・いう欠
点がある。このため、従来の回路では、前述の第４図で
示したように、コントロール信号の移相用マルチ２１を
設けて記録テープに合せてその移相量を手動で設定し直
して前記トラツクずれを補正するようになつている。こ
れは、家庭など１で実際に手動で補正する場合、テープ
より再生された信号をテレビジヨン画面で泪視しながら
画面のＳ／Ｎが最も良くなるようにマルチの移相量を設
定する方法がとられる。しかしながら、一般の使用者に
とつてＳ／Ｎ最良の画面の判定が困難であり、そのため
トラツキングを正確に合わせることは困難で゛ある。そ
れゆえにこの発明の主たる目的は上述の欠点を除き再生
画面を目視しながら簡単にトラツキング調整を行える磁
気記録再生装置を提供することである。

この発明は、要約すれば、アジマス損失を利用して高密
度記録を達成する磁気記録再生装置（ＴＲ）において、
再生映像出力のスイツチング（切換え）部と水平同期信
号とをテレビジヨン画面の中央部に出し、スイツチング
部に生ずる水平同期信号の「泣き別れ」 （後述する）
を目視によつて確認しながらトラツキング調整できるよ
うにした磁気記録再生装置である。

この発明の上述の目的およびその他の目的と特徴は図面
を参照して行なう以下の詳細な説明から一層明らかとな
ろう。

第５図は磁気テープ上のトラツクの一部を拡大して表わ
した図である。

ここで、回転へツドが２点鎖線ＡおよびＢで示すトラツ
タの中心線上を正しく走査している場合と、いわゆるト
ラツクすれしてトラツクの中心線よりずれて例えば２点
鎖線Ａ″およびＢ″で示す位置までずれてへツドがトラ
ツクに対して位相が進んだ状態でトラツクを走査してい
る場合について考える。前者の場合は、例えばへツド１
がトラツクＴ１を走査してこの第５図の点ＰＡ２に達し
たときスイツチングパルスが切換わり、へツド１よりの
再生出力が停止される。

ちようどこのとき、ヘツド２がトラツクＴ２の点ＰＢｌ
にあり、この点より再生を開始するが、ヘツド］， ２
はトラツクＴｌ，Ｔ２上を正しく走査しているからスイ
ツチングの前後の再生出力信号には時間誤差はなく、例
えば水平同期信号には狂いが生じない。一方、後者の場
合は、例えばヘツド１が第５図の点Ｐ″ャに達したとき
スイツチングパルスが切換わり、ヘツド１よりの再生生
出力が停止される。

ちようどこのとき、ヘツド２がトラツクＴ２の点Ｐ″Ｂ
１に達しており、この点より再生を開始する。ところが
前述したように、ヘツド１および２の磁気ギヤツプｇ１
およびＧ２が走行方向に対して互いに異つた角度である
ため、記録信号は、第３図および第５図に示したごとく
、トラツクＴ１およびトラツクＴ２の方向に対して互い
に異つた角度で記録されている。そのため、この場合、
スイツチングパルスの前後で再生出力信号に時間誤差を
生ずる。すなわち、ヘツド１によるトラツクＴ１の再生
から、スイツチングにより、ヘツド２によるトラツクＴ
２の再生に移るとき、急に位相が進む。また、このトラ
ツクＴ２の再生からスイツチングによりさらにつぎのト
ラツクＴ１の再生に移るとき、急に位相が遅れる。第６
図はこの様子を水平同期信号について示したものである
。第６図ａは、スイツチングパルスであり、ＰＡｌ，Ｐ
′Ａ２（Ｐ″Ｂ１）Ｐ″３。はそれぞれトラツクＴ１お
よびＴ２上のＰ″Ａｌ，Ｐ″Ａ２（またはＰ″Ｂ１），
Ｐ″Ｂ２に対応している。第６図ｂは再生水平同期信号
であり、スイツチングパルスの切換え点ＰＡ２，Ｐ″Ｂ
２で急に位相が変′化している様子が理解されよう。い
ま、垂直のバ一を記録したものをこのようなトラツクず
れの状態で再生するとそのときの再生画面は、第７図に
示すように、スイツチングパルスの切換え点で垂直バ一
にフイールドの切換え部７の時間ずれのため、画像が左
右に曲がる現象（以下これを「泣き別れ」と呼ぶ）が生
じ、その後はテレビジヨンの水平ＡＦＣの特性に従つて
元の垂直バ一に復帰する。

上述の説明は、へツドがトラツクに対して位相が進んだ
状態で走査している場θ合であるが、へツドがトラツク
に対して位相が遅れて走査する場合も同じように再生画
面には「泣き別れ」が発生する。以上の説明より明らか
なように正確なトラツキング調整を行なうためには再生
画面を目視しながら前記「泣き別れ」が零になるように
移相マルチ２１を手動調整すればよいわけであるが、通
常、スイツチングパルスの切換え位置は再生画面下部（
垂直ブランキング期間）に設定して目立ちにくいように
している。

また、上述のような垂直バ一の場合、またはこれに類似
した信号の再生画面でない場合は前記「泣き別れ」が判
別しにくい。このためこの発明では再生映像出力に擬似
的同期信号を挿入することにより再生水平同期信号をテ
レビジヨン画面内に再生させてこれを垂直バ一と着做し
てトラツキング調整を容易にする。第８図はこの発明の
一実施例である。

この実施例は第４図に示した回路の出力端子１５に接続
されるものである。すなわち、同期分離回路２５は、出
力端子１５の再生映像信号より、垂直同期信号および水
平同期信号抽出する。この抽出された垂直同期信号およ
び水平同期信号は、それぞれ、遅延マルチ２６および２
７に加えられ、各同期信号の繰返し周期の約１／２程度
遅延したパルスとされる。遅延マルチ２６および２７の
出力遅延パルスは、それぞれ、パルス整形回路２８およ
び２９に加えられ、擬似垂直同期信号および擬似水平同
期信号として導出される。これら擬似同期信号は同期信
号挿入回路３０に与えられ、出力端子１５より導出され
た再生映像信号中に挿入される。このような擬似同期信
号の挿入は、該信号の同期信号レベルよりも大きいレベ
ルで挿入される。第９図は擬似同期信号が挿入された再
生映像信号を示し、水平同期信号に関連するものである
。

すなわち、水平同期信号より大きなレベルでパルス整形
回路２９からの擬似水平同期信号が前記正規の水平同期
信号の間に挿入される。擬似垂直同期信号も、図示しな
いが、同様に挿入される。スイツチ３１は通常の再生時
は接点３１ａに接続され端子１５の再生信号はそのまま
出力端３２に供給されてテレビジヨン（図示せず）に導
かれる。また、トラツキング調整を行うときは、このス
イツチ３１は接点３１ｂに接続され、応じて前記擬似同
期信号が挿入された映像信号が出力端３２に供給されテ
レビジヨンに導かれる。このような構成において、いま
スイツチ３１を接点３１ｂに接続すれば、この装置はト
ラツキング調整モードとされる。従つて、テレビジヨン
の再生画面の中央部にスイツチングパルス切換え部が現
われ、かつ再生水平同期信号部が第７図に類似した垂直
バ一となつて画面に現われる。操作者はこの水平同期信
号の垂直バ一の状態を目視によつて確認すればよいこと
になる。そのため、トラツクずれによる「泣き別れ」が
非常に見易すくなる。従つて、遅延マルチ２１の手動調
整（設定）は非常に簡単に行える。以上のようにこの発
明によれば、トラツキング調整が従来に比べて非常に簡
単にしかも正確に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の背景となる磁気記録再生装置の要部
を示す図解的構成図である。 第２図は回転磁気ヘツドのギヤツプの状態を示す図解図
である。第３図は磁気テープ上の記録パターンを示す図
解図である。第４図はこの発明の背景となる磁気記録再
生装置のプロツク図である。第５図はこの発明を説明す
るためのヘツド走査の様子を示す拡大図解図である。第
６図はスイツチングパルスと再生水平同期信号との関連
を示す図解図である。第７図は再生画面の「泣き別れ」
を示す図解図である。第８図はこの発明の一実施例を示
すプロツク図である。第９図は擬似水平同期信号を挿入
した再生映像信号である。図において、同一参照符号は
同一あるいは相当部分を示し、１，２は磁気ヘツド、２
１は移相マルチ、２２は位相比較回路、２５は同期分離
回路、２６，２７は遅延マルチ、２８，２９はパルス整
形回路、３０は（擬似）同期信号挿入回路、３１はスイ
ツチ、３１ａは通常再生モード接点、３１ｂはトラツキ
ング調整モード接点である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 走査方向と磁気ギャップが幅方向に成す角とが相互
   に異なる複数個の回転磁気ヘッド、前記回転ヘッドの回
   転位相を検出する手段、および前記回転位相を調整する
   手段を含み、 記録信号は前記複数個の回転ヘッドによつてほぼ１フィ
   ールドまたはその整数倍区間ごとに交互に前記磁気ギャ
   ップのなす角に応じて１本の磁気トラックとして記録さ
   れ、前記複数個の回転ヘッドからの再生信号は前記回転
   位相検出手段出力に応答して切換えられるような磁気記
   録再生装置において、トラッキング調整モードを設定す
   る手段、前記再生信号に含まれる水平同期信号と垂直同
   期信号とにそれぞれ相関し、かつこれらの各同期信号と
   は異なる位相で生起する疑似水平同期信号および疑似垂
   直同期信号を発生する手段、ならび前記トラッキング調
   整モード設定手段によるトラッキング調整モードの設定
   に応じて、前記再生信号に前記疑似水平同期信号および
   前記疑似垂直同期信号を前記再生信号中の同期信号より
   も大なるレベルで挿入し、トラッキング調整モードのと
   き再生画面上で前記水平同期信号および前記回転ヘッド
   からの再生信号の切換部を同時に目視することを可能に
   する手段を備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。