JPS5921155Y2 - 延反機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は長尺シート状物たとえばロール状に巻き取られ
た反物などを、所定長さに切断して積重ねたり、折り重
ねたりする作業を自動的に行なう装置としての延反機に
関する。

一般に延反機は、延反機本体上にロール状に巻き取られ
た長尺シート状物を架けて置き、この架けて置いた長尺
シート状物を延反機に設けた駆動ロールで巻きもどしな
がら繰出していき長尺シート状物を作業台上に順次繰出
すようにする。

そして、その繰出した長尺シート状物の端部をキャッチ
ャにより作業台上に固定する。

そして所定の延反長さとなるべく延反機本体を作業台上
で移動させて、作業台上に長尺シート状物の繰出しを行
ない、次いでカッターユニット等で延反機本体から切り
離し、−延反動作を終える。

以上の動作を繰り返すことにより、繰出された長尺シー
ト状物を所定の延反長さで作業台上に所定量積み重ねる
ことができる。

そして、この積み重ねた長尺シート状物を裁断加工へ移
してゆくものである。

ところが、ロール状に巻かれた長尺シート状物は巻層内
に両端側から圧力がかかつて幅方向に縮み変形した皺を
形成していることがある。

従来このような素材をそのまま延反すると次のような不
都合があった。

すなわち、素材の幅方向に縮み変形した皺がそのまま延
反後に残っていると、耳が不揃いになり、延反後の裁断
加工に悪影響を及ぼしていた。

また、作業台上に繰出され延反された長尺シート状物は
、延反機本体が作業台上を移動して所定長さ繰出された
後カッターユニット等で切り離すまで端部をキャッチャ
で押えられて作業台上に固定されておりこのため延反に
ともなって素材が多少引延ばされる状態にあり、このこ
とにより、延反後において、素材の平面方向にひずみが
生じ製品品質上好ましくなかった。

本考案は上記の事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、駆動ロールより繰出され、ノーテン
ションの状態で垂下された長尺シート状物に、幅延ばし
作用をする幅延ばしロールを転接させることにより、素
材の幅方向の縮み変形による皺を解消し、さらに繰出さ
れた長尺シート状物を作業台上へ確実に送り出すことが
できるようにした延反機を提供しようとするものである
。

以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら説明する
。

本考案は、ロール状に巻かれた延反機本体１上に載置さ
れた長尺シート状物２を、回転駆動される駆動ロール３
を介して作業台４上に繰出す延反機において、前記駆動
ロール３，３′から繰出されて、ノーテンションの状態
で作業台４の上方に垂下された長尺シート状物２ａに、
この長尺シート状物２ａの移動方向に沿って回転される
幅延ばしロール５を転接させ、該ロール５０回転を布素
材に応じた最適値を得るために回転を可変にした駆動機
構１４に連結して設けてあり、この幅延ばしロール５の
外周面に、当該幅延ばしロール５の回転によって前記繰
出された長尺シート状物２ａを幅方向両側へ幅延ばしす
る互に逆巻きの左、右一対の螺旋突条６，６′を設けて
なるものである。

延反機本体１は、多数の支持脚７・・・・・・により水
平状態に支持されている作業台４上に、長手方向に移動
可能に乗載されている。

この延体機本体１には、前記長尺シート状物２０巻芯軸
８を回動自在に架けて置いた状態で支持させる支持受台
９，９と、前記繰出された長尺シート状物２ａを間に挟
持して繰出動作する駆動ロール３，３′と、この駆動ロ
ール３，３′の下方に回転数を可変にした幅延ばしロー
ル５とを備えてなるものである。

前記長尺シート状物２は、たとえば反物などの素材をロ
ール状に巻きつけたもので、前記延反機本体１後部上面
に設けた支持受台９．９上に回動自在に架けて置かれる
。

支持受台９，９に置かれた長尺シート状物２から繰出さ
れた長尺シート状物２ａは、前記延反機本体１前部に設
けた駆動ロール３．３間を通してノーテンションの状態
で作業台５の上方に垂下されて繰出されるものである。

これら駆動ロール３，３′は、その両端部を上記延反機
本体１の両側壁１ａ、ｌａにそれぞれ回転可能に取着し
たものである。

そして、これら繰出しロール３．３′には、互に噛合う
歯車１０．１０’が固着してありこれら歯車１０．１０
’のうち一方を図示しない歯車駆動機構に連結している
ことにより、上記駆動ロール３，３′が互に異なった方
向に回転して長尺シート状物２ａを作業台４上に繰出す
ようになっている。

そして、前記駆動ロール３，３の下方には、幅延ばしロ
ール５が、この駆動ロール３，３から繰出された長尺シ
ート状物２ａの繰出方向と直角になるように水平に配置
されており、このロール５のロール面ば長尺シート状物
２ａの布面に転接している。

なお、この幅延ばしロール５の後方には、この幅延ばし
ロール５と相対向して繰出された長尺シート状物２ａの
後面を作業台４上に案内させるガイド１１が設けられて
おり、駆動ロール３，３′から繰出された長尺シート状
物２ａは、幅延しロール５とガイド１１との間を通って
作業台４上に繰出されるようにしている。

前記幅延ばしロール５は、延反機本体１上に支持部材１
２．１２に回転自在に支持されていて、その一端部に固
設したプーリ１３には、駆動ロール３，３′で繰出され
た長尺シート状物２ａの繰出方向に沿わせて回転するべ
くした駆動機構１４のたとえば駆動モータ１４ ａが動
力伝達用ベルＨ４ｂを介して連結されている。

駆動モータ１４ ａは、支持部材１２の片側に設けた回
転調節ダイヤル１６を回動調節することによってその回
転数をプリセット調節可能になっており、これによって
幅延ばし・ロール５の回転数を可変している。

また、この幅延ばしロール５は、長尺シート状物２ａを
幅延ばしするため、その外周面には、略中央部５ａから
左、右のロール端５ｂ、５ｂへ向けてロープ又はテープ
などを互いに逆巻にして、左、右一対の螺旋状に巻付け
てありかつ、その各々の両端を幅延ばしロール５に固着
して形威しである。

したがって、幅延ばしロール５が回転すると、そのロー
ル５に巻付けた左、右一対の螺旋突条６，６は繰出され
た長尺シート状物２ａの移動方向に沿って回転しながら
、ノーテンションの状態で作業台４の上方に垂下された
シート状物２ａの布面に転接することにまり長尺シート
状物２ａを幅方向両側に幅延ばしすることになる。

なお、図中１５は、作業台４上に繰出されて延反された
長尺シート状物２ａを延反機本体１から切り離すカッタ
ーユニットである。

このような構成にすることによって、駆動ロール３，３
から繰出され、ノーテンションの状態で作業台４の上方
に垂下された長尺シート状物２ａの布面には、駆動モー
タ１４ ａにより素材の状態に応じて回転させた幅延ば
しロール５の外周面の右巻き、左巻きの左右一対の螺旋
突条６，６が長尺シート状物２ａと移動方向に沿って回
転しながら転接するので、シート状物２ａの布面ば、そ
の中央部より幅方向両側へ幅延ばしされて長尺シート状
物２ａの幅方向の縮み変形による皺をなくすことができ
る訳である。

またガイド１１に沿って作業台４上に送り出される長尺
シート状物２ａは、幅延ばしロール５の回転力による送
り出し作用を受けて確実に作業台４上へ送り出される。

なお、上記実施例の螺旋突条６，６′は、幅延ばしロー
ル５に一体形成したものでもよい。

本考案は以上説明したように延反機本体の駆動ロールか
ら繰出され、ノーテンションの状態で作業台の上方に垂
下された長尺シート状物の布面には、駆動機構により素
材の状態に応じて適度に回転させた上記した構成の幅延
ばしロールが転接されることにより、その長尺シート状
物を幅方向両側へ幅延ばしして、長尺シート状物の幅方
向の縮み変形による皺をなくすことができ、作業台上に
延反された際、耳が不揃になることはない。

また作業台上に送り出される長尺シート状物は、幅延ば
しロールの回転力による送り出し作用を受けて確実に作
業台上に送り出され、従来必要としたキャッチャなど必
要としなくなり、キャッチャの使用により素材が引延ば
されることがないので、延反後において、素材の平面方
向にひずみがなく、長尺シート状物は自然な状態で延反
されることになり、製品品質を向上できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視図、第２
図は第１図ＩＩ−ＩＩ線から見た断面図である。 １・・・・・・延反機本体、２・・・・・・ロール状に
巻取られた長尺シート状物、２ａ・・・・・・繰出され
た長尺シート状物、３．３’・・・・・駆動ロール、４
・・・・・・作業台、５・・・・・・幅延ばしロール、
６，６′・・・・・・螺旋突条、１４・・・・・・駆動
機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ロール状に巻かれて延反機本体に載置された長尺シート
   状物を、回転駆動される駆動ロールを介して作業台上に
   繰出す延反機において、 前記駆動ロールから繰出されノーテンションの状態で作
   業台の上方に垂下させた長尺シート状物の布面に、該シ
   ート状物の移動方向に沿って回転する駆動機構に連結さ
   せた幅延ばしロールを転接させてあり、この幅延ばしロ
   ールは前記駆動機構の回転数を可変することによって回
   転を可変にされていると共に、その外周面に、当該幅延
   ばしロールの回転によって前記繰出された長尺シート状
   物を幅方向両側へ幅延ばしするため互いに逆巻きの左右
   一対の螺旋突条を設けていることを特徴とする延反機。