JPH0724224Y2 - 帯状紙材の耳切取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、保持ローラから繰り出し供給される帯状紙材
を所定寸法巾に形成すべく該帯状紙材の両側端を繰り出
し方向に沿って切り取り、且つ切り取られた帯状耳を巻
き取り保持しえるようにした帯状紙材の耳切取り装置の
改良に関するものである。

［従来の技術］ 保持ローラから繰り出し供給される帯状紙材を所定寸法
巾に形成すべく該帯状紙材の両側端を繰り出し方向に沿
って切り取り、且つ切り取られた帯状耳を巻き取り保持
しえるようにした帯状紙材の耳切取り装置としては、例
えば、特公昭57-44527号の平版自動包装装置にその概略
が開示されている。ここで開示された耳切取り装置は、
帯状紙材（包装紙）を巻き取り保持した保持ローラと、
該保持ローラに巻き取り保持された帯状紙材を繰り出し
供給する繰り出し駆動ローラと、繰り出し供給される帯
状紙材を所定寸法巾に形成すべく該帯状紙材の両側端を
繰り出し方向に沿って切り取るスリッターナイフと、該
スリッターナイフで切り取られた帯状耳を巻き取り保持
しえる耳巻き取りローラとを備え、前記スリッターナイ
フをモータによって回転されるように構成し、包装紙を
モータにより回転されるスリッターナイフの間を通して
耳を切り落すようにしている。なお、特公昭57-44527号
の耳切取り装置では、スリッターナイフで切り取られた
帯状耳を巻き取る耳巻き取りローラの巻き取り駆動手段
については特に開示してないが、通常はトルクモータな
どの駆動手段によって巻き取り駆動力を与えている。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の技術で述べた包装紙などの帯状紙材の耳切取り装
置は、スリッターナイフで切り落された耳を巻き取る巻
取りローラにモータ（トルクモータ）の回転駆動力を直
接伝え、この回転駆動力によって耳を引っ張るようにし
て耳を巻き取るようにしている。したがって、例えば繰
り出し供給中の包装紙が傷や引っ張り過ぎ等の事態によ
り切断された場合、トルクが急激に減少し高速回転して
いるトルクモータから直接駆動力を与えられている耳巻
取りローラは巻き取った耳の切断端部を高速旋回しなが
ら高速回転を継続するため、危険であり且つ不経済であ
るという問題点があった。

また、従来の耳切取り装置は、モータにより回転される
スリッターナイフによって耳を切り落すようにしている
ため、不経済であるという問題点があった。

本考案は、耳巻き取りローラやスリッターナイフを回転
駆動させるための独自の駆動モータを必要とせずに、保
持ローラから繰り出し駆動ローラによって繰り出し供給
される帯状紙材の繰り出し摩擦力を利用してスリッター
ナイフによる耳の切り落し、並びに切り落された耳の巻
き取りを行なえるようにし、保持ローラから繰り出し駆
動ローラによって繰り出し供給される帯状紙材が切断等
のトラブルによりその繰り出し供給を停止された場合に
は、この帯状紙材の繰り出し摩擦力から回転駆動力を与
えられているスリッターナイフによる耳の切り落し動
作、並びに切り落された耳の巻取り動作も同時に停止す
るようにした耳切取り装置を提供することを目的として
いる。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の帯状紙材の耳切取
り装置は、次のように構成される。

すなわち、 包装紙などの帯状紙材を巻き取り保持してなる保持ロー
ラと、該保持ローラに巻き取り保持された帯状紙材を繰
り出し供給する繰り出し駆動ローラと、該駆動ローラに
よって繰り出し供給される帯状紙材の繰り出し摩擦力に
よって回転力を与えられる摩擦ローラと、繰り出し供給
される帯状紙材を所定寸法巾に形成すべく該帯状紙材の
両側端を繰り出し方向に沿って切り取るスリッターと、
前記摩擦ローラより伝動された回転力により前記スリッ
ターで切り取られた帯状耳を巻き取り保持しえる耳巻き
取りローラと、前記摩擦ローラから耳巻き取りローラへ
伝動される回転を制御しえるクラッチを備えたものであ
る。

そして、前記スリッターは、前記摩擦ローラのロール面
に繰り出し供給される帯状紙材を介してロール面を回転
自在に圧接したスリッターロールを設け、該スリッター
ロールの周面に前記摩擦ローラの周面に形成された回転
方向に延びる数条のスリッターナイフ受け溝と咬合され
るスリッターナイフを突設して構成したものである。

［作用］ 上記のように構成された帯状紙材の耳切取り装置は、保
持ローラから繰り出し駆動ローラによって繰り出し供給
される帯状紙材の繰り出し摩擦力によって回転力を与え
られた摩擦ローラから耳を切り落すためのスリッターナ
イフの回転駆動力と切り落された耳を巻き取るための耳
巻き取りローラの回転駆動力を与えられる。したがっ
て、耳巻き取りローラやスリッターナイフを回転駆動さ
せるための独自の駆動モータを必要としないと共に、保
持ローラから繰り出し駆動ローラによって繰り出し供給
される帯状紙材が切断等のトラブルによりその繰り出し
供給を停止された場合には、この帯状紙材の繰り出し摩
擦力から回転駆動力を与えられているスリッターナイフ
による耳の切り落し動作、並びに切り落された耳の巻取
り動作も同時に停止される。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

図面第１図〜第２図において、10は包装紙として用いら
れる帯状紙材１を巻き取り保持した保持ローラであり、
この保持ローラ10に巻き取り保持された帯状紙材１は繰
り出し駆動ローラ12によって搬送コンベア14の搬送面上
に繰り出し供給される。３は前記帯状紙材（包装紙）１
によって包装される長方形状の紙材を所定の厚さに積層
した平判製品であり、この平判製品３は搬送コンベア14
の搬送面上に繰り出し供給された前記帯状紙材（包装
紙）１の所定位置に左方向から移送される。

20は前記繰り出し駆動ローラ12と前記保持ローラ10との
間に配設された摩擦ローラであり、この摩擦ローラ20は
前記駆動ローラ12によって繰り出し供給される帯状紙材
１の繰り出し摩擦力によって矢印方向に回転力を与えら
れている。この摩擦ローラ20の周面には回転方向に延び
る数条のスリッターナイフ受け溝22…を形成している。
30は繰り出し供給される帯状紙材１を所定寸法巾に形成
すべく該帯状紙材１の両側端を繰り出し方向に沿って切
り取るスリッターであり、このスリッター30は、前記摩
擦ローラ20のロール面に繰り出し供給される帯状紙材１
を介してロール面を回転自在に圧接したスリッターロー
ル32と、このスリッターロール32の周面に突設され前記
スリッターナイフ受け溝22…と咬合されるスリッターナ
イフ34を備えている。前記スリッターロール32は摩擦ロ
ーラ20と同様に繰り出し供給される帯状紙材１の繰り出
し摩擦力によって回転されるようにしてある。36は支持
軸37によって回動自在に支持された支持杆であり、この
支持杆36の一方には前記スリッターロール32を回転自在
に取付けてあり、このスリッターロール32は支持杆36の
他方に設けられたバランスウエイト38によって前記摩擦
ローラ20のロール面に圧接される。帯状紙材１の切り巾
の位置決めは、前記支持軸37に沿って移動自在な支持杆
36に取付けられたスリッターロール32を移動させ、この
移動位置でスリッターナイフ34を摩擦ローラ20の対応す
るスリッターナイフ受け溝22…に咬合すればよい。した
がって、繰り出し供給される帯状紙材１は、摩擦ローラ
20とスリッターロール32間を通過する際に、繰り出し摩
擦力によって摩擦ローラ20とスリッターロール32を矢印
方向に回転させ、この回転に伴って摩擦ローラ20の受け
溝22…に咬合されたスリッターロール32のスリッターナ
イフ34によって所定の両側端を切り落される。

切り落された帯状耳２はガイドローラを介して耳巻き取
りローラ40にて巻き取られる。この耳巻き取りローラ40
には耳の始端部を差し込み保持する差し込み溝41を設け
ている。この耳巻き取りローラ40は前記摩擦ローラ20よ
り伝動ベルト43,44により回転駆動力を伝動される。前
記伝動ベルト43,44の間には、前記摩擦ローラ20から耳
巻き取りローラ40へベルト伝動される回転を制御するク
ラッチ46を設けている。このクラッチ46の調節により摩
擦ローラ20から与えられる耳巻き取りローラ40の巻き取
り回転を制御し、摩擦ローラ20の周速と耳巻き取りロー
ラ40に巻き取られた帯状耳２の巻き直径が大きくなる耳
巻き取りローラ40の周速を同じにしている。前記クラッ
チ46の調節は手動でもよく、また帯状耳２を巻き取る巻
き取り張力を検出してこの検出された耳の張力に応じて
クラッチが調節されるようにしても良い。なお、耳巻き
取りローラ40は回転停止時に反矢印方向に反転しないよ
うにブレーキ装置を備えている。

［考案の効果］ 本考案の帯状紙材の耳切取り装置は、以上のように構成
されているので、耳巻き取りローラやスリッターナイフ
を回転駆動させるための独自の駆動モータを必要とせず
に、保持ローラから繰り出し駆動ローラによって繰り出
し供給される帯状紙材の繰り出し摩擦力を利用してスリ
ッターナイフによる耳の切り落し、並びに切り落された
耳の巻取りを行なえるようにし、保持ローラから繰り出
し駆動ローラによって繰り出し供給される帯状紙材が切
断等のトラブルによりその繰り出し供給を停止された場
合には、この帯状紙材の繰り出し摩擦力から回転駆動力
を与えられているスリッターナイフによる耳の切り落し
動作、並びに切り落された耳の巻取り動作を同時に停止
できるようにしているため、危険もなく且つ経済的であ
る、という優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の耳切取り装置の概略正面図、第２図は
同じく本考案の耳切取り装置の概略側面図である。 １……帯状紙材、２……帯状耳、10……保持ローラ、12
……繰り出し駆動ローラ、20……摩擦ローラ、22……ス
リッターナイフ受け溝、30……スリッター、32……スリ
ッターロール、34……スリッターナイフ、40……耳巻き
取りローラ、46……クラッチ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】包装紙などの帯状紙材（１）を巻き取り保
   持してなる保持ローラ（10）と、該保持ローラに巻き取
   り保持された帯状紙材を繰り出し供給する繰り出し駆動
   ローラ（12）と、該駆動ローラによって繰り出し供給さ
   れる帯状紙材の繰り出し摩擦力によって回転力を与えら
   れる摩擦ローラ（20）と、繰り出し供給される帯状紙材
   を所定寸法巾に形成すべく該帯状紙材の両側端を繰り出
   し方向に沿って切り取るスリッター（30）と、前記摩擦
   ローラより伝動された回転力により前記スリッターで切
   り取られた帯状耳（２）を巻き取り保持しえる耳巻き取
   りローラ（40）と、前記摩擦ローラから耳巻き取りロー
   ラへ伝動される回転を制御しえるクラッチ（46）を備え
   てなる、帯状紙材の耳切取り装置
2. 【請求項２】前記スリッター（30）は、前記摩擦ローラ
   （20）のロール面に繰り出し供給される帯状紙材（１）
   を介してロール面を回転自在に圧接したスリッターロー
   ル（32）を設け、該スリッターロールの周面に前記摩擦
   ローラの周面に形成された回転方向に延びる数条のスリ
   ッターナイフ受け溝（22）と咬合されるスリッターナイ
   フ（34）を突設してなる請求項１記載の帯状紙材の耳切
   取り装置