JPH1196579A - 光記録媒体の記録再生方法および光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体の記録再生方法および光記録媒体

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JPH1196579A
JPH1196579A JP9273937A JP27393797A JPH1196579A JP H1196579 A JPH1196579 A JP H1196579A JP 9273937 A JP9273937 A JP 9273937A JP 27393797 A JP27393797 A JP 27393797A JP H1196579 A JPH1196579 A JP H1196579A
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肇 宇都宮
Tatsuya Kato
達也 加藤
Hiroyasu Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の目的は、オーバーライト可能な相変化
型光記録媒体において、高記録密度を達成すると共にク
ロスイレーズの増大を抑えることである。第2の目的
は、第1の目的を達成した上で、正確なトラッキングを
可能にし、かつ、クロストークの増大を抑えることであ
る。 【解決手段】 厚さが0.8mm以下である基体の表面
に、ランドを挟んでグルーブを有し、ランドおよびグル
ーブを記録トラックとして用いる相変化型光記録媒体に
対し、記録および再生を行う方法であって、記録トラッ
クピッチをP[μm]とし、記録再生光学系の開口数を
NAとし、記録再生光の波長をλ[μm]とし、k=
(λ/NA)/P≧1.78としたとき、記録パワーP
w[mW]と消去パワーPe[mW]とが、(Pw/Pe)
×k2≦8.5を満足する条件でオーバーライトを行う
光記録媒体の記録再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型の光記録
媒体にオーバーライトを行う方法と、この方法によりオ
ーバーライトが行われる光記録媒体とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度記録が可能で、しかも記録
情報を消去して書き換えることが可能な光記録媒体が注
目されている。書き換え可能型の光記録媒体のうち相変
化型のものは、レーザー光を照射することにより記録層
の結晶状態を変化させて記録を行い、このような状態変
化に伴なう記録層の反射率変化を検出することにより再
生を行うものである。相変化型の光記録媒体は単一の光
ビームの強度を変調することによりオーバーライトが可
能であり、また、駆動装置の光学系が光磁気記録媒体の
それに比べて単純であるため、注目されている。
【0003】相変化型の記録層には、結晶質状態と非晶
質状態とで反射率の差が大きいこと、非晶質状態の安定
度が比較的高いことなどから、Ge−Te系やGe−S
b−Te系等のカルコゲナイト系材料が用いられること
が多い。また、この他、最近、カルコパイライトと呼ば
れる化合物を応用することが提案されている。カルコパ
イライト型化合物は化合物半導体材料として広く研究さ
れ、太陽電池などにも応用されている。カルコパイライ
ト型化合物は、化学周期律表を用いるとIb-IIIb-VIb2
IIb-IVb-Vb2 で表わされる組成であり、ダイヤモンド構
造を2つ積み重ねた構造を有する。カルコパイライト型
化合物はX線構造解析によって容易に構造を決定するこ
とができ、その基礎的な特性は、例えば月刊フィジクス
vol.8,No.8,1987,pp-441や、電気化学vol.56,No.4,198
8,pp-228 などに記載されている。これらのカルコパイ
ライト型化合物の中で特にAgInTe2 は、SbやB
iを用いて希釈することにより、線速度7m/s 前後の光
記録媒体の記録層材料として使用できることが知られて
いる(特開平3−240590号公報、同3−9988
4号公報、同3−82593号公報、同3−73384
号公報、同4−151286号公報等)。このようなカ
ルコパイライト型化合物を用いた相変化型光記録媒体の
他、特開平4−267192号公報や特開平4−232
779号公報、特開平6−166268号公報には、記
録層が結晶化する際にAgSbTe2 相が生成する相変
化型光記録媒体が開示されている。
【0004】相変化型光記録媒体では、トラッキングの
ために基体にグルーブが形成されており、このグルーブ
がアドレス情報を担持していることもある。従来は、グ
ルーブ内または隣接するグルーブ間の領域(ランド)に
記録マークを形成することが一般的であった。しかし、
最近、高密度記録を行うため記録トラックピッチを狭め
る必要性から、グルーブとランドとの両方を記録トラッ
クとするランド・グルーブ記録が提案されている(特公
昭63−57859号公報等)。
【0005】しかし、ランド・グルーブ記録のように記
録トラックピッチを狭くすると、記録再生に用いるレー
ザー光のビームスポットが隣接トラックにはみ出してし
まう。これにより、オーバーライト時に隣接トラックの
信号を消去してしまう現象(クロスイレーズ)が生じて
しまう。また、再生時には、クロストークが大きくなっ
てしまう。
【0006】クロスイレーズおよびクロストークを低減
するためには、レーザービームスポットを小さくすれば
よい。具体的には、レーザー波長を短くしたり、光学系
の開口数NAを大きくしたりすればよい。しかし、現在
のところ短波長の半導体レーザーは、寿命、出力、コス
ト等の点で問題がある。また、NAの大きな光学系を用
いた場合、光記録媒体のスキューマージンが小さくなっ
たり、焦点深度が浅くなったりするという問題がある。
例えば、特開平9−204686号公報には、スキュー
マージンがλ/[t・(NA)3]に比例すると記載さ
れており、また、光磁気ディスク製造技術ハンドブック
(1991年、サイエンスフォーラム発行)には、焦点
深度がλ/[2(NA)2]に比例すると記載されてい
る。なお、λは記録再生光の波長、tは媒体の厚さであ
る。スキューマージンが小さいと、媒体に傾きが生じた
ときに記録光や再生光のビームスポットの歪みが大きく
なるので、クロスイレーズやクロストークの悪化が顕著
になる。また、焦点深度が浅い場合には、フォーカスサ
ーボが不安定になったり、媒体に微小な変形があった場
合にビームスポットがぼけてしまい、やはりクロスイレ
ーズやクロストークの悪化を招く。NAの大きな光学系
を用いる場合にスキューマージンを確保するためには、
上記特開平9−204686号公報に記載されているよ
うに媒体を薄くすればよいが、スキューマージンはNA
の3乗に反比例し、基体の厚さtに反比例するので、N
Aをあまりに大きくすると、媒体の樹脂基体を極めて薄
くしなければならず、基体に微小な変形が生じやすくな
るため、深い焦点深度が必要となってしまう。すなわ
ち、NAを小さくする必要が生じてしまう。
【0007】したがって、コスト的な観点、あるいはス
キューマージンの確保等の技術的な観点から、その時々
の技術水準において安定して使用可能な記録再生波長お
よびNAを選択する必要があり、かつ、その上で、記録
トラックピッチをより狭くして高密度記録を可能にし、
しかも、クロスイレーズやクロストークの影響をできる
だけ抑えることが望まれる。
【0008】また、最近、DVD−ROM(再生専用型
DVD)の実用化により、光記録媒体においても本格的
に動画を扱う必要が生じている。このため、光記録媒体
には大容量化と共に転送レートの向上が要求されてい
る。具体的には、DVD−ROMの平均転送レート3.
5Mbps(線速度3.47m/s)以上の転送レートが少な
くとも必要とされるが、記録可能なシステムの場合に
は、実際には再生専用システムの2倍以上の転送レート
が必要とされ、また、業務用レベルの画質を得るために
は、20Mbps以上の高転送レートが要求される。転送レ
ートを向上するためには媒体の線速度および記録密度を
高くすればよいが、線速度を高くするとトラッキングサ
ーボが不安定となってエラー増大を招きやすく、極端な
場合にはレーザービームスポットが記録トラックから外
れてしまい、記録再生動作が不可能となる場合もある。
記録密度を高くするためにNAの大きな光学系を用いる
場合には、上述したように焦点深度が浅くなり、また、
その場合に十分なスキューマージンを確保するためには
基体を薄くする必要があるため基体の変形が大きくなる
ので、サーボ信号がさらに不安定となり、トラッキング
はより困難となる。したがって、大容量かつ高転送レー
トの媒体においては、トラッキングサーボ信号を大きく
する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、オーバーライト可能な相変化型光記録媒体におい
て、高記録密度を達成すると共にクロスイレーズの増大
を抑えることである。また、本発明の第2の目的は、第
1の目的を達成した上で、正確なトラッキングを可能に
し、かつ、クロストークの増大を抑えることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)のいずれかの構成により達成される。 (1) 厚さが0.8mm以下である基体の表面に、ラン
ドを挟んでグルーブを有し、ランドおよびグルーブを記
録トラックとして用いる相変化型光記録媒体に対し、記
録および再生を行う方法であって、記録トラックピッチ
をP[μm]とし、記録再生光学系の開口数をNAと
し、記録再生光の波長をλ[μm]とし、 k=(λ/NA)/P≧1.78 としたとき、記録パワーPw[mW]と消去パワーPe
[mW]とが、 (Pw/Pe)×k2≦8.5 を満足する条件でオーバーライトを行う光記録媒体の記
録再生方法。 (2) 前記光記録媒体におけるグルーブの深さを
G、波長λにおける前記基体の屈折率をnとしたと
き、 λ/10n≦dG<λ/7n である上記(1)の光記録媒体の記録再生方法。 (3) 前記光記録媒体において、グルーブの幅を
G、ランドの幅をwLとしたとき wL/wG=0.76〜1.31 である上記(1)または(2)の光記録媒体の記録再生
方法。 (4) 前記光記録媒体において、 P≦0.65 である上記(1)〜(3)のいずれかの光記録媒体の記
録再生方法。 (5) 前記光記録媒体の記録再生光波長における反射
率が17%以下である上記(1)〜(4)のいずれかの
光記録媒体の記録再生方法。 (6) 前記光記録媒体において、記録再生用のレーザ
ー光波長における記録層の吸収率を、結晶質部でAcと
し、非結晶質部でAaとしたとき、 Ac/Aa≧0.8 である上記(1)〜(4)のいずれかの光記録媒体の記
録再生方法。 (7) λ≦0.68 である上記(1)〜(6)のいずれかの光記録媒体の記
録再生方法。 (8) NA≧0.6 である上記(1)〜(7)のいずれかの光記録媒体の記
録再生方法。 (9) 前記光記録媒体において、ランドにおける再生
出力とグルーブにおける再生出力との比の絶対値が2dB
以下である上記(1)〜(8)のいずれかの光記録媒体
の記録再生方法。 (10) クロスイレーズの絶対値が0.3dB以下とな
る上記(1)〜(9)のいずれかの光記録媒体の記録再
生方法。 (11) 再生時のクロストークが−20dB以下となる
上記(1)〜(10)のいずれかの光記録媒体の記録再
生方法。 (12) 上記(1)〜(11)のいずれかの方法によ
り記録および再生が行われる光記録媒体。
【0011】
【作用および効果】本発明は、ランドおよびグルーブを
記録トラックとして用いるランド・グルーブ記録の光記
録媒体を対象とする。
【0012】前述したように、ランド・グルーブ記録が
行われる高密度記録媒体では、クロスイレーズが大きく
なりやすい。クロスイレーズは、ある記録トラック(以
下、注目トラックという)に隣接している記録トラック
に対し記録パワーレベルのレーザービームが照射された
ときに、注目トラックに存在する記録マークが結晶化温
度以上融点未満まで昇温し、続いて徐冷することにより
生じる。すなわち、隣接トラックへオーバーライトする
際に注目トラックの熱的挙動が消去時と同様な条件とな
ることにより生じる。クロスイレーズは、レーザービー
ムスポット径に対し記録トラックピッチが狭くなるほど
大きくなる。記録再生光の波長をλ、記録再生光学系の
開口数をNA、記録トラックピッチをPとすると、レー
ザービームスポット径はλ/NAに比例し、(λ/N
A)/Pが大きいほどクロスイレーズが大きくなる。
(λ/NA)/Pを小さくするためには、λを小さくす
るかNAを大きくすればよいが、前述したように、技術
的制約およびコスト的制約から、工業的に利用する上で
λには下限がありNAには上限がある。したがって、そ
の時点での技術水準に基づく工業的な利用可能性に応じ
たλ/NAの下限が存在することになる。
【0013】本発明者らが、従来の相変化型光記録媒体
を用い、λ/NAを固定してPを小さくしていき、クロ
スイレーズを測定する実験を行ったところ、(λ/N
A)/P≧1.78以上でクロスイレーズが著しく大き
くなることがわかった。したがって、(λ/NA)/P
<1.78となるように記録トラックピッチPを設定す
ることが、その時点の技術水準に応じた光記録媒体の設
計方法であるといえる。そして、(λ/NA)/P≧
1.78という条件においてクロスイレーズを著しく低
減することが可能となれば、その時点での技術水準を超
える高密度記録が実現できることになる。
【0014】本発明では、k=(λ/NA)/Pとした
とき、 (Pw/Pe)×k2≦8.5 となるようにオーバーライト時の記録パワーPw[mW]
と消去パワーPe[mW]とを設定することにより、(λ
/NA)/P≧1.78であってもクロスイレーズの絶
対値を0.3dB以下に抑えることができ、0.2dB以下
に抑えることもできる。例えば、National Technical R
eport vol.41,No.6,1995,p615-621では、相変化型光記
録ディスクである書き換え型DVD(λ=680nm、N
A=0.6、記録トラックピッチ0.65μm)におい
て、クロスイレーズによる隣接トラックのジッター悪化
が報告されている。これに対し本発明では、より厳しい
条件、例えばλ=680nm、NA=0.6、記録トラッ
クピッチ0.6μm以下という条件であっても、クロス
イレーズを0dBとすることができる。
【0015】本発明において(Pw/Pe)×k2
8.5とすることは、本発明者らが実験および理論的考
察により導き出したものである。従来、クロスイレーズ
は、隣接トラックに記録パワーレベルのレーザービーム
を照射したときの熱伝導により引き起こされるものと考
えられてきた。しかし、本発明者らは、実験データを詳
細に検討することにより、記録トラックピッチを大きく
上回る径のレーザービームスポットを照射したときに
は、すなわち(λ/NA)/P≧1.78のときには、
クロスイレーズの主因が、レーザービームスポット周縁
付近の直接照射であることを見いだした。そこで本発明
では、隣接トラックに記録レーザービームが照射された
ときに、注目トラックまではみ出したビームスポット周
縁付近において消去作用が生じないようにするために、
記録パワーPwと消去パワーPeとを近づけ、すなわ
ち、Pw/Peを小さくし、さらに、注目トラックへの
レーザービームスポットのはみ出しの程度を反映させる
ために、Pw/Peを(λ/NA)/P(=k)の二乗
で除した値を一定値以下に規制する構成とした。この構
成により、従来はクロスイレーズが著しく大きくなるた
めに設定不可能であった(λ/NA)/P≧1.78と
いう条件下でのオーバーライトにおいて、クロスイレー
ズを絶対値で0.3dB以下に抑えることが可能となっ
た。
【0016】本発明において、PwおよびPeは、 (Pw/Pe)×k2≦8.5 を満足し、かつ、ジッターやエラーが十分に低くなるよ
うに良質な記録マークが形成可能で十分な消去率が得ら
れる値であればよいが、通常は、最適記録パワーおよび
最適消去パワーを選択する。最適記録パワーおよび最適
消去パワーは、ジッターやエラーが最小となる値または
その近傍の値であり、例えば後述する方法により求め
る。そして、最適記録パワーおよび最適消去パワーが
(Pw/Pe)×k2≦8.5を満足するように、媒体
の光学的あるいは熱的な設計を行うことになる。本発明
は、媒体の構造によらず、(Pw/Pe)×k2≦8.
5とすることによりクロスイレーズの著しい低減が可能
である。ジッターやエラーが十分に小さくなり、かつ、
(Pw/Pe)×k2≦8.5を実現できる媒体として
は、結晶質部の反射率が低い媒体、後述する吸収率補正
構造の媒体、結晶化温度と融点とが近い記録層を有する
媒体などが挙げられる。また、記録レーザー光をパルス
状とし、パルスパターンを最適化することによっても、
ジッターやエラーを十分に小さくした上で(Pw/P
e)×k2≦8.5を満足させることが可能である。
【0017】本発明において、グルーブ深さdGを、 λ/10n≦dG<λ/7n とすれば、十分な強度のトラッキング信号出力が得ら
れ、しかも、(λ/NA)/P≧1.78という条件下
においてクロストークを−20dB以下に抑えることがで
きる。
【0018】なお、前記特公昭63−57859号公報
には、ランド・グルーブ記録の際に、「凹部の幅と凸部
の幅を記録媒体上に照射する光ビーム径以下にした」と
いう記載がある。しかし、同公報では、クロスイレーズ
に関して従来とは異なった現象が生じる(λ/NA)/
P≧1.78である場合の問題点については、何ら考慮
されていない。
【0019】特開平6−338064号公報には、グル
ーブ幅とランド幅とをほぼ等しくし、グルーブ深さの光
路長dをλ/7≦d≦λ/5とし、かつグルーブ幅Wg
とレーザービーム径R(=0.82×λ/NA)との関
係を0.34≦Wg/R≦1.0とした相変化型光記録
媒体が記載されている。同公報では、λ/7≦d≦λ/
5とすることによりクロストークを低減でき、0.34
≦Wg/R≦1.0とすることによりクロスイレーズを
低減できるとしている。
【0020】同公報記載の0.34≦Wg/R≦1.0
と本発明で限定する(λ/NA)/P≧1.78とは、
重なる部分がある。同公報の実施例1では、λ=780
nm、NA=0.55の光学系を用い、0.34≦Wg/
R≦1.0の範囲内においてエラーレートが低くなるこ
とを確認している。ただし、この実施例におけるオーバ
ーライトでは、線速度をCD(コンパクトディスク)と
同じ1.25m/sとしてCD規格のEFM信号を記録し
ているので、記録マーク長が大きく、線記録密度が低
い。このため、例えクロスイレーズが比較的大きかった
としても、エラーレート増大には結びつかない。同公報
の実施例において、レーザービームスポットの1/3程
度が隣接トラックに侵入するまで(Wg/R=0.34
となるまで)エラーレートが低いままであることから
も、同公報実施例におけるエラーレートの評価が甘いこ
とがわかる。
【0021】しかし、ランド・グルーブ記録が行われる
媒体は高密度記録を目的とするものであり、線記録密度
をCDよりも当然高くするので、(λ/NA)/P≧
1.78となる場合には本発明にしたがって(Pw/P
e)×k2≦8.5としなければ、クロスイレーズによ
るエラーレート増大が避けられない。
【0022】ところで、同公報には、クロスイレーズを
低減するために、記録膜の厚さを一定値以下に規制する
と共にヒートシンクとしての反射層を設けて放熱をよく
し、これによって隣接トラックに伝導される熱を少なく
する旨が記載されている。これに対応する実施例では、
Wgが約0.7μm、グルーブとランドとの間のテーパ
部の幅が約0.1μmなので、(λ/NA)/Pは約
1.77となる。一方、同公報において0.34≦Wg
/Rに限定するのは、記録レーザービームの隣接トラッ
クへの直接照射によるクロスイレーズを避けるためであ
る。Wg/R=0.34は、(λ/NA)/Pに換算す
ると約3.6であり、同公報にも記載があるようにビー
ムスポットの1/3以上が隣接トラックにはみ出してい
ることになる。すなわち、同公報では、このように大き
くはみ出したときに初めて、隣接トラックへの直接照射
によるクロスイレーズの影響が大きくなると考えてい
る。これに対し本発明者らは、(λ/NA)/Pが1.
78であっても、線記録密度が高い場合には、記録トラ
ックの放熱をよくしてもクロスイレーズが顕著には減少
しないことを見いだしており、このことから、クロスイ
レーズの主因が隣接トラックからの熱伝導ではなく、記
録ビームスポット周縁部の直接照射であるという結論を
得ている。同公報において、Wg/R=0.34、すな
わち(λ/NA)/P≒3.6となるまで直接照射によ
るクロスイレーズが顕在化していないのは、上述したよ
うに線記録密度の低い条件でエラーレートを測定してい
るからである。
【0023】このように、同公報記載の発明と本発明と
が重なる範囲において、同公報では隣接トラックへの直
接照射によるクロスイレーズに対して注目しておらず、
その結果、本発明と重なる範囲においてクロスイレーズ
に対し何の対策も講じていない。同公報には記録パワー
および消去パワーは記載されておらず、同公報にはこれ
らを制御することによりクロスイレーズを低減する技術
思想は開示も示唆もされていない。
【0024】なお、同公報の実施例には媒体の基体の厚
さは記載されていないが、CD信号を用いてエラーレー
トを測定していることから、基体厚さは1.2mmである
と推定される。
【0025】また、同公報の記載にしたがってグルーブ
深さの光路長dをλ/7≦d≦λ/5とすると、クロス
トークは低くなるが、十分な強度のトラッキング信号が
得られない。同公報にも記載されているように、トラッ
キングに用いるプッシュプル信号の強度はグルーブ深さ
がλ/8n(nは基体の屈折率)のとき最大となる。し
かし、グルーブ深さの増大と共に急激に小さくなってし
まう。したがって、λ/7≦d≦λ/5の範囲では、大
容量かつ高転送レートの光記録媒体において必要とされ
る強度のトラッキング信号が得られず、動作が不安定と
なる。同公報にトラッキングについての問題点が記載さ
れていないのは、同公報実施例においてCDの線速度
(1.25m/s)を用いていることからわかるように、
同公報では高転送レート媒体について考慮していないた
めと考えられる。
【0026】特開平8−321078号公報には、グル
ーブ深さdをλ/7n<d<λ/5nとし、かつグルー
ブ幅GWとランド幅LWとの関係をGW<LWとし、か
つ0.62×(λ/NA)≦LW≦0.80×(λ/N
A)とすることにより、クロストークを低減できる旨が
記載されている。また、トラックピッチを狭くした場合
にはランドでの特性が悪化するために、GW<LWとす
る旨が記載されている。0.62×(λ/NA)≦LW
≦0.80×(λ/NA)は、書き換えると 1.25≦(λ/NA)/LW≦1.61 となるので、同公報におけるランド幅は本発明における
ランド幅(記録トラックピッチとほぼ同じ)よりもかな
り広いことがわかる。同公報の実施例における記録トラ
ックピッチ[(LW+GW)/2]は0.8μmと0.
7μmであり、(λ/NA)/P≦1.77となるの
で、本発明が対象とする狭トラックピッチ媒体ではな
い。また、同公報の実施例では、ランドまたはグルーブ
を記録領域としており、ランド・グルーブ記録は行って
いない。したがって、同公報では、ランド・グルーブ記
録を行った場合に生じ得る著しいクロスイレーズについ
ては、着目していないと考えられる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0028】オーバーライト 本発明におけるオーバーライトは、記録レベルおよび消
去レベルの2値を少なくとも含むように変調したレーザ
ー光により行う。記録レベルのレーザー光は、パルス状
に照射してもよい。一つの信号を少なくとも2回の照射
で記録することにより記録マークでの蓄熱が抑制され、
記録マーク後端部の膨れ(ティアドロップ現象)を抑え
ることができるので、C/Nが向上する。また、パルス
状照射により消去率も向上する。
【0029】本発明では、記録トラックピッチをP[μ
m]とし、記録再生光学系の開口数をNAとし、記録再
生光の波長をλ[μm]とし、k=(λ/NA)/Pと
したとき、 k≧1.78、好ましくは k≧1.80 において、記録パワーPw[mW]と消去パワーPe[m
W]とが、 (Pw/Pe)×k2≦8.5、好ましくは (Pw/Pe)×k2≦8.0 を満足する条件でオーバーライトを行う。PwとPeと
の関係がこの範囲を外れると、クロスイレーズの著しい
増大によりエラーが多くなってしまう。なお、kが大き
いほど高密度記録が可能であるが、kを大きくするとP
w/Peを小さくする必要が生じる。Pw/Peが小さ
すぎると、ジッターやエラーを十分に低くすることが困
難になるため、通常、k≦2.7とすることが好まし
く、k≦2.5とすることがより好ましい。
【0030】本発明において、PwおよびPeは、 (Pw/Pe)×k2≦8.5 を満足し、かつ、ジッターやエラーが十分に低くなるよ
うに良質な記録マークが形成可能で十分な消去率が得ら
れる値であればよいが、通常は、最適記録パワーおよび
最適消去パワーを選択する。ただし、PwおよびPeが
いわゆる最適値でない場合でも、本発明の効果は実現す
る。
【0031】いわゆる最適記録パワーおよび最適消去パ
ワーは、ジッターまたはエラーが最小となる値またはそ
の近傍の値であり、例えば以下に説明する手順により求
めることができる。
【0032】最適消去パワー(最適バイアスパワー1)PB1O 1.駆動装置のバイアスパワー1を、図3(a)に示す
ようにテンポラリ・バイアスパワー1PB1T(例えば
4.0mW)に設定する。 2.ピークパワーを変化させながらランダムデータのオ
ーバーライトを行い、そのときのビットエラーレート
(以下、BER)を測定する。 3.低パワー側でBERが3×10-5となるときのピー
クパワーPPbtm1と、高パワー側でBERが3×10-5
となるときのピークパワーPPtop1とを求める。 4.P11=1.2×PPbtm1と、P12=(PPbtm1+P
Ptop1)/2とを算出する。 5.P11とP12とのうち小さいほうのもの[min
(P11,P12)]を、テンポラリ・ピークパワーPPT
する。 6.駆動装置のピークパワーを、図3(b)に示すよう
にPPTに設定する。 7.バイアスパワー1を変化させながらランダムデータ
のオーバーライトを行い、そのときのBERを測定す
る。 8.低パワー側でBERが3×10-5となるときのバイ
アスパワー1PB1btmと、高パワー側でBERが3×1
-5となるときのバイアスパワー1PB1topとを求め
る。 9.最適バイアスパワー1PB1Oは、(PB1btm+P
B1top)/2である。
【0033】最適ピークパワーPPO 次に、上記手順で求めたPB1Oを利用して、以下の手順
で最適ピークパワーPP Oを求める。
【0034】1.駆動装置のバイアスパワー1を、図3
(c)に示すようにPB1Oに設定する。 2.ピークパワーを変化させながらランダムデータのオ
ーバーライトを行い、そのときのBERを測定する。 3.低パワー側でBERが3×10-5となるときのピー
クパワーPPbtmと、高パワー側でBERが3×10-5
なるときのピークパワーPPtopとを求める。 4.P1=1.2×PPbtmと、P2=(PPbtm+PPtop
/2とを、算出する。 5.P1とP2とのうち小さいほうのもの[min(P1,P
2)]が、最適ピークパワーPPOである。
【0035】なお、BERではなくジッターを利用し
て、上記方法に準じ最適記録パワーおよび最適消去パワ
ーを求めてもよい。また、上記方法ではBERのスライ
スレベルを3×10-5に設定しているが、スライスレベ
ルは、本発明が適用される規格やシステムにおいて許容
される値を適宜設定すればよい。なお、ジッターを利用
する場合のスライスレベルも、同様な理由で特に限定さ
れない。
【0036】本発明では、最適記録パワーおよび最適消
去パワーが(Pw/Pe)×k2≦8.5を満足するよ
うに、光学的あるいは熱的な設計がなされた媒体を用い
ることが好ましい。このような媒体としては、例えば、
第1に、反射率の低い媒体が挙げられる。この場合の反
射率は、記録層の結晶質部に対応する反射率であり、記
録再生光入射側から測定した値である。この反射率は、
好ましくは17%以下である。反射率の低い媒体では、
非晶質部の反射率低下に比べ結晶質部の反射率低下が大
きいため、最適記録パワーを最適消去パワーに近づける
ことができる。第2に、後述する吸収率補正構造の媒体
が挙げられる。吸収率補正構造では、結晶質部の吸収率
が非晶質部の吸収率に近づくため、最適記録パワーを最
適消去パワーに近づけることができる。吸収率補正構造
では、記録マーク以外の領域(結晶状態)における記録
層の吸収率(Ac)と記録マーク(非結晶状態)におけ
る記録層の吸収率(Aa)との関係を、Ac/Aa≧
0.8とすることが好ましい。第3に、結晶化温度と融
点とが近い記録層を有する媒体が挙げられる。結晶化温
度と融点とが近い記録層では、最適記録パワーを最適消
去パワーに近づけることができる。これらのいずれの場
合でも、最適記録パワーと最適消去パワーとを近づける
ことができるため、それぞれ最適値であるPwおよびP
eを用いて(Pw/Pe)×k2≦8.5を満足するこ
とが容易となる。
【0037】オーバーライトおよび再生に用いるレーザ
ー光の波長λは特に限定されないが、本発明は高密度記
録媒体を対象とするので、 λ≦0.68 [μm] であることが好ましい。
【0038】オーバーライトに用いる光学系のレンズの
開口数NAは特に限定されないが、開口数が小さすぎる
と高密度記録が困難となることから、 NA≧0.6 であることが好ましい。
【0039】本発明において、オーバーライトの際のレ
ーザー光に対する記録層の線速度は、通常、0.8〜2
0m/s程度であるが、転送レートを考慮すると、好まし
くは3.47m/s以上、より好ましくは6m/s以上、さら
に好ましくは10m/s以上である。
【0040】図1の光記録媒体 本発明が適用される光記録媒体の構成例を、図1に示
す。この光記録媒体は、基体2上に第1誘電体層31、
記録層4、第2誘電体層32、反射層5および保護層6
をこの順に設けた片面記録型(単板型)媒体である。な
お、この片面記録型媒体を2枚用い、保護層6が内側に
なるように接着層により接着した両面記録型の媒体に
も、本発明は適用できる。また、上記片面記録型媒体と
保護基体とを接着層により接着した媒体にも、本発明は
適用できる。
【0041】基体2 基体2は、ランド22を挟んでグルーブ21を有する。
ランド22およびグルーブ21は、いずれも記録トラッ
クとして用いられる。グルーブ21の幅をwG、ランド
22の幅をwLとしたとき、好ましくは wL/wG=0.76〜1.31 であり、より好ましくは wL/wG=0.81〜1.23 である。wL/wGが小さすぎても大きすぎても、ランド
での再生出力とグルーブでの再生出力との違いが大きく
なってしまい、好ましくない。なお、wL/wGを上記範
囲に規制することにより、ランドにおける再生出力とグ
ルーブにおける再生出力との比の絶対値を、2dB以下と
することができる。
【0042】高密度記録を行うためには記録トラックピ
ッチを、好ましくは0.65μm以下、より好ましくは
0.6μm以下とする。なお、記録トラックピッチは、
(グルーブ幅+ランド幅)/2である。
【0043】グルーブ21の深さをdG、波長λにおけ
る基体2の屈折率をnとしたとき、好ましくは λ/10n≦dG<λ/7n であり、より好ましくは λ/9n≦dG<λ/7n である。dGが小さすぎると、トラッキングエラー信号
出力が小さくなるほか、クロストークが大きくなってし
まう。dGが大きすぎると、トラッキングエラー信号出
力が小さくなるほか、再生信号出力が小さくなってしま
う。
【0044】基体2の厚さは、0.8mm以下、好ましく
は0.2〜0.65mmである。基体2が厚すぎると、ス
キューマージンが小さくなってしまい、基体2が薄すぎ
ると、基体が変形しやすくなってエラーが多くなってし
まう。
【0045】誘電体層31、32 図1において、第1誘電体層31は、記録層の酸化を防
ぎ、また、記録時に記録層から基体に伝わる熱を遮断し
て基体を保護する。第2誘電体層32は、記録層を保護
すると共に、記録後、記録層に残った熱を熱伝導により
放出するために設けられる。また、両誘電体層を設ける
ことにより、変調度を向上させることができる。
【0046】第1誘電体層および第2誘電体層に用いる
誘電体材料は特に限定されず、各種誘電体やそれらの混
合物、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ZnS−Si
2など、透明な各種セラミックスを用いればよく、ま
た、各種ガラスなどを用いてもよい。また、例えば、L
a、Si、OおよびNを含有する所謂LaSiONや、Si、
Al、OおよびNを含有する所謂SiAlON、あるいはYを
含有するSiAlON等も好ましく用いることができる。
【0047】ただし、第1誘電体層および第2誘電体層
の少なくとも一方には、屈折率等の特性の最適化のため
に硫化亜鉛を含有させることが好ましい。以下、硫化亜
鉛を含有する誘電体層をZnS含有誘電体層という。Z
nS含有誘電体層には、0〜1000℃においてその硫
化物生成標準自由エネルギーがZnS生成標準自由エネ
ルギーより低い元素(以下、金属元素Aという)を含有
させることが好ましい。ZnS含有誘電体層中に金属元
素Aを含有させることにより、繰り返しオーバーライト
の際のS遊離を抑制することができ、これによりジッタ
ー増大を防ぐことができ、繰り返しオーバーライト可能
な回数を増やすことができる。
【0048】金属元素Aとしては、Ce、Ca、Mg、
Sr、BaおよびNaの少なくとも1種を用いることが
好ましく、硫化物生成標準自由エネルギーが小さいこと
から、Ceを用いることが特に好ましい。例えば300
Kでは、ZnS生成標準自由エネルギーは約−230kJ/
mol、CeS生成標準自由エネルギーは約−540kJ/mo
l、CaS生成標準自由エネルギーは約−510kJ/mo
l、MgS生成標準自由エネルギーは約−390kJ/mo
l、SrS生成標準自由エネルギーは約−500kJ/mo
l、BaS生成標準自由エネルギーは約−460kJ/mo
l、Na2S生成標準自由エネルギーは約−400kJ/mol
である。
【0049】ZnS含有誘電体層中において、全金属元
素に対する金属元素Aの比率は、2原子%未満、好まし
くは1.5原子%以下、より好ましくは1.3原子%以
下である。金属元素Aの比率が高すぎると、繰り返しオ
ーバーライトにより生じるジッター増大を抑制する効果
が実現しない。なお、金属元素Aの添加による効果を十
分に実現するためには、金属元素Aの比率を好ましくは
0.01原子%以上、より好ましくは0.03原子%以
上とする。全金属元素中の金属元素Aの比率は、蛍光X
線分析やEPMA(電子線プローブX線マイクロアナリ
シス)などにより測定することができる。なお、誘電体
層中における全金属量を求める際には、Si等の半金属
も加えるものとする。
【0050】誘電体層中において、金属元素Aは、単
体、硫化物、酸化物、フッ化物等のいずれの形態で存在
していてもよい。
【0051】ZnS含有誘電体層には、硫化亜鉛以外の
化合物、例えば、各種酸化物、窒化物、フッ化物等が含
有されていることが好ましい。このような化合物として
は、例えば、酸化ケイ素(SiO2、SiO)、酸化タ
ンタル(Ta25)、酸化チタン(TiO2)、酸化ラ
ンタン(La23)、窒化ケイ素(Si34)、窒化ア
ルミニウム(AlN)、フッ化マグネシウム(Mg
2)、フッ化ナトリウム(NaF)およびフッ化トリ
ウム(ThF4)の少なくとも1種が好ましい。
【0052】ZnS含有誘電体層中における硫化亜鉛の
含有量は、好ましくは50〜95モル%、より好ましく
は70〜90モル%である。ZnSが少なすぎると、熱
伝導率が高くなりすぎると共に屈折率が小さくなりす
ぎ、高C/Nが得られにくくなる。一方、ZnSが多す
ぎると、オーバーライト耐久性が低くなってしまう。誘
電体層中のZnS含有量は、蛍光X線分析などにより求
めたS量とZn量とに基づいて決定し、例えばSに対し
Znが過剰であった場合には、過剰なZnは他の化合
物、例えばZnOとして含有されているものとする。
【0053】なお、以上ではZnS含有誘電体層中に金
属元素Aを含有させる構成について説明したが、ZnS
含有誘電体層と記録層との間に金属元素Aを含有する中
間層を設ける構成としてもよい。このような中間層とし
ては、例えば、酸化セリウム(CeO2)単体からなる
もの、あるいはZnS−CeO2混合物からなるものな
どが挙げられる。
【0054】第1誘電体層および第2誘電体層の一方だ
けをZnS含有誘電体層とする場合、他方の誘電体層、
すなわち硫化亜鉛を含有しない誘電体層に用いる誘電体
材料は特に限定されず、ZnS以外の上記各種誘電体を
用いればよい。
【0055】第1誘電体層および第2誘電体層の屈折率
は、波長400〜850nmの範囲で1.4以上、特に
1.8以上であることが好ましい。上記波長範囲は、現
在のCDプレーヤの使用波長である780nmや、次世代
の記録波長として実用化が進められている630〜68
0nmを含むものであり、本発明の光記録媒体に対し好ま
しく使用される波長範囲である。
【0056】第1誘電体層31の厚さは、好ましくは5
0〜300nm、より好ましくは80〜250nmである。
第1誘電体層をこのような厚さとすることにより、記録
に際しての基体損傷を効果的に防ぐことができ、しかも
変調度も高くなる。第2誘電体層32の厚さは、好まし
くは10〜40nm、より好ましくは13〜30nmであ
る。第2誘電体層をこのような厚さとすることにより冷
却速度が速くなるので、記録マークのエッジが明瞭とな
ってジッターが少なくなる。また、このような厚さとす
ることにより、変調度を高くすることができる。
【0057】各誘電体層は、スパッタ法や蒸着法等の気
相成長法により形成することが好ましい。誘電体層中に
金属元素Aを含有させるためには、様々な方法を利用す
ることができる。例えば、金属元素AがCeである場合
には、Ce単体やCeO2からなるチップを、誘電体層
の主成分となる主ターゲット上に載せたものをターゲッ
トとして用いてもよく、主ターゲット中にCeO2やそ
の他のCe化合物として含有させてもよい。また、金属
元素AとしてCaやMgを用いる場合、上記主ターゲッ
ト上にCaOやMgOからなるチップを載せてターゲッ
トとしてもよいが、これらには潮解性があるので、好ま
しくない。したがって、この場合には、CaF2やMg
2からなるチップを主ターゲット上に載せてターゲッ
トとすることが好ましい。金属元素AとしてSr、B
a、Naなどを用いる場合も、潮解性の点で、酸化物チ
ップよりもフッ化物チップを用いるほうが好ましい。ま
た、Ca、Mg、Sr、Ba、Naは、酸化物やこれ以
外の化合物として主ターゲット中に含有させて用いても
よい。なお、主ターゲットには、ZnS−SiO2など
のような複合ターゲットを用いてもよく、主ターゲット
としてZnSとSiO2とをそれぞれ単独で用いるよう
な多元スパッタ法を利用してもよい。
【0058】記録層4 記録層の組成は特に限定されないが、以下に説明するI
n−Ag−Te−Sb系組成やGe−Sb−Te系組成
に対し、本発明は特に有効である。
【0059】In−Ag−Te−Sb系組成の記録層で
は、構成元素の原子比を 式I [(InaAgbTe1-a-b1-cSbc1-dd で表したとき、好ましくは a=0.1〜0.3、 b=0.1〜0.3、 c=0.5〜0.8、 d=0〜0.10 であり、より好ましくは a=0.11〜0.28、 b=0.15〜0.28、 c=0.55〜0.78、 d=0.005〜0.05 である。
【0060】式Iにおいてaが小さすぎると、記録層中
のIn含有率が相対的に低くなりすぎる。このため、記
録マークの非晶質化が不十分となって変調度が低下し、
また、信頼性も低くなってしまう。一方、aが大きすぎ
ると、記録層中のIn含有率が相対的に高くなりすぎ
る。このため、記録マーク以外の領域の反射率が低くな
って変調度が低下してしまう。
【0061】式Iにおいてbが小さすぎると、記録層中
のAg含有率が相対的に低くなりすぎる。このため、記
録マークの再結晶化が困難となって、繰り返しオーバー
ライトが困難となる。一方、bが大きすぎると、記録層
中のAg含有率が相対的に高くなり、過剰なAgが記録
および消去の際に単独でSb相中に拡散することにな
る。このため、書き換え耐久性が低下すると共に、記録
マークの安定性および結晶質部の安定性がいずれも低く
なってしまい、信頼性が低下する。すなわち、高温で保
存したときに記録マークの結晶化が進んで、C/Nや変
調度が劣化しやすくなる。また、繰り返して記録を行な
ったときのC/Nおよび変調度の劣化も進みやすくな
る。
【0062】また、a+bが小さすぎるとTeが過剰と
なってTe相が形成される。Te相は結晶転移速度を低
下させるため、消去が困難となる。一方、a+bが大き
すぎると、記録層の非晶質化が困難となり、信号が記録
できなくなる可能性が生じる。
【0063】式Iにおいてcが小さすぎると、相変化に
伴なう反射率差は大きくなるが結晶転移速度が急激に遅
くなって消去が困難となる。一方、cが大きすぎると、
相変化に伴なう反射率差が小さくなって変調度が小さく
なる。
【0064】式Iにおける元素Mは、H、Si、C、
V、W、Ta、Zn、Ti、Ce、Tb、Ge、Sn、
PbおよびYから選択される少なくとも1種の元素であ
る。元素Mは、書き換え耐久性を向上させる効果、具体
的には、書き換えの繰り返しによる消去率の低下を抑え
る効果を示す。また、高温・高湿などの悪条件下での信
頼性を向上させる。このような効果が強力であることか
ら、元素MのうちV、Ta、Ce、GeおよびYの少な
くとも1種が好ましく、VおよびTaの少なくとも1種
がより好ましく、Vが特に好ましい。
【0065】元素Mの含有率を表すdが大きすぎると、
相変化に伴なう反射率変化が小さくなって十分な変調度
が得られなくなる。dが小さすぎると、元素M添加によ
る効果が不十分となる。
【0066】この組成系では、記録層にはAg、Sb、
Te、Inおよび必要に応じて添加されるMだけを用い
ることが好ましいが、Agの一部をAuで置換してもよ
く、Sbの一部をBiで置換してもよく、Teの一部を
Seで置換してもよく、Inの一部をAlおよび/また
はPで置換してもよい。
【0067】AuによるAgの置換率は、好ましくは5
0原子%以下、より好ましくは20原子%以下である。
置換率が高すぎると、記録マークが結晶化しやすくなっ
て高温下での信頼性が悪化する。
【0068】BiによるSbの置換率は、好ましくは5
0原子%以下、より好ましくは20原子%以下である。
置換率が高すぎると記録層の吸収係数が増加して光の干
渉効果が減少し、このため結晶−非晶質間の反射率差が
小さくなって変調度が低下し、高C/Nが得られなくな
る。
【0069】SeによるTeの置換率は、好ましくは5
0原子%以下、より好ましくは20原子%以下である。
置換率が高すぎると結晶転移速度が遅くなりすぎ、十分
な消去率が得られなくなる。
【0070】Alおよび/またはPによるInの置換率
は、好ましくは40原子%以下、より好ましくは20原
子%以下である。置換率が高すぎると、記録マークの安
定性が低くなって信頼性が低くなる。なお、AlとPと
の比率は任意である。
【0071】なお、この組成系において繰り返し書き換
え後の記録層の吸収係数kは、結晶状態のときが3.3
程度、微結晶ないし非晶質のときが2.2程度である。
【0072】この組成系の記録層の厚さは、好ましくは
9.5〜50nm、より好ましくは13〜30nmである。
記録層が薄すぎると結晶相の成長が困難となり、相変化
に伴なう反射率変化が不十分となる。一方、記録層が厚
すぎると、記録マーク形成時に記録層の厚さ方向へAg
が多量に拡散し、記録層面内方向へ拡散するAgの比率
が小さくなってしまうため、記録層の信頼性が低くなっ
てしまう。また、記録層が厚すぎると、反射率および変
調度が低くなってしまう。
【0073】Ge−Sb−Te系組成の記録層では、構
成元素の原子比を 式II GeaSbbTe1-a-b で表わしたとき、好ましくは 0.08≦a≦0.25、 0.20≦b≦0.40 である。
【0074】式IIにおいてaが小さすぎると、記録マー
クが結晶化しにくくなり、消去率が低くなってしまう。
aが大きすぎると、多量のTeがGeと結合することに
なり、その結果、Sbが析出して記録マークが形成しに
くくなる。
【0075】式IIにおいてbが小さすぎると、Teが多
くなりすぎるために高温での保存時に記録マークが結晶
化しやすくなって、信頼性が低くなってしまう。bが大
きすぎると、Sbが析出して記録マークが形成しにくく
なる。
【0076】この組成系における記録層の厚さは、好ま
しくは14〜50nmである。記録層が薄すぎると結晶相
の成長が困難となり、相変化に伴なう反射率変化が不十
分となる。一方、記録層が厚すぎると、反射率および変
調度が低くなってしまう。
【0077】記録層の組成は、EPMAやX線マイクロ
アナリシス、ICPなどにより測定することができる。
【0078】記録層の形成は、スパッタ法により行う。
スパッタ条件は特に限定されず、例えば、複数の元素を
含む材料をスパッタする際には、合金ターゲットを用い
てもよく、ターゲットを複数個用いる多元スパッタ法を
用いてもよい。
【0079】反射層5 反射層の材質は特に限定されないが、通常、Al、A
u、Ag、Pt、Cu、Ni、Cr、Ti等の単体ある
いはこれらの1種以上を含む合金などの高反射率金属か
ら構成すればよい。反射層の厚さは、30〜300nmと
することが好ましい。厚さが前記範囲未満であると十分
な反射率が得にくくなる。また、前記範囲を超えても反
射率の向上は小さく、コスト的に不利になる。反射層
は、スパッタ法や蒸着法等の気相成長法により形成する
ことが好ましい。
【0080】保護層6 保護層は、耐擦傷性や耐食性の向上のために設けられ
る。この保護層は種々の有機系の物質から構成されるこ
とが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物やその組成
物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化させた物質
から構成されることが好ましい。保護層の厚さは、通
常、0.1〜100μm程度であり、スピンコート、グ
ラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等、通常の
方法により形成すればよい。
【0081】接着層 接着層を構成する接着剤は特に限定されず、例えば、ホ
ットメルト型接着剤、紫外線硬化型接着剤、常温硬化型
接着剤等のいずれであってもよく、粘着剤であってもよ
い。
【0082】図2の光記録媒体 図2に、本発明が適用される光記録媒体の他の構成例を
示す。この光記録媒体は、前述した吸収率補正構造の媒
体である。以下、図2の構成を選択する理由を説明す
る。
【0083】相変化型光記録媒体では、結晶−非結晶間
の反射率の違いを利用するため、記録マーク以外の領域
(結晶状態)における記録層の吸収率(Ac)と記録マ
ーク(非結晶状態)における記録層の吸収率(Aa)と
が異なることが多く、一般にAc<Aaとなっている。
なお、AcおよびAaは、いずれも記録再生用レーザー
光の波長における値である。このため、オーバーライト
領域が結晶であったか非結晶であったかによって記録感
度および消去率が異なることになる。この結果、オーバ
ーライトによって形成される記録マークに長さおよび幅
のばらつきが生じて、ジッターが大きくなり、エラーと
なることもある。高密度化のために記録マークの両端に
情報を担持させるマークエッジ記録を行っている場合に
は、記録マークの長さの変動の影響を受けやすいため、
エラーがさらに多くなってしまう。
【0084】この問題を解決するためには、AcをAa
に近づけることが好ましく、より好ましくはAc=Aa
とし、さらに好ましくは、潜熱の影響を考慮してAc>
Aaとすることが望ましい。このためには、記録層やそ
れを挟んで設けられる誘電体層の厚さを制御すればよい
が、通常の構造の媒体では、Ac/Aaを大きくしてい
くと記録マーク以外の領域における媒体からの反射率
(Rc)と記録マークにおける媒体からの反射率(R
a)との差が小さくなって、C/Nが低くなるという問
題が生じてしまう。
【0085】このような事情から、例えば特開平8−1
24218号公報では、基体上に第1誘電体層、記録
層、第2誘電体層、反射層、第3誘電体層、紫外線硬化
樹脂層を順に積層した構成の光学情報記録媒体におい
て、Ac>Aaとし、反射層として透過性の極薄金属
膜、SiまたはGeを用い、第3誘電体層として屈折率
が1.5より大きな誘電体を用いる旨の提案がなされて
いる。光透過性の反射層と高屈折率の第3誘電体層とを
設けることにより、Rc−Raを大きく保ったままAc
/Aaを上記範囲とすることが可能となる。
【0086】なお、AcおよびAaは、各層の光学定数
と記録再生用レーザー光の波長とから、算出することが
できる。
【0087】図2の光記録媒体は、反射層5を上記特開
平8−124218号公報に記載された反射層と同様な
構成とし、反射層5と保護層6との間に第3誘電体層3
3を設けた片面記録型媒体である。基体2、第1誘電体
層31、記録層4、第2誘電体層32および保護層6
は、図1に示す光記録媒体と同様な構成である。この構
成においても、図1に示す片面記録型媒体と同様に、2
枚を接着して両面記録型媒体としたり、保護基体を接着
したりしてもよい。
【0088】図2において反射層5は、光透過率が高い
極薄の金属層から構成されるか、記録・再生波長が含ま
れる近赤外から赤外域にかけての透過性が高いSiやG
e等から構成されることが好ましい。反射層の厚さは、
記録層の記録マーク以外の領域と記録マークとの間での
吸収率差を補正できるように適宜決定すればよい。反射
層の好ましい厚さ範囲は構成材料によって大きく異なる
ので、構成材料に応じて厚さを適宜決定すればよい。例
えばAu等の金属を用いる場合には、反射層の厚さを好
ましくは40nm以下、より好ましくは10〜30nmと
し、SiまたはGeを用いる場合には、反射層の厚さを
好ましくは80nm以下、より好ましくは40〜70nmと
する。反射層が薄すぎるとC/Nの低下を招き、反射層
が厚すぎると前述した吸収率補正効果が不十分となる。
【0089】反射層を金属から構成する場合、Auまた
はAu合金が好ましい。Au合金としては、Auを主成
分とし、Al、Cr、Cu、Ge、Co、Ni、Mo、
Ag、Pt、Pd、Ta、Ti、BiおよびSbの少な
くとも1種を含むものが好ましい。
【0090】この反射層も、スパッタ法や蒸着法等の気
相成長法により形成することが好ましい。
【0091】反射層5上に必要に応じて設けられる第3
誘電体層33は、好ましくは保護層6よりも屈折率の高
い材料から構成する。このような第3誘電体層を設ける
ことにより、前記特開平8−124218号公報記載の
発明と同様に、記録マークとそれ以外の領域との間の反
射率差を大きく保ったまま、前記Ac/Aaを大きくす
ることができる。
【0092】第3誘電体層の構成材料は、第1誘電体層
および第2誘電体層の説明において挙げた各種誘電体か
ら選択すればよい。
【0093】第3誘電体層の厚さは、好ましくは30〜
120nm、より好ましくは40〜90nmである。第3誘
電体層が薄すぎると信号出力が低くなってしまい、厚す
ぎると、隣接トラックの信号が消去される現象(クロス
イレーズ)が生じてしまう。
【0094】上記したようにAcとAaとを制御する構
造では、通常、透明基板の下側から照射される記録再生
用レーザー光は透過し、反射層側から出射される。この
ときの透過率、すなわち入射光に対する透過光の比率
は、通常、1%程度以上、特に3%程度以上である。な
お、この透過率は、透明基板上に無機層だけが存在する
状態で測定した値である。すなわち、図2の構成では保
護層6を除いた状態であり、記録層、誘電体層、反射層
等の無機層間での多重反射の結果としての透過率を意味
する。なお、この透過率は、分光光度計で測定すること
ができる。測定する領域は特に限定されず、結晶質部で
あっても非晶質部であってもよいが、通常は、グルーブ
の存在しない結晶質領域(ミラー部)で測定すればよ
い。
【0095】上記組成の記録層を有する光記録媒体で
は、書き換えおよび再生に用いる光を、広い波長域、例
えば100〜5000nmの範囲から自在に選択できる。
【0096】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0097】実験1 図1に示す構成を有する単板型の光記録ディスクサンプ
ルを、以下の手順で作製した。
【0098】基体2には、射出成形によりグルーブを同
時形成した直径120mm、厚さ0.6mmのディスク状ポ
リカーボネートを用いた。グルーブとランドとは同じ幅
とし、両者を記録トラックとして用いる構成とした。記
録トラックピッチPを、表1に示す。
【0099】第1誘電体層31は、Ar雰囲気中におい
てスパッタ法により形成した。ターゲットには、ZnS
(85モル%)−SiO2(15モル%)を用いた。第
1誘電体層の厚さは260nmとした。
【0100】記録層4は、スパッタ法により形成した。
記録層の組成(原子比)は 式I [(InaAgbTe1-a-b1-cSbc1-dd において、 a=0.15、 b=0.20、 c=0.59、 d=0.01 とした。記録層の厚さは20nmとした。
【0101】第2誘電体層32は、ZnS(85モル
%)−SiO2(15モル%)をターゲットとするスパ
ッタ法により形成した。第2誘電体層の厚さは20nmと
した。
【0102】反射層5は、Al−Cr合金ターゲットを
用い、Ar雰囲気中においてスパッタ法により形成し
た。反射層の厚さは100nmとした。
【0103】保護層6は、紫外線硬化型樹脂をスピンコ
ート法により塗布後、紫外線照射により硬化して形成し
た。硬化後の保護層厚さは5μm であった。
【0104】このようにして作製したサンプルをバルク
イレーザーにより初期化した後、以下の手順でクロスイ
レーズ、ビットエラーレート、繰り返しオーバーライト
によるビットエラーレート劣化を測定した。なお、測定
の際の記録パワーPwおよび消去パワーPeは、前述し
た手順により求めた最適値を使用した。
【0105】クロスイレーズの測定 まず、任意のトラックに8T単一信号(線速12m/sの
とき3.38MHz)を記録し、これを再生したときのキ
ャリア出力をC1とした。次に、前記任意のトラックに
隣接する両側のトラックに7T単一信号(線速12m/s
のとき3.86MHz)を、それぞれ1回記録した。次
に、再び前記8T信号を再生し、このときのキャリア出
力をC2とし、クロスイレーズを(C1−C2)[dB]に
より算出した。なお、クロスイレーズが生じている場合
は、C1>C2となるので、C1−C2は正の値となる。
【0106】ビットエラーレートの測定 1−7RLL符号を記録し、ビットエラーレート(BE
R)を求めた。ビットエラーレートは、3×10-5以下
であることが好ましい。
【0107】繰り返しオーバーライトによるビットエラ
ーレート劣化の測定 まず、任意のトラックのビットエラーレートを測定し、
得られた値をB1とした。次に、前記任意のトラックに
隣接するトラックに、1−7RLL符号を1000回記
録した後、再び前記任意のトラックについてビットエラ
ーレートを測定し、得られた値をB2とした。B2/B1
をビットエラーレート劣化率とした。この劣化率は、3
倍以下であることが好ましい。
【0108】これらの測定の結果を表1に示す。また、
Pw、Pe、記録再生レーザー光の波長λ、オーバーラ
イトに用いた光学系の開口数NA、サンプルの結晶質部
の反射率、オーバーライト時のサンプルの線速度v0
k=(λ/NA)/P、(Pw/Pe)×k2も、表1
に示す。
【0109】
【表1】
【0110】表1から、k=(λ/NA)/P≧1.7
8となると、すなわち、記録密度が一定以上に高くなる
と、クロスイレーズが急激に大きくなり、これに伴って
ビットエラーレートおよびその劣化率も急激に悪くなる
ことがわかる。
【0111】実験2 第1誘電体層31を表2に示す厚さとしたほかは表1の
サンプルNo.105と同様にして、表2に示すサンプル
を作製した。なお、第1誘電体層の厚さの変更は反射率
を変更するためである。これらのサンプルについて、実
験1と同様にしてクロスイレーズを測定した。結果を表
2に示す。なお、表2には、サンプルNo.105も記載
してある。
【0112】
【表2】
【0113】表2から、(Pw/Pe)×k2≦8.5
とすれば、k=(λ/NA)/P≧1.78であっても
クロスイレーズが0.3dB以下に収まることがわかる。
また、低反射率のサンプルでは、(Pw/Pe)×k2
≦8.5とする際に最適記録パワーおよび最適消去パワ
ーを利用できることがわかる。
【0114】実験3 図2の構成を有する吸収率補正構造の光記録ディスクサ
ンプルを作製した。第1誘電体層31は、厚さを表3に
示す値としたほかはサンプルNo.105と同様とした。
第1誘電体層31の厚さの変更は、前記したAc/Aa
を変更するためである。記録層4は、組成をGe:S
b:Te=2:2:5、厚さを20nmとした。第2誘電
体層32は、厚さを15nmとしたほかはサンプルNo.1
05と同様とした。反射層5は、Siをターゲットとし
てAr雰囲気中においてスパッタ法により形成した。反
射層の厚さは50nmとした。第3誘電体層33は、厚さ
を60nmとしたほかは第1誘電体層および第2誘電体層
と同様にして形成した。
【0115】このようにして作製した各サンプルを、バ
ルクイレーザーにより初期化した。初期化後、保護層6
を除いた状態で基体2側から波長680nmのレーザー光
を照射し、ミラー部(結晶質)における透過率を分光光
度計で測定した結果、3〜9%であった。各サンプルの
波長680nmにおけるAc/Aaを、表3に示す。
【0116】各サンプルについて、実験1と同様にして
クロスイレーズを測定した。結果を表3に示す。
【0117】
【表3】
【0118】表3から、Ac/Aaが0.8以上である
吸収率補正構造とすることにより、(Pw/Pe)×k
2≦8.5とする際に最適記録パワーおよび最適消去パ
ワーを利用できることがわかる。
【0119】実験4 k=(λ/NA)/Pを変更するためにトラックピッチ
Pを変更したほかは表3のサンプルNo.303と同様に
して、表4に示すサンプルを作製した。これらのサンプ
ルについても実験1と同様にしてクロスイレーズを測定
した。結果を表4に示す。なお、表4にはサンプルNo.
303も記載してある。
【0120】
【表4】
【0121】表4からも、(Pw/Pe)×k2≦8.
5とすることによるクロスイレーズ低減効果が明らかで
ある。
【0122】実験5 グルーブ深さを変更したほかは表3のサンプルNo.30
3と同様にして、表5に示すサンプルを作製した。表5
には、グルーブ深さdGをλ/(α・n)と表したとき
のαを示してある。nはポリカーボネート基体の波長6
80nmにおける屈折率(1.55)である。これらのサ
ンプルについて、線速度12m/sでトラッキングエラー
信号出力および再生信号出力(1−7RLL信号出力)
を測定した。なお、最短記録マーク長は0.44μmと
なる。また、線速度12m/sおよび8m/sのそれぞれにお
いて、トラッキングの安定性を調べた。これらの結果を
表5に示す。表5に示すトラッキングエラー出力は、相
対値である。1−7RLL信号出力は200mW以上であ
ることが好ましい。なお、表5にはサンプルNo.303
も記載してある。
【0123】
【表5】
【0124】表5から、λ/10n≦dG<λ/7nと
することにより、トラッキングエラー信号出力が大きく
なり、再生信号出力も十分に大きくできることがわか
る。
【0125】以上の各実験から、(λ/NA)/Pが
1.78以上のとき、すなわち、レーザービームスポッ
ト径に対する記録トラックピッチの比率が小さく、従来
は大きなクロスイレーズが発生していた条件であって
も、本発明にしたがって(Pw/Pe)×k2を一定値
以下とすることにより、媒体の構造によらずクロスイレ
ーズを著しく低減できることが明らかである。
【0126】なお、サンプルの線速度を6m/sとし、か
つ、記録層組成を線速度に合わせて最適化したほかは上
記各実験と同様にしてクロスイレーズの測定を行ったと
ころ、(Pw/Pe)×k2の限定による効果は上記各
実験と同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の構成例を示す部分断面図
である。
【図2】本発明の光記録媒体の構成例を示す部分断面図
である。
【図3】(a)、(b)および(c)は、最適消去パワ
ーおよび最適記録パワーを求める方法を説明するための
グラフである。
【符号の説明】
2 基体 31 第1誘電体層 32 第2誘電体層 33 第3誘電体層 4 記録層 5 反射層 6 保護層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが0.8mm以下である基体の表面
    に、ランドを挟んでグルーブを有し、ランドおよびグル
    ーブを記録トラックとして用いる相変化型光記録媒体に
    対し、記録および再生を行う方法であって、 記録トラックピッチをP[μm]とし、記録再生光学系
    の開口数をNAとし、記録再生光の波長をλ[μm]と
    し、 k=(λ/NA)/P≧1.78 としたとき、 記録パワーPw[mW]と消去パワーPe[mW]とが、 (Pw/Pe)×k2≦8.5 を満足する条件でオーバーライトを行う光記録媒体の記
    録再生方法。
  2. 【請求項2】 前記光記録媒体におけるグルーブの深さ
    をdG、波長λにおける前記基体の屈折率をnとしたと
    き、 λ/10n≦dG<λ/7n である請求項1の光記録媒体の記録再生方法。
  3. 【請求項3】 前記光記録媒体において、グルーブの幅
    をwG、ランドの幅をwLとしたとき wL/wG=0.76〜1.31 である請求項1または2の光記録媒体の記録再生方法。
  4. 【請求項4】 前記光記録媒体において、 P≦0.65 である請求項1〜3のいずれかの光記録媒体の記録再生
    方法。
  5. 【請求項5】 前記光記録媒体の記録再生光波長におけ
    る反射率が17%以下である請求項1〜4のいずれかの
    光記録媒体の記録再生方法。
  6. 【請求項6】 前記光記録媒体において、記録再生用の
    レーザー光波長における記録層の吸収率を、結晶質部で
    Acとし、非結晶質部でAaとしたとき、 Ac/Aa≧0.8 である請求項1〜4のいずれかの光記録媒体の記録再生
    方法。
  7. 【請求項7】 λ≦0.68 である請求項1〜6のいずれかの光記録媒体の記録再生
    方法。
  8. 【請求項8】 NA≧0.6 である請求項1〜7のいずれかの光記録媒体の記録再生
    方法。
  9. 【請求項9】 前記光記録媒体において、ランドにおけ
    る再生出力とグルーブにおける再生出力との比の絶対値
    が2dB以下である請求項1〜8のいずれかの光記録媒体
    の記録再生方法。
  10. 【請求項10】 クロスイレーズの絶対値が0.3dB以
    下となる請求項1〜9のいずれかの光記録媒体の記録再
    生方法。
  11. 【請求項11】 再生時のクロストークが−20dB以下
    となる請求項1〜10のいずれかの光記録媒体の記録再
    生方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかの方法によ
    り記録および再生が行われる光記録媒体。
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