JPH11323738A - ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 - Google Patents

ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料

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JPH11323738A
JPH11323738A JP15519798A JP15519798A JPH11323738A JP H11323738 A JPH11323738 A JP H11323738A JP 15519798 A JP15519798 A JP 15519798A JP 15519798 A JP15519798 A JP 15519798A JP H11323738 A JPH11323738 A JP H11323738A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 各種ゴム、特に塩素化ポリエチレンゴムに対
する接着性がすぐれたゴム補強用芳香族ポリアミド繊
維、その製造方法、および繊維とゴムとの接着性、柔軟
性、耐侯性、難燃性にすぐれると共に、濃硝酸を除く
酸、アルカリおよびアルコールに対し安定で、かつ軽量
な繊維強化ゴム複合材料を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリアミド繊維の表面を、塩化ビ
ニル共重合体ラテックスを含有する第1処理液で処理
し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルムア
ルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部に
対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチレ
ンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を含
有する第2処理液で処理する。得られたゴム補強用芳香
族ポリアミド繊維により、塩素化ポリエチレンゴムを補
強し、これらはタイヤコード、ベルトおよびホースなど
の形態からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種ゴム、特に塩
素化ポリエチレンゴムに対する接着性がすぐれたゴム補
強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法、および繊維
とゴムとの接着性、柔軟性、耐侯性、難燃性にすぐれる
と共に、濃硝酸を除く酸、アルカリおよびアルコールに
対し安定で、かつ軽量な繊維強化ゴム複合材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高モ
ジュラスで、かつ繊維自体の耐熱性にすぐれることか
ら、これらの特性を生かして、近年ではタイヤコード、
ベルトおよびホースなどの繊維強化ゴム複合材料におけ
るゴム補強用繊維として広く使用されている。
【0003】しかしながら、芳香族ポリアミド繊維は、
脂肪族ポリアミド繊維やポリエステル繊維に比較して、
ゴムとの接着性が劣るため、従来から芳香族ポリアミド
繊維とゴムとの接着性を改良する方法が種々提案されて
いる。
【0004】例えば特開平2−202569号公報に
は、芳香族ポリアミド繊維を1分子中に2個以上のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物で処理し、次いでレゾル
シン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス混合物(RF
L)で処理する方法が記載されている。
【0005】また、特開平3−40875号公報には、
芳香族ポリアミド繊維をポリエポキシド化合物・ブロッ
クドイソシアネート化合物・ゴムラテックスの混合物で
処理し、次いでレゾルシン・ホルンムアルデヒド・ゴム
ラテックス混合物(RFL)に特殊なクロロフェノール
化合物を配合した処理液で処理する方法が記載されてい
る。
【0006】これらの方法によれば、確かにブタジエン
系ゴムやクロロプレン系ゴムなどの汎用ゴムと芳香族ポ
リアミド繊維との接着性は改良されるものの、耐侯性や
耐薬品性がすぐれた塩素化ポリエチレンゴムと芳香族ポ
リアミド繊維との間に強固な接着性を得ることは困難で
あったため、塩素化ポリエチレンゴムの芳香族ポリアミ
ド繊維強化複合材料への展開は進んでいないのが実情で
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
技術における問題点の解決を課題として検討した結果達
成されたものである。
【0008】したがって、本発明の目的は、各種ゴム、
特に塩素化ポリエチレンゴムに対する接着性がすぐれた
ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法、およ
び繊維とゴムとの接着性、柔軟性、耐侯性、難燃性にす
ぐれると共に、濃硝酸を除く酸、アルカリおよびアルコ
ールに対し安定で、かつ軽量な繊維強化ゴム複合材料を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、芳
香族ポリアミド繊維の表面を、塩化ビニル共重合体ラテ
ックスを含有する第1処理液で処理し、次いでゴムラテ
ックスおよびレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物
との混合物の固形分100重量部に対して、ブロックド
イソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物を5
〜15重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で
処理したことを特徴とする。
【0010】上記においては、前記第2処理液が含有す
るゴムラテックスがクロロスルホン化ポリエチレンゴム
ラテックスであること、および前記第1処理液の芳香族
ポリアミド繊維に対する固形分付着量が3.0〜10.
0重量%であり、前記第2処理液の前記第1処理液が付
着した芳香族ポリアミド繊維に対する付着量が2.0〜
8.0重量%であることが望ましい。
【0011】また、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミ
ド繊維の製造方法は、芳香族ポリアミド繊維を、塩化ビ
ニル共重合体ラテックスを含有する第1処理液で処理
し、100℃〜120℃で乾燥した後、140〜160
℃で熱処理し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン
−ホルムアルデヒド初期縮合物との混合物の固形分10
0重量部に対して、ブロックドイソシアネート化合物ま
たはエチレンイミン化合物を5〜15重量部を配合した
組成物を含有する第2処理液で処理し、100℃〜15
0℃で乾燥した後、200℃〜250℃で熱処理するこ
とを特徴とする。
【0012】上記の製造方法においては、前記第2処理
液が含有するゴムラテックスとして、クロロスルホン化
ポリエチレンゴムラテックスを用いること、および前記
第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着
量を3.0〜10.0重量%とし、前記第2処理液の前
記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する
付着量を2.0〜8.0重量%とすることが望ましい。
【0013】さらに、本発明の繊維強化ゴム複合材料
は、上記のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維または上記
の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維
により、ゴム、特に塩素化ポリエチレンゴムを補強した
ことを特徴とし、これらはタイヤコード、ベルトおよび
ホースなどの形態からなることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。
【0015】本発明で使用する芳香族ポリアミド繊維と
は、芳香族ポリ−P−フェニレンテレフタルアミドおよ
びポリ−P−フェニレン・3−4´ジフェニルエーテル
テレフタルアミドを公知の手段で紡糸、延伸してなる繊
維を意味する。
【0016】なお、本発明で用いる芳香族ポリアミド繊
維とは、上記芳香族ポリアミドを素材としてなるフィラ
メント糸の他、このフィラメント糸からなるコード、織
物、織布、布帛および不織布などの形態をも含むもので
あり、下記に述べる接着処理液による処理は、その任意
の形態の芳香族ポリアミド繊維に施されればよい。
【0017】本発明の第1処理液に用いられる塩化ビニ
ル共重合体ラテックスとは、塩化ビニルとエチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブタジエンなどのオレフィン
類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
n−オクチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート
などのアクリレート類、酢酸ビニル、ビニルラウレー
ト、イソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
などのビニルエステルエーテル類との共重合体の乳化液
を挙げることができる。
【0018】本発明の第2処理液に用いられるレゾルシ
ン・ホルムアルデヒドの初期縮合物(RF)とゴムラテ
ックス(L)との混合物とは、一般にRFLと称される
ものである。
【0019】このRFLに含まれるレゾルシン・ホルム
アルデヒド初期縮合物とは、アルカリ触媒または酸触媒
の存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させ
たものであって、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル
比が1:0.3〜1:3.0、特に1:0.75〜1:
1.50の範囲であることが好ましい。
【0020】また、上記RFLに含まれるゴムラテック
スとしては、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共
重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、クロ
ロプレン系ラテックス、クロロスルホン化ポリエチレン
ゴムラテックス、アクリレート系ゴムラテックス、天然
ゴムラテックス、および塩化ビニル共重合体ラテックス
などが挙げられるが、なかでもクロロスルホン化ポリエ
チレンゴムラテックスを用いた場合に最も良好な結果が
得られる。
【0021】本発明の第2処理液に用いられるブロック
ドイソシアネート化合物とは、熱によりブロック剤が遊
離して活性なイソシアネート化合物を生じる化合物であ
り、具体的にはトリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびトリフェ
ニールメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネ
ート化合物とフェノール、クレゾール、レゾルシンなど
のフェノール類、ε−カプロラクタム、バレロラクタム
などのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトン
オキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類か
ら選ばれたブロック剤との反応生成物などが挙げられ、
特にジフェニルメタンジイソシアネートの芳香族化合物
が良好な結果を与える。
【0022】同じく第2処理液に用いられるエチレンイ
ミン化合物としては、ジフェニルメタン−ビス−4,4
´−N,N´−ジエチレンイミン、1,6−ヘキサメチ
レンジエチレンイミン、オクタデシルジエチレンイミ
ン、トリレンジエチレンイミン、ナフチレンジエチレン
イミン、およびトリフェニルメタンジエチレンイミンな
どの芳香族、脂肪族イソシアネートとエチレンイミンと
の反応生成物が挙げられ、特に芳香族エチレンイミン化
合物が良好な結果を与える。
【0023】次に、本発明で用いる第1処理液について
説明する。
【0024】塩化ビニル共重合体ラテックスを含有する
第1浴処理液は、通常固形分濃度10〜25重量%で使
用され、処理時における芳香族ポリアミド繊維への固形
分付着量は3.0〜10.0重量%になるように制御さ
れる。
【0025】芳香族ポリアミド繊維に対する第1浴処理
液の固形分付着量が3.0重量%未満では、ゴムに対す
る接着性を十分に改良することができず、10重量%を
越えると、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害され
る傾向となるため好ましくない。
【0026】また、第1処理液付与後の熱処理は、通常
100〜120℃で0.5〜5分間乾燥した後、140
〜160℃で0.5〜5分間熱処理することにより行
う。
【0027】第1処理液付与後の乾燥温度が100℃未
満では、処理液成分が固化せずローラーに付着して芳香
族ポリアミド繊維への付着量が減少すると共に、付着ム
ラが生じゴムとの接着性が悪くなる傾向となり、また1
20℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾
向となる。
【0028】また、第1処理液付与後の熱処理温度が1
40℃未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良する
ことができず、160℃を越えると、ラテックスが熱分
解し、十分な接着性が得られないため好ましくない。
【0029】次に、第2浴処理液は、レゾルシン・ホル
ムアルデヒドの初期縮合物(RF)とゴムラテックス
(L)、特に好ましくはクロロスルホン化ポリエチレン
ゴムラテックスとの混合物(RFL)の固形分100重
量部に対し、上記ブロックドイソシアネート化合物また
はエチレンイミン化合物5〜15重量部を配合した組成
物を含有する。
【0030】ここで、第2処理液におけるブロックドイ
ソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物の配合
量がRFLの固形分100重量部に対し5重量部未満で
は、芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着性を十分に改
善することができず、また15重量部を越えると、接着
性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを
招くのみであるため好ましくない。
【0031】この第2浴処理液は、通常固形分濃度で1
0〜25重量%で使用され、処理時における芳香族ポリ
アミド繊維への固形分付着量は、上記第1処理液が付着
した芳香族ポリアミド繊維に対し2.0〜8.0重量%
になるように制御される。
【0032】上記第1処理液が付着した芳香族ポリアミ
ド繊維に対する第2浴処理液の固形分付着量が2.0重
量%未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良するこ
とができず、8.0重量%を越えると、芳香族ポリアミ
ド繊維自体の特性が阻害される傾向となるため好ましく
ない。
【0033】また、第2処理液付与後の熱処理は、通常
100〜150℃で0.5〜5分間乾燥した後、200
〜250℃で0.5〜5分間熱処理することにより行な
う。
【0034】第2処理液付与後の乾燥温度が100℃未
満では、処理液成分が固化せずローラーに付着して芳香
族ポリアミド繊維への付着量が減少すると共に、付着ム
ラが生じゴムとの接着性が悪くなる傾向となり、また1
50℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾
向となる。
【0035】また、第2処理液付与後の熱処理温度が2
00℃未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良する
ことができず、250℃を越えると、RFLが劣化し
て、ゴム、なかでも塩素化ポリエチレンゴムとの接着性
が低下する傾向となるため好ましくない。
【0036】このようにして、第1および第2処理液に
よる処理および熱処理を施された芳香族ポリアミド繊維
を、次いで天然ゴムまたは合成ゴムを主体としたゴム組
成物中に埋め込み、加圧下で加硫することにより、被着
ゴムと強固に接着された繊維強化ゴム複合材料が得られ
るが、各種ゴムのなかでも、特に塩素化ポリエチレンゴ
ムを使用した場合にすぐれた効果を得ることができる。
【0037】なお、上記のように接着処理された芳香族
ポリアミド繊維は、繊維強化ゴム複合材料が例えば自動
車用ホースの場合には、未加硫のNBR組成物または塩
素化ポリエチレンゴム組成物の内管上に2重に編組され
た後、さらに未加硫の塩素化ポリエチレンゴムを被覆し
た状態で加硫される。
【0038】加硫は、スチーム加硫、プレス加硫などの
通常の方法により、150℃〜170℃で行なわれる。
加硫時間は、加硫温度などの加硫条件により、適宜選択
すればよい。
【0039】かくして、本発明によれば、ゴムと芳香族
ポリアミド繊維との間の接着性がすぐれ、柔軟で製造工
程におけるカス発生などの不具合を解消した繊維強化ゴ
ム複合材料を効率的に得ることができ、得られた繊維強
化ゴム複合材料は、タイヤコード、動力伝達ベルト、搬
送用ベルト、およびゴムホース、なかでもラジエターホ
ース、ヒーターホース、パワーステアリングホースおよ
びオイルホースなどの自動車ホースに適用した場合にす
ぐれた性能を発揮する。
【0040】
【実施例】次に、実施例により、本発明を具体的に説明
する。なお、実施例における各測定値は次の方法により
求めたものである。
【0041】[プライ間剥離接着(塩素化ポリエチレン
ゴム付着率、剥離力)]芳香族ポリアミド繊維の処理コ
ードを、28本/インチの密度でトッピングした塩素化
ポリエチレンゴムシート2枚を、処理コードが平行にな
るように張り合わせ、加圧下で150℃、40分間プレ
ス加硫を行う。
【0042】そして、組成物を放冷後、両プライを5c
m/minの引張り速度で剥離させるに要する力を測定
し、この剥離力をKg/インチで表した。
【0043】また、塩素化ポリエチレンゴム付着率(剥
離ゴム付き)は、塩素化ポリエチレンゴムから剥離され
たコードを肉眼で観察し、コード表面に塩素化ポリエチ
レンゴムが付着している部分を百分率で表した。
【0044】上記接着評価においては、は、ムーニー粘
度(ML1+4 、100℃):80、比重:1.08〜
1.20の塩素化ポリエチレン未加硫ゴムを用いた。こ
のゴム組成物の薬剤配合例を表1示した。
【0045】
【表1】 [実施例1〜5]塩化ビニル共重合体ラテックス(商品
名:G151/G351、日本ゼオン社製、重量配合比
3:7)に水を加えることにより、表2に示した固形分
濃度(10〜25重量%)の第1浴処理液を得た。
【0046】また、苛性ソ−ダの存在下でレゾルシン1
モルに対しホルムアルデヒド2モルを反応させて得られ
たレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物(RF)
と、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス(C
SM……L)とを、RF/L比が1/5.6の重量比と
なるように混合し、24時間熟成させた。
【0047】このRFL液の固形分100重量部に対
し、ジフェニルメタン−ビス4,4´−N,N´−ジエ
チレイミン(エチレンイミン化合物……C)の水分散液
を表2に示した所定の比率で混合することにより、固形
分濃度20重量%の第2処理液を得た。
【0048】一方、デュポン社製芳香族ポリアミド繊維
“ケブラー”の1500デニールマルチフイラメント1
本を、下撚9.0回/10cmの撚数で撚糸してコード
とし、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を
用いて、前記第1浴処理液に浸漬(固形分付着量4.1
〜5.0重量%)し、110℃で150秒乾燥し、続い
て150℃で60秒間熱処理した。
【0049】次いで、第1処理液を付着させたコード
を、上記第2処理液に浸漬(固形分付着量4.0〜6.
1重量%)し、110℃で150秒乾燥し、続いて23
5℃で60秒間熱処理した。
【0050】このようにして得られたコードのプライ間
剥離接着評価結果を表2に示した。
【0051】なお、表2における記号内容は以下の通り
である。 C :エチレンイミン化合物
【表2】 [比較例1〜6]上記実施例と同一のコードを用い、表
3に示した組成の第1処理液に浸漬(固形分付着量0.
3〜1.0重量%)し、140℃で150秒乾燥した
後、続いて240℃で60秒間熱処理した。
【0052】次いで、第1処理液を付着させた表3に示
した組成の第2処理液に浸漬(固形分付着量7.0〜
9.1重量%)し、140℃で150秒乾燥し、続いて
235℃で60秒間熱処理した。
【0053】比較例1〜4の第1処理液は、塩化ビニル
共重合体ラテックスの代わりに、ポリエポキシ化合物
(ソルビトールポリグリシジルエーテル・……B)、ま
たはこのポリエポキシ化合物(B)とエチレンイミン化
合物(ジフェニルメタン−ビス4,4´−N,N´−ジ
エチレイミン……C)との混合物を使用し、固形分濃度
を表3に示したように2.5%〜15重量%の範囲で変
更したものである。
【0054】比較例5〜6の第1処理液は、上記実施例
2〜4のものと同様またはその固形分濃度を5重量%に
変更したもの(比較例5)である。
【0055】比較例1〜4の第2処理液は、実施例1の
ものと同様である。
【0056】また、比較例5、6の第2処理液は、エチ
レンイミン化合物(D)の配合を省略または3重量%と
したものである。
【0057】なお、表3における記号内容は以下の通り
である。
【0058】 A :塩化ビニル共重合体ラテックス(重量部) B :ポリエポキシ化合物(重量部) C :エチレンイミン化合物(重量部)
【表3】 表2および3の結果から明らかなように、本発明のゴム
補強用芳香族ポリアミド繊維は、塩素化ポリエチレンゴ
ムに対する接着性がすぐれた繊維強化ゴム複合材料を与
える。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴム補強
用芳香族ポリアミド繊維は、各種ゴム、特に塩素化ポリ
エチレンゴムに対する接着性がすぐれており、この繊維
で補強した本発明の繊維強化ゴム複合材料、特に繊維強
化塩素化ポリエチレンゴム複合材料は、繊維とゴムとの
接着性、柔軟性、耐侯性、難燃性にすぐれると共に、濃
硝酸を除く酸、アルカリおよびアルコールに対し安定
で、かつ軽量な特性を有すると共に、製造工程における
カス発生などの不具合を解消したものであり、タイヤコ
ード、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およびゴムホー
ス、なかでもラジエターホース、ヒーターホース、パワ
ーステアリングホースおよびオイルホースなどの自動車
ホースに適用した場合にすぐれた性能を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16L 11/04 F16L 11/08 A 11/08 D06M 15/72 // D06M 101:36

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミド繊維の表面を、塩化ビ
    ニル共重合体ラテックスを含有する第1処理液で処理
    し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルムア
    ルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部に
    対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチレ
    ンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を含
    有する第2処理液で処理したことを特徴とするゴム補強
    用芳香族ポリアミド繊維。
  2. 【請求項2】 前記第2処理液が含有するゴムラテック
    スが、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスで
    あることを特徴とする請求項1に記載のゴム補強用芳香
    族ポリアミド繊維。
  3. 【請求項3】 前記第1処理液の芳香族ポリアミド繊維
    に対する固形分付着量が3.0〜10.0重量%であ
    り、前記第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族
    ポリアミド繊維に対する付着量が2.0〜8.0重量%
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリアミド繊維を、塩化ビニル共
    重合体ラテックスを含有する第1処理液で処理し、10
    0℃〜120℃で乾燥した後、140〜160℃で熱処
    理し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルム
    アルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部
    に対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチ
    レンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を
    含有する第2処理液で処理し、100℃〜150℃で乾
    燥した後、200℃〜250℃で熱処理することを特徴
    とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2処理液が含有するゴムラテック
    スとして、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテック
    スを用いることを特徴とする請求項4に記載のゴム補強
    用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1処理液の芳香族ポリアミド繊維
    に対する固形分付着量を3.0〜10.0重量%とし、
    前記第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリ
    アミド繊維に対する付着量を2.0〜8.0重量%とす
    ることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のゴ
    ム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴ
    ム補強用芳香族ポリアミド繊維または請求項4〜6のい
    ずれか1項に記載の方法により得られたゴム補強用芳香
    族ポリアミド繊維を用いて、ゴムを補強したことを特徴
    とする繊維強化ゴム複合材料。
  8. 【請求項8】 ゴムが塩素化ポリエチレンゴムであるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の繊維強化ゴム複合材
    料。
  9. 【請求項9】 タイヤコードであることを特徴とする請
    求項7または8に記載の繊維強化ゴム複合材料。
  10. 【請求項10】 ベルトであることを特徴とする請求項
    7または8に記載の繊維強化ゴム複合材料。
  11. 【請求項11】 ホースであることを特徴とする請求項
    7または8に記載の繊維強化ゴム複合材料。
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