JPH11253935A

JPH11253935A - 浄水器

Info

Publication number: JPH11253935A
Application number: JP5554098A
Authority: JP
Inventors: Yukihiro Hosoda; 幸宏細田; Kanji Inoue; 完治井上; Koichi Negishi; 公一根岸
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1998-03-06
Filing date: 1998-03-06
Publication date: 1999-09-21

Abstract

(57)【要約】【課題】コンパクトでありながら、高い浄水性能を発
揮する浄水器を提供することを課題とする。【解決手段】浄水器１０において、水道水は粒状活性
炭からなる第１の濾過材４４でトリハロメタン等が除去
され、繊維状活性炭からなる第２の濾過材４６でジメチ
ルイソボルネオール等が除去される。さらに、復水管５
４を介して中空糸膜モジュール３６に到達した水は中空
糸膜によって細菌類が除去される。この場合、中空糸膜
モジュール３６と濾過材４４、４６を上下方向に配設し
たため、水の流れ方向に対して垂直な断面積が十分に大
きく、浄水（濾過）性能を十分に発揮できる。さらに、
第１の濾過材４４の下部から上部に水が流れるため、粒
状活性炭が目詰まりすることなく、また粒状活性炭が水
の流れで上下動することによって水との接触時間が長く
なり、一層高い浄水性能を発揮できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蛇口からホースに
より送られた水を通過させて濾過処理して蛇口に戻す構
造の浄水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、安全な飲料水に対する要求が高ま
っており、水質が比較的悪い地域や時期においても効果
的に安全な飲料水が得られるように、浄水器が使われる
ようになった。

【０００３】例えば、浄水カートリッジの前に設けたプ
レフィルタで水道水中の赤さび等の固形成分をこし取
り、詰まってきたらプレフィルタを新品と交換すること
で、浄水カートリッジの目詰まりを防ぐものや、活性炭
層等で水中の不純物をこし取った後で、中空糸膜等の超
細密フィルタで細菌類をこし取るものなどのフィルタ方
式の浄水器が知られている。

【０００４】一方、浄水器本体と水道の蛇口とが、出水
ホース及び入水ホースで繋がっているツーウェイタイプ
の浄水器は、浄水器本体を蛇口に取付けるという制約が
ないので高性能化が図り易く、また、浄水が蛇口から得
られるので便利であり普及しつつある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来から優れた浄水性
能を示す浄水器は多いが、活性炭層と中空糸膜を浄水器
のカートリッジ内に内蔵すると、スペースの制約から十
分な活性炭量を確保できない。

【０００６】例えば、円筒形のカートリッジの外周側に
活性炭層を設け、その内側に中空糸膜を配設し、活性炭
層に上部から水を通し、その水を下部から中空糸膜に水
を通すことによって濾過するタイプ、あるいは同様に活
性炭層と中空糸膜を配設し、側面から活性炭層に水を通
し、中空糸膜の上部にその水を通すことによって濾過す
るタイプ等が提案されている。これらは、浄水器のコン
パクト化と性能向上を図ったものではあるが、活性炭層
に上部あるいは側面から水を通すと粒状の活性炭が目詰
まりを起こすおそれがある。また、活性炭層における水
の流れ方向と垂直な断面積（以下、断面積という）が小
さいと通水抵抗が大きくなり、浄水性能が低くなってし
まう。一方、活性炭層の断面積を大きくとると、浄水器
の容積が大きくなり、コンパクトにすることが困難にな
る。

【０００７】本発明は係る事実を考慮して、コンパクト
でありながら、浄水性能を一層向上させた浄水器を提供
することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明で
は、ケーシングに収納され、水から塩素等を除去する粒
状濾過材を含む第１濾過手段と、ケーシングに収納さ
れ、第１濾過手段を通過した水から細菌類を除去する第
２濾過手段と、を備える浄水器であって、前記第１濾過
手段と前記第２濾過手段とを上下方向に積み重ねるとと
もに、前記第１濾過手段の下部から上部へ水を通過させ
ることを特徴とする。

【０００９】請求項１記載の発明の作用について説明す
る。第１濾過手段と第２濾過手段とを上下方向に積み重
ねることによって第１、第２濾過手段の断面積をケーシ
ングの断面積と略同等にすることができ、濾過性能が向
上する。しかも、第１濾過手段は下部から上部へ水が通
過するため、粒状濾過材が目詰まりすることなく、しか
も粒状濾過材が水の流れによって上下動を行うため、水
との接触時間が延びて浄水性能が向上する。

【００１０】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
発明において、前記第１濾過手段を前記第２濾過手段の
上方に配設し、前記第１濾過手段を貫通し、第１濾過手
段で濾過された水を前記第２濾過手段へ導く復水管を設
けたことを特徴とする。

【００１１】請求項２記載の発明の作用について説明す
る。第１濾過手段を貫通する復水管を設けたため、通水
抵抗が小さくなり、また第１濾過手段の濾過断面積を大
きくとることができる。すなわち、第１濾過手段の外周
側に周回する復水管を設けた場合、復水管の管璧と水の
接触面積が大きいため、断面積が同じなら通水抵抗も大
きくなるためである。このように、第１濾過手段を貫通
する復水管を形成した方が効率的な配置となり、復水管
の断面積が小さくて済むので第１濾過手段の断面積を一
層大きくとれ、浄水性能も高くなる。

【００１２】請求項３記載の発明では、請求項１または
請求項２に記載の発明において、前記第１濾過手段は、
粒状活性炭と、前記粒状活性炭を通過させない繊維状活
性炭およびフィルタとで構成され、前記繊維状活性炭と
前記フィルタが前記粒状活性炭の上下を挟むことを特徴
とする。

【００１３】請求項３記載の発明の作用について説明す
る。粒状活性炭は、粒状活性炭を通過させない繊維状活
性炭とフィルタで挟まれているので粒状活性炭の流出を
防止できる。しかも、その流出防止機能の一方を濾過機
能を有する繊維状活性炭が担っているため、浄水性能を
向上させることができる。

【００１４】請求項４記載の発明では、請求項２または
請求項３記載の発明において、前記第２濾過手段と前記
復水管が一体的に形成されていることを特徴とする。

【００１５】請求項４記載の発明の作用について説明す
る。第２濾過手段と復水管とを一体的に形成する（モジ
ュール化する）ことによって浄水器の組み立てが容易に
なる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の浄水器に係る実施形態を
図１〜図６を参照して説明する。

【００１７】図２に本実施形態に係る浄水器１０を示
す。浄水器１０の外枠を構成する円筒状の外ケース１２
の底部には、樹脂材料で成形された円板状のベース材１
４が樹脂製の外ケース１２に固着されている。このベー
ス材１４には、図３に示すように、ベース材１４の外周
寄り部分から外周側に延びる入水通路１６が形成されて
いて、この入水通路１６の端部には水道の蛇口６０に取
付けられた蛇口ユニット部６２からの出水ホース９６が
接続されることになる（図１参照）。

【００１８】また、このベース材１４には、ベース材１
４の中央部から入水通路１６と平行に外周側に延びる出
水通路２２が形成されていて、この出水通路２２の端部
には浄水器１０により浄化された水を浄水器１０より取
り出す為の入水ホース９８が接続されることになる。

【００１９】さらに、外ケース１２及びベース材１４の
下側には、リング状のゴム製の台座１８が取付けられて
いる。この台座１８の中空部には、不要時に入水通路１
６、出水通路２２から水を抜くための水抜き弁１９、２
０が形成されている。

【００２０】外ケース１２の内部にはカートリッジ２６
が収納されている。カートリッジ２６は円筒状に形成さ
れて下部側に底壁２８Ａが一体的に設けられた樹脂製の
カートリッジケース２８を備えている。この底壁２８Ａ
には、円形に突出すると共にそれぞれ内部に流路３０
Ａ、３２Ａを有した嵌合凸部３０、３２がそれぞれ形成
されている。これらの嵌合凸部３０、３２は、ベース材
１４の入水通路１６及び出水通路２２の端部に形成され
た孔部３３、３５にそれぞれ嵌合されている。さらに、
嵌合凸部３０、３２の外周面にはＯリング３４が装着さ
れ、水が嵌合部分より漏れないようにされている。

【００２１】また、カートリッジケース２８の内側下部
には、中空糸膜が多数内蔵されると共に円筒状に形成さ
れた中空糸膜モジュール３６が配置されている。そし
て、この中空糸膜モジュール３６は、カートリッジケー
ス２８に嵌合されたブラケット４０により支持され、カ
ートリッジケース２８の内周面との間に環状の通水路２
９を形成している。

【００２２】このカートリッジケース２８内の中空糸膜
モジュール３６の上部には、内部に微細な空孔を有した
リング状の焼結フィルタ４２が設けられている。この焼
結フィルタ４２の上部の円筒状の空間内には、粒状活性
炭により形成された第１の濾過材４４及び、繊維状の活
性炭により形成された第２の濾過材４６が、順に配置さ
れている。つまり、この焼結フィルタ４２によりこれら
第１の濾過材４４及び第２の濾過材４６が支持されてい
る。

【００２３】濾過材４４、４６の中央部には、上下方向
に延びる復水管５４が配置されている。この復水管５４
の下部には貫通孔５４Ａが形成されている。すなわち、
第２の濾過材４６を通過した水が復水管５４へ落水し、
貫通孔５４Ａを介して円筒型に形成された中空糸膜モジ
ュール３６内に水が送り込まれるようになっている。

【００２４】一方、このカートリッジケース２８の上部
には、樹脂製のカートリッジキャップ５８がカートリッ
ジケース２８に超音波接着等により固着されて、取り付
けられている。このカートリッジキャップ５８には、内
部に上下動可能にボール５６Ａが配置されると共に上方
に貫通する孔部５６Ｂを有したエアブレーク弁５６が、
設置されている。さらに、外ケース１２の上端に形成さ
れたネジ部５１に蓋部材５２がねじ込められている。

【００２５】このような構成により、入水通路１６より
浄水器１０内に入った水は、嵌合凸部３０の流路３０Ａ
内を流れた後、カートリッジ２６の下部に配置された中
空糸膜モジュール３６の外周面とカートリッジケース２
８の内周面との間の通水路２９に流れ込んでいくことに
なる。

【００２６】この後、焼結フィルタ４２内にこの水が入
り込むように流れ、焼結フィルタ４２の上面から出てく
るが、この際、水中の赤さび等の固形成分が濾過され
る。この濾過された水は、第１の濾過材４４及び第２の
濾過材４６を通過するのに伴って、さらに、第１の濾過
材４４によりトリハロメタン及び塩素が取り除かれ、第
２の濾過材４６により塩素及びかび臭が取り除かれる。

【００２７】第２の濾過材４６に濾過された水は、復水
管５４の上端より復水管５４内に入って復水管５４内を
通過し、さらに貫通孔５４Ａより中空糸膜モジュール３
６に入って細菌類が取り除かれることになる。

【００２８】最後に、ブラケット４０を通過した水は嵌
合凸部３２の流路３２Ａを通り、出水通路２２から取り
出される。つまり、入水通路１６から水が浄水器１０に
流入すると、出水通路２２から濾過された水が送り出さ
れるようになる。

【００２９】次に、本実施形態に係る浄水器の作用を説
明する。浄水器１０は、カートリッジケース２８の下側
に中空糸膜モジュール３６を配設し、その上に第１の濾
過材４４と第２の濾過材４６を配設している。したがっ
て、第１の濾過材４４と第２の濾過材４６は上下方向に
通過する水に対して断面積が十分に大きく確保されるた
め、一定のスペースの中で効率的に浄水（濾過）を行う
ことができる。しかも、第１の濾過材４４に対して下部
（焼結フィルタ４２側）から上部（第２の濾過材４６
側）に水が流れるので、第１の濾過材４４である粒状活
性炭が水の流れによって上下動を行い、目詰まりを起こ
すことなく濾過を行うことができる。

【００３０】また、復水管５４を第１の濾過材４４の内
部に設けたため、浄水性能を高めることができる。この
作用を図５および図６を参照して説明する。図５は、図
２における５−５線断面図であり、図６は同位置に外周
側に復水管６０を設けた比較例である。

【００３１】復水管６０は、カートリッジケース２８の
内周面と復水管６０の外周面の間が水を通過させるスペ
ースとなるが、図６に示すように、前記内周面と外周面
に当接する面積が大きいため、通水抵抗が大きくなる。
すなわち、同一の水圧で同一水量を通過させる復水管６
０を形成すると、断面積が復水管５４よりも大きくな
る。

【００３２】したがって、第１の濾過材４４の内部に復
水管５４を設けたため、復水管５４の断面積を十分に小
さくできる。この結果、第１の濾過材４４（第２の濾過
材４６）の断面積を大きく確保することができ、一定の
スペースの中で浄水性能をさらに向上させることができ
る。

【００３３】さらに、カートリッジケース２８の内周面
と復水管５４の外周面の間に充填された第１の濾過材４
４は、下部を焼結フィルタ４２、上部を第２の濾過材４
６によって挟まれているため、粒状の活性炭である第１
の濾過材４４の流失を防いでいる。しかも、上部は濾過
機能を有する第２の濾過材４６に支持部材の役割を兼用
させているため、浄水機能が一層向上する。

【００３４】また、図４に示すように、中空糸膜モジュ
ール３６と復水管５４を一体的に形成したため、浄水器
１０の組み立ての際の手間が減少して製造し易くなる。

【００３５】なお、本実施形態の浄水器１０では、水の
導出入を下部に設けたベース材１４の入水通路１６、出
水通路２２を介して行っているが、水の導出入の位置は
これに限定されるものではない。例えば、第１濾過手段
を構成する焼結フィルタ４２の下部へ直接水道水を導入
するように構成することもできる。

【００３６】

【発明の効果】請求項１記載の本発明は上記構成とした
ので、一定のスペースの中で第１濾過手段も第２濾過手
段も十分に断面積を大きくとれるため、また第１濾過手
段が目詰まりしないため、浄水性能を向上させることが
できる。

【００３７】請求項２記載の本発明は上記構成としたの
で、効率的に復水管が配置されているため、第１濾過手
段の断面積を一層大きくとることができ、浄水性能を向
上させる。

【００３８】請求項３記載の本発明は上記構成としたの
で、粒状濾過材を繊維状濾過材とフィルタで挟持して流
出防止するとともに、濾過機能を有する繊維状濾過材で
フィルタの役割を兼用させたため、浄水機能が一層向上
する。

【００３９】請求項４記載の本発明は上記構成としたの
で、製造工程が簡易化され、製品の歩留りも向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る浄水器の全体構成図で
ある。

【図２】本発明の実施形態に係る浄水器の縦断面図であ
る。

【図３】図２における３−３線断面図である。

【図４】本発明の実施形態に係る中空糸膜モジュールと
復水管の一部断面図である。

【図５】図２における５−５線断面図である。

【図６】比較例に係るカートリッジ断面図である。

【符号の説明】

１０浄水器２６カートリッジ３６中空糸膜モジュール（第２濾過手段）４２焼結フィルタ（第１濾過手段）４４第１の濾過材（第１濾過手段）４６第２の濾過材（第１濾過手段）５４復水管

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ケーシングに収納され、水から塩素等を
除去する粒状濾過材を含む第１濾過手段と、ケーシングに収納され、第１濾過手段を通過した水から
細菌類を除去する第２濾過手段と、を備える浄水器であ
って、前記第１濾過手段と前記第２濾過手段とを上下方向に積
み重ねるとともに、前記第１濾過手段の下部から上部へ
水を通過させることを特徴とする浄水器。
【請求項２】前記第１濾過手段を前記第２濾過手段の
上方に配設し、前記第１濾過手段を貫通し、第１濾過手
段で濾過された水を前記第２濾過手段へ導く復水管を設
けたことを特徴とする請求項１記載の浄水器。
【請求項３】前記第１濾過手段は、粒状活性炭と、前
記粒状活性炭を通過させない繊維状活性炭およびフィル
タとで構成され、前記繊維状活性炭と前記フィルタが前
記粒状活性炭の上下を挟むことを特徴とする請求項１ま
たは請求項２記載の浄水器。
【請求項４】前記第２濾過手段と前記復水管が一体的
に形成されていることを特徴とする請求項２または請求
項３記載の浄水器。