JPH11253934A - 浄水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水抜きの際、エアブレーク弁から水が漏れて
も、ケース内に水が滞留することなく外部に導出される
浄水器を提供することを課題とする。 【解決手段】 浄水器１０は、水抜きの際、カートリッ
ジ２６内部の水圧の変化によって水抜き弁２０およびエ
アブレーク弁５６が開放される。この結果、エアブレー
ク弁５６からカートリッジ２６内部に空気が導入され、
水抜き弁２０から水が排出される。この際、設定圧力近
傍で水道の蛇口をゆっくり開閉操作すると、水抜き弁５
６から水が噴出することがある。噴出した水は、カート
リッジ２６と外ケース１２の隙間に流入してベース材１
４上に到る。この水はベース材１４に形成された孔部７
０から排水ボックス７２、ホース７４を介して水抜き弁
２０に導かれ、外部に排出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蛇口からホースに
より送られた水を通過させて濾過処理して蛇口に戻す構
造の浄水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、安全な飲料水に対する要求が高ま
っており、水質が比較的悪い地域や時期においても効果
的に安全な飲料水が得られるように、浄水器が使われる
ようになった。

【０００３】例えば、浄水カートリッジの前に設けたプ
レフィルタで水道水中の赤さび等の固形成分をこし取
り、詰まってきたらプレフィルタを新品と交換すること
で、浄水カートリッジの目詰まりを防ぐものや、活性炭
層等で水中の不純物をこし取った後で、中空糸膜等の超
細密フィルタで細菌類をこし取るものなどのフィルタ方
式の浄水器が知られている。

【０００４】一方、浄水器本体と水道の蛇口とが、出水
ホース及び入水ホースで繋がっているツーウェイタイプ
の浄水器は、浄水器本体を蛇口に取付けるという制約が
ないので高性能化が図り易く、また、浄水が蛇口から得
られるので便利であり普及しつつある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来から優れた浄水性
能を示す浄水器は多いが、濾過機能が向上するほど水道
水に含まれる赤さび等の固形成分が浄水器内部に止まる
ことになる。前記固形成分が浄水器内に長時間存在する
と、なんらかの要因で浄水器内部に侵入した細菌の養分
となり、細菌が繁殖するおそれがあった。

【０００６】この対策として、浄水器に水抜き機構を設
けて、不使用時に浄水器内部から水を抜くように構成し
ている。すなわち、浄水器に水抜き弁とエアブレーク弁
を設け、浄水器内部の水圧が設定圧力よりも低下すると
水抜き弁とエアブレーク弁が開き、エアブレーク弁から
浄水器内部に空気を導入し、内部の水を水抜き弁から外
部に導出するように構成されている。

【０００７】このように浄水器を構成することによっ
て、不使用時に水を外部に導出し、細菌の繁殖を防止し
ている。

【０００８】しかしながら、水道の蛇口をゆっくりと開
閉する場合等、設定圧力付近で水抜き弁あるいはエアブ
レーク弁から水が漏れてしまうおそれがあった。この水
が浄水器のケース内部に滞留してしまうと、かびや異臭
の原因となるおそれもあった。

【０００９】そこで、水抜き弁やエアブレーク弁から水
が漏れても、浄水器のケース内部に滞留することなく外
部に導出される浄水器を提供することを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明で
は、内部に濾過材を配設したカートリッジと、前記カー
トリッジが着脱可能に接続され、原水および濾過水が流
出入するベース部材と、前記ベース部材を取り囲み、内
部に前記カートリッジを収納するケーシングと、前記カ
ートリッジ上部に設けられ、カートリッジ内部の水圧変
化によって開閉を行い、カートリッジ内部に空気を導入
するエアブレーク弁と、前記ベース部材に設けられ、前
記カートリッジ内部の水圧変化によって開閉し、前記カ
ートリッジ内部の水を外部に導出する水抜き弁と、前記
ケーシングに滞留した水を外部に排出する排出手段と、
を有することを特徴とする。

【００１１】請求項１記載の発明の作用について説明す
る。水道の蛇口が閉じられることによって、カートリッ
ジの水圧が低下して設定圧力を下回ると、水抜き弁およ
びエアブレーク弁が開放され、エアブレーク弁からカー
トリッジ内部に空気が導入されると共に、カートリッジ
内部の水が水抜き弁から外部に導出される。この際、蛇
口をゆっくり開閉すると、カートリッジ内部の水圧が設
定圧力付近なったとき、水抜き弁やエアブレーク弁から
水が漏れることがある。漏洩した水は、カートリッジと
ケーシングの隙間からベース部材に到達し、ケーシング
内に滞留する。この滞留した水は排水手段で速やかに外
部に排出されるのでかびや異臭の原因となることはな
い。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の浄水器に係る実施形態を
図１〜図３を参照して説明する。

【００１３】図２に本実施形態に係る浄水器１０を示
す。浄水器１０の外枠を構成する円筒状の外ケース１２
の底部には、樹脂材料で成形された円板状のベース材１
４が樹脂製の外ケース１２と水密に固着されている。こ
のベース材１４には、図３に示すように、ベース材１４
の外周寄り部分から外周側に延びる入水通路１６が形成
されていて、この入水通路１６の端部には水道の蛇口６
０に取付けられた蛇口ユニット部６２からの出水ホース
９６が接続されることになる（図１参照）。

【００１４】また、このベース材１４には、ベース材１
４の中央部から入水通路１６と平行に外周側に延びる出
水通路２２が形成されていて、この出水通路２２の端部
には浄水器１０により浄化された水を浄水器１０より取
り出す為の入水ホース９８が接続されることになる。

【００１５】さらに、外ケース１２及びベース材１４の
下側には、リング状のゴム製の台座１８が取付けられて
いる。この台座１８の中空部には、不要時に入水通路１
６、出水通路２２から水を抜くための水抜き弁１９、２
０が形成されている。水抜き弁１９、２０は、それぞれ
通路１６、２２の水圧に応じて開閉するように構成され
ており、水道の蛇口が閉じられた時、開放するように設
定されている。

【００１６】また、ベース材１４の底面には孔部７０が
形成され、この孔部７０の下側に排水ボックス７２が配
設されている。排水ボックス７２は、ホース７４によっ
て水抜き弁２０に連通されている。

【００１７】外ケース１２の内部にはカートリッジ２６
が収納されている。カートリッジ２６は円筒状に形成さ
れて下部側に底壁２８Ａが一体的に設けられた樹脂製の
カートリッジケース２８を備えている。この底壁２８Ａ
には、円形に突出すると共にそれぞれ内部に流路３０
Ａ、３２Ａを有した嵌合凸部３０、３２がそれぞれ形成
されている。これらの嵌合凸部３０、３２は、ベース材
１４の入水通路１６及び出水通路２２の端部に形成され
た孔部３３、３５にそれぞれ嵌合されている。さらに、
嵌合凸部３０、３２の外周面にはＯリング３４が装着さ
れ、水が嵌合部分より漏れないようにされている。

【００１８】また、カートリッジケース２８の内側下部
には、中空糸膜が多数内蔵されると共に円筒状に形成さ
れた中空糸膜モジュール３６が配置されている。そし
て、この中空糸膜モジュール３６は、カートリッジケー
ス２８に嵌合されたブラケット４０により支持され、カ
ートリッジケース２８の内周面との間に環状の通水路２
９を形成している。

【００１９】このカートリッジケース２８内の中空糸膜
モジュール３６の上部には、内部に微細な空孔を有した
リング状の焼結フィルタ４２が設けられている。この焼
結フィルタ４２の上部の円筒状の空間内には、粒状活性
炭により形成された第１の濾過材４４及び、繊維状の活
性炭により形成された第２の濾過材４６が、順に配置さ
れている。つまり、この焼結フィルタ４２によりこれら
第１の濾過材４４及び第２の濾過材４６が支持されてい
る。

【００２０】濾過材４４、４６の中央部には、上下方向
に延びる復水管５４が配置されている。この復水管５４
の下部には貫通孔５４Ａが形成されている。すなわち、
第２の濾過材４６を通過した水が復水管５４へ落水し、
貫通孔５４Ａを介して円筒型に形成された中空糸膜モジ
ュール３６内に水が送り込まれるようになっている。

【００２１】一方、このカートリッジケース２８の上部
には、樹脂製のカートリッジキャップ５８がカートリッ
ジケース２８に超音波接着等により固着されて、取り付
けられている。このカートリッジキャップ５８には、内
部に上下動可能にボール５６Ａが配置されると共に上方
に貫通する孔部５６Ｂを有したエアブレーク弁５６が、
設置されている。さらに、外ケース１２の上端に形成さ
れたネジ部５１に蓋部材５２がねじ込められている。

【００２２】このような構成により、入水通路１６より
浄水器１０内に入った水は、嵌合凸部３０の流路３０Ａ
内を流れた後、カートリッジ２６の下部に配置された中
空糸膜モジュール３６の外周面とカートリッジケース２
８の内周面との間の通水路２９に流れ込んでいくことに
なる。

【００２３】この後、焼結フィルタ４２内にこの水が入
り込むように流れ、焼結フィルタ４２の上面から出てく
るが、この際、水中の赤さび等の固形成分が濾過され
る。この濾過された水は、第１の濾過材４４及び第２の
濾過材４６を通過するのに伴って、さらに、第１の濾過
材４４によりトリハロメタン及び塩素が取り除かれ、第
２の濾過材４６により塩素及びかび臭が取り除かれる。

【００２４】第２の濾過材４６に濾過された水は、復水
管５４の上端より復水管５４内に入って復水管５４内を
通過し、さらに貫通孔５４Ａより中空糸膜モジュール３
６に入って細菌類が取り除かれることになる。

【００２５】最後に、ブラケット４０を通過した水は嵌
合凸部３２の流路３２Ａを通り、出水通路２２から取り
出される。つまり、入水通路１６から水が浄水器１０に
流入すると、出水通路２２から濾過された水が送り出さ
れるようになる。

【００２６】次に、本実施形態に係る浄水器１０の作用
を説明する。先ず、水抜きについて説明を行う。水道の
蛇口を閉じること等によって浄水器１０の内部の水圧が
低下すると、水抜き弁２０およびエアブレーク弁５６が
開放される。これによって、エアブレーク弁５６からカ
ートリッジ２６内部に空気が導入され、カートリッジ２
６内部（濾過材４４、４６、中空糸膜モジュール３６
等）の部分に残留していた水が入水通路１６、出水通路
２２を経て水抜き弁１９、２０から外部に排出される。

【００２７】しかし、例えば、水道の蛇口の開放動作を
ゆっくり行うと、設定圧力近傍で、エアブレーク弁５６
のボール５６Ａが孔部５６Ｂの弁座に着座する前に、水
がエアブレーク弁５６に到達してしまうことがある。こ
の場合、孔部５６Ｂから微量の水が噴出する。

【００２８】噴出した水は、カートリッジケース２８と
外ケース１２の間に流れ落ち、ベース材１４上に到る。
ここで、ベース材１４に設けられた孔部７０から排水ボ
ックス７２に流入する。排水ボックス７２に流入した水
は、ホース７４によって水抜き弁２０に導かれ、外部に
導出される。

【００２９】なお、水抜き弁１９、２０から漏れる水
は、外部に漏れるので問題はない。このように、本実施
形態の浄水器１０では、ベース材１４に孔部７０を設
け、孔部７０の下側に排水ボックス７２を配設し、さら
に排水ボックス７２と水抜き弁２０をホース７４で連通
しているため、エアブレーク弁５６から噴出した水はベ
ース材１４上に滞留することなく、排水ボックス７２を
介して水抜き弁２０から外部に導出される。

【００３０】

【発明の効果】請求項１記載の本発明は上記構成とした
ので、エアブレーク弁から噴出した水がケーシング内に
滞留することなく、外部に導出することができ、ケーシ
ング底部にカビが発生すること等を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る浄水器の全体構成図で
ある。

【図２】本発明の実施形態に係る浄水器の縦断面図であ
る。

【図３】図２における３−３線断面図である。

【符号の説明】

１０ 浄水器 １２ 外ケース（ケーシング） １４ ベース材（ベース部材） ２０ 水抜き弁 ２６ カートリッジ ５６ エアブレーク弁 ７０ 孔部（排水手段） ７２ 排水ボックス（排水手段） ７４ ホース（排水手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に濾過材を配設したカートリッジ
   と、 前記カートリッジが着脱可能に接続され、原水および濾
   過水が流出入するベース部材と、 前記ベース部材を取り囲み、内部に前記カートリッジを
   収納するケーシングと、 前記カートリッジ上部に設けられ、カートリッジ内部の
   水圧変化によって開閉を行い、カートリッジ内部に空気
   を導入するエアブレーク弁と、 前記ベース部材に設けられ、前記カートリッジ内部の水
   圧変化によって開閉し、前記カートリッジ内部の水を外
   部に導出する水抜き弁と、 前記ケーシングに滞留した水を外部に排出する排出手段
   と、 を有することをを特徴とする浄水器。