JPH11224861A - 半導体不純物の活性化方法、および活性化装置 - Google Patents

半導体不純物の活性化方法、および活性化装置

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JPH11224861A
JPH11224861A JP33888598A JP33888598A JPH11224861A JP H11224861 A JPH11224861 A JP H11224861A JP 33888598 A JP33888598 A JP 33888598A JP 33888598 A JP33888598 A JP 33888598A JP H11224861 A JPH11224861 A JP H11224861A
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semiconductor
light
activating
impurity
wavelength
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JP33888598A
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English (en)
Inventor
Tetsuhisa Yoshida
哲久 吉田
Masatoshi Kitagawa
雅俊 北川
Masao Uchida
正雄 内田
Makoto Kitahata
真 北畠
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SiCに対するイオン注入・活性化が極めて
困難であり、500〜1000℃程度に加熱してイオン
注入を行った後に、Siプロセスよりもさらに高い14
00〜1500℃での熱処理を必要とするため、生産性
が低く、加えてp型のドーピングは困難であるという課
題があった。 【解決手段】 不純物元素を添加したSiC基板1上や
SiC薄膜2に対し、前記半導体のバンド端吸収が起こ
る波長よりも長い波長のレーザ光5を照射する、あるい
は半導体の構成元素と不純物元素との間の結合の振動に
より吸収する波長、例えば9〜11μmの波長のレーザ
光5を照射する。特に、SiCにAlを添加した場合、
波長が9.5〜10μmのレーザ光5を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素子
の製造に必要とされる、炭化珪素(SiC)等に注入さ
れた不純物を活性化させる半導体不純物の活性化方法、
および活性化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体として現在最も一般的なシリコン
(Si)を用いた半導体素子を形成する際には、イオン
注入等によってSi中に不純物を添加した後、電気炉
や、フラッシュランプアニールなどにより、Siを90
0〜1100℃程度に加熱して熱処理することにより、
不純物の活性化が行われている。
【0003】また、近年、電力特性(高耐圧、大許容電
流)や、高周波特性、耐環境性に優れた、炭化珪素(S
iC)を用いた半導体素子が注目されている。このSi
Cは、Siに比べてイオン注入および活性化が困難であ
るため、SiCの成膜の際に不純物を添加したり、50
0〜1000℃程度の高温に加熱した状態でイオン注入
を行い、さらに、T. Kimoto, et al. : Journal of Ele
ctronic Materials, Vol.25, No.5, 1996, pp.879-884
等で開示されているように、1400〜1600℃の高
温で熱処理を行い、不純物を活性化させる技術が提案さ
れている。
【0004】しかし、上記のような熱処理によって不純
物の活性化を行う方法は、Si等を電気炉などによって
加熱する工程を必要とするため、活性化に比較的長時間
を要し、生産性を向上させることが困難である。この問
題点は、SiCを用いる場合には、より高温な熱処理を
必要とするために一層顕著であるとともに、特にp型の
ドーパント元素が多く活性化した半導体層を形成するこ
とが困難である。
【0005】そこで、例えば特開平7−22311号公
報等に記載されているように、炭素、窒素、および酸素
の濃度が一定値以下のアモルファスSi膜にレーザ光を
照射してレーザアニールすることによりアモルファスS
i膜を溶融させることなく非晶質領域と固相秩序化領域
が混在した領域を形成し、イオン打ち込みによって不純
物イオンを注入した後、波長が248nmのレーザ光を
照射してレーザアニールすることにより不純物領域をセ
ミアモルファス化させ、不純物を活性化させる技術が知
られている。なお、同公報には、上記のような方法によ
りアモルファスSiよりもキャリアの移動度を向上させ
得ることが記載されているが、アモルファスSi以外の
半導体に関するレーザアニールに関しては記載されてい
ない。
【0006】上記のような半導体の結晶化(活性化)を
行うためのレーザアニールに用いるレーザ光としては、
より詳しくは、例えば Y.Morita, et al. : Jpn J. App
l. Phys., Vol.2, No.2 (1989) pp. L309-L311に記載さ
れているように、Si膜のバンド端吸収を起こす波長よ
りも短い波長のエキシマレーザ光等が用いられていた。
このような波長のレーザ光が用いられるのは、レーザ光
のエネルギにより、半導体を構成する原子の電子を励起
・電離させ、そのエネルギの一部を構成原子の格子振動
エネルギに変換することによって、半導体を瞬間的に高
温に加熱して結晶化(活性化)を促進させためである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のレーザアニールによる不純物の活性化では、エネル
ギの利用効率が低く、半導体を瞬間的に高温に加熱する
ために比較的大出力のレーザ装置を必要とし、製造コス
トの増大等を招きがちであるうえ、不純物等の活性化を
確実に行うことが必ずしも容易ではなく、良好な特性を
有する半導体素子を形成することなどが困難であるとい
う問題点を有していた。特に、SiCにおけるp型不純
物等の活性化に関しては、良好な特性を有する半導体素
子の形成が一層困難である。
【0008】本発明は、上記の点に鑑み、比較的小さな
出力のレーザ装置を用いても、不純物の活性化を効率よ
く、かつ確実に行うことができる半導体不純物の活性化
方法、および活性化装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、主要半導体元素と不純物元素とを含む
半導体に光を照射して上記不純物元素を活性化させる半
導体不純物の活性化方法であって、上記照射光が、上記
半導体のバンド端吸収を起こす波長よりも長い波長の光
であることを特徴としている。さらに、上記照射光が、
ほぼ、上記主要半導体元素と上記不純物元素との結合に
おける固有の振動により共鳴吸収が生じる波長の光であ
ることを特徴としている。
【0010】すなわち、従来の活性化に用いられるよう
な、バンド端吸収を起こす波長よりも短い波長の光で
は、照射される光のエネルギにより、半導体を構成する
原子の電子を励起・電離させ、そのエネルギの一部を構
成原子の格子振動エネルギに変換することによって、半
導体を瞬間的に高温に加熱して活性化が行われるのに対
し、本発明者らは、それよりも長い上記のような波長の
光を照射することにより、直接不純物元素と半導体の構
成元素との間の格子振動を励起して活性化させ得ること
を見出し、本発明を完成するに至った。それゆえ、活性
化の効率がよく、出力の小さいレーザ装置を用いること
ができるうえ、良好な不純物の活性化を容易に行うこと
ができる。
【0011】具体的には、例えば主要半導体元素が炭化
珪素、不純物元素がアルミニウム、ホウ素、およびガリ
ウムのうちのいずれかである場合には、バンド端吸収を
起こす波長(6H−SiCの場合、約3eV:〜0.4
1μm)よりも長い、例えば9μm以上、11μm以下
の波長の光を照射することにより、特性の良好なp型の
炭化珪素半導体を容易に形成することができる。特に、
アルミニウムの場合には、9.5〜10μmの波長を用
いることが、より好ましい。
【0012】また、本発明は、さらに、上記のような波
長のレーザ光を用い、上記レーザ光を上記半導体の表面
近傍に集光させるとともに、上記レーザ光の集光焦点位
置が、上記半導体の表面から上記レーザ光の光源側に所
定の距離の位置になるように、上記レーザ光を照射する
ことを特徴としている。より具体的には、例えば上記レ
ーザ光の集光焦点位置を上記半導体の表面よりも上記レ
ーザ光の光源側の位置から上記半導体の表面に近づけた
ときに生じるプルームを検出し、上記レーザ光の集光焦
点位置が、上記プルームが検出され始める位置付近にな
るように制御して、上記レーザ光を照射することを特徴
としている。
【0013】このように集光焦点位置を設定、制御する
ことにより、一層、活性化程度を向上させることが容易
にできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、炭化珪素(SiC)に、不
純物としてアルミニウム(Al)イオンを注入し、活性
化させる例を説明する。
【0015】(半導体基板の製造工程)まず、レーザア
ニール工程を含む半導体基板の製造工程の概略を図1に
基づいて説明する。
【0016】(1)図1(a)(b)に示すように、単
結晶の6H−SiC(六方晶炭化珪素)から成るSiC
基板1上に、昇華法によるエピタキシャル成長により、
単結晶の6H−SiCから成るSiC薄膜2を形成す
る。このSiC薄膜2の形成方法、条件については、公
知のものが適用できるため、説明を省略する。ここで、
上記SiC基板1およびSiC薄膜2は、それぞれ、結
晶成長時に窒素ガス(N2)を添加することにより、1
18cm-3の濃度のNをドーピングして、n型に形成す
る。なお、上記SiC基板1およびSiC薄膜2は、6
H−SiCから成るものに限らず、他の結晶形態のもの
でもよく、また、シリコン(Si)から成る基板を用い
るなどしてもよい。また、昇華法に限らず、CVD法な
どにより単結晶成長させて、SiC薄膜2を形成しても
よい。また、Nのドーピングは、形成される半導体を用
いて作製しようとする半導体素子(デバイス)等によっ
ては、必ずしも行わなくてもよい。
【0017】(2)図1(c)に示すように、上記Si
C薄膜2に、イオン注入によりAlイオン3を注入し、
SiC薄膜2の表面付近にp型の不純物添加層(ドーピ
ング層)4を形成する。上記イオン注入は、より詳しく
は、800℃の温度で、 加速エネルギ:130keV 注入量:1.22×10
15cm-2 加速エネルギ: 80keV 注入量:3.9×1014
cm-2 加速エネルギ: 40keV 注入量:3.9×1014
cm-2 の3段階で行うことにより、図2に示すように、SiC
薄膜2の表面から約2000Åの厚さにわたって、10
20cm-3のAl濃度の領域が分布する不純物添加層4が
形成されるように行う。
【0018】なお、上記p型の不純物添加層4を形成す
るための不純物としては、Alの他に、ホウ素(B)、
ガリウム(Ga)などのいずれを用いてもよい。ただし
SiC薄膜に対するドーピングでは、不純物準位の浅い
p型の場合にはAlを用いることが好ましい。また、リ
ン(P)などを用いてn型の不純物添加層4を形成する
ようにしてもよい。その場合には、SiC基板1および
SiC薄膜2の結晶成長時には、上記Nの添加に代えて
必要に応じてAl等を添加してもよい。さらに、注入時
の温度、注入の加速エネルギや濃度、および1段階また
は多段階のいずれの条件でイオン注入を行うかなどは、
その半導体を用いて作製する半導体素子(デバイス)の
構造やドーピング層の厚さ等に応じて設定すればよい。
また、注入時の温度は室温でもよいが、500℃以上に
加熱してイオン注入を行う方が、後のレーザアニール工
程によって不純物をより活性化させることが容易にでき
る。また、他の公知の種々のイオン注入方法等を用いて
もよい。
【0019】(3)図1(d)に示すように、不純物添
加層4に赤外線領域の波長のレーザ光5を所定の走査周
波数で水平・垂直方向に走査しながら照射して、上記添
加した不純物が全面にわたって一様に活性化された活性
化ドーピング層6を形成する。この活性化については、
以下に詳述する。
【0020】(レーザアニール装置)次に、レーザアニ
ール装置について説明する。
【0021】このレーザアニール装置は、図3に模式的
に示すように、SiC薄膜2が形成され、Alがイオン
注入されたSiC基板1(以下、単に「SiC基板1」
と称する。)が配置されるチャンバ21と、発振波長が
可変な自由電子レーザ22とが設けられて構成されてい
る。チャンバ21には、光学窓7、反射ミラー8、レー
ザ光の集光と位置合わせを行うレンズ9、レーザ光を反
射して走査するガルバノメーターミラー10、およびS
iC基板1が載置される試料台11が設けられている。
上記光学窓7、反射ミラー8、およびレンズ9は、例え
ばZnSeにより形成されている。試料台11は、図示
しない圧電アクチュエータまたはステッピングモータ等
を備えた試料台移動機構16により、SiC基板1を同
図における上下方向および左右方向に移動させるように
なっている。また、試料台11の近傍には、レーザ光の
照射によってSiC基板1の表面から生じる火花状の発
光(プルーム:plume)14を検出する光検知器15が
設けられ、この検出に応じて、上記試料台移動機構16
が制御され、試料台11が上下動するようになってい
る。
【0022】(レーザアニール処理の詳細)上記のよう
なレーザアニール装置を用いたレーザアニール処理につ
いて詳細に説明する。
【0023】このレーザアニール処理においては、レン
ズ9によるレーザ光5の集光焦点位置と、レーザ光5の
波長とを適切に設定することにより、良好な不純物の活
性化が行われる。
【0024】まず、焦点位置の調整について説明する。
レーザ光5の波長を10.2μmに設定し、レーザ光5
の焦点位置を、SiC基板1の表面より上方1.5mm
の位置から内部−2.0mmの位置(SiC基板1の裏
面側)まで種々に設定して不純物の活性化を行った。得
られた各SiC基板1について、不純物の活性化の程度
を確認するために、励起光としてHe−Cdレーザ(波
長:325nm)を用い、測定試料温度:8K(−26
5℃)で、フォトルミネッセンススペクトルの測定を行
った。測定結果を図4に示す。同図における、約2.6
eV(波長:480nm)付近に現れている発光は、S
iC基板1内の活性化された不純物元素に起因するドナ
ー(D)−アクセプタ(A)ペア間の再結合によるフォ
トルミネッセンス(DAペア発光)であり、活性化され
た不純物が多いほどDAペア発光の強度が大きくなる。
これより、レーザ光5の焦点位置が、SiC基板1の表
面よりわずかに(0.5〜1.0mm)上方の場合(同
図の○および△印)に、DAペア発光が、最も強く現れ
ており、不純物の活性化が最も効率よく行われているこ
とが確かめられた。これに対し、SiC基板1の表面か
ら内部方向側に焦点を合わせた場合(同図の●、▲、
■、▼印)には、DAペア発光の強度が小さくなる。ま
た、SiC基板1の表面からわずかに内部側の場合(同
図の●、▲印)には、SiC基板1の表面が黒変してお
り、SiC基板1の表面が改質され、または変質したと
考えられる。したがって、レーザ光5の焦点位置がSi
C基板1の表面よりわずかに上方になるようにすること
により、良好な活性化を行うことができる。
【0025】上記のような焦点位置の制御は、実際には
例えば次のようにして行うことができる。すなわち、上
記レーザ光5の焦点位置がSiC基板1の表面よりわず
かに上方になる状態は、レーザ光5の照射によってSi
C基板1の表面からプルーム14が発生し始める状態に
相当するので、光検知器15によってプルーム14の発
生を検出し、試料台移動機構16によりSiC基板1を
上下動させて、プルームが発生し始める状態が保たれる
ようにフィードバック制御することにより、照射面の位
置が最適となるようにして良好な活性化を行うことがで
きる。ここで、レーザ光5の照射によるSiC基板1の
改質や変質を防止するためには、まず焦点位置を、一
旦、SiC基板1の表面から離れた位置に合わせた後
に、SiC基板1に近づけるように制御することが好ま
しい。
【0026】なお、焦点位置の制御方法は上記のものに
限らず、例えばSiC基板1の表面の位置を位置センサ
により検出して制御するなどしてもよい。また、焦点位
置とSiC基板1の表面との距離が再現性良く保たれる
場合などには、あらかじめ試料台11の位置を設定し、
レーザアニール時には制御しないようにしてもよい。
【0027】また、上記のように焦点位置を制御するこ
とにより、実質的にSiC基板1に対するレーザ光の照
射強度等を容易に制御することができるが、上記プルー
ムの検出に基づいてレーザ光の変調などをすることによ
り照射強度を制御するようにしてもよい。
【0028】次に、レーザ光5の波長について説明す
る。レーザ光5の波長を10.64〜9.43μmまで
種々に設定して不純物の活性化を行い、得られた各Si
C基板1について、上記焦点位置の場合と同様にしてフ
ォトルミネッセンススペクトルの測定を行った。測定結
果を図5に示す。(なお、同図においては、便宜上、各
波長に対応するスペクトルを縦軸の0.05目盛ずつず
らして描いている。)同図から明らかなように、特に9
〜11μmの波長領域、さらに9.5μm〜10μmに
わたる波長領域の光により、DAペア発光強度が大き
く、Alの活性化の効果が大きい。
【0029】ここで、SiCは、Si−Cの格子間振動
におけるTOフォノンとLOフォノンに対応した吸収波
長が12.6μmと10.3μmであり、Si−Nの吸収
波長は11.9μmであるのに対し、同図に示すように
9.8〜9.6μmの波長のレーザ光を照射した場合にD
Aペア発光が最大となっている。それゆえ、Alの活性
化には、SiまたはCと不純物元素Alとの結合におけ
る吸収の影響が大きいと考えられる。
【0030】すなわち、従来の活性化では、処理を行う
半導体の電子系にエネルギを与えために、エキシマレー
ザ等のような、SiCのバンド端吸収を起こす波長(6
H−SiCの場合、約3eV:〜0.41μm)より短
い波長の光を用いていたのに対し、本発明によれば、む
しろバンド端吸収を起こすよりも長い波長、特に半導体
の構成元素と不純物元素との結合に対する吸収が生じる
波長付近の波長の光を用いることにより、直接、不純物
元素と半導体の構成元素との間の格子振動が励起される
ことによる活性化が行われるため、効率がよく、活性化
程度を容易に向上させることができ、また、出力の小さ
いレーザ装置を用いることができる。
【0031】なお、上記各数値はSiCとAlを用いた
場合の例であり、半導体の構成元素と不純物元素とが異
なる場合には、それぞれに応じて、上記の原理に基づく
波長の光を照射するようにすればよい。
【0032】また、上記の例において、チャンバ21内
にアルゴン(Ar)等の不活性ガスを封入して、これら
の雰囲気中でレーザアニールしたり、SiC基板1を1
000℃以下程度の温度に加熱したり、また、SiC基
板1を冷却する等の手段を付加することは、本発明の効
果をより高めたり、制御性をより向上させたりできるな
どの点で、好ましい。
【0033】また、半導体材料としては、SiCに限ら
ず、Siなどでもよく、また、単結晶に限らずアモルフ
ァスの半導体材料を用いる場合などでも、同様の効果が
得られる。
【0034】また、上記の例では、種々の波長での比較
を行うために自由電子レーザを用いたが、上記のような
所定の波長が得られるものであれば、固定波長のレーザ
装置を用いてもよく、特に、比較的長い波長を用いるこ
とから、CO2レーザなどを用いて生産性を向上させる
ことなども容易にできる。
【0035】(半導体素子)上記と同様にして不純物の
イオン注入および活性化が行われたSiCにより形成さ
れるSiCダイオードの例を説明する。
【0036】図6は、本発明に係る不純物のドーピング
方法によるSiCダイオードの製造工程の概略図であ
る。
【0037】(1)図6(a)に示すように、n型のS
iC基板31の全面に、熱酸化や、CVD法、スパッタ
法等により絶縁膜(酸化膜)32を形成し、開口部32
aをフォトリソグラフィおよびエッチングにより形成す
る。上記絶縁膜32としては、酸化膜、窒化膜、または
酸化膜と窒化膜の複合膜などを形成してもよい。また、
形成する素子の構成等によっては、絶縁膜32は必ずし
も形成しなくてもよい。
【0038】(2)図6(b)に示すように、絶縁膜3
2をマスクとして、Alイオン33を選択的に注入し、
Alの注入層34を形成する。
【0039】(3)図6(c)に示すように、波長が
9.8μmのレーザ光35を照射し、不純物が活性化さ
れたp型のドーピング層36を形成する。
【0040】(4)図6(d)に示すように、絶縁膜3
2の裏面側に開口部32bを形成した後、図6(e)に
示すように、ニッケル(Ni)膜を堆積し、エッチング
や熱処理を行って、n型のオーミック電極37を形成す
る。
【0041】(5)図6(f)に示すように、p型のド
ーピング層36側にAl膜を堆積し、エッチングや熱処
理を行って、オーミック電極38を形成する。
【0042】上記のようにして作製したダイオードの特
性を図7に示す。同図における点線は、従来技術で説明
した1500℃の熱処理により不純物の活性化を行って
作製したダイオードの特性を示す。同図に示すように、
本発明により、1000℃以上の高温の熱処理を行うこ
となく、耐圧特性等の優れた良好なダイオードが作製で
きる。
【0043】なお、上記の例では、ダイオードを形成す
る例を説明したが、同様のドーピング(活性化)を行う
ことにより、素子構成やマスクを適宜選択するなどし
て、トランジスタやFET(電界効果トランジスタ)な
どの種々の素子を作製することもできる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0045】すなわち、上記半導体のバンド端吸収を起
こす波長よりも長い波長の光、さらに、ほぼ、上記主要
半導体元素と上記不純物元素との結合における固有の振
動により共鳴吸収が生じる波長の光を照射して不純物の
活性化を行うことにより、比較的小さな出力のレーザ装
置を用いても、不純物の活性化を効率よく、かつ確実に
行うことができ、特に、従来困難であったSiCのp型
不純物の活性化を極めて効率よく行うことができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の半導体基板の製造工程を示す工程
【図2】実施の形態の不純物イオンが注入された半導体
基板における不純物イオン濃度を示すグラフ
【図3】実施の形態のレーザアニール装置の概略構成を
示す説明図
【図4】実施の形態のレーザアニールされた半導体基板
におけるSiC膜のフォトルミネッセンススペクトルの
焦点位置依存性を示すグラフ
【図5】実施の形態のレーザアニールされた半導体基板
におけるSiC膜のフォトルミネッセンススペクトルの
照射レーザ光波長依存性を示すグラフ
【図6】実施の形態のSiCダイオードの製造工程を示
す工程図
【図7】実施の形態のSiCダイオードの電気特性を示
すグラフ
【符号の説明】 1 SiC基板 2 SiC薄膜 3 Alイオン 4 不純物添加層 5 レーザ光 6 活性化ドーピング層 7 光学窓 8 反射ミラー 9 レンズ 10 ガルバノメーターミラー 11 試料台 14 プルーム 15 光検知器 16 試料台移動機構 21 チャンバ 22 自由電子レーザ 31 SiC基板 32 絶縁膜 32a 開口部 32b 開口部 33 Alイオン 34 注入層 35 レーザ光 36 p型のドーピング層 37 オーミック電極 38 オーミック電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畠 真 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 三露 常男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主要半導体元素と不純物元素とを含む半導
    体に光を照射して上記不純物元素を活性化させる半導体
    不純物の活性化方法であって、 上記照射光が、上記半導体のバンド端吸収を起こす波長
    よりも長い波長の光であることを特徴とする半導体不純
    物の活性化方法。
  2. 【請求項2】請求項1の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記照射光が、ほぼ、上記主要半導体元素と上記不純物
    元素との結合における固有の振動により共鳴吸収が生じ
    る波長の光であることを特徴とする半導体不純物の活性
    化方法。
  3. 【請求項3】請求項1の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記半導体が、上記主要半導体元素から成る薄膜または
    基板に、上記不純物元素をイオン注入することにより形
    成されたことを特徴とする半導体不純物の活性化方法。
  4. 【請求項4】請求項1の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記主要半導体元素が、炭化珪素であるとともに、 上記不純物元素が、アルミニウム、ホウ素、およびガリ
    ウムのうちのいずれかであることを特徴とする半導体不
    純物の活性化方法。
  5. 【請求項5】請求項4の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記照射光が、波長が9μm以上、11μm以下の波長
    の光であることを特徴とする半導体不純物の活性化方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記照射光が、レーザ光であることを特徴とする半導体
    不純物の活性化方法。
  7. 【請求項7】請求項6の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記レーザ光を上記半導体の表面近傍に集光させるとと
    もに、 上記半導体における上記集光されたレーザ光の照射領域
    を順次走査することにより、上記半導体における所定の
    範囲の領域の上記不純物元素を活性化させることを特徴
    とする半導体不純物の活性化方法。
  8. 【請求項8】請求項6の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記レーザ光を上記半導体の表面近傍に集光させるとと
    もに、 上記レーザ光の集光焦点位置と上記半導体の表面との距
    離を制御することにより、上記レーザ光の照射強度を制
    御することを特徴とする半導体不純物の活性化方法。
  9. 【請求項9】請求項6の半導体不純物の活性化方法であ
    って、 上記レーザ光を上記半導体の表面近傍に集光させるとと
    もに、 上記レーザ光の照射強度を増大させたときに生じるプル
    ームを検出し、上記レーザ光の照射強度が、上記プルー
    ムが検出され始める付近の照射強度になるように制御し
    て、上記レーザ光を照射することを特徴とする半導体不
    純物の活性化方法。
  10. 【請求項10】請求項6の半導体不純物の活性化方法で
    あって、 上記レーザ光を上記半導体の表面近傍に集光させるとと
    もに、 上記レーザ光の集光焦点位置が、上記半導体の表面から
    上記レーザ光の光源側に所定の距離の位置になるよう
    に、上記レーザ光を照射することを特徴とする半導体不
    純物の活性化方法。
  11. 【請求項11】請求項6の半導体不純物の活性化方法で
    あって、 上記レーザ光を上記半導体の表面近傍に集光させるとと
    もに、 上記レーザ光の集光焦点位置を上記半導体の表面よりも
    上記レーザ光の光源側の位置から上記半導体の表面に近
    づけたときに生じるプルームを検出し、上記レーザ光の
    集光焦点位置が、上記プルームが検出され始める位置付
    近になるように制御して、上記レーザ光を照射すること
    を特徴とする半導体不純物の活性化方法。
  12. 【請求項12】請求項1の半導体不純物の活性化方法で
    あって、 マスキング部材を介して、上記半導体における所定の領
    域だけに選択的に上記照射光を照射して、上記不純物元
    素を活性化させることを特徴とする半導体不純物の活性
    化方法。
  13. 【請求項13】主要半導体元素と不純物元素とを含む半
    導体に光を照射して上記不純物元素を活性化させる半導
    体不純物の活性化装置であって、 上記半導体のバンド端吸収を起こす波長よりも長い波長
    の照射光を出力する光源手段と、 上記照射光を集光させる集光手段と、 上記レーザ光の集光焦点位置と上記半導体の表面との距
    離を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする半導
    体不純物の活性化装置。
  14. 【請求項14】主要半導体元素と不純物元素とを含む半
    導体に光を照射して上記不純物元素を活性化させる半導
    体不純物の活性化装置であって、 上記半導体のバンド端吸収を起こす波長よりも長い波長
    の照射光を出力する光源手段と、 上記照射光の照射によって生じるプルームを検出する光
    検出手段と、 上記光検出手段の検出結果に応じて、上記照射光の照射
    強度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする半
    導体不純物の活性化装置。
  15. 【請求項15】主要半導体元素と不純物元素とを含む半
    導体に光を照射して上記不純物元素を活性化させる半導
    体不純物の活性化装置であって、 上記半導体のバンド端吸収を起こす波長よりも長い波長
    の照射光を出力する光源手段と、 上記照射光を集光させる集光手段と、 上記照射光の集光焦点位置を上記半導体の表面よりも上
    記照射光の光源側の位置から上記半導体の表面に近づけ
    たときに生じるプルームを検出する光検出手段と、 上記照射光の集光焦点位置が、上記プルームが検出され
    始める位置付近になるように、上記照射光の集光焦点位
    置と上記半導体の表面との距離を制御する制御手段とを
    備えたことを特徴とする半導体不純物の活性化装置。
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