JPH11209341A - メルカプトカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

メルカプトカルボン酸類の製造方法

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JPH11209341A
JPH11209341A JP4614498A JP4614498A JPH11209341A JP H11209341 A JPH11209341 A JP H11209341A JP 4614498 A JP4614498 A JP 4614498A JP 4614498 A JP4614498 A JP 4614498A JP H11209341 A JPH11209341 A JP H11209341A
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勝治 宮田
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豊 阪口
Noriaki Kawasaki
徳明 川崎
Hirotaka Taketsuna
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不飽和ニトリルと水硫化アルカリの
反応、及び、その反応液の加水分解によるメルカプトカ
ルボン酸類の製法について検討し、高収率で目的物を
得、副生物を高純度品として回収する。 【解決手段】 不飽和ニトリルと水硫化アルカリを
反応し、その反応液を水酸化アルカリ存在下、70〜8
0℃で加水分解し、さらに、反応系を減圧とし、反応で
生成したアンモニアを反応系外に除去、水に吸収させて
回収して高純度のアンモニア水を得、また、メルカプト
カルボン酸類のアルカリ塩を酸にて中和、分液して油層
と水層を分離後、水層中に溶存しているメルカプトカル
ボン酸類を有機溶媒にて抽出してメルカプトカルボン酸
類を得ることで、抽出後の水層から有機化合物、及び、
窒素化合物をほとんど含まない高純度の無機塩水溶液を
得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高収率でメルカプトカル
ボン酸類の製造するとともに高純度、高収率で副生物を
回収する方法に関する。メルカプトカルボン酸類は分子
内に存在するメルカプト基とカルボキシル基により、反
応性に富み、有機溶媒にも水にもよく溶解する特徴を有
し、農薬、医薬をはじめとする有機合成品の原料とし
て、また、塩化ビニルの安定剤、エポキシ樹脂やアクリ
ル酸エステルポリマーの架橋剤、プラスチックレンズモ
ノマーなどの原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】メルカプトカルボン酸の製造法として
は、一般的には、不飽和ニトリル類からメルカプトニト
リル類を得、次いで、メルカプトニトリル類を加水分解
する方法が知られている。
【0003】例えば、特開昭58−198460号公報
では所定の条件下にアクリロニトリルを水硫化ナトリウ
ム水溶液に加え、得られたβ−メルカプトプロピオニト
リルのナトリウム塩を塩酸で中和、加水分解することに
よりβ−メルカプトプロピオン酸を得る方法が提案され
ている。ここでは、副生物であるチオジプロピオン酸の
生成を抑えてβ−メルカプトプロピオン酸を収率よく得
ることができるとされている。しかし、この方法では、
中和加水分解により食塩と塩化アンモニウムの混合液が
できるため、水溶液は有効利用できず、また、廃水処理
が困難である。
【0004】また、特開平4−305563号公報によ
ればβ−メルカプトニトリル類のアルカリ塩を水酸化ア
ルカリ水溶液中に加えて加水分解することによりβ−メ
ルカプトプロピオン酸を得る方法が提案されている。こ
こでは、副生物であるチオジプロピオン酸の生成を抑え
てβ−メルカプトプロピオン酸を極めて高収率で得るこ
とができるとされているが、加水分解反応時の滴下方
法、温度、時間などが厳しく制限されており、また、反
応に長時間を要し、実際の工業化には不適切であるなど
の問題点を有している。
【0005】さらに、特開昭63−6545号公報によ
れば、硫化ナトリウムと遊離の水酸化ナトリウムに、撹
拌下アクリロニトリルを滴下して反応させ、さらに反応
溶液を加熱して比較的短時間に加水分解し、この間に生
じるアンモニアガスを水に吸収して回収し、硫酸で中和
後、副生成物としてほぼ純粋の芒硝を得ることができる
とされているが、この方法では、過酷な条件で反応を行
うため、不純物の生成が多く、目的とするβ−メルカプ
トプロピオン酸の収率は不十分である。また、窒素化合
物の環境への影響から芒硝中の硫酸アンモニウムの量が
厳しく規制されているが、この方法ではアンモニアの系
外への除去が不完全であり、得られる芒硝にはかなりの
硫酸アンモニウムが含まれており、さらに高純度化が望
まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは不飽和ニ
トリルと水硫化アルカリの反応、及び、その反応液の加
水分解によるメルカプトカルボン酸類の製法について検
討した結果、反応、加水分解、副生物分離、精製等の各
工程の条件、及び、方法を改良することにより、従来公
知の方法の問題点を解決し、高収率で目的物を得、副生
物を高純度品として回収できることを知った。
【0007】従来公知の塩酸、硫酸などの鉱酸水溶液に
よる加水分解では、その反応条件が加熱還流条件である
など、比較的高温を要するため、目的とするメルカプト
カルボン酸類の収率が著しく低下し、目的としない副生
物が多く生成する。
【0008】また、無機塩基による加水分解反応につい
ても従来の方法では100℃以上の高温で行われてお
り、メルカプトニトリル類のα−活性水素の存在により
硫化水素が脱離して不飽和ニトリル類が生成し、この不
飽和ニトリル類がメルカプトニトリル類と反応して、結
果的にチオジカルボン酸類となる等の副反応が起こりや
すいという欠点を有している。
【0009】従って、不飽和ニトリルと水硫化アルカリ
を原料としてメルカプトカルボン酸類を高収率で得るた
めには、チオジカルボン酸類等の副反応生成物の生成を
抑えることが大きな課題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、加水分解
反応時にメルカプトカルボン酸類のみを高収率で得るた
めに不飽和ニトリルと水硫化アルカリとの反応、及び、
該反応液の塩基性加水分解反応について鋭意検討した結
果、特定の条件下で反応することによりチオジカルボン
酸類の副生を抑え、メルカプトカルボン酸類を高収率で
得ることができることを見出した。
【0011】また、水硫化アルカリと無機塩基を一括混
合した溶液に不飽和ニトリルを加えて反応するのではな
く、まず、水硫化アルカリと不飽和ニトリルとを反応さ
せた後、無機塩基により加水分解することにより、安定
に高収率にてメルカプトカルボン酸類を得ることのでき
ることを知った。
【0012】さらに、反応系を減圧とし、反応で生成し
たアンモニアを反応系外に除去、水に吸収させて回収す
ることで、高純度のアンモニア水を得ることができ、ま
た、メルカプトカルボン酸類のアルカリ塩を酸にて中
和、分液して油層と水層を分離後、水層中に溶存してい
るメルカプトカルボン酸類を有機溶媒にて抽出してメル
カプトカルボン酸類を得ることで、抽出後の水層から有
機化合物、及び、窒素化合物をほとんど含まない高純度
の無機塩水溶液を得ることができることを知り、本発明
を完成した。
【0013】本発明に使用される一般式(1)で表され
る不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリル、2−フ
ェニルプロペンニトリル、3−ブテンニトリル、5−ペ
ンテンニトリル、3−フェニルプロペンニトリル、2−
メチル−3−フェニルプロペンニトリル、3−フェニル
−3−ブテンニトリル、2−エチル−5−ヘキセンニト
リル、2−メチル−4−ペンテンニトリル、2−メチル
−3−ブテンニトリル等が挙げられる。
【0014】以下、本発明について詳細に説明するが、
説明を簡単にするために不飽和ニトリルとしてアクリロ
ニトリルを使用してβ−メルカプトプロピオン酸を製造
する場合を代表例として述べる。
【0015】本発明において使用される水硫化アルカリ
としては、例えば、水硫化ナトリウム、水硫化カリウ
ム、水硫化カルシウム等が挙げられる。また、硫黄や多
硫化アルカリ、例えば多硫化ナトリウム、多硫化カリウ
ム、多硫化カルシウム等が挙げられる。
【0016】水硫化アルカリや多硫化アルカリの使用量
は不飽和ニトリルに対して、1.0〜2.0倍モルが好
ましい。1.0倍モル以下ではチオジニトリル類が多量
に副生し、2.0倍モルより多い使用は反応後の中和に
要する酸の使用量も増加し不経済となる。
【0017】また、本発明において使用される無機塩基
とは一般的にアルカリ金属水酸化物・炭酸塩・炭酸水素
塩を言い、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等が使用される。系内において無
機塩基を生成することもできる化合物も本発明の無機塩
基の範疇に含まれる。例えば、硫化アルカリや硫化アル
カリと硫黄の混合物などは系内の水と反応してアルカリ
金属水酸化物を生成しうるので本発明の範疇に含まれ
る。これらのうち反応速度論的観点からアルカリ金属水
酸化物が好ましく用いられ、その使用量は不飽和ニトリ
ルに対して、1.0〜2.0倍モルが好ましい。1.0
倍モル以下では未反応のメルカプトニトリルが残留し、
2.0倍モルより多い使用は反応後の中和に要する酸の
使用量も増加し不経済となる。
【0018】加水分解の際に、不飽和ニトリルと水硫化
アルカリとの反応で得られた反応液と無機塩基水溶液と
を一括混合しても、無機塩基水溶液を該反応液に滴下し
ても、該反応液を無機塩基水溶液に滴下してもよいが、
生産性や操作性の観点から、該反応液と無機塩基水溶液
とを一括混合するか無機塩基水溶液を該反応液に滴下す
るのが好ましい。
【0019】加水分解反応は100℃以下、好ましくは
45℃〜80℃、より好ましくは60℃〜80℃で行
う。45℃以下では反応は十分に進まず未反応のメルカ
プトニトリル類が残留し、80℃より高い温度では加水
分解と同時にチオジカルボン酸類などが副生し、好まし
くない。また、加水分解時間は1時間〜6時間が好まし
く、2時間〜4時間がより好ましい。1時間以下では安
定に高収率で目的とするメルカプトカルボン酸類を得る
ことができないことがあり、また、6時間以上反応して
も特に効果は見られず生産性の面から好ましくない。
【0020】加水分解反応後、反応溶液中には加水分解
で生じたアンモニアが溶存している。アンモニアの存在
は中和の際にアンモニウム塩を副生させる原因となり、
高純度芒硝等の無機塩基の商品価値を著しく低下させる
だけでなく、アンモニウム塩を含有することで公害処理
は煩雑になり、極めて不経済である。
【0021】従って、加水分解反応後、反応系から生成
したアンモニアを反応系外に除去、回収する必要があ
る。アンモニアの除去には、不活性気体の反応溶液中へ
のバブリングや系を減圧とすることが好ましく、反応溶
液中の溶存濃度が1000ppm以下、好ましくは10
0ppm以下になるまでアンモニアを除去する。除去さ
れるアンモニアは水に吸収させることで、高純度、高濃
度のアンモニア水を容易に得ることができる。
【0022】アンモニアを回収した後、反応溶液中にお
いてメルカプトカルボン酸類はアルカリ金属塩として存
在する。したがって、メルカプトカルボン酸類の単離は
まず酸を加えて中和、分液し、油層を蒸留するという一
般的方法で行うことができる。中和に使用する鉱酸とし
ては塩酸、硫酸、リン酸などが用いられる。
【0023】中和後得られる水層には、メルカプトカル
ボン酸類が溶存しているため、水層から有機溶媒により
抽出し、有機層は、例えば、減圧蒸留により留去し目的
とするメルカプトカルボン酸類を得ることができる。ま
た、中和後の反応液を一括して有機溶媒で抽出し、有機
溶媒からメルカプトカルボン酸類を得ることもできる。
ここで使用される有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸
ブチル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエー
テル、イソプロピルエーテル、メチルエチルケトン、イ
ソブチルケトン等が用いられ、酢酸エチル、酢酸ブチル
等が好ましく用いられる。
【0024】また、抽出後に得られる溶液は高濃度の芒
硝、あるいは、食塩などの無機塩水溶液であり、例え
ば、高純度の芒硝水溶液として使用できる。また、高濃
度の芒硝液から結晶を析出させれば、析出した結晶は非
常に高純度の芒硝として使用できる。さらに、廃液もほ
とんど有機物や窒素化合物を含まないことから、環境へ
の影響もなく公害処理も非常に簡便で経済的である。
【0025】
【実施例】以下、実施例、及び比較例により本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例のみになんら限
定されるものではない。
【0026】実施例1 アクリロニトリル(33.2g)を、45℃に保った3
7%水硫化ナトリウム水溶液(130g)中に撹拌しな
がら45℃で2時間で滴下した後、同温度で1時間撹拌
した。1時間後、48%水酸化ナトリウム水溶液(70
g)を45℃〜50℃で撹拌しながら30分で滴下し
た。滴下終了後、80℃まで昇温し、同温度で2時間撹
拌した。さらに、反応系を減圧し、同温度で3時間、脱
アンモニアを行った。ここで、回収率99.9%で5
2.6gのアンモニア水を得た。反応溶液を室温まで冷
却後、62.5%硫酸(150g)で中和し、酢酸エチ
ル200mLで2回抽出した。抽出液を合わせ、溶媒を
減圧で除去した。高速液体クロマトグラフィーによる分
析の結果、β−メルカプトプロピオン酸が収率85%、
チオジプロピオン酸が12%で生成していた。
【0027】比較例1 アクリロニトリル(33.2g)を、45℃に保った3
7%水硫化ナトリウム水溶液(130g)中に撹拌しな
がら45℃で2時間で滴下した後、同温度で1時間撹拌
した。1時間後、48%水酸化ナトリウム水溶液(7
1.5g)を45℃〜50℃で撹拌しながら30分で滴
下した。滴下終了後、同温度で2時間撹拌した。反応溶
液を室温まで冷却後、62.5%硫酸(150g)で中
和し、酢酸エチル200mLで2回抽出した。抽出液を
合わせ、溶媒を減圧で除去した。高速液体クロマトグラ
フィーによる分析の結果、β−メルカプトプロピオン酸
が収率56%と著しく低く、また、チオジプロピオン酸
が収率8%と未知化合物が多量に副生していた。
【0028】比較例3 アクリロニトリル(33.2g)を、45℃に保った3
7%水硫化ナトリウム水溶液(130g)中に撹拌しな
がら45℃で2時間で滴下した後、同温度で1時間撹拌
した。1時間後、48%水酸化ナトリウム水溶液(7
1.5g)を45℃〜50℃で撹拌しながら30分で滴
下した。滴下終了後、80℃まで昇温し、同温度で2時
間撹拌した。その後、さらに120℃まで昇温し、同温
度で2時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、6
2.5%硫酸(150g)で中和し、酢酸エチル200
mLで2回抽出した。抽出液を合わせ、溶媒を減圧で除
去した。高速液体クロマトグラフィーによる分析の結
果、β−メルカプトプロピオン酸が収率73%で得られ
たと同時に、チオジプロピオン酸が収率19%と未知化
合物が多量に副生していた。
【0029】比較例4 37%水硫化ナトリウム水溶液(130g)と48%水
酸化ナトリウム水溶液(71.5g)を一括混合し、こ
こにアクリロニトリルを40〜45℃で撹拌しながら2
時間で滴下した後、同温度で4時間撹拌した。その後、
120℃まで3時間かけて昇温し、同温度で30分撹拌
した。ここで、回収率50.0%で47.2gのアンモ
ニア水を得た。反応溶液を室温まで冷却後、62.5%
硫酸(150g)で中和し、酢酸エチル200mLで2
回抽出した。抽出液を合わせ、溶媒を減圧で除去した。
高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、β−メ
ルカプトプロピオン酸が収率69%で得られたと同時
に、チオジプロピオン酸が収率24%と多量に副生して
いた。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明に従って、水硫化
アルカリ水溶液と不飽和ニトリル類を反応させ、次い
で、無機塩基を加えて45℃〜80℃で加水分解反応を
行うことにより、安定して高収率にてメルカプトカルボ
ン酸類を得ることができる。加水分解反応後、反応系か
ら生成したアンモニアを反応系外に反応溶液中の溶存濃
度が1000ppm以下になるまでアンモニアを除去、
除去されるアンモニアを水に吸収させて回収すること
で、高純度、高濃度のアンモニア水を容易に得ることが
できる。さらに、アンモニアを回収した後、酸を加えて
中和、分液後、油層を濃縮後蒸留してメルカプトカルボ
ン酸類を得ることができる。中和・分液時に得られる水
層は高濃度の芒硝液等の無機塩基水溶液であり、例え
ば、この高濃度の芒硝液から結晶を析出させれば、析出
した結晶は高純度の芒硝として使用できる。さらに、廃
液もほとんど有機物を含まないことから、環境への影響
もなく公害処理も非常に簡便で経済的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹綱 啓尚 大阪府堺市戎島町5丁1番地 堺化学工業 株式会社中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.一般式(1)(化1) 【化1】 〔R、Rは水素原子、C〜Cの低級アルキル基
    またはフェニル基、nは0〜3の整数を表す。〕で示さ
    れる不飽和ニトリルと水硫化アルカリとを反応させて; b.該反応液と無機塩基を混合、加熱し、生成したアン
    モニアを反応系外に除去; c.次いで、得られた反応液を酸にて中和後、分液して
    メルカプトプロピオン酸類からなる油層を分離し、さら
    に、水層中に溶存しているメルカプトカルボン酸類を有
    機溶媒にて抽出してメルカプトカルボン酸類を含む有機
    溶媒層を分離し、有機溶媒層、及び、または油層からメ
    ルカプトカルボン酸を回収するか、または、中和液を有
    機溶媒で抽出してメルカプトカルボン酸を含む有機溶媒
    層を分離し、有機溶媒暦からメルカプトカルボン酸を
    得; d.抽出後の水層から高純度の無機塩水溶液を得ること
    を特徴とする一般式(2)(化2) 【化2】 〔R、Rは水素原子、C〜Cの低級アルキル基
    またはフェニル基、nは0〜3の整数を表す。〕で示さ
    れるメルカプトカルボン酸類の製造方法。
  2. 【請求項2】a.一般式(1)で示される不飽和ニトリ
    ルと水硫化アルカリとを反応させて; b.該反応液と無機塩基を混合、加熱し、生成したアン
    モニアを反応系外に除去、高収率でアンモニアを回収
    し; c.次いで、得られた反応液を酸にて中和後、分液して
    メルカプトプロピオン酸類からなる油層を分離し、さら
    に、水層中に溶存しているメルカプトカルボン酸類を有
    機溶媒にて抽出してメルカプトカルボン酸類を含む有機
    溶媒層を分離し、有機溶媒暦、及び、または油層からメ
    ルカプトカルボン酸を回収するか、または、中和液を有
    機溶媒で抽出してメルカプトカルボン酸を含む有機溶媒
    層を分離し、有機溶媒層からメルカプトカルボン酸を得
    ることを特徴とする一般式(2)で示されるメルカプト
    カルボン酸類、及び、アンモニアの製造方法。
  3. 【請求項3】a.一般式(1)で示される不飽和ニトリ
    ルと水硫化アルカリとを反応させて; b.該反応液と無機塩基を混合、加熱し、生成したアン
    モニアを反応系外に除去、高収率でアンモニアを回収
    し; c.次いで、得られた反応液を酸にて中和後、分液して
    メルカプトプロピオン酸類からなる油層を分離し、さら
    に、水暦中に溶存しているメルカプトカルボン酸類を有
    機溶媒にて抽出してメルカプトカルボン酸類を含む有機
    溶媒層を分離し、有機溶媒層、及び、または油層からメ
    ルカプトカルボン酸を回収するか、または、中和液を有
    機溶媒で抽出してメルカプトカルボン酸を含む有機溶媒
    層を分離し、有機溶媒層からメルカプトカルボン酸を
    得、 d.抽出後の水層から高純度の無機塩水溶液を得ること
    を特徴とする一般式(2)で示されるメルカプトカルボ
    ン酸類の製造方法。
  4. 【請求項4】水硫化アルカリと不飽和ニトリルを反応さ
    せて得られる反応液の中に無機塩基を加えた後、100
    ℃以下で加熱、撹拌を行うことを特徴とする請求項1〜
    3の方法。
  5. 【請求項5】水硫化アルカリと不飽和ニトリルを反応さ
    せて得られる反応液と無機塩基とを45℃〜80℃で、
    1時間〜6時間加熱、撹拌を行うことを特徴とする請求
    項1〜4の方法。
  6. 【請求項6】反応系から生成したアンモニアを反応溶液
    中の溶存濃度が1000ppm以下になるまで反応系外
    に除去、アンモニアを回収することを特徴とする請求項
    1〜5の方法。
  7. 【請求項7】水硫化アルカリと不飽和ニトリルを反応さ
    せて得られる反応液と無機塩基とを100℃以下で加
    熱、撹拌を行い、生成したアンモニアを反応溶液中の溶
    存濃度が1000ppm以下になるまで反応系外に除
    去、水に吸収させて回収して高純度のアンモニア水を
    得、続いて、該反応液を酸にて中和、分液して油層と水
    層とを分離し、さらに、水暦中に溶存しているメルカプ
    トカルボン酸類を有機溶媒にて抽出してメルカプトカル
    ボン酸類を含む有機溶媒層を分離し、有機溶媒層、及
    び、または油層からメルカプトカルボン酸を回収する
    か、または、中和液を有機溶媒で抽出してメルカプトカ
    ルボン酸を含む有機溶媒層を分離し、有機溶媒層からメ
    ルカプトカルボン酸を得ることを特徴とする請求項1〜
    6の方法。
  8. 【請求項8】抽出後の水層を処理して高純度の無機塩水
    溶液を得ることを特徴とする請求項1〜7の方法。
  9. 【請求項9】中和に使用する酸が硫酸であることを特徴
    とする請求項1〜8の方法。
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Cited By (3)

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