JPS6318941B2 - - Google Patents

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JPS6318941B2
JPS6318941B2 JP57138555A JP13855582A JPS6318941B2 JP S6318941 B2 JPS6318941 B2 JP S6318941B2 JP 57138555 A JP57138555 A JP 57138555A JP 13855582 A JP13855582 A JP 13855582A JP S6318941 B2 JPS6318941 B2 JP S6318941B2
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JP
Japan
Prior art keywords
acid
reaction
thiosulfate
acrylic acid
mercaptopropionic
Prior art date
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Expired
Application number
JP57138555A
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English (en)
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JPS5929655A (ja
Inventor
Tetsuro Nakahama
Yasuyuki Takayanagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP13855582A priority Critical patent/JPS5929655A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はβ−メルカプトプロピオン酸の製造
法、詳しくはアクリル酸とチオ硫酸塩を原料とす
るβ−メルカプトプロピオン酸の製造法に関す
る。 β−メルカプトプロピオン酸は医薬、農薬、高
分子添加剤およびフオトポリマーをはじめとする
多くの有機合成品の原料として有用な化合物であ
る。 β−メルカプトプロピオン酸の製造法として
は、従来種々の方法が知られている。 例えば、原料としてβ−プロピオラクトンと水
硫化ナトリウムを用いる方法〔米国特許第
2449989号明細書参照〕がある。この方法によれ
ば比較的容易にβ−メルカプトプロピオン酸を得
ることができる。しかし、この方法は原料のβ−
プロピオラクトンが高価である上、毒性が非常に
強いので工業的製法として満足し得るものではな
い。 一方、より経済的な製造法としてβ−クロロプ
ロピオン酸と水硫化ナトリウムを用いる方法〔ド
イツ公開特許第2354098号明細書参照〕およびア
クリル酸と硫化水素を用いる方法〔オランダ公開
特許第6508594号明細書参照〕がある。これらの
方法において、原料のβ−クロロプロピオン酸は
工業的に安価に大量生産されているアクリロニト
リルあるいはアクリル酸から容易に合成可能であ
るし、アクリル酸もプロピレンの酸化により大量
に安価に製造されているものである。しかしなが
ら、これらの方法は反応を副反応によるチオジプ
ロピオン酸の副生を防止するために加圧下に硫化
水素大過剰で行う必要があり、このため反応装置
は腐蝕性の非常に強い硫化水素の高圧系に耐え得
る特別な材質を選ぶ必要があり、工業的製法とし
て非常に不利となる。 このように、β−メルカプトプロピオン酸は安
価で大量に入手可能なβ−クロロプロピオン酸あ
るいはアクリル酸から直接に工業的に製造するこ
とが難しいため、主原料としてこれらβ−クロロ
プロピオン酸、アクリル酸あるいはアクリロニト
リルなどを用い容易にβ−メルカプトプロピオン
酸を与える前駆体を経て製造する方法が種々提案
されている。〔ドイツ公開特許第2251717号明細
書、特公昭47−49600号公報および特公昭35−
2913号公報参照〕。しかし、これらの製法は毒性
が強く取扱い難い二硫化炭素を用いたり、また、
工業原料としては高価なチオ尿素を用いたりする
ため必ずしも経済的な工業的製法とは言い難い。 以上のような状況の中で、本発明者らは工業原
料として大量に安価に製造されているアクリル酸
を原料とし、しかも安価で毒性の少ない硫黄源を
用いるβ−メルカプトプロピオン酸の経済的な工
業的製法を開発すべく鋭意研究を行なつた結果、
硫黄源としてチオ硫酸塩を用いてβ−メルカプト
プロピオン酸の前駆体としてBunte塩を生成さ
せ、このBunte塩を酸で加水分解することにより
容易にβ−メルカプトプロピオン酸が得られるこ
とを見出して本発明に到達した。 すなわち、本発明は、水性媒体中でアクリル酸
をチオ硫酸塩と反応させることにより、β−メル
カプトプロピオン酸の前駆体としてBunte塩を生
成せしめ、次いでこのBunte塩を酸の存在下で加
水分解することを特徴とするβ−メルカプトプロ
ピオン酸の製造法である。 本発明の反応を一般式で示すと次のようにな
る。 〔ただし、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金
属またはアンモニウムイオン、nはMの原子価ま
たはイオン価で1または2である。〕 さらに、本発明においてはBunte塩の加水分解
の際に副生するジチオジプロピオン酸を必要に応
じて還元処理しβ−メルカプトプロピオン酸に変
換することにより最終生成物の収量を大幅に向上
させることができる。 本発明に用いる主原料のアクリル酸は如何なる
供給源から選ばれたものでもよく、通常はプロピ
レンの酸化あるいはアクリロニトリルの加水分解
によつて得られる安価な工業原料用のものでよ
い。 また、本発明で用いるチオ硫酸塩はチオ硫酸ナ
トリウム、チオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸アル
カリ金属塩、チオ硫酸マグネシウム、チオ硫酸カ
ルシウムなどのチオ硫酸アルカリ土類金属塩およ
びチオ硫酸アンモニウムなどであり、これらは1
種類または2種類以上の混合物として用いてもよ
い。チオ硫酸塩の結晶水の有無は何ら制限はな
い。これらのチオ硫酸塩の中では、大量に安価に
工業生産されているチオ硫酸ナトリウムの5水塩
(通称「ハイポ」)を用いるのが工業的製法には最
も好ましい。 次に、本発明の一般的実施態様について説明す
る。 1 Bunte塩の生成 アクリル酸とチオ硫酸塩との反応によるBunte
塩の生成は水性媒体中にて両者をほぼ等モル用い
て行なわれるが、 アクリル酸:チオ硫酸塩=1:0.5〜1.5 (モル比)の範囲で、いずれか一方の原料を過剰
に用いても良い。 水性媒体中のアクリル酸およびチオ硫酸塩の濃
度はそれぞれ5〜50重量%程度とするのが好まし
い。 水性媒体としては、例えば、水、または水−ア
ルコール、水−ジオキサン、水−テトラヒドロフ
ランあるいは水−ジメチルスルホキシドなどの混
合液が用いられるが、工業的には水または水−ア
ルコール混合液中での反応が有利である。 また、緩衝液などを用いて反応液のPHを5〜
9、好ましくは6〜8に調整すれば副反応の防止
に有効である。 反応温度は通常40℃から反応液の沸点の範囲で
あり、また反応時間は30分から5時間程度で充分
である。 反応後、得られたBunte塩は溶媒抽出などによ
り無機塩類と分離してから次の加水分解に移すの
が好ましいが、工業的には未単離のまま引き続き
酸を加えて加水分解を行なつても差支えない。
Bunte塩を単離、精製する場合はアルコール類に
よる熱抽出などを用いることができる。 2 加水分解 Bunte塩の加水分解に用いる酸としては、塩
酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類、ギ酸、シユウ酸
などの有機カルボシ酸類、P−トルエンスルホン
酸などの有機スルホン酸類、および強酸性イオン
交換樹脂などの固体酸などがあるが、反応速度お
よび反応後の分離工程などを勘案すると工業的に
は硫酸および塩酸などの鉱酸類が好ましい。 使用する酸の量はアクリル酸を基準とし、 アクリル酸:酸=1:1.0〜6.0(モル比) 好ましくは、 アクリル酸:酸=1:2〜5(モル比) の範囲で選ばれる。 酸の濃度は10〜40重量%の範囲が好ましい。 加水分解反応の温度は通常60℃から反応液の沸
点の範囲であり、反応時間は15分から8時間程度
で充分である。 3 還元処理 前述のごとく、Bunte塩の加水分解の際に副生
するジチオジプロピオン酸を必要に応じて還元処
理しβ−メルカプトプロピオン酸に変換すれば最
終生成物の収量は大幅に向上する。 還元法としてはリチウムアルミニウムハイドラ
イド、ナトリウムボロンハイドライドなどの水素
化剤を用いる方法、亜鉛やスズなどの金属と酸
(硫酸、塩酸あるいは酢酸など)の組合せによる
方法、または電解還元による方法などを用いるこ
とが可能であるが、加水分解の際に用いた酸が反
応液中に多量に残存していることを考慮すると、
これを利用した亜鉛あるいはスズなどによる還元
法が工業的には有利である。 4 回収 反応終了後、反応混合物からのβ−メルカプト
プロピオン酸の分離および精製は有機溶剤による
抽出と抽出液の蒸留により行なうことができる。
抽出溶剤としてはβ−メルカプトプロピオン酸を
溶解して、しかも水と混和しないものであれば何
でも差支えないが、特にベンゼン、トルエン、ジ
クロルメタン、1,2−ジクロルエタン、1,
1,1−トリクロルエタン、クロロホルムおよび
エーテルなどが用いられる。 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定され
るものではない。 実施例 1 1 Bunte塩の生成 温度計、撹拌機、冷却コンデンサ−および滴下
ロートを付した反応器に62.7gのチオ硫酸ナトリ
ウム5水塩と100gの水を仕込み、溶解後加熱し
て80℃とした。この溶液に18.1gのアクリル酸を
滴下ロートより液温を80〜85℃に保ちながら約1
時間かけて滴下し、その後同温度で30分間熟成し
た。冷却後、不溶分を別し、次いで減圧下で溶
媒などを留去したのち80℃で真空乾燥した。 その結果、淡黄色で非常に吸湿性の固体として
Bunte塩47.3g(収率90.9%)が得られた。 2 加水分解 このようにして得られたBunte塩を100gの水
に溶解し、次いで36%塩酸60gを加えて80℃で1
時間加熱反応させた。さらにこの反応液を同温度
で8gの亜鉛末を用いて還元処理した。 この反応液の一部を分取し、ガスクロマトグラ
フ法で分析した結果11.8g(反応収率49.0%)の
β−メルカプトプロピオン酸の生成を認めた。 1)および2)の反応の総合収率は44.5%であ
つた。 実施例 2 実施例1と同様の反応器に62.7gのチオ硫酸ナ
トリウム5水塩と100gのPH7に調節した0.2Mリ
ン酸第1カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液を仕
込み80℃に加熱した。この溶液に18.1gのアクリ
ル酸を滴下ロートより液温を80〜85℃に保ちなが
ら約1時間かけて滴下し、その後同温度で30分間
熟成した。 次に、この反応液に98%硫酸63gを加え90℃で
1時間反応させたのち、さらに8gの亜鉛末を用
いて80〜90℃で還元処理した。 この反応液の一部を実施例1と同様に分析した
結果17.6g(反応収率66.3℃)のβ−メルカプト
プロピオン酸の生成を認めた。。 実施例 3−5 チオ硫酸塩の種類と使用量を変えた以外は実施
例2と同様の操作を行なつたところ第1表に示す
結果を得た。 【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水性媒体中でアクリル酸をチオ硫酸塩と反応
    させることにより、β−メルカプトプロピオン酸
    の前駆体としてBunte塩を生成せしめ、次いで、
    このBunte塩を酸の存在下で加水分解することを
    特徴とするβ−メルカプトプロピオン酸の製造
    法。
JP13855582A 1982-08-11 1982-08-11 β−メルカプトプロピオン酸の製造法 Granted JPS5929655A (ja)

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JP13855582A JPS5929655A (ja) 1982-08-11 1982-08-11 β−メルカプトプロピオン酸の製造法

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JPS5929655A JPS5929655A (ja) 1984-02-16
JPS6318941B2 true JPS6318941B2 (ja) 1988-04-20

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KR101585355B1 (ko) 2011-11-21 2016-01-13 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 β-메르캅토카르본산의 제조방법
WO2013076968A1 (ja) 2011-11-21 2013-05-30 三井化学株式会社 β-メルカプトカルボン酸の製造方法

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JPS5929655A (ja) 1984-02-16

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