JPH11144993A - セラミックシートの製造方法 - Google Patents

セラミックシートの製造方法

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JPH11144993A
JPH11144993A JP31083197A JP31083197A JPH11144993A JP H11144993 A JPH11144993 A JP H11144993A JP 31083197 A JP31083197 A JP 31083197A JP 31083197 A JP31083197 A JP 31083197A JP H11144993 A JPH11144993 A JP H11144993A
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sheet
ceramic
drying
ceramics
solvent
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Hirotoshi Tanaka
博敏 田中
Kenji Shibata
健司 柴田
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート表面が平滑であり、且つ表面に電極を
形成して積層したときにもシート間の高い密着性を有す
るセラミックシートの製造方法を提供する。 【解決手段】 塗工装置1の塗工機2によりキャリヤフ
ィルムF上に膜厚2μmに塗布したセラミックスラリー
を乾燥炉3A〜3Cによって乾燥させる際、乾燥後のセ
ラミックグリーンシートS中の溶剤の残存量が全体量の
0.5重量%以上30重量%以下となるように乾燥す
る。これにより、グリーンシートSの見掛上のシート密
度が低下すると共にシートの変形が容易になるので、グ
リーンシートS中でのセラミック粉体の移動が起こりや
すくなり、シート乾燥中にセラミック粉体がほぼ均一に
分散して、シート表面粗さが改善され、シート欠陥が解
消される。さらに、電極塗布後の積層時に、電極がシー
ト中に埋没しやすくなり、上下層のセラミックシートが
密着するので、シート間剥離が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックシート
の製造方法に関し、例えば積層磁器コンデンサの製造等
に用いる薄膜セラミックシートの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、積層磁器コンデンサの製造は、ま
ず初めに、セラミックシートの製造から始まる。
【0003】一般に、セラミックシートは、セラミック
粉体に対して、バインダと称される有機結合体と、エタ
ノールやトルエン等の有機溶剤とを混合し、セラミック
スラリーを得た後、このセラミックスラリーをリバース
コーターなどを用いてキャリアフィルム(PET製)の
上に5〜30μm程度の肉厚に塗工することにより得ら
れる。
【0004】これによって得られたセラミックシートの
表面に、ニッケル(Ni )や銀(Ag )−パラジウム
(Pd)等の金属ペーストを印刷して内部電極を形成
し、この内部電極が形成されたセラミックシートを積み
重ねて直方体形状の積層体を形成した後、この積層体を
1200℃以上の高温で焼成して焼結体を形成する。
【0005】更に、この焼結体に内部電極に導通する外
部電極を形成することにより積層磁器コンデンサを得て
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子部品の小型
大容量化が進むにつれて、セラミックシートの膜厚(肉
厚)も5μm以下のものが必要となってきた。
【0007】しかし、従来と同様の製造方法によって膜
厚を薄くしたセラミックシートを製造した場合、膜厚を
薄くするにつれて、セラミックシート中のピンホールや
セラミックシート表面の表面粗さが増大し、シート欠陥
が発生するという問題が生じている。
【0008】さらに、このようなセラミックシートを用
いて、例えば積層磁器コンデンサを製造する場合、小型
大容量化を図るために内部電極の膜厚も薄くしている
が、セラミックシートの厚さが薄いため、内部電極を形
成したセラミックシートを積層したときにセラミックシ
ート中に内部電極を吸収しきれず、上下層のシート間に
剥がれが生じてしまい、電気的特性及び信頼静特性が悪
化するという問題点があった。
【0009】このような問題点、即ち、ピンホール、表
面荒れの発生、及びシート間の剥がれ等の現象の要因と
しては、例えば次のようなことが考えられる。即ち、セ
ラミックシートの膜厚が薄くなるにつれて、セラミック
スラリーの乾燥が速くなり、有機溶剤の沸騰が生じて、
ピンホールが生じたり、表面が荒れたりする。さらに、
乾燥後のセラミックスラリー中には、有機溶剤がほとん
ど残存せず、このため乾燥したセラミックスラリーの硬
度が、膜厚の厚いシートに比べて大きくなり、セラミッ
クシート中に内部電極を吸収できない。従って、内部電
極を形成したセラミックシートを積層したとき、内部電
極の厚みによって上下層のセラミックシート間に間隙が
生じ、剥がれやすくなる。
【0010】本発明の目的は上記の問題点に鑑み、シー
ト表面が平滑であり、且つ表面に電極を形成して積層し
たときにもシート間の高い密着性を有するセラミックシ
ートの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、セラミック粉体とバインダと溶剤とを混
合したスラリーを支持体の表面に所定の膜厚に塗布して
乾燥させ、セラミックシートを形成するセラミックシー
トの製造方法において、前記支持体の表面に塗布したス
ラリーを乾燥させる工程では、スラリー内の溶剤の残存
量が全体量に対して0.5重量%以上30重量%以下と
なるように乾燥するセラミックシートの製造方法を提案
する。
【0012】本発明によれば、溶剤が残存するように乾
燥するため、セラミックシートの見かけ上の密度が低下
すると共に、外部からの力によるシートの変形が容易に
なる。このため、シート中でのセラミック粉体の移動が
起こりやすくなり、シート乾燥中にセラミック粉体がほ
ぼ均一に分散し、この結果シートの表面粗さが改善さ
れ、シート欠陥も解消される。さらに、シートの変形が
容易なことから、例えば積層磁器コンデンサの製造等に
おいて、表面に内部電極を塗布したセラミックシートを
積層する際に、内部電極がシート中に埋没しやすくな
り、上下層のセラミックシートが密着するので、シート
間剥離が防止される。
【0013】また、セラミックシート中の溶剤残存量が
全体量に対して0.5重量%以下では、シート表面粗さ
の改善及びシート中への内部電極の吸収等の効果が得ら
れず、また、溶剤残存量が全体量に対して30重量%以
上では偏析が起こりやすくなりバインダが沈降するた
め、キャリアフィルム等の支持体からの剥離が困難にな
る。
【0014】一方、シート中に溶剤が残存しても、バイ
ンダを除去する工程においてバインダと共に溶剤も除去
されるため、溶剤が残存することによる不具合は発生し
ない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にお
けるセラミックシートの製造装置を示す構成図である。
図において、1は塗工装置で、ドクターブレードやロー
ルコータ、リバースコーター等を備えた塗工機2と、電
熱ヒータ等の熱源を有する第1乃至第3乾燥炉3A,3
B,3Cとから構成されている。
【0016】PET等の帯状のキャリヤフィルムFは、
塗工装置1内の塗工機2から第1乾燥炉3Aを通過した
後、第2乾燥炉3Bを経て第3乾燥炉3Cに向かって供
給される。
【0017】一定速度で走行する支持体としてのキャリ
ヤフィルムFの上面には、塗工機2を通過する過程でセ
ラミックスラリーが所定厚さ(例えば2μmの厚さ)と
所定の幅をもって塗工され、該塗工スラリーは第1乾燥
炉3Aを通過する過程で、例えば30℃の温度で乾燥さ
れ、第2乾燥炉3Bを通過する過程で、例えば30℃の
温度で乾燥され、第3乾燥炉3Cを通過する過程で、例
えば60℃の温度で乾燥されて半固形状のセラミックグ
リーンシート(以下、グリーンシートと称する)Sとな
る。
【0018】また、各乾燥炉3A,3B,3C内には、
キャリヤフィルムFの走行方向とは反対方向の風向きで
風量4m/分の風が送られている。
【0019】上記のセラミックスラリーは従来と同様、
セラミック粉末と有機溶剤及びバインダと称される有機
結合体とを適宜割合で混合して調製されている。
【0020】11は加工装置で、ドラム12と、1対の
切断刃13bを有する切断具13と、ドラム14と、1
対のプレート15とから構成されている。
【0021】ドラム12は、キャリヤフィルムFよりも
長さが大きな円筒形状を成し、その中心部に軸杆12a
を備えている。このドラム12は、ブラケット(図示省
略)等に軸杆12aを回動自在に支持され、塗工装置1
の出口側に横向き状態で配置されている。
【0022】切断具13は、上記ドラム12の中心線と
平行なシャフト13aと、シャフト13aの両端部に配
置された同一径の切断刃13bと、両切断刃13bをシ
ャフト13a上の所定位置に固定するための固定部材1
3c、例えばシャフト13aのネジ部との協働で切断刃
13bを固定するダブルナットやボルト操作による縮径
にでシャフト13aに固着されるCリング等を備えてい
る。
【0023】この切断具13は、ブラケット(図示省
略)等にシャフト13aを回動自在に支持され、両切断
刃13bの刃先をフィルム厚に相当する距離をおいて上
記ドラム12の周面に対向している。ちなみに各切断刃
13bの位置は固定部材13cを緩めることでシャフト
13a上の任意位置に変更することができる。
【0024】ドラム14は、上記ドラム12より小径で
且つキャリヤフィルムFよりも長さが大きな円筒形状を
成し、その中心部に軸杆14aを有している。このドラ
ム14は、ブラケット(図示省略)等に軸杆14aを回
動自在に支持され、上記ドラム12の下方位置に横向き
状態で平行に配置されている。
【0025】両プレート15は、垂線に対し鋭角的に傾
斜し上端を先鋭に加工された剥離部15aと、該剥離部
15aの下端から外側に向けて鋭角的に傾斜した案内部
15bとを一体に備えている。この剥離用プレート15
は、ブラケット(図示省略)等に上記切断刃13bと同
一間隔をおいてその一部を固定支持され、剥離部15a
の上端をフィルム厚に相当する距離をおいて上記ドラム
14の周面に対向している。ちなみに各プレート15の
位置はブラケットに対する固定を解除することで幅方向
の任意に変更することができる。
【0026】グリーンシート形成後のキャリヤフィルム
Fはドラム12の周面にその下面を支持されながら該ド
ラム12と切断刃13bとの間に送り込まれる。
【0027】キャリヤフィルムF上のグリーンシートS
は、切断刃13bを通過する際に、その幅方向両端部に
シート端から所定距離をおいてシート厚に相当する深さ
の切り込み線Lを平行に形成される。
【0028】切り込み線形成後のグリーンシートSはキ
ャリヤフィルムFと共にそのまま下方に移動し、ドラム
14とプレート15との間に送り込まれる。
【0029】さらに、キャリヤフィルムF上のグリーン
シートSは、プレート15の剥離部15aを通過する際
に、切り込み線の外側部分を該剥離部15aの傾斜に従
って持ち上げられてキャリヤフィルムFから剥離され、
剥離された部分は剥離部15aから案内部15bに移行
して案内部15bの傾斜に従って外側に案内され、その
下方に配置された回収容器16内に収容される。
【0030】(第1の実施例)次に、本実施形態におけ
るセラミックグリーンシートの製造方法、及びこれを用
いた積層コンデンサの製造方法の第1の実施例を説明す
る。
【0031】第1の実施例では、使用するセラミック粉
体としてBaTiO3 粉体を用意し、このセラミック粉体に
対して、トルエンとエタノールを1:1で混ぜたものを
混合すると共に、セラミック粉体量に対して10重量%
の量のブチラール系バインダを混ぜ合わせてセラミック
スラリーを生成した。
【0032】上記出来上がったセラミックスラリーをリ
バースコーターを用いて、塗工膜厚を2μm、塗工速度
を25m/分として塗工した。
【0033】さらに、前述のように、第1及び第2乾燥
炉3A,3Bにおける乾燥温度を30℃とし、第3乾燥
炉3Cにおける乾燥温度を60℃としてセラミックスラ
リーを乾燥させ、グリーンシートSを生成した。
【0034】このように第1及び第2乾燥炉3A,3B
において30℃の低温でセラミックスラリーを乾燥させ
ることにより、セラミックスラリー内の溶剤の沸騰を防
止しながら乾燥させ、第3乾燥炉において60℃の温度
で更に乾燥することにより、シート内の溶剤の残存量を
全体量に対して0.5重量%以上30重量%以下の範囲
内となるように調整している。
【0035】尚、シート内の溶剤の残存量を全体量に対
して0.5重量%以上30重量%以下の範囲内とするた
めの、各乾燥炉3A,3B,3Cにおける乾燥温度は、
塗工スラリーの膜厚、乾燥炉内における風向、風量、湿
度、及びキャリヤフィルムFの走行速度(塗工速度)等
によって変わるものであり、適宜最適値を選んで設定す
ることが好ましい。
【0036】この後、生成したグリーンシートSを用い
て積層コンデンサを生成した。即ち、生成したグリーン
シートSの上面に、ニッケル(Ni )金属を用いた内部
電極ペーストを1.2μmの肉厚でスクリーン印刷し
て、これを200層積層し、所望の大きさにカットして
積層体となし、この積層体に対して300℃の温度で2
時間脱バインダ処理を施した。これにより、グリーンシ
ートS内の残存溶剤はバインダと共に除去される。
【0037】この後、上記積層体に対して1230℃の
温度で焼成を行い、出来上がった焼結体の両端部に外部
電極を形成して、積層磁器コンデンサを得た。
【0038】前述の工程により製造したセラミックグリ
ーンシートSの評価方法として次の測定を行った。
【0039】即ち、グリーンシートSの溶剤残存量、シ
ート表面粗さ、シート密度、シート伸び率を測定すると
共に、得られた積層コンデンサのシート剥離発生率を測
定した。
【0040】さらに、ピンホール(シート欠陥)の発生
率の評価として、得られた積層コンデンサにおける内部
電極のショート発生率を測定した。
【0041】また、比較例として、本実施例と同様の材
料により従来の製造方法を用いて、キャリヤフィルム上
に厚さ2μmに塗工したセラミックスラリーを第1乃至
第3乾燥炉において60℃の乾燥温度で乾燥して得られ
たセラミックグリーンシート、及びこれを用いて同様に
製造した積層コンデンサに対して同様の測定を行い上記
実施例と比較した。
【0042】図2は、実施例及び比較例における測定結
果を示す図である。図に示すように、実施例ではグリー
ンシートSの溶剤残存量は18重量%、シート表面粗さ
は0.08μm、シート密度は2.56g/cm3 、シ
ート伸び率は6.2%であり、得られた積層コンデンサ
のシート剥離発生率は0%、ショート発生率は0%であ
った。
【0043】一方、比較例においては、グリーンシート
Sの溶剤残存量は0.1重量%、シート表面粗さは0.
20μm、シート密度は2.89g/cm3 、シート伸
び率は3.2%であり、得られた積層コンデンサのシー
ト剥離発生率は5%、ショート発生率は6%であった。
【0044】(第2の実施例)次に、本実施形態におけ
るセラミックグリーンシートの製造方法、及びこれを用
いた積層コンデンサの製造方法の第2の実施例を説明す
る。
【0045】第2の実施例では、第1の実施例と同じセ
ラミックスラリーを使用し、リバースコーターを用い
て、塗工膜厚を5μm、塗工速度を15m/分として塗
工した。
【0046】また、各乾燥炉3A,3B,3Cにおける
乾燥温度は、第1の実施例と同様にそれぞれ30℃、3
0℃、60℃としてセラミックスラリーを乾燥させ、グ
リーンシートSを生成した。
【0047】この後、生成したグリーンシートSを用い
て積層コンデンサを生成した。即ち、生成したグリーン
シートSの上面に、ニッケル(Ni )金属を用いた内部
電極ペーストを1.2μmの肉厚でスクリーン印刷し
て、これを200層積層し、所望の大きさにカットして
積層体となし、この積層体に対して300℃の温度で2
時間脱バインダ処理を施した。これにより、グリーンシ
ートS内の残存溶剤はバインダと共に除去される。
【0048】この後、上記積層体に対して1230℃の
温度で焼成を行い、出来上がった焼結体の両端部に外部
電極を形成して、積層磁器コンデンサを得た。
【0049】前述の工程により製造したセラミックグリ
ーンシートSの評価方法として第21の実施例と同様に
次の測定を行った。
【0050】即ち、グリーンシートSの溶剤残存量、シ
ート表面粗さ、シート密度、シート伸び率を測定すると
共に、得られた積層コンデンサのシート剥離発生率を測
定した。
【0051】さらに、ピンホール(シート欠陥)の発生
率の評価として、得られた積層コンデンサにおける内部
電極のショート発生率を測定した。
【0052】また、比較例として、本実施例と同様の材
料により従来の製造方法を用いて、キャリヤフィルム上
に厚さ5μmに塗工したセラミックスラリーを第1乃至
第3乾燥炉においてそれぞれ60℃の乾燥温度で乾燥し
てセラミックグリーンシートを製造し、これによって得
られたセラミックグリーンシート及びこれを用いて同様
に製造した積層コンデンサに対して同様の測定を行い上
記実施例と比較した。
【0053】図3は、実施例及び比較例における測定結
果を示す図である。図に示すように、実施例ではグリー
ンシートSの溶剤残存量は22重量%、シート表面粗さ
は0.10μm、シート密度は2.78g/cm3 、シ
ート伸び率は7.0%であり、得られた積層コンデンサ
のシート剥離発生率は0%、ショート発生率は0%であ
った。
【0054】一方、比較例においては、グリーンシート
Sの溶剤残存量は0.1重量%、シート表面粗さは0.
22μm、シート密度は3.02g/cm3 、シート伸
び率は2.5%であり、得られた積層コンデンサのシー
ト剥離発生率は2.2%、ショート発生率は2.1%で
あった。
【0055】前述したように、本発明のセラミックシー
トの製造方法によれば、従来に比べて飛躍的に製品品質
と歩留まりが向上する。さらに、即ち、前述の第1及び
第2の実施例における測定結果からも解るように、シー
ト内の溶剤が0.5重量%以上30重量%以下の範囲内
で残存するように乾燥するため、従来の製造方法によっ
て製造したセラミックグリーンシートに比べて、セラミ
ックグリーンシートSの見掛上のシート密度が低下する
と共にシート伸び率が増大し、シートの変形が容易にな
る。
【0056】これにより、グリーンシートS中でのセラ
ミック粉体の移動が起こりやすくなり、シート乾燥中に
セラミック粉体がほぼ均一に分散して、シート表面粗さ
が改善され、シート欠陥も解消される。
【0057】さらに、シートの変形が容易なことから、
内部電極塗布後の積層時に、内部電極がシート中に埋没
しやすくなり、上下層のセラミックシートが密着するの
で、シート間剥離が防止される。
【0058】また、比較例に示すように、セラミックグ
リーンシートS中の溶剤残存量が0.5重量%以下で
は、シート表面粗さの改善及びシート中への内部電極の
吸収等の効果が得られない。
【0059】また、セラミックグリーンシートS中の溶
剤残存量が30重量%以上では偏析が起こりやすくな
り、バインダが沈降するため、キャリアフィルムFから
の剥離が困難になる。
【0060】一方、セラミックグリーンシートS中に溶
剤が残存しても、バインダを除去する工程においてバイ
ンダと共に溶剤も除去されるため、溶剤が残存すること
による不具合は発生しない。
【0061】尚、前述した製造装置の構成、及び製造過
程におけるセラミックスラリーの塗工膜厚、乾燥温度等
は一例であり、本発明がこれらに限定されることはな
い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば膜厚5μm以下の薄いセラミックシートであって
も、キャリヤフィルム等の支持体からの剥離が容易であ
り、表面が平滑であってシート欠陥の無いセラミックシ
ートを容易に製造することができると共に、該製造され
たセラミックシートを用いて積層磁器コンデンサ等の積
層体を形成しても、上下層のセラミックシート間の剥離
を発生することが無く、従来の製造方法に比べて品質と
歩留まりを大幅に向上させることができるという非常に
優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるセラミックシート
の製造装置を示す構成図
【図2】本発明の一実施形態の第1の実施例における製
造品評価に係る測定結果を示す図
【図3】本発明の一実施形態の第2の実施例における製
造品評価に係る測定結果を示す図
【符号の説明】
1…塗工装置、2…塗工機、3A…第1乾燥炉、3B…
第2乾燥炉、3C…第3乾燥炉、11…加工装置、12
…ドラム、13…切断具、14…ドラム、15…プレー
ト、16…回収容器、F…キャリヤフィルム(支持
体)、S…セラミックグリーンシート。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック粉体とバインダと溶剤とを混
    合したスラリーを支持体の表面に所定の膜厚に塗布して
    乾燥させ、セラミックシートを形成するセラミックシー
    トの製造方法において、 前記支持体の表面に塗布したスラリーを乾燥させる工程
    では、スラリー内の溶剤の残存量が全体量に対して0.
    5重量%以上30重量%以下となるように乾燥すること
    を特徴とするセラミックシートの製造方法。
JP31083197A 1997-11-12 1997-11-12 セラミックシートの製造方法 Pending JPH11144993A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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