JP2011210829A - 積層電子部品の製造方法 - Google Patents

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Masahiko Sugimoto
昌彦 杉本
Masujiro Seki
益二朗 関
Hiroshi Yagi
弘 八木
Akira Kitano
章 北野
Hiroaki Kawaguchi
宏昭 川口
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Abstract

【課題】導体層の厚みに起因する段差の発生を抑制しつつ、セラミックグリーンシートの厚みに不規則な斑が生じるのを抑制すると共にシートアタックの発生を抑制することが可能な積層電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】導体層CLが形成されたキャリアフィルムCFを用意する。用意したキャリアフィルムCF上に、導体層CLを覆うように第1のセラミックスラリーCS1を付与する。付与した第1のセラミックスラリーCS1を、第1のセラミックスラリーCS1に含まれる溶剤が残存するように乾燥させる。第1のセラミックスラリーCS1上に、第2のセラミックスラリーCS2を付与する。第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2を乾燥させ、導体層CLが配置されたセラミックグリーンシートCGを得る。セラミックグリーンシートCGを複数積層して、セラミックグリーンシート積層体を得る。
【選択図】図4

Description

本発明は、積層コンデンサ等の積層電子部品の製造方法に関する。
積層コンデンサ等の積層電子部品を製造する場合、セラミックグリーンシートそれぞれの上面に形成される導体層の厚みで段差が生じるため、各グリーンシートをそのまま積層して圧着すると、段差により、デラミネーションやクラックなどの内部構造欠陥を発生させてしまう懼れがあった。このため、特許文献1に記載された製造方法では、複数の導体層が形成された支持体を用意し、複数の導体層を覆うように支持体上に第1のセラミックスラリーを付与し、未乾燥状態の第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを付与し、第1及び第2のセラミックスラリーを乾燥させ、複数の導体層が配置されたセラミックグリーンシートを得ることにより、段差の発生を抑制している。
特許文献2に記載された製造方法では、複数の導体層が形成された支持体を用意し、複数の導体層を覆うように支持体上に第1のセラミックスラリーを付与し、乾燥させた後、導体層に起因する凹凸をセラミックスのインキで埋め、乾燥状態の第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを付与し、第2のセラミックスラリーを乾燥させて、複数の導体層が配置されたセラミックグリーンシートを得ることにより、段差の発生を抑制している。
特開2006−66627号公報 特開平2−36509号公報
本発明者等の調査研究の結果、未乾燥状態の第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを付与した場合、セラミックグリーンシートの厚みに不規則な斑が生じることが新たに判明した。セラミックグリーンシートの厚みに不規則な斑が生じると、厚みが薄い部分は強度が低下することとなり、セラミックグリーンシートを支持体から適切に剥離することができない懼れがある。また、セラミックグリーンシートの厚みが薄い部分が不規則に分布していると、焼成後の誘電体層の厚みを所望の値に管理することが困難となり、電気的特性が劣化する懼れもある。
乾燥状態の第1のセラミックスラリー上にセラミックスのインキや第2のセラミックスラリーを付与した場合、セラミックスのインキや第2のセラミックスラリーペーストに含まれている溶剤により、乾燥状態の第1のセラミックスラリーに含まれている樹脂が溶解してしまう、いわゆるシートアタックが生じてしまう懼れがある。
本発明は、導体層の厚みに起因する段差の発生を抑制しつつ、セラミックグリーンシートの厚みに不規則な斑が生じるのを抑制すると共にシートアタックの発生を抑制することが可能な積層電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層電子部品の製造方法は、複数の導体層が形成された支持体を用意する工程と、支持体上に、複数の導体層を覆うように第1のセラミックスラリーを付与する工程と、付与された第1のセラミックスラリーを、該第1のセラミックスラリーに含まれる溶剤が残存するように乾燥させる工程と、第1のセラミックスラリー上に、第2のセラミックスラリーを付与する工程と、第1及び第2のセラミックスラリーを乾燥させ、複数の導体層が配置されたセラミックグリーンシートを得る工程と、セラミックグリーンシートを複数積層して、セラミックグリーンシート積層体を得る工程と、セラミックグリーンシート積層体を切断して、複数の積層体チップを得る工程と、複数の積層体チップを焼成し、複数のコンデンサ素体を得る工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る積層電子部品の製造方法では、支持体上に付与された第1のセラミックスラリーが支持体の導体層間の領域(以下、導体層非形成領域と称する)に送り込まれ、また、第1のセラミックスラリー上に付与された第2のセラミックスラリーが第1のセラミックスラリー上の導体層非形成領域に対応する領域に送り込まれる。これにより、導体層間におけるセラミックグリーンシートの厚みと、導体層上に於けるセラミックグリーンシートの厚みとの差が低減され、導体層の厚みに起因する段差の発生を抑制することができる。
本発明では、溶剤が残存するように乾燥した第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーが付与される。このため、乾燥状態の第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを付与する際に生じていたシートアタックや未乾燥状態の第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを付与する際に生じていたセラミックグリーンシートの厚みの不規則な斑の発生を抑制することができる。
好ましくは、第1のセラミックスラリーを該第1のセラミックスラリーに含まれる溶剤が残存するように乾燥させる工程では、送風により第1のセラミックスラリーを乾燥させている。この場合、第1のセラミックスラリーを積極的に乾燥させることにより、乾燥にかかる時間を短縮することができる共に、溶剤の残存状態を精度よく制御することができる。
好ましくは、第1のセラミックスラリーに室温の空気を送風している。この場合、第1のセラミックスラリーの過乾燥を防ぎつつ、溶剤の残存状態をより一層精度よく制御することができる。
好ましくは、第1及び第2のセラミックスラリーは、セラミック粉末に対する溶剤の含有量が略同一である。この場合、第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを付与した際に、第1及び第2のセラミックスラリーの混ざり具合が良好となり、セラミックグリーンシートの厚みの不規則な斑の発生をより一層抑制することができる。
好ましくは、第1のセラミックスラリーを付与する工程では、グラビアロールを用いたグラビア印刷により第1のセラミックスラリーを付与しており、支持体の送り速度よりもグラビアロールの周速度が速い。この場合、支持体の導体層非形成領域に送り込まれる第1のセラミックスラリーの量が増加することとなり、導体層の厚みに起因する段差の発生をより一層抑制することができる。
好ましくは、第2のセラミックスラリーを付与する工程では、グラビアロールを用いたグラビア印刷により第2のセラミックスラリーを付与しており、支持体の送り速度よりもグラビアロールの周速度が速い。この場合、第1のセラミックスラリー上の導体層非形成領域に対応する領域に送り込まれる第2のセラミックスラリーの量が増加することとなり、導体層の厚みに起因する段差の発生をより一層抑制することができる。
本発明によれば、導体層の厚みに起因する段差の発生を抑制しつつ、セラミックグリーンシートの厚みに不規則な斑が生じるのを抑制すると共にシートアタックの発生を抑制することが可能な積層電子部品の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。 本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。 本実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。 積層コンデンサの製造工程を説明するための模式図である。 グラビア印刷装置を示す模式図である。 送風装置を示す模式図である。 積層コンデンサの製造工程を説明するための模式図である。 積層体チップの断面構成を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る積層電子部品の製造方法を用いて製造される積層電子部品の一例である積層コンデンサ1について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。積層コンデンサ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体3と、素体3に形成された一対の第1端子電極5及び第2端子電極7と、を備える。
素体3は、素体3の長手方向に対向する一対の端面と、素体3の積層方向に対向する一対の側面と、長手方向及び積層方向に垂直な方向に対向する一対の側面とを有している。第1端子電極5は、一方の端面の全面を覆い、更にその一部が各側面上に回りこんで形成されている。第2端子電極7は、他方の端面の全面を覆い、更にその一部が各側面上に回り込んで形成されている。素体3の積層方向に対向する一対の側面のいずれか一方の側面は、積層コンデンサ1が外部基板に実装されたときに、当該外部基板に対向する面である。
素体3は、図2に示すように、第1内部電極11と第2内部電極13と誘電体層15とを有している。本実施形態では、素体3は、それぞれ二つの第1内部電極11と第2内部電極13とを有している。矩形形状を呈する第1内部電極11は、一辺が第1端子電極5の形成された素体3の端面に露出して、第1端子電極5に直接的に接続されている。これにより、第1内部電極11と第1端子電極5とは電気的に接続されることとなる。矩形形状を呈する第2内部電極13は、一辺が第2端子電極7の形成された素体3の端面に露出して、第2端子電極7と直接的に接続されている。これにより、第2内部電極13と第2端子電極7とは電気的に接続されることとなる。第1内部電極11と第2内部電極13とは、誘電体層15を介して交互に積層されている。
引き続いて、本実施形態に係る積層コンデンサ1の製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。積層コンデンサ1の製造工程は、導体層形成工程S1と、第1のセラミックスラリー付与工程S2と、第1の乾燥工程S3と、第2のセラミックスラリー付与工程S4と、第2の乾燥工程S5と、積層体形成工程S6と、チップ形成工程S7と、焼成工程S8と、端子形成工程S9と、を含んでいる。
各工程について図4〜図8を参照して説明する。図4及び図7は、積層コンデンサの製造工程を説明するための模式図である。図5は、積層コンデンサの製造方法に用いられる、グラビア印刷装置を示す模式図である。図6は、積層コンデンサの製造方法に用いられる、送風装置を示す模式図である。図8は、積層体チップの断面構成を示す図である。
導体層形成工程S1では、図4(a)に示されるように、キャリアフィルム(支持体)CF上に複数の導体層CLを形成する。これにより、複数の導体層CLが形成されたキャリアフィルムCFが用意されることとなる。導体層CLは、電極ペーストを付与後、乾燥することにより形成される。電極ペーストは、積層コンデンサ1における第1及び第2内部電極11,13を構成する導電性材料の粉末に、樹脂及び溶剤を加えて混合分散することにより得られる。導電性材料としては、例えばNi、Ag、Pdなどの金属粉末が挙げられる。電極ペーストを付与する手法として、例えばスクリーン印刷法等がある。
続く、第1のセラミックスラリー付与工程S2では、図4(b)に示されるように、キャリアフィルムCF上に、複数の導体層CLを覆うように第1のセラミックスラリーCS1を付与する。ここでは、図5に示されるようなグラビア印刷装置GPにより第1のセラミックスラリーCS1をシート状に塗布している。これにより、キャリアフィルムCF上に、第1のセラミックスラリーCS1からなる層が形成されることとなる。キャリアフィルムCF上に付与された第1のセラミックスラリーCS1は、キャリアフィルムCFにおける導体層CL間の領域(導体層非形成領域と称する)に送り込まれる。
グラビア印刷装置GPは、上方が開口すると共にセラミックスラリーを収容するスラリータンクSTと、スラリータンクSTの上方にスラリータンクST内にその一部が入り込むように配置されるグラビアロールGRと、グラビアロールGRの表面に付着したセラミックスラリーを除去するブレードBLと、を備えている。グラビア印刷装置GPでは、キャリアフィルムCFを搬送機構(不図示)により所定の方向(図中、矢印B方向)へ送りつつ、グラビアロールGRを駆動機構(不図示)により所定の方向(図中、矢印A方向)に回転駆動させることにより、セラミックスラリーがキャリアフィルムCFに塗布される。
本実施形態では、キャリアフィルムCFの送り速度よりもグラビアロールGRの周速度が速く設定されている。例えば、グラビアロールGRの周速度は、キャリアフィルムCFの送り速度の1.5〜3.0倍程度に設定される。
第1のセラミックスラリーCS1は、積層コンデンサ1における誘電体層15を構成するセラミック材料の粉末に、樹脂及び溶剤を加えて混合分散することにより得られる。第1のセラミックスラリーCS1は、必要に応じて可塑剤等を含んでいてもよい。第1のセラミックスラリーCS1では、セラミック粉末に対する溶剤の含有量が40〜70wt%に設定されている。
続く、第1の乾燥工程S3では、付与された第1のセラミックスラリーCS1を、第1のセラミックスラリーCS1に含まれる溶剤が残存するように乾燥させる。ここでは、図6に示されるように、空気ARを噴出させるノズルNZを備える送風装置BUを用いて、第1のセラミックスラリーCS1が塗布されたキャリアフィルムCFを搬送機構(不図示)により所定の方向(図中、矢印B方向)へ送りつつ、送風により第1のセラミックスラリーCS1を乾燥させている。ノズルNZから噴出される空気ARの量(風量)は、例えば80〜120l/minに設定される。ノズルNZから噴出される空気ARの温度は、例えば室温に設定される。乾燥時間は、例えば1〜5secに設定される。
第1のセラミックスラリーCS1からなる層の表面近傍に存在している溶剤が除去され易いが、第1のセラミックスラリーCS1からなる層内に存在している溶剤は除去され難い。したがって、第1の乾燥工程S3によって、第1のセラミックスラリーCS1からなる層では、その表面近傍において残存する溶剤が少なくなり、溶剤の残存状態に差が生じる。
続く、第2のセラミックスラリー付与工程S4では、図4(c)に示されるように、第1のセラミックスラリーCS1上に第2のセラミックスラリーCS2を付与する。ここでは、図5に示されるようなグラビア印刷装置GPにより第2のセラミックスラリーCS2をシート状に塗布している。これにより、第1のセラミックスラリーCS1からなる層上に、第2のセラミックスラリーCS2からなる層が形成されることとなる。第1のセラミックスラリーCS1上に付与された第2のセラミックスラリーCS2は、第1のセラミックスラリーCS1からなる層における導体層非形成領域に対応する領域に送り込まれる。
ところで、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2とは溶剤を含んでいることから、互いに混ざり合い、第1のセラミックスラリーCS1と第2のセラミックスラリーCS2との境界が認識できない程度に一体化する。図4(c)では、説明のため、第1のセラミックスラリーCS1と第2のセラミックスラリーCS2との境界を一点鎖線にて示している。
本実施形態では、第2のセラミックスラリーCS2を塗布する場合でも、キャリアフィルムCFの送り速度よりもグラビアロールGRの周速度が速く設定されている。例えば、グラビアロールGRの周速度は、キャリアフィルムCFの送り速度の1.5〜3.0倍程度に設定される。
第2のセラミックスラリーCS2は、第1のセラミックスラリーCS1と同じく、積層コンデンサ1における誘電体層15を構成するセラミック材料の粉末に、樹脂及び溶剤を加えて混合分散することにより得られる。第2のセラミックスラリーCS2も、必要に応じて可塑剤等を含んでいてもよい。第2のセラミックスラリーCS2では、セラミック粉末に対する溶剤の含有量が40〜70wt%に設定されており、第1のセラミックスラリーCS1における上記含有量と略同一に設定されている。
第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2に用いられるセラミック材料としては、セラミックコンデンサに用いられる誘電体材料であれば特に制限なく適用することができる。例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、鉛複合ペロブスカイト化合物系材料、チタン酸ストロンチウム系(SrTiO)系材料等の公知の高誘電率セラミック材料が適用できる。第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2に用いられる樹脂としては、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、及びこれらの混合系樹脂等が挙げられ、ブチラール樹脂又はアクリル樹脂が好ましい。第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2に用いられる溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン)等を適用できる。用いられる樹脂及び溶剤は、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2とで異なっていてもよい。
続く、第2の乾燥工程S5では、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2を乾燥させる。これにより、複数の導体層CLが配置されたセラミックグリーンシートCGが得られることとなる。ここでは、所定の加熱条件下において、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2を乾燥させて、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2に含まれる溶剤を略全量を除去する。乾燥温度は、例えば40〜100℃に設定される。
続く、積層体形成工程S6では、まず、複数のセラミックグリーンシートCG及び導体層CLが配置されていない複数のセラミックグリーンシートCGを用意する。そして、図7に示されるように、用意した複数のセラミックグリーンシートCG,CGを所定の順序で積層する。このとき、複数のセラミックグリーンシートCGを、セラミックグリーンシートCGの積層方向で隣り合う導体層CLが当該積層方向に直交する所定の方向にずれるように積層する。これにより、セラミックグリーンシート積層体GLが得られることとなる。そして、セラミックグリーンシート積層体GLを加圧処理(例えば、静水圧プレス処理等)し、セラミックグリーンシートCG,CGを圧着する。
続く、チップ形成工程S7では、セラミックグリーンシート積層体GLを切断装置により所定サイズの積層体チップに切断する。このとき、セラミックグリーンシート積層体GLを、図8に示されるように、導体層CLが積層体チップLCの端面に断面として露出するように切断する。図8に示された積層体チップLCでは、セラミックグリーンシートCG,CGの境界の図示を省略している。
続く、焼成工程S8では、積層体チップLCを焼成する。具体的には、積層体チップLCに含まれる樹脂を除去した後(脱バインダ)、この積層体チップLCを焼成する。この焼成により、セラミックグリーンシートCG等から誘電体層15が、また、導体層CLから第1及び第2内部電極11,13がそれぞれ形成された素体3が得られることとなる。脱バインダは、積層体チップLCを、例えば、空気中、又は、N及びHの混合ガスなどの還元雰囲気中で、200〜600℃の温度下で所定時間加熱することにより行うことができる。焼成は、脱バインダ後の積層体チップLCを、例えば、還元雰囲気下で1100〜1300℃の温度下で所定時間加熱することにより行うことができる。
続く、端子形成工程S9では、素体3の表面における所定の領域に、第1及び第2端子電極5,7を形成する。ここでは、素体3の表面における上記所定の領域、すなわち各端面全体、及び、各側面の端面寄りの部分の上に導電性ペーストを付与する。導電性ペーストの付与は、ディップ法、印刷法、又は転写法等により行うことができる。導電性ペーストには、上述したように、導電性金属粉末(例えば、Cu粉末を主成分とする金属粉末など)に、ガラス粉末(例えば、ガラスフリット等)及び上述したような有機ビヒクルを混合したものを用いる。そして、導電性ペーストが付与された素体3に、所望の加熱処理を実施して導電性ペーストを素体3に焼き付ける。これにより、素体3に第1及び第2端子電極5,7が形成されることとなる。導電性ペーストの焼き付けは、例えば600〜800℃の温度下で所定時間加熱することにより行われる。第1及び第2端子電極5,7は、その表面にめっき層が形成されていてもよい。
上述した工程を経ることにより、積層コンデンサ1が得られる。
以上のように、本実施形態では、キャリアフィルムCF上に付与された第1のセラミックスラリーCS1がキャリアフィルムCFの導体層非形成領域に送り込まれ、また、第1のセラミックスラリーCS1上に付与された第2のセラミックスラリーCS2が第1のセラミックスラリーCS1上の導体層非形成領域に対応する領域に送り込まれる。これにより、導体層CL間におけるセラミックグリーンシートCGの厚みと、導体層CL上に於けるセラミックグリーンシートCGの厚みとの差が低減され、導体層CLの厚みに起因する段差の発生を抑制することができる。
そして、本実施形態では、溶剤が残存するように乾燥した第1のセラミックスラリーCS1上に第2のセラミックスラリーCS2が付与される。このため、乾燥状態の第1のセラミックスラリーCS1上に第2のセラミックスラリーCS2を付与する際に生じていたシートアタックや未乾燥状態の第1のセラミックスラリーCS1上に第2のセラミックスラリーCS2を付与する際に生じていたセラミックグリーンシートの表面の不規則な斑の発生を抑制することができる。
本実施形態にあっては、第1の乾燥工程S3において、送風により第1のセラミックスラリーCS1を乾燥させている。これにより、第1のセラミックスラリーCS1を積極的に乾燥させることにより、乾燥にかかる時間を短縮することができる共に、溶剤の残存状態を精度よく制御することができる。
そして、第1の乾燥工程S3では、第1のセラミックスラリーCS1に室温の空気を送風している。これにより、第1のセラミックスラリーCS1の過乾燥を防ぎつつ、溶剤の残存状態をより一層精度よく制御することができる。
本実施形態にあっては、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2は、セラミック粉末に対する溶剤の含有量が略同一に設定されている。これにより、第1のセラミックスラリーCS1上に第2のセラミックスラリーCS2を付与した際に、第1及び第2のセラミックスラリーCS1,CS2の混ざり具合が良好となり、セラミックグリーンシートCGの厚みの不規則な斑の発生をより一層抑制することができる。
本実施形態にあっては、第1のセラミックスラリー付与工程S2において、グラビア印刷装置GPにより第1のセラミックスラリーCS1を付与しており、キャリアフィルムCFの送り速度よりもグラビアロールGRの周速度が速く設定されている。これにより、キャリアフィルムCFの導体層非形成領域に送り込まれる第1のセラミックスラリーCS1の量が増加することとなり、導体層CLの厚みに起因する段差の発生をより一層抑制することができる。
本実施形態にあっては、第2のセラミックスラリー付与工程S4において、グラビア印刷装置GPによりにより第2のセラミックスラリーCS2を付与しており、キャリアフィルムCFの送り速度よりもグラビアロールGRの周速度が速く設定されている。これにより、第1のセラミックスラリーCS1上の導体層非形成領域に対応する領域に送り込まれる第2のセラミックスラリーCS2の量が増加することとなり、導体層CLの厚みに起因する段差の発生をより一層抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
第1の乾燥工程S3において、送風により第1のセラミックスラリーCS1を乾燥させているが、第1のセラミックスラリーCS1を乾燥させる手法は、送風に限られない。たとえば、第1のセラミックスラリーCS1を付与し第2のセラミックスラリーCS2を付与するまでの時間を管理することにより、第1のセラミックスラリーCS1を自然乾燥させてもよい。第1のセラミックスラリーCS1を自然乾燥させる場合でも、第1のセラミックスラリーCS1を溶剤が残存するように乾燥させる。
本発明は、積層コンデンサに限られることなく、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、コンデンサとインダクタとの積層複合部品、又は、コンデンサとビーズとの積層複合部品等の積層電子部品にも適用できる。
1…積層コンデンサ、3…素体、11…第1内部電極、13…第2内部電極、15…誘電体層、AR…空気、BU…送風装置、CF…キャリアフィルム、CG…セラミックグリーンシート、CL…導体層、CS1…第1のセラミックスラリー、CS2…第2のセラミックスラリー、GL…セラミックグリーンシート積層体、GP…グラビア印刷装置、GR…グラビアロール、LC…積層体チップ、S1…導体層形成工程、S2…第1のセラミックスラリー付与工程、S3…第1の乾燥工程、S4…第2のセラミックスラリー付与工程、S5…第2の乾燥工程、S6…積層体形成工程、S7…チップ形成工程、S8…焼成工程、S9…端子形成工程。

Claims (6)

  1. 複数の導体層が形成された支持体を用意する工程と、
    前記支持体上に、前記複数の導体層を覆うように第1のセラミックスラリーを付与する工程と、
    付与された前記第1のセラミックスラリーを、該第1のセラミックスラリーに含まれる溶剤が残存するように乾燥させる工程と、
    前記第1のセラミックスラリー上に、第2のセラミックスラリーを付与する工程と、
    前記第1及び第2のセラミックスラリーを乾燥させ、前記複数の導体層が配置されたセラミックグリーンシートを得る工程と、
    前記セラミックグリーンシートを複数積層して、セラミックグリーンシート積層体を得る工程と、
    前記セラミックグリーンシート積層体を切断して、複数の積層体チップを得る工程と、
    前記複数の積層体チップを焼成し、複数のコンデンサ素体を得る工程と、を備えていることを特徴とする積層電子部品の製造方法。
  2. 前記第1のセラミックスラリーを該第1のセラミックスラリーに含まれる溶剤が残存するように乾燥させる前記工程では、送風により前記第1のセラミックスラリーを乾燥させていることを特徴とする請求項1に記載の積層電子部品の製造方法。
  3. 前記第1のセラミックスラリーに室温の空気を送風していることを特徴とする請求項2に記載の積層電子部品の製造方法。
  4. 前記第1及び第2のセラミックスラリーは、セラミック粉末に対する溶剤の含有量が略同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層電子部品の製造方法。
  5. 前記第1のセラミックスラリーを付与する前記工程では、グラビアロールを用いたグラビア印刷により前記第1のセラミックスラリーを付与しており、前記支持体の送り速度よりもグラビアロールの周速度が速いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層電子部品の製造方法。
  6. 前記第2のセラミックスラリーを付与する前記工程では、グラビアロールを用いたグラビア印刷により前記第2のセラミックスラリーを付与しており、前記支持体の送り速度よりもグラビアロールの周速度が速いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層電子部品の製造方法。
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