JP4741252B2 - 複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法 - Google Patents

複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4741252B2
JP4741252B2 JP2005021186A JP2005021186A JP4741252B2 JP 4741252 B2 JP4741252 B2 JP 4741252B2 JP 2005021186 A JP2005021186 A JP 2005021186A JP 2005021186 A JP2005021186 A JP 2005021186A JP 4741252 B2 JP4741252 B2 JP 4741252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor pattern
laminate
pattern layer
dielectric layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005021186A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006210674A (ja
Inventor
浩二 白数
啓吾 内山
錠志 後藤
裕之 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2005021186A priority Critical patent/JP4741252B2/ja
Publication of JP2006210674A publication Critical patent/JP2006210674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4741252B2 publication Critical patent/JP4741252B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、導体パターン層及び誘電体層からなる複合シート、積層体、並びに導体パターン層及び誘電体層の積層体を加圧してなる圧着積層体の製造方法に関するものである。
従来、誘電体層と内部電極層とが多数積層されて積層体を形成し、内部電極層が交互に積層体の異なる端面で外部電極に接続されてなる積層セラミックコンデンサは、以下のようにして製造されていた。
図6に示すように、支持体上に誘電体スラリーを塗布乾燥後に、内部電極となる導体ペーストを印刷した電極付きシート17を、所定の積層数になるまで順次積層する。
このような製造方法によると、積層数が多くなればなるほど、内部電極の厚みによって内部電極の印刷部と内部電極の非印刷部との厚みの差に起因する段差、すなわちコンデンサの中央部と端部における段差が大きくなり、焼成後にデラミネーションなどの層間剥離が発生するという問題が生じていた。
かかる問題を解決する方法として、内部電極の印刷部と内部電極の非印刷部との厚みの差に起因する段差を防ぐ為に、図7に示すように、誘電体層上に印刷された導体パターン層のすき間にあたる部分に、誘電体と同じ組成の誘電体埋込インクをあらかじめ埋め込んで積層する方法が提案されている。この方法によると、加圧積層工程及び積層後のプレス工程において、内部電極の印刷の有無による段差を小さくすることが可能となるため、段差によって加圧時に内部電極の印刷部及び非印刷部に加わる圧力の差を小さくして層間剥離を効果的に防止している(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−36514号公報 特開昭59−228711号公報
しかしながら、このような製造方法では、誘電体層上に印刷された導体パターン層のすき間に誘電体埋込インクを埋め込む工程が別途必要となり、それに加えて埋め込みの際に高精度の位置合せが要求されることとなる。
また、このような工程を無くすために、図8に示すように、まず支持体上に導体パターン層を印刷後、その上を覆うように誘電体を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような製造方法では、誘電体が乾燥するにつれて、内部電極の非印刷部の誘電体厚みが内部電極の印刷部の誘電体厚みよりも薄くなり、最終的に、表面に段差が生じてしまう。
本発明の目的は、誘電体層上に印刷された導体パターン層の非形成領域(すき間部分)に誘電体埋込インクを埋め込むことなく、導体パターン層の厚みの差に起因する段差を抑制する複合シートを提供することにある。
本発明の複合シートは、導体パターン層と誘電体層とを重ねて成る複合シートにおいて、前記導体パターン層の硬さおよび前記誘電体層の硬さの両方を、有機バインダ、分散剤および可塑剤の含有量の調整により、前記導体パターン層の表面硬さaと前記誘電体層の表面硬さbとが|a−b|≦98MPaの関係式を満たすようにすることを特徴とするものである。
さらに、前記導体パターン層の表面硬さa及び前記誘電体層の表面硬さbは、共に68.6MPa以上であることことを特徴とする。
また本発明の積層体は、導体パターン層と誘電体層とを多数積層してなる積層体において、前記導体パターン層の硬さおよび前記誘電体層の硬さの両方を、有機バインダ、分散剤および可塑剤の含有量の調整により、前記導体パターン層の表面硬さaと前記誘電体層の表面硬さbとが|a−b|≦98MPaの関係式を満たすようにすることを特徴とするものである。
さらに、前記積層体の前記導体パターン層の表面硬さa及び前記誘電体層の表面硬さbは、共に68.6MPa以上であることを特徴とする。
また本発明の圧着積層体の製造方法は、請求項1に記載の複合シートを複数積層して、導体パターン層の非形成領域に対応する疎部及びそれ以外の領域に対応する密部からなる積層体を形成する工程と、前記積層体を積層方向に加圧し、前記導体パターン層及び前記誘電体層の一部を前記密部から前記疎部へ移動させることによって圧着積層体を形成する工程とを有してなる。
また、前記複合シートは、支持体上に形成され、且つ、該支持体とともに積層された後に支持体のみを剥離する工程を繰り返して積層体を形成することを特徴とする。
さらに、前記複合シートは、支持体上に形成され、且つ、該支持体から剥離された状態で積層されることを特徴とする。
さらに本発明の圧着積層体の製造方法は、導体パターン層と誘電体層とを積層して、前記導体パターン層の非形成領域に対応する疎部及びそれ以外の領域に対応する密部からなる請求項4に記載の積層体を形成する工程と、前記積層体を積層方向に加圧し、前記導体パターン層及び前記誘電体層の一部を前記密部から前記疎部へ移動させることによって圧着積層体を形成する工程とを有してなる。
本発明の複合シートによれば、導体パターン層と誘電体層とを重ねて成る複合シートにおいて、導体パターン層の硬さと誘電体層の硬さとを略等しく設定したことから、複合シートを加圧する際、導体パターン層の非形成領域に対応する段差に起因して加圧力に大小が存在しても、導体パターン層及び誘電体層が加圧力の大きい部位から小さい部位へ移動・変形し、上述の段差が緩和されることによって、複合シート全体を均一に加圧圧着することが可能となる。特に、導体パターン層の表面硬さaと誘電体層の表面硬さbとが|a−b|≦98MPaの関係式を満たす場合、導体パターン層及び誘電体層の上記移動・変形がより効果的に生じ、複合シート全体を均一に加圧圧着することが可能となる。
また、導体パターン層の表面硬さa及び誘電体層の表面硬さbは、共に68.6MPa以上であるように設定することにより、導体パターン層及び誘電体層の過度な移動・変形を抑制してシート形状の保持を可能とすることができる。
また本発明の積層体によれば、導体パターン層と誘電体層とを多数積層してなる積層体において、導体パターン層の硬さと誘電体層の硬さとを略等しく設定したことから、積層体を加圧する際、導体パターン層の非形成領域に対応する段差に起因して加圧力に大小が存在しても、導体パターン層及び誘電体層が加圧力の大きい部位から小さい部位へ移動・変形し、上述の段差が緩和されることによって、積層体全体を均一に加圧圧着することが可能となる。特に、導体パターン層の表面硬さaと誘電体層の表面硬さbとが|a−b|≦98MPaの関係式を満たす場合、導体パターン層及び誘電体層の上記移動・変形がより効果的に生じ、積層体全体を均一に加圧圧着することが可能となる。
また、導体パターン層の表面硬さa及び誘電体層の表面硬さbは、共に68.6MPa以上であるように設定することにより、導体パターン層及び誘電体層の過度な移動・変形を抑制して積層体形状の保持を可能とすることができる。積層数が多くなればなるほど当該効果はより効果的である。
さらに本発明の圧着積層体の製造方法は、導体パターン層と誘電体層とを重ねて複合シートを形成する工程と、複合シートを複数積層して、導体パターン層の非形成領域に対応する疎部及びそれ以外の領域に対応する密部からなる積層体を形成する工程と、積層体を積層方向に加圧し、導体パターン層及び誘電体層の一部を密部から疎部へ移動させることによって圧着積層体を形成する工程と、を有する圧着積層体の製造方法において、導体パターン層の硬さと誘電体層の硬さとを略等しく設定したことから、複合シート又は積層体を加圧する際、導体パターン層の非形成領域に対応する段差に起因して加圧力に大小が存在しても、導体パターン層及び誘電体層が加圧力の大きい密部から小さい疎部へ移動・変形し、導体パターン層の厚みによる段差が緩和されることによって、積層体全体の均一な加圧圧着が可能となり、焼成後を含めて層間剥離が発生することを効果的に抑制することができる。
また、前記複合シートは、支持体上に形成され、且つ、該支持体とともに積層された後に支持体のみを剥離する工程を繰り返して積層体を形成することを特徴とする。
さらに、前記複合シートは、支持体上に形成され、且つ、該支持体から剥離された状態で積層されることを特徴とする。
また更に本発明の圧着積層体の製造方法によれば、導体パターン層と誘電体層とを積層して、導体パターン層の非形成領域に対応する疎部及びそれ以外の領域に対応する密部からなる積層体を形成する工程と、積層体を積層方向に加圧し、導体パターン層及び誘電体層の一部を密部から疎部へ移動させることによって圧着積層体を形成する工程と、を有する圧着積層体の製造方法において、導体パターン層の硬さと誘電体層の硬さとを略等しく設定したことから、積層体を加圧する際、導体パターン層の非形成領域に対応する段差に起因して加圧力に大小が存在しても、導体パターン層及び誘電体層が加圧力の大きい密部から小さい疎部へ移動・変形し、導体パターン層の厚みによる段差が緩和されることによって、積層体全体の均一な加圧圧着が可能となり、焼成後を含めて層間剥離が発生することを効果的に抑制することができる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る積層体を用いて形成された積層セラミックコンデンサ(積層電子部品)を表す断面図であり、積層セラミックコンデンサ1は、大略的に、絶縁層2と、内部電極(導体パターン層)3と、誘電体層4と、外部電極5とで構成されている。
積層セラミックコンデンサ1は、内部電極3と所定の誘電率を有した誘電体層4とを交互に積層してなる圧着積層体1´の上下両主面に、誘電体層4と同一材料からなる絶縁層2を形成し、その両端部に内部電極3と電気的に接続される外部電極5を被着・形成した構造を有している。かかる積層セラミックコンデンサ1は、外部電極5を介して隣合う内部電極間3−3に所定の電圧を印加し、内部電極間3−3に配されている誘電体層4に所定の静電容量を形成することによってコンデンサとして機能する。
なお、誘電体層4や内部電極3の積層数は適宜設定すればよく、例えば30層〜600層に設定される。また、誘電体層4の材質や厚み、並びに内部電極3の対向面積などは、所望の静電容量に応じて適宜決定すればよい。
誘電体層4は、誘電体スラリーをドクターブレード法等で塗布し乾燥させることによって形成され、この誘電体スラリーは、誘電体材料、有機バインダ、有機溶剤、分散剤及び可塑剤などを混合してなる。
誘電体材料は、一般的なセラミックコンデンサに用いられるものであれば特に限定されず、温度補償用材料や高誘電率系材料も用いられる。例えばチタン酸バリウム系、鉛含有ペロブスカイト材料であってもよい。
有機バインダは、特に限定されず、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、アクリル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、エステル系ポリマー、イミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー等の通常の各種有機バインダから適宜選択すればよい。
有機溶剤も特に限定されず、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、α−テルピネオール等のアルコール系溶剤、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、イソノナン酸、オクチル酸等のカルボン酸系溶剤の各種溶剤から適宜選択すればよく、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
この誘電体層4の硬さは、誘電体スラリーにおける有機バインダ、分散剤及び可塑剤等の含有量を変えることで調整することができる。ここで、誘電体層4の硬さとは、加圧による外形変化の度合いを意味し、例えば、三角錐状をした圧子を極低荷重にて押込む押込み試験において、荷重及び押込み深さの関係を表した荷重変位曲線より得られる表面硬さを用いることができる。押込み試験に用いる測定装置としては、極低荷重にて圧子が押込まれることによってできる微小圧痕の深さを計測できるものであれば特に限定されないが(例えば超微小押し込み硬さ試験機、走査型プローブ顕微鏡など)、本実施形態では高変位分解能を有するエリオニクス社製のナノインデンテーションテスターを使用した。なお、誘電体層4の硬さは、乾燥した状態、即ち溶剤の残量が1%未満の状態で測定される。
誘電体層4の硬さbは、例えば68.6〜303.8MPaの範囲にすればよい。
導体パターン層3は、この導電ペーストをスクリーン印刷や塗布法等で塗布し乾燥させることによって形成され、この導電ペーストは、導電材料、有機バインダ、有機溶剤、分散剤及び可塑剤などを混合してなる。
導電材料は、上述の誘電体材料に適した電極材料を選択すればよく、ニッケル、銀、白金、パラジウム、金、銅等の各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記の導電材となる各種酸化物、有機金属化合物等を用いればよい。例えば、Pb、Pt、Ag、Au等から選択された1種以上の貴金属またはその合金、またはNi、Cu等の卑金属から適宜選択すればよい。
有機バインダは特に限定されず、ポリビニルブチラール、エチルセルロース、アクリル系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、エステル系ポリマー、イミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー等の通常の各種有機バインダから適宜選択すればよいが、好ましくはポリビニルブチラールである。
有機溶剤もとくに限定されず、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、α−テルピネオール等のアルコール系溶剤、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、イソノナン酸、オクチル酸等のカルボン酸系溶剤の各種溶剤から適宜選択すればよく、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
導体パターン層3の硬さは、誘電体層4と同様、導電ペーストにおける有機バインダ、分散剤及び可塑剤等の含有量を変えることで調整することができ、また、誘電体層4と同様の測定手法で表面硬さを測定すればよい。
導体パターン層3の表面硬さaは、例えば68.6〜303.8MPaの範囲にすればよい。
ここで、導体パターン層3の硬さと誘電層4の硬さとは略等しくなるように設定されており、これによって、加圧する際、導体パターン層3の非形成領域に対応する段差に起因して加圧力に大小が存在しても、導体パターン層3及び誘電体層4が互いに他を拘束することなく加圧力の大きい部位から小さい部位へ移動・変形し、上述の段差が緩和されることによって、積層体1全体を均一に加圧圧着することが可能となる。
特に、導体パターン3の表面硬さa及び上述の誘電体層4の表面硬さbは、|a−b|≦98MPaの範囲に設定することが好ましく、導体パターン層3及び誘電体層4の上記移動・変形がより効果的に生じ、積層体1全体を均一に加圧圧着することが可能となる。
外部電極5の材料は、特に限定されず、一般的に積層セラミックコンデンサに用いられるものを使用すればよい。
≪製造方法≫
以下、上述した積層セラミックコンデンサの製造方法について、図1乃至図3を用いて説明する。
ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法を説明するための断面図であり、(a)は複合シートを形成する工程を表す図、(b)は複合シートを積層する工程を表す図、(c)は積層体を表す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る積層体を加圧する工程を表す断面図である。図3は、本発明の一実施形態に係る積層体を用いて形成された積層セラミックコンデンサを表す断面図である。
<工程1>
始めに、図1(a)に示すように、支持体6上に、上述の誘電体スラリーをドクターブレード法等で塗布し乾燥させることによって誘電体層4を形成し、誘電体層4上に上述の導電ペーストをスクリーン印刷や塗布法等で塗布し乾燥させて導体パターン層3を形成し、複合シート7とする。
ここで、導体パターン層3の硬さと誘電体層4の硬さとが略等しくなるように、有機バインダ、分散剤及び可塑剤等の含有量が調整されている。
なお、支持体6の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネート等のプラスチック等を挙げることができる。抗張力及び耐熱性に優れる点でポリエチレンテレフタレートが好ましい。
<工程2>
次に、図1(b)に示すように、誘電体層4と同じ組成でできた絶縁層2上に、吸着板11を用いて複合シート7を支持体6とともに積層し、その後で支持体6のみを剥離する工程を複数回繰り返すことによって複合シート7を複数積層し、図1(c)に示すように、導体パターン層3の非形成領域に対応する疎部8及びそれ以外の領域に対応する密部9を有する積層体1を形成する。
<工程3>
そして、図2に示すように、積層体1を積層方向に加圧し、導体パターン層3及び誘電体層4の一部を密部9から疎部8へ移動させることによって圧着積層体1´を形成する。
このように、積層体1(又は複合シート7)を加圧する際、導体パターン層3の非形成領域に対応する段差に起因して加圧力に大小が存在しても、導体パターン層3及び誘電体層4が加圧力の大きい密部9から小さい疎部8へ押し出されるように移動・変形し、導体パターン層3の厚みによる段差が緩和されることによって、積層体1全体の均一な加圧圧着が可能となる。また、このようにして形成された圧着積層体1´は、焼成後を含めて層間剥離の発生を効果的に抑制することができる。
以上のようにして形成された圧着積層体1´は、個々のチップ型の積層セラミック素体に分離されて1340℃で焼成される。その後、内部電極両端部に電気的に接続して電気を取り出すための外部電極を形成することによって、図3に示すような積層セラミックコンデンサ1を得た。
まず、誘電体層4は、セラミックの誘電体粉末100重量部に対し、有機バインダとしてポリビニルブチラール(PVB)を9〜13重量部と、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(DINP)を1〜3重量部と、溶剤としてエタノールを120重量部と、を混合してなる誘電体スラリーを用意し、この誘電体スラリーを厚み3.0μmで成形乾燥して形成した。
次に、金属ニッケル粉末100重量部に対し、有機バインダとしてPVBを4.5〜7.5重量部、可塑剤としてDINPを0.5〜3重量部と、溶剤としてオクチル酸を90重量部と、を混合してなる導電ペーストを用意し、この導電ペーストを誘電体層4上に厚み1.7μmでスクリーン印刷法等により印刷乾燥して導体パターン層3とした。
これらの誘電体層4と内部電極3とを積層してなる複合シート7を、最外層となる絶縁層2上に順次3.92MPaの圧力で243層加圧積層した後、再び最外層の絶縁層2を積層して積層体1を形成した。そして、この積層体1全体を98MPaの圧力でプレスして圧着積層体1´を形成した。
このようにして得られた圧着積層体1´について、段差の大きさと変形率を定量的に測定したものを表1に示す。
Figure 0004741252
表1中において、「段差」とは、図4(a)に示すように、プレス後の圧着積層体1´において、最上層及び最下層に位置する導体パターン層3(又は誘電体層4)の密部9及び疎部8における段差L1及びL2の大きさを測定しそれらを加えた値を表すものであり、また、「変形率」とは、図4(a)及び(b)に示すように、平面形状150mmの圧着積層体1´の端部から20mm内側の部位における、圧着積層体1´の厚みT1に対する最上層に位置する内部電極の長手方向への変形量T2の割合(T1/T2×100)を表すものである。
これによれば、誘電体層4の硬さ及び導体パターン層3の硬さを68.6〜303.8MPaの範囲となるように調整すれば、積層後の積層セラミックコンデンサにおける段差が改善され、且つ、変形を抑制できることがわかる。特に、極低荷重の押込み試験により得られる導体パターン層3の表面硬さaと誘電体層4の表面硬さbとが|a−b|≦98MPa、好ましくは|a−b|≦29.4MPaとなるように調整すれば、より変形が抑えられ段差の少ない積層セラミックコンデンサが得られる。
なお、表1中の誘電体層4及び導体パターン層3の極低荷重の押込み試験により得られる表面硬さが同じである実施例No.5の誘電体層4及び導体パターン層3はそれぞれ、セラミックの誘電体粉末100重量部に対し、ポリビニルブチラール(PVB)を11.5重量部と、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(DINP)を1.9重量部とを混合してなる誘電体スラリーを成形乾燥して誘電体層4と、金属ニッケル粉末100重量部に対し、PVBを6.5重量部、可塑剤としてのDINPを1.6重量部とを混合してなる導電ペーストを印刷乾燥した導体パターン層3である。
そして、上述のようにして形成された圧着積層体1´は、個々のチップ型の積層セラミック素体に分離されて1340℃で焼成される。その後、内部電極両端部に電気的に接続して電気を取り出すための外部電極を形成することで積層セラミックコンデンサを得た。
次に、以上のようにして形成された積層セラミックコンデンサ数十個について特性を調べた。なお、積層セラミックコンデンサとして上述の実施例No.5のものを用いた。
その結果、本発明によれば、誘電体インクによる埋め込みを行わなくても、図7に示すような従来の製造方法である誘電体インクによる埋め込みを行った積層セラミックコンデンサと同様な電気的特性をもち、且つ、電極の厚みに起因する段差によって生じるデラミネーション等の構造欠陥は全く見られないことが分かった。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
上述した実施形態においては、積層セラミックコンデンサを例にとって説明したが、その他の積層電子部品、すなわち配線基板、圧電部品、フィルタ、インダクタや抵抗体にも適用することができる。
また、上述の実施形態においては、複合シート7は支持体6とともに積層され、その後に支持体6のみを剥離するようにして積層体1を形成したが、これに代えて、図5に示すように、複合シート7を支持体6から剥離した状態で積層するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法を説明するための断面図であり、(a)は複合シートを形成する工程を表す図、(b)は複合シートを積層する工程を表す図、(c)は積層体を表す図である。 本発明の一実施形態に係る積層体を加圧する工程を表す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層体を用いて形成された積層セラミックコンデンサを表す断面図である。 本発明の一実施形態に係る圧着積層体を表す断面図であり、(a)はカット位置を示す図、(b)は段差及び変形率を表す図である。 本発明の他の実施形態に係る積層体の製造方法を説明するための断面図であり、(a)は複合シートを形成する工程を表す図、(b)は複合シートを支持体から剥離する工程を表す図、(c)は複合シートを積層して積層体を形成する工程を表す図である。 従来の積層体の製造方法を説明するための断面図であり、(a)は電極付きシートを形成する工程を表す図、(b)は電極付きシートを積層して積層体を形成する工程を表す図である。 従来の電極付きシートを表す断面図であり、特に、電極のすき間部に誘電体埋込インクを埋込んだものを示すものである。 従来の電極付きシートを表す断面図であり、特に、乾燥により誘電体が凹むことを示すものである。
符号の説明
10・・・・・・・積層セラミックコンデンサ(電子部品)
1・・・・・・・・積層体
1´・・・・・・・圧着積層体
2・・・・・・・・絶縁層
3、13・・・・・内部電極(導体パターン層)
4、14・・・・・誘電体層
5・・・・・・・・外部電極
6、16・・・・・支持体
7・・・・・・・・複合シート
8・・・・・・・・疎部
9・・・・・・・・密部
11・・・・・・・吸着板
17・・・・・・・電極付きシート
18・・・・・・・誘電体埋込インク

Claims (8)

  1. 導体パターン層と誘電体層とを重ねて成る複合シートにおいて、
    前記導体パターン層の硬さおよび前記誘電体層の硬さの両方を、有機バインダ、分散剤および可塑剤の含有量の調整により、
    前記導体パターン層の表面硬さaと前記誘電体層の表面硬さbとが|a−b|≦98MPaの関係式を満たすようにすることを特徴とする複合シート。
  2. 前記導体パターン層の表面硬さa及び前記誘電体層の表面硬さbは、共に68.6MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合シート。
  3. 導体パターン層と誘電体層とを多数積層してなる積層体において、
    前記導体パターン層の硬さおよび前記誘電体層の硬さの両方を、有機バインダ、分散剤および可塑剤の含有量の調整により、
    前記導体パターン層の表面硬さaと前記誘電体層の表面硬さbとが|a−b|≦98MPaの関係式を満たすようにすることを特徴とする積層体。
  4. 前記導体パターン層の表面硬さa及び前記誘電体層の表面硬さbは、共に68.6MPa以上であることを特徴とする請求項に記載の積層体。
  5. 請求項1に記載の複合シートを複数積層して、導体パターン層の非形成領域に対応する疎部及びそれ以外の領域に対応する密部からなる積層体を形成する工程と、
    前記積層体を積層方向に加圧し、前記導体パターン層及び前記誘電体層の一部を前記密部から前記疎部へ移動させることによって圧着積層体を形成する工程と、を有する圧着積層体の製造方法。
  6. 前記複合シートは、支持体上に形成され、且つ、該支持体とともに積層された後に支持体のみを剥離する工程を繰り返して積層体を形成することを特徴とする請求項に記載の圧着積層体の製造方法。
  7. 前記複合シートは、支持体上に形成され、且つ、該支持体から剥離された状態で積層されることを特徴とする請求項に記載の圧着積層体の製造方法。
  8. 導体パターン層と誘電体層とを積層して、前記導体パターン層の非形成領域に対応する疎部及びそれ以外の領域に対応する密部からなる請求項に記載の積層体を形成する工程
    と、
    前記積層体を積層方向に加圧し、前記導体パターン層及び前記誘電体層の一部を前記密部から前記疎部へ移動させることによって圧着積層体を形成する工程と、を有する圧着積層体の製造方法。
JP2005021186A 2005-01-28 2005-01-28 複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法 Expired - Fee Related JP4741252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005021186A JP4741252B2 (ja) 2005-01-28 2005-01-28 複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005021186A JP4741252B2 (ja) 2005-01-28 2005-01-28 複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006210674A JP2006210674A (ja) 2006-08-10
JP4741252B2 true JP4741252B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=36967168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005021186A Expired - Fee Related JP4741252B2 (ja) 2005-01-28 2005-01-28 複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4741252B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144993A (ja) * 1997-11-12 1999-05-28 Taiyo Yuden Co Ltd セラミックシートの製造方法
JP2002367859A (ja) * 2001-06-12 2002-12-20 Taiyo Yuden Co Ltd 多端子積層磁器電子部品の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08167537A (ja) * 1994-12-14 1996-06-25 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH09139321A (ja) * 1995-11-13 1997-05-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd セラミック生シートおよびそれを用いたセラミック電子部品の製造方法
JP4508342B2 (ja) * 2000-02-29 2010-07-21 京セラ株式会社 積層型電子部品およびその製法
JP4626742B2 (ja) * 2004-03-05 2011-02-09 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144993A (ja) * 1997-11-12 1999-05-28 Taiyo Yuden Co Ltd セラミックシートの製造方法
JP2002367859A (ja) * 2001-06-12 2002-12-20 Taiyo Yuden Co Ltd 多端子積層磁器電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006210674A (ja) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060245141A1 (en) Laminated electronic component
EP2827351B1 (en) Laminated ceramic chip electronic component
CN102969154B (zh) 陶瓷电子部件及其制造方法
JP2006332601A (ja) 積層電子部品
CN102810398B (zh) 多层陶瓷电子元件和多层陶瓷电容器
TWI270092B (en) Stack capacitor and the manufacturing method thereof
JP2012253338A (ja) 積層セラミック電子部品
US20140063684A1 (en) Conductive paste composition for external electrode, multilayered ceramic component including the same and manufacturing method thereof
JP3785966B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法および積層セラミック電子部品
WO2013009712A2 (en) Sintering of high temperature conductive and resistive pastes onto temperature sensitive and atmospheric sensitive materials
JP4359914B2 (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP4688326B2 (ja) セラミック積層体およびその製法
JP3944144B2 (ja) セラミック電子部品及びその製造方法
JPH0721833A (ja) 導電性ペーストおよびそれを用いた多層セラミック電子部品の製造方法
JP4741252B2 (ja) 複合シート、積層体並びに圧着積層体の製造方法
JP2004179348A (ja) セラミック積層体の製法
JP2003115416A (ja) 導電性ペースト、積層セラミック電子部品の製造方法および積層セラミック電子部品
JP3939281B2 (ja) 電極ペースト及びこれを用いたセラミック電子部品の製造方法
JP2003045740A (ja) 積層型電子部品
JP4175284B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2018113300A (ja) 積層電子部品の製造方法
JPH0721832A (ja) 導電性ペーストおよびそれを用いた多層セラミック電子部品の製造方法
JP2006128282A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP2006196717A (ja) 積層型圧電セラミックス素子およびその製造方法
JP2005101301A (ja) 積層型電子部品およびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110506

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4741252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees