JPH11123800A - シーラントフィルム - Google Patents

シーラントフィルム

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JPH11123800A
JPH11123800A JP29274197A JP29274197A JPH11123800A JP H11123800 A JPH11123800 A JP H11123800A JP 29274197 A JP29274197 A JP 29274197A JP 29274197 A JP29274197 A JP 29274197A JP H11123800 A JPH11123800 A JP H11123800A
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ldpe
film
density
catalyst
layer made
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JP29274197A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Inagaki
泰博 稲垣
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動充填適性、手裂き性さらに耐熱性に優れ
たシーラントフィルムを提供する。 【解決手段】 複数の重合活性点を有する触媒の存在下
に得られたC4のL−LDPE(a)(密度0.921g
/cm3 、MI1.1g/10min、融点123℃)
と、重合活性点が単一である触媒を用いた重合反応によ
って得られたシール層としてのL−LDPE(b)(密度
0.902g/cm3 、MI1.0g/10min、融
点102℃、MW /MN =2.8)とを共押出成形し
て、2層の積層フィルムを得た。層比は、L−LDPE
(a) 層/L−LDPE(b) 層=3/1。このフィルムの
L−LDPE(a) 非シール層表面をコロナ放電処理した
後、処理面に15μm厚の2軸延伸ポリアミド系フィル
ムからなる補強層をドライラミネーションにより貼合
せ、補強層を備えたシーラントフィルムを得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パウチ等の包装袋
の材料として用いられるシーラントフィルムに関し、よ
り詳しくは、低温シール性と適度なコシを有して自動充
填に適し、かつ、袋を引き裂く時に引裂抵抗が小さく裂
け口にフィルムの波打ち屑や糸引き屑ができない手裂き
性に優れたシーラントフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品工業においては、衛生性、経
済性、取扱い易さ等から、プラスチックフィルムによる
包装が頻繁に行われている。なかでも、液体調味料の包
装に代表されるポーションパウチの分野では、インタス
ント食品や弁当の調味料入れとしてフィルム包装が広く
用いられ、最近では衛生面からボイルやホットパックと
いった100℃程度の加熱殺菌工程を加えて内容物を充
填したパウチが多くなってきている。
【0003】このようなプラスチックフィルム包装用の
シーラントフィルムとしては、低密度ポリエチレン(以
下LDPEと略記する)フィルムやエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(以下EVAと略記する)フィルムが使用さ
れている。しかし、ポーションパウチの内容積が数10
mlにもなると、シール強度や耐圧強度の点から直鎖状
低密度ポリエチレン(以下L−LDPEと略記する)フ
ィルムが好適に用いられる。
【0004】L−LDPEフィルムはLDPEフィルム
やEVAフィルムに比べて引張強度や引裂強度に優れ、
良好なシール性を示すことから、様々な用途にシーラン
トフィルムとして使用されている。また、L−LDPE
フィルムの材料樹脂として、低密度な樹脂を使用すれ
ば、低温シール性に優れ風合いが柔らかなフィルムが得
られる。
【0005】0.910g/cm3 程度までの低密度の
L−LDPEは、コモノマ−として主に1−ブテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン
等、いわゆるハイα−オレフィンを用い、エチレンとコ
モノマ−を高圧法または溶液法により共重合させること
によって得られる(特開昭61−241340号公報参
照)。これらはコモノマ−の炭素数からそれぞれC4の
L−LDPE、C6のL−LDPE、C8のL−LDP
E等と呼ばれる。このような低密度L−LDPEからな
るフィルムをシーラントフィルムとしてポーションパウ
チの自動充填用途に用いると、耐圧強度や破袋強度に優
れた製品が得られる。密度がこれ以上低くなると、低分
子量成分が多くなり、得られたフィルムはベタついた
り、シール強度が発現しなかったりして、パウチに加工
するのに適さない。
【0006】しかし、上記のような低密度L−LDPE
からなるフィルムをシーラントフィルムとしてポーショ
ンパウチに加工すると、この優れた強度のため、パウチ
が手で引き裂きにくいという難点がある。そのため、こ
れを無理に裂こうとして力を入れすぎ誤って中身がこぼ
れたり、裂け口にフィルムの波打ち屑や糸引き屑がで
き、食品に混入したりする危険性がある。
【0007】引裂強度の弱いL−LDPEフィルムとし
ては、C4のL−LDPEからなるフィルムがある。こ
れは、コモノマ−として常温で気体である1−ブテンを
主に用い気相重合法によって得られる。しかし、C4の
L−LDPEからなるフィルムはC6のL−LDPEや
C8のL−LDPEからなるフィルムに比べ引裂強度が
小さく手裂き性が良いという利点がある反面、低密度製
品が生産できないため、シール性や柔軟性という自動充
填に必要な特性に劣るという欠点があり、従来あまり使
用されてこなかった。
【0008】近年、メタロセン触媒と呼ばれる触媒に代
表される、重合活性点が単一となるような化学構造の重
合触媒によって、気相法でも低密度なL−LDPEが重
合されるようになった。しかし、重合活性点が単一であ
る触媒を用いた重合によって得られたL−LDPEから
なるフィルムは、複数の重合活性点を有する従来の触媒
を用いた重合によって得られたL−LDPEからなるも
のに比べて、強度が大きいため、手裂き性に劣ってしま
う嫌いがある。
【0009】また、ボイルやホットパックといった加熱
殺菌を行う場合、包装用フィルムは、熱処理したり高温
の充填物を充填しても袋内面同士が融着しない耐熱性が
要求される。これは、袋内面の熱融着が生じると、製品
の外観品質を損ねるだけでなく、融着部に歪みが加わり
パウチが破れてしまうことがあるからである。
【0010】100℃程度の熱処理が施される充填用包
装フィルムとして低密度L−LDPEからなるものを使
用すると、樹脂中の低融点成分が多くなり熱融着が起こ
り易くなる。このため、従来は密度0.920g/cm
3 程度以上のL−LDPEが、低温シール性を犠牲にし
ても耐熱性を重視して使用されてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記のような欠点、すなわち、引裂強度を低下させれば
自動充填適性に劣り、自動充填適性に優れたものとすれ
ば手裂き性に劣ってしまい、また、耐熱性を向上させよ
うとすれば樹脂密度が高くなり、自動充填適性に劣って
しまうという欠点を克服し、自動充填適性、手裂き性さ
らに耐熱性に優れたシーラントフィルムを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるシーラント
フィルムは、上記課題を解決すべく工夫されたものであ
り、エチレンと、1−ブテンを主体とするα−オレフィ
ンとが、複数の重合活性点を有する触媒の存在下に共重
合されてなり、かつ密度が0.910〜0.930g/
cm3 であるL−LDPE(a) からなる層の少なくとも
一方の面に、重合活性点が単一である触媒による重合に
よって得られ、重量平均分子量/数平均分子量(以下M
W /MN と略記する)の値が1.5〜3.0であり、そ
して密度が0.885〜0.920g/cm3 であるL
−LDPE(b) からなる層が積層されてなり、層厚比が
L−LDPE(a) からなる層/L−LDPE(b) からな
る層=1/1〜5/1である、シーラントフィルムであ
る。
【0013】上記シーラントフィルムにおいて、L−L
DPE(a) 層の少なくとも一方の面に積層されたL−L
DPE(b) 層は、シール層として働く。
【0014】L−LDPE(a) は、エチレンと、1−ブ
テンを主体とするα−オレフィンとが、重合活性点が複
数ある触媒の存在下に共重合されてなるものであり、そ
の密度は0.910〜0.930g/cm3 、好ましく
は0.915〜0.928g/cm3 である。
【0015】なお、1−ブテン以外のα−オレフィンと
してはプロピレン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−
メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらα−オレフ
ィンは本発明の効果を阻害しない範囲で共重合されても
よい。
【0016】重合活性点が複数ある触媒としては、チー
グラー・ナッタ系触媒が広く用いられている。
【0017】L−LDPE(a) の密度が上記範囲を下回
ると、耐熱性が低下する恐れがあり、逆に上回ると、衝
撃性が低下する恐れがある。
【0018】L−LDPE(b) は、重合活性点が単一で
ある触媒による重合によって得られるものであり、その
MW /MN の値は1.5〜3.0であり、密度は0.8
85〜0.920g/cm3 、好ましくは0.890〜
0.915g/cm3 である。
【0019】L−LDPE(b) のMW /MN の下限は製
造上の限界であり、一方、MW /MN が上限を上回ると
耐熱性が低下する恐れがある。
【0020】重合活性点が単一である触媒としては、例
えば、代表的にメタロセン系触媒などを挙げることがで
きる。メタロセン系触媒とは、一般に、4価の遷移金属
をπ電子系の不飽和化合物で挾んだ構造のものを言い、
ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体が代表的なもの
である。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッ
ケル、パラジウム、ハフニウム、白金等の4価の遷移金
属に1以上のシクロペンタジエニル環またはその類縁体
が配位子として存在する化合物が挙げられる。
【0021】このようなメタロセン化合物としては、シ
クロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミ
ド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス
(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペン
タジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロ
リド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニ
ル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロリ
ド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−tert−ブチルアミドハフニウムジクロリ
ド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミノ)、
インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、イン
デニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、
インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)
(ジ−n−プロピルアミド)等を例示できる。
【0022】L−LDPE(b) は、好ましくは、DSC
による融点測定で、融解ピーク温度と全結晶成分が融解
し終るまでの温度との差が20℃以内であり、かつ融解
ピークが単一のL−LDPEである。
【0023】層厚比は、L−LDPE(a) からなる層/
L−LDPE(b) からなる層=1/1〜5/1である。
層厚比がこの範囲を逸脱してL−LDPE(a) からなる
層(a) が厚くなると、フィルム全体の厚みにもよるが、
所期のシール強度や耐圧強度が得られなくなる恐れがあ
り、また薄くなると、引裂強度が大きくなり手裂き性が
劣ってしまうほか、フィルムが柔らかすぎてラミネート
などの加工適性に欠ける恐れがある。
【0024】シーラントフィルム全体の厚みは、好まし
くは20〜80μm、より好ましくは30〜60μmで
ある。全体厚がこの範囲を下回ると、耐圧強度などが不
足する場合があり、逆に上回ると、手裂き性が悪くなる
恐れがある。
【0025】本発明によるシーラントフィルムの製造に
当たり、予め原料樹脂に、一般に用いられている帯電防
止剤、耐ブロッキング剤、滑剤、防曇剤、安定剤、結晶
造核剤等の添加剤を適宜添加することもできる。
【0026】上記フィルムの製造方法は特に限定される
ものではないが、例えば、多層ダイスを用いた水冷イン
フレーション押出成形法やTダイキャスト法などの通常
のプラスチックフィルム成形法が適用できる。
【0027】L−LDPE(a) からなる層とL−LDP
E(b) からなる層の積層方法も限定されないが、L−L
DPE(b) とL−LDPE(a) との共押出により、積層
フィルムを一度に成形する方法が好ましい。
【0028】L−LDPE(a) からなる層の一方の面の
みに、L−LDPE(b) からなる層が積層されている場
合、前者の層の他方の面に補強層が積層されていてもよ
い。補強層を構成するフィルムは、二軸延伸ポリアミド
フィルム、二軸延伸ポリエステルフィルムなどのL−L
DPE以外のプラスチックフィルム、金属箔、紙などで
あってよい。この補強層の積層によって、シール強度や
自動充填に対する適性などが向上される。補強層は、手
裂き性を損わない範囲において複数種積層してもよい。
【0029】上記補強層の積層方法としては、各種のラ
ミネート法が適用できる。例えば、得られたシーラント
フィルムのL−LDPE(a) に、補強層を、ドライラミ
ネート法、ウエットラミネート法、ノンソルベントラミ
ネート法、サンドイッチラミネート法などによって積層
する方法や、補強層上に直接L−LDPE樹脂を押出し
て層を成形する押出しラミネート法などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を示すが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0031】実施例1 エチレンと、炭素数4のα−オレフィンを主体とするコ
モノマーとが、複数の重合活性点を有する触媒の存在下
に共重合されてなるC4のL−LDPE(a) (密度0.
921g/cm3 、MI1.1g/10min、融点1
23℃、三菱化学社製「UF230」)と、重合活性点
が単一である触媒を用いた重合反応によって得られたシ
ール層としてのL−LDPE(b) (密度0.902g/
cm3 、MI1.0g/10min、融点102℃、M
W /MN =2.8、ダウケミカル社製「アフィニティP
L1880」)とを、多層インフレーション成形機を用
いて共押出成形し、2層の積層フィルムを得た。この積
層フィルムの全体厚は40μmであり、層厚比は、L−
LDPE(a) からなる層/L−LDPE(b) からなる層
=3/1であった。
【0032】この積層フィルムのL−LDPE(a) から
なる非シール層表面にコロナ放電処理を施して、濡れ張
力を45dyn/cmとした後、処理面に15μm厚の
2軸延伸ポリアミド系フィルムからなる補強層をドライ
ラミネーションにより貼合せた。
【0033】こうして、補強層を備えたシーラントフィ
ルムを得た。
【0034】実施例2 シール層としてのL−LDPE(b) を、重合活性点が単
一である触媒を用いた重合反応によって得られたL−L
DPE(密度0.908g/cm3 、MI1.0g/1
0min、融点107℃、MW /MN =2.8、ダウケ
ミカル社製「アフィニティPL1840」)に代えた点
を除いて、実施例1と同様にして、補強層を備えたシー
ラントフィルムを得た。
【0035】比較例1 L−LDPE(a) を、エチレンと、炭素数8のα−オレ
フィンを主体とするコモノマーとが、複数の重合活性点
を有する触媒の存在下に共重合されてなるC8のL−L
DPE(密度0.921g/cm3 、MI1.1g/1
0min、融点110℃と122℃、出光石油化学「モ
アテック0238CN」)に代え、シール層としてのL
−LDPE(b) を、重合活性点が単一である触媒を用い
た重合反応によって得られたL−LDPE(密度0.9
08g/cm3 、MI1.0g/10min、融点10
7℃、MW /MN =2.8、ダウケミカル「アフィニテ
ィPL1840」)に代えた点を除いて、実施例1と同
様にして、補強層を備えたシーラントフィルムを得た。
【0036】比較例2 シール層としてのL−LDPE(b) を、重合活性点が複
数である触媒を用いた重合反応によって得られたC8 の
L−LDPE(密度0.910g/cm3 、MI2.0
g/10min、融点101℃と119℃、出光石油化
学社製「モアテック0218CN」)に代えた点を除い
て、実施例1と同様にして、補強層を備えたシーラント
フィルムを得た。
【0037】比較例3 エチレンと、炭素数8のα−オレフィンを主体とするコ
モノマーとが、複数の重合活性点を有する触媒の存在下
に共重合されてなるC8のL−LDPE(密度0.92
0g/cm3 、MI2.0g/10min、融点110
℃および122℃、出光石油化学社製「モアテック02
38CN」)をインフレーション成形機を用いて成形
し、40μm厚の単一層フィルムを得た。
【0038】このフィルムの片面にコロナ放電処理を施
して、濡れ張力を45dyn/cmとした後、処理面に
15μm厚の2軸延伸ポリアミド系フィルムからなる補
強層をドライラミネーションにより貼合せた。
【0039】こうして、補強層を備えたシーラントフィ
ルムを得た。
【0040】比較例4 L−LDPEを、エチレンと、炭素数4のα−オレフィ
ンを主体とするコモノマーとが、複数の重合活性点を有
する触媒の存在下に共重合されてなるC4のL−LDP
E(密度0.921g/cm3 、MI1.1g/10m
in、融点123℃、三菱化学社製「UF230」)に
代えた点を除いて、比較例3と同様にして、補強層を備
えたシーラントフィルムを得た。
【0041】以上の6種のフィルムを用いて、以下の検
討を行った。表1にその結果の一覧を示す。
【0042】性能試験 実施例および比較例で得られたシーラントフィルムに対
し、下記の項目について性能試験を行った。
【0043】1.引張弾性率 フィルムを15mm幅の短冊状に切出し、得られた試験
片について万能試験機にて引張試験を行った。試験片が
2%伸びた時点の強度を読取り、これを断面積と歪みと
から引張弾性率に換算した。柔軟なフィルム程、値が小
さくなる傾向がある。値が1000g/cm2 以上であ
れば、適度な剛性があり、自動充填機に対する適性がよ
いことを示す。
【0044】2.シール強度 シール幅10mmのシールバーを用いて、フィルムを圧
力2kg/cm2 、停止時間0.3秒の条件で各温度で
シールした。シールしたフィルムから15mm幅の短冊
状に試験片を切出し、得られた試験片について万能試験
機にて引張速度300mm/分でT型剥離試験を行い、
その時の強度を測定した。
【0045】また、この測定結果から、低温シール性を
評価した。表中の記号は、○:低温シール性がよい、
×:低温シール性が悪い、をそれぞれ示す。
【0046】3.耐圧強度 フィルムを縦170mm、横160mmに切出して、得
られた試験片を横方向に折畳み、5000g/15mm
以上の強度がでるシール条件でヒートシールを行い、パ
ウチを作製した。このパウチに内容物として水を18m
l封入した。
【0047】こうして作製した内容物封入パウチに10
0kgの荷重を1分間加え続けて、これが破袋するかど
うかを調べた。表中の記号は、○:破袋なし、△:破袋
はしないが、シールの一部が剥離、×:破袋、をそれぞ
れ示す。
【0048】4.手裂き性 フィルムに数mmの切込みを入れ、フィルムを手で引き
裂いた時の引裂抵抗感を官能試験した。表中の記号は、
○:非常に軽く裂ける、△:やや荷重はあるが気になら
ない、×:抵抗が強い、をそれぞれ示す。
【0049】また、引き裂いた口の外観形状を調べた。
表中の記号は、○:きれい、×:波打ち屑または糸引き
屑あり、をそれぞれ示す。
【0050】5.耐熱性 上記耐圧試験と同じ方法で調製したパウチを、各温度の
温浴槽に30分浸して加熱処理を行い、熱処理パウチの
内面同士が融着したか否かを判別した。表中の記号は、
○:融着なし、△:融着はあったがすぐに剥がれた、
×:融着は強く剥がれない、をそれぞれ示す。
【0051】試験結果を表1にまとめて示す。
【0052】
【表1】 表中、C4LLは、エチレンと、炭素数4のα−オレフ
ィンを主体とするコモノマーとが、複数の重合活性点を
有する触媒の存在下に共重合されてなるC4のL−LD
PE、C8LLは、エチレンと、炭素数8のα−オレフ
ィンを主体とするコモノマーとが、複数の重合活性点を
有する触媒の存在下に共重合されてなるC8のL−LD
PE、SSCLLは、重合活性点が単一である触媒を用
いた重合反応によって得られたL−LDPEをそれぞれ
意味する。
【0053】表1からわかるように、実施例のシーラン
トフィルムはいずれの項目においても良好な結果を示し
た。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、低温シール性と適度な
コシを有して自動充填に適し、かつ、袋を引き裂く時に
引裂抵抗が小さく裂け口にフィルムの波打ち屑や糸引き
屑ができない手裂き性に優れたシーラントフィルムを提
供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと、1−ブテンを主体とするα
    −オレフィンとが、複数の重合活性点を有する触媒の存
    在下に共重合されてなり、かつ密度が0.910〜0.
    930g/cm3 である直鎖状低密度ポリエチレン(a)
    からなる層の少なくとも一方の面に、重合活性点が単一
    である触媒による重合によって得られ、重量平均分子量
    /数平均分子量の値が1.5〜3.0であり、そして密
    度が0.885〜0.920g/cm3 である直鎖状低
    密度ポリエチレン(b) からなる層が積層されてなり、層
    厚比が直鎖状低密度ポリエチレン(a) からなる層/直鎖
    状低密度ポリエチレン(b) からなる層=1/1〜5/1
    である、シーラントフィルム。
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