JP4553482B2 - 深絞り成形用フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定樹脂からなる外層、中間層、ヒートシール性を有する外層からなる深絞り成形用多層フィルムに関する。より詳しくは、特定のポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなる外層、ポリアミド系樹脂層を含む中間層、ヒートシール層とそれに隣接する内層との2層の外層から構成された深絞り用多層フィルに関する。
【0002】
【従来の技術】
深絞り成形用の底材用包装材料には、深絞り成形性、耐熱性、耐ピンホール性、ラベル適性、蓋材とのシール性等が求められ、特にボイル用途にはボイル後の包装体の光沢、透明性、及びシール強度が要求される。また、被包装物の種類により、蓋材とのイージーピール性を要求される場合もある。これらの要求を満たすべく種々の包装材料が提案されている。特開平6−226930号公報は、最外層をポリブチレンテレフタレート樹脂、最内層をシール性樹脂層とし、中間層にはポリアミド樹脂層などからなるバリア性樹脂層を配してなる深絞り成形用共押出複合フィルムを提案している。特開平8−281892号公報は最内層がヒートシール性樹脂層であり、中間層にポリアミド樹脂層などを含み、最外層に共重合ポリエステル樹脂層を配した深絞り用共押出フィルムを提案している。特開平11−170453号公報は、少なくとも緩衝層とヒートシール層を有する多層フィルムであって、イージーピール性を有する多層フィルムを提案している。
【0003】
また、特許第2724938号は、少なくとも2層からなるヒートシール性積層フィルムであるイージーピール性共押出積層フィルムを提案している。
これらの先行技術では、それぞれ解決すべき課題を解決しているものの、更なる改善が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は深絞り成形した際に、蓋材との貼着部に生じる皺の発生を抑制し、ボイル適性を有し、ボイル後の透明性が維持され、ラベル適性、耐ピンホール性が良好で、柔軟性を有し、成形性良好な深絞り成形用多層フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のポリアミド系樹脂、およびポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなる外層、ポリアミド樹脂層を含む中間層、特定樹脂からなるヒートシール層及びそれに隣接する内層からなる外層を有する多層フィルムが上記課題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明はポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなる外層(A)、少なくともポリアミド系樹脂層を含む中間層(B)、ヒートシール性を有する外層(C)で構成された多層フィルムであって、外層(A)は表層側にあって、ポリアミド系樹脂が飽和吸水率5%未満である脂肪族ポリアミド樹脂あるいは該ポリアミド系樹脂を含む組成物、ポリエステル系樹脂が炭化水素の炭素原子数が3以上のジオール成分とジカルボン酸成分の(共)重合体から選ばれたポリエステル系樹脂であり、外層(C)は表層側に配置されたヒートシール層(C1)と、それに隣接する内層(C2)からなり、ヒートシール層(C1)を形成する樹脂の融点は85℃以上120℃未満であり、内層(C2)を形成する樹脂の融点は120℃以上135℃未満であり、ヒートシール層(C1)を形成する樹脂の融点内層(C2)を形成する樹脂の融点より低く、ヒートシール層(C1)の厚さは5〜30μmであり、内層(C2)の厚さは20〜150μmであり、{ヒートシール層(C1)の厚さ/内層(C2)の厚さ}は1/2〜1/15であり、且つ前記多層フィルムは未延伸であることを特徴とする深絞り成形用多層フィルムを提供する。
【0006】
本発明は、ヒートシール層(C1)が易剥離性(イージーピール性)である前記発明の深絞り成形用多層フィルム、および前記発明においてヒートシール層(C1)を形成する樹脂が、さらにポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂からなる深絞り成形用多層フィルムを提供する。また、内層(C2)がエチレン・α−オレフィン共重合体からなる前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。前記発明においてヒートシール層(C1)が、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー樹脂(IO)から選ばれた少なくとも一種の樹脂からなる深絞り成形用多層フィルムを提供する。
【0007】
本発明は、ヒートシール層(C1)を形成する樹脂が超低密度ポリエチレンである前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。外層(A)のポリエステル系樹脂が引張弾性率200〜1500MPa未満のポリエステル系樹脂である深絞り成形用多層フィルムおよび、外層(A)のポリエステル系樹脂のジオール成分が、シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステル共重合体からなる前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。更に、外層(A)のポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート系樹脂である前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。外層(A)のポリアミド系樹脂がナイロン11又はナイロン12である前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。
また本発明は、中間層(B)がポリアミド系樹脂層以外にガスバリヤ層を含む前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなる外層(A)、ポリアミド系樹脂の層、ガスバリヤ層、ポリアミド系樹脂の層からなる中間層(B)、ヒートシール層に隣接する内層(C2)及びヒートシール層(C1)からなる外層(C)がこの順で配置された前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。さらに、ボイル用である前記発明の深絞り成形用多層フィルムを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の深絞り成形用多層フィルムを構成する外層(A)は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなっている。
外層(A)のポリアミド系樹脂としては、少なくともASTM D−570に準ずる吸水率測定法にて測定した23℃の水中に浸漬した後の飽和吸水率が5.0%未満、好ましくは3.0%未満である脂肪族ポリアミド樹脂が用いられる。ボイル前や後で貼着させたラベルの剥がれ難さ(ラベル適性)および優れた表面光沢の観点から、23℃の水中に浸漬した後の飽和吸水率が5.0%未満であるポリアミド系樹脂が選ばれる。吸水率が5%以上であるとボイル処理の前あるいは後に貼着させたラベルとの接着力が低下しラベル剥がれの問題が生じることがある。
また、多層フィルムをボイル用途に用いる場合、外層(A)は70℃〜沸騰水(98℃)でボイル時間40分間程度のボイル処理あるいはスチームフラッシュを受けるので、これに耐える耐熱性を有することが好ましい。即ち、融点は110℃〜270℃であることが望ましいが好ましくは150〜240℃である。融点が低すぎると、ボイル時に外層(C)の軟化が起き、包装品(パック品)の表面同士が接触したときにブロッキングを生じ易い。また、融点が高すぎると深絞り成形性が劣化する。また、フィルム成形時の押出温度を高くする必要があり、他積層樹脂の分解等の押出性に問題を生じる。例えば、ナイロン11、ナイロン12,ナイロン610、ナイロン612等の脂肪族ポリアミド(共)重合体、或いはその組成物およびこれらの一種を含む混合物を用いることができる。また、ナイロン61−6T、ナイロンMXD6等の芳香族ポリアミド(共)重合体、非晶性ナイロン等の一種を含む混合物を用いることができる。
【0009】
ポリエステル系樹脂を用いる場合は、炭化水素の炭素原子数が3以上、好ましくは3〜8個のジオールとジカルボン酸の重合体、および共重合体から選ばれた樹脂が主成分として用いられる。炭化水素の炭素原子数が2以下のジオールを含む重合体、及び共重合体を使用すると、ボイル後には、外層(A)の表面が粗面化して光沢が劣り、或いは、吸水白化して透明性が著しく低下する。
【0010】
共重合のジオール成分としては炭化水素の炭素原子数が3以上のジオールが選択され、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール以外にトリメチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタメチレングリコール、テトラメチレンオキシドグリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンオキシドグリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキシルグリコール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA等の芳香族ジオールが1種類以上用いられる。
【0011】
共重合のジカルボン酸成分としてはテレフタル酸以外に、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいは、脂肪族ジカルボン酸、またはその酸無水物が1種類以上用いられる。
【0012】
これらの中で酸成分にテレフタル酸、ジオール成分に1,4−ブタンジオールを用いたブチレンテレフタレートのホモ重合体、同じくジオール成分に1,3−プロパンジオールを用いたトリメチレンテレフタレートホモ重合体、共重合ポリエステル系樹脂等が好ましい。さらに、これら組み合わせの共重合体の中でも共重合ポリブチレンテレフタレート(共重合PBT)として、そのジオールのブロック共重合成分としてテトラメチレンオキシドグリコールを用いた、例えば「三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュール5505S」、共重合PBTとしてジカルボン酸のランダム共重合成分としてドデカンジオン酸を用いた、例えば「東レ社製、東レPBT BA97−051」、同じく、共重合PBTとしてジカルボン酸のランダム共重合成分として主にポリテトラメチレングリコールを用いた、例えば「カネボウ合繊社製 カネボウPBT PO2120やPBTS9021」、また、その他共重合ポリエステル樹脂としてシクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸、イソフタル酸の共重合ポリエステル樹脂である、例えば「イーストマンケミカル社製 デュラスター DS2010」、およびこれらの樹脂の混合物、またはこれらの樹脂50重量%を超える量と相溶性を有する熱可塑性ポリウレタン、柔軟性を有する共重合PBT、エステル系エラストマー等との組成物が用いられる。
【0013】
尚、非晶性ポリエステル等の結晶性が無く、ガラス転移温度がボイル温度より低いポリエステルの場合、ボイル時表面の軟化、加水分解等が起きフィルムが白化し外観を損ねるおそれがある。加水分解はポリエステル系樹脂の末端カルボキシル基の影響を受けやすいことから、重合法や末端封止剤により考慮したものが好ましい。固相重合の場合は末端カルボキシル基が少ない。この場合、例えばシクロヘキサンジメタノールなどのような共重合成分を使用し低結晶性を有し、ガラス転移点Tgが85℃以上の共重合ポリエステル系樹脂を使用することで成形性は維持し、耐ボイル性を付与することができる。非晶性PET系樹脂や、低結晶性ポリエステル系樹脂等のポリエステル系樹脂を用いる場合、剛性が大きいので引張弾性率(JIS K−7127に準ずる2.5%割線係数)200〜1500MPa未満、更には200〜1000MPaが好ましい。引張弾性率が1500MPa以上であると深絞り成形性を劣化させ、200MPa未満であるとフィルム表面の滑り性が小さくなりハンドリング性に劣る。外層(A)の厚さは3〜40μm、更には10〜30μmが好ましい。3μm未満では押出製膜上不安定になりやすく厚み斑になりやすく、40μm以上であると深絞り成形性や強度上劣る。
【0014】
中間層(B)のポリアミド系樹脂層は外層(A)と積層することにより優れた耐ピンホール性、深絞り性を付与するために必要である。中間層(B)のポリアミド系樹脂層を構成するポリアミド系樹脂は、前記のポリアミド樹系脂を用いることもできる。さらに、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、あるいは共重合ポリアミドのナイロン6−12、ナイロン6−69、ナイロン6−66、ナイロン66−610、ナイロン6−66−610等が挙げられる。これらポリアミドの中でもDSCで求めた融点が240℃以下、特に230℃以下のものが好適に用いられる。これらのポリアミド系樹脂を主体とする混合物であってもよい。
ナイロンMXD6、ナイロン(6I−6T)等の芳香族ポリアミド樹脂も使用できるが、通常は脂肪族ポリアミド樹脂とのとの混合系で用いる。
また、中間層(B)は、ポリアミド系樹脂層以外に、更にガスバリヤ層を含むことができる。
【0015】
ガスバリヤ層を構成する樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)(エチレン含有率30〜60モル%、ケン化度95%以上)、芳香族ポリアミド系樹脂、例えば、ナイロンMXD6、ナイロン6I−6T、塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル若しくは不飽和ニトリル系樹脂等が用いられる。芳香族ポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂と混合して使用することが多い。これらの中、深絞り成形性、共押出加工性の観点からEVOHを用いるのが好ましい。
中間層(B)は、ガスバリヤ層がポリアミド系樹脂層にサンドイッチされた形態をとってもよい。また、水蒸気バリヤ層として、高密度ポリエチレン(HDPE)、プロピレン系樹脂を含んでもよい。中間層(B)の厚さは、中間層全体として10〜100μm、更には25〜65μmが好ましい。
【0016】
外層(C)は、被包装物に接するヒートシール層(C1)とそれに隣接する内層(C2)から構成される。ヒートシール層(C1)を構成する樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー(IO)等のエチレン系共重合体から選ばれた少なくとも一種の樹脂を主成分とする。ここで、「主成分とする」とは、ヒートシール層(C1)を構成する樹脂中、これらの樹脂の合計が50重量%を越える量含有されていることを意味する。
ヒートシール層(C1)を構成する樹脂の融点は、それに隣接する内層(C2)を構成する樹脂の融点より低く設定する。更に、ヒートシール層(C1)を構成する樹脂を選択する場合は、前記の樹脂から融点が85〜120℃未満の範囲の樹脂、更には100〜120℃未満の樹脂を選ぶことが好ましい。この範囲の融点を有する樹脂を選ぶことにより、深絞り成形時に樹脂が熱板に接触したとき、熱板に付着して熱板の跡が付きフィルムの外観を悪化させること、樹脂の融点が高すぎて、シール性を得るために高いシール温度の設定が必要になり包装内容物への影響を考慮することなく操作できる。
【0017】
ヒートシール層(C1)を構成する好ましい樹脂として、エチレン・α−オレフィン共重合体を挙げることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、シングルサイト触媒系超低密度ポリエチレン(SSC−VLDPE)、及びシングルサイト触媒系直鎖状低密度ポリエチレン(SSC−LLDPE)を挙げることができる。
【0018】
また、ヒートシール層(C1)に、イージーピールの機能を付与するときは、ヒートシール層(C1)を形成する主成分の樹脂の他に、更にポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、例えば、エチレン・プロピレン共重合体(PP−Et)等から選ばれた少なくとも一種の樹脂を含ませることが好ましい。これらの樹脂を添加することにより、ヒートシール層(C1)はより易剥離性を有する層となる。これらの樹脂と主成分樹脂との配合割合は、重量比で5/95〜50/50、更には10/90〜30/70が好ましい。これらの中、PP−Et/EMAA、PP−Et/IO、PP−Et/EVAの配合割合15/85〜30/70が好ましい。
【0019】
ヒートシール層(C1)に隣接する内層(C2)を構成する樹脂は、前記のエチレン・α−オレフィン共重合体の中から選ぶことができる。隣接する内層(C2)を構成する樹脂の融点が120〜135℃の範囲の樹脂を選ぶことが好ましい。深絞り成形時の絞り体積に対し、内容物が不定形で小さい場合、絞られ薄膜化したフィルム部分は、内容物に接するばかりでなく、蓋材とのシール部分のフランジ部まで高さが達する。そのフィルム部分は成形時にある程度延伸されているので、ボイル処理時にフィルムの収縮が生じる。収縮力が大きいと蓋材を折り曲げ皺を発生し、この結果パック品の外観を悪化させ、場合によっては破袋を起こすこともある。このとき隣接する内層(C2)は、収縮応力を吸収する作用を有している。隣接する内層(C2)の樹脂の融点が120〜135℃、更には120〜130℃の(エチレン・α−オレフィン共重合体あるいは)直鎖状低密度ポリエチレンであることが、この現象を抑制するのに好ましい。隣接する内層(C2)の樹脂融点は85〜120℃未満の範囲の樹脂、更には100〜120℃未満を選ぶことが好ましい。内層(C2)と内層(C1)の樹脂融点を上記の範囲にすることにより、薄膜化したフィルム部分の収縮が起きても蓋材とのズレが生じ難くなるのである。前記の不都合な現象は、深絞り成形温度に対してボイル温度が高い場合に起こり易い。
【0020】
更に隣接する内層(C2)の厚さを、ヒートシール内層(C1)の厚さより大きくすることによっても、前記のような皺発生現象の抑制に寄与することができる。ヒートシール層(C1)の厚さは5〜30μm、更には7〜20μmが好ましい。ヒートシール層(C1)の厚さが、小さすぎると製膜時の外観や、シール安定性を損なうことがある。又、イージーピールタイプの場合は、この厚みの範囲内であることにより、切れ残り、糸引き発生等のイージーピール剥離面の外観を悪くする要因が少なくなる。従って、この範囲にあることが好ましい。隣接する内層(C2)の厚さは20〜150μm、更には40〜90μmが好ましい。隣接する内層(C2)の厚さが小さすぎるとボイル後の皺発生抑制効果が発現し難く、厚さが大きすぎると多層フィルム全体に対する内層(C2)の厚さの比率が大きくなり多層フィルムとしての強度不足を生じることがあるので、この厚さの範囲にあることが好ましい。ヒートシール層(C1)の厚さ/隣接する内層(C2)の厚さの比は1/2〜1/15、更には1/3〜1/10の範囲にあることが望ましい。また、外層(C)の厚さは25〜150μm、更には40〜100μmが好ましい。また、全層厚みに対して外層(C)の厚さの割合は、1/3〜3/4であることが好ましい。
【0021】
また、ヒートシール層(C1)に滑剤を適量添加してもよい。好ましい滑剤としては、例えば、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑剤を挙げることができる。添加量は0.2〜2重量%が好ましい。滑剤は、通常マスターバッチの形で加える。例えば、滑剤20重量%含有マスターバッチを1〜10重量%添加することにより前記添加量が得られる。
【0022】
前記各層間の接着を強くするために接着層を必要に応じて設けることができる。接着層に用いる樹脂としては、軟化温度の低い熱可塑性重合体及びこれらの樹脂の不飽和カルボン酸変性物、又は該酸変性物の金属変性物等、並びにこれらを含む混合物が好ましい。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとアクリル酸エチル共重合体、およびマレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又はこれらの無水物などで変性されたオレフィン共重合体、熱可塑性ポリウレタンエラストマーのブレンド樹脂などがある。これらの中でマレイン酸で変性したポリオレフィン、例えばマレイン酸変性LLDPE、VLDPE、EVAなどが好ましく用いられる。
【0023】
本発明の深絞り成形用多層フィルムの製造の際、各樹脂層には必要により、所望する性質を損なわない範囲で各種添加剤、安定剤などを添加してもよい。添加剤の配合は公知の方法により行うことができる。各樹脂はそれぞれ別の押出機で溶融混練され、Tダイ共押出、または円形ダイにより溶融成形される。本発明の多層フィルムは未延伸である。未延伸の場合はTダイ共押出しにより樹脂温度200〜250℃で積層構成の溶融パリソンを成形する。次いでこのパリソンを規定の厚みになるようにドラフト比を設定し、40〜60℃のチルロール上で急冷し、ドラフトして未延伸多層フィルムを得る。積層フィルムを深絞り用に使う場合は前記の厚み範囲のフィルムを使用するのが好ましい。この場合はフィルムのヒートシール層(C1)が被包装物に接する面となるように使用することにより、耐ピンホール性、透明性に優れ、柔軟性に富んでいるため被包装物の形状に密着した包装体を与え、且つ、包装体表面へのラベル貼着性(ラベル適性)も優れたものとなる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、フィルムの各種物性は以下の試験方法により測定した。
1.深絞り成形性
試作フィルムを外層(A)に相当する層が下になるように、深絞り包装機械(大森機械(株)社製、FV603)を用いて直方体容器(機械方向150mm×横方向100mm×深さ80mm)を成形温度85℃、成形時間2秒の条件で成形した。絞り型への忠実性、コーナー部の白化の有無等で深絞り性の判断を行った。また、上記成形条件で成形し、長さ100mm×直径80mmのブロック状焼豚を充填し、延伸ポリプロピレンフィルム30μmとEVOH層/接着層/ナイロン6−66樹脂層/VLDPE層(厚さ20/5/5/20μm)50μmの共押出フィルムをドライラミネートした積層フィルムを蓋材とし、130℃、5kg/cm2、1.5秒の条件で充填し、包装体(パック)を作製しフランジ部分のシールの状況も確認した。
表中、
◎:深絞り金型に忠実な成形が可能であり外観に優れる。
○:深絞り金型のコーナー部までは絞れていないが、白化等は起きていなく、内容物が不定形であるため包装はできる。
△:深絞り金型通りに成形ができず、絞りきれない。あるいはフィルムが白化する等外観に劣る。あるいはフランジ部で完全なシールが全面できていない。
×:深絞り成形時にフィルムが切れる。
を意味する。
【0025】
2.ボイル適性(ボイル適性、透明性)
上記成形条件で成形し、長さ100mm×直径80mmのブロック状焼豚を充填し、延伸ポリプロピレンフィルム30μmとEVOH層/接着層/ナイロン6−66樹脂層/VLDPE層(厚さ20/5/5/20μm)50μmの共押出フィルムをドライラミネートした積層フィルムを蓋材とし、130℃、5kg/cm2、1.5秒の条件で充填し、包装体(パック)を作製した。これを95℃のウオーターバスの中で20分間浸漬しボイル処理を行った。ボイル後パック品を取り出し、水道水で5分間冷却した。冷却終了時点での底材フィルムの白化および包装体フランジ部のシワ発生の有無について観察した。
表中の記号は以下のことを意味する。
◎:ボイル前の透明性、光沢と変わりなく優れている。
○:白化はするが経時的に消失し元の透明性、光沢に戻るか、外観不良のレベルが小さく実用上使用可能。
△:ボイル時の白化がある、あるいはシールフランジ部にシワの発生がある。
×:ボイル前から透明性または光沢に劣る、あるいは著しく白化を起こしており、シワの発生もあることを意味する。
【0026】
3.耐ピンホール性(六角回転テスト)
上記パック品を5℃の冷蔵庫に8時間以上放置し、試料として20個をランダムに入れた箱体を回転させて、経過時間毎に試料を取り出してピンホール(破袋)が発生している試料の数を求めた。箱体は硬質塩化ビニル樹脂製であり、縦断面が正六角形の筒状体である。箱体の回転軸は正六角形の中心線である。箱体の正六角形の一辺の長さは20cmであり、筒の長さは61.5cmであり、箱体を構成する樹脂板の厚さは0.5cmである。筒の中には3枚の長方形状の邪魔板があり、それぞれの邪魔板は正六角形6頂点の内の一つ置きに指定した3頂点から箱体の回転軸に向かって設けられている。その回転軸に向かって伸びる辺の長さは7.8cmであり、他方の辺の長さは箱体の長さと同じであり、邪魔板の厚みは0.5cmである。邪魔板も硬質塩化ビニル樹脂製であり、箱体を5℃の温度雰囲気で30回転/分の条件で5分間回転させた。
表中の記号は以下のことを意味する。
◎:20個すべてピンホールの発生、あるいは破袋が起きない。
○:20個中ピンホール、あるいは破袋の発生が1個〜2個ある。
△:20個中ピンホール、あるいは破袋の発生が3個〜5個ある。
×:20個中ピンホール、あるいは破袋の発生が6個以上であり、実用に耐えないことを意味する。
【0027】
4.ラベル適性
アクリル系粘着剤を使用したラベルを用いて以下の条件でラベルしたものの剥離強度を測定した。ラベルを貼り付けた部分を15mm幅に切り出し、オリエンテック社製、テンシロンRTC−1210Aにより初期チャック間距離を50mmとし、引張速度は300mm/分にて剥離強度を測定した。
ボイル適性と同様の方法で焼豚を充填した包装体を95℃のウォーターバスの中で20分間浸漬しボイル処理を行い、ボイル後パック品を取り出し、水道水で5分間冷却した。冷却後、包装体の底材表面にラベルを付着し5℃の冷蔵庫に8時間以上放置した。放置後、剥離強度の測定を行った。単位はgf/15mmである。
表中、○は剥離強度が実用上問題ない、600gf/15mm以上である。△は著しい***を受けた場合、ラベルが剥離してしまう可能性のある、300〜600gf/15mmである。×は静置していてもラベルが剥離してしまう可能性のある300gf/15mmであること、或いは外層(A)の表面が粗面化してラベルが貼れる状態ではなかったことを意味する。
【0028】
(実施例1)
以下の6種の樹脂材料を用いて7層構成の多層フィルムを製膜した。
(1)第1層(外層(A))のブチレンテレフタレート系共重合体として、テトラメチレングリコール−テレフタル酸−ポリテトラメチレンオキシドグリコールの共重合体PBT1(三菱エンジニアリングプラスチック社製;「ノバデュール5505S」、密度;1.28g/cm3(以下、密度の単位は省略する。)、融点222℃、相対粘度1.15)、この樹脂単体フィルムをJIS K−7127に準じて、オリエンテック社製、テンシロンRTC−1210Aにより引張弾性率を測定したところ、その値は720MPaであった。
(2)第2層(接着剤層)として、マレイン酸変性EVA系樹脂(三井化学株式会社製、「アドマーAT1591」、密度;0.919、MFR=12.0g/10分(190℃))、
(3)第3層(中間層(B))として、6−66共重合ポリアミドNy(東レ(株)社製「アミランCM6001XF」、密度;1.13、相対粘度3.2、融点:195℃、共重合比(重量)6Ny:66Ny=85:15)(Ny6/66)、
(4)第4層(中間層(B))として、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(日本合成化学(株)社製、「ソアノールA4412B」、密度;1.14、MFR=12.0g/10分(210℃)、融点:164℃、エチレン含有量44モル%)、
(5)第5層(接着剤層)は第2層と同じ、
(6)第6層(外層(C2))として、直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE(ダウケミカル社製、「エリート5200」、密度:0.917,MFR=4.0g/10分(190℃)、融点:122℃)、
(7)第7層(外層(C1)):(ヒートシール層)として、超低密度ポリエチレンVLDPE(出光石油化学(株)社製、「モアテックV−0398CN」、密度:0.907、MFR=3.3g/10分(190℃)、融点:119℃)(VLDPE1)に対してアンチブロッキング剤として酸化珪素0.4重量%、滑剤としてエルカ酸アマイド0.1重量%を添加した樹脂を使用した。
多層フィルムは6台の押出機を使用した。6種の樹脂材料を別々に溶融混練し、Tダイ共押出しにより樹脂温度230℃で第1層/第2層/第3層/第4層/第5層/第6層/第7層構成の溶融体を規定の厚みになるようにドラフト比を設定し、40℃のチルドロール上で急冷し、ドラフトして未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0029】
(実施例2)
層構成を以下の通りに変えた以外は実施例1と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィルムを得た。即ち、第3層をEVOH(日本合成化学(株)社製、「ソアノールA4412B」、)、第4層を6−66共重合ポリアミドNy(東レ(株)社製「アミランCM6001XF」)(Ny6/66)、第7層(外層(C1層))をエチレン−1−オクテン共重合体(ダウケミカル社製、VLDPE、「AFFINITY FW1650」、密度:0.902、MFR=3.0g/10分[190℃]、融点:98℃)(VLDPE2)に変えた。
得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/15/40/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0030】
(実施例3)
厚み構成を下記のように変えたこと以外は、実施例1と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/30/25/15/90/15μm(合計200μm)であった。
【0031】
(実施例4)
厚み構成を下記のように変えたこと以外は、実施例1と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/10/30/15/90/15μm(合計200μm)であった。
【0032】
(実施例5)
厚み構成を下記のように変えたこと以外は、実施例1と同様な押出製膜法により7層構成の多層フィルムを得た。即ち、第1層をPBT2(カネボウ合繊(株)社製「カネボウPBT P02120」、密度;1.21、MFR=9.1g/10分[250℃、荷重325g、オリフィス径φ2mm]、融点:186℃)に変えた。このPBT2の引張弾性率は290MPaであった。
得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0033】
(実施例6)
第7層(ヒートシール層)の樹脂をエチレン−メタクリル酸共重合体EMAA(三井デュポンポリケミカル社製、「ニュクレル N0903HC」、密度=0.93g/cm3、MFR=3.3g/10min(190℃測定)、融点=98℃、メタクリル酸含有量=9重量%)とエチレン−ポリプロピレン共重合体PP−Et(日本ポリケム社製、「ノバテック EG7HT」、密度=0,91g/cm3、MFR=1.7g/10min(230℃測定)、融点=149℃、エチレン含有量=3重量%)を70/30重量%の比率で前もって二軸押出機溶融混練押出しを行いリペレットしたものを使用したこと以外は実施例1と同様の樹脂を用いた。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/10/30/15/90/15μm(合計200μm)であった。
【0034】
(実施例7)
第1層の樹脂としてブチレンテレフタル酸ホモポリマー(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、「ノバデュール5010」、密度;1.31g/cm3、融点224℃)(PBT3)を用いた。このPBT3の引張弾性率は1070MPaであった。それ以外は実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/30/15/15/85/15μm(合計200μm)であった。
【0035】
(実施例8)
第1層の樹脂としてポリアミドNy11(アトケム社製、「リルサンBESVOAFDA」、密度;1.04g/cm3、融点188℃、飽和吸水率1.9%)
を用いたこと以外は実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/15/40/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0036】
(実施例9)
第1層の樹脂としてシクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸、イソフタル酸の共重合ポリエステル樹脂である(イーストマンケミカル社製、 「デュラスター DS2010」、密度;1.2g/cm3、融点240℃)(PES1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μmであった)。
【0037】
(実施例10)
第1層の樹脂として「デュラスター DS2010」(PES1)70重量%に対し「カネボウPBT PO2120」(PBT2)を30重量%ブレンド品とした以外は、実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μmであった)。
【0038】
比較例1)第6層(C2層)の樹脂として高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製、「ノバテックHD HJ560」、密度0.964、MFR=7.0g/10分[190℃]融点:136℃、)(HDPE)を用いたこと以外は実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/10/30/15/90/15μm(合計200μm)であった。
【0039】
(比較例)第7層(C1層)の樹脂としてLLDPE(ダウケミカル社製、「エリート5200」)を用いたこと以外は実施例2と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/15/40/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0040】
(比較例)第6層(C2層)の樹脂と第7層(C1)樹脂ともに、VLDPE1(出光石油化学(株)社製、「モアテックV−0398CN」)を用いたこと以外は実施例2と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/15/40/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0041】
(比較例)第6層(C2層)の樹脂としてVLDPE2(ダウケミカル社製、VLDPE、「AFFINITY FW1650」)を用いた、すなわち、第6層(C2層)の樹脂と第7層(C1)樹脂ともに、VLDPE2を使用すること以外は実施例2と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/15/40/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0042】
(比較例)外層のC2層樹脂としてEVA1(日本ポリケム社製、「ノバテックEVALV540、密度;0.94g/cm、MFR=2.5g/10min[190℃]、融点83℃、酢酸ビニル含量20重量%」)を使用した以外は、実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μmであった)。
【0043】
(比較例)他の外層C2層樹脂としてエチレン−メタクリル酸共重合体EMAA(三井デュポンポリケミカル(株)社製、「ニュクレル0903HC」密度;0.93g/cm、MFR=3.3g/10min[190℃測定]、融点=98℃、メタアクリル酸含有量=9重量%)としたこと、及び(C1層)の樹脂をEMAA/PP(ポリプロピレン)=80/20(重量比)としたこと以外は実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μm)であった。
【0044】
(比較例)第1層の樹脂としてテレフタル酸とエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの共重合体である「イーストマンケミカル社製 イースターPETG6763」(Co−PET)とした以外は、実施例1と同様の樹脂を用い、同様の操作で未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/40/15/15/75/15μm(合計200μmであった)。
【0045】
(比較例)第1層(外層(A))の樹脂として、ポリアミド樹脂Ny6(東レ社製、「アミランCM1021FS4」、密度:1.13、融点:225℃、飽和吸水率10.7%)を、中間層(B)として、実施例1で用いたEVOH層、接着剤として酸変性EVA及び(Ny6/66)層を、(C2層)樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体EVA(住友化学(株)社製、「エバテートD2011」(EVA2)密度:0.92、MFR=2.0g/10分[190℃]、融点:103℃、酢酸ビニル含量5重量%)を、(C1層)樹脂としてEVA(「ノバテックEVA LV540」)(EVA1)を用い、Tダイ共押出しにより5層の未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に20/20/15/50/15μm(合計120μm)であった。
【0046】
(比較例)第1層(外層(A))の樹脂として、Co−PET「イーストマンケミカル社製 イースターPETG 6763」を、中間層(B)として、実施例1で用いた接着剤の酸変性EVA、及びEVOH層を用い、Tダイ共押出しにより5層の未延伸多層フィルムを得た。得られた多層フィルムの厚みは第1層から順に25/15/20/15/110/15μm(合計200μmであった)。各実施例及び比較例の各多層フィルムの層構成樹脂及び厚さを表1、評価結果を表2に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、深絞り成形性、ボイル適性、耐ピンホール性、柔軟性、透明性の点でバランスのとれた深絞り成形用多層フィルムを提供することができる。特に本発明の多層フィルをボイル用途に用いた場合には、包装仕上がり品の透明性、光沢が保たれた、外観の優れた包装体を与える。

Claims (13)

  1. ポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなる外層(A)、少なくともポリアミド系樹脂層を含む中間層(B)、ヒートシール性を有する外層(C)で構成された多層フィルムであって、外層(A)は表層側にあって、ポリアミド系樹脂が飽和吸水率5%未満である脂肪族ポリアミド樹脂あるいは該ポリアミド系樹脂を含む組成物、ポリエステル系樹脂が炭化水素の炭素原子数が3以上のジオール成分とジカルボン酸成分の(共)重合体から選ばれたポリエステル系樹脂であり、外層(C)は表層側に配置されたヒートシール層(C1)と、それに隣接する内層(C2)からなり、ヒートシール層(C1)を形成する樹脂の融点は85℃以上120℃未満であり、内層(C2)を形成する樹脂の融点は120℃以上135℃未満であり、ヒートシール層(C1)を形成する樹脂の融点内層(C2)を形成する樹脂の融点より低く、ヒートシール層(C1)の厚さは5〜30μmであり、内層(C2)の厚さは20〜150μmであり、{ヒートシール層(C1)の厚さ/内層(C2)の厚さ}は1/2〜1/15であり、且つ前記多層フィルムは未延伸であることを特徴とする深絞り成形用多層フィルム。
  2. ヒートシール層(C1)が易剥離性(イージーピール性)である請求項に記載の深絞り成形用多層フィルム。
  3. ヒートシール層(C1)を形成する樹脂が、さらにポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂からなる請求項記載の深絞り成形用多層フィルム。
  4. 内層(C2)がエチレン・α−オレフィン共重合体からなる請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  5. ヒートシール層(C1)が、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー樹脂(IO)から選ばれた少なくとも一種の樹脂からなる請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  6. ヒートシール層(C1)を形成する樹脂が超低密度ポリエチレンである請求項に記載の深絞り成形用多層フィルム。
  7. 外層(A)のポリエステル系樹脂が引張弾性率200〜1500MPa未満のポリエステル系樹脂である請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  8. 外層(A)のポリエステル系樹脂のジオール成分が、シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステル共重合体からなる請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  9. 外層(A)のポリエステル系樹脂がポリブチレンテレフタレート系樹脂である請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  10. 外層(A)のポリアミド系樹脂がナイロン11又はナイロン12である請求項1〜のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  11. 中間層(B)がポリアミド系樹脂層以外にガスバリヤ層を含む請求項1〜10のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
  12. ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂からなる外層(A)、ポリアミド系樹脂の層、ガスバリヤ層、ポリアミド系樹脂の層からなる中間層(B)、ヒートシール層に隣接する内層(C2)及びヒートシール層(C1)からなる外層(C)がこの順で配置された請求項11に記載の深絞り成形用多層フィルム。
  13. ボイル用である請求項1〜12のいずれかに記載の深絞り成形用多層フィルム。
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