JP6520104B2 - シーラントフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、包装材料用のシーラントフィルムであって、直進カット性を有する基材と積層せずとも、それ自体が、一方向への直進カット性を有するシーラントフィルム、それよりなる包装材料及び包装体、並びにシーラントフィルムの製造方法に関する。
食品、化成品、医薬品等の包装袋に使用される包装材料には、手で引裂いた時に、真っ直ぐ簡単に切れ、これによって包装袋を容易に開封できるよう、一方向への直進カット性を有することが求められている。
このような直進カット性包装材料としては、一方向への直進カット性を有する基材と、シーラントフィルムとを積層した包装材料が知られている(特許文献1)。
しかしながら、このタイプの直進カット性包装材料において、基材は、直進カット性と基材特性とを有する特定のフィルムのみに限定され、それ以外の多種多様なフィルムを選択することができない。あるいは、直進カット性を有しないフィルムを基材として使用する場合は、この基材とシーラントフィルムとに加えて、さらに、直進カット性を付与するための特殊フィルムを積層する必要がある。この場合、膜厚の増加に伴いカット性が低下するため、これを補うためのさらなる手段、例えばノッチを設ける必要がある。また、剥離面に樹脂が繊維状に残存する、いわゆる糸曳きを発生し易いという問題がある。
これらの問題に対し、直進カット性を有しない基材とシーラントフィルムとからなる包装材料に、レーザやミシン目を入れることによって、直進カット性を持たせることが行われている。しかしながら、密封性や各種機能性が損なわれたり、レーザやミシン目を入れるためのさらなる専用設備が必要であったりするために、仕様に様々な制限がある。
この問題に対し、シーラントフィルム自体に直進カット性を付与することも検討されている(特許文献2)。
しかしながら、これまでの直進カット性シーラントフィルムは、プロピレン系樹脂を主成分とするものであったため、低温シール性に劣るという問題がある。
国際公開WO2004/020309号パンフレット 特開2011−162667号公報
上記の問題に対し、本発明は、一方向のみの直進カット性に優れ、且つ、低温シール性に優れるシーラントフィルムを提供することを目的とする。
本願発明者らは、種々研究の結果、少なくとも、第1の樹脂層、第2の樹脂層及び第3の樹脂層が順に積層されたシーラントフィルムであって、該第1の樹脂層及び第3の樹脂層は、該シーラントフィルムの最表層であって、ポリエチレン系樹脂からなる層であり、該第2の樹脂層は、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの混合樹脂からなる層であり、JIS Z1702の引張試験に準拠して該シーラントフィルムの破断伸度を測定したときに、一方向の破断伸度(E1)と、該一方向に直交する方向の破断伸度(E2)との比(E1/E2)が0.1〜0.4である、上記シーラントフィルムが、上述の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)少なくとも、第1の樹脂層、第2の樹脂層及び第3の樹脂層が順に積層されたシーラントフィルムであって、該第1の樹脂層及び第3の樹脂層は、該シーラントフィルムの最表層であって、ポリエチレン系樹脂からなる層であり、該第2の樹脂層は、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの混合樹脂からなる層であり、JIS Z1702の引張試験に準拠して、該シーラントフィルムの破断伸度を測定したときに、一方向の破断伸度(E1)と、該一方向に直交する方向の破断伸度(E2)との比(E1/E2)が0.1〜0.4である、上記シーラントフィルム。
(2)前記一方向の破断伸度(E1)が100〜300%である、上記(1)に記載のシーラントフィルム。
(3)前記一方向の破断伸度(E1)は、機械流れ方向(MD)の破断伸度(EMD)であり、前記一方向と直交する方向の破断伸度(E2)は、機械流れ方向と直交する方向(TD)の破断伸度(ETD)である、上記(1)または(2)に記載のシーラントフィルム。(4)前記第1の樹脂層及び第3の樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂は、シングルサイト触媒を使用して重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体であり、前記第2の樹脂層を構成する混合樹脂中のポリエチレン系樹脂は、マルチサイト触媒を使用して重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシーラントフィルム。
(5)前記第1の樹脂層と第2の樹脂層との間、及び/または、第2の樹脂層と第3の樹脂層との間に、熱可塑性樹脂からなる中間層を含む、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のシーラントフィルム。
(6)前記第2の樹脂層を構成する混合樹脂は、環状ポリオレフィンを20〜50質量%の割合で含む、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のシーラントフィルム。
(7)共押出成形されたものである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のシーラントフィルム。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のシーラントフィルムをヒートシール層として有する包装材料からなる包装体。
(9)少なくとも、第1の樹脂層、第2の樹脂層及び第3の樹脂層が順に積層されたシーラントフィルムを、インフレーション法により共押出成形するシーラントフィルムの製造方法であって、該第1の樹脂層及び第3の樹脂層は、該シーラントフィルムの最表層であって、ポリエチレン系樹脂からなる層であり、該第2の樹脂層は、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの混合樹脂からなる層であり、JIS Z1702の引張試験に準拠して、該シーラントフィルムの破断伸度を測定したときに、一方向の破断伸度(E1)と、該一方向に直交する方向の破断伸度(E2)との比(E1/E2)が0.1〜0.4となるように、ダイス温度を160〜180℃にして押し出して、第1の樹脂層及び第3の樹脂層を形成する、シーラントフィルムの製造方法。
本発明の直進カット性シーラントフィルムは、一方向のみの直進カット性に優れるため、包装体のシーラント層として用いた場合に、包装体に易引裂性を付与することができる。また、シーラントフィルムの主成分がポリエチレンであるため、低温シール性に優れる。
本発明のシーラントフィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のシーラントフィルムの層構成について、他の一例を示す概略的断面図である。 ピロー包装袋を示す正面図である。 エルメンドルフ引裂試験結果を示すグラフである。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
<1>本発明のシーラントフィルムの層構成
図1及び2は、本発明のシーラントフィルムの層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明のシーラントフィルムは、図1に示すように、第1の樹脂層1、第2の樹脂層2及び第3の樹脂層3、の3層を基本の構成とする。ここで、第1の樹脂層1及び第3の樹脂層3は、シーラントフィルムの最表層に位置し、ポリエチレン系樹脂からなる層である。また、第2の樹脂層2は、第1の樹脂層と第3の樹脂層との間に位置し、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの混合樹脂からなる層である。
また、図2に示すように、第1の樹脂層1と第2の樹脂層2との間には、所望に応じて、熱可塑性樹脂からなる中間層4を設けてもよい。同様に、第2の樹脂層2と第3の樹脂層3との間には、所望に応じて、熱可塑性樹脂からなる中間層5を設けてもよい。中間層4及び5は、それぞれ、単層構成であっても、または、同じか異なる熱可塑性樹脂からなる多層構成であってもよい。
また、本発明の一態様において、第2の樹脂層を中心とした対称の層構成とすることにより、製膜後のカールを防止することができる。
上記本発明のシーラントフィルムのいずれか一方の面に、基材を任意の方法でラミネートすることにより、一方向のみの直進カット性に優れた包装材料が得られる。
<2>破断伸度
本発明のシーラントフィルムは、破断伸度に方向性を有する。すなわち、本発明は、フィルムの一方向について測定される破断伸度E1と、これに直交する方向について測定される破断伸度E2とが異なり、このE1とE2との比が特定の範囲にあるときに、一方向のみ優れた直進カット性が発揮されるという発見に基くものである。このため、本発明のシーラントフィルムは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等のポリアミド(PA)等のような様々な基材と組み合わせることができ、多種多様な包装材料を構成することができるため、使用用途を広げることができる。
具体的には、本発明のシーラントフィルムにおいて、E1/E2の値は0.1〜0.4の範囲であり、さらに好ましくは0.12〜0.38である。E1/E2の値が0.1未満であると、フィルムの配向の縦横のバランスが悪くなり、フィルムの耐衝撃性等の強度が著しく低下する。また、E1/E2の値が0.4より大きいと、一方向のみの直進カット性に優れたシーラントフィルムとすることができない。
また、破断伸度E1及びE2のうち、より小さい破断伸度E1の値は、100〜300%、より好ましくは110〜280%である。E1が100%未満であると、良好な製膜性が得られない。また、E1が300%より大きいと、一方向のみの直進カット性に優れたシーラントフィルムとすることができない。
なお、本発明において、破断伸度は、JIS Z1702に準拠して行う引張試験において、15mm幅の短冊型試験片に、2本の標線を標線間距離50mmで引き、試験片が破断するまで引張荷重を加え、その破断(切断)時の標線間距離から計算される。具体的には、下記の式で表される値である:
E=(L−L0)/L0×100
E:破断伸度(%)
L:破断時の標線間距離(mm)
0:試験前の標線間距離(mm)
本発明の好ましい態様において、より小さい破断伸度E1は、シーラントフィルムの製膜時の搬送方向であるMD方向に引張荷重を加えたときの破断伸度EMDであり、より大きい破断伸度E2は、該MD方向に直交する方向であるTD方向に引張荷重を加えたときの破断伸度ETDである。EMD/ETDの比が0.1〜0.4であると、TD方向にのみ優れた直進カット性が発揮されるため、例えば、ピロー包装袋を構成する包装材料用のシーラントフィルムとして好適に使用することができる。ピロー包装袋の一例を図3に示す。ピロー包装袋10は、例えば、少なくとも基材にシーラントフィルムが積層された包装材料で構成されたロール原反を繰り出し、合掌シール部13及び底部シール部11を形成した後、開口した端部から内容物を充填し、開口を閉じて天部シール部12を形成することにより作製することができる。本発明のシーラントフィルムは、レーザ加工やカッター等で形成されたハーフカット線等の易開封線やノッチや傷痕群等の易開封手段を設けない場合であっても、ピロー包装袋の幅方向(図3における横方向)に易引裂性を付与することができる。
<3>層厚
本発明において、シーラントフィルムの総厚及び各層の厚さは、高い直進カット性や所望のシール強度を得るために、例えば、シーラントフィルムの総厚は20〜125μm、より好ましくは40〜80μmである。また、各層の厚みについて、第1の樹脂層の厚みは、例えば、それぞれ3〜50μmであり、好ましくは5〜20μmである。そして、第2の樹脂層の厚みは、例えば、3〜25μmであり、好ましくは3〜10μmである。そして、第3の樹脂層の厚みは、例えば、3〜50μmであり、好ましくは5〜30μmである。またさらに、第2の樹脂層の厚みは、シーラントフィルム全体の厚みに対して、1/10〜1/3の割合が好ましく、より好ましくは1/8〜1/4である。第2の樹脂層が薄過ぎると、直進カット性が得られにくい。逆に、第2の樹脂層が厚く、その他の層が薄過ぎると、所望のシール強度やフィルムの強度が得られない可能性がある。
本発明の一態様において、第1の樹脂層と第2の樹脂層との間に中間層を設ける場合、この中間層の厚みとしては、例えば、2〜30μmである。熱可塑性樹脂からなる中間層を挟むことによって、製膜後のフィルムのカールを防止したり、あるいは、層間の密着性をさらに向上させることができる。また、第2の樹脂層と第3の樹脂層との間に中間層を設ける場合も同様である。
<4>第1及び第3の樹脂層を形成するポリエチレン系樹脂
第1及び第3の樹脂層を形成するポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE、密度0.940g/cm3以上)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度0.925以上0.940g/cm3未満)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、エチレンとα−オレフィンとの共重合体)、及びこれらの混合物を挙げることができる。
本発明において、低密度ポリエチレン(LDPE)とは、高圧法エチレン単独重合体であり、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とは、チーグラーナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒またはメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、いずれも、密度が0.925g/cm3未満のものを指す。LLDPEのコモノマーとなるα−オレフィンとしては、炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ノネン、4−メチルペンテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリエチレン(PE)を用いることにより、ポリプロピレン(PP)に比べて良好な低温シール性が得られる。特に、LLDPEを用いることにより、優れた低温シール性が得られる。また、スナック菓子のような軽包装以外の用途、例えば、シャンプー等の詰め替え用包材の用途にも使用することができるため、使用用途を広げることができる。
本発明において、第1の樹脂層を形成するLLDPEの密度は、好ましくは0.910〜0.925g/cm3であり、さらに好ましくは、0.915〜0.923g/cm3である。そして、第3の樹脂層を形成するLLDPEの密度は、好ましくは0.910〜0.925g/cm3であり、さらに好ましくは、0.910〜0.920g/cm3である。なお、第3の樹脂層が包装材料の最表層となる層、つまり、包装体の最内面となる層である。
なお、本発明のシーラントフィルムを構成する各層において、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、公知の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、滑剤、アンチブロッキング剤、撥水剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤等が挙げられる。
<5>第2の樹脂層を形成する混合樹脂
第2の樹脂層を形成する混合樹脂において好適に使用されるポリエチレン系樹脂としては、上記第1及び第3の樹脂層について記載されるものと同様のポリエチレン系樹脂が挙げられる。
隣接する樹脂層との層間接着強度を高めるためには、隣接する樹脂層を形成するポリエチレン系樹脂と同じポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
特に、第1及び第3の樹脂層がLLDPEからなる場合、同様にLLDPEを用いることにより、高い層間接着強度が得られる。
また、さらに好ましくは、第1及び第3の樹脂層を形成するポリエチレン系樹脂が、シングルサイト触媒を使用して重合されたLLDPEであり、第2の樹脂層を形成する混合樹脂中のポリエチレン系樹脂が、マルチサイト触媒を使用して重合されたLLDPEである。メタロセン触媒で重合したLLDPEは、マルチサイト触媒を使用して重合したものに比べて、引張強度、引裂強度、降伏強度等の強度が高い。したがって、第1及び第3の樹脂層が、強度のより高いLLDPEからなり、第2の樹脂層が、強度のより低いLLDPEと環状ポリオレフィンとからなることにより、第1及び第3の樹脂層と、第2の樹脂層との強度差がさらに大きくなる。これにより、本発明のシーラントフィルムは、直進カット性がさらに高まる一方で、フィルムとしての強度も高まり、加工性に優れる。
本発明において、第2の樹脂層を形成するLLDPEの密度は、好ましくは0.910〜0.925g/cm3であり、さらに好ましくは、0.915〜0.920g/cm3である。
ここで、シングルサイト触媒(メタロセン触媒、いわゆるカミンスキー触媒を含む)は、活性点が均一(シングルサイト)であるという特徴を持つ。このシングルサイト触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されて使用されることもある。
本発明において、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属[チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)]に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基または置換フルオニル基が1乃至2結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものが挙げられる。
また、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等が挙げられる。ここで、アルキルアルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成される。例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで得られる。
一方、第2の樹脂層を形成する混合樹脂において好適に使用される環状ポリオレフィンは、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体(COP)、及び、環状オレフィンとα−オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、すなわち環状オレフィンコポリマー(COC)を包含する。
環状オレフィンとしては、エチレン系不飽和結合及びビシクロ環を有する任意の環状炭化水素を使用することができるが、特にビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)骨格を有するものが好ましい。
具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン及びその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン及びその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−ウンデセン及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン及びその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン及びその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン及びその誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。環状オレフィンは、置換基として、エステル基、カルボキシル基、及びカルボン酸無水物基等の極性基を有していてもよい。
環状オレフィンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンを使用することができ、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、好ましくはエチレンである。
本発明において、開環メタセシス重合体の製造は、公知の開環メタセシス重合反応であれば特に限定されず、上記の環状オレフィンを、重合触媒を用いて開環重合させることによって製造することができる。
また、環状オレフィンコポリマーの製造は、25〜45モル%のα−オレフィンと、55〜75モル%の環状オレフィンとを、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒やマルチサイト系触媒を用いてランダム重合させることによりなされる。
本発明において好適に使用される開環メタセシス重合体及び環状オレフィンコポリマーは、いくつか市販されており、例えば日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR(R)」やポリプラスチック株式会社製の「TOPAS(R)」等が挙げられる。
本発明の一態様において、例えば、環状ポリオレフィンが、シーラントフィルム全体の質量を基準として、3.0〜25質量%、好ましくは3.0〜12.5質量%、より好ましくは3.5〜10質量%となるように混合樹脂中に配合されると、一方向のみの直進カット性、耐衝撃性、シール性に優れたシーラントフィルムとすることができる。環状ポリオレフィンの配合量が多過ぎると、シール性及び耐衝撃性が損なわれ得る。
また、第2の樹脂層を形成する混合樹脂は、ポリエチレン系樹脂50〜85質量%と、環状ポリオレフィン15〜50質量%とのブレンド樹脂であることが好ましい。より好ましくは、ポリエチレン系樹脂50〜80質量%と環状ポリオレフィン20〜50質量%とのブレンドであり、さらに好ましくは、ポリエチレン系樹脂60〜80質量%と環状ポリオレフィン20〜40質量%とのブレンドである。
本発明の上記範囲内において、第2の樹脂層の層厚を薄くし、且つ、第2の樹脂層中の環状ポリオレフィン濃度を高くすることにより、直進カット性が一層高まる傾向がある。
<6>中間層を形成する熱可塑性樹脂
中間層を形成する熱可塑性樹脂は、第1または第3の樹脂層と、第2の樹脂層との接着性を有する任意の熱可塑性樹脂であってよい。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、上記第1〜第3の樹脂層について記載されるものと同様のポリエチレン系樹脂を、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。高い接着性が得られることから、特に好ましくはポリエチレン系樹脂である。
中間層を設けることにより、所望の層間接着強度を容易に達成することができる。また、中間層の構成を選定することにより、製膜後のフィルムがいずれかの方向にカールするのを防ぐように制御することができる。
<7>製造
上記の特定の破断伸度を有する本発明のシーラントフィルムは、各層を形成する樹脂を溶融し、インフレーション法により共押出することにより、好適に製造することができる。
インフレーション法において、各溶融樹脂を、押出機から環状のダイスを通して円筒状に共押出し、この円筒状の溶融樹脂内に空気等の冷媒を吹き入れて、所定の寸法に膨らませた後、ロールに巻き取ってフィルム状に製膜する。
インフレーション法においては、まず、加熱溶融工程において、ホッパーから原料となる各樹脂を供給し、これを押出機において加熱して溶融させる。得られた溶融樹脂は、ヒーター/ブロワーにより、押出に適した温度(押出温度)に調整されながら、押出機の先端に設置された環状ダイスまで送られる。次いで、インフレーション工程において、溶融樹脂が、環状ダイスから円筒状に押出される。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気を送る。この膨張した円筒状体をバブルとよぶ。次いで、バブルを、案内板及びピンチロールによってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部において巻き取るものである。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。
環状ダイスより押し出された樹脂は、製膜流れ方向(MD方向)及び円筒の径方向(TD方向)の両方に張力がかけられるが、製膜流れ方向に張力をより強めにかけることにより、冷却時に流れ方向でのポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの収縮差がより大きくなり、MD方向の破断伸度が小さくなり、TD方向(横方向)への直進カット性、易引裂性が発現すると考えられる。しかしながら、製膜流れ方向へ張力が強くかかり過ぎると、インフレーション製膜時のフィルムの自重に耐えきれず、フィルムが切れてしまう。したがって、好適な張力がかかるよう、ダイス温度や吐出量の調節が行われる。
具体的には、通常のインフレーション法では、上記押出工程において、原料樹脂は、その融点よりも少なくとも90℃は高いダイス温度で溶融され押し出される。したがって、例えばLLDPEの場合は、200℃前後で加熱溶融され、環状ダイスから押出製膜される。ダイス温度が低すぎると、樹脂の溶融粘度が高くなって、樹脂の混練不良によるフィッシュアイの発生(外観不良)、フィッシュアイの発生による膜切れという問題等が生じ易いため、この温度を低下させることは一般的にはあまり行われない。しかしながら、このダイス温度を、通常よりも約10〜15℃程度低く設定し、例えば約160〜180℃のダイス温度で、各樹脂を溶融押出し、溶融粘度をやや高めにすることにより、張力の制御が容易になる。さらに、破断伸度比EMD/ETDが0.1〜0.4であり、且つEMDが100〜300%となるように、溶融樹脂の吐出量等を調節することにより、本発明のシーラントフィルムを製造することができる。
また、本発明の一態様において、第2の樹脂層を形成する混合樹脂の加熱溶融温度を、その他の層を形成する樹脂の加熱溶融温度よりも高めに、例えば5〜20℃、あるいは10〜15℃高く設定することにより、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとをより均質に混錬することができる。
<8>一方向のみに優れた直進カット性を発現する理由
本発明のシーラントフィルムが、一方向のみに優れた直進カット性を発現する理由としては、以下のように考えられる。すなわち、第2の樹脂層は、面方向において、ポリエチレン系樹脂が海となり、環状ポリオレフィンが島となる、所謂海島構造を取っているものと考えられる。そして、シーラントフィルムの製膜時に、溶融樹脂を押し出した後冷却したときに、より強めに張力をかけた方向(例えばMD方向)環状ポリオレフィンが収縮することにより、ポリオレフィン系樹脂と環状ポリオレフィンとの間に空隙が生じ、この空隙が形成された箇所は脆くなるため、それと直交する方向(例えばTD方向)のみに優れた直進カット性が発現するものと考えられる。
<9>包装材料への適用
本発明のシーラントフィルムの第1及び第3の樹脂層のいずれかの面を、任意の基材と対向させてラミネートすることにより、一方向への直進カット性に優れる包装材料が得られ、該包装材料を用いて包装体を形成することができる。
上記基材としては、通常の包装材料の基材として使用可能な様々なプラスチックフィルムが使用可能である。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン等のポリアミド(PA)等からなるプラスチックフィルムを使用することができる。または、これらのプラスチックフィルムを2層以上積層した多層フィルムであってもよい。多層フィルムである場合、各層は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
また、これらのプラスチックフィルムは、一軸または二軸方向に延伸されたものであってもよい。その他、基材として、紙等も使用することができる。さらに、基材と本発明のシーラントフィルムとの間に中間層を積層するようにしてもよい。
本発明において、基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、好適な易引裂性を発現するために、好ましくは9〜80μmであり、より好ましくは12〜50μmであり、さらに好ましくは12〜25μmである。
基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、プラスチックフィルムは、本発明のシーラントフィルムを積層する側の面に、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を施してもよい。また、基材上に、文字、図形、記号、絵柄等の印刷層を設けてもよい。
本発明のシーラントフィルムと基材とのラミネートは、任意の方法により、例えばサンドイッチラミネート法またはドライラミネート法等により、適宜に行うことができる。
また、上記で得られた包装材料を用いて、本発明のシーラントフィルムの面を対向させて重ね合せ、例えば、ピローシール型(合掌貼りシール型)、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋とすることができる。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
上記包装材料よりなる包装袋は、化成品、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の軽包装、重量袋、液体用または大容量自立性袋等のために、好適に使用することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(1)メタロセン触媒で重合したLLDPE((株)プライムポリマー製エボリュー(R)SP2020、密度=0.916g/cm3、MI=2.3g/10分)97質量%と、スリップ剤マスターバッチ(宇部丸善ポリエチレン(株)製M425、エルカ酸アミド2質量%含有マスターバッチ、密度0.920g/cm3、MI=4.0g/10分)3質量%とを十分に混錬して、第1及び第3の樹脂層並びに中間層を形成する合成樹脂1を調製した(層密度0.916g/cm3)。
(2)チーグラーナッタ触媒を使用して重合されたLLDPE((株)プライムポリマー製ウルトラゼックス(R)2021L、密度0.920g/cm3、MI=2.0g/10分)70質量%と、環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチックス(株)製TOPAS(R)8007F−500、密度1.020g/cm3、MI=2.1g/10分)30質量%とを十分に混錬して、第2の樹脂層を形成する合成樹脂2を調製した(層密度0.948g/cm3)。
(3)上記(1)及び(2)で調製した合成樹脂1及び合成樹脂2を用いて、第1の樹脂層(7.5μm)/第2の樹脂層(5.0μm)/中間層A(12.5μm)/中間層B(5.0μm)/第3の樹脂層(10.0μm)の層構成となるように、インフレーション法により共押出製膜した。
第1及び第3の樹脂層並びに中間層A及びBを形成する合成樹脂1は、シリンダから環状ダイスまでで、160〜170℃で溶融混錬し、第2の樹脂層を形成する合成樹脂2は、シリンダから環状ダイスまで160〜180℃で溶融混錬し、これらを合わせて、170℃の環状ダイスから吐出量140kg/hで共押出製膜し、本発明のシーラントフィルムを製造した。
(4)上記で得られた本発明のシーラントフィルムについて、JIS Z1702に準拠して引張試験を行い、株式会社オリエンテック「RTC−1210A」を用いて、MD方向及びTD方向の破断伸度を求めた。試験はそれぞれ3回行い、その平均値を算出したところ、MD方向の破断伸度EMD=120%であり、TD方向の破断伸度ETD=790%で
あり、EMD/ETD=0.15であった。
[実施例2]
(1)第1及び第3の樹脂層を形成する合成樹脂3として、チーグラーナッタ触媒で重合したLLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックTMUF320、密度=0.922g/cm3、MI=0.9g/10分)を用意した。
(2)第2の樹脂層を形成する合成樹脂4として、チーグラーナッタ触媒で重合したLLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックTMUF320、密度=0.922g/cm3、MI=0.9g/10分)80質量%と、環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチックス(株)製TOPAS(R)8007F−500)20質量%との混合樹脂を用意した。
(3)上記(1)及び(2)で用意した合成樹脂3及び合成樹脂4を用いて、第1の樹脂層(10μm)/第2の樹脂層(10μm)/第3の樹脂層(20μm)の層構成となるように、インフレーション法により共押出製膜し、本発明のシーラントフィルムを製造した。
樹脂の溶融温度、ダイス温度及び吐出量は、実施例1と同様にした。
(4)上記で得られた本発明のシーラントフィルムについて、JIS Z1702に準拠して引張試験を行い、株式会社オリエンテック「RTC−1210A」を用いて、MD方向及びTD方向の破断伸度を求めた。試験はそれぞれ3回行い、その平均値を算出したところ、MD方向の破断伸度EMD=180%であり、TD方向の破断伸度ETD=790%であり、EMD/ETD=0.23であった。
[実施例3]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂5として、チーグラーナッタ触媒で重合したLLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックTMUF320)70質量%と、環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチックス(株)製TOPAS(R)8007F−500)30質量%との混合樹脂を用意し、第1の樹脂層(15μm)/第2の樹脂層(5μm)/第3の樹脂層(20μm)の膜厚とした以外は、実施例2と同様にして、本発明のシーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=170%であり、TD方向の破断伸度ETD=830%であり、EMD/ETD=0.20であった。
[実施例4]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂として、合成樹脂5を使用した以外は、実施例2と同様にして、本発明のシーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=260%であり、TD方向の破断伸度ETD=760%であり、EMD/ETD=0.34であった。
[比較例1]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂6として、チーグラーナッタ触媒で重合したLLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックTMUF320、密度=0.922g/cm3、MI=0.9g/10分)を用意し、第1の樹脂層(15μm)/第2の樹脂層(5μm)/第3の樹脂層(20μm)の膜厚とした以外は、実施例2と同様にして、シーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=680%であり、TD方向の破断伸度ETD=810%であり、EMD/ETD=0.84であった。
[比較例2]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂7として、チーグラーナッタ触媒で重合したLLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックTMUF320、密度=0.922g/cm3、MI=0.9g/10分)95質量%と、環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチックス
(株)製TOPAS(R)8007F−500)5質量%との混合樹脂を用意し、第1の樹脂層(15μm)/第2の樹脂層(5μm)/第3の樹脂層(20μm)の膜厚とした以外は、実施例2と同様にして、シーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=430%であり、TD方向の破断伸度ETD=830%であり、EMD/ETD=0.52であった。
[比較例3]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂として、合成樹脂7を使用した以外は、実施例2と同様にして、シーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=340%であり、TD方向の破断伸度ETD=820%であり、EMD/ETD=0.41であった。
[比較例4]
合成樹脂7を、40μmの膜厚でインフレーション法により押出製膜し、単層構成のシーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=380%であり、TD方向の破断伸度ETD=820%であり、EMD/ETD=0.46であった。
[比較例5]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂8として、チーグラーナッタ触媒で重合したLLDPE(日本ポリエチレン(株)製ノバテックTMUF320、密度=0.922g/cm3、MI=0.9g/10分)90質量%と、環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチックス(株)製TOPAS(R)8007F−500)10質量%との混合樹脂を用意し、第1の樹脂層(15μm)/第2の樹脂層(5μm)/第3の樹脂層(20μm)の膜厚とした以外は、実施例2と同様にして、シーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=360%であり、TD方向の破断伸度ETD=800%であり、EMD/ETD=0.45であった。
[比較例6]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂として、合成樹脂8を用意した以外は、実施例2と同様にして、シーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=420%であり、TD方向の破断伸度ETD=790%であり、EMD/ETD=0.53であった。
[比較例7]
合成樹脂8を、40μmの膜厚でインフレーション法により押出製膜し、単層構成のシーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=330%であり、TD方向の破断伸度ETD=800%であり、EMD/ETD=0.41であった。
[比較例8]
第2の樹脂層を形成する合成樹脂として、合成樹脂4を用意し、第1の樹脂層(15μm)/第2の樹脂層(5μm)/第3の樹脂層(20μm)の膜厚とした以外は、実施例2と同様にして、シーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=480%であり、TD方向の破断伸度ETD=820%であり、EMD/ETD=0.59であった。
[比較例9]
合成樹脂4を、40μmの膜厚でインフレーション法により押出製膜し、単層構成のシーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=300%であり、TD方向の破断伸度ETD=790%であり、EMD/ETD=0.38であった。
[比較例10]
合成樹脂5を、40μmの膜厚でインフレーション法により押出製膜し、単層構成のシーラントフィルムを製造した。
MD方向の破断伸度EMD=260%であり、TD方向の破断伸度ETD=720%であり、EMD/ETD=0.36であった。
実施例1〜4、及び、比較例1〜10の各層を構成する合成樹脂、第2の樹脂層における環状ポリオレフィンの含有率、各層の厚みを纏めたものを表1に示す。なお、表1において、各セルの数字は実施例1〜4及び比較例1〜10で使用した合成樹脂の合成樹脂の番号を示したものであり、括弧内の数字は厚みを示したものである。また、厚みの単位はμmである。
Figure 0006520104
上記実施例及び比較例で製造したシーラントフィルムについて、シーラントフィルム全体の厚みに対する第2の樹脂層の厚み比、シーラントフィルム全体に対する環状ポリオレフィンの含有率を纏めたものを表2に示す。
Figure 0006520104
上記実施例及び比較例で製造したシーラントフィルムのMD方向の破断伸度EMD、TD方向の破断伸度ETD、TD方向の破断伸度ETDに対するMD方向の破断伸度EMDの比であるEMD/ETDの測定結果、および、直進カット性試験の結果を纏めたものを表3に示す。なお、MD方向の破断伸度EMD及びTD方向の破断伸度ETDは、JIS Z1702の引張試験に準拠し、株式会社オリエンテック「RTC−1210A」を用いて測定したものである。表3に示した値は、3回測定したときの平均値を算出したものである。また、直進カット性試験は、以下のようにして行った。
(直進カット性試験)
上記実施例及び比較例で製造したシーラントフィルムから、それぞれ10cm×10cmの試験片を切り出し、ノッチを入れない状態で、MD方向及びTD方向に手で引き裂いて直進カット性を評価した。試験はそれぞれ3回行った。なお、直進カット性の評価結果は、TD方向については一直線に引き裂け、且つ、MD方向については蛇行して引き裂けた場合を1、TD方向およびMD方向とも蛇行して引き裂けた場合を2、TD方向およびMD方向とも一直線に引き裂けた場合を3とした。
Figure 0006520104
(エルメンドルフ引裂試験)
上記実施例及び比較例で製造したシーラントフィルムについて、JIS−K−7128に準拠して、エルメンドルフ引裂試験機(テスター産業株式会社「IM−701」)を用いて、ノッチを入れたMD方向及びTD方向の引裂強度を測定した。実施例1を除いて、試験はそれぞれ2回ずつ行い、その平均値を算出した。
結果を表4及び図4に示す。なお、実施例1のTDの引裂強度は、試験機の測定限界以下であった。
Figure 0006520104
(シール性試験)
上記実施例及び比較例で製造したシーラントフィルムについて、2枚のシーラントフィルムを準備した。その後、一方のシーラントフィルムの第3の樹脂層と他方のシーラントフィルムの第3の樹脂層とを対向させ、ヒートシール装置(テスター産業株式会社「TP−701−B」)を用いて、シール温度120℃、シール圧力1kgf/cm2、シール時間1秒でヒートシールした後、15mm幅の短冊型試験片を切り出した。そして、JIS−Z−1707に準拠して、引張試験機(株式会社オリエンテック「RTC−1210A」)を用いて、剥離強度を評価した。試験はそれぞれ5回ずつ行い、その平均値を算出した。
結果を表5に示す。なお、表5における剥離強度は、15mm幅における剥離強度の値であり、単位はNである。また、剥離強度が5N/15mm以上の場合を○、5N/15mm未満の場合を×とした。
Figure 0006520104
実施例1〜4のシーラントフィルムは、EMD/ETDが0.15〜0.34であるため、TD方向のみに優れた直進カット性を示し、良好な低温シール性を示した。
これに対し、比較例1〜8のシーラントフィルムは、EMD/ETDが0.41〜0.84であるため、一方向のみに優れた直進カット性を有さないものであった。また、比較例4、7、9及び10のシーラントフィルムは、低温シール性に劣るものであった。
1.第1の樹脂層
2.第2の樹脂層
3.第3の樹脂層
4.中間層
5.中間層
10.ピロー包装袋
11.底部シール部
12.天部シール部
13.合掌シール部

Claims (8)

  1. 少なくとも、第1の樹脂層、第2の樹脂層及び第3の樹脂層が順に積層されたシーラントフィルムであって、
    該第1の樹脂層及び第3の樹脂層は、シーラントフィルムの最表層であって、密度が0.925g/cm 3 未満の線状低密度ポリエチレンからなる層であり、
    該第2の樹脂層は、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの混合樹脂からなる層であって、該環状ポリオレフィンが、シーラントフィルム全体の質量を基準として、3.0〜12.5質量%含まれ、
    JIS Z1702の引張試験に準拠して、該シーラントフィルムの破断伸度を測定したときに、一方向の破断伸度(E1)と、該一方向に直交する方向の破断伸度(E2)との比(E1/E2)が0.1〜0.4であり、
    前記一方向の破断伸度(E1)が100〜300%である、上記シーラントフィルム。
  2. 前記一方向の破断伸度(E1)は、機械流れ方向(MD)の破断伸度(EMD)であり、前記一方向と直交する方向の破断伸度(E2)は、機械流れ方向と直交する方向(TD)の破断伸度(ETD)である、請求項1に記載のシーラントフィルム。
  3. 前記第1の樹脂層及び第3の樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂は、シングルサイト触媒を使用して重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体であり、前記第2の樹脂層を構成する混合樹脂中のポリエチレン系樹脂は、マルチサイト触媒を使用して重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体である、請求項1または2に記載のシーラントフィルム。
  4. 前記第1の樹脂層と第2の樹脂層との間、及び/または、第2の樹脂層と第3の樹脂層との間に、熱可塑性樹脂からなる中間層を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシーラントフィルム。
  5. 前記第2の樹脂層を構成する混合樹脂は、環状ポリオレフィンを20〜50質量%の割合で含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシーラントフィルム。
  6. 共押出成形されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシーラントフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシーラントフィルムをヒートシール層として有する包装材料からなる包装体。
  8. 少なくとも、第1の樹脂層、第2の樹脂層及び第3の樹脂層が順に積層されたシーラントフィルムを、インフレーション法により共押出成形するシーラントフィルムの製造方法であって、
    該第1の樹脂層及び第3の樹脂層は、シーラントフィルムの最表層であって、密度が0.925g/cm 3 未満の線状低密度ポリエチレンからなる層であり、
    該第2の樹脂層は、ポリエチレン系樹脂と環状ポリオレフィンとの混合樹脂からなる層であって、該環状ポリオレフィンが、シーラントフィルム全体の質量を基準として、3.0〜12.5質量%含まれ、
    JIS Z1702の引張試験に準拠して、該シーラントフィルムの破断伸度を測定したときに、一方向の破断伸度(E1)と、該一方向に直交する方向の破断伸度(E2)との比(E1/E2)が0.1〜0.4であり、前記一方向の破断伸度(E1)が100〜300%となるように、ダイス温度を160〜180℃にして押し出して、第1の樹脂層及び第3の樹脂層を形成する、シーラントフィルムの製造方法。
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