JPH11114094A

JPH11114094A - マルチピースソリッドゴルフボール

Info

Publication number: JPH11114094A
Application number: JP9294866A
Authority: JP
Inventors: Hisashi Yamagishi; 久山岸; Hiroshi Higuchi; 博士樋口; Junji Hayashi; 淳二林; Akira Kawada; 明川田
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1997-10-13
Filing date: 1997-10-13
Publication date: 1999-04-27
Also published as: EP0908199B1; EP0908199A1; DE69833245D1; US6761646B1; DE69833245T2

Abstract

(57)【要約】【解決手段】ソリッドコアと、該ソリッドコアに内層
と外層とからなる２層構造のカバーを被覆してなるマル
チピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッド
コアの１００ｋｇ荷重負荷時の変形量が３〜７ｍｍであ
り、上記内層カバーがショアＤ硬度２５〜５８、厚さ
０．５〜１．４ｍｍで、上記外層カバーがショアＤ硬度
３０〜６２、厚さ１．２〜２．３ｍｍであると共に、上
記外層カバーの厚さと内層カバーの厚さとの比（外層カ
バーの厚さ／内層カバーの厚さ）が１．１〜４．６であ
ることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボー
ル。【効果】本発明のマルチピースソリッドゴルフボール
は、ドライバーショット時の弾道が良好で飛距離の増大
を図ることができる上、アプローチショット時には適度
なスピン量が得られ、コントロール性が良好で、打感、
耐久性にも優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スピン性能、打感
及び耐久性に優れ、飛距離の増大化を図ることができる
マルチピースソリッドゴルフボールに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、多層構造のカバーを有するソリッドゴルフボールは
数多く提案され（特公平４−４８４７３号公報、特開平
７−２４０８４号公報、同７−２４０８５号公報、同６
−３４３７１８号公報、同９−１０３５７号公報な
ど）、特公平７−８３０１号公報には、高い曲げ剛性を
有すると共に、内・外層ともに高硬度の２層カバーを有
するソリッドゴルフボールが提案されている。

【０００３】しかしながら、このゴルフボールは、外層
カバーが比較的薄いため、ハーフトップした時などのカ
ット耐久性や、繰り返し打撃耐久性が劣ることがあると
いう問題を有している。

【０００４】また、特開平４−２４４１７４号公報のゴ
ルフボールは、ソリッドコアとカバーとの間に中間層を
設けてなり、この中間層を比較的高硬度で、かつ厚く設
けると共に、外層カバーを軟らかく薄く形成してなるも
のであるが、ボール打撃時のスピン量が増大し、弾道が
高くふけ上がることがあり、十分な飛距離が得られない
という問題を有する。

【０００５】一方、マルチピースソリッドゴルフボール
のフィーリング及びスピンコントロール性を向上させる
試みとして、特開平７−２４０８４号公報には、比較的
硬くかつ厚い外層カバーと、比較的厚い内層カバーとを
有するゴルフボール、特開平９−１０３５８号公報に
は、軟らかい内層カバーと、この内層カバーよりも若干
軟らかい外層カバーを有するゴルフボールなどが提案さ
れている。

【０００６】しかしながら、このような従来技術の改良
されたゴルフボールであっても、特に軟らかく厚みのあ
る内層カバーと、この内層カバーより若干軟らかく比較
的厚みのある外層カバーとを有するゴルフボールにおい
ては、ドライバーからパターショットまでの全てのショ
ットに対しても、打感に満足のいくものは少ない。ま
た、クラブに応じたスピンコントロール性の向上も望ま
れている。

【０００７】ところで、ゴルフボールは、ドライバーで
フルショットする時のように大変形する場合には、コア
の硬さ、各部材の硬さが飛距離性能、打感に相乗的に影
響し、また、ショートパットやアプローチなどの小変形
する場合には、ボール表面を構成する外層カバーの硬
さ、及び内層カバーの硬さがコントロール性及び打感に
影響してくる。

【０００８】従って、従来の２層構造カバーを有するゴ
ルフボールの多くに見られるように、内層カバーが軟か
くかつ厚さが比較的厚いと、特にアイアンでのスピン量
が多くなりすぎる傾向があり、アゲインストでのふけ上
りを招くという問題がある。これは、内層の厚さのため
に、打撃によるスピン方向（ボールの接線方向）の力に
対する応力が大きくなり、スピンが増大することにつな
がるものと考えられており、インパクト時に接線方向の
力が大きく作用するアイアンショットでその傾向が強く
確認されている。従って、このようなふけ上がり、飛距
離低下がマルチピースソリッドゴルフボールを得る上で
の克服すべき課題となっている。

【０００９】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、各種クラブショットに対応する優れたスピン性能を
有すると共に、耐久性に優れ、打感が良好で、しかも飛
距離の増大化を図ることができるマルチピースソリッド
ゴルフボールを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため、ソリッドコア
と、該ソリッドコアに外層と内層とからなる２層構造の
カバーを被覆してなるマルチピースソリッドゴルフボー
ルについて、ドライバー等によるフルショット及びアプ
ローチショットに応じたスピン性能、打感、耐久性及び
飛距離の向上を図るべく、各カバー層の硬度及び厚さ、
ソリッドコアの硬度について検討を行った結果、ソリッ
ドコアの１００ｋｇ荷重負荷時の変形量を特定範囲にす
ると共に、内層カバー及び外層カバーの硬度及び厚さ、
外層カバーの厚さ／内層カバーの厚さの比を適正化する
ことにより、アプローチショット時には適度にスピン量
が増加してコントロール性が向上し、ドライバーショッ
ト時にはスピン量が比較的少なく飛距離の増大化を図る
ことができる各種クラブショットに適したスピン性能が
得られる上、アイアンショットに対しては、優れた耐久
性を有し、かつ打感に優れたマルチピースソリッドゴル
フボールが得られることを知見した。

【００１１】また、上記ソリッドゴルフボールの性能を
より向上させるためには、ソリッドコアの外径を適正化
することが有効であることを見出し、本発明をなすに至
ったものである。

【００１２】従って、本発明は、（１）ソリッドコア
と、該ソリッドコアに内層と外層とからなる２層構造の
カバーを被覆してなるマルチピースソリッドゴルフボー
ルにおいて、上記ソリッドコアの１００ｋｇ荷重負荷時
の変形量が３〜７ｍｍであり、上記内層カバーがショア
Ｄ硬度２５〜５８、厚さ０．５〜１．４ｍｍで、上記外
層カバーがショアＤ硬度３０〜６２、厚さ１．２〜２．
３ｍｍであると共に、上記外層カバーの厚さと内層カバ
ーの厚さとの比（外層カバーの厚さ／内層カバーの厚
さ）が１．１〜４．６であることを特徴とするマルチピ
ースソリッドゴルフボール、（２）ソリッドコアの１０
０ｋｇ荷重負荷時の変形量が３．０〜６．５ｍｍであ
り、内層カバーがショアＤ硬度２５〜５５、厚さ０．５
〜１．１ｍｍで、外層カバーがショアＤ硬度３０〜６
０、厚さ１．２〜２．３ｍｍであると共に、外層カバー
の厚さと内層カバーの厚さとの比が１．１〜３．５であ
り、ボールの１００ｋｇ荷重負荷時の変形量が３．０〜
６．７ｍｍである（１）記載のゴルフボールを提供す
る。

【００１３】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、上
述したように、ソリッドコアと、該ソリッドコアに、内
層と外層とからなる２層構造のカバーが被覆形成されて
なるものである。

【００１４】ここで、ソリッドコアについて詳述する
と、本発明のソリッドコアは公知の材料を使用して形成
することができ、基材ゴムに共架橋剤、過酸化物、不活
性充填剤などを配合した公知のゴム組成物を加熱・加圧
・成形することにより得ることができ、その構造は単層
でも２層以上の多層構造であってもよい。

【００１５】上記基材ゴムとしては、従来からソリッド
コアに用いられているポリブタジエン或いはポリブタジ
エンとポリイソプレンゴムとの混合物等を使用すること
ができるが、特に、高反発性を得るためにシス構造を９
０％以上有するシス−１，４−ポリブタジエンを用いる
ことが好ましい。

【００１６】共架橋剤としては、例えば、メタクリル
酸、アクリル酸等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウ
ム塩やトリメチルプロパントリメタクリレート等のエス
テル化合物などを使用し得、特に、反発性の高さからア
クリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら共架橋剤の配
合量は、制限されるものではないが、上記基材ゴム１０
０重量部に対して１５〜３０重量部とすることができ
る。

【００１７】過酸化物としては、例えば、ジクミルパー
オキサイド或いはジクミルパーオキサイドと１，１−ビ
ス（ｔ−ブチルパーオキシ）３，３，５−トリメチルシ
クロへキサンとの混合物等を好適に使用することがで
き、その配合量は、上記基材ゴム１００重量部に対して
０．５〜１．５重量部とすることが好ましい。

【００１８】不活性充填剤としては、亜鉛華、硫酸バリ
ウム、シリカ、炭酸カルシウム及び炭酸亜鉛などを挙げ
ることができるが、一般的には亜鉛華、硫酸バリウムを
使用することが好ましく、その配合量は適宜調整され、
特に、ソリッドコアの反発性を向上させるために、亜鉛
華を全充填剤の３０重量％以上になるように配合するこ
とが推奨される。

【００１９】上記材料にてソリッドコアを得るには、公
知の方法に従って製造することができ、バンバリーミキ
サーやロールなどの混練機を用いて混練した後、該材料
をコア用金型に入れ、共架橋剤及び過酸化物が作用する
のに十分な温度に加熱して、硬化させることができる。

【００２０】また、ソリッドコアを多層構造に形成する
には、上述したゴム材料を適宜調整して、上記製法に従
い、最内層となる芯球を加硫成形した後、この芯球を他
のゴム材料で包囲して、再び加熱加硫成形する方法、芯
球の周りに射出成形により熱可塑性樹脂層を形成する方
法などを挙げることができ、後者の熱可塑性樹脂として
は、公知のものでよく、例えば、アイオノマー樹脂、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可
塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ー等を使用することができる。

【００２１】本発明のソリッドコアは、１００ｋｇ荷重
負荷時の変形量が３〜７ｍｍ、好ましくは３．０〜６．
５ｍｍ、更に好ましくは３．０〜６．０ｍｍであること
が必要で、変形量が３ｍｍより少ないとフィーリングが
硬く感じられ、７ｍｍを超えると十分な反発性を得られ
なくなる。

【００２２】また、上記ソリッドコアは、外径が３６．
０〜３９．３ｍｍ、特に３６．３〜３９．０ｍｍである
ことが推奨され、外径が３６．０ｍｍ未満であると反発
性が得にくくなり、一方、３９．３ｍｍを超えると本発
明の主旨に反し、カット耐久の劣化等がおこる場合があ
る。ソリッドコアが２層以上の多層構造である場合に
は、ソリッドコア全体の外径が上記範囲になるように形
成されることが好ましい。

【００２３】本発明のマルチピースソリッドゴルフボー
ルは、上記ソリッドコアに内層と外層とからなる２層構
造のカバーを順に被覆形成してなるものである。

【００２４】ここで、内層・外層カバーを形成するカバ
ー材としては、後述するカバーの形成要件を満たすもの
であれば、同種又は異種の公知のカバー材を使用するこ
とができ、具体的には、ハイミラン１７０５、同１７０
６（三井・デュポンポリケミカル（株）製）等、サーリ
ンＡＤ８５１１，同８５１２（デュポン（株）製）等の
アイオノマー樹脂、ハイトレル３０７８、同４０４７
（東レ・デュポン社製）等のポリエステル系熱可塑性エ
ラストマー、ダイナロンＥ６１００Ｐ（日本合成ゴム
（株）製）等のブロックコポリマーポリブタジエンの水
素添加物などの市販品を挙げることができ、これらは１
種を単独或いは２種以上を混合して用いてもよい。

【００２５】本発明の内層カバーは、ショアＤ硬度２５
〜５８、好ましくは２５〜５６、より好ましくは２８〜
５６、更に好ましくは３０〜５５になるように形成す
る。ショアＤ硬度が２５より低いと反発性が低下し、ス
ピン量が増大し、５８より高いと打感が劣化し、十分な
スピンが得られなくなる。なお、上限は５５であること
が更に好適である。また、外層カバーは、ショアＤ硬度
３０〜６２、好ましくは３０〜６０、より好ましくは３
５〜６０、更に好ましくは３８〜５７になるように形成
する。ショアＤ硬度が３０より低いと反発性が低下し、
スピン過多になり、６２より高いと打感が劣化し、十分
なスピンが得られずコントロール性が低下する。

【００２６】本発明の内層カバーの厚さは０．５〜１．
４ｍｍ、好ましくは０．５〜１．２ｍｍ、より好ましく
は０．６〜１．２ｍｍであるが、上限は１．１ｍｍであ
ることが更に好適である。また、外層カバーは１．２〜
２．３ｍｍ、特に１．４〜２．１ｍｍに形成されるもの
であるが、外層カバーの厚さに対する内層カバーの厚さ
の比（外層カバーの厚さ／内層カバーの厚さ）が、１．
１〜４．６、好ましくは１．１〜４．０、特に１．１〜
３．５になるように形成されることが必要で、外層カバ
ーの厚さが内層カバーの厚さよりも厚くなるように形成
される。上記各カバーの厚さの比が１．１未満である
と、ドライバーショット時の弾道がふけ上り、飛距離の
向上が図れない上、打感が悪くなったり、アプローチシ
ョット時の良好なスピン性能が得られないという問題が
発生する。また厚さの比が４．６を超えると内層カバー
に対して外層カバーが厚すぎることから、内層カバーの
効果が薄れ、本発明の主旨を満足しない。

【００２７】上記内層及び外層カバーは、公知の方法に
従って形成することができ、予め得たソリッドコアに各
カバー層を上記規定を満たすように形成すればよい。従
って、例えば、ソリッドコアに順にカバー材を射出して
成形する方法、予め内層及び外層のカバー材で一対の半
球殼状のハーフカップを作成し、これら内層と外層との
ハーフカップを重ねて貼り合わせ、２層構造の一対のハ
ーフカップとした上でソリッドコアを被包し、１１０〜
１６０℃で２〜１０分間コンプレッション成形する方
法、上記内層用ハーフカップのみでソリッドコアを被包
し、１１０〜１６０℃で２〜１０分間コンプレッション
成形した後、射出成形用金型内に配備し、外層カバー材
を射出成形する方法などを挙げることができる。

【００２８】以上のようにして形成される本発明のマル
チピースソリッドゴルフボールの硬度は、１００ｋｇ荷
重負荷時のボールの変形量が３．０〜６．７ｍｍ、特に
３．２〜６．５ｍｍであることが良好な耐久性及び打感
を得る上で好ましい。

【００２９】本発明のマルチピースソリッドゴルフボー
ルは、通常のゴルフボールと同様にして表面に多数のデ
ィンプルを形成してなるもので、ディンプル個数は特に
制限されるものではないが、通常３５０〜５００個、特
に３７０〜４８０個とすることができ、またディンプル
は外径、深さなどが相違する２種又はそれ以上の多種類
のものであってもよく、この場合、ディンプル外径は通
常１．４〜４．５ｍｍ、特に２．０〜４．３ｍｍ、深さ
は０．１０〜０．３０ｍｍ、特に０．１１〜０．２７ｍ
ｍの範囲になるように調整することが好ましい。

【００３０】なお、本発明のマルチピースソリッドゴル
フボールは、ゴルフ規則に従い適宜設定することがで
き、重量４５．９３ｇ以下、外径４２．６７ｍｍ以上に
形成することができる。

【００３１】

【発明の効果】本発明のマルチピースソリッドゴルフボ
ールは、ドライバーショット時の弾道が良好で飛距離の
増大を図ることができる上、アプローチショット時には
適度なスピン量が得られ、コントロール性が良好で、打
感、耐久性にも優れたものである。

【００３２】

【実施例】以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。

【００３３】［実施例、比較例］表１に示した配合組成
（単位は全て重量部）のゴム組成物をニーダーで混練り
し、金型に入れ、１５０℃、１５分間の条件で加熱加圧
成形することにより、ソリッドコアを作成した。なお
のコアは、得られたソリッドコアに対して、更にコア外
層材料を射出して、表面にアイオノマー樹脂からなるコ
ア外層を形成した。

【００３４】

【表１】１）三井・デュポンポリケミカル製アイオノマー樹脂

【００３５】次に、表２に示すカバー材をスクリュー二
軸押出し機で混練りした後、各カバー材で一対の半球殼
状のハーフカップを形成し、このハーフカップを表３に
示す組み合わせで重ね合わせて２層構造にした。

【００３６】次いで、上記２層構造を有するハーフカッ
プをソリッドコアに被包して、１４５℃、５分間の条件
でコンプレッション成形を行い、マルチピースソリッド
ゴルフボールを形成した。

【００３７】得られたマルチピースソリッドゴルフボー
ルに対して、下記方法により、飛び性能、スピン性能、
ドライバー及びパター打撃による打感、耐カット性、繰
り返し耐久性を評価した。結果を表４に示す。

【００３８】飛び性能ツルー・テンパー（ＴｒｕｅＴｅｍｐｅｒ）社製のス
ウィングロボットを用い、ドライバー（＃Ｗ１）を用い
てヘッドスピード５０ｍ／ｓｅｃ（ＨＳ５０）、アイア
ン（Ｉ＃６）を用いてヘッドスピード４１ｍ／ｓｅｃ
（ＨＳ４１）でショットしたときのスピン量、弾道、キ
ャリー、トータル飛距離を測定した。打感プロプレーヤー３人によりドライバーとパターを用いて
打撃を行った際の打感を下記基準により評価した。 ○：良好 △：普通 ×：悪い耐カット性及び繰り返し耐久性各種５個のボールをそれぞれ２３℃に温度調節し、Ｐ／
Ｗ（ピッチングウェッジ、ロフト角５０°）を用いてヘ
ッドスピード３３ｍ／ｓｅｃでハーフトップの状態で１
回打撃した際の打撃部の傷を観察し下記基準で評価し
た。 ○：良好 ×：表面に傷又は切れが発生したまた、上記各ボールにつき、繰り返し打撃試験機で連続
打撃を行い下記基準で比較した。 ○：割れない ×：早期に割れた

【００３９】

【表２】２）東レ・デュポン製熱可塑性ポリエステルエラスト
マー３）デュポン製アイオノマー樹脂４）日本合成ゴム製ブロックコポリマー，ブタジエン
−スチレン共重合体水素添加物５）大日本インキ化学工業製熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー

【００４０】

【表３】

【００４１】

【表４】

【００４２】本発明のマルチピースソリッドゴルフボー
ルによれば、ソリッドコアが良好な変形量を有すると共
に、内層・外層カバーそれぞれの硬度及び厚さが適正化
され、かつ外層カバーの厚さ／内層カバーの厚さが最適
化されているので、ドライバーショット時のスピン量が
少なく飛距離の増大化が図れる上、アイアンショットで
のスピン量が多くコントロール性に優れている上、打
感、耐カット性、繰り返し耐久性のいずれも優れたもの
であることが認められた。

【００４３】これに対して、外層カバーの厚さ／内層カ
バーの厚さの比が少ない（外層カバーの厚さよりも内層
カバーの厚さの方が厚い）比較例１及び２のゴルフボー
ルは、ドライバーショット時の弾道がふけ上ったり、耐
久性、打感に満足のいくものではなかった。また、外層
カバーの厚さと、内層カバーの厚さが同じである比較例
３のゴルフボールは、アイアンショット時におけるスピ
ン量が少なくコントロール性に劣るものになる上、打感
に満足のいかないものであった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者川田明埼玉県秩父市大野原20番地ブリヂストンスポーツ株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ソリッドコアと、該ソリッドコアに内層
と外層とからなる２層構造のカバーを被覆してなるマル
チピースソリッドゴルフボールにおいて、上記ソリッド
コアの１００ｋｇ荷重負荷時の変形量が３〜７ｍｍであ
り、上記内層カバーがショアＤ硬度２５〜５８、厚さ
０．５〜１．４ｍｍで、上記外層カバーがショアＤ硬度
３０〜６２、厚さ１．２〜２．３ｍｍであると共に、上
記外層カバーの厚さと内層カバーの厚さとの比（外層カ
バーの厚さ／内層カバーの厚さ）が１．１〜４．６であ
ることを特徴とするマルチピースソリッドゴルフボー
ル。
【請求項２】ソリッドコアの１００ｋｇ荷重負荷時の
変形量が３．０〜６．５ｍｍであり、内層カバーがショ
アＤ硬度２５〜５５、厚さ０．５〜１．１ｍｍで、外層
カバーがショアＤ硬度３０〜６０、厚さ１．２〜２．３
ｍｍであると共に、外層カバーの厚さと内層カバーの厚
さとの比が１．１〜３．５であり、ボールの１００ｋｇ
荷重負荷時の変形量が３．０〜６．７ｍｍである請求項
１記載のゴルフボール。