JPH11106562A - ジエン系ゴム組成物 - Google Patents

ジエン系ゴム組成物

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JPH11106562A
JPH11106562A JP28274397A JP28274397A JPH11106562A JP H11106562 A JPH11106562 A JP H11106562A JP 28274397 A JP28274397 A JP 28274397A JP 28274397 A JP28274397 A JP 28274397A JP H11106562 A JPH11106562 A JP H11106562A
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JP
Japan
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weight
diene rubber
group
rubber composition
stabilizer
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Pending
Application number
JP28274397A
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English (en)
Inventor
Yukio Takagishi
幸雄 高岸
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカをよく分散させ、経時安定性にすぐ
れ、高温時でもムーニー粘度が安定しており、加工性に
すぐれ、発熱性の優れ低燃費のタイヤ材料として用いる
ことができるジエン系ゴム組成物を提供する。 【解決手段】 極性基含有ジエン系ゴム(例えば共役ジ
エン単量体単位40.0〜89.97重量%、ヘテロ原
子を有する極性基含有のビニル単量体単位0.03〜1
0.0重量%、芳香族ビニル単位10.0〜60.00
重量%からなる共重合体)を主成分とするゴム成分10
0重量部当り、フェノール系安定剤(例えばスチレン化
フェノール)および/またはリン系安定剤(例えばトリ
イソデシルホスファイト)0.01〜0.20重量部、
イオウ含有フェノール系安定剤(例えば2,4−ビス
(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール)
0.2〜1.5重量部、補強材(例えばシリカなど)1
0〜200重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充填剤の分散性、
経時安定性と高温時のムーニー粘度の安定性に優れたゴ
ム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源や環境対策などが重視され
るにつれて、自動車の低燃費化に対する要求は、ますま
す厳しくなり、自動車タイヤについても、転動抵抗を小
さくすることにより、低燃費化に寄与することが求めら
れている。タイヤの転動抵抗を小さくするには、タイヤ
用ゴム材料として、一般に、発熱性の低い加熱ゴムを与
えることができるゴム材料を使用する。
【0003】従来より、タイヤ用ゴム材料として、ジエ
ン系ゴムに、補強剤として、カーボンブラックに替えて
シリカを配合したゴム組成物を用いることにより、発熱
性を低めることが提案されている。ところが、シリカ配
合ゴム組成物は、カーボンブラック配合ゴム組成物に比
べて、十分な耐摩耗性と引張強度が得られないという問
題点があった。この原因の一つは、ジエン系ゴムに対す
るシリカの親和性がカーボンブラックよりも小さいため
に、十分な補強効果を発現することができないことにあ
ると考えられている。
【0004】従来、シリカとジエン系ゴムとの親和性を
高めるために、シラン系カップリング剤を使用する方法
が提案されている(特開平3−252431号公報、特
開平3−252433号公報など)。しかし、この方法
では、十分な効果を達成するために、高価なシラン系カ
ップリング剤を多量に使用する必要がある。
【0005】その他の改良法として、シリカと親和性の
ある置換基を導入したジエン系ゴムを用いることが検討
されている。例えば、乳化重合法によるジエン系ゴムで
は第3級アミノ基を導入したジエン系ゴム(特開平1−
101344号公報など)が、また、アニオン重合法に
よるジエン系ゴムではアルキルシリル基(特開平1−1
88501号公報など)、ハロゲン化シリル基(特開平
5−230286号公報など)または置換アミノ基(特
開昭64−22940号公報など)などを導入したジエ
ン系ゴムが提案されている。
【0006】しかしながら、これらの置換基を導入した
ジエン系ゴムの多くは、シリカと混合する際に、シリカ
と強く凝集して分散不良が起こるため、加工性に劣り、
発熱性、引張強度および耐摩耗性などの特性も充分に改
善されないという欠点を有している。
【0007】近年、シリカをよく分散させ、加工性、発
熱性、引張強度、耐摩耗性などの特性も改善するため、
極性基を含有する単量体を共重合させたジエン系ゴムを
用いることが提案されている。しかし、主構造中に極性
基を含有するために、経時安定性が不十分であったり、
ゲル化しやすかったり、高温時にムーニー粘度が上昇し
たりするため、混練によるシリカなどの充填剤の配合時
に充填剤をよく練り込めなかったり、粘度が高いために
加工性が低下するなど、取り扱いが困難になるという問
題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
カをよく分散させ、経時安定性にすぐれ、高温時のムー
ニー粘度が安定しており、加工性にすぐれ、発熱性の優
れ低燃費のタイヤ材料として用いることができるジエン
系ゴム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の従
来技術の問題点を克服するために鋭意研究を重ねた結
果、ヘテロ原子を有する極性基含有単量体を共重合した
ジエン系ゴムを主成分としたゴム成分に特定の安定剤2
種以上を組み合わせて配合することにより、ゴムの安定
性が改善され、従来技術の問題点が解決することを見い
出し、本発明を完成するにいたった。
【0010】かくして本発明によれば、(a)極性基含
有ジエン系ゴムを主成分とするゴム成分、(b)フェノ
ール系安定剤および/またはリン系安定剤、および
(c)下記一般式1で表されるイオウ含有フェノール系
安定剤からなるジエン系ゴム組成物が提供される。
【化2】 (式中、R1、R3は、−CH2−S−R5を表し、R5
炭素数20以下の有機残基を表し、R2は水素原子また
はメチル基を表し、R4は水素原子または炭素数4以下
のアルキル基を表す。)
【0011】また、本発明によれば、さらにシリカを含
有する該ジエン系ゴム組成物が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
[(a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分とするゴム成
分]本発明の(a)成分であるゴム成分の主成分である
極性基含有ジエン系ゴムは、共役ジエン単量体単位、ヘ
テロ原子を有する極性基含有のビニル単量体単位、およ
び必要に応じて芳香族ビニル単量体単位を含んでなる。
【0013】共役ジエン単量体としては、例えば1,3
−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ
る。これらの中でも、1,3−ブタジエン、2−メチル
−1,3−ブタジエンなどが好ましく、1,3−ブタジ
エンがより好ましい。これらの共役ジエンは、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0014】ヘテロ原子を有する極性基含有のビニル単
量体としては、分子内にヘテロ原子を有する極性基を少
なくとも一つ有する重合性単量体であれば特に制限はさ
れない。ヘテロ原子としては、周期律表の第2周期ない
し第4周期でかつ第5B族または第6B族に属する原子
を示し、具体的には、例えば、窒素原子、酸素原子、硫
黄原子、リン原子などが挙げられる。これらの中でも、
窒素原子、酸素原子などが好ましく、窒素原子が特に好
ましい。ヘテロ原子を含有する極性基の具体例として
は、例えば、ヒドロキシル基、オキシ基、エポキシ基、
カルボキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、
スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフ
ィニル基、チオカルボニル基、イミノ基、アミノ基、ニ
トリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒド
ラゾ基、アゾ基、ジアゾ基などが挙げられる。これらの
中でも、ヒドロキシル基、オキシ基、エポキシ基、スル
フィド基、ジスルフィド基、イミノ基、アミノ基などが
好ましく、ヒドロキシル基、アミノ基、オキシ基などが
より好ましく、アミノ基がさらに好ましい。
【0015】極性基含有ビニル単量体の具体例として
は、例えば、アミノ基含有ビニル単量体、ヒドロキシル
基含有ビニル単量体、オキシ基含有ビニル単量体などが
挙げられ、これらの中でもヒドロキシル基含有ビニル単
量体、アミノ基含有ビニル単量体などが好ましく、アミ
ノ基含有ビニル単量体が特に好ましい。これらの極性基
含有ビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0016】アミノ基含有ビニル単量体としては、1分
子中に第1級、第2級および第3級アミノ基から選ばれ
る少なくとも1つのアミノ基を有する重合性単量体が挙
げられる。これらの中でも、第3級アミノ基含有ビニル
単量体が特に好ましい。
【0017】第1級アミノ基含有ビニル単量体として
は、例えば、アクリルアミド、メタアクリルアミド、p
−アミノスチレン、アミノメチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
【0018】第2級アミノ基含有ビニル単量体として
は、例えば、特開昭61−130355号公報などで開
示されたアニリノスチレン類; 特開昭61−1303
56号公報などで開示されたアニリノフェニルブタジエ
ン類; N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−(4−アニリノフェニル)メタアクリルアミ
ドなどN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類; など
が挙げられる。
【0019】第3級アミノ基含有ビニル単量体として
は、例えば、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリレー
ト、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、
N,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物、ピリジル基
を有するビニル化合物などが挙げられる。これらの中で
もN,N−ジ置換アミノアルキルアクリレート、N,N
−ジ置換アミノアルキルアクリルアミドが好ましい。
【0020】N,N−ジ置換アミノアクリレートとして
は、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メ
タ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノ
ブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフ
ォリンなどのアクリル酸またはメタアクリル酸のエステ
ルなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロ
ピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオ
クチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル
−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが
好ましい。
【0021】N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルア
ミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル
(メタ)アクリルアミド、N、N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエ
チルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル
−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド化
合物; またはメタアクリルアミド化合物などが挙げら
れる。これらの中でも、N、N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプ
ロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが好ましい。
【0022】N,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物
としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルスチ
レン、N,N−ジエチルアミノエチルスチレン、N,N
−ジプロピルアミノエチルスチレン、N,N−ジオクチ
ルアミノエチルスチレンなどのスチレン誘導体が挙げら
れる。
【0023】また、ピリジル基を有するビニル化合物と
しては、例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリ
ジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−
2−ビニルピリジンなどが挙げられる。これらの中で
も、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどが好
ましい。
【0024】ヒドロキシル基含有ビニル単量体として
は、1分子中に少なくとも1個の第1級、第2級または
第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられ
る。このようなヒドロキシル基含有ビニル単量体として
は、例えば、それぞれヒドロキシル基を含有する不飽和
カルボン酸系単量体、ビニルエーテル系単量体、ビニル
ケトン系単量体などが挙げられ、これらの中でも、ヒド
ロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が好適であ
る。ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体とし
ては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン
酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル、アミド、無
水物などの誘導体が挙げられ、好ましくはアクリル酸、
メタアクリル酸などのエステル化合物である。
【0025】ヒドロキシル基含有ビニル単量体の具体例
としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェ
ノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、2−クロロ−3−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキ
シル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリル
アミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、
ジ−(エチレングリコール)イタコネート、ジ−(プロ
ピレングリコール)イタコネート、ビス(2−ヒドロキ
シプロピル)イタコネート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)イタコネート、ビス(2−ヒドロキシエチル)フマ
レート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレート、2−
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシメチルビ
ニルケトン、アリルアルコールなどが例示される。これ
らの中でも、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロー
ルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリルアミド、3−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリルアミドなどが好ましい。
【0026】オキシ基含有ビニル単量体としては、例え
ば、特開平7−188356号公報などで開示されるト
リメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、
6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリ
メトキシシリルスチレン、メタアクリル酸3−トリメト
キシシリルプロピル、アクリル酸3−トリエトキシシリ
ルプロピルなどのアルコキシシリル基含有ビニル単量体
などを挙げることができる。
【0027】芳香族ビニル単量体としては、前述の極性
基を構造中に含有していない芳香族ビニル化合物が用い
られ、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メ
チルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレ
ン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル
−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロ
スチレン、モノフルオロスチレンなどを挙げることがで
きる。これらの中でも、スチレンが好ましい。芳香族ビ
ニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0028】本発明に用いる極性基含有ジエン系ゴム中
の各単量体単位の含有量は、目的に応じて適宜選択でき
る。ヘテロ原子含有の極性基を有するビニル系単量体と
共役ジエンとの共重合体の場合は、該極性基含有ビニル
系単量体結合単位の含有量が、通常0.01〜20重量
%、好ましくは0.03〜10重量%、より好ましくは
0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%
の範囲であり、共役ジエン結合単位の含有量が、通常8
0〜99.99重量%、好ましくは90〜99.97重
量%、より好ましくは95〜99.95重量%、最も好
ましくは99〜99.9重量%の範囲である。また、発
熱性とウエットスキッド抵抗の特性を高度にバランスさ
せるには、該極性基含有ビニル系単量体と共役ジエンと
芳香族ビニルとの共重合体が特に好ましい。その場合の
各単量体結合単位の含有量は、該極性基含有ビニル系単
量体結合単位の含有量が、通常0.01〜20重量%、
好ましくは0.03〜10重量%、より好ましくは0.
05〜5重量%、最も好ましくは0.10〜1重量%の
範囲、共役ジエン結合単位の含有量が、通常35〜95
重量%、好ましくは40〜89.97重量%、より好ま
しくは44.95〜84.95重量%、最も好ましくは
49.9〜79.9重量%の範囲、および芳香族ビニル
結合単位の含有量が、通常4.99〜64.99重量
%、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15
〜55重量%、最も好ましくは20〜50重量%の範囲
である。
【0029】本発明に用いる極性基含有ジエン系ゴムの
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、20〜20
0、好ましくは30〜150、より好ましくは50〜1
20の範囲である。極性基含有ジエン系ゴムのムーニー
粘度が小さいと、製造が容易な反面、充分な発熱特性や
耐摩耗性などを得るのが困難であり、逆に大きいと、耐
摩耗性などに優れるが、加工性が低下する。
【0030】本発明において、極性基含有ジエン系ゴム
の重合方法は、特に制限されず、例えば、ラジカル発生
剤を用いた懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などが
挙げられるが、好ましくは乳化重合法である。
【0031】乳化重合法としては、通常の乳化重合手法
を用いればよく、例えば、所定量の各単量体を乳化剤の
存在下に水性媒体中に乳化分散し、ラジカル重合開始剤
により乳化重合する方法が挙げられる。
【0032】乳化剤としては、例えば、炭素数10以上
の長鎖脂肪酸塩および/またはロジン酸塩が用いられ
る。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、バルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などのカ
リウム塩またはナトリウム塩などが例示される。
【0033】ラジカル重合開始剤としては、例えば、過
硫酸アンモニウムや過硫酸カリウムのような過硫酸塩;
過硫酸アンモニウムと硫酸第二鉄との組合わせ、有機
過酸化物と硫酸第二鉄との組み合わせ、および過酸化水
素と硫酸第二鉄との組み合わせなどのレドックス系開始
剤; などが用いられる。
【0034】共重合体の分子量を調節するために、連鎖
移動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、
例えばt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、チオグリコ
ール酸、ジテルペン、ターピノーレン、γ−テルピネン
類などを用いることができる。
【0035】乳化重合の温度は、用いられるラジカル重
合開始剤の種類によって適宜選択することができるが、
通常、0〜100℃で、好ましくは0〜60℃である。
重合様式は、連続重合、回分重合などのいずれでの様式
でも構わない。
【0036】乳化重合の転化率が大きくなると、ゲル化
する傾向がみられる。そのため、重合転化率を90%以
下に抑えるのが好ましく、特に、転化率50〜80%の
範囲で重合を停止するのが好ましい。重合反応の停止
は、通常、所定の転化率に達した時点で、重合系に重合
停止剤を添加することによって行われる。重合停止剤と
しては、例えば、ジエチルヒドロキシルアミンやヒドロ
キシルアミンなどのアミン系化合物、ヒドロキノンやベ
ンゾキノンなどのキノン系化合物、亜硝酸ナトリウム、
ソジウムジチオカーバメートなどの化合物が用いられ
る。
【0037】乳化重合反応停止後、得られた重合体ラテ
ックスから必要に応じて未反応モノマーを除去し、次い
で、必要に応じて硝酸、硫酸などの酸を添加混合してラ
テックスのpHを所定の値に調整した後、塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウム、塩化カリウムなどの塩を凝固剤と
して添加混合し、重合体をクラムとして凝固させる。ク
ラムは洗浄、脱水後、バンドドライヤーなどで乾燥し、
目的とする極性基含有ジエン系ゴムを得ることができ
る。
【0038】また、本発明においては、(a)成分であ
るゴム成分には本発明の効果、目的を阻害しない範囲に
おいて、極性基含有ジエン系ゴム以外のゴムを配合して
もよい。その他のゴムとしては、格別な限定はなく、通
常、極性基含有ジエン系ゴム以外のジエン系ゴムが用い
られる。そのようなジエン系ゴムとしては、例えば、天
然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、乳化重
合スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、溶液重
合ランダムSBR(好ましくは、結合スチレン5〜50
重量%、ブタジエン結合単位部分の1,2−結合量10
〜80%)、高トランスSBR(好ましくは、ブタジエ
ン結合単位部分の1,4−トランス量70〜95%)、
低シスポリブタジエンゴム(BR)、高シスBR、高ト
ランスBR(好ましくは、ブタジエン結合単位部分の
1,4−トランス量70〜95%)、スチレン−イソプ
レン共重合ゴム(SIR)、ブタジエン−イソブレン共
重合体ゴム、溶液重合ランダムスチレン−ブタジエン−
イソプレン共重合ゴム(SIBR)、乳化重合SIB
R、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム、高ビニルSBR−低ビニルSBRブロック共重合ゴ
ム、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロ
ック共重合体などのブロック共重合体などが挙げられ、
要求特性に応じて適宜選択できる。これらの中でも、N
R、BR、IR、SBR、SIBRなどが特に好まし
い。
【0039】また、ジエン系ゴム以外のゴムとしては、
例えば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム、エピクロルヒド
リンゴムなどを用いることができる。
【0040】これらのゴムは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(a)成分であるゴム成分として極性基含有ジエン系ゴ
ムとそれ以外のゴムとを併用する場合の割合は、用途や
目的に合わせて適宜選択されるが、(a)ゴム成分中、
極性基含有ジエン系ゴムが通常20重量%以上、好まし
くは40重量%以上、より好ましくは70重量%以上、
特に好ましくは90重量である。
【0041】[(b)安定剤]本発明の(b)成分であ
る安定剤は、フェノール系安定剤および/またはイオウ
系安定剤である。
【0042】本発明で使用されるフェノール系安定剤
は、特開平4−252243号公報などで公知のもので
ある。ただし、(b)成分として使用されるフェノール
系安定剤からは(c)成分であるイオウ含有フェノール
系安定剤は除外される。(b)成分として使用されるフ
ェノール系安定剤としては、例えば、2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−iso−ブチルフェノー
ル、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノー
ル、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、
2,6−ジ−フェノール−4−オクタデシルオキシフェ
ノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ
−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プ
ロピオネート〕−メタン、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどが例示される。
【0043】本発明で使用するリン系安定剤も公知のも
のであり、例えば、トリス(ノニルフェニル)フォスフ
ァイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オ
クタデシルフォスファイト)、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)フォスファイトなどが例示さ
れる。
【0044】本発明においては、(b)安定剤として、
フェノール系安定剤またはリン系安定剤を用いるが、必
ずしも一種類である必要はなく、複数種類を併用しても
よく、フェノール系安定剤とリン系安定剤を併用しても
よい。
【0045】[(c)イオウ含有フェノール系安定剤]
本発明で(c)成分として使用するイオウ含有フェノー
ル系安定剤は、下記一般式1で表される化合物である。 一般式:
【化3】 (式中、R1、R3は、−CH2−S−R5を表し、R5
炭素数20以下、好ましくは4〜16、より好ましくは
8〜12の有機残基、好ましくはアルキル基を表し、R
2は水素原子またはメチル基を表し、R4は水素原子また
は炭素数4以下のアルキル基を表す。)
【0046】イオウ含有フェノール安定剤としては、例
えば、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチ
ルフェノール、2,4−ビス(ノニルチオメチル)−6
−エチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチ
ル)フェノール、2−オクチルチオメチル−4−ノニル
チオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ビス
(2’,3’−ジ−ヒドロキシプロピルチオメチル)−
3,6−ジ−メチルフェノール、2,4−ビス(2’−
アセチルオキシエチルチオメチル)−3,6−ジ−メチ
ルフェノールなどが例示され、好ましくは2,4−ビス
(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノールであ
る。
【0047】イオウ含有フェノール系安定剤は、一種類
のみを使用しても複数種類を併用してもよい。
【0048】[ゴム組成物]本発明のゴム組成物は、
(a)ゴム成分100重量部に対し、(b)フェノール
系安定剤および/またはリン系安定剤の総量が好ましく
は0.1〜2重量部、より好ましくは0.2〜1.5重
量部、特に好ましくは0.3〜1重量部、および(c)
イオウ含有フェノール系安定剤が好ましくは0.01〜
0.4重量部、より好ましくは0.02〜0.3重量
部、特に好ましくは0.03〜0.2重量部からなる。
【0049】(b)成分であるフェノール系安定剤また
はリン系安定剤の量が少ないと熱安定性の改善も小さ
く、量が多いと熱安定性は改良され、伸びも十分な大き
さを示すが、架橋時間が長くなったり、成型品の引張強
度や反撥弾性が悪化し、タイヤ材料としての低燃費性を
示すtanδの指数も小さくなる。
【0050】(c)成分であるイオウ含有フェノール系
安定剤の量が少ないとやはり熱安定性の改善も小さく、
量が多くても熱安定性の改善が小さくなる場合があり、
伸びは大きいものの、タイヤ材料としての低燃費性を示
すtanδの指数も小さくなる。
【0051】[補強剤]本発明のゴム組成物に用いられ
る補強剤としては、特に制限はないが、例えば、シリカ
やカーボンブラックなどを挙げることができる。
【0052】シリカとしては、特に制限はないが、例え
ば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボ
ン、コロイダルシリカ、および特開昭62−62838
号公報に開示される沈降シリカなどが挙げられる。これ
らの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイト
カーボンが特に好ましい。これらのシリカは、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0053】シリカの比表面積は、特に制限はされない
が、窒素吸着比表面積(BET法)で、通常50〜40
0m2/g、好ましくは100〜250m2/g、さらに
好ましくは120〜190m2/gの範囲である時に、
補強性、耐摩耗性および発熱性などの改善が十分に達成
され、好適である。ここで窒素吸着比表面積は、AST
M D3037−81に準じBET法で測定される値で
ある。
【0054】カーボンブラックとしては、特に制限はな
いが、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラッ
ク、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファ
イトなどを用いることができる。これらの中でも、特に
ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、
SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、
IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−L
S、FEFなどの種々のグレードのものが挙げられる。
これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
2SA)は、特に制限はないが、通常5〜200m2
g、好ましくは50〜150m2/g、より好ましくは
80〜130m2/gの範囲である時に、引張強度や耐
摩耗性が高いレベルで改善され好適である。また、カー
ボンブラックのDBP吸着量は、特に制限はないが、通
常5〜300ml/100g、好ましくは50〜200
ml/100g、より好ましくは80〜160ml/1
00gの範囲である時に、引張強度や耐摩耗性が高いレ
ベルで改善され好適である。
【0056】カーボンブラックとして、特開平5−23
0290号公報に開示されるセチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイドの吸着(CTAB)比表面積が110〜
170m2/gで24,000psiの圧力で4回繰り
返し圧縮を加えた後のDBP(24M4DBP)吸着量
が110〜130ml/100gであるハイストラクチ
ャーカーボンブラックを用いることにより、耐摩耗性を
さらに改善できる。
【0057】補強剤の配合割合は、(a)ゴム成分10
0重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは2
0〜150重量部、より好ましくは30〜120重量部
である。
【0058】本発明の目的から、補強剤として、シリカ
単独で、あるいはシリカとカーボンブラックとを併用し
て用いることが好ましい。シリカとカーボンブラックと
を併用する場合の混合割合は、用途や目的に応じて適宜
選択されるが、シリカとカーボンブラックが重量比で、
通常10:90〜99:1、好ましくは30:70〜9
5:5、より好ましくは50:50〜90:10であ
る。
【0059】[シランカップリング剤]本発明において
シランカップリング剤を添加すると、発熱性や耐摩耗性
がさらに改善されるので、好適である。
【0060】シランカップリング剤としては、特に限定
はないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エト
キシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリ
ル)プロピル)テトラスルフィド、および特開平6−2
48116号公報などに記載されるγ−トリメトキシシ
リルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィ
ド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテ
トラスルフィドなどのテトラスルフィド類などを挙げる
ことができる。
【0061】これらのシランカップリング剤は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。シランカップリング剤の配合割合は、シリ
カ100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、
好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜10
重量部の範囲である。
【0062】[その他の配合物]本発明においては、イ
オウ含有フェノール系安定剤以外のイオウ系安定剤を配
合してもよい。そのようなイオウ系安定剤としては、例
えば、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウ
リル−チオ−プロピオネート)、ジラウリル−3,3’
−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チ
オジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジ
プロピオネートなどが例示される。イオウ含有フェノー
ル系安定剤以外のイオウ系安定剤の配合量は、(a)ゴ
ム成分100重量部に対し、好ましくは0.01〜3重
量部である。適量の添加により、組成物の色調や熱安定
性を改良できる。
【0063】上記成分以外に、常法に従って、架橋剤、
架橋促進剤、架橋活性化剤、老化防止剤、活性剤、可塑
剤、滑剤、充填剤などのその他の配合剤をそれぞれ必要
量含量することができる。
【0064】架橋剤としては、特に限定はなく、例え
ば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、
高分散性硫黄などの硫黄; 一塩化硫黄、二塩化硫黄な
どのハロゲン化硫黄; ジクミルパーオキシド、ジター
シャリブチルパーオキシドなどの有機過酸化物; p−
キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオ
キシムなどのキノンジオキシム; トリエチレンテトラ
ミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4′
−メチレンビス−o−クロロアニリンなどの有機多価ア
ミン化合物; メチロール基を持ったアルキルフェノー
ル樹脂; などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が
好ましく、粉末硫黄が特に好ましい。これらの架橋剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いられる。
【0065】架橋剤の配合割合は、(a)ゴム成分10
0重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好まし
くは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5
重量部の範囲である。架橋剤の配合割合がこの範囲にあ
る時に、引張強度や耐摩耗性に優れるとともに、耐熱性
や残留ひずみなどの特性にも優れるので特に好ましい。
【0066】架橋促進剤としては、例えば、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N
−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミ
ド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−
ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンア
ミド系架橋促進剤; ジフェニルグアニジン、ジオルト
トリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどのグ
アニジン系架橋促進剤; チオカルボアニリド、ジオル
トトリルチオウレア、エチレンチオウレア、ジエチルチ
オウレア、トリメチルチオウレアなどのチオウレア系架
橋促進剤; 2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベン
ゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウ
ム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシル
アミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベン
ゾチアゾールなどのチアゾール系架橋促進剤; テトラ
メチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラム
ジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テ
トラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチ
ウラムテトラスルフィドなどのチウラム系架橋促進剤;
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジ
チオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチルジチオカ
ルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸
鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸
亜鉛、ぺンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、エチル
フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカル
バミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、
ジエチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカ
ルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチ
ルジチオカルバミン酸ジエチルアミン、ペンタメチレン
ジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレン
ジチオカルバミン酸ピペコリンなどのジチオカルバミン
酸系架橋促進剤; イソプロピルキサントゲン酸ナトリ
ウム、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサン
トゲン酸亜鉛などのキサントゲン酸系架橋促進剤; な
どの架橋促進剤が挙げられる。
【0067】これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いられるが、少なく
ともスルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが特に好
ましい。スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものの中
では、スルフェンアミド系架橋促進剤の割合が全架橋促
進剤中の30重量%以上のものが好ましく、50重量%
以上のものがより好ましく、70重量%以上のものが特
に好ましい。架橋促進剤の配合割合は、(a)ゴム成分
100重量部に対して、通常0.1〜15重量部、好ま
しくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜
5重量部の範囲である。
【0068】架橋活性化剤としては、特に制限はない
が、例えばステアリン酸などの高級脂肪酸や酸化亜鉛な
どを用いることができる。酸化亜鉛としては、例えば、
表面活性の高い粒度5μm以下のものを用いるのが好ま
しく、かかる具体例としては、粒度が、例えば、0.0
5〜0.2μmの活性亜鉛華や0.3〜1μmの亜鉛華
などを挙げることができる。また、酸化亜鉛は、アミン
系の分散剤や湿潤剤で表面処理したものなどを用いるこ
とができる。
【0069】これらの架橋活性化剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
架橋活性化剤の配合割合は、架橋活性化剤の種類により
適宜選択される。高級脂肪酸を用いる場合、(a)ゴム
成分100重量部に対して、通常0.05〜15重量
部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは
0.5〜5重量部配合する。酸化亜鉛を用いる場合は、
(a)ゴム成分100重量部に対して、通常0.05〜
10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好まし
くは0.5〜2重量部配合する。酸化亜鉛の配合割合が
この範囲にある時に、加工性、引張強度および耐摩耗性
などの特性が高度にバランスされ好適である。
【0070】その他の配合剤の例としては、例えば、シ
ランカップリング剤以外のカップリング剤; ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオ
イルなどの活性剤; 炭酸カルシウム、タルク、クレー
などの充填剤; プロセス油、ワックスなどが挙げられ
る。
【0071】本発明のゴム組成物は、常法に従って各成
分を配合することにより得ることができる。例えば、有
機溶媒に溶解、または分散させた(a)ゴム成分を溶
解、または分散させた有機溶媒液に各成分を加えて分散
させ、スチームストリッピング法や熱ロールを用いた方
法により有機溶媒を除去したり、ロール、バンバリー、
押出機を用いて混練すればよい。
【0072】補強剤としてシリカを用いる場合の一例を
示す。
【0073】(a)ゴム成分と架橋剤および架橋促進剤
を除く配合剤を混練する場合、先ず、ジエン系ゴム成分
とシリカの少なくとも一部をロール、バンバリーなどの
混合機を用いて混合し、次いで、架橋剤や架橋促進剤を
除く残余の配合剤を添加し混合すると、分散性が向上
し、より優れた性質を備えたゴム組成物を得ることがで
きる。この場合、シリカの添加は、一括でもよいが、所
定量を好ましく2回以上に分割して添加すると分散が容
易になり、シリカと(a)ゴム成分との混合が一層容易
になる。例えば、1回目にシリカの全量の10〜90重
量%を添加し、残余を2回目以降に添加することができ
る。
【0074】(a)ゴム成分とシリカを混合する際の温
度は、通常、50〜250℃、好ましくは100〜20
0℃、さらに好ましくは120〜180℃である。この
温度が、過度に低くなると耐摩耗性の向上が少なく、逆
に、過度に高くなるとジエン系ゴム成分の焼けが生じる
ので、いずれも好ましくない。混合時間は、通常、30
秒以上であり、好ましくは1〜30分間である。
【0075】次いで、得られた混合物を通常100℃以
下、好ましくは15〜80℃まで冷却後、架橋剤と架橋
促進剤を加え混練し、その後、通常120〜200℃、
好ましくは140〜180℃の温度でプレス架橋した本
発明のゴム組成物を得ることができる。
【0076】[用途]本発明のゴム組成物は、シリカを
配合した場合、シリカ配合材料の特徴である転動抵抗を
損なわずに欠点とされていた引張強度と耐摩耗性を大幅
に改善することができ、かつ加工性にも優れた特性を有
しているので、その特性を生かす各種用途、例えばトレ
ッド、カーカス、サイドウオール、ビード部などのタイ
ヤ各部位への利用、あるいはホース、窓枠、ベルト、靴
底、防振ゴム、自動車部品などのゴム製品への利用、さ
らには耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂などの樹脂強
化ゴムとして利用が可能になる。特に、本発明のゴム組
成物は上記特性を活かして、特に低燃費タイヤのタイヤ
トレッドに優れるが、その他にもオールシーズンタイ
ヤ、高性能タイヤ、スタッドレスタイヤなどのタイヤト
レッド、サイドウオール、アンダートレッド、カーカ
ス、ビート部などに使用することができる。
【0077】(態様)本発明の態様としては、例えば、 1. (a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分とするゴ
ム成分、(b)フェノール系安定剤またはリン系安定
剤、および(c)一般式1で表されるイオウ含有フェノ
ール系安定剤からなるジエン系ゴム組成物(一般式1
中、R1、R3は、−CH2−S−R5を表し、R5は炭素
数20以下の有機残基を表し、R2は水素原子またはメ
チル基を表し、R4は水素原子または炭素数4以下のア
ルキル基を表す)、 2. (c)イオウ含有フェノール系安定剤が、一般式
1中のR5が炭素数4〜16のアルキル基を表すもので
ある1記載のジエン系ゴム組成物、 3. (c)イオウ含有フェノール系安定剤が、一般式
1中のR5が炭素数8〜12のアルキル基を表すもので
ある2記載のジエン系ゴム組成物、 4. (c)イオウ含有フェノール系安定剤が、一般式
1中のR5が炭素数8のアルキル基(オクチル基)であ
る3記載のジエン系ゴム組成物、 5. (c)イオウ含有フェノール系安定剤が、一般式
1中のR2が水素原子である1〜4のいずれかに記載の
ジエン系ゴム組成物、 6. (c)イオウ含有フェノール系安定剤が、一般式
1中のR4が炭素数1のアルキル基(メチル基)である
1〜5のいずれかに記載のジエン系ゴム組成物、 7. 極性基含有ジエン系ゴムが、共役ジエン単量体単
位35〜99.99重量%、ヘテロ原子を有する極性基
含有のビニル単量体単位0.01〜20重量%、および
芳香族ビニル単量体単位0〜55重量%からなる1〜6
のいずれかに記載のジエン系ゴム組成物、 8. 極性基含有ジエン系ゴムが、共役ジエン単量体単
位95〜99.95重量%、ヘテロ原子を有する極性基
含有のビニル単量体単位0.05〜5重量%からなるも
のジエン系ゴムである7記載のジエン系ゴム組成物、 9. 極性基含有ジエン系ゴムが、共役ジエン単量体単
位99〜99.9重量%、ヘテロ原子を有する極性基含
有のビニル単量体単位0.1〜1重量%からなるものジ
エン系ゴムである10記載のジエン系ゴム組成物、 10. 極性基含有ジエン系ゴムが、共役ジエン単量体
単位35〜95重量%、ヘテロ原子を有する極性基含有
のビニル単量体単位0.01〜20重量%、芳香族ビニ
ル単位4.99〜64.99重量%からなるものジエン
系ゴムである7記載のジエン系ゴム組成物、 11. 極性基含有ジエン系ゴムが、共役ジエン単量体
単位49.9〜79.9重量%、ヘテロ原子を有する極
性基含有のビニル単量体単位0.1〜1重量%、芳香族
ビニル単位20〜50重量%からなるものジエン系ゴム
である11記載のジエン系ゴム組成物、などが例示され
る。
【0078】また、 12. 極性基含有ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML
1+4、100℃)が20〜200である1〜11のいず
れかに記載のジエン系ゴム組成物、 13. 極性基含有ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML
1+4、100℃)が50〜120である12記載のジエ
ン系ゴム組成物、 14. 極性基含有ジエン系ゴムが乳化重合法で製造さ
れたものである1〜13のいずれかに記載のジエン系ゴ
ム組成物、 15. (a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分とする
ゴム成分中極性基含有ジエン系ゴムが20〜100重量
%である1〜14のいずれかに記載のジエン系ゴム組成
物、 16. (a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分とする
ゴム成分中極性基含有ジエン系ゴムが90〜100重量
%である15記載のジエン系ゴム組成物、 17. (a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分とする
ゴム成分100重量部に対し、(b)フェノール系安定
剤および/またはリン系安定剤0.1〜2重量部、及び
(c)一般式1で表されるイオウ含有フェノール系安定
剤0.01〜0.2重量部からなること1〜16のいず
れかに記載のジエン系ゴム組成物、 18. (a)ゴム成分100重量部に対し、(b)フ
ェノール系安定剤および/またはリン系安定剤の総量が
0.3〜1.0重量部である17記載のジエン系ゴム組
成物、 19. (a)ゴム成分100重量部に対し、(c)一
般式1で表されるイオウ含有フェノール系安定剤0.0
3〜0.20重量部である17または18記載のジエン
系ゴム組成物、などが例示される。
【0079】さらに、 20. さらに補強材を含有する1〜27のいずれかに
記載のジエン系ゴム組成物、 21. 補強材が(a)ゴム成分100重量部に対し
て、10〜200重量部である28記載のジエン系ゴム
組成物、 22. 補強材が(a)ゴム成分100重量部に対し
て、30〜120重量部である21記載のジエン系ゴム
組成物、zfffffffffffffffzz23.
補強材がシリカおよび/またはカーボンブラックであ
る20〜22のいずれかに記載のジエン系ゴム組成物、 24. シリカが含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワ
イトカーボンである23記載のジエン系ゴム組成物、 25. シリカの比表面積が窒素吸着比表面積(BET
法)で50〜400m2/gである23または24記載
のジエン系ゴム組成物、 26. シリカの比表面積が窒素吸着比表面積(BET
法)で120〜190m2/gである25記載のジエン
系ゴム組成物、 27. カーボンブラックがファーネスブラックである
23〜26のいずれかに記載のジエン系ゴム組成物、 28. カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2
A)が5〜200m2/gである23〜27のいずれか
に記載のジエン系ゴム組成物、 29. カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2
A)が80〜130m2/gである28記載のジエン系
ゴム組成物、 30. カーボンブラックのDBP吸着量が5〜300
ml/100gである23〜29のいずれかに記載のジ
エン系ゴム組成物、 31. カーボンブラックのDBP吸着量が80〜16
0ml/100gである30記載のジエン系ゴム組成
物、 32. カーボンブラックがセチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイド吸着比表面積110〜170m2/g、
24,000psiの圧力で4回繰り返し圧縮を加えた
後のDBP吸着量が110〜130ml/100gであ
るハイストラクチャーカーボンブラックである23〜2
6のいずれかに記載のジエン系ゴム組成物、 33. 補強材がシリカ単独あるいはシリカとカーボン
ブラックとの併用である20〜32記載のジエン系ゴム
組成物、 34. 補強材がシリカ:カーボンブラックが重量比で
10:90〜99:1の混合物である33記載のジエン
系ゴム組成物、 35. 補強材がシリカ:カーボンブラックが重量比で
50:50〜90:10の混合物である34記載のジエ
ン系ゴム組成物、 36. さらに架橋剤を配合した1〜35のいずれかに
記載した架橋性ジエン系ゴム組成物、 37. さらに架橋促進剤および/または架橋活性化剤
を配合した36記載の架橋性ジエン系ゴム組成物、 38. 36または37記載の架橋性ジエン系ゴム組成
物を架橋した架橋物、 39. タイヤである38記載の架橋物、などが例示さ
れる。
【0080】
【実施例】以下に、製造例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明についてより具体的に説明する。各種の物性
の測定は、下記の方法に従って行った。 (1)ジエン系ゴム中の結合スチレン単位量は、JIS
K6383(屈折率法)に準じて測定した。 (2)ジエン系ゴム中の結合N,N−ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミド単位、結合4−ビニルピリジン単
位は、ジエン系ゴムをテトラヒドロンフランに溶解し、
メタノール/アセトン(50/50容量%)で再沈澱凝
固を2回行い、真空乾燥後、500MHz1H−NMR
で測定した。 (3) ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS
K6301に準じて測定した。 (4) 熱老化試験によるムーニー粘度変化は、Gee
r式老化試験基を用い、100℃、96時間熱処理前後
のムーニー値の変化で示した。 (5)伸び(切断時伸び)は、JIS K6251に準
じて測定した。 (6)発熱性は、レオメトリックス社製RDA−IIを
用い、1%ねじれ、20Hz、60℃のtanδを測定
した。この特性は、tanδの指数(表2に示した比較
例2の値を100とした)として示した。この指数は、
大きい程好ましい。
【0081】実施例1〜8、比較例1〜3 撹拌機付きタンクに水200重量部、ロジン酸石鹸3重
量部、t−ドデシルメルカプタン0.15重量部および
表1の配合の単量体組成物100重量部を仕込んだ。反
応器温度を5℃とし、ラジカル重合開始剤としてクメン
ハイドロパーオキサイド0.1部、ソジウム・ホルムア
ルデヒド・スルホキシレート0.2部、硫酸第二鉄0.
01部を添加して重合を開始した。転化率が70%に達
した時点でジエチルヒドロキシルアミンを添加し反応を
停止させた。ここで重合されたジエン系ゴム1〜3の
内、ジエン系ゴム1、2は本発明で用いる極性基含有ジ
エン系ゴムである。次いで、未反応単量体を回収し、一
部の重合体分散液からジエン系ゴムを硫酸と食塩により
凝固させてクラムとした後、真空乾燥機で乾燥させ、ス
チレン単位量、極性基含有単量体単位、およびムーニー
粘度を測定した。
【0082】
【表1】
【0083】各安定剤30重量%、ロジン酸石鹸5重量
%、および水65重量%からなる分散液を調整し、これ
を残った重合体分散液に加え、硫酸と食塩により凝固さ
せてクラムとした後、クラムドライヤーで乾燥させて、
表2に記載した安定剤をそれぞれの配合量(表2中の各
安定剤の数値はジエン系ゴム100重量部当りの安定剤
の配合量を重量部で示した数値である)含有するジエン
系ゴム組成物を得た。得られたジエン系ゴム組成物の熱
老化試験後のムーニー粘度変化を測定した。結果を表2
に示す。
【0084】これらのジエン系ゴム組成物に、ブラベン
ダータイプミキサー中で、ジエン系ゴム100重量部当
り、アロマオイル(アロマックス#3、冨士興産社製;
アロマ分45重量%)10重量部、カーボンブラック
(シースト6、東海カーボン社製、窒素吸着比表面積1
17m2/g)10重量部、シリカ(Z1165MP、
ローヌプーラン社製; 窒素吸着比表面積=175m2
/g)40重量部、シランカップリング剤(Si69、
デグッサ社製)3.2重量部、亜鉛華(#1、本荘ケミ
カル社製)1.5重量部、ステアリン酸2重量部を加え
て、160℃で5分間混練した。
【0085】次ぎに、得られた混合物と、硫黄1.5重
量部および架橋促進剤(ノクセラーCZ、大内新興社
製)2.2重量部を50℃のオープンロールに加えて混
練した後、160℃で30分間加熱して加硫させた厚さ
2mmのシートを、3号ダンベルで打ち抜いて試験片を
作成し、切断時伸び測定した。また、加硫後のtanδ
の指数を求めた。結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】実施例1と比較例1の対比からわかるよう
に、フェノール系安定剤とイオウ含有フェノール系安定
剤を併用した本発明のジエン系ゴム組成物の方が、フェ
ノール安定剤のみを用いたジエン系ゴム組成物よりも熱
老化試験によるムーニー粘度変化が小さく、高温下での
ムーニー粘度の安定性がよく、また、伸びも大きいこと
がわかる。さらに、本発明のジエン系ゴム組成物の方が
タイヤに使用した場合の低燃費性を表すtanδの指数
が大きく、タイヤ材料として優れていることがわかる。
【0088】実施例3と比較例3の比較から、本発明の
極性基含有ジエン系ゴムの組成物と、極性基を含有しな
いジエン系ゴムの組成物では、ゴム以外の配合物が同じ
であっても、やはり、本発明の極性基含有ジエン系ゴム
組成物の方が高温下でのムーニー粘度の安定性がよく、
伸びも大きく、さらにタイヤ材料としての低燃費性に優
れていることがわかる。特に、伸びと低燃費性について
は、極性基を含有しないジエン系ゴムの組成物と比べ
て、大きな差異となっている。
【0089】
【発明の効果】本発明の極性基含有ジエン系ゴム組成物
は、ムーニー粘度の安定性、伸び、タイヤ材料としての
低燃費性、混練時のカーボンの取り込み速度などに優れ
ている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分
    とするゴム成分、(b)フェノール系安定剤および/ま
    たはリン系安定剤、および(c)下記一般式1で表され
    るイオウ含有フェノール系安定剤からなるジエン系ゴム
    組成物。 一般式1: 【化1】 (式中、R1、R3は、−CH2−S−R5を表し、R5
    炭素数20以下の有機残基を表し、R2は水素原子また
    はメチル基を表し、R4は水素原子または炭素数4以下
    のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 極性基含有ジエン系ゴムが、共役ジエン
    単量体単位35〜99.99重量%、ヘテロ原子を有す
    る極性基含有のビニル単量体単位0.01〜20重量
    %、および芳香族ビニル単量体単位0〜64.99重量
    %からなる請求項1記載のジエン系ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 極性基含有ジエン系ゴムが、ムーニー粘
    度(ML1+4、100℃)20〜200のものである請
    求項1または2記載のジエン系ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 (a)極性基含有ジエン系ゴムを主成分
    とするゴム成分100重量部に対し、(b)フェノール
    系安定剤および/またはリン系安定剤0.1〜2.0重
    量部、及び一般式1で表されるイオウ含有フェノール系
    安定剤0.01〜0.20重量部からなる請求項1〜3
    のいずれかに記載のジエン系ゴム組成物。
  5. 【請求項5】 シリカを含有する請求項1〜4のいずれ
    かに記載のジエン系ゴム組成物。
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