JPH11100731A - 紡績機のピーシング方法 - Google Patents

紡績機のピーシング方法

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JPH11100731A
JPH11100731A JP27534097A JP27534097A JPH11100731A JP H11100731 A JPH11100731 A JP H11100731A JP 27534097 A JP27534097 A JP 27534097A JP 27534097 A JP27534097 A JP 27534097A JP H11100731 A JPH11100731 A JP H11100731A
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JP
Japan
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yarn
roller
spinning
spinning nozzle
nozzle
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JP27534097A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Megata
努 目片
Akio Matsushima
明男 松島
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Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紡績ノズルを有する紡績機における糸切れ時又
は強制糸切断時に、ドラフト繊維束と巻取りパッケージ
から引出した糸とを再起動時に確実にピーシングする。 【解決手段】ドラフト装置1を出た繊維束を、旋回気流
を噴出する紡績ノズル2、その気流の旋回方向と反対方
向に撚を付与する加撚装置3の順に通して糸を製造する
紡績機において、糸切断時に、ドラフト装置1、紡績ノ
ズル2、加撚装置3及びデリベリローラー4と巻取り部
5を停止した後、巻取りパッケージPから糸を引出し、
加撚装置3、紡績ノズル2を逆走させ、ドラフト装置1
のフロントローラー10から一定長さ後方に出して保持
し、その後ドラフト装置1、紡績ノズル2、加撚装置3
及びデリベリローラー4と巻取り部5を起動するもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紡績機、特に、
紡績ノズルを有する紡績機において、巻取りパッケージ
側の糸をドラフトされた繊維束に連結するピーシング方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紡績ノズルを有する紡績機として、従
来、次のようなものが知られている。その紡績機は、ス
ライバーをドラフト装置でドラフトした後、紡績ノズル
内の圧縮空気の旋回気流により加撚し、更に、その直後
にある加撚装置により、紡績ノズルによる加撚方向とは
逆の方向に加撚して紡績糸を製造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の紡績機は、運転
中に紡績糸が切断したり、紡績糸中にスラブ等の糸欠点
が検出され強制的に切断する場合等には、紡績を継続し
ながら、巻取りパッケージから引き出した下糸と、紡績
ノズルから下流側に新たに送り出される上糸とを、ノッ
ターやスプライサー等により糸継ぎしている。そのた
め、最近の高速運転下においては、糸継ぎのタイミン
グ、巻取り開始のタイミング等がとり難くなり、糸継ぎ
を失敗することも多い。
【0004】この発明は、紡績ノズルを有する紡績機に
おける糸切れ時又は強制糸切断時に、ドラフト繊維束と
巻取りパッケージから引出した糸とを再起動時に確実に
ピーシングすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の紡績機のピー
シング方法は、ドラフト装置1を出た繊維束を、旋回気
流を噴出する紡績ノズル2、その気流の旋回方向と反対
方向に撚を付与する加撚装置3の順に通して糸を製造す
る紡績機において、糸切断時に、ドラフト装置1、紡績
ノズル2、加撚装置3及びデリベリローラー4と巻取り
部5を停止した後、巻取りパッケージPから糸を引出
し、加撚装置3、紡績ノズル2を逆走させ、ドラフト装
置1のフロントローラー10から一定長さ後方に出して
保持し、その後ドラフト装置1、紡績ノズル2、加撚装
置3及びデリベリローラー4と巻取り部5を起動するも
のである。
【0006】糸切れ停止後の再起動時に、ドラフト装置
1、加撚装置2及び巻取り部5が定常運転状態まで一定
の割合を保ったまま増速するようにする。
【0007】糸切れ停止後の再起動時に、紡績ノズル2
が直ちに定常運転時のエアー圧に復帰するようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図10を参照し、この
発明の紡績機のピーシング方法の実施形態について説明
する。先ず、対象となる紡績機について説明する。
【0009】その紡績機は、不図示のケンスより引き出
されたスライバーSをドラフトするドラフト装置1と、
ドラフト装置1を出た繊維束に旋回気流によりバルーン
を生起させる紡績ノズル2と、紡績ノズル2を出た繊維
束に前記気流の旋回方向と反対の方向に撚を付与する加
撚装置3と、紡績ノズル2を出た糸Yを引き出すデリベ
リローラー4と、その糸Yを巻き取る巻取り装置5等を
順に配列した紡績ユニットが図1の奥行き方向に多数並
設されたものである。そして、この紡績機は、各紡績ユ
ニットに沿って紡績機の長手方向に往復動し、糸継ぎ作
業をする自走式の作業台車6を備えている。なお、各錘
にそれぞれ糸継ぎ装置が装着されているタイプもある。
この紡績機の紡績速度は350〜400m/min であ
る。
【0010】ドラフト装置1は、バックローラー対7、
サードローラー対8、エプロンベルト9aを張架したセ
カンドローラー対9、フロントローラー対10の4線ロ
ーラー対よりなっている。また、11はスライバーSを
バックローラー対7に導入するためのトランペットガイ
ドである。このドラフト装置1の各トップローラーは、
共にドラフトクレードル12に回転可能に支持されると
共に、それぞれのボトムローラーに圧接される。
【0011】フロントローラー10のトップローラー
は、ボトムローラーに対して接離自在となっており、ピ
ーシング時に離れた状態が維持され、再起動直前に下降
してボトムローラーに当接される。
【0012】紡績ノズル2は、フロントローラー対10
の下流側に配され、内部空間に接線方向、且つ、やや下
流側を向いた圧縮空気を噴射することにより、加撚装置
3の加撚方向と反対方向の旋回気流を発生するものであ
る。この紡績ノズル2は、各錘単独のバルブ(不図示)
を保有している。
【0013】加撚装置3は、互いに軸方向を交叉して接
触状態に支持されている一対のローラー3a、3bとよ
りなっている。各ローラー3a、3bは、ゴム等の可塑
性弾性材からなる肉薄の筒状体を芯体に外嵌した中空ロ
ーラーであり、且つ、中央が膨らんだ樽状外形をしてい
る。
【0014】デリベリローラー4には、不図示のスプリ
ングによりニップローラー13が圧接される。ピーシン
グ時には、そのニップローラー13は、作業台車6側か
らの操作によりスプリングの力に抗してデリベリローラ
ー4より離反し、紡績糸Yの送出しが止められる。
【0015】巻取り装置5は、糸Yをトラバースガイド
14で綾振りしながら、クレードルアーム15に回転可
能に支持され、且つ、フリクションローラー16に圧接
されて回転するパッケージPに巻取るものである。
【0016】以上の各駆動部は、図1に示すように、各
錘毎に1つずつ設けたモーター17によって駆動され
る。モーター17の回転は、その回転軸17aから、エ
ンドレスのベルト18、19、20、21を経て、減速
機22、クラッチ23を介し、サードローラー8のボト
ムローラー、セカンドローラー9のボトムローラーにそ
れぞれ伝えられる。バックローラー7のボトムローラー
には、サードローラー8のボトムローラーよりベルト2
4により伝えられる。また、モーター17の回転は、エ
ンドレスのベルト25によりデリベリローラー4と中間
軸26に伝えられる。中間軸26からはフロントローラ
ー10のボトムローラーと、加撚装置3の駆動プーリー
29にそれぞれベルト27、28により伝えられる。
【0017】図2に示すように、加撚装置3を構成する
各ローラー3a、3bの各回転軸の端部に固定されたプ
ーリー30、31と、駆動プーリー29の軸29aとの
間には、それぞれれ自由回転ローラー32、33を経て
エンドレスのベルト34、35が掛け渡されている。従
って、各ローラー3a、3bは、等周速で同期して回転
することができる。なお、図2中の36、37は、自由
回転ローラーである。
【0018】図1に戻って、デリベリローラー4の回転
は、ベルト38により、パッケージPを回転させるフリ
クションローラー16と、トラバースガイド14の駆動
部に伝えられる。
【0019】以上のように、この紡績機の各錘は、各駆
動部が1つのモーター17によって駆動されるので、ド
ラフト装置1は各ローラー対の回転速度比を保ったまま
減速、増速可能であり、ある錘の停止時には、ドラフト
装置1、加撚装置3、デリベリローラー4、巻取り装置
5が同時に減速していき、同時に停止する。その際の紡
績ノズル2からのエアー吹き出しは、作業台車6からの
操作により、加撚装置3の停止より僅かに遅く停止する
ようにする。また、錘起動時には、ドラフト装置1、加
撚装置3、デリベリローラー4、巻取り装置5が同時に
増速していき、同時に定常運転速度に達するようにす
る。その際の紡績ノズル2からのエアー吹き出しは、加
撚装置3を立ち上げるより僅かに早く開始する。また、
停止時の錘の減速割合は小さくし、起動時の錘の増速割
合はより大きくする。減速時間及び増速時間は5秒程度
とする。
【0020】作業台車6は、ピーシング時に巻取りパッ
ケージPの糸端を吸引して引出すサクションマウス39
と、サクションマウス39によって引出された糸端を次
に説明する糸端誘導装置40に案内する糸案内装置41
と、糸端解撚手段を兼ねた糸逆走ノズル42、カッター
43及びクランプ44を備え、糸端を紡績ノズル2まで
誘導する糸端誘導装置40と、巻取り側の糸を予め弛ま
せておくスラックチューブ45と、糸逆走ノズル42に
より紡績ノズル2に挿通した糸端を吸引してドラフト装
置1のフロントローラー10の上流側に引き出すサクシ
ョンノズル46とを備えている。
【0021】更に作業台車6は、巻取り装置5のクレー
ドルアーム15と一体のクレードルボス15aに当接
し、クレードルアーム15を任意の振れ角に位置決めす
るグリップレバー47と、巻取りパッケージPを逆回転
させるリバースローラー48と、リバースローラー48
をパッケージPに圧接する旋回アーム49と、パッケー
ジPを押圧してフリクションローラー16より離すパッ
ケージ押圧プレート50と、巻取り側の糸をトラバース
ガイド14から離しておく糸外しガイド51と、これら
の作動タイミングを制御する複数よりなるカム52とを
備えている。
【0022】糸案内装置41は、図3に示すように、垂
直軸回りに回動可能に支持された糸掛止アーム41a及
び水平軸回りに回動自在に支持された糸ガイドアーム4
1bよりなり、ピーシング時には、図3中実線で示した
各位置と、同図中2点鎖線で示した位置との間を約18
0°往復揺動する。
【0023】糸端誘導装置40は、図3に示すように、
作業台車6のフレーム上端部にあるブラケット53に回
動可能に支持され、先端には、図5ないし図7に示す糸
逆走ノズル42、カッター43及びクランプ44が付設
されている。糸端誘導装置40の回動軸に一体に設けた
ギア54には、セグメントギア55が噛合している。ピ
ーシング動作を司るカム52によってセグメントギア5
5が回転すると、糸端誘導装置40は上下に旋回揺動
し、旋回軌道の下行端においては、糸逆走ノズル42を
糸案内装置41の側方に位置させ、旋回軌道の上行端に
おいては、図8に示すように、糸逆走ノズル42を紡績
ノズル2と加撚装置3との間の糸道上方に位置させるこ
とができる。
【0024】糸逆走ノズル42は、図5及び図6に示す
ように、糸端誘導装置40の先端に固定したノズルブロ
ック56に、前後に貫通して導糸孔56aを穿設し、そ
の導糸孔56a内に軸心方向に対して傾斜したエアー噴
出孔56bを開口し、導糸孔56aに沿ってノズルブロ
ック56を縦断する糸挿入用のV字状に拡開したスリッ
ト56cを設けたものである。エアー噴出孔56bへの
エアー供給路56dは、エアー供給管57を介して圧力
源58に接続されており、エアー供給管57にはエアー
圧の高低切換手段59が設けられている。
【0025】そのエアー圧切換手段59として、例え
ば、図6及び図7に示すように、エアー供給管57の途
中に設けた分岐部分57a、57bにソレノイドバルブ
59a、59bを並設し、且つ、一方の分岐管57aに
レギュレータ59cを設けたものが用いられる。この一
方のソレノイドバルブ59aのみを開くと、圧力源58
から供給されるエアーはレギュレータ59cで減圧さ
れ、エアー噴出孔56cから低圧のエアー噴射が行わ
れ、導糸孔56a内に図5中上方から下方に向かう低圧
空気流が発生する。また、他方のソレノイドバルブ59
bのみを開くと、圧力源58からエアー噴出孔56bに
エアーが直接供給され、導糸孔56a内に高圧空気流が
発生する。ソレノイドバルブ59a、59bは、カム5
2によって操作される不図示のスイッチにより、ピーシ
ングの各動作と連動して所定のタイミングで開閉され
る。
【0026】カッター43は、糸逆走ノズル42の送出
し側に付設されており、固定刃43aと、それとの間で
不図示のエアーシリンダーにより揺動して糸Yを切断す
る可動刃43bとよりなっている。
【0027】クランプ44は、糸逆走ノズル42の導入
側に付設されており、固定片44aと、それとの間で不
図示のエアーシリンダーにより揺動して糸Yを圧接し把
持する可動片44bとよりなっている。
【0028】サクションノズル46は、図3に示すよう
に、その基端部において作業台車6のフレーム上端部の
ブラケット60に回動可能に支持されている。その回動
軸に一体に設けたギア61には、セグメントギア62が
噛合している。カム52によってセグメントギア62が
回転すると、サクションノズル46は上下方向に旋回揺
動する。その旋回軌道の上行端では、フロントローラー
10のボトムローラーより上挙離反した位置にあるトッ
プローラー10aの上流側、即ち、エプロンベルト9a
の先端上方の糸ガイド63の内側に、吸引口46cが位
置するようになっている。また、サクションノズル46
は、図10に示すように、先端部分46aが、基端側部
分46bに対して折り畳み可能となっている。
【0029】サクションノズル46の基端側は、図3に
示すように、ジョイント63を介してサクションパイプ
64に回動可能に連結されている。サクションパイプ6
4の他端は、不図示のブロワにより減圧されているダス
トボックス65に連結されている。
【0030】次に、巻取りパッケージPより引出した糸
Yを、加撚装置3、紡績ノズル2を逆走させ、ドラフト
装置1のフロントローラーから一定長さ後方に出して保
持する、この発明のピーシング方法について詳述する。
【0031】先ず、ヤーンクリアラ66が糸切れや糸欠
点を検出して(糸欠点検出の場合は加撚装置3とデリベ
リローラー4との間に設けた不図示のカッターにより強
制切断される)制御信号を発すると、ラフト装置1、紡
績ノズル2、加撚装置3、デリベリローラー4及び巻取
り装置5がほぼ同時に停止する。と同時に、ヤーンクリ
アラ66より出力された別の信号により、作業台車6が
当該ユニット(錘)に停止する。
【0032】そして、フロントローラー10のトップロ
ーラー10aがボトムローラーより上挙離反され、紡績
ノズル2も上挙され、更に、ニップローラー13もデリ
ベリローラー4より離反される。
【0033】次いで、カム52の作動により、パッケー
ジ押圧プレート50がパッケージPとフリクションロー
ラー16との間に入り、同じくカム52の作動により、
グリップレバー47がクレードルボス16aに当接して
パッケージPがフリクションローラー16より離反した
位置に位置決めされる。この状態でサクションマウス3
9が回動してパッケージPの糸端が吸引される。
【0034】それと共に、パッケージPの糸Yの切断端
は、旋回アーム49の旋回によりパッケージPに圧接さ
れたリバースローラー48の回転により巻戻されつつ、
サクションマウス39により吸引されて上方に引出され
る。その際、糸外しガイド51が突出し、糸Yがトラバ
ースガイド14に掛からないようにされる。
【0035】続いて、図3に示すように、糸案内装置4
1の糸掛止アーム41aと糸ガイドアーム41bとが回
動し、サクションマウス39に吸引されている糸Yが糸
掛止アーム41aに掛止されると共に、糸掛止アーム4
1aとサクションマウス39との間の糸Yが糸ガイドア
ーム41bに掛止され、旋回軌道の下行端に位置してい
る糸端誘導装置40の糸逆走ノズル42内に挿入され
る。次いで、クランプ44により該糸Yが把持された
後、カッター43が作動して、サクションマウス39側
の糸Yが切断される共に、サクションマウス39により
吸引除去される。
【0036】その間、リバースローラー48の回転によ
り継続的に巻戻されクランプ44とパッケージPとの間
で余剰するパッケージPの糸Yは、スラックチューブ4
5に一旦吸収される。
【0037】このような状態から、図8に示すように、
糸端誘導装置40が上方に旋回し、巻取り側の糸端が上
挙中の紡績ノズル2の出口へ誘導される。その過程で、
エアー圧切換手段59の高圧側ソレノイドバルブ59b
が開いて糸逆送ノズル42の導糸孔56a内に高圧のエ
アーが噴射され、導糸孔56a内にある糸端が、図7に
示すように、解撚解繊される。糸逆送ノズル42が紡績
ノズル2の出口に到達する頃には、解繊が完了し、エア
ー噴射が停止する。なお、糸端誘導装置40の上方への
旋回と共に、スラックチューブ45に予め吸収されてい
た糸Yが引出される。
【0038】これと並行して、サクションノズル46が
上方に旋回すると共に、その先端部46aが伸長し、図
9及び図10に示すように、吸引口が、フロントローラ
ー10の上挙中のトップローラー10aの上流側、且
つ、エプロンベルト9a上方の糸ガイド63内に入り込
み、吸引が始まる。
【0039】このような状態から、エアー切換手段59
の低圧側のソレノイドバルブ59aが開き、糸逆送ノズ
ル42の導糸孔56a内に低圧エアーが噴射されると、
図8に示すように、糸逆送ノズル42から紡績ノズル2
を経てエプロンベルト9aに至る空気流が発生する。続
いて、クランプ44が開くと、糸端は前記空気流に乗っ
て紡績ノズル2に挿通される。そして、その糸端は、サ
クションノズル46に吸引され、その後カッター装置
(不図示)により所定長にカットされる。
【0040】次いで、フロントローラー10のトップロ
ーラー10a及び紡績ノズル2が常態位置に下降すると
共に、巻取り側の糸Yが糸逆送ノズル42から外れ、加
撚装置3の一対のローラー3a、3b間に導入される。
これと並行して、グリップレバー47がクレードルボス
15aから離れ、パッケージPがフリクションローラー
16に圧接される。
【0041】そして、ニップローラー13が下降してデ
リベリローラー4に当接すると、モーター17が回転
し、ドラフト装置1、加撚装置3、デリベリローラー
4、巻取り装置5が同時に増速し、同時に定常運転速度
に達する。紡績ノズル2からは、加撚装置3が回転を開
始する少し前にエアーが吹き出される。
【0042】この再起動により、エプロンベルト9aの
先端で停止していた繊維束がフロントローラー10に達
する間に、サクションノズル46の吸引口に達した巻取
り側糸端は、糸ガイド63により偏平に押し広げられた
繊維束の中央に案内されると共に、その繊維束と巻取り
側の解繊糸端とが一定長重なりあった状態でフロントロ
ーラー10より送り出され、加撚装置3で巻取り側の糸
に付与さている仮撚により、重合状態の糸端と繊維束と
が撚りこ込まれる。このとき、糸端が繊維束の幅方向中
央に位置していることから、糸端を繊維束が包み込むよ
うにして集束し継ぎ合わされ、一体化する。
【0043】一方、繊維束先端の両側部分の繊維は、集
束せずにフリー状態のまま、紡績ノズル2に吸引され、
紡績ノズル2内での上記仮撚と反対方向の旋回気流の作
用により、継ぎ合わされた部分と、それに連なる集束繊
維束を芯にして、その周囲に巻き付けられ、巻付繊維を
形成する。
【0044】更に、加撚装置3を経て芯繊維束の仮撚が
解撚される過程で巻付繊維が芯繊維束により強く巻付け
られる結果、巻取り側の糸YとスライバーS側は一本の
結束紡績糸としてピーシングされると共に、以後、連続
的に結束紡績糸Yが紡出される。
【0045】このうようにしてピーシングされた部分
は、結束紡績糸Yの本源的な糸形成過程を経て一体化さ
れているので、構造的にも外見上も結束紡績糸Yの他の
部分と何ら変わらない。また、巻取り側の糸端を予め解
繊しているので、フロントローラー10でニップされ、
スライバー側繊維束と重合する際に、繊維が交絡しやす
くなり、充分な強度の継目が得られる。
【0046】このようなピーシングは、高速運転下にお
いても特別なタイミング取りの必要もなく、ほとんど失
敗しない。
【0047】なお、加撚装置は、一対のローラー3a、
3bを用いるもの以外の、空気ノズルによるもの、ベル
ト式のもの、ディスク式のものを採用してもよい。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0049】即ち、錘停止状態でドラフト装置内のスラ
イバーと巻取りパッケージから引出した糸とを重ね合わ
せるので、高速紡績機であっても特別なタイミング取り
の必要もなく、ほとんど失敗せずにピーシングを行うこ
とができる。また、ドラフト装置のフロントローラー後
方への糸引出し長を適当な長さに設定することにより、
安定したピーシング状態を得ることができる。更に、必
要に応じて錘停止、再起動できるので、保守、点検を気
楽に行うことができる。また、ピーシング後の再起動が
ゆるやかな加速度で行われるので、急激な負荷が掛から
ず、錘各部を傷めることがなく、寿命が長くなると共
に、停止、再起動自体が静かになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の対象となる紡績機(対象紡績
機)の駆動系統を示す側面図である。
【図2】対象紡績機の加撚装置布団の斜視図である。
【図3】対象紡績機の正面図である。
【図4】対象紡績機の側面図である。
【図5】対象紡績機における糸逆走ノズルの斜視図であ
る。
【図6】対象紡績機における糸逆走ノズル及びそのエア
ー圧切換手段を示す断面図である。
【図7】対象紡績機における解撚時の糸逆走ノズル及び
そのエアー圧切換手段を示す断面図である。
【図8】糸端誘導装置の動作を示す対象紡績機の側面図
である。
【図9】紡績ノズルに糸を挿通した状態を示す対象紡績
機の要部断面図である
【図10】サクションノズルによる糸吸引状態を示す対
象紡績機の側面図である。
【符号の説明】 1 ドラフト装置 2 紡績ノズル 3 加撚装置 5 巻取り部 10 フロントローラー 17 モーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラフト装置を出た繊維束を、旋回気流を
    噴出する紡績ノズル、その気流の旋回方向と反対方向に
    撚を付与する加撚装置の順に通して糸を製造する紡績機
    において、糸切断時に、上記ドラフト装置、紡績ノズ
    ル、加撚装置及びデリベリローラーと巻取り部を停止し
    た後、巻取りパッケージから糸を引出し、加撚装置、紡
    績ノズルを逆走させ、ドラフト装置のフロントローラー
    から一定長さ後方に出して保持し、その後ドラフト装
    置、紡績ノズル、加撚装置及びデリベリローラーと巻取
    り部を起動する紡績機のピーシング方法。
  2. 【請求項2】糸切れ停止後の再起動時に、ドラフト装
    置、加撚装置及び巻取り部が定常運転状態まで一定の割
    合を保ったまま増速する請求項1に記載の紡績機のピー
    シング方法。
  3. 【請求項3】糸切れ停止後の再起動時に、紡績ノズルが
    直ちに定常運転時のエアー圧に復帰する請求項1又は請
    求項2に記載の紡績機のピーシング方法。
JP27534097A 1997-09-22 1997-09-22 紡績機のピーシング方法 Pending JPH11100731A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112746363A (zh) * 2020-12-28 2021-05-04 江苏恒力化纤股份有限公司 一种提高poy丝过尾率的方法
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