JPH08246271A - ピーシング方法及びピーシング装置 - Google Patents

ピーシング方法及びピーシング装置

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JPH08246271A
JPH08246271A JP7963895A JP7963895A JPH08246271A JP H08246271 A JPH08246271 A JP H08246271A JP 7963895 A JP7963895 A JP 7963895A JP 7963895 A JP7963895 A JP 7963895A JP H08246271 A JPH08246271 A JP H08246271A
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JP
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yarn
roller
piecing
spinning
spun yarn
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JP7963895A
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Tsutomu Megata
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常に一定の継目長でピーシングが行え、継目
の強度及び外観が良好であるピーシング方法及びピーシ
ング装置を提供する。 【構成】 紡績済の糸を紡績装置を経てドラフト装置の
基準ローラ上流側に所定長さ引き出した後、紡績を開始
してドラフトされた繊維束と紡績済の糸とをドラフト装
置の基準ローラ位置で重合させるピーシング方法におい
て、前記引き出した紡績済の糸の走行路上の所定の位置
に設けた糸検出センサで紡績済の糸の端を検出した時に
ドラフト装置による繊維束の供給を開始するようにし
た。この際、予め、基準ローラの直ぐ上流側のローラに
繊維束の先端が位置した状態にしておくことが好適であ
る。上記紡績済の糸の走行路上の所定の位置を屈曲部と
し、該屈曲部に、上記糸検出センサを設けた

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紡績装置における切断糸
のピーシング方法及びピーシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気紡績ノズルを用いた紡績装置
においては、スライバを3線乃至はそれ以上のドラフト
ローラ対によりなるドラフト装置でドラフトした後、空
気紡績ノズル内で圧空噴射により発生している旋回気流
により加撚し、紡績糸を製造している。
【0003】このような紡績装置において、紡績糸に糸
切れを生じた場合、或いは、紡績糸にスラブ等の糸欠点
が検出され糸を強制的に切断した場合等においては、巻
取側より引き出した下糸と空気紡績ノズルで新たに紡績
され下流側に送出された上糸とをメカノッタやスプライ
サ等により糸継ぎしていた。これらの方法は、糸同士を
継ぎ合わせるものであるため、継目の組成及び外観を向
上する上で自ずと限界があった。
【0004】そこで、巻取側の糸端を空気紡績ノズルに
逆通した後、紡績及び巻取を再開することによって紡績
過程にある糸と巻取側糸端とをピーシングする方法が提
案されている。このようなピーシング方法において、継
目長が一定でその外観が良好なピーシングを行うために
は、巻取側の糸の引出し長及び、その位置を一定とする
と共に、巻取再開と紡績再開のタイミングを一定に揃え
ることが肝要であるが、糸端位置やタイミングを揃える
ことが困難で一定の継目長が得られないという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
のこれらの点に鑑みて、常に安定した長さの継目長でピ
ーシングが行え、継目の強度及び外観が良好であるピー
シング方法及びピーシング装置を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】紡績済の糸を紡績装置を
経てドラフト装置の基準ローラ上流側に所定長さ引き出
した後、紡績を開始してドラフトされた繊維束と紡績済
の糸とをドラフト装置の基準ローラ位置で重合させるピ
ーシング方法において、前記引き出した紡績済の糸の走
行路上の所定の位置に設けた糸検出センサで紡績済の糸
の端を検出した時にドラフト装置による繊維束の供給を
開始するようにした。この際、予め、基準ローラの直ぐ
上流側のローラに繊維束の先端が位置した状態にしてお
くことが好適である。そして、これを実施するための装
置として、ドラフト装置の基準ローラ上流側に引き出し
た紡績済の糸の走行路上の所定の位置を屈曲部とし、該
屈曲部に、紡績済の糸の端を検出することによりドラフ
ト装置による繊維束の供給開始時期を決定する糸検出セ
ンサを設けた。
【0007】
【作用】糸検出センサが紡績済の糸の端を検出した時、
繊維束の供給を開始すると、繊維束の供給開始時点にお
ける基準ローラから紡績済の糸の端までの長さは常に一
定となり、基準ローラでの紡績済の糸と繊維束との重合
長さが一定となる。
【0008】この際、予め、繊維束先端がピーシングポ
イントとなる基準ローラの直ぐ上流側のローラ(例えば
基準ローラをフロントローラとした場合にはミドルロー
ラ)に位置していれば、繊維束の供給再開後、その先端
が上記基準ローラに到達するまでの時間が最短となる。
これにより、繊維束供給再開と同時か、又はそれ以前に
糸端の通過を検出する必要がある糸検出センサから基準
ローラまでの距離、及び引き出される紡績済の糸の長さ
が最短となりピーシングの所要時間が最短となる。
【0009】そして、ドラフト装置の基準ローラ上流側
に引き出した紡績済の糸の走行路上の所定の位置を屈曲
部とし、該屈曲部に上記糸検出センサを設ければ、屈曲
部では紡績済の糸の走行軌跡が一定するので糸端の検出
が確実にできる。
【0010】
【実施例】実施例について図面と共に説明する。
【0011】図1及び図2は、本発明方法を実施する紡
績機1を示す正面図及び側断面図である。図において、
紡績機1は、ドラフト装置2,空気紡績ノズル3,仮撚
装置4,デリベリローラ5,ヤーンクリアラ6,巻取装
置7を上流側より下流側に向けて一連に設けた紡績ユニ
ット1uを多数並設してなり、該各紡績ユニット1uに
沿って紡績機1の機台長手方向に往復移動する自走式の
作業台車8を備えている。
【0012】ドラフト装置2は、バックローラ対21,
サードローラ対22,エプロンベルト23eを装架した
ミドルローラ対23,フロントローラ対24の4線のド
ラフトローラ対よりなり、25はスライバSをバックロ
ーラ対21に導入するトランペットガイド、26はスラ
イバSの幅を規制するコンデンサである。各ドラフトロ
ーラ対の内、フロントローラ対24はそのボトムローラ
を各ユニット共通のラインシャフト上に設けて全ユニッ
ト一斉に駆動されるが、その他の各ローラは、各ユニッ
ト毎に駆動停止可能になっている。
【0013】即ち、図2に示す如く、バックローラ対2
1とサードローラ対22の各ボトムローラは、ラインシ
ャフト27にクラッチ271を介して張架した共通のタ
イミングベルト272により所定の周速比で駆動され、
また、ミドルローラ23のボトムローラはラインシャフ
ト28にクラッチ281を介して張架したタイミングベ
ルト282により駆動されるようになっている。そし
て、それぞれ、クラッチ271,281を開閉すること
により各ボトムローラの停止及び駆動を行うことが可能
である。
【0014】各クラッチ271,281は、電磁クラッ
チであり、共にマイクロスイッチS3に接続されてい
る。L3はマイクロスイッチS3を操作するレバーであ
り、その一端にはロッド61を連接しており、該ロッド
61にはソレノイドS0に接離するプレート62を固定
している。通常の紡績状態では、ソレノイドS0は励磁
され、該ソレノイドS0にプレート62は接している
が、糸切れの際にはヤーンクリアラ6の制御信号により
ソレノイドS0が非励磁状態となり、図示しないスプリ
ングの付勢によりプレート62より離反すると共にレバ
ーL3が図2中点鎖線で示される如く反時計方向に回動
し、これによりマイクロスイッチS3が切れてクラッチ
271,281が開かれバック,サイド,ミドルの各ド
ラフトローラ21,22,23が停止するようになって
いる。そして、ピーシング時に作業台車8側のエアシリ
ンダC3が作動して、レバーD2を回動することによ
り、レバーL3が図2中実線で示す如く、元位置にリセ
ットされれば、クラッチ271,281が閉じ上記各ド
ラフトローラ21,22,23が駆動状態となると共
に、励磁されたソレノイドS0によりプレート62が接
触状態で保持される。
【0015】上記ドラフト装置2の各トップローラは、
夫々ドラフトクレードル29に回転自在に支持されると
共に、該ドラフトクレードル29に設けた図示しない付
勢部材により各ボトムローラに圧接されているが、この
うち、フロントローラ対24のトップローラ24tは他
のローラと独立して個別にボトムローラ24bから上挙
離反可能となっており、以下、フロントローラの離反機
構について図4により説明する。
【0016】図において、フロントトップローラ24t
はローラ軸241に回転自在に支持され、該ローラ支軸
241はドラフトクレードル29に固定した支軸242
により揺動可能に支持されているベルクランク243の
一端に固定されている。そして、該ベルクランク243
の他端には、ドラフトクレードル29内にピボット支持
されているエアシリンダ244のピストンロッド245
を連結している。エアーシリンダ244の各側の送気管
246,247はそれらに対するエア流路を切換えるメ
カニカルバルブV2を介して送気管248により図示し
ない圧力源に接続されている。L2は、上記メカニカル
バルブV2を操作するレバーである。該レバーL2は、
通常の紡績状態では図示しないスプリングの付勢により
図4中2点鎖線で示す位置にあり、その場合、送気管2
46からエアシリンダ244にエアが供給されること
で、該エアシリンダ244のピストンロッド245は短
縮され、これによりベルクランク243が図4中時計方
向に回動してフロントトップローラ24tをボトムロー
ラ24bに圧接する。即ち、エアシリンダ244に供給
されるエアの圧力によりフロントローラ対24の接圧が
与えられている。
【0017】そして、このような状態からレバーL2を
図4中実線で示される如く時計方向に回動すると、エア
流路が切替わり、送気管247からエアシリンダ244
にエアが供給されることで、該エアシリンダ244のピ
ストンロッド245が伸長され、これによりベルクラン
ク243が図4中反時計方向に回動してフロントトップ
ローラ24tを上挙し、ボトムローラ24bから離反さ
せる。上記レバーL2の操作は、ピーシング時に、所定
の位置に位置決めされ停止された作業台車8側の対応す
るエアシリンダC2のピストンロッドが突出してレバー
D2を回動することにより行われる。
【0018】次に、空気紡績ノズル3と、その昇降機構
について図3及び図4と共に、説明する。
【0019】空気紡績ノズル3は、図3に示す如く、フ
ロントローラ対24の下流側に配置され、ノズル内側面
接線方向に圧空噴射孔33を開口して、該圧空噴射孔3
3より圧縮空気を噴射することにより空気紡績ノズル3
内に後述する仮撚装置4の加撚方向と反対方向の旋回気
流を発生可能である。尚、上記圧空噴射孔33は糸走行
方向に向けて傾斜して設けてあるので、空気紡績ノズル
3の導入口31付近では吸引気流を生じ易くなってい
る。
【0020】34は、上記空気紡績ノズル3に圧縮空気
を紡績するエア供給管であり、該エア供給管34は、図
4に示す如く、メカニカルバルブV1を介して図示しな
い圧力源に接続されている。L1は上記メカニカルバル
ブV1を操作するレバーであり、該レバーL1を図中実
線で示される位置まで回動してメカニカルバルブV1を
操作した際には、空気紡績ノズル3への圧縮空気の供給
が停止されるようになっている。レバーL1の上記操作
は、ピーシング時に所定位置に停止した作業台車8の対
応するエアシリンダC1のピストンロッドが突出してレ
バーD1を回動することにより行なわれる。
【0021】そして、空気紡績ノズル3は、図4に示す
如く揺動アーム35の先端に固定されている。揺動アー
ム35は、ブラケット36で揺動可能に支持され、該揺
動アーム35の他端はロッド37を介してベルクランク
38の一端に連接し、該ベルクランク38の他端には昇
降ロッド39が連結されている。通常の紡績時には、空
気紡績ノズル3を固定したブラケット36は図示しない
スプリングの付勢により図4中2点鎖線で示される位置
に位置決めされているが、ピーシング時に、作業台車8
の対応するエアシリンダC5が作動して、昇降ロッド3
9を押上げることにより、図4中実線で示される位置ま
で揺動し、これにより空気紡績ノズル3は、紡績位置を
外れて上方に移動するようになっている。
【0022】次に、仮撚装置4について図3及び図13
と共に説明する。
【0023】図において、仮撚装置4は、互いに軸方向
を交差して接触状態に支持されている一対のローラ4
1,42よりなる。各ローラ41,42はゴム等の可撓
性弾性材からなる薄肉のローラをローラ芯体に外嵌して
なる中空ローラであり、且つ、その周面両端部に対して
中央部が断面弧状に膨らんだ樽形の外形状をなしてい
る。そして、各ローラ41,42はブラケット43,4
4にベアリングを介して回転自在に支持され、且つ、各
回転軸の端部に設けたプーリ45,46とモータ50の
回転軸に固定したプーリ49との間に、夫々、ベルト4
7,48を巻掛け、該モータ50により等周速で同期し
て回転されるようになっている。
【0024】次に、デリベリローラ5,及びそのニップ
ローラ51について図4と共に説明する。
【0025】図において、ニップローラ51は、支軸5
2に揺動自在に支持されている支持アーム53の先端に
回転自在に支持され、且つ、支持アーム53の他端の延
長部分54は、ロッド55を介してレバーL4に連接し
ている。該支持アーム53は、通常の紡績時には図示し
ないスプリングにより図中反時計方向に付勢され、これ
により、ニップローラ51は図中2点鎖線の如くデリベ
リローラ51に圧接され紡績糸Yを送出可能であるが、
ピーシング時に、作業台車8の対応するエアシリンダC
4が作動してレバーD4を回動し、それにより上記レバ
ーL4が図4中実線で示されるように反時計方向に回動
され、これによりニップローラ51は、前記スプリング
の付勢力に抗してデリベリローラ5より離反して、紡績
糸Yの送出を停止するようになっている。
【0026】ヤーンクリアラ6は紡績糸Yに生じるスラ
ブ,細糸,太糸等の糸欠点、及び、糸切れを検出する検
出装置であり、それらを検出した場合は制御信号を出力
して紡績を停止すると共に、ピーシングを行うために作
業台車8を当該紡績ユニット1uに停止させる。
【0027】巻取装置7は、トラバースガイド71で糸
Yを綾振りしながら、クレードルアーム73に回転自在
に支持され、且つ、フリクションローラ72に圧接され
て回転するパッケージPに巻取るものである。
【0028】作業台車8は、図1及び図2に示す如く紡
績機1の機台全長に亘って設けたレール81,82に沿
って、上記紡績機1の多数並設された各紡績ユニット1
u間を往復移動可能であり、該作業台車8には、ピーシ
ング時に巻取パッケージPに巻取られた紡績済の糸端を
吸引して引き出すサクションマウス9、該サクションマ
ウス9により引き出された糸端を糸端誘導装置11に案
内する糸案内装置10、上記糸端を空気紡績ノズル3ま
で誘導する糸端誘導装置11とそれに付設された糸逆送
ノズル12、カッタ13、及びクランプ14、巻取側の
糸を予め弛ませておくスラックチューブ15、上記糸逆
送ノズル12により空気紡績ノズル3に挿通した糸端を
吸引捕捉してドラフト装置2のフロントローラ24(基
準ローラ)上流側に引き出す糸端捕捉手段としてサクシ
ョンノズル16を設けている。
【0029】また、作業台車8には、巻取装置7のクレ
ードルアーム73と一体のクレードルボス74に当接
し、クレードルアーム73を任意の振れ角で位置決めす
るグリップレバー83、巻取パッケージPを逆回転させ
るためのリバースローラ84及び、該リバースローラ8
4をパッケージPに圧接する旋回アーム85、パッケー
ジPを押圧してフリクションローラ72より離すパッケ
ージ押圧プレート86、巻取側の糸をトラバースガイド
71から離しておく糸外しガイド87(図1に示す)を
設けると共に、これらの作動及びタイミングを制御する
複数よりなるカム88、及びその制御装置89を備えて
いる。
【0030】次に糸案内装置10、及びその作動につい
て、図7(a)と共に説明する。図において、糸案内装
置10は糸係止アーム101、及び、糸ガイドアーム1
02より主に構成されている。
【0031】糸係止アーム101は、その先端にフック
101aを形成すると共に、基端部において、作業台車
8のフレームに固定したブラケット103の上面に回動
自在に支持されている垂直軸104の上端に固定され、
且つ、該垂直軸104の略中央に設けられたギア105
には、上記ブラケット103に垂直軸回りに回動自在に
支持されているセグメントギア106が噛合している。
また、糸ガイドアーム102は、その先端を分岐して互
いに平行に設けた2枚のプレート状部分に夫々、V字状
の糸ガイド溝102a,102bを形成すると共に、紡
績機1の機台正面側に位置する糸ガイド溝102aの更
に先端部にはフック102cを形成している。そして、
糸ガイドアーム102は、その基端部において、上記ブ
ラケット103の前面に回動自在に支持されている水平
軸108の一端に固定され、且つ、該水平軸108の他
端には、ベベルギア109を設け、該ベベルギア109
は前記垂直軸104の下端に設けたベベルギア107に
噛合している。
【0032】上述の如く形成されている糸案内装置10
の各アーム101,102は以下の如く作動する。即
ち、ピーシング時において、ピーシングの各動作を制御
するカム88の回転により、図示しないレバー等を介し
てロッド110が所定のストロークだけ前進後退する
と、セグメントギア106は図7(a)中時計方向に回
動し、次いで逆回動し、該セグメントギア106に噛合
するギア105により糸係止アーム101は垂直軸10
4を中心に約180°往復揺動する。また、これと並行
して、糸ガイドアーム102は、ベベルギア107,1
09により水平軸108を中心に約180°往復揺動す
るようになっている。
【0033】糸端誘導装置11は、図1に示す如く作業
台車8のフレーム上端部にブラケット111で回動可能
に支持されているアーム112の先端に図6,図7
(a)、及び図10に示す糸逆送ノズル12を設けると
共に、該糸逆送ノズル12の両側にカッタ13及びクラ
ンプ14を付設している。また、糸端誘導装置11のア
ーム112の回動軸に一体に設けたギア113には、セ
グメントギア114が噛合しており、該セグメントギア
114をピーシングの各動作を司るカム88で回動する
ことにより、糸端誘導装置11は上下に旋回揺動するよ
うになっている。
【0034】そして、糸端誘導装置11は、旋回軌道の
下行端においては糸逆送ノズル12部分を糸案内装置1
0の側方に位置させると共に、旋回軌道の上行端におい
ては図9に示す如く上記糸逆送ノズル12を空気紡績ノ
ズル3と仮撚装置4との間の糸道上方に位置させること
ができる。
【0035】糸逆送ノズル12は、図6に示す如く、糸
端誘導装置11のアーム112の先端に固定したノズル
ブロック121を前後に貫通して導糸孔122を穿設す
ると共に、該導糸孔122内に、ノズル軸心方向に対し
て傾斜させてエア噴射孔123を開口している。124
は該エア噴射孔123へのエア供給路であり、エア供給
管125を介して図示しない圧力源に接続されている。
そして、糸逆送ノズル12はエア噴射孔123から圧縮
空気を噴射することにより導糸孔122内に図6中上方
から下方に向かう空気流を発生可能である。
【0036】また、糸逆送ノズル12は、図7(a)に
示す如く、導糸孔122に沿ってノズルブロック121
を縦断するスリット126を設け、該スリット126に
より導糸孔122内に糸Yを図7(a)中上方から挿入
可能である。尚、該スリット126は糸Yを容易に挿入
できるよう図中上方に向けてV字状に拡開している。
【0037】カッタ13は、糸逆送ノズル12の送出側
となる図6中下側に付設された固定刃131と、可動刃
132とからなり、図示しないエアシリンダにより可動
刃132が揺動して固定刃131との間の糸Yを切断可
能である。
【0038】また、クランプ14は、糸逆送ノズル12
の導入側となる図6中上側、即ち、導糸孔122を挟ん
でカッタ13と反対側に付設され、固定片141と、そ
れに対向して揺動自在に設けた可動片142とからな
り、図示しないエアシリンダにより可動片142が固定
片141に圧接して、それらの間に糸Yを把持すること
ができる。
【0039】スラックチューブ15は、図1及び図7
(a)に示す如く、揺動した糸係止アーム101´の下
側に吸入口151を開口しており、該吸入口151は、
上記糸係止アーム101´と巻取パッケージPとの間の
糸Yの糸道に沿って上下方向に偏平であり、且つ、やや
傾斜して配置されている。
【0040】また、吸入口151と、それに連なるチュ
ーブ内の吸入管路は、上下端部の円孔を、該円孔の直径
より幅小なるスリットで連通した断面I形状をなしてお
り、このため、スラックチューブ15に吸入された糸Y
はその上下端部に沿うようにU字状に分離され、糸の残
留トルクによるビリの発生を防止することができる。
【0041】次に、サクションノズル16、及びその作
動について説明する。
【0042】サクションノズル16は、図1に示す如
く、その基端部において作業台車8のフレーム上端部に
ブラケット161で回動可能に支持されると共に、その
回動軸をなす管に固定され一体のギア162にはセグメ
ントギア163が噛合しており、該セグメントギア16
3を先述したカム88で回動することにより、上下方向
に旋回揺動するようになっている。
【0043】該サクションノズル16は、図8に示す如
くその先端側部分16aが、基端側部分16bに対して
折り畳み可能となっている。即ち、先端側部分16aは
ヒンジ165で基端側部分16bに揺動自在に連結され
ると共に、上記各部分16a,16bと共に四節リンク
を形成し、且つ、先端部分16aを伸ばす方向に付勢す
るスプリング166の各腕を、上記16a,16bに回
動可能に連結している。更に、スプリング166のサク
ションノズル基端側部分16b側の腕の延長部分先端に
はピン167を設けると共に、作業台車8には、サクシ
ョンノズル16の旋回軌道の下行端において、上記ピン
167に当接し、その位置を規制するカム168を設け
ている。
【0044】これにより、サクションノズル16は、図
8中16´で示す如く上方に旋回した際には、スプリン
グ166の付勢によって、先端側部分16aは基端側部
分16bと一直線に伸ばされ、互いに接合されるが、サ
クションノズル16が下方に旋回して作業台車8内に格
納される際には、旋回と共に、ピン167がカム168
に規制されて、スプリング166の基端側部分16b側
の腕が図8中時計方向に旋回揺動し、それに伴ないスプ
リング166は自体の付勢力に抗してV字状に屈折さ
れ、サクションノズル16の先端側部分16aは図示の
如く折り畳まれる。
【0045】上記サクションノズル16の先端は、図1
2及び図13に示す如く、フロントボトムローラ24b
より上挙離反した位置にあるフロントのトップローラ2
4tの周面に沿って図中下向きに屈曲すると共に、先端
に向かうに連れてその幅が両側から狭まった漏斗状をな
し、且つ、吸入口164は、吸入された糸Yをスライバ
Sの幅方向(走行方向に直交する方向)の中央部に案内
しつつも、最大限に吸気量(吸気面積)を確保できるよ
うにスライバSの走行方向に幅広で、該走行方向に直交
する方向幅狭になった偏平な長穴形状となっている。即
ち、サクションノズル16の吸入口164は、該サクシ
ョンノズル16に捕捉された糸端をドラフト装置2のフ
ロントローラ(基準ローラ)24上流側で該ドラフト装
置2を通過するスライバ(繊維束)Sの軌跡上の幅方向
の中央部に案内する糸ガイドも兼ねている。
【0046】また、上記サクションノズル16の旋回軌
道の上行端では吸入口164は、フロントトップローラ
24tの上流側、即ち、ミドルトップエプロン23e先
端上方に位置するが、該ミドルトップエプロン23eの
上方にはサクションノズル16で吸入された糸Yを更に
確実にスライバSの幅方向の中央部に案内するための糸
ガイド30が設けられており、サクションノズル16の
吸入口164は、該糸ガイド30の内側に位置するよう
になっている。
【0047】糸ガイド30は、図13に示す如く、逆二
等辺三角形状をなし、ミドルトップエプロン23eに近
接して設けた底板302の両側、即ち、二等辺上に側板
301,301を立設した樋状をなし、図示しないブラ
ケットによりドラフトクレードル29に固定されてい
る。
【0048】上記各側板301先端側、即ち、フロント
ローラ24側は、フロントトップローラ24tと接触す
ることなく、ミドルトップエプロン23eの先端に可能
な限り近接するように、楔形をなしている。
【0049】一方サクションノズル16の基端側は、図
1に示す如くジョイント169を介してサクションパイ
プ17に回動可能な状態で連結され、更にサクションパ
イプ17の他端は、図示しないブロワにより減圧されて
いるダストボックス20に連結されている。
【0050】サクションパイプ17は、後述する理由に
より所定の管路長が必要であるため、作業台車8の背面
に沿ってU字状に配管されている。そして、サクション
パイプ17のサクションノズル16との接合部近くに
は、該部分を通過する糸Yの終端を検出するための糸検
出センサ18を設けている。
【0051】糸検出センサ18は、ドラフト装置2の基
準ローラであるフロントローラ24を起点としてその上
流側に位置したサクションノズル16を経て該糸検出セ
ンサ18に至る距離が、以下に述べる所定距離となる位
置に設けられている。即ち、紡績開始後、スライバSの
先端がフロントローラ24に到達する予め知られた時間
における、紡績速度と等速(か、又はその近く)まで加
速されている糸Yの走行距離に、得ようとする継目の長
さを加えた所定距離を置いてフロントローラ24の上流
側に設けられている。
【0052】そして、上記糸検出センサ18は、例え
ば、光電式近接センサを用い、図1及び図11に示す如
く、糸Yを確実に検出可能とするため、糸道が一定であ
るサクションパイプ17の屈曲部分の内周側に対向して
配置されており、図示例では少なくとも糸検出センサ1
8を設けた部分ではサクションパイプ17に透明なパイ
プを使用している。そして、該糸検出センサ18の出力
端子は後述する制御装置89に接続されている。また、
サクションパイプ17のダストボックス20近くの管路
上には、吸引された糸Yをその位置で切断する糸切断装
置19を設けている。
【0053】糸切断装置19は、巻取開始後、糸Yが通
常の紡績速度(か、又はその近く)まで加速される間に
走行する走行距離に相当する所定距離を置いて糸検出セ
ンサ18の上流側に配置されている。
【0054】制御装置89は、作業台車8の停止装置や
ピーシングの各動作を司るカム88を駆動するモータ
(図示せず)、及び、エアシリンダC1〜C5の作動を
制御するものである。エアシリンダC1〜C5の内、C
1〜C4の4個は、図1及び図2に示されるように作業
台車8の上部に並設され、各エアシリンダC1〜C4の
ピストンロッドの先端は、共通の支軸で揺動自在に支持
されているレバーD1〜D4の一端に連結されている。
そして、上記各レバーD1〜D4はピーシング時に作業
台車8が紡績ユニット1uに停止した際には、該紡績ユ
ニット1u側の先述した各レバーL1〜L4に対向して
位置し、また、エアシリンダC5は、図1及び図4に示
す如く、上記紡績ユニット1u側のロッド39の直下に
位置し、ピーシングの際の紡績ユニット1uの各動作を
作業台車8側から行えるようになっている。
【0055】次に上述の実施例に基づいてピーシング過
程を説明する。尚、該ピーシング過程は、前段階として
巻取側の糸端Yをドラフト装置2まで導く準備過程を経
て、紡績再開により上記糸端YとスライバSとを継ぎ合
わせるピーシング過程に移行する。
【0056】先ず、ヤーンクリアラ6が糸欠点、或いは
糸切れを検出すると(糸欠点検出の場合は仮撚装置4と
デリベリローラ5との間に設けた図示しないカッタによ
り糸が切断される)、該ヤーンクリアラ6より出力され
る制御信号により図2に示すクラッチ271,281が
開かれ、ドラフト装置2のバックローラ対21,サード
ローラ対22,ミドルローラ対23は停止され、スライ
バSの供給は停止される。このとき、フロントローラ対
24は依然として駆動しているのでスライバSはミドル
エプロン23eの先端部において引き千切られて、切断
部と引き千切られた部分との間の糸は図示しないダクト
に吸引除去されると共に、切断部より下流側の紡績糸Y
は巻取装置7のパッケージPに巻取られる。この間、ヤ
ーンクリアラ6より出力された別の制御信号により作業
台車8が当該紡績ユニット1uに停止する。
【0057】作業台車8が停止すると、制御装置89に
より、エアシリンダC1,C2,C4、及びC5が突出
し、紡績ユニット1uのレバーL1,L2,L4を図4
中、時計方向に回動すると共に、ロッド39を押し上げ
る。これにより、空気紡績ノズル3でのエア噴射が停止
され、フロントトップローラ24tがボトムローラ24
bより上挙離され、且つ、空気紡績ノズル3自体も上挙
され、更に、ニップローラ51がデリベリローラ5より
離反される。
【0058】次いで、図5に示す如く、作業台車8より
カム88の作動に基ずいてパッケージ押圧プレート86
が突出しパッケージPとフリクションローラ72との間
に進出して、該パッケージPをフリクションローラ72
より離し巻取りを停止した後、グリップレバー83がク
レードルボス74に当接し、クレードルアーム73及び
該クレードルアーム73に支持されているパッケージP
をフリクションローラ72と離した位置に位置決めす
る。この状態においてサクションマウス9が図中反時計
方向に回動してその先端をパッケージPに近接させ糸端
の吸引を行う。
【0059】これと共に、旋回アーム85が図5中時計
方向に旋回してリバースローラ84をパッケージPに圧
接した後、パッケージ押圧プレート86は作業台車8側
に退避し、更に、上記リバースローラ84を回転してパ
ッケージPに巻取られた糸Yを巻き戻しながら、サンク
ションマウス9はパッケージPに巻取られた紡績糸Yの
切断糸端を吸引した状態で、図中時計方向に旋回動し
て、該糸Yを上方に引き出す。このとき、糸外しガイド
87が突出して上記糸Yがトラバースガイド71に掛か
らないようにして置く。
【0060】続いて、図7(a)及び(b)に示す如
く、糸案内装置10の糸係止アーム101と糸ガイドア
ーム102とが夫々回動し、サクションマウス9により
引出された糸Yを、図7(b)に示す如く、約90°回
動した糸係止アーム101のフック101aによって係
止すると共に、該フック101aのサクションマウス9
側の糸Yaは、その背後に進入した糸ガイドアーム10
2のフック102cに係止される。更に、上記糸係止ア
ーム101が図7(a)中101´の如く糸Yを作業台
車8側に引き寄せると共に、フック102cに係止され
たサクションマウス9側の糸Yaを糸ガイドアーム10
2の各糸ガイド溝102a,102bでガイドし、図7
(a)の如く、旋回軌道の下行端に位置している糸端誘
導装置11の糸逆送ノズル12内に挿入する。次いで、
クランプ14により巻取パッケージP側の糸Y´を把持
した後、カッタ13を作動させ、サクションマウス9側
の糸Yaを切断すると共にサクションマウス9により吸
引除去する。
【0061】この間、リバースローラ84の回転により
パッケージPの糸Yは継続的に巻戻されており、それに
よりクランプ14とパッケージPとの間で余剰する糸Y
bは図7(a)に示す如く、スラックチューブ15に一
旦吸引されている。
【0062】そして、このような状態から、糸端誘導装
置11を上方に旋回動して巻取側の糸端Yを把持したク
ランプ14及び糸逆送ノズル12を、先述の如く上挙さ
れている空気紡績ノズル3の送出口32に位置させ、該
糸端Yをその位置まで案内する。この際、スラックチュ
ーブ15に予め吸引されていた糸Y´が引出される。
【0063】これと並行して、サクションノズル16が
上方に旋回すると共に、その先端側部分16aを伸長し
て図10に示す如く吸入口164を、ボトムローラ24
bより上挙離反しているフロントトップローラ24tの
上流側、ミドルエプロン23e上方の糸ガイド30内に
位置させ、その部分での吸引を開始する。
【0064】そして、このような状態から、糸逆送ノズ
ル12内でエア噴射を行えば、図10に示す如く、導糸
孔122から空気紡績ノズル3を経てミドルエプロン2
3e側に至る通常紡績時とは逆方向の空気流が発生し、
続いて、クランプ14を開くと、糸端Yは上記空気流に
沿って空気紡績ノズル3に挿通される。この際、糸切れ
の原因が空気紡績ノズル3のノズル詰まりによる場合、
ノズルに詰まった繊維塊等は上記空気流により吹き飛ば
され除去される。そして、空気紡績ノズル3に挿通され
た巻取側の糸Yはサクションノズル16に吸入され、更
に吸入された糸Yは図11に示す如くサクションパイプ
17を通じてダストボックス20に達する。そして、巻
取装置7のリバースローラ84は所定長の糸Yを巻戻し
た後、元位置に復帰し、糸Yの巻き戻しを停止すると共
に、糸切断装置19がサクションパイプ17内で糸Yを
切断し、切断された糸端はダストボックス20内に回収
される。
【0065】次いで、制御装置89によりエアシリンダ
C5が作動して空気紡績ノズル3を下降させ、元の紡績
位置に戻す。この動作により巻取側の糸Yが糸逆送ノズ
ル12のスリット126を通り、該糸逆送ノズル12か
ら外れると共に、仮撚装置4の一対のローラ41,42
間に導入される。この後、糸端誘導装置11は下方に旋
回して作業台車8内に格納される。これと並行して、グ
リップレバー83がクレードルボス74より離反するこ
とにより、パッケージPがフリクションローラ72に圧
接され、パッケージPは糸Yの巻取を再開し、これに伴
ないサクションパイプ17に吸入されていた糸Yが引き
出される。しかし、重量物であり、回転を停止していた
パッケージPは、その慣性モーメントの作用により、直
ちに等周速回転されるのではなく、始めはフリクション
ローラ72との間にスリップを生じながら加速され、巻
取側の糸Yが所定の管路長を有するサクションパイプ1
7から引き出され、その糸端が糸検出センサ18に達す
る間に通常の巻取速度、即ち紡績速度まで加速される。
【0066】そして、サクションパイプ17のサクショ
ンノズル16に連なる終端部に設けた糸検出センサ18
が糸端の通過を検出すると、検出信号が発せられ、それ
により制御装置89は次の順序で各エアシリンダC1〜
C4を作動させ、紡績ユニット1uの運転を再開すると
共に、ピーシングを行う。
【0067】即ち、上記糸検出センサ18が糸端通過を
検出すると同時にエアシリンダC3を作動してバックロ
ーラ21,サードローラ22,及び、ミドルローラ23
のクラッチ271,281を閉じてスライバSのドラフ
トを再開すると共に、シリンダC4を作動してニップロ
ーラ51をデリベリローラ5に圧接し、その直後にエア
シリンダC2を作動してフロントトップローラ24tを
フロントボトムローラ24bに圧接する。更に、その直
後にエアシリンダC1を作動して空気紡績ノズル3に圧
縮空気を供給する。
【0068】すると、ミドルトップエプロン23eの先
端で停止していたスライバSが、図13に示される如く
フロントローラ対24に到達する間に、サクションノズ
ル16の吸入口164に達した巻取側糸端Yは、吸入口
164及び糸ガイド30により偏平に押し拡げられたス
ライバSの中央に案内されると共に、該スライバS先端
と巻取側の糸端Yとは一定長重なり合った状態でフロン
トローラ対24より送出され、仮撚装置4により巻取側
の糸Yに付与されている仮撚で、上記重合状態の糸端Y
とスライバSとが撚り込まれ、このとき、糸端Yがスラ
イバSの幅方向中央に位置している糸端YをスライバS
が包み込むようにして集束し継ぎ合わされ一体となる。
【0069】一方、スライバS先端の両側部分の繊維
は、集束せずにフリー状態のまま、空気紡績ノズル3に
吸入され、該空気紡績ノズル3内での上記仮撚と反対方
向の旋回気流の作用により、上記継ぎ合わされた部分
と、それに連なる集束繊維束を芯にして、その周囲に巻
き付けられ巻付繊維を形成する。
【0070】更に、仮撚装置4を経て上記集束繊維束
(芯繊維束)の仮撚が解撚される過程で巻付繊維が芯繊
維束により強く巻き付けられる結果、巻取側の糸端Yと
スライバSとは一本の結束紡績糸Yとしてピーシングさ
れると共に、以後、連続的に結束紡績糸Yが紡出され
る。
【0071】上述の過程を通じてピーシングされた部分
は、結束紡績糸Yの本源的な糸形成過程を経て一体化さ
れているため、該紡績糸Yの他の部分と構造的にも、ま
た外見上にも何ら変わるところが無い。
【0072】尚、上記実施例においては、サクションノ
ズル16を通じてサクションパイプ17に吸入した巻取
側の糸端Yをカッタ19で一定長に切断する場合を示し
たが、カッタ19の代わりに糸端検出センサを設け、該
センサにより巻取側の糸端Yを検出した時点でリバース
ローラ84の回転を停止して一定長の糸のみを巻き戻す
ようにしても良い。この場合、上記糸端Yを予め解繊し
ておくことも可能である。
【0073】また、上述の実施例においては、ドラフト
装置2のフロントローラ対24をピーシングの基準ロー
ラとして、その上流側のバックローラ対21,サードロ
ーラ対22、及びミドルローラ対23にクラッチ27
1,281を設け、それらを駆動停止する場合を示した
が、バックローラ対21のみを、或いはバックローラ対
21とサードローラ対22とを、駆動停止することも可
能であり、その場合は、スライバSがドラフトされ、そ
の先端が基準ローラであるフロントローラ対24に到達
する時間分だけ、それらの駆動開始タイミングを早める
必要がある。即ち、糸検出センサ18をその時間に巻取
側の糸Yが走行する走行距離の分だけ上流側に設ける必
要がある。また基準ローラをミドルローラ対23、或い
はサードローラ対22とすることもでき、その場合に
は、それらにもフロントローラ対24と同様の離反機構
を設けるようにする。
【0074】また、上記実施例では、仮撚装置4に一対
のローラ41,42を用いる場合を示したが、仮撚装置
4はこれ以外のベルト式のものや、ベルトとローラによ
るもの、ディスク式のもの或いは、空気ノズルによるも
のであっても良い。また、上記実施例では、空気紡績ノ
ズルと仮撚装置とで紡績装置を構成しているが、空気紡
績ノズルのみで紡績装置を構成しても良いし、仮撚装置
のみで紡績装置を構成しても良く、紡績装置としては仮
撚を付与するものの他、実撚りを付与するものであって
も良い。更に、上記実施例では繊維束がスライバSであ
る場合を示したが、繊維束はスライバ以外の篠等であっ
ても良い。
【0075】
【発明の効果】本発明のピーシング方法は、上述の通
り、紡績済の糸を紡績装置を経てドラフト装置の基準ロ
ーラ上流側に所定長さ引き出した後、紡績を開始してド
ラフトされた繊維束と紡績済の糸とをドラフト装置の基
準ローラ位置で重合させるピーシング方法において、前
記引き出した紡績済の糸の走行路上の所定の位置に設け
た糸検出センサで紡績済の糸の端を検出した時にドラフ
ト装置による繊維束の供給を開始するので、紡績済の糸
の引出し長さが一定でなくても、繊維束の供給開始時点
における基準ローラから紡績済の糸の端までの長さを常
に一定とすることができ、基準ローラでの紡績済の糸と
繊維束との重合長さ(継目長さ)を安定して良好な長さ
とすることができる。例えば、継目を良好とするため、
紡績済の糸を引き千切って細くしたり、解繊処理を施し
たりしても、継目長さを一定とすることができる。これ
と共に、ピーシングを行う各装置の同期がとり易く、そ
の制御を容易ならしめることができる。
【0076】また、上記ピーシング時に、予め、上記基
準ローラの直ぐ上流側のローラに繊維束先端が位置した
状態にしておくことにより、糸検出センサから基準ロー
ラまでの距離が最短となり、ピーシングを行う装置の規
模が最小となると共に、ピーシングの所要時間が最短と
なり、紡績速度の高速化に充分対応できる。更に、上記
基準ローラをフロントローラとすると共に、ミドルエプ
ロン先端にスライバを位置させて置けば、スライバ先端
のフロントローラへの到達時間は、その間の間隔とミド
ルローラ周速とで与えられ、到達時間にドラフト比を考
慮する必要がなく、各装置の同期が一層容易となる。
【0077】そして、上記ピーシング方法を実施するた
めの装置として、ドラフト装置の基準ローラ上流側に引
き出した紡績済の糸の走行路上の所定の位置を屈曲部と
し、該屈曲部に、紡績済の糸の端を検出することにより
ドラフト装置による繊維束の供給開始時期を決定する糸
検出センサを設けたので、糸端の検出が確実にでき、継
目長さが良好なピーシングを安定的に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する紡績機の一例を示す正面
図である。
【図2】本発明方法を実施する紡績機の一例を示す側断
面図である。
【図3】本発明方法を実施する紡績機の加撚装置の一例
を示す要部側断面図である。
【図4】フロントローラ対,空気紡績ノズル,ニップロ
ーラの作動を示す側面図である。
【図5】パッケージの巻戻し機構を示す側面図である。
【図6】糸逆送ノズルを示す装置の側断面図である。
【図7】糸案内装置の作動を示す斜視図である。
【図8】サクションノズル及びその吸入管路を示す側面
図である。
【図9】糸端誘導装置、及びスラックチューブを示す側
面図である。
【図10】空気紡績ノズルに糸を挿通した状態を示す要
部断面図である。
【図11】サクションノズルにより糸を吸入した状態を
示す側面図である。
【図12】ピーシング時における紡績機の要部側断面図
である。
【図13】ピーシング時における紡績機の要部斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 紡績機 2 ドラフト装置 3 空気紡績ノズル 4 仮撚装置 5 デリベリローラ 6 ヤーンクリアラ 7 巻取装置 8 作業台車 9 サクションマウス 10 糸案内装置 11 糸端誘導装置 12 糸逆送ノズル 13 カッタ 14 クランプ 15 スラックチューブ 16 サクションノズル 17 サクションパイプ 18 糸検出センサ 19 糸切断装置 20 ダストボックス 24 フロントローラ対(基準ローラ) 30 糸ガイド 31 導入口 32 送出口 S スライバ(繊維束) Y 紡績糸 P パッケージ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡績済の糸を紡績装置を経てドラフト装
    置の基準ローラ上流側に所定長さ引き出した後、紡績を
    開始してドラフトされた繊維束と紡績済の糸とをドラフ
    ト装置の基準ローラ位置で重合させるピーシング方法に
    おいて、前記引き出した紡績済の糸の走行路上の所定の
    位置に設けた糸検出センサで紡績済の糸の端を検出した
    時にドラフト装置による繊維束の供給を開始することを
    特徴とするピーシング方法。
  2. 【請求項2】 予め、基準ローラの直ぐ上流側のローラ
    に繊維束の先端が位置した状態にしておくことを特徴と
    する請求項1記載のピーシング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のピーシング方法を
    実施するための装置であって、ドラフト装置の基準ロー
    ラ上流側に引き出した紡績済の糸の走行路上の所定の位
    置を屈曲部とし、該屈曲部に、紡績済の糸の端を検出す
    ることによりドラフト装置による繊維束の供給開始時期
    を決定する糸検出センサを設けたことを特徴とするピー
    シング装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3421650A1 (en) * 2017-06-28 2019-01-02 Murata Machinery, Ltd. Air-jet spinning machine
CN112299146A (zh) * 2019-07-30 2021-02-02 日本Tmt机械株式会社 合成纤维纱用接头***

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