JPH1099694A - 光触媒及びその製造方法 - Google Patents

光触媒及びその製造方法

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JPH1099694A
JPH1099694A JP8280240A JP28024096A JPH1099694A JP H1099694 A JPH1099694 A JP H1099694A JP 8280240 A JP8280240 A JP 8280240A JP 28024096 A JP28024096 A JP 28024096A JP H1099694 A JPH1099694 A JP H1099694A
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alkali metal
acid
metal element
acid salts
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JP8280240A
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English (en)
Inventor
Momoko Arima
百子 有馬
Yoichi Yamashita
洋市 山下
Kiyohide Yoshida
清英 吉田
Masato Kakihana
眞人 垣花
Kazunari Doumen
一成 堂免
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な組成・組織を有するK4 Nb6 17
の層状複合化合物からなる高活性な光触媒とそれを製造
する方法を提供する。 【解決手段】 溶媒に5A族元素の化合物と配位子とア
ルカリ金属元素の化合物とを混合し、353 〜423 Kに加
熱しながら攪拌し、エステル化反応を進行させてゲル化
させ、620 K以下で加熱して過剰な溶媒及び/又は有機
成分を除去し、600 〜800 Kで熱処理した後、粉砕して
前駆体粉末を生成し、773 〜1200Kで熱処理して、アル
カリ金属元素と5A族元素からなる層状化合物の粉末を
生成し、前記層状化合物の粉末にNi、Pt、Ir、R
u及びそれらの酸化物からなる群より選ばれた一種以上
を0.1 〜5重量%(金属元素換算)担持させてなる光触
媒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光エネルギーを用
いて水を分解することにより水素を製造するのに好適な
光触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
半導体を電極として用い、水を光分解することにより水
素を製造する方法が発見され(NATURE, 238, pp.37(l97
2))、重要な光エネルギーの変換方法の一つとして提案
されている。それらの方法に使用される光触媒の中で
も、ニッケル酸化物を担持した層状化合物K4 Nb6
17は生成物である水素と酸素が水分解反応の進行をほと
んど阻害せず、反応収率が高いという利点を有する(K.
Domen, A. Kudo, A. Shinozuka, A. Tanaka, K. Maruy
a and T. Onishi, J. Chem.Soc. Chem. Commun., pp. 3
59(1994) )。
【0003】しかし、従来の光触媒の収率はまだ十分で
はなく、実用化に向けて更に改良を続けなければならな
い。本発明者等は層状化合物であるK4 Nb6 17等の
アルカリ金属元素と5A族元素からなる層状複合化合物
の改良に着目した。光触媒用K4 Nb6 17の製造方法
として、酸化ニオブと炭酸カリウムを所定のモル比で混
合し、1300℃の高温度で焼成する固相法が知られている
(特開昭61-197033 号)。しかし、固相法では反応は完
全ではなく、酸化ニオブと炭酸カリウムの未反応粒子が
残留するという問題がある。酸化ニオブと炭酸カリウム
が反応してK4Nb6 17合成が進行するためには、K
成分とNb成分が固体の中を拡散して互いに接触しなけ
ればならない。この拡散速度を大きくするためには高温
での熱処理を繰り返す必要がある。しかし、高温での熱
処理は粒成長を促進させ、得られるK4 Nb6 17粉末
の比表面積を著しく低下させるため、十分な触媒特性が
得られない。また、高温での熱処理は成分の蒸発を招
き、最終的に均一な組成や組織を有するK4 Nb6 17
を作製することは困難である。
【0004】このような事情に鑑み、より高い活性を有
する光触媒、特に表面積が大きく、かつ均一組織を有す
るK4 Nb6 17等の層状複合化合物を製造する方法が
求められている。
【0005】したがって、本発明の目的は、従来の製造
方法の欠点を解決し、均一な組成・組織を有するK4
6 17等の層状複合化合物からなる高活性な光触媒と
それを製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、5A族元素及びアルカリ金属元素
を安定な錯体として溶液中に分散させ、この5A族元素
及びアルカリ金属元素の錯体の周囲を重合反応によって
ポリマー化して均一なポリマー錯体を形成し、このポリ
マー錯体の熱分解により層状複合化合物を生成すること
により、低温で層状複合化合物を製造できるとともに、
得られた層状複合化合物は均一な組成及び組織と高い表
面積を有することを発見し、また得られた層状複合化合
物にNi、Pt、Ir、Ru又はそれらの酸化物を担持
させると、高い光触媒活性を有する光触媒が得られるこ
とを発見し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の方法は、Ni、Pt、
Ir、Ru及びそれらの酸化物からなる群より選ばれた
一種以上をアルカリ金属元素と5A族元素からなる層状
化合物に担持させてなる光触媒を製造する方法であっ
て、 (1) 水、過酸化水素、一価アルコール及び多価アルコー
ルからなる群から選ばれた一種以上の溶媒に、(a) 5A
族元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる
群から選ばれた一種以上の化合物と、(b) カルボン酸、
アセチルアセトン、ジアミン類及びピリジン類からなる
群から選ばれた一種以上の配位子と、(c)アルカリ金属
元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる群
から選ばれた一種以上の化合物とを混合し、 (2) 得られた溶液を353 〜423 Kに加熱しながら攪拌
し、エステル化反応を進行させてゲル化させ、 (3) 得られたゲルを620 K以下で加熱して過剰な溶媒及
び/又は有機成分を除去し、 (4) 600 〜800 Kで熱処理した後、粉砕して前駆体粉末
を生成し、 (5) 前記前駆体粉末を773 〜1200Kで熱処理してアルカ
リ金属元素と5A族元素からなる層状化合物の粉末を生
成し、 (6) 前記層状化合物の粉末にNi、Pt、Ir、Ru及
びそれらの酸化物からなる群より選ばれた一種以上を0.
1 〜5重量%(金属元素換算)担持させることを特徴と
する。
【0008】また、本発明の光触媒はアルカリ金属元素
と5A族元素からなる層状化合物にNi、Pt、Ir、
Ru及びそれらの酸化物からなる群より選ばれた一種以
上を0.1〜5重量%担持させてなり、前記アルカリ金
属元素と5A族元素からなる層状化合物は (1) 水、過酸化水素、一価アルコール及び多価アルコー
ルからなる群から選ばれた一種以上の溶媒に、(a) 5A
族元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる
群から選ばれた一種以上の化合物と、(b) カルボン酸、
アセチルアセトン、ジアミン類及びピリジン類からなる
群から選ばれた一種以上の配位子と、(c)アルカリ金属
元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる群
から選ばれた一種以上の化合物とを混合し、 (2) 得られた溶液を353 〜423 Kに加熱しながら攪拌
し、エステル化反応を進行させてゲル化させ、 (3) 得られたゲルを620 K以下で加熱して過剰な溶媒及
び/又は有機成分を除去し、 (4) 600 〜800 Kで熱処理した後、粉砕して前駆体粉末
を生成し、 (5) 前記前駆体粉末を773 〜1200Kで熱処理して製造さ
れたものであることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [1] 原料 (a) 5A族元素の化合物 5A族元素はV、Nb、Taから選ばれたものである。
中でもNbが特に好ましい。5A族元素の化合物として
は、アルコキシド、無機酸塩からなる群から選ばれた一
種以上を用いる。5A族元素のアルコキシドとしては、
メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキ
シド及びn−ブトキシドからなる群から選ばれたもので
あり、バナジルトリエトキシド(VO(OC
2 5 3 )、ニオブトリエトキシド、タンタルペンタ
プロポキシド等を使用するのが好ましい。5A族元素の
無機酸塩としては、塩化物、硫酸塩等、有機酸塩として
は、しゅう酸塩、酢酸塩等が挙げられる。その中で、塩
化バナジウム、塩化ニオブ、塩化タンタル等の塩化物及
び/又はしゅう酸ニオブ、しゅう酸バナジウム、酢酸ニ
オブ等の有機酸塩を使用するのが好ましい。
【0010】(b) 配位子 配位子としては、カルボン酸、アセチルアセトン、ジア
ミン類、ピリジン類、ビピリジンからなる群から選ばれ
た一種以上を使用する。配位子を添加することにより、
チタン及びバリウムの安定な錯体を形成させることがで
きる。カルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒
石酸、乳酸、グリコール酸等のα‐ヒドロキシカルボン
酸、トリカルバリル酸、コハク酸、しゅう酸、酢酸等
のカルボン酸等を使用するのが好ましい。ジアミン類と
しては、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、
1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン等を使用
するのが好ましい。またピリジン類としては、ピリジ
ン、ビピリジン等を使用するのが好ましい。これらの配
位子の中では、クエン酸が特に好ましい。
【0011】(c) アルカリ金属元素の化合物 アルカリ金属元素はLi、Na、K、Rb、Csからな
る群から選ばれたものである。アルカリ金属元素化合物
としては、アルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からな
る群から選ばれた一種以上を使用する。アルカリ金属元
素のアルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、
プロポキシド、イソプロポキシド及びn−ブトキシドか
らなる群から選ばれたものであり、リチウムメトキシ
ド、ナトリウムメトキシド等を使用するのが好ましい。
またアルカリ金属元素の無機酸塩としては、炭酸塩、塩
化物、硝酸塩等が挙げられ、特に炭酸リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウ
ム等の炭酸塩が特に好ましい。有機酸塩としては、酢酸
塩、しゅう酸塩等が挙げられる。
【0012】(d) 溶媒 成分(a) 乃至(c) を添加する溶媒としては、水、過酸化
水素、一価アルコール及び多価アルコールからなる群か
ら選ばれた一種以上を使用する。一価アルコールとして
はメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、i−ブタノール、sec −ブタノール、tert−
ブタノール等が好ましく、多価アルコールとしてはエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール等が好ましい。中でも、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール等が特に好ましい。
【0013】[2] 層状複合化合物の製造方法 5A族元素の例としてニオブ、アルカリ金属元素の例と
してカリウムを挙げて層状複合化合物K4 Nb6 17
製造方法を説明するが、それ以外の元素についても同様
な方法で製造することができる。
【0014】(1) 混合・撹拌工程 まず、溶媒に(a) ニオブ化合物、(b) 配位子及び(c) カ
リウム化合物を添加し、撹拌しながら混合する。各成分
の添加順序は(a) →(b) →(c) の順とするのが好まし
い。
【0015】ニオブ化合物1モルを基準として、溶媒量
は10〜100 モルであり、好ましくは20〜50モルである。
溶媒量が10モル未満であると、得られるK4 Nb6 17
の組成の均一化が困難である。逆に溶媒量が100 モルを
超えると、混合溶液が希薄すぎる。
【0016】ニオブ化合物1モルを基準として、配位子
の添加量は2〜10モルであり、好ましくは4〜8モルで
ある。配位子の添加量が2モル未満であると、ニオブの
安定な錯体が得られない。また配位子量が10モルを超え
てもさらなる促進効果は得られない。
【0017】カリウム化合物の添加量はK4 Nb6 17
の組成が得られるように設定する。
【0018】各成分を上記配合比で混合し、300 〜373
Kの温度(好ましくは室温)で2〜5時間攪拌すると、
透明な溶液が得られる。この過程で、ニオブ及びカリウ
ムが配位子と安定な錯体を形成する。
【0019】(2) エステル化反応工程 次に、前記透明溶液を353 〜423 Kに加熱しながら攪拌
し、配位子と溶媒とのエステル化反応を進行させてゲル
化させる。このエステル化反応によって高分子錯体が生
成される。反応時間は3〜20時間とするのが好ましい。
【0020】(3) 加熱工程 得られたゲルを620 K以下、特に500 〜600 Kの温度で
加熱し、過剰な溶媒及び/又は有機成分を除去する。な
お、好ましい加熱時間は2〜5時間である。
【0021】(4) 前熱処理工程 続いて、600 〜800 K、好ましくは600 〜700 Kの温度
で、2〜5時間熱処理し、前駆体として黒色粉末を得
る。この前駆体をメノウ乳鉢等により軽く粉砕する。
【0022】(5) 後熱処理工程 得られた前駆体粉末を773 〜1200K、特に800 〜1100K
の温度で熱処理してK4 Nb6 17の粉末を得る。な
お、好ましい熱処理時間は2〜5時間である。このよう
に得られた光触媒用K4 Nb6 17は未反応分が少な
く、均一な組成及び組織を有する。
【0023】[3] 光触媒の製造方法 得られたK4 Nb6 17等の層状複合化合物に含浸法、
固相反応等の公知の方法により、Ni、Pt、Ir、R
u及びそれらの酸化物からなる群より選ばれた一種以上
の光触媒活性種を担持する。好ましい担持方法は含浸法
である。含浸法では、光触媒活性種の塩化物、硝酸塩等
の化合物の水溶液を用いてK4 Nb6 17に含浸させた
後、323 〜423 Kで約2〜5時間乾燥して、750 K以
下、好ましくは600 〜750 K以下でかつ還元性雰囲気及
び/又は酸化雰囲気下で2〜5時間焼成する。焼成温度
が750 Kを超えると、粒成長が進行するので好ましくな
い。
【0024】本発明の光触媒における触媒活性種の含有
量は0.1 〜5重量%(金属元素換算値)であるのが好ま
しく、0.8 〜1.5 重量%(金属元素換算値)であるのが
特に好ましい。
【0025】以上はK4 Nb6 17を例に層状化合物の
製造方法を説明したが、それ以外の層状化合物について
も同じ方法で製造することができる。層状化合物の一例
として、KTiNbO5 、KLaNb2 7 、KCa2
Nb3 10等が挙げられる。
【0026】以上の方法により得られる本発明の光触媒
は従来のものに比べ高い活性を有する。その原因は層状
複合化合物K4 Nb6 17の比表面積が従来より大き
く、その中に電化分離を阻害する未反応成分が実質的に
存在しないことにあるものと考えられるが、K4 Nb6
17の電荷発生速度が増加したのか、あるいはK4 Nb
6 17からNi等の触媒活性種ヘの電荷伝達速度が増加
したのか等の詳細についてはまだ分かっていない。
【0027】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。実施例1 エタノールに塩化ニオブ(NbCl5 )、クエン酸(無
水)、炭酸カリウム、エチレングリコールを、順次0.1
2:1:0.04:4 のモル比で配合し、混合・攪拌することに
よりカリウム及びニオブのクエン酸錯体が形成され、透
明な溶液を得た。この溶液を385 Kに加熱・攪拌し、ク
エン酸とエチレングリコールとのエステル化反応を進行
させた。約5時間後、黄色の発泡高分子状ゲルが得られ
た。このゲルを550 K(600 K以下)で加熱して、過剰
な溶媒及び有機成分を除去した後、630 Kで2時間熱処
理した。次いで、テフロン棒により10分間粉砕するこ
とにより黒色粉末状の前駆体を得た。この前駆体を873
K(773 K以上)で2時間熱処理して、K4 Nb6 17
結晶を製造した。この生成物のX線回折分析(X線回折
分析装置MXP3VAシステム、マック・サイエンス社
製)を行った結果、K4 Nb6 17結晶が確認され、ま
た酸化ニオブ等の未反応粒子による結晶構造が見られな
かった。
【0028】蒸留水に塩化ニッケルをNiがK4 Nb6
17の1重量%になるように秤量して加え、溶解させ
た。上記K4 Nb6 17粉末をこの溶液に加えて混合撹
拌した。均一に分散させた後、50〜80℃で加熱撹拌し、
水分を蒸発させて、乾固した試料を373 ℃で3時間乾燥
させた。そして、空気中で673 K、3時間熱処理し、光
触媒を得た。この触媒をBET法で測定したところ、表
面積は35m2 /gであった。
【0029】この触媒1gを純水1.4 リットルに添加
し、高圧水銀ランプ( 400W、hν≧290 nm)を照射し
て、水分解反応によって生成される酸素、水素をガスク
ロマトグラフで定量した。酸素と水素の生成量のモル比
がほぼ1:2であり、水の完全分解が見られた。水素及
び酸素の発生量を表1に示す。
【0030】比較例1 酸化ニオブ粉末(平均粒径:2μm)と炭酸カリウム粉
末(平均粒径:10μm)を3:1のモルで混合した後、
固相法によりそれぞれ1300Kで5時間焼成し、K4 Nb
6 17を得た。実施例1と同様にX線回折分析を行った
結果、K4 Nb6 17結晶の形成が認められるが、酸化
ニオブと炭酸カリウムの残存が確認された。
【0031】蒸留水に硝酸ニッケルをNiがK4 Nb6
17の1重量%になるように秤量して加え、溶解させ
た。上記K4 Nb6 17粉末をこの溶液に加えて混合撹
拌した。均一に分散させた後、50〜80℃で加熱撹拌し、
水分を蒸発させて、乾固した試料を100 ℃で24時間乾燥
させた。そして、水素と窒素の混合ガス(水素ガス/窒
素ガス=2/98)を流しながら(流量250 ml/min)、50
0 ℃で2時間還元処理した後、空気中で475 ℃、7時間
熱処理し、光触媒を得た。この触媒をBET法で測定し
たところ、表面積は4.7 m2 /gであった。
【0032】実施例1と同じ方法で、この触媒1gを純
水1.4 リットルに添加し、高圧水銀ランプ( 400W、h
ν≧290 nm)を照射して、水分解反応によって生成され
る酸素、水素をガスクロマトグラフで定量した。水素及
び酸素の発生量を表1に示す。
【0033】表1 水の光分解における水素及び酸素の
生成量 (単位:μmol/h)例No 水素生成量 酸素生成量 実施例1 202 102比較例4 63 31
【0034】表1から分かるように、同じくNiを触媒
活性種として用いた実施例1及び比較例1では、本発明
のK4 Nb6 17に担持した実施例1の光触媒の活性
が、従来固相法で製造されたK4 Nb6 17に担持した
比較例1の触媒の活性の3倍以上であった。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の方法は錯
体重合によりK4 Nb6 17を製造するので、得られる
4 Nb6 17には未反応成分が残存しておらず、組成
及び組織が非常に均一である。また、低温で光触媒用K
4 Nb6 17を製造することができるので、低製造コス
トという利点が得られる。さらに、上記K4 Nb6 17
を用いた本発明の光触媒は高い触媒活性を有し、水の光
分解に好適である。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 清英 埼玉県熊谷市末広四丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内 (72)発明者 垣花 眞人 神奈川県綾瀬市寺尾中1−6−12 (72)発明者 堂免 一成 神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工 業大学資源化学研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni、Pt、Ir、Ru及びそれらの酸
    化物からなる群より選ばれた一種以上をアルカリ金属元
    素と5A族元素からなる層状化合物に担持させてなる光
    触媒を製造する方法において、 (1) 水、過酸化水素、一価アルコール及び多価アルコー
    ルからなる群から選ばれた一種以上の溶媒に、(a) 5A
    族元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる
    群から選ばれた一種以上の化合物と、(b) カルボン酸、
    アセチルアセトン、ジアミン類及びピリジン類からなる
    群から選ばれた一種以上の配位子と、(c)アルカリ金属
    元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる群
    から選ばれた一種以上の化合物とを混合し、 (2) 得られた溶液を353 〜423 Kに加熱しながら攪拌
    し、エステル化反応を進行させてゲル化させ、 (3) 得られたゲルを620 K以下で加熱して過剰な溶媒及
    び/又は有機成分を除去し、 (4) 600 〜800 Kで熱処理した後、粉砕して前駆体粉末
    を生成し、 (5) 前記前駆体粉末を773 〜1200Kで熱処理してアルカ
    リ金属元素と5A族元素からなる層状化合物の粉末を生
    成し、 (6) 前記層状化合物の粉末にNi、Pt、Ir、Ru及
    びそれらの酸化物からなる群より選ばれた一種以上を0.
    1 〜5重量%(金属元素換算)担持させることを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、前
    記アルカリ金属元素はLi、Na、K、Rb、Csから
    なる群から選ばれたものであり、前記5A族元素はV、
    Nb、Taからなる群から選ばれたものであることを特
    徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法におい
    て、前記一価アルコールはメタノール、エタノール、イ
    ソプロパノール及びブタノールからなる群から選ばれた
    ものであり、前記多価アルコールはエチレングリコー
    ル、プロピレングリコール及びブチレングリコールから
    なる群から選ばれたものであることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法において、前記5A族元素のアルコキシドはメトキシ
    ド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド及び
    n−ブトキシドからなる群から選ばれたものであり、前
    記5A族元素の無機酸塩は塩化物及び/又は硫酸塩であ
    ることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法において、前記カルボン酸はクエン酸、リンゴ酸、酒
    石酸、乳酸、グリコール酸、トリカルバリル酸、コハク
    酸、しゅう酸及び酢酸からなる群から選ばれたものであ
    り、前記ジアミン類はエチレンジアミン、エチレンジア
    ミン四酢酸、1,2-プロパンジアミン及び1,3-プロパンジ
    アミンからなる群から選ばれたものであることを特徴と
    する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法において、前記アルカリ金属元素のアルコキシドはメ
    トキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシ
    ド及びn−ブトキシドからなる群から選ばれたものであ
    り、前記アルカリ金属元素の無機酸塩は炭酸塩、塩化物
    及び硝酸塩からなる群から選ばれたものであることを特
    徴とする方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ金属元素と5A族元素からなる
    層状化合物にNi、Pt、Ir、Ru及びそれらの酸化
    物からなる群より選ばれた一種以上を0.1〜5重量%
    担持させてなる光触媒において、前記アルカリ金属元素
    と5A族元素からなる層状化合物は (1) 水、過酸化水素、一価アルコール及び多価アルコー
    ルからなる群から選ばれた一種以上の溶媒に、(a) 5A
    族元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる
    群から選ばれた一種以上の化合物と、(b) カルボン酸、
    アセチルアセトン、ジアミン類及びピリジン類からなる
    群から選ばれた一種以上の配位子と、(c)アルカリ金属
    元素のアルコキシド、有機酸塩及び無機酸塩からなる群
    から選ばれた一種以上の化合物とを混合し、 (2) 得られた溶液を353 〜423 Kに加熱しながら攪拌
    し、エステル化反応を進行させてゲル化させ、 (3) 得られたゲルを620 K以下で加熱して過剰な溶媒及
    び/又は有機成分を除去し、 (4) 600 〜800 Kで熱処理した後、粉砕して前駆体粉末
    を生成し、 (5) 前記前駆体粉末を773 〜1200Kで熱処理して製造さ
    れたものであることを特徴とする光触媒。
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