JPH108490A - 建設機械のフロント制御装置及び領域設定方法 - Google Patents

建設機械のフロント制御装置及び領域設定方法

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JPH108490A
JPH108490A JP8166377A JP16637796A JPH108490A JP H108490 A JPH108490 A JP H108490A JP 8166377 A JP8166377 A JP 8166377A JP 16637796 A JP16637796 A JP 16637796A JP H108490 A JPH108490 A JP H108490A
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    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
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    • E02F9/20Drives; Control devices
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械のフロント制御装置において、あらゆ
る作業現場において最適な領域設定手段が選択でき、種
々の作業に適切かつ迅速に対応できるようにする。 【解決手段】設定器7は、ダイレクトティーチ設定を行
うためのダイレクト設定スイッチ7aと、数値入力設定
を行うためのアップダウンキー7b1,7b2からなる
数値入力スイッチ7bと、設定方式をダイレクトティー
チ設定から数値入力設定に切り換える設定切換スイッチ
7c1と、設定切換スイッチ7c1が押されると点灯す
るLED7c2と、領域制限掘削制御を開始するための
領域制限スイッチ7d1と、領域制限スイッチ7d1が
押されると点灯するLED7d2と、設定切換スイッチ
7c1が押されていないときはフロント装置1Aのバケ
ットとの先端位置を数値で表示し、設定切換スイッチ7
c1が押されると数値入力により設定された数値を表示
する液晶等の表示画面7eとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多関節型のフロント
装置を備えた建設機械、特にアーム、ブーム、バケット
等のフロント部材からなるフロント装置を備えた油圧シ
ョベル等の建設機械において、フロント装置の動き得る
領域を制限した掘削を行う領域制限掘削制御等、フロン
ト制御を行うフロント制御装置及びそのフロント制御に
おける領域設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例に油圧ショベルがあ
る。油圧ショベルではオペレータがフロント装置を構成
するブーム、アームなどのフロント部材をそれぞれの手
動操作レバーによって操作している。これらフロント部
材はそれぞれが関節部によって連結され回動運動を行う
ものであるため、これらフロント部材を操作して所定の
領域を掘削したり、所定の平面を掘削することは、非常
に困難な作業である。また、市街地などで作業をする場
合は、フロント装置が周囲の電線、壁等の物体に干渉し
ないように注意しなければならない。
【0003】そこで、掘削作業を容易にしたりフロント
と周囲の物体との干渉を防止するための種々の提案がな
されている。
【0004】例えば、特開平4−136324号公報で
は、侵入不可領域の手前に減速領域を設定し、フロント
装置の一部、例えばバケットが減速領域に侵入すると、
操作レバーの操作信号を小さくしてフロント装置を減速
し、バケットが侵入不可領域の境界に達すると停止する
ようにしている。また、領域の設定方法としては、オペ
レータがバケットの刃先を目標境界上に持って行き、ス
イッチを押して領域を設定する方法(ダイレクトティー
チ設定方法)、数値入力キーで必要な数値を入力し領域
を設定する方法(数値入力設定方法)のいずれかを採用
している。
【0005】また、国際公開公報WO95/30059
号公報では、掘削可能領域を設定し、フロント装置の一
部、例えばバケットが掘削可能領域の境界に近づくとバ
ケットの当該境界に向かう方向の動きのみを減速し、バ
ケットが掘削可能領域の境界に達するとバケットは掘削
可能領域の外には出ないが掘削可能領域の境界に沿って
は動けるようにしている。また、領域の設定方法として
は、オペレータがバケットの刃先を目標境界上に持って
行き、スイッチを押して領域を設定する方法(ダイレク
トティーチ設定方法)が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フロント装
置の侵入を制限する領域を設定する際、どの設定方法が
便利かは作業の内容によって異なる。
【0007】例えば、掘削を行う範囲が特に図面等によ
って数字で規定されていないようなラフな掘削を行うよ
うな作業現場において、おおざっぱに均し作業を行う場
合は、直接バケットの先端を掘削したい場所に合わせ
て、作業者の設定操作、例えばボタン等を押すなどの操
作でバケット先端の座標値から領域を設定する(ダイレ
クトティーチ設定)のが便利である。しかし、作業現場
によっては、油圧ショベルのある地面上から何mの深さ
だけ掘削をするという指定がある場合もある。この場合
には、予め、掘削可能領域を実際の数値で設定する(数
値入力設定)ことが便利である。更に、土中に埋められ
た配管(水道管等)を地面上から次第に掘削して掘り当
てるような作業では、ある程度は制御無しでラフに掘削
し、ある深さから領域制限掘削制御を用いて掘削したい
場合もある。この場合、ある程度制御無しでラフに掘削
した後、その位置をダイレクトティーチで設定し、その
位置を基準として少しづつ深さを設定し、少しずつ何c
mかステップで薄皮を剥ぐように丁寧に掘削して、目的
の配管を掘り当てるようにするのが便利である。
【0008】上記従来技術では、領域設定手段として
は、ダイレクトティーチ設定か数値入力設定のいずれか
一方の手段しか備えていないため、あらゆる作業現場に
おいて最適な領域設定手段を選択することができず、種
々の作業に適切かつ迅速に対応することができないとい
う問題があった。
【0009】本発明の目的は、あらゆる作業現場におい
て最適な領域設定手段が選択でき、種々の作業に適切か
つ迅速に対応できる建設機械のフロント制御装置を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、上下方向
に回動可能な複数のフロント部材により構成される多関
節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動
する複数の油圧アクチュエータと、複数の操作手段から
の信号により駆動され、前記複数の油圧アクチュエータ
に供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁と
を有する建設機械に備えられ、前記フロント装置を予め
設定された領域内で動くよう制御する建設機械のフロン
ト制御装置において、ダイレクト設定スイッチを有し、
このダイレクト設定スイッチの指示でダイレクトティー
チにより前記フロント装置の動き得る領域を設定する第
1領域設定手段と、数値入力スイッチを有し、この数値
入力スイッチによる数値入力で前記フロント装置の動き
得る領域を設定する第2領域設定手段とを備えるものと
する。
【0011】以上のように構成した本発明では、ダイレ
クトティーチ設定を行える第1領域設定手段と数値入力
設定を行える第2領域設定手段の両方の領域設定手段を
備えているので、あらゆる作業現場において最適な領域
設定手段を選択し、種々の作業に適切かつ迅速に対応す
ることができる。
【0012】(2)上記(1)において、本発明のフロ
ント制御装置は、好ましくは、前記第2領域設定手段の
数値入力スイッチにより入力された数値を表示する表示
手段を更に備える。
【0013】これにより、オペレータは表示手段に表示
された数値を見ながら数値入力設定を行えるようにな
り、正確かつ迅速に数値入力設定を行うことができる。
【0014】(3)また、上記(1)において、本発明
のフロント制御装置は、好ましくは、設定切換スイッチ
と、この設定切換スイッチが操作されないときは前記第
1領域設定手段及び第2領域設定手段の一方の設定を選
択し、前記設定切換スイッチが操作されると前記第1領
域設定手段及び第2領域設定手段の他方の設定を選択す
る設定選択手段とを更に備える。
【0015】これにより、第1領域設定手段及び第2領
域設定手段の一方のスイッチを操作すれば、設定切換ス
イッチを操作しなくても、その一方の領域設定手段の設
定が行え、設定切換スイッチを操作すれば、他方の領域
設定手段の設定に切り換えられ、設定の切り換えを最少
のスイッチ操作で合理的に行うことができる。
【0016】(4)上記(3)において、好ましくは、
前記設定選択手段は、前記第1領域設定手段のダイレク
ト設定スイッチが操作されたときに前記第1領域設定手
段による設定を選択するものである。
【0017】これにより、第1領域設定手段のダイレク
ト設定スイッチを操作すれば、設定切換スイッチを操作
しなくてもダイレクトティーチ設定が行え、ダイレクト
ティーチ設定を優先した領域設定を行うことができる。
【0018】(5)また、上記(4)において、本発明
のフロント制御装置は、表示手段と、前記設定切換スイ
ッチが操作されないときは前記表示手段に前記フロント
装置の現在の位置を表示させ、前記設定切換スイッチが
操作されると前記第2領域設定手段の数値入力スイッチ
により入力された数値を表示させる表示切換手段とを更
に備える。
【0019】これにより、フロント制御中及びダイレク
トティーチ設定中は表示手段にフロント装置の現在の位
置が表示され、オペレータはその位置を表示手段で確認
しながら作業を行うことができ、数値入力設定中は、数
値入力された数値が表示手段に表示され、オペレータは
表示手段に表示された数値を見ながら設定を行うことが
できる。
【0020】(6)また、上記(1)において、好まし
くは、前記第2領域設定手段の数値入力スイッチは、あ
る基準値から数値を増加させる第1数値入力キーと、あ
る基準値から数値を減少させる第2数値入力キーとを有
する。
【0021】これにより、オペレータは2つのキーを用
いて数値入力設定を自由に行うことができる。
【0022】(7)更に、上記(1)において、好まし
くは、前記第2領域設定手段は、前記フロント装置が届
かない位置の値を初期値として予め設定してあり、前記
数値入力スイッチによりこの初期値を基準として数値を
変更し、前記領域を設定するものである。
【0023】これにより、第2領域設定手段で数値入力
設定を行うとき、フロント装置が届かない位置の値を基
準にして所望の位置に領域を設定することができる。
【0024】(8)また、上記(1)において、好まし
くは、前記第2領域設定手段は、前記ダイレクトティー
チにより設定された数値を基準として前記数値入力スイ
ッチにより数値を変更し、前記領域を設定するものであ
る。
【0025】これにより、土中に埋められた配管を地面
上から次第に掘削して掘り当てるような作業では、ある
程度制御無しでラフに掘削し、ある深さからダイレクト
ティーチにより設定された位置を基準として数値入力に
より少しづつ深さを設定し、少しずつ何cmかステップ
で薄皮を剥ぐように丁寧に掘削することができ、目的の
配管を破損することなく迅速に掘り当てることができ
る。
【0026】(9)更に、上記(1)において、本発明
のフロント制御装置は、好ましくは、前記フロント装置
の制御を行うか否かを選択する制御選択スイッチと、前
記制御選択スイッチを操作してフロント制御を選択した
ときは、その都度、設定領域の初期値として前記フロン
ト装置が届かない位置の値を設定する初期設定手段とを
更に備える。
【0027】これにより、フロント制御を選択したとき
は、最初は常に、フロント装置が届かない位置が設定さ
れることになり、フロント装置はそれが動作し得る範囲
で自由に動くことができ、その動作範囲内で領域を自由
に設定することができる。
【0028】(10)また、上記目的を達成するため
に、本発明は、上下方向に回動可能な複数のフロント部
材により構成される多関節型のフロント装置を予め設定
された領域内で動くよう制御するフロント制御における
領域設定方法において、前記フロント装置を基準となる
位置に移動し、その位置をダイレクトティーチにより記
憶し、次いで数値入力によりその位置を基準として深さ
を設定し、その結果得られた数値で前記フロント装置の
動き得る領域を設定するものである。
【0029】これにより、上記(8)のように、土中に
埋められた配管を地面上から次第に掘削して掘り当てる
ような作業では、目的の配管を迅速に掘り当てることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルの領
域制限掘削制御装置に適用した場合の実施形態を図面を
用いて説明する。まず、本発明の第1の実施形態を図1
〜図10により説明する。図1において、本発明が適用
される油圧ショベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポン
プ2からの圧油により駆動されるブームシリンダ3a、
アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モー
タ3d及び左右の走行モータ3e,3fを含む複数の油
圧アクチュエータと、これら油圧アクチュエータ3a〜
3fのそれぞれに対応して設けられた複数の操作レバー
装置4a〜4fと、油圧ポンプ2と複数の油圧アクチュ
エータ3a〜3f間に接続され、操作レバー装置4a〜
4fの操作信号によって制御され、油圧アクチュエータ
3a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流
量制御弁5a〜5fと、油圧ポンプ2と流量制御弁5a
〜5fの間の圧力が設定値以上になった場合に開くリリ
ーフ弁6とを有し、これらは油圧ショベルの被駆動部材
を駆動する油圧駆動装置を構成している。
【0031】油圧ショベルは、図2に示すように、垂直
方向にそれぞれ回動するブーム1a、アーム1b及びバ
ケット1cからなる多関節型のフロント装置1Aと、上
部旋回体1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで
構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部
旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a、アー
ム1b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体
1eはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3
b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の
走行モータ3e,3fによりそれぞれ駆動される被駆動
部材を構成し、それらの動作は上記操作レバー装置4a
〜4fにより指示される。
【0032】また、操作レバー装置4a〜4fは油圧パ
イロット方式であり、それぞれオペレータにより操作さ
れる操作レバー40a〜40fの操作量と操作方向に応
じたパイロット圧を、パイロットライン44a〜49b
を介して対応する流量制御弁5a〜5fの油圧駆動部5
0a〜55bに供給し、これら流量制御弁を駆動する。
【0033】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よる領域制限掘削制御装置が設けられている。この制御
装置は、予め作業に応じてフロント装置の所定部位、例
えばバケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定
を指示する設定器7と、ブーム1a、アーム1b及びバ
ケット1cのそれぞれの回動支点に設けられ、フロント
装置1Aの位置と姿勢に関する状態量としてそれぞれの
回動角を検出する角度検出器8a,8b,8cと、車体
1Bの前後方向の傾斜角を検出する傾斜角検出器8d
と、アーム用の操作レバー装置4bのパイロットライン
45a,45bに設けられ、操作レバー装置4bの操作
量としてパイロット圧を検出する圧力検出器61a,6
1bと、一次ポート側がパイロットポンプ43に接続さ
れ電気信号に応じてパイロットポンプ43からのパイロ
ット圧を減圧して出力する比例電磁弁10aと、ブーム
用の操作レバー装置4aのパイロットライン44aと比
例電磁弁10aの二次ポート側に接続され、パイロット
ライン44a内のパイロット圧と比例電磁弁10aから
出力される制御圧の高圧側を選択し、流量制御弁5aの
油圧駆動部50aに導くシャトル弁12と、ブーム用の
操作レバー装置4aのパイロットライン44bに設置さ
れ、電気信号に応じてパイロットライン44b内のパイ
ロット圧を減圧して出力する比例電磁弁10bと、設定
器7の設定信号、角度検出器8a,8b,8cと傾斜角
検出器8dの検出信号、圧力検出器61a,61bの検
出信号を入力し、バケット1cの先端が動き得る掘削可
能領域を設定すると共に、領域を制限した掘削制御を行
うための操作信号の補正を行う電気信号を比例電磁弁1
0a,10bに出力する制御ユニット9とから構成され
ている。
【0034】設定器7は、設定信号を制御ユニット9に
出力し掘削制限領域の設定を指示するもので、図3に示
すように、ダイレクトティーチ設定を行うためのダイレ
クト設定スイッチ7aと、数値入力設定を行うためのア
ップキー7b1及びダウンキー7b2からなる数値入力
スイッチ7bと、設定方式をダイレクトティーチ設定か
ら数値入力設定に切り換えるときに押される設定切換ス
イッチ7c1と、設定切換スイッチ7c1が押されると
点灯するLED7c2と、領域制限掘削制御を行うとき
に押される領域制限スイッチ7d1と、領域制限スイッ
チ7d1が押されると点灯するLED7d2と、設定切
換スイッチ7c1が押されていないときはフロント装置
1Aのバケットとの先端位置を数値で表示し、設定切換
スイッチ7c1が押されると数値入力により設定された
数値を表示する液晶等の表示画面7eとを備えている。
【0035】また、設定器7は、例えば、運転室内に標
準に設置される操作パネルの上方であってオペレータの
視界を遮らない、例えば前方コーナ部などの位置に設置
されている。
【0036】制御ユニット9の制御機能を図4に示す。
制御ユニット9は、フロント姿勢演算部9a、領域設定
演算部9b、バケット先端速度の制限値演算部9c、ア
ームシリンダ速度演算部9d、アームによるバケット先
端速度演算部9e、ブームによるバケット先端速度の制
限値演算部9f、ブームシリンダ速度の制限値演算部9
g、ブームパイロット圧の制限値演算部9h、領域制限
制御の切り換え演算部9r、ブーム用バルブ指令演算部
9i、表示切り換え制御演算部9sの各機能を有してい
る。
【0037】フロント姿勢演算部9aでは、角度検出器
8a〜8c及び傾斜角検出器8dで検出したブーム、ア
ーム、バケットの回動角及び車体1Bの前後の傾斜角に
基づきフロント装置1Aの位置と姿勢を演算する。その
一例を図5により説明する。この例はフロント装置1A
のバケットの爪先(先端)P1の位置を計算する場合の
ものであり、説明の簡略化のため傾斜角検出器8dの検
出値は省略する。
【0038】図5において、制御ユニット9の記憶装置
にはフロント装置1A及び車体1Bの各部寸法が記憶さ
れており、フロント姿勢演算部9aではこれらのデータ
と、角度検出器8a,8b,8cで検出した回動角α,
β,γの各値を用いてバケット先端P1の位置を計算す
る。このときP1の位置は、例えばブーム1aの回動支
点を原点としたXY座標系の座標値(X,Y)として求
める。XY座標系は本体1Bに固定した垂直面内にある
直行座標系である。ブーム1aの回動支点とアーム1b
の回動支点との距離をL1、アーム1bの回動支点とバ
ケット1cの回動支点の距離をL2、バケット1cの回
動支点とバケット1cの先端との距離をL3とすれば、
回動角α,β,γからXY座標系の座標値(X,Y)
は、下記の式より求まる。
【0039】X=L1sinα+L2sin(α+β)+
3sin(α+β+γ) Y=L1cosα+L2con(α+β)+L3cos(α
+β+γ) 領域設定演算部9bでは、設定器7からの指示で、ダイ
レクト設定スイッチ7aを用いたダイレクトティーチ設
定又は数値入力スイッチ7bを用いた数値入力設定のい
ずれかにより、バケット1cの先端が動き得る掘削可能
領域の設定演算を行う。その一例を図5及び図6を用い
て説明する。この例は、掘削可能領域の境界Lを深さh
1のX軸に平行な直線として設定する場合のものであ
る。
【0040】図6において、本実施形態の領域制限掘削
制御は、まず、領域制限スイッチ7d1をONする(押
す)ことにより開始され(スッテプ100)、領域制限
スイッチ7d1がONすると、LED7d2を点灯した
後(スッテプ110)、掘削可能領域の境界L(深さh
1)の初期値として、バケットが届かないくらい深い位
置の値を設定する(スッテプ120)。これにより、領
域制限スイッチ7d1をONにした状態では、フロント
装置1Aはそれが動作し得る範囲で自由に動くことがで
き、その動作範囲内で掘削可能領域を自由に設定できる
ようになる。ここでは一例として、掘削可能領域の境界
Lの初期値はY=−20mとしておく。
【0041】次に、ダイレクト設定スイッチ7a、数値
入力スイッチ7b、設定切換スイッチ7c1の操作の組
み合わせにより、以下のように掘削可能領域の境界Lを
設定する。
【0042】(a)ダイレクトティーチ設定 オペレータの操作でバケット1cの先端点P1を目的位
置に動かした後、ダイレクト設定スイッチ7aを押す。
領域設定演算部9bは、ダイレクト設定スイッチ7aが
押されると、常にその時のフロント姿勢演算部9aで計
算されたバケット先端P1のY座標値の値、Y=Y1
2,Y4を用いて、 設定値=Y座標値Y1(スッテプ140) 設定値=Y座標値Y2(スッテプ160) 設定値=Y座標値Y4(スッテプ220) と掘削可能領域の境界Lを設定する(スッテプ130
→140→150→240→130→240;スッテ
プ130→140→150→160→240→130→
240:スッテプ130→190→200又は210
→220→240→130→240)。
【0043】(b)数値入力設定 設定切換スイッチ7c1を押して数値入力設定を選択し
た場合、その後ダイレクトティーチ設定を一度も行わな
い場合は、数値入力スイッチ7bのアップキー7b1及
びダウンキー7b2を操作すると、上記の初期値Y=−
20mを基準とし、この数値にアップダウンキー7b
1,7b2による変更量dY3,dY4を加算し、 設定値=−20+dY3(スッテプ200) 設定値=−20+dY4(スッテプ230) と掘削可能領域の境界Lを設定する(スッテプ130
→190→200→210→240→130→240;
スッテプ130→190→200又は210→230
→240→130→240)。
【0044】(c)ダイレクトティーチ設定→数値入力
設定 一旦ダイレクトティーチ設定をした後、設定切換スイッ
チ7c1を押して数値入力設定を選択し、数値入力キー
7bのアップキー7b1及びダウンキー7b2を操作し
た場合は、ダイレクトティーチの設定値Y1を基準とし
て、この数値にアップダウンキー7b1,7b2による
変更量dY2を加算し、 設定値=Y1+dY2(スッテプ180) と掘削可能領域の境界Lを設定する(スッテプ130→
140→150→170→180→240→130→2
40)。
【0045】また、一旦、このようにY1+dY2を設定
しても、上記(a)のようにダイレクト設定スイッチ7
aが押されれば、ダイレクトティーチ設定が優先し、こ
の後設定切換スイッチ7c1を押し、アップダウンキー
7b1,7b2の操作で数値を入力すれば、新たなダイ
レクトティーチの設定値Y1を基準として、 設定値=Y1+dY2(スッテプ180) の計算が行われ、掘削可能領域の境界Lを設定する(ス
ッテプ130→140→150→170→180→24
0→130→140→150→170→180→240
→130→240)。
【0046】ここで、ダイレクトティーチ設定として、
図5に示すようにバケットの先端を地面上に置き、この
地面の位置を設定した場合は、ダウンキー7b2により
入力される変更量dY2は深さh1であり、オペレータ
は結果として深さh1を数値入力することになる。
【0047】以上の(b)及び(c)において、アップ
ダウンキー7b1,7b2を操作して設定される変更量
はその入力値が特に規定されるものではないが、フロン
ト装置1Aが届き得ないような位置の値を設定しても、
実際には意味がない。よって、アップダウンキー7b
1,7b2を操作して設定される変更量はフロント装置
1Aが届き得る範囲内の値と規定する。ここでは一例と
して±20mまでとし、それ以上の値は入力できないと
する。
【0048】本実施形態の領域制限掘削制御を終了する
場合は、領域制限スイッチ7d1をもう一度押すと当該
スイッチがOFFし(スッテプ240)、安全のため再
び掘削可能領域の境界Lの設定値を初期値のY=−20
mにリセットし(スッテプ250)、LED7d2を消
灯した後(スッテプ260)、制御を終了する(スッテ
プ270)。
【0049】そして、領域設定演算部9bでは、以上の
ように掘削可能領域の境界Lを設定した後、設定した掘
削可能領域の境界Lの直線式を立て、当該直線上に原点
を持ち当該直線を一軸とする直交座標系XaYa座標系
を立て、XY座標系からXaYa座標系への変換データ
を求める。
【0050】バケット先端速度の制限値演算部9cで
は、バケット先端の境界Lからの距離Dに基づき、バケ
ット先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値aを計算す
る。これは制御ユニット9の記憶装置に図7に示すよう
な関係を記憶しておき、この関係を読み出して行う。
【0051】図7において、横軸はバケット先端の境界
Lからの距離Dを示し、縦軸はバケット先端速度の境界
Lに垂直な成分の制限値aを示し、横軸の距離D及び縦
軸の速度制限値aはXaYa座標系と同じくそれぞれ設
定領域外から設定領域内に向かう方向を(+)方向とし
ている。この距離Dと制限値aの関係は、バケット先端
が設定領域内にあるときには、その距離Dに比例した
(−)方向の速度をバケット先端速度の境界Lに垂直な
成分の制限値aとし、バケット先端が領域外にあるとき
には、その距離Dに比例した(+)方向の速度をバケッ
ト先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値aとするよう
に定められている。したがって、設定領域内では、バケ
ット先端速度の境界Lに垂直な成分が(−)方向で制限
値を越えた場合だけ減速され、設定領域外では、バケッ
ト先端が(+)方向に増速されるようになる。
【0052】アームシリンダ速度演算部9dでは、圧力
検出器61a,61bで検出した流量制御弁5bへの指
令値(パイロット圧)と、アームの流量制御弁5bの流
量特性により、アームシリンダ速度を推定する。
【0053】アームによるバケット先端速度演算部9e
では、アームシリンダ速度とフロント姿勢演算部9aで
求めたフロント装置1Aの位置と姿勢によりアームによ
るバケット先端速度bを演算する。
【0054】ブームによるバケット先端速度の制限値演
算部9fでは、演算部9eで求めたアームによるバケッ
ト先端速度bを領域設定演算部9bで求めた変換データ
を用いてXY座標系からXaYa座標系へ変換し、アー
ムによるバケット先端速度(bx,by)を演算し、演
算部9cで求めたバケット先端速度の境界Lに垂直な成
分の制限値aとそのアームによるバケット先端速度の境
界Lに垂直な成分byにより、ブームによるバケット先
端速度の境界Lに垂直な成分の制限値cを演算する。こ
れを図8を用いて説明する。
【0055】図8において、バケット先端速度の制限値
演算部9cで求められるバケット先端速度の境界Lに垂
直な成分の制限値aとアームによるバケット先端速度演
算部9eで求められるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byの差(a−by)がブームに
よるバケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制限値c
であり、ブームによるバケット先端速度の制限値演算部
9fではc=a−byの式より制限値cを計算する。
【0056】制限値cの意味について、バケット先端が
設定領域内にある場合、境界上にある場合、設定領域外
にある場合に分けて説明する。
【0057】バケット先端が設定領域内の場合には、バ
ケット先端速度は、バケット先端の境界Lからの距離D
に比例してバケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制
限値aに制限され、これよりブームによるバケット先端
速度の境界Lに垂直な成分はc(=a−by)に制限さ
れ、バケット先端速度bの境界Lに垂直な成分byがこ
れを越えた場合にはcに減速される。
【0058】バケット先端が設定領域の境界L上にある
場合には、バケット先端速度の境界Lに垂直な成分の制
限値aは0となり、設定領域外に向かうアームによるバ
ケット先端速度bは速度cのブーム上げによる補正動作
によってキャンセルされ、バケット先端速度の境界Lに
垂直な成分byも0となる。
【0059】バケット先端が領域外の場合には、バケッ
ト先端速度の境界Lに垂直な成分はバケット先端の境界
Lからの距離Dに比例した上向きの速度aに制限される
ことにより、常に設定領域内に復元するように速度cの
ブーム上げによる補正動作が行われる。
【0060】ブームシリンダ速度の制限値演算部9gで
は、ブームによるバケット先端速度の境界Lに垂直な成
分の制限値cとフロント装置1Aの位置と姿勢に基ず
き、上記変換データを用いた座標変換によりブームシリ
ンダ速度の制限値を演算する。
【0061】ブームパイロット圧の制限演算部9hで
は、ブームの流量制御弁5aの流量特性に基づき、演算
部9gで求めたブームシリンダ速度の制限値に対応する
ブームパイロット圧の制限値を求める。
【0062】領域制限制御の切り換え演算部9rでは、
領域制限スイッチ7d1がONで(押されており)領域
制限掘削制御が選択されている場合は、ブームパイロッ
ト圧の制限値として演算部9hで計算した値をそのまま
出力し、 領域制限スイッチ7d1がOFF(押されて
おらず)で領域制限掘削制御が選択されていない場合
は、ブームパイロット圧の制限値として最大値を出力す
る。
【0063】ブーム用バルブ指令演算部9iでは、演算
部9rからのパイロット圧の制限値を入力し、この値が
正の場合には、ブーム上げ側の比例電磁弁10aに制限
値に対応する電圧を出力し、流量制御弁5aの油圧駆動
部50aのパイロット圧を当該制限値にし、ブーム下げ
側の比例電磁弁10bに0の電圧を出力して流量制御弁
5aの油圧駆動部50bのパイロット圧を0にする。ま
た、制限値が負の場合には、ブーム下げ側の流量制御弁
の油圧駆動部50bのパイロット圧を制限するように制
限値に対応する電圧を比例電磁弁10bに出力し、ブー
ム上げ側の比例電磁弁10aには0の電圧を出力し流量
制御弁5aの油圧駆動部50aのパイロット圧を0にす
る。
【0064】表示切り換え演算部9sでは、設定切換ス
イッチ7c1がOFFで(押されておらず)、数値入力
設定が選択されていない場合は、フロント姿勢演算部9
aで計算されたバケットの先端P1の位置を数値で表示
し、設定切換スイッチ7c1がONで(押されてお
り)、数値入力設定が選択されている場合は、数値入力
設定により設定されている位置を数値で表示する。
【0065】以上のように構成した本実施形態におい
て、領域制限スイッチ7d1をONし、領域制限掘削制
御を行う場合の動作を説明する。作業例として、バケッ
ト先端の位置決めを行おうとしてブーム用操作レバー装
置4aの操作レバーをブーム下げ方向に操作してブーム
を下げる場合(ブーム下げ動作)と、手前方向に掘削し
ようとしてアーム用操作レバー装置4bの操作レバーを
アームクラウド方向に操作してアームクラウドする場合
(アームクラウド操作)について説明する。
【0066】バケット先端の位置決めを行おうとしてブ
ーム用操作レバー装置4aの操作レバーをブーム下げ方
向に操作するとその操作レバー装置4aの指令値である
パイロット圧がパイロットライン44bを介して流量制
御弁5aのブーム下げ側の油圧駆動部50bに与えられ
る。一方、これと同時に、演算部9cでは図7に示す関
係からバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに
比例したバケット先端速度の制限値a(<0)が計算さ
れ、演算部9fではブームによるバケット先端速度の制
限値c=a(<0)が計算され、ブームパイロット圧の
制限値演算部9hでは制限値cに応じた負のブーム指令
の制限値が計算され、バルブ指令演算部9iではブーム
下げ側の流量制御弁の油圧駆動部50bのパイロット圧
を制限するように制限値に対応する電圧を比例電磁弁1
0bに出力し、ブーム上げ側の比例電磁弁10aには0
の電圧を出力し流量制御弁5aの油圧駆動部50aのパ
イロット圧を0にする。このとき、バケット先端が設定
領域の境界Lから遠いときは演算部9hで求めたブーム
パイロット圧の制限値の絶対値は大きく、これより操作
レバー装置4aのパイロット圧の方が小さいので、比例
電磁弁10bは操作レバー装置4aのパイロット圧をそ
のまま出力し、これにより操作レバー装置4aのパイロ
ット圧に応じてブームが下がって行く。
【0067】上記のようにブームが下がり、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づくにつれて演算部9fで計
算されるブームによるバケット先端速度の制限値c=a
(<0)は大きくなり(|a|又|c|は小さくな
り)、演算部9hで求めた対応するブーム指令の制限値
(<0)の絶対値は小さくなる。そして、この制限値の
絶対値が操作レバー装置4aの指令値よりも小さくな
り、バルブ指令演算部9iから比例電磁弁10bに出力
される電圧がそれに応じて小さくなると、比例電磁弁1
0bは操作レバー装置4aのパイロット圧を減圧して出
力し、流量制御弁5aのブーム下げ側の油圧駆動部50
bに与えられるパイロット圧を制限値cに応じて徐々に
制限する。これにより、設定領域の境界Lに近づくにつ
れてブーム下げ速度が徐々に制限され、バケット先端が
設定領域の境界Lに到達するとブームは停止する。した
がって、バケット先端の位置決めが簡単に滑らかにでき
る。
【0068】また、バケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出した場合は、演算部9cでは図7に示す関係か
らバケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例
したバケット先端速度の制限値a(=c)が正の値とし
て計算され、バルブ指令演算部9iでは制限値cに応じ
た電圧を比例電磁弁10aに出力し、ブーム上げ側の流
量制御弁5aの油圧駆動部50aに制限値aに応じたパ
イロット圧を与える。これにより、ブームは距離Dに比
例した速度で領域内に復元するように上げ方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lまで戻ると停止す
る。したがって、バケット先端の位置決めが更に滑らか
に行える。
【0069】また、手前方向に掘削しようとしてアーム
用操作レバー装置4bの操作レバーをアームクラウド方
向に操作するとその操作レバー装置4bの指令値である
パイロット圧が流量制御弁5bのアームクラウド側の油
圧駆動部51aに与えられ、アームは手前方向に下がる
よう動かされる。一方、これと同時に、操作レバー装置
4bのパイロット圧が圧力検出器61aで検出され、演
算部9dに入力されてアームシリンダ速度が計算され、
演算部eでアームによるバケット先端速度bが演算され
る。また、演算部9cでは図7に示す関係からバケット
先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例したバケッ
ト先端速度の制限値a(<0)が計算され、演算部9f
ではブームによるバケット先端速度の制限値c=a−b
yが計算される。このとき、バケット先端が設定領域の
境界Lから遠く、a<by(|a|>|by|)のとき
は制限値cは負の値として計算され、バルブ指令演算部
9iではブーム下げ側の流量制御弁の油圧駆動部50b
のパイロット圧を制限するように制限値に対応する電圧
を比例電磁弁10bに出力し、ブーム上げ側の比例電磁
弁10aには0の電圧を出力し流量制御弁5aの油圧駆
動部50aのパイロット圧を0にする。このとき、操作
レバー装置4aは操作されていないので、流量制御弁5
aの油圧駆動部50bにはパイロット圧は出力されな
い。これにより操作レバー装置4bのパイロット圧に応
じてアームが手前方向に動かされる。
【0070】上記のようにアームが手前方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lに近づくにつれて
演算部9cで計算されるバケット先端速度の制限値aは
大きくなり(|a|は小さくなり)、この制限値aが演
算部9eで計算されるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byよりも大きくなると、演算部
9fで計算されるブームによるバケット先端速度の制限
値c=a−byは正の値となり、バルブ指令演算部9i
ではブーム上げ側の比例電磁弁10aに制限値に対応す
る電圧を出力し、流量制御弁5aの油圧駆動部50aの
パイロット圧を当該制限値にし、ブーム下げ側の比例電
磁弁10bに0の電圧を出力して流量制御弁5aの油圧
駆動部50bのパイロット圧を0にする。これにより、
バケット先端速度の境界Lに垂直な成分がバケット先端
と境界Lからの距離Dに比例して徐々に制限されるよう
に、ブーム上げによる補正動作が行われ、アームによる
バケット先端速度の補正されていない境界Lに平行な成
分bxとこの制限値cによる補正された速度により、図
9に示すような方向変換制御が行われ、設定領域の境界
Lに沿った掘削が行える。
【0071】また、バケット先端が設定領域の境界から
はみ出した場合は、演算部9cでは図7に示す関係から
バケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例し
たバケット先端速度の制限値aが正の値として計算さ
れ、演算部9fで計算されるブームによるバケット先端
速度の制限値c=a−by(>0)は制限値aに比例し
て大きくなり、バルブ指令演算部9iからブーム上げ側
の比例電磁弁10aに出力される電圧は制限値cに応じ
て増大する。これにより、設定領域外では距離Dに比例
したバケット先端速度で領域内に復元するように、ブー
ム上げによる補正動作が行われ、アームによるバケット
先端速度の補正されていない境界Lに平行な成分bxと
この制限値cにより補正された速度により、図10に示
すように設定領域の境界Lに沿って徐々に戻りながらの
掘削が行える。したがって、アームをクラウドするだけ
で滑らかに設定領域の境界Lに沿った掘削が行える。
【0072】以上のように本実施形態によれば、バケッ
ト先端が設定領域内にある場合は、バケット先端速度の
設定領域の境界Lに垂直な成分は、バケット先端の境界
Lからの距離Dに比例して制限値aにより制限されるの
で、ブーム下げ動作ではバケット先端の位置決めが簡単
に滑らかにでき、アームクラウド操作では、設定領域の
境界に沿ってバケット先端を動かすことができ、領域を
制限した掘削を能率良く円滑に行うことができる。
【0073】また、バケット先端が設定領域外では、バ
ケット先端の境界Lからの距離Dに比例して制限値aに
よりフロント装置が設定領域に戻るように制御されるの
で、フロント装置を速く動かしたときでも設定領域の境
界に沿ってフロント装置を動かすことができ、領域を制
限した掘削を正確に行うことができる。
【0074】また、このとき、上記のように予め方向変
換制御で減速されているので、設定領域外への侵入量は
少なくなり、設定領域に戻るときのショックは大幅に緩
和される。このため、フロント装置を速く動かしたとき
でも領域を制限した掘削を滑らかに行うことができ、領
域を制限した掘削を円滑に行うことができる。
【0075】また、本実施形態では、領域制限掘削制御
の掘削可能領域を設定する手段としてダイレクトティー
チ設定と数値入力設定の両方の領域設定手段を備えてい
るので、あらゆる作業現場において最適な領域設定手段
が選択でき、種々の作業に迅速に対応することができ、
適切かつ迅速な掘削作業を行うことができる。
【0076】例えば、掘削を行う範囲が特に図面等によ
って数字で規定されていないようなラフな掘削を行うよ
うな作業現場において、おおざっぱに均し作業を行う場
合は、直接バケットの先端を掘削したい場所に合わせ
て、ダイレクト設定スイッチ7aを押せば、上記(a)
のダイレクトティーチ設定機能により迅速に掘削可能領
域が設定できる。
【0077】一方、作業現場によっては、油圧ショベル
のある地面上から何mの深さだけ掘削をするという指定
がある場合もある。この場合には、設定切換スイッチ7
c1を押し、数値入力スイッチ7bで指定された深さを
入力すれば、上記(b)の数値入力設定機能により迅速
に所望の掘削可能領域を設定でき、最適の制御が行え
る。
【0078】更に、土中に埋められた配管(水道管等)
を地面上から次第に掘削して掘り当てるような作業で
は、ある程度制御無しでラフに掘削した後、上記(c)
の設定機能を用い、その位置をダイレクトティーチで設
定し、この位置を基準として少しずつ数値入力で深さを
設定することにより、ある程度まではラフに素早く掘削
でき、それから少しずつ何cmかステップで薄皮を剥ぐ
ように丁寧に掘削して、目的の配管を破損することなく
迅速に掘り当てることができる。
【0079】また、設定切換スイッチ7c1は数値入力
スイッチ7bによる数値入力設定を選択するときのみ押
すようになっているので、ダイレクトティーチ設定を行
うときはダイレクト設定スイッチ7aを押すだけでよ
く、設定の切り換えを最少のスイッチ操作で合理的に行
うことができるとともに、ダイレクトティーチ設定を優
先した領域設定を行うことができる。
【0080】更に、設定切換スイッチ7c1が押されな
いときは表示画面7eにフロント装置1aのバケット先
端の現在の位置を表示させ、設定切換スイッチ7c1が
押されると上記設定の切り換えと共に、数値入力設定ス
イッチ7bにより入力された数値を表示画面7eに表示
させるので、領域制限掘削制御中及びダイレクトティー
チ設定中はオペレータはバケット先端の現在の位置を表
示画面7e上で確認しながら作業を行うことができ、数
値入力設定中は、オペレータは数値入力された数値を表
示画面上7eで見ながら設定を行うことができる。
【0081】また、領域制限スイッチ7d1を押して領
域制限掘削制御を選択したときは、その都度、掘削可能
領域の初期値としてフロント装置が届かない位置の値
(上記の例では−20m)が設定されるので、フロント
装置はそれが動作し得る範囲で自由に動くことができ、
その動作範囲内で領域を自由に設定することができる。
【0082】本発明の第2の実施形態を図11及び図1
2により説明する。本実施形態は、操作レバー装置とし
て電気式を用いた油圧ショベルに本発明を適用したもの
である。
【0083】図11において、本実施形態が適用される
油圧ショベルは、油圧パイロット方式の操作レバー装置
4a〜4fの代わりに電気式の操作レバー装置14a〜
14fを備えている。操作レバー装置14a〜14fは
操作レバーの操作量と操作方向に応じた電圧を電気信号
として出力し、この電気信号を制御ユニットAを介して
流量制御弁15a〜15fの両端に設けられた電気油圧
変換手段、例えば比例電磁弁を備えた電磁駆動部30
a,30b〜35a,35bの対応するものへ供給す
る。
【0084】設定器7は図3に示す第1の実施形態のも
のと同じである。
【0085】制御ユニット9Aの制御機能を図12に示
す。制御ユニット9Aは、フロント姿勢演算部9a、領
域設定演算部9b、バケット先端速度の制限値演算部9
c、アームシリンダ速度演算部9Ad、アームによるバ
ケット先端速度演算部9e、ブームによるバケット先端
速度の制限値演算部9f、ブームシリンダ速度の制限値
演算部9g、ブーム指令の制限値演算部9Ah、ブーム
指令の調整演算部9j、ブーム用バルブ指令演算部9A
i、アーム用バルブ指令演算部9k、表示切り換え制御
演算部9sの各機能を有している。
【0086】アームシリンダ速度演算部9Adでは、角
度検出器8bにより検出したアームの回動角を用い、座
標変換によりアームシリンダ変位を求め、それを微分し
て直接アームシリンダ速度を求める。なお、アームの操
作レバー装置4bの操作信号を用いてアームシリンダ速
度を求めてもよい。
【0087】ブーム指令の制限演算部9Ahでは、ブー
ムの流量制御弁15aの流量特性に基づき、演算部9g
で求めたブームシリンダ速度の制限値に対応するブーム
指令値の制限値を求める。
【0088】ブーム指令の調整演算部9jでは、設定器
7(図3参照)の領域制限スイッチ7d1がONで(押
されており)領域制限掘削制御が選択されている場合
は、演算部9Ahで求めたブーム指令の制限値と操作レ
バー装置14aの指令値を比較し、大きい方を出力し、
領域制限スイッチ7d1がOFF(押されておらず)で
領域制限掘削制御が選択されていない場合は、操作レバ
ー装置14aの指令値を出力する。ここで、操作レバー
装置14aの指令値はXaYa座標系と同じく、設定領
域外から設定領域内に向かう方向(ブーム上げ方向)を
(+)方向としている。また、演算部9jでブーム指令
の制限値と操作レバー装置14aの指令値の大きい方を
出力することは、バケット先端が設定領域内の場合には
制限値cが(−)であることから両者の絶対値の小さい
方を出力することであり、バケット先端が領域外の場合
には制限値cが(+)であることから、両者の絶対値の
大きい方を出力することである。
【0089】ブーム用バルブ指令演算部9Aiでは、ブ
ーム指令の調整演算部9jからの指令値を入力し、その
値が正の場合には流量制御弁15aのブーム上げ駆動部
30aに対応する電圧を出力し、ブーム下げ駆動部30
bには0の電圧を出力し、指令値が負の場合には逆にす
る。
【0090】アーム用バルブ指令演算部9kでは、操作
レバー装置14bの指令値を入力し、当該指令値が正の
場合には流量制御弁15bのアームクラウド駆動部31
aに対応する電圧を出力し、アームダンプ駆動部31b
には0の電圧を出力し、指令値が負の場合には逆にす
る。
【0091】図示はしないが、操作レバー装置14c〜
14fの指令値に対しても同様にバルブ指令演算部が設
けられ、それぞれの流量制御弁の駆動部に指令値に応じ
た電圧を出力する。
【0092】その他の機能は第1の実施形態と同じであ
る。
【0093】以上のように構成した本実施形態では、バ
ケット先端の位置決めを行おうとしてブーム用操作レバ
ー装置14aの操作レバーをブーム下げ方向に操作する
と、その操作レバー装置14aの指令値が最大値演算部
9jに入力される。一方、これと同時に、演算部9cで
は図7に示す関係からバケット先端と設定領域の境界L
からの距離Dに比例したバケット先端速度の制限値a
(<0)が計算され、演算部9fではブームによるバケ
ット先端速度の制限値c=a(<0)が計算され、ブー
ム指令の制限値演算部9Ahでは制限値cに応じた負の
ブーム指令の制限値が計算される。このとき、バケット
先端が設定領域の境界Lから遠いときは演算部9Ahで
求めたブーム指令の制限値より操作レバー装置14aの
指令値の方が大きいので、ブーム指令の最大値演算部9
jでは操作レバー装置14aの指令値が選択され、この
指令値は負であるで、バルブ指令演算部9Aiでは流量
制御弁15aのブーム下げ駆動部30bに対応する電圧
を出力し、ブーム上げ駆動部30aには0の電圧を出力
し、これにより操作レバー装置14aの指令値に応じて
ブームが下がって行く。
【0094】上記のようにブームが下がり、バケット先
端が設定領域の境界Lに近づくにつれて演算部9fで計
算されるブームによるバケット先端速度の制限値c=a
(<0)は大きくなり(|a|又|c|は小さくな
り)、演算部9Ahで求めた対応するブーム指令の制限
値が操作レバー装置14aの指令値よりも大きくなる
と、ブーム指令の最大値演算部9jでは当該制限値が選
択され、バルブ指令演算部9Aiでは制限値cに応じて
流量制御弁15aのブーム下げ駆動部30bに出力する
電圧を徐々に制限する。これにより、設定領域の境界L
に近づくにつれてブーム下げ速度が徐々に制限され、バ
ケット先端が設定領域の境界Lに到達するとブームは停
止する。したがって、バケット先端の位置決めが簡単に
滑らかにできる。
【0095】また、上記の制御は速度制御であるため、
フロント装置1Aの速度が極端に大きかったり、急激に
操作レバー装置14aを操作した場合には、油圧回路上
の遅れなど制御上の応答遅れやフロント装置1Aにかか
る慣性力などによりバケット先端が設定領域の境界Lか
らはみ出す可能性がある。このようにバケット先端がは
み出した場合は、演算部9cでは図7に示す関係からバ
ケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例した
バケット先端速度の制限値a(=c)が正の値として計
算され、バルブ指令演算部9Aiでは制限値cに応じた
電圧を流量制御弁15aのブーム上げ駆動部30aに出
力する。これにより、ブームは距離Dに比例した速度で
領域内に復元するように上げ方向に動かされ、バケット
先端が設定領域の境界Lまで戻ると停止する。したがっ
て、バケット先端の位置決めが更に滑らかに行える。
【0096】また、手前方向に掘削しようとしてアーム
用操作レバー装置14bの操作レバーをアームクラウド
方向に操作するとその操作レバー装置14bの指令値が
アーム用バルブ指令演算部9kに入力され、流量制御弁
15bのアームクラウド駆動部31aに対応する電圧を
出力し、アームは手前方向に下がるよう動かされる。一
方、これと同時に、操作レバー装置14bの指令値が演
算部9Adに入力されてアームシリンダ速度が計算さ
れ、演算部9eでアームによるバケット先端速度bが演
算される。また、演算部9cでは図7に示す関係からバ
ケット先端と設定領域の境界Lからの距離Dに比例した
バケット先端速度の制限値a(<0)が計算され、演算
部9fではブームによるバケット先端速度の制限値c=
a−byが計算される。このとき、バケット先端が設定
領域の境界Lから遠く、a<by(|a|>|by|)
のときは制限値cは負の値として計算され、ブーム指令
の最大値演算部9jでは操作レバー装置14aの指令値
(=0)が選択され、バルブ指令演算部9Aiでは流量
制御弁15aのブーム上げ駆動部30a及びブーム下げ
駆動部30bに0の電圧を出力する。これにより操作レ
バー装置14bの指令値に応じてアームが手前方向に動
かされる。
【0097】上記のようにアームが手前方向に動かさ
れ、バケット先端が設定領域の境界Lに近づくにつれて
演算部9cで計算されるバケット先端速度の制限値aは
大きくなり(|a|は小さくなり)、この制限値aが演
算部9eで計算されるアームによるバケット先端速度b
の境界Lに垂直な成分byよりも大きくなると、演算部
9fで計算されるブームによるバケット先端速度の制限
値c=a−byは正の値となり、ブーム指令の最大値演
算部9jでは演算部9Ahで計算された制限値が選択さ
れ、バルブ指令演算部9Aiでは制限値cに応じた電圧
を流量制御弁15aのブーム上げ駆動部30aに出力す
る。これにより、バケット先端速度の境界Lに垂直な成
分がバケット先端と境界Lからの距離Dに比例して徐々
に制限されるように、ブーム上げによる補正動作が行わ
れ、アームによるバケット先端速度の補正されていない
境界Lに平行な成分bxとこの制限値cによる補正され
た速度により、図9に示すような方向変換制御が行わ
れ、設定領域の境界Lに沿った掘削が行える。
【0098】また、この場合も、上記と同じ理由でバケ
ット先端が設定領域の境界Lからはみ出す可能性があ
る。このようにバケット先端がはみ出した場合、演算部
9cでは図7に示す関係からバケット先端と設定領域の
境界Lからの距離Dに比例したバケット先端速度の制限
値aが正の値として計算され、演算部9fで計算される
ブームによるバケット先端速度の制限値c=a−by
(>0)は制限値aに比例して大きくなり、バルブ指令
演算部9Aiから流量制御弁15aのブーム上げ駆動部
30aに出力される電圧は制限値cに応じて増大する。
これにより、設定領域外では距離Dに比例したバケット
先端速度で領域内に復元するように、ブーム上げによる
補正動作が行われ、アームによるバケット先端速度の補
正されていない境界Lに平行な成分bxとこの制限値c
により補正された速度により、図10に示すように設定
領域の境界Lに沿って徐々に戻りながらの掘削が行え
る。したがって、アームをクラウドするだけで滑らかに
設定領域の境界Lに沿った掘削が行える。
【0099】以上のように本実施形態によれば、操作レ
バー装置として電気式を採用したものにおいて、第1の
実施形態と同様の領域制限掘削制御が行える。
【0100】また、設定器7及び領域設定演算部9bに
よる掘削可能領域の設定に関しても、第1の実施形態と
同じ効果が得られる。
【0101】以上、本発明の代表的な実施形態をいくつ
か説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の変形
が可能である。そのいくつかの例を以下に記す。
【0102】(1)上記実施形態では、設定器7の領域
制限スイッチ7d1が押された段階から、掘削可能領域
の初期値に基づき領域制限掘削制御を直ちに始めるよう
にしたが、ダイレクトティーチ設定もしくは数値入力設
定が行われた段階で初めて領域制限掘削制御を開始する
ようにしてもよい。
【0103】図13はこのような変形例を示す。この図
は第2の実施形態の図12に相当するもので、ブーム指
令の調整演算部9Bjでは、領域制限スイッチ7d1が
OFF(押されておらず)で領域制限掘削制御が選択さ
れていない場合は、操作レバー装置14aの指令値を出
力し、領域制限スイッチ7d1がONで(押されてお
り)領域制限掘削制御が選択されている場合でも、ダイ
レクト設定スイッチ7a及び数値入力スイッチ7bが押
される前であれば、操作レバー装置14aの指令値を出
力し、領域制限スイッチ7d1がONで(押されてお
り)領域制限掘削制御が選択されている場合で、ダイレ
クト設定スイッチ7a及び数値入力スイッチ7bのどれ
かが押され、領域が設定されると、演算部9Ahで求め
たブーム指令の制限値と操作レバー装置14aの指令値
を比較し、大きい方を出力する。
【0104】(2)上記実施形態では、設定器7の領域
制限スイッチ7d1をOFFにし領域制限掘削制御を終
了させた場合、掘削可能領域を常に初期値Y=−20m
にリセットするようにしたが、それまで設定した値を制
御ユニット9に記憶しておき、次に制御開始時点で前回
の掘削可能領域の設定値から始めるようにしてもよい。
【0105】図14はこのような変形例を示す。この図
は第1の実施形態の図6に相当するもので、スッテプ2
40で領域制限スイッチ7d1がOFFになった後、ス
ッテプ250Cでは、それまで設定した値を記憶し、次
の制御開始時、スッテプ120Cで掘削可能領域の設定
値として前回の設定値を用いる。
【0106】(3)上記実施形態では、数値入力で設定
される値を増減させる際の基準値はダイレクトティーチ
で設定された値を基準としたが、数値入力設定で増減さ
れる値の基準値は常に一定(例えば常にY=0を基準と
する)にしてもよい。
【0107】図14はこのような変形例を示す。この図
も第1の実施形態の図6に相当するもので、スッテプ1
80D,200D,230Dでは、設定値=dY2,d
Y3,dY4と数値入力の変更量をそのまま設定する。
【0108】また、数値入力設定で増減される値の基準
値は地面からブーム1aの回動支点の高さとしてもよ
く、この場合は、数値入力の設定値は地面からの深さと
なり、好都合である。
【0109】(4)フロント装置1Aの位置と姿勢に関
する状態量を検出する手段として回動角を検出する角度
計を用いたが、シリンダのストロークを検出してもよ
い。
【0110】(5)掘削可能領域をダイレクトティーチ
で設定する場合、設定器7のパネル上にダイレクトティ
ーチ用のスイッチを設けたが、操作レバー装置のレバー
グリップ上に設けてもよい。
【0111】(6)領域制限掘削制御を行うための設定
領域の境界Lに対する距離Dとしてバケットの先端につ
いて述べたが、簡易的に実施するならばアーム先端ピン
からの距離をとってもよい。また、フロント装置との干
渉を防止し安全性を図るために領域を設定する場合は、
その干渉が起こり得る他の部位であってもよい。
【0112】(7)適用される油圧駆動装置はクローズ
ドセンタタイプの流量制御弁を有するクローズドセンタ
システムとしたが、オープンセンタータイプの流量制御
弁を用いたオープンセンターシステムであってもよい。
【0113】(8)油圧ショベルのフロント制御として
領域制限掘削制御の例を示したが、フロントと周囲物体
との干渉を防止する干渉防止制御等のその他のフロント
制御に本発明を適用しても良い。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、フロント装置が動き得
る領域を設定する手段としてダイレクトティーチ設定と
数値入力設定の両方の領域設定手段を設けたので、あら
ゆる作業現場において最適な領域設定手段が選択でき、
種々の作業に迅速に対応することができ、適切かつ迅速
な掘削作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による建設機械のフロ
ント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観を示す
図である。
【図3】設定器の外観を示す図である。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図
である。
【図5】本実施形態の領域制限掘削制御における掘削可
能領域の設定方法を示す図である。
【図6】領域設定演算部での処理内容を示すフローチャ
ートである。
【図7】バケット先端速度の制限値を求めるときの設定
領域の境界からの距離との関係を示す図である。
【図8】バケット先端が設定領域内にある場合と、設定
領域の境界上にある場合と、設定領域外にある場合のブ
ームによるバケット先端速度の補正動作の違いを示す図
である。
【図9】バケット先端が設定領域内にあるときの補正動
作軌跡の一例を示す図である。
【図10】バケット先端が設定領域外にあるときの補正
動作軌跡の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による建設機械のフ
ロント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図であ
る。
【図12】制御ユニットの制御機能を示す図である。
【図13】本発明の実施形態の変形例を説明するための
制御ユニットの制御機能を示す図である。
【図14】本発明の他の変形例を説明するための領域設
定演算部の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】本発明の更に他の変形例を説明するための領
域設定演算部の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム 1b アーム 1c バケット 2 油圧ポンプ 3a ブームシリンダ 3b アームシリンダ 4a〜4f;14a〜14f 操作レバー装置 5a〜5f;15a〜15f 流量制御弁 7 設定器 7a ダイレクト設定スイッチ(第1領域設定手段) 7b 数値入力スイッチ(第2領域設定手段) 7b1 アップキー 7b2 ダウンキー 7c1 設定切換スイッチ 7c2 LED 7d1 制限制御スイッチ 7d2 LED 7e 表示画面 8a〜8c 角度検出器 8d 傾斜角度検出器 9 制御ユニット 9a フロント姿勢演算部 9b 領域設定演算部 9c バケット先端速度の制限値演算部 9d アームシリンダ速度演算部 9e アームによるバケット先端速度演算部 9f ブームによるバケット先端速度の制限値演算部 9g ブームシリンダ速度の制限値演算部 9h ブームパイロット圧の演算部 9i バルブ指令演算部 9r 領域制限制御の切り換え演算部 9s 表示切り換え制御演算部 10a,10b 比例電磁弁 12 シャトル弁 50a〜55b 油圧駆動部 61a,61b 圧力検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 高志 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に回動可能な複数のフロント部材
    により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数
    のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータ
    と、複数の操作手段からの信号により駆動され、前記複
    数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御
    する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に備えられ、
    前記フロント装置を予め設定された領域内で動くよう制
    御する建設機械のフロント制御装置において、 ダイレクト設定スイッチを有し、このダイレクト設定ス
    イッチの指示でダイレクトティーチにより前記フロント
    装置の動き得る領域を設定する第1領域設定手段と、 数値入力スイッチを有し、この数値入力スイッチによる
    数値入力で前記フロント装置の動き得る領域を設定する
    第2領域設定手段とを備えることを特徴とする建設機械
    のフロント制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記第2領域設定手段の数値入力スイッチ
    により入力された数値を表示する表示手段を更に備える
    ことを特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、設定切換スイッチと、この設定切換スイッ
    チが操作されないときは前記第1領域設定手段及び第2
    領域設定手段の一方の設定を選択し、前記設定切換スイ
    ッチが操作されると前記第1領域設定手段及び第2領域
    設定手段の他方の設定を選択する設定選択手段とを更に
    備えることを特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記設定選択手段は、前記第1領域設定手
    段のダイレクト設定スイッチが操作されたときに前記第
    1領域設定手段による設定を選択するものであることを
    特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の建設機械のフロント制御装
    置において、表示手段と、前記設定切換スイッチが操作
    されないときは前記表示手段に前記フロント装置の現在
    の位置を表示させ、前記設定切換スイッチが操作される
    と前記第2領域設定手段の数値入力スイッチにより入力
    された数値を表示させる表示切換手段とを更に備えるこ
    とを特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記第2領域設定手段の数値入力スイッチ
    は、ある基準値から数値を増加させる第1数値入力キー
    と、ある基準値から数値を減少させる第2数値入力キー
    とを有することを特徴とする建設機械のフロント制御装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記第2領域設定手段は、前記フロント装
    置が届かない位置の値を初期値として予め設定してあ
    り、前記数値入力スイッチによりこの初期値を基準とし
    て数値を変更し、前記領域を設定するものであることを
    特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記第2領域設定手段は、前記ダイレクト
    ティーチにより設定された数値を基準として前記数値入
    力スイッチにより数値を変更し、前記領域を設定するも
    のであることを特徴とする建設機械のフロント制御装
    置。
  9. 【請求項9】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記フロント装置の制御を行うか否かを選
    択する制御選択スイッチと、前記制御選択スイッチを操
    作してフロント制御を選択したときは、その都度、設定
    領域の初期値として、前記フロント装置が届かない位置
    の値を設定する初期設定手段とを更に備えることを特徴
    とする建設機械のフロント制御装置。
  10. 【請求項10】上下方向に回動可能な複数のフロント部
    材により構成される多関節型のフロント装置を予め設定
    された領域内で動くよう制御するフロント制御における
    領域設定方法において、 前記フロント装置を基準となる位置に移動し、その位置
    をダイレクトティーチにより記憶し、次いで数値入力に
    よりその位置を基準として深さを設定し、その結果得ら
    れた数値で前記フロント装置の動き得る領域を設定する
    ことを特徴とする領域設定方法。
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