JP3682352B2 - 建設機械のフロント制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多関節型のフロント装置を備えた建設機械、特にアーム,ブーム,バケット等のフロント部材からなるフロント装置を備えた油圧ショベル等の建設機械において、フロント装置の動き得る領域を制限した掘削を行う領域制限掘削制御等のフロント制御を行うフロント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の代表例として、油圧ショベルがある。油圧ショベルにおいては、フロント装置を構成するブーム,アームなどのフロント部材の操作は、オペレータが、それぞれの手動操作レバーを操作することによって行われる。これらフロント部材は、それぞれが関節部によって連結され、回動運動を行うものであるため、これらフロント部材を操作して所定の領域を掘削したり、所定の平面を掘削することは、非常に困難な作業である。
【0003】
そこで、掘削作業を容易にするための種々の提案がなされている。
例えば、特開平4−136324号公報に記載されている方法では、侵入不可領域の手前に減速領域を設定し、フロント装置の一部,例えば、バケットが減速領域に侵入すると、操作レバーの操作信号を小さくしてフロント装置を減速し、バケットが侵入不可領域の境界に達すると停止するようにしている。
【0004】
また、国際公開公報WO95/30059号公報に記載されている方法では、掘削可能領域を設定し、フロント装置の一部,例えば、バケットが掘削可能領域の境界に近づくと、バケットの当該境界に向かう方向の動きのみを減速し、バケットが掘削可能領域の境界に達すると、バケットは掘削可能領域の外には出ないが掘削可能領域の境界に沿っては動けるようにしている。
【0005】
侵入不可領域若しくは掘削可能領域の設定の方法としては、数値入力設定方法と、ダイレクトティーチ方法とが知られている。
数値入力設定方法は、例えば、特開平4−136324号公報の第10図に示されるように、数値入力キーを用いて必要な数値を入力し、領域を設定する方法である。数値入力設定方法は、油圧ショベルのある地面上から何mの深さだけ掘削するという指定がある場合等のように、予め掘削可能領域を実際の数値で設定できる場合に便利な方法である。
【0006】
一方、ダイレクトティーチ方法は、例えば、特開平4−136324号公報の第5図や国際公開公報WO95/30059号公報に示されるように、オペレータが、バケットの刃先を目標境界線上に持っていき、スイッチを押して領域を設定する方法である。ダイレクトティーチ方法は、掘削を行う範囲が特に図面等によって数字で規定されていないようなラフな掘削を行う作業現場において、おおざっぱに均し作業を行う場合等に便利な方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ダイレクトティーチによって領域を設定する場合、油圧ショベルが水平な地面上に位置し、その位置にとどまって作業するならば、一旦掘削領域を設定すれば再度掘削領域を設定しなくても少しずつ油圧ショベルを旋回させて一定の深さまでショベルまわりの掘削を行うことが可能である。しかし、多少なりとも油圧ショベルが傾いた状態で位置しているときは、掘削領域の設定は油圧ショベルの車体基準で行われているため、旋回していくうちに設定面が上下方向に変化し、一定の深さに掘削するためには、再度領域を設定する必要が生じる。また、走行することによって油圧ショベルの設置場所の高さが変わった場合も、同様にその度に掘削領域を再設定する必要が生じる。
【0008】
掘削領域の再設定は、設定済みの掘削領域を解除するボタン操作と、新たな掘削領域を設定するボタン操作の2回のボタン操作が必要であり、上記のように旋回の都度又は設置場所が変わる都度このようなボタン操作による再設定操作を行うことは極めて面倒である。
【0009】
本発明の目的は、ボタン操作なしでダイレクトティーチを行えるようにし、所望の掘削領域を簡単に設定できる建設機械のフロント制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、第1の発明は、上下方向に回動可能なブーム、アーム、バケットからなる複数のフロント部材により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータと、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動され、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に備えられ、前記フロント装置の各回転角に基づいてフロント装置の姿勢を演算するフロント姿勢演算部と、前記フロント姿勢演算部からのフロント姿勢演算値を制御して前記フロント装置が設定演算された掘削領域内を動くようにそのバケットの動きを制御する領域制限掘削制御部と、アームクラウドの動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域の設定開始を指示するアームクラウド設定スイッチと、前記アームクラウド設定スイッチが選択された状態において、前記操作レバー手段によるブーム操作後のアームクラウド操作時におけるバケットの先端位置を掘削可能領域の境界として設定するアームクラウド設定モードの領域設定演算部とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記アームクラウド設定モードの領域設定演算部は、前記操作レバーによるアームクラウドの操作信号が、予め設定した基準操作信号を超えた場合には、その時のバケット先端の位置を、ダイレクトティーチにおけるアームクラウド操作時の掘削可能領域の境界として設定し、前記操作レバーによるアームクラウドの操作信号が、予め設定した基準操作信号よりも小さくなった場合には、アームクラウド動作が停止したものと判断して、掘削領域の境界を予め設定した初期値に変更することを特徴とする
【0011】
更に、第3の発明は、上下方向に回動可能なブーム、アーム、バケットからなる複数のフロント部材により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータと、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動され、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に備えられ、前記フロント装置の各回転角に基づいてフロント装置の姿勢を演算するフロント姿勢演算部と、前記フロント姿勢演算部からのフロント姿勢演算値を制御して前記フロント装置が設定演算された掘削領域内を動くようにそのバケットの動きを制御する領域制限掘削制御部と、アームダンプの動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域の設定開始を指示するアームダンプ設定スイッチと、前記アームダンプ設定スイッチが選択された状態において、前記操作レバー手段によるブーム操作後のアームダンプ操作時におけるバケットの先端位置を掘削可能領域の境界として設定するアームダンプ設定モードの領域設定演算部とを備えたことを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、前記アームダンプ設定モードの領域設定演算部は、前記操作レバーによるアームダンプの操作信号が、予め設定した基準操作信号を超えた場合には、その時のバケット先端の位置を、アームダンプ可能領域の境界として設定し、前記操作レバーによるアームダンプの操作信号が、予め設定した基準操作信号よりも小さくなった場合には、アームダンプ動作が停止したものと判断して、掘削領域の境界を予め設定した初期値に変更することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を油圧ショベルに適用した場合の実施形態を、図面を用いて説明する。
まず、本発明の第1の実施形態による油圧ショベルのフロント制御装置を図1〜図12により説明する。
【0014】
図1において、本発明が適用される油圧ショベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2からの圧油により駆動されるブームシリンダ3a,アームシリンダ3b,バケットシリンダ3c,旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエータと、これら油圧アクチュエータ3a〜3fのそれぞれに対応して設けられた複数の操作レバー装置4a〜4fと、油圧アクチュエータ3a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁5a〜5fと、油圧ポンプ2と流量制御弁5a〜5fの間の圧力が設定値以上になった場合に開くリリーフ弁6とを有している。
【0015】
本実施形態では、操作レバー4a〜4fは操作信号として電気信号を出力する電気レバー装置であり、流量制御弁5a〜5fは電気信号をパイロット圧に変換する電気油圧変換手段,例えば比例電磁弁を両端に備えた電気・油圧操作方式の弁である。
【0016】
また、操作レバー装置4a〜4dについては、ブーム,アーム,バケット,旋回に対応して別々の符号を付したが、実際には、ブーム用操作レバー装置4aとバケット用操作レバー装置4c、アーム用操作レバー装置4bと旋回用操作レバー装置4dは、それぞれ、1つの操作レバー装置を共用する構成とされ、この1つの操作レバーを二次元的に動かすことにより、それぞれの操作信号を出力するものである。
【0017】
油圧ショベルは、図2に示すように、垂直方向にそれぞれ回動するブーム1a,アーム1b及びバケット1cから成る多関節型のフロント装置1Aと、上部旋回対1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a,アーム1b,バケット1c,上部旋回体1d及び下部走行体1eは、それぞれ、図1に示したブームシリンダ3a,アームシリンダ3b,バケットシリンダ3c,旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fによりそれぞれ駆動され、それらの動作は、図1に示した操作レバー装置4a〜4fにより指示される。また、上部旋回体1dには運転室1fが設けられ、操作レバー装置4a〜4fはこの運転室1f内に配置される。
【0018】
以上のような油圧ショベルに本実施形態によるフロント制御装置が設けられている。このフロント制御装置は、領域制限掘削制御の開始や、当該制御における掘削領域の設定を指示する設定器7と、ブーム1a,アーム1b及びバケット1cのそれぞれの回動支点に設けられ、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量としてそれぞれの回動角を検出する角度検出器8a,8b,8cと、ブーム操作レバー装置4aに備えられた力検出センサ10と、操作レバー装置4a〜4fからの操作信号S4a〜S4f、設定器7の信号、力検出センサ10の検出信号を入力し、流量制御弁5a〜5fに駆動信号(電気信号)を出力する制御ユニット9とを備えている。
【0019】
設定器7は、図3に示すように、領域制限掘削制御の開始を指示する制御開始スイッチ7aと、ダイレクトティーチによる掘削領域の設定を指示するダイレクト設定スイッチ7bと、数値入力による掘削領域の設定を指示する数値設定スイッチ7cと、アームクラウド動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域の設定を指示し、アームクラウド動作の停止により掘削領域の設定を解除するためのアームクラウド設定スイッチ7dと、表示画面7eとを備えている。
【0020】
制御開始スイッチ7aを押すと、通常モードから領域制限掘削制御モードへ切り換える制御開始信号が制御ユニット9に出力され、掘削領域の設定及び領域制限掘削制御を可能にする。また、スイッチ7aの右上のランプが点灯し、掘削制限制御モードにあることをオペレータに知らせる。
【0021】
ダイレクト設定スイッチ7bを押すと、ダイレクトティーチ設定信号が制御ユニット9に出力され、そのときのフロント装置1Aの所定の部位、例えば、バケット1cの先端位置で、掘削領域が設定される。また、スイッチ7bの右上のランプが点灯し、ダイレクトティーチによる設定モードにあることをオペレータに知らせる。
数値設定スイッチ7cを押すと、表示画面7e上に数値が表示され、かつ、スイッチ7cの右上のランプが点灯する。また、表示画面7eに表示された数値が数値入力設定信号として制御ユニット9に出力され、数値により掘削領域が設定される。数値設定スイッチ7cはアップとダウンの2つのボタンからなり、2つのボタンのいずれを押すことにより設定される数値を増減する。
【0022】
アームクラウド設定スイッチ7dを押すと、設定モード切換え信号が制御ユニット9に出力され、アームクラウド動作の開始により、そのときのフロント装置1Aの所定の部位,例えば、バケット1cの先端で、ダイレクトティーチによる掘削領域が設定される。また、スイッチ7dの右上のランプが点灯する。アームクラウド設定モードの詳細については、図6を用いて後述する。
【0023】
制御ユニット9は、設定器7の制御開始スイッチ7aが押されていないときは、操作レバー装置4a〜4fからの操作信号S4a〜S4fに応じた駆動信号(電気信号)を生成し、これを流量制御弁5a〜5fに出力し、設定器7の制御開始スイッチ7aが押されると、設定器7のダイレクト設定スイッチ7b,数値設定スイッチ7c又はアームクラウド設定スイッチ7dからの設定信号により、バケット1cの先端が動き得る掘削領域を設定可能とすると共に、操作レバー装置4a,4bからの操作信号S4a,S4bに対し領域制限掘削制御のための補正を行い、その補正した操作信号に応じた駆動信号を生成し、流量制御弁5a,5bに出力する。
【0024】
以下、図4〜図12を用いて、制御ユニット9の操作信号S4a,S4bに係わる部分の機能の詳細について説明する。
制御ユニット9は、図4に示すように、領域設定部90と領域制限掘削制御部92の各機能を有している。領域設定部90は、設定器7からの指示でバケット1cの先端が動き得る掘削制限領域の設定演算を行うものであり、通常設定モードの領域設定演算部90aと、アームクラウド設定モードの領域設定演算部90bと、設定モード切換え部90cの各機能から構成されている。領域制限掘削制御部92は、領域設定部90において設定演算された掘削領域内にバケット1cの先端の動きを制限するように、バケット1cの動きを制御するものである。領域制限掘削制御部92は、制御切換部92aと、フロント姿勢演算部92bと、減速・復元制御用補正操作信号演算部92cと、バルブ指令演算部92dとの各機能から構成されている。
【0025】
最初に、領域設定部90の通常設定モードの領域設定演算部90aの領域設定機能及び領域制限掘削制御部92のフロント姿勢演算部92bの姿勢演算機能について説明する。なお、本実施形態は、図5に示したX軸に平行に掘削制限領域を設定するものである。
領域設定部90の通常設定モードの領域設定演算部90aは、制御開始スイッチ7aがONして(押されて)制御開始信号が入力すると、掘削可能領域の境界Lの初期値として、バケットが届かないくらい深い位置の値を設定する。これにより、制御開始スイッチ7aをONした直後では、フロント装置1Aはそれが動作し得る範囲で自由に動くことができ、その動作範囲内でダイレクトティーチ若しくは数値入力設定により掘削可能領域を自由に設定することができる。一例として、初期値はY=−20mとしておく。
【0026】
一方、領域制限掘削制御部92の中のフロント姿勢演算部92bは、角度検出器8a〜8cで検出したブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角に基づいてフロント装置1Aのバケットの爪先(先端)の位置を計算する。
【0027】
すなわち、制御ユニット9の記憶装置には、図5に示すようなフロント装置1A及び車体1Bの各部寸法が記憶されており、フロント姿勢演算部92bではこれらのデータと、角度検出器8a,8b,8cで検出した回動角α,β,γの各値を用いてバケット先端の位置を計算する。このとき先端の位置は、例えばブーム1aの回動支点を原点としたXY座標系の座標値(X,Y)として求める。XY座標系は本体1Bに固定した垂直面内にある直行座標系である。ブーム1aの回動支点とアーム1bの回動支点との距離をL1、アーム1bの回動支点とバケット1cの回動支点の距離をL2、バケット1cの回動支点とバケット1cの先端との距離をL3とすれば、回動角α,β,γからXY座標系の座標値(X,Y)は、下記の式より求まる。
X=L1sinα+L2sin(α+β)+L3sin(α+β+γ)
Y=L1cosα+L2con(α+β)+L3cos(α+β+γ)
通常設定モードの領域設定演算部90aは、ダイレクト設定スイッチ7bからの指示で、ダイレクトティーチにより、フロント姿勢演算部92bの上記データを利用してバケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定を行う。即ち、図5において、オペレータの操作レバー装置の操作でバケット1cの先端を目的位置P1に動かした後、ダイレクト設定スイッチ7bを押す。通常設定モードの領域設定演算部90aは、このダイレクト設定スイッチ7bから設定信号により、その時のフロント姿勢演算部92bで計算されたバケット先端のY座標値の値Y=Y1を用いて、
設定値=Y座標値Y1
と掘削可能領域の境界Lを設定する。
【0028】
また、設定器7のダイレクト設定スイッチ7bをもう1度押すと上記のダイレクトティーチによる設定が解除され、初期値にリセットされる。
【0029】
一方、設定器7の数値設定スイッチ7cが押されると、通常設定モードの領域設定演算部90aは、数値設定スイッチ7cによって設定された数値入力により、バケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定を行う。
【0030】
次に、アームクラウド設定モードの領域設定演算部90bの領域設定機能について説明する。
【0031】
アームクラウド設定モードの領域設定演算部90bは、図3に示したアームクラウド設定スイッチ7dが押されてアームクラウド設定モードが選択されている場合に、図5に示すように、オペレータのブーム下げ操作でバケット1cの先端を点P1の位置に動かし、この状態でアーム用操作レバー装置4bを操作してアームクラウド動作をさせると、ダイレクトティーチにより、このアームクラウド動作をさせた時のバケット1cの先端の位置を掘削可能領域の境界として設定する。
【0032】
アームクラウド操作をすると、アームクラウドの操作信号S4cが上昇し、予め設定された基準操作信号S4coとなる。アームクラウド設定モードの領域設定演算部90bは、アームクラウドの操作信号S4cがS4coを越えたなら、そのときのバケット1cの先端位置P1を計算し、P1のz座標値を掘削制限領域とする。
【0033】
先端位置P1の計算方法は、図5を用いて説明したとおりであり、フロント姿勢演算部92bが、角度検出器8a〜8cで検出したブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角からフロント装置1Aの位置と姿勢を演算した結果を用いて、アームクラウド操作が行われた時のバケット1cの先端P1のY座標値の値Y=Y1を用いて、
設定値=Y座標値Y1
と掘削可能領域の境界Lを設定する。
【0034】
ここで、アームクラウド設定モードの領域設定演算部90bの演算処理機能について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0035】
ステップ010において、予め設定しておいた内部のカウンタを「0」に初期設定する。
【0036】
次にステップ020において、アームクラウドの操作信号S4cが予め設定しておいた基準操作信号S4coより大きいか否かを判断する。ここで、基準操作信号S4coは、アームクラウド操作信号S4cを徐々に上げていき、アーム1bがアームクラウド動作を始める直前の操作信号を設定する。操作信号S4cが予め設定しておいた基準操作信号S4coより大きい場合は、アームクラウド動作が行われたものと判断して、ステップ030において、カウンタを1つインクリメントする。操作信号S4cが予め設定しておいた基準操作信号S4coより小さくなった場合は、アームクラウド動作が停止したものと判断して、ステップ080において、掘削領域の境界の直線式をY=−20mとする。
【0037】
ステップ040において、カウンタが「1」か否かを判断する。アームクラウド動作を開始した時は、カウンタは「1」であるため、ステップ050において、前述したようにバケット1cの先端のY座標より掘削領域の設定を行う。即ち、アームクラウド動作を開始して、カウンタが「1」となった時に、その時のバケット1cの先端の位置P1を用いて、掘削領域を設定する。
【0038】
アームクラウド動作が継続している場合には、後述する処理によってカウンタは「2」となっており、ステップ060において、カウンタが「2」以上か判断する。アームクラウド動作を開始した時は、カウンタは「1」であるため、ステップ020に戻る。アームクラウド動作が継続している場合には、後述する処理によってカウンタは「2」となっており、ステップ070において、カウンタに「2」をセットする。
【0039】
ここで、アームクラウド動作が継続している場合について説明する。カウンタは「1」となっており、アームクラウド動作が継続している場合には、ステップ030に進み、カウンタを1つインクリメントして、「2」となり、ステップ040の判断処理により、ステップ060に進む。ステップ060において、カウンタは「2」であるため、ステップ070において、領域設定演算部90bは、カウンタに「2」をセットして、ステップ010に戻る。
【0040】
さらに、アームクラウド動作が継続している場合には、ステップ020からステップ030に進み、カウンタがインクリメントされて、「3」になる。そして、ステップ040からステップ060を経て、ステップ070において、カウンタが「2」にセットされる。即ち、カウンタは、アームクラウド動作の開始時は「1」であり、アームクラウド動作が継続している間は「2」に保持されている。
【0041】
そして、アームクラウド動作が停止すると、ステップ020において、アームクラウドの操作信号S4cが予め設定しておいた基準操作信号S4coより小さくなり、アームクラウド動作が停止したものと判断して、ステップ080に進む。
【0042】
ステップ080において、掘削領域の境界の直線式をY=−20mとし、初期値に戻した上で、ステップ010に戻る。ステップ080の処理によって、アームクラウド設定モードで設定された設定値が解除される。
【0043】
さらに、ステップ010において、カウンタを「0」に初期設定するため、次にアームクラウド動作に備えることになる。
【0044】
以上のようにして、ブーム下げ操作によりバケットを下げ、その後、アームクラウド動作を行うことにより、その時のバケット先端座標を用いてダイレクトティーチにより掘削領域を設定し、以後その設定値で領域制限掘削が行われる。そして、アームクラウド動作が止まれば、カウンタが「0」にリセットされるので、再びアームクラウド動作を行うことにより、掘削領域が再設定される。
【0045】
設定モード切換え部90cは、アームクラウド設定スイッチ7dの状態に応じて、通常モードの領域設定演算部90aとアームクラウド設定モードの領域設定演算部90bを切り換えることにより、設定モードを切り換える。
【0046】
次に、領域制限掘削制御部92の全体の制御機能について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。図中、ステップ100,110は、制御切換部92aの機能であり、ステップ115,120は、フロント姿勢演算部92bの機能であり、ステップ125〜150は、減速・復元制御用補正操作信号演算部92cの機能であり、ステップ155は、バルブ指令演算部92dの機能である。
【0047】
ステップ100において、操作レバー装置4a,4bの操作信号S4a,S4bを入力する。
【0048】
次いで、ステップ110において、制御開始スイッチ7aがONか否かに応じて制御方法を切り換える。制御開始スイッチ7aがOFFの場合には、ステップ155において、図4に示した操作レバー装置4a,4bからの操作信号に応じた駆動信号を生成し、流量制御弁5a,5bに出力する。これにより、操作レバー装置4a,4bの操作量に応じた通常の掘削作業が行こなわれる。
【0049】
制御開始スイッチ7aがONの場合には、ステップ110〜150に進み、操作レバー装置4a,4bからの操作信号S4a,S4bを補正する。
【0050】
以下、ステップ115〜150の処理内容について説明する。
ステップ115において、フロント姿勢演算部92bに、角度検出器8a〜8cで検出したブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角を入力する。
【0051】
ステップ120において、検出した回動角α,β,γと予め入力してあるフロント装置1Aの各部寸法とに基づき、フロント装置1Aの所定部位の位置、例えばバケット1cの先端位置を計算する。このときの計算は、上述した掘削領域の設定時におけるバケット先端位置の計算と同じであり、この場合も、バケット先端の位置はXY座標系の値として求める。
【0052】
次に、ステップ125において、フロント装置1A用の操作レバー装置,4bの操作信号S4a,S4bが指令するバケット1cの先端の目標速度ベクトルVcを計算する。ここで、操作レバー装置4a,4bの操作信号S4a,S4bと流量制御弁5a,5bの供給流量との関係及びフロント装置1Aの各部寸法を制御ユニット9の記憶装置に予め記憶しておき、操作レバー装置4a,4bの操作信号S4a,S4bから対応する流量制御弁5a,5bの供給流量を求め、この供給流量の値から油圧シリンダ3a,3bの目標駆動速度を求め、この目標駆動速度とフロント装置1Aの各部寸法を用いてバケット先端の目標速度ベクトルVcを演算する。そして、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に平行な方向のベクトル成分Vcxと垂直な方向のベクトル成分Vcyを求める。ここで、目標速度ベクトルVcのX座標成分Vcxは、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に平行な方向のベクトル成分となり、Y座標成分Vcyは目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に垂直な方向のベクトル成分となる。
【0053】
次に、ステップ130において、バケット1cの先端が上記のように設定した図8に示すような設定領域内の境界近傍の領域である減速領域にある場合にあるか否かを判定し、減速領域にある場合には、ステップ135に進みフロント装置1Aの減速を行うよう目標速度ベクトルVcを補正し、減速領域にない時には、ステップ140に進む。
【0054】
ここで、ステップ130における減速領域にあるか否かの判定及びステップ135における減速領域での目標速度ベクトルVcの補正について、図9及び図10を用いて説明する。
【0055】
制御ユニット9の記憶装置には、図8に示すような設定領域の境界とバケット1cの先端との距離D1と減速ベクトル計数hとの関係が記憶されている。この距離D1と計数hとの関係は、距離D1が距離Ya1よりも大きいときはh=0であり、D1がYa1よりも小さくなると、距離D1が減少するにしたがって減速ベクトル計数hが増大し、距離D1=0でh=1となるように設定されている。ここで、設定領域の境界から距離Ya1の範囲が減速領域に相当する。
【0056】
ステップ130では、ステップ120で得たバケット1cの先端位置と設定領域の境界との距離D1を計算し、このD1が距離Ya1より小さくなると、減速領域に侵入したと判定する。
【0057】
また、ステップ135では、ステップ125で計算したバケット1cの先端の目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に接近する方向のベクトル成分である設定領域の境界に対し、垂直方向のベクトル成分,すなわち、XY座標系におけるY座標の成分Vcyを減じるように目標速度ベクトルVcを補正する。具体的には、記憶装置に記憶した図9に示す関係からそのときの設定領域の境界とバケット1cの先端との距離D1に対応する減速ベクトル係数hを計算し、この減速ベクトル係数hを目標速度ベクトルVcのYa座標の成分(垂直方向のベクトル成分)Vcyに乗じ、更に−1を乗じて減速ベクトルVR(=−h・Vcy)を求め、VcyにVRを加算する。ここで、減速ベクトルVRはバケット1cの先端と設定領域の境界との距離D1がYa1より小さくなるにしたがって大きくなり、D1=0でVR=VcyとなるVcyの逆方向の速度ベクトルである。このため、減速ベクトルVRを目標速度ベクトルVcの垂直方向のベクトル成分Vcyに加算することにより、距離D1がYa1より小さくなるにしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyの減少量が大きくなるようベクトル成分Vcyが減じられ、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクトルVcaに補正される。
【0058】
ここで、図10を用いて、バケット1cの先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに減速制御されたときの軌跡の一例を説明する。目標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるときには、その平行成分Vcxは一定となり、垂直成分Vcyはバケット1cの先端が設定領域の境界に近づくにしたがって(距離D1がYa1より小さくなるにしたがって)小さくなる。補正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であるので、軌跡は図10に示すように設定領域の境界に近づくにつれて平行となる曲線状となる。また、D1=0でh=1,VR=−Vcyとなるので、設定領域の境界上での補正後の目標速度ベクトルVcaは平行成分Vcxに一致する。
【0059】
このようにステップ135における減速制御では、バケット1cの先端の設定領域の境界に接近する方向の動きが減速されることにより、結果としてバケット1cの先端の移動方向が設定領域の境界に沿った方向に変換され、この意味でステップ135の減速制御は方向変換制御ということもできる。
【0060】
次に、ステップ140において、バケット1cの先端が上記のように設定した図8に示すような設定領域外にある場合か否かを判定し、設定領域外にある場合には、ステップ145に進み、バケット1cの先端が設定領域に戻るように目標速度ベクトルVcを補正し、設定領域外にないときには、ステップ155に進む。
【0061】
ここで、ステップ140における設定領域外にあるか否かの判定及びステップ145における設定領域外での目標速度ベクトルVcの補正について、図11及び図12を用いて説明する。
【0062】
制御ユニット9の記憶装置には、図11に示すような設定領域の境界とバケット1cの先端との距離D2の絶対値と復元ベクトルARとの関係が記憶されている。この距離D2の絶対値と復元ベクトルARとの関係は、距離D2の絶対値が減少するにしたがって復元ベクトルARが増大するように設定されている。
【0063】
ステップ140においては、ステップ120で得たバケット1cの先端位置と設定領域の境界との距離D2を計算し、この距離が負の値になったら設定領域外に侵入したと判断する。
【0064】
また、ステップ145では、ステップ125で計算したバケット1cの先端の目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に対し垂直方向のベクトル成分,すなわち、XY座標系のY座標の成分Vcyが設定領域の境界に接近する方向の垂直成分に変わるよう目標速度ベクトルVcを補正する。具体的には、垂直方向のベクトル成分VcyをキャンセルするようにVcyの逆方向ベクトルAcyを加算して、平行成分Vcxを抽出する。この補正によってバケット1cの先端は設定領域外を更に進もうとする動作が阻止される。
【0065】
そして、次に、記憶装置に記憶した図11に示す関係からそのときの設定領域の境界とバケット1cの先端との距離D2の絶対値に相当する復元ベクトルARを計算し、この復元ベクトルARを目標速度ベクトルVc垂直方向のベクトル成分Vcyに更に加算する。ここで、復元ベクトルARは、バケット1cの先端と設定領域の境界との距離D2が小さくなるにしたがって小さくなる逆方向の速度ベクトルである。このため、復元ベクトルARを目標速度ベクトルVcの垂直方向のベクトル成分Vcyに加算することにより、距離D2が小さくなるにしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyが小さくなるよう、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクトルVcaに補正される。
【0066】
ここで、図12を用いて、バケット1cの先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに復元制御されたときの軌跡の一例について説明する。目標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるときには、その平行成分Vcxは一定となり、また復元ベクトルARは距離D2に比例するので、垂直成分はバケット1cの先端が設定領域の境界に近づくにしたがって(距離D2が小さくなるにしたがって)小さくなる。補正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であるので、軌跡は図12のように設定領域の境界に近づくにつれて平行となる曲線状となる。
【0067】
このように、ステップ145における復元制御では、バケット1cの先端が設定領域に戻るように制御されるため、設定領域外に復元領域が得られることになる。また、この復元制御でも、バケット1cの先端の設定領域の境界に接近する方向の動きが減速されることにより、結果としてバケット1cの先端の移動方向が設定領域の境界に沿った方向に変換され、この意味でこの復元制御も方向変換制御ということができる。
【0068】
次に、ステップ150において、ステップ135または145で得た補正後の目標速度ベクトルVcaに対応する流量制御弁5a〜5cの操作信号を計算する。これは、ステップ125における目標速度ベクトルVcの計算の逆演算である。
【0069】
そして、ステップ155において、ステップ150で計算した操作信号に応じた駆動信号を生成し、流量制御弁5a,5bを出力し、はじめに戻る。
【0070】
領域制限掘削制御を終了させる場合は、設定器7の制御開始スイッチ7aをもう一度押して、OFFにする。
【0071】
以上のようにして、本実施形態によれば、ブーム下げ操作によりバケットを下げ、その後、アームクラウド動作を行うことにより、その時のバケットの先端の座標からダイレクトティーチにより掘削領域を容易に設定することができる。また、アームクラウド動作の停止により、設定された掘削領域の設定を解除することができ、次に、アームクラウド動作が起こると、そのときのバケットの先端の座標から掘削領域を容易に再設定することができる。従って、従来のように、掘削領域の再設定のために、設定済みの領域を解除するボタン操作と、新たな領域を設定するボタン操作の2回のボタン操作を行う必要がなくなり、所望の掘削領域を簡単に設定できる。
【0072】
また、掘削制限領域を設定する手段としてアームクラウド動作に連動してダイレクトティーチ設定を行うように構成したため、目的の設定領域を迅速に設定することができる。
【0073】
さらに、バケット1cの先端が設定領域の境界から離れているときは、目標速度ベクトルVcは補正されず、通常作業と同じように作業できるとともに、バケット1cの先端が設定領域内でその境界近傍に近づくと、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に接近する方向のベクトル成分(境界に対して垂直方向のベクトル成分)を減じるように補正されるので、設定領域の境界に対して垂直方向の動きが減速制御され、設定領域の境界に沿った方向の速度成分は減じられ、このため図10に示すように設定領域の境界に沿ってバケット1cの先端を動かすことができる。このため、バケット1cの先端の動き得る領域を制限した掘削を効率良く行うことができる。
【0074】
次に、本発明の第2の実施形態について、図13及び図14を用いて説明する。
上述した実施形態においては、アームクラウド動作を検出してダイレクトティーチにより掘削領域の設定を行っているのに対して、本実施形態においては、アームダンプ動作を検出してダイレクトティーチにより掘削領域の設定を行うことも可能にしている。即ち、均し掘削を行う場合には、アームクラウドにより均し掘削を行う場合の他に、アームダンプにより均し掘削を行う場合もあるので、かかる場合にも、同様にして、ダイレクトティーチにより掘削領域の設定を行うようにしている。
【0075】
最初に、設定器7’について、図13を用いて説明する。設定器7’は、操作パネル上に設けられたスイッチ等の操作手段により設定信号を制御ユニット9に出力し、掘削制限領域の設定を指示するものである。操作パネル形式の設定器7’は、制御開始スイッチ7aと、ダイレクト設定スイッチ7bと、数値設定スイッチ7cとアームクラウド設定スイッチ7dと、表示画面7eを備えている。これらのスイッチ7a〜7d及び表示画面7eの機能は、図3において説明したものと同様である。
【0076】
さらに、本実施形態においては、アームダンプ動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域の設定を行い、アームダンプ動作の停止により掘削領域の設定の解除を行うためのアームダンプ設定スイッチ7fを備えている。
【0077】
アームダンプ設定スイッチ7fを押すと、設定モード切換え信号が制御ユニット9に出力され、アームダンプ動作の開始により、そのときのフロント装置1Aの所定の部位,例えば、バケット1cの先端で、ダイレクトティーチによる掘削領域が設定される。また、スイッチ7fの右上のランプが点灯する。アームダンプ設定モードの詳細については、図14を用いて後述する。
【0078】
本実施形態に用いるフロント制御装置及びその油圧駆動装置の構成は、図1に示したものと同様である。また、制御ユニット9の構成は、図4に示したものと同様であり、図4に示した各機能構成に加えて、さらに、アームダンプ設定モードの領域設定演算部を備えている。そして、図4に示した設定モード切換部90cには、図13に示したアームダンプ設定スイッチ7fからの設定モード切換え信号も入力し、通常設定モードの領域設定演算部90aと、アームクラウドモードの領域設定演算部90bと、アームダンプ設定モードの領域設定演算部とを切換使用するようになっている。
【0079】
ここで、アームダンプ設定モードの領域設定演算部の演算処理機能について、図14のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートにおいて、図6に示したフローチャートと特に異なるのは、ステップ220である。
【0080】
ステップ210において、予め設定しておいた内部のカウンタを「0」に初期設定する。
【0081】
次にステップ220において、アームダンプの操作信号S4dが予め設定しておいた基準操作信号S4doより大きいか否かを判断する。ここで、基準操作信号S4doは、アームダンプ操作信号S4dを徐々に上げていき、アーム1bがアームダンプ動作を始める直前の操作信号を設定する。操作信号S4dが予め設定しておいた基準操作信号S4doより大きい場合は、アームダンプ動作が行われたものと判断して、ステップ230に進み、操作信号S4dが予め設定しておいた基準操作信号S4doより小さくなった場合は、アームダンプ動作が停止したものと判断して、ステップ280に進む。
【0082】
ステップ230において、カウンタを1つインクリメントする。
【0083】
ステップ240において、カウンタが「1」か否かを判断する。アームダンプ動作を開始した時は、カウンタは「1」であるため、ステップ250において、前述したようにバケット1cの先端のY座標より掘削領域の設定を行う。即ち、アームダンプ動作を開始して、カウンタが「1」となった時に、その時のバケット1cの先端の位置P1を用いて、掘削領域を設定する。
【0084】
アームダンプ動作が継続している場合には、後述する処理によってカウンタは「2」となっており、ステップ260において、カウンタが「2」以上か判断する。アームダンプ動作を開始した時は、カウンタは「1」であるため、ステップ220に戻り、アームダンプ動作が継続している場合には、後述する処理によってカウンタは「2」となっており、ステップ270に進む。
【0085】
そして、アームダンプ動作が停止すると、ステップ220において、アームダンプ設定モードの領域設定演算部は、アームダンプの操作信号S4dが予め設定しておいた基準操作信号S4doより小さくなり、アームダンプ動作が停止したものと判断する。
【0086】
そして、ステップ280において、掘削領域の境界の直線式をY=−20mとし、初期値に戻した上で、ステップ210に戻る。ステップ280の処理によって、アームダンプ設定モードで設定された設定値が解除される。
【0087】
さらに、ステップ210において、カウンタを「0」に初期設定するため、次にアームダンプ動作に備えることになる。
【0088】
以上のようにして、アームダンプ動作を行うことにより、その時のバケットの先端の座標からダイレクトティーチにより掘削領域を設定し、以後その設定値で領域制限掘削が行われる。そして、アームダンプ動作が止まれば、カウンタが「0」にリセットされるので、再びアームダンプ動作を行うことにより、掘削領域が再設定される。
【0089】
設定モード切換え部90cは、アームダンプ設定スイッチ7fの状態に応じて、通常モードの領域設定演算部90aと、アームクラウド設定モードの領域設定演算部90bと、アームダンプ設定モードの領域設定演算部を切り換えることにより、設定モードを切り換えることができる。
【0090】
以上説明したように、本実施形態においても、アームクラウド動作若しくはアームダンプ動作によって、簡単に掘削領域の設定を行うことができるものである。
【0091】
また、掘削制限領域を設定する手段としてアームクラウド動作若しくはアームダンプ動作に連動してダイレクトティーチを行うように構成したため、目的の掘削の領域を迅速に設定することができる。
【0092】
なお、本発明にかかるフロント制御装置は、上述の各実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。一例として、本実施形態では操作レバーは電気レバーとしたが、油圧パイロットレバーでもよい。また、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量を検出する手段として回動角を検出する角度計を用いたが、シリンダのストロークを検出してもよい。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、建設機械のフロント制御装置におけるダイレクトティーチによる掘削領域の設定をボタン操作なしで行え、所望の掘削領域を簡単に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態による建設機械のフロント制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観の形状を示す図である。
【図3】本実施形態における掘削制限領域の設定を指示する操作パネル形式の設定器を示す図である。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図である。
【図5】本実施形態の領域制限掘削制御で用いる座標系と掘削領域の設定方法を示す図である。
【図6】アームクラウド操作によって掘削領域を設定する演算内容を説明するフローチャートである。
【図7】制御ユニットにおける制御手順を示すフローチャートである。
【図8】バケット先端が設定領域内にある場合と、設定領域の境界上にある場合と、設定領域外にある場合のブームによるバケット先端速度の補正動作の違いを示す図である。
【図9】バケットの先端と設定領域の境界との距離と減速ベクトルとの関係を示す図である。
【図10】バケット先端が設定領域内にあるときの補正動作軌跡の一例を示す図である。
【図11】バケットの先端と設定領域の境界との距離と復元ベクトルとの関係を示す図である。
【図12】バケットの先端が設定領域外にあるときの補正動作軌跡の一例を示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態における掘削制限領域の設定を指示する操作パネル形式の設定器を示す図である。
【図14】アームダンプ操作によって掘削領域を設定する演算内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1A フロント装置
1B 車体
1a ブーム
1b アーム
1c バケット
2 油圧ポンプ
3a〜3f 油圧アクチュエータ
4a〜4f 操作レバー装置
5a〜5f 流量制御弁
6 リリーフ弁
7 設定器
7a 制御開始スイッチ
7b ダイレクト設定スイッチ
7c 数値設定スイッチ
7d アームクラウド設定スイッチ
7e 表示画面
7f アームダンプ設定スイッチ
8a,8b,8c 角度検出器
9 制御ユニット
90 領域設定部
90a 通常モードの領域設定演算部
90b アームクラウド設定モードの領域設定演算部
90c 設定モード切換え部
92 領域制限掘削制御部
92a 制御切換部
92b フロント姿勢演算部
92c 減速・復元制御用補正操作信号演算部
92d バルブ指令演算部

Claims (4)

  1. 上下方向に回動可能なブーム、アーム、バケットからなる複数のフロント部材により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータと、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動され、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に備えられ、前記フロント装置の各回転角に基づいてフロント装置の姿勢を演算するフロント姿勢演算部と、前記フロント姿勢演算部からのフロント姿勢演算値を制御して前記フロント装置が設定演算された掘削領域内を動くようにそのバケットの動きを制御する領域制限掘削制御部と、アームクラウドの動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域の設定開始を指示するアームクラウド設定スイッチと、前記アームクラウド設定スイッチが選択された状態において、前記操作レバー手段によるブーム操作後のアームクラウド操作時におけるバケットの先端位置を掘削可能領域の境界として設定するアームクラウド設定モードの領域設定演算部とを備えたことを特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  2. 前記アームクラウド設定モードの領域設定演算部は、前記操作レバーによるアームクラウドの操作信号が、予め設定した基準操作信号を超えた場合には、その時のバケット先端の位置を、ダイレクトティーチにおけるアームクラウド操作時の掘削可能領域の境界として設定し、前記操作レバーによるアームクラウドの操作信号が、予め設定した基準操作信号よりも小さくなった場合には、アームクラウド動作が停止したものと判断して、掘削領域の境界を予め設定した初期値に変更することを特徴とする請求項1記載の建設機械のフロント制御装置。
  3. 上下方向に回動可能なブーム、アーム、バケットからなる複数のフロント部材により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータと、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動され、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に備えられ、前記フロント装置の各回転角に基づいてフロント装置の姿勢を演算するフロント姿勢演算部と、前記フロント姿勢演算部からのフロント姿勢演算値を制御して前記フロント装置が設定演算された掘削領域内を動くようにそのバケットの動きを制御する領域制限掘削制御部と、アームダンプの動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域の設定開始を指示するアームダンプ設定スイッチと、前記アームダンプ設定スイッチが選択された状態において、前記操作レバー手段によるブーム操作後のアームダンプ操作時におけるバケットの先端位置を掘削可能領域の境界として設定するアームダンプ設定モードの領域設定演算部とを備えたことを特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  4. 前記アームダンプ設定モードの領域設定演算部は、前記操作レバーによるアームダンプの操作信号が、予め設定した基準操作信号を超えた場合には、その時のバケット先端の位置を、アームダンプ可能領域の境界として設定し、前記操作レバーによるアームダンプの操作信号が、予め設定した基準操作信号よりも小さくなった場合には、アームダンプ動作が停止したものと判断して、掘削領域の境界を予め設定した初期値に変更することを特徴とする請求項記載の建設機械のフロント制御装置。
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