JPH1049642A - 赤外線識別情報媒体、この媒体形成用のインクリボン、この媒体の製造方法、及びこの媒体を用いた印刷物 - Google Patents

赤外線識別情報媒体、この媒体形成用のインクリボン、この媒体の製造方法、及びこの媒体を用いた印刷物

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JPH1049642A
JPH1049642A JP8200241A JP20024196A JPH1049642A JP H1049642 A JPH1049642 A JP H1049642A JP 8200241 A JP8200241 A JP 8200241A JP 20024196 A JP20024196 A JP 20024196A JP H1049642 A JPH1049642 A JP H1049642A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線により識別可能なパターン層を有す
る情報媒体、この媒体の作製に有用なインクリボン、及
びこのインクリボンを用いた前記赤外線識別情報媒体の
製造方法の提供。 【解決手段】 基材、赤外線吸収層および赤外線反射パ
ターン層から少なくとも構成される赤外線識別情報媒体
であって、前記赤外線反射パターン層が450〜500
nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有す
る赤外線識別情報媒体。赤外線反射パターン層が、波長
975nmにおける赤外線吸収層の反射率(R1)に対
する赤外線吸収層の反射率(R1)と赤外線反射パター
ン層の反射率(R2)の差(R1−R2)の百分率
〔((R1−R2)/R1)×100〕が30%以上と
なるような量の赤外線反射性粒子を含有する上記情報媒
体。この媒体にさらに赤外線透過性の印刷層を有する赤
外線識別情報を有する印刷物。基材フィルム上に赤外線
反射性インク層を有するインクリボン。このインクリボ
ンを用いた赤外線識別情報媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉眼で視認するこ
とは実質的にできないが、赤外線を吸収することによ
り、光学的に識別可能なコードパターン等の不可視パタ
ーンを有する赤外線識別情報媒体、この情報媒体作製用
のインクリボン、このインクリボンを用いた前記情報媒
体の製造方法、及び前記情報媒体を用いた印刷物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学読み取りを利用したコードパ
ターンとしてのバーコードが、主として物流管理システ
ムのために広く利用されている。例えば、POS(販売
時点管理)システム用のJANコードや配送伝票、荷分
け伝票、納品用のバーコードタグなどの光学的データキ
ャリアとして、バーコードは広く用いられている。
【0003】これら従来のバーコードの光学読み取り用
の光源光として650nm、800nm又は950nm
付近に発光波長を持つ半導体レーザー又は発光ダイオー
ドが主として用いられている。そのため、光源光の波長
域が制約されるために、バーコードは、可視光領域に吸
収帯のあるカーボンブラックを用いたインキ、又はシア
ン・グリーン系統の赤色/赤外波長域に吸収特性を持つ
インキにより印刷、又はプリントされている。
【0004】又、バーコードの印刷の方式は、活版、オ
フセット、フレキソ、グラビア又はシルク印刷等で、主
として、ソース・マーキングと呼ばれる大量印刷に適用
される。バーコードのプリントの方式は、ドットインパ
クト、熱転写、ダイレクトサーマル、電子写真、インク
ジェットプリント等で、主として、インストア・マーキ
ングと呼ばれる個別印刷、或いは、小ロットの情報コー
ドラベルの製造に適用されている。
【0005】しかし、こうした可視の情報コードはデザ
イン上の制約を印刷物にもたらすとしてこれを排除する
要求が強い。そこで、可視光領域に吸収帯を持たないイ
ンキを印刷又はプリントすることにより情報コードを透
明化し、目視での判定を困難にしようとする試みがなさ
れている。
【0006】こうした透明化の試みの1つとして、可視
光線領域外の赤外線を主に吸収するインキを用いて、赤
外線パターンを形成することが知られている〔例えば特
開昭60−260674、特開昭61−86752号、
特開昭63−116286号、特開平3−154187
号、特開平3−227378号、特開平3−27538
9号、特開平4−70349号、特開平5−93160
号、特開平6−297889号参照〕。
【0007】赤外線領域に吸収域をもつ色素として従来
用いられているものは、例えば、シアニン色素、フタロ
シアニン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン
系色素、ジルオール系色素、トリフェニルメタン系色素
などがある。また、赤外線吸収顔料としてシアンフィル
ターガラスを用いるものもある。しかし、可視光線域に
やや吸収を有するので完全な透明化という点では必ずし
も満足できるものではない。それに対して、本発明者
は、先に、赤外領域にのみ吸収を持ち、可視光領域には
吸収性がない新たな素材としてYbPO4 (リン酸イッ
テルビウム)を提案した〔特開平7−53946号〕。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記YbP
4 を含む赤外線パターンを形成する場合、インキ顔料
として微細なYbPO4 粒子が必要である。これは、顔
料のインキへの馴染みを良くするためやインキによる印
刷層の厚みが薄いことによる。ところが、上記出願に記
載の方法で得られるYbPO4 の粒子径は数十μmであ
り、これを粉砕しても平均粒子径は約1μmである。ま
た、それ以上の粒子径になるように粉砕することは事実
上困難であった。さらに、YbPO4 は粉砕することに
より、近赤外領域での吸収特性が大幅に低下するという
問題もあった。また、上記YbPO4 粒子は、インキ中
に分散させたときに強く凝集して、分散不良を起こし易
く、YbPO4 粒子の分散状態が悪いインキを用いて形
成した印刷層は、近赤外領域での吸収特性が悪いという
問題もあった。さらに、赤外線吸収層でパターンを形成
する場合、赤外線吸収層は一定の厚みを要するため、パ
ターンとして形成される凸部の高さが高く、バーコード
リーダーとの接触により摩耗しやすいという欠点があっ
た。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、赤外線吸
収材料の粒子径等に左右されることなく、十分な赤外線
吸収特性を有し、しかも耐摩耗性に優れた、赤外線吸収
コードパターン等の赤外線により識別可能なパターン層
を有する情報媒体を提供することにある。
【0010】さらに本発明の第2の目的は、上記赤外線
識別情報媒体の作製に有用なインクリボンを提供するこ
とにある。
【0011】加えて本発明の第3の目的は、上記インク
リボンを用いた前記本発明の赤外線識別情報媒体の製造
方法を提供することにある。
【0012】また本発明の第4の目的は、上記本発明の
赤外線識別情報媒体にさらに印刷層を有する印刷物とそ
の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
基材、赤外線吸収層および赤外線反射パターン層から少
なくとも構成されることを特徴とする赤外線識別情報媒
体であって、前記赤外線反射パターン層が450〜50
0nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有
することを特徴とする赤外線識別情報媒体に関する。好
ましくは、上記赤外線反射パターン層が、波長975n
mにおける赤外線吸収層の反射率(R1)に対する赤外
線吸収層の反射率(R1)と赤外線反射パターン層の反
射率(R2)の差(R1−R2)の百分率〔((R1−
R2)/R1)×100〕が30%以上となるような量
の赤外線反射性粒子を含有する。
【0014】本発明の第2の態様は、基材フィルム上に
赤外線反射性インク層を有し、この層が450〜500
nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有す
ることを特徴とするインクリボンに関する。好ましく
は、上記赤外線反射性インク層が、このインク層の転写
により形成される赤外線反射パターン層の波長975n
mにおける反射率(R2)とこのパターン層と積層され
る赤外線吸収層の波長975nmにおける反射率(R
1)との差(R1−R2)の、赤外線吸収層の反射率
(R1)に対する差百分率〔((R1−R2)/R1)
×100〕が30%以上となるような量の赤外線反射性
粒子を含有する。
【0015】本発明の第3の態様は、上記本発明のイン
クリボンを用いた本発明の赤外線識別媒体の製造方法に
関する。さらに本発明の第4の態様は、上記本発明の赤
外線識別情報媒体にさらに赤外線透過性の印刷層を有す
る印刷物とのその製造方法に関する。以下本発明につい
て説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】赤外線識別情報媒体 従来の赤外線吸収パターン層を有する情報媒体をポジ型
とすると、本発明の赤外線識別情報媒体は、赤外線吸収
層はベタ塗り層であり、赤外線反射層がパターン層であ
ることから、ネガ型とも言えるものである。そして、赤
外線吸収材料を含む赤外線吸収層がベタ塗り層であるこ
とから、赤外線吸収材料の粒子径や含有量に、パターン
層を形成する場合より制約が少なく、より高い赤外線吸
収性を有するものとすることができる。
【0017】本発明の赤外線識別情報媒体は、基材、赤
外線吸収層及び赤外線反射パターン層から少なくとも構
成される。尚、赤外線吸収層はベタ塗り層とし、赤外線
反射層をパターン層とする。より具体的には、例えば図
1に示すように、基材2上に赤外線吸収層3および赤外
線反射パターン層4をこの順に有する赤外線識別情報媒
体1を挙げることができる。さらに、図2に示すよう
に、基材2が赤外線透過性であり、この基材2の一方の
側に赤外線吸収層3を有し、他方の側に赤外線反射パタ
ーン層4を有する赤外線識別情報媒体1を挙げることが
できる。さらに、図3に示すように、基材2が赤外線透
過性であり、この基材2の上に赤外線反射パターン層4
及び赤外線吸収層3をこの順に有する赤外線識別情報媒
体1を挙げることができる。尚、図2及び3に示す態様
においては、図示していないが、赤外線吸収層3の上に
反射性の層を設けることで、赤外線吸収層3に対する赤
外線吸収性を改善することができる。また、図1の態様
においては、基材2が反射性に優れたものであることで
赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善することが
できる。
【0018】さらに、基材と各層との間及び各層の間に
は、所望により中間層を設けたり、あるいは最上層とな
る赤外線吸収層や赤外線反射パターン層の上に、保護層
を設けることもできる。本発明の赤外線識別情報媒体に
おいて、基材は、例えば、合成樹脂製シート、紙、合成
紙、又はこれらを組み合わせたものであり得る。基材
は、例えば、白色、半透明又は透明であることができ
る。但し、赤外線吸収層と赤外線反射パターン層との間
に基材がある態様においては、赤外線透過性の基材を用
いる。赤外線透過性の基材としては、合成樹脂製シート
を挙げることができる。
【0019】赤外線吸収層は、例えば、赤外線領域に吸
収域を有する赤外線吸収材料とこれを分散させるバイン
ダー樹脂を含む層であることができる。赤外線吸収層
は、形成する材質により、透明、半透明又は不透明、例
えば、白色であることができる。上記赤外線吸収層を形
成するための赤外線吸収材料としては、例えば、下記の
イッテルビウム化合物が挙げられる:イッテルビウムと
酸との塩、例えば、イッテルビウムと硫酸、硝酸、過塩
素酸、炭酸等の無機酸及び酢酸、ニコチン酸等の有機酸
との塩;YbPO4 粒子(但し、より高い赤外線吸収性
を有するという観点から、結晶性が高く、粒径0.00
5〜0.5μmのYbPO4 粒子であることが適当であ
る);並びに酸化イッテルビウム(Yb2 3 )粒子
等。
【0020】上記のイッテルビウムと酸との塩は、例え
ば下記の方法により製造され得る。酸化イッテルビウム
(Yb2 3 )微粉末を酸水溶液に混合し、必要により
加熱して酸化イッテルビウムを溶解し、酸塩の水溶液を
作製する。そして、不溶解分があれば、濾過等により除
去した後に、水溶液を冷却するか、あるいはアルコール
を混合し、極性を下げたりして酸塩の溶解度を下げるこ
とにより、再結晶して酸塩の微粒子を得る。或いは、酸
塩の水溶液の溶媒成分を蒸発乾固することにより、目的
物であるイッテルビウム酸塩を得ることができる。得ら
れる塩は、常法により乾燥することができる。尚、冷却
の速度や還流条件を制御することにより、粒子径を調整
することができる。また、得られた塩の粒子は、粉砕等
を施すことにより、粒子径を調整することもできる。粉
砕としては、粉砕時に容器等を冷却する方法、不活性ガ
ス中での粉砕やキシレントルエン等の有機溶剤中での粉
砕等を挙げることができる。
【0021】YbPO4 粒子は、種々の方法で製造でき
るが、赤外線吸収性が高いという観点から、結晶性が高
く、粒径0.5μm以下のYbPO4 粒子であることが
適当である。YbPO4 粒子は、例えば、イッテルビウ
ムアルコキシドとリン酸アルコキシドとを加水分解して
YbPO4 粒子を生成させ、所望によりカップリング剤
で表面処理することにより製造され得る。結晶性を高め
るために、上記表面処理の前にYbPO4 粒子を加熱処
理し、次いで湿式粉砕することもできる。また、公知の
YbPO4 粒子やYbPO4 粒子を公知の再結晶法等に
より粒径約1〜10μmの範囲としたYbPO4 粒子等
を加熱処理し湿式粉砕したものも用いることができる。
加熱処理の条件は、処理されたYbPO4 粒子の赤外線
吸収性の改善の程度により適宜決定することができ、例
えば、700℃〜1000℃の温度、好ましくは800
〜900℃の温度で行うことが適当である。また熱処理
時間は、赤外線吸収性の改善に十分な時間とすることが
でき、例えば、1〜6時間程度である。熱処理の雰囲気
は、例えば空気中、常圧で行うことが適当である。ま
た、湿式粉砕は、界面活性剤の存在下、有機溶剤中で行
い、次いで粉砕した粒子をカップリング剤で表面処理す
ることが好ましい。
【0022】YbPO4 粒子の結晶性が高いとは、X線
回折計を用いて測定される回折X線スペクトルにおい
て、回折ピークがアモルファスのようにブロードになら
ず、スペクトルが読み取れる程度の結晶性の意味であ
る。より具体的には、YbPO4の回折X線スペクトル
の主ピークである2θが約26のピークがバックグラウ
ンドのノイズ幅の10倍以上の場合をいう。
【0023】カップリング剤は、YbPO4 粒子及びイ
ンキビヒクルとなる樹脂と結合するものであれば特に限
定はない。例えば、シラン化合物、チタン化合物、ジル
コニウム化合物、アルミニウム化合物、金属キレート化
合物などを挙げることができる。特に、化学的特性が安
定(溶剤に対して強い耐性がある)であり、物理強度も
強く、さらにインキビヒクルとの接着性の良い官能基が
種々付加されており、選択の度合いが大きいという観点
からは、シランカップリング剤であることが好ましい。
【0024】シランカップリング剤としては以下のもの
を例示することができる:テトラメトキシシラン(TM
OS)、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N
−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサ
メチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメ
チル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニ
ウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルクロロシラン。
【0025】YbPO4 粒子に対するカップリング剤の
量は、YbPO4 粒子の粒子径やカップリング剤の種類
により適宜決定出来るが、例えば一般にはYbPO4
子100重量部に対してカップリング剤0.1〜10重
量部の範囲であることが適当である。上記の酸化イッテ
ルビウム(Yb2 3 )粒子としては、平均粒子径が2
μm以下のものが好ましく、1μm以下のものがさらに
好ましい。
【0026】赤外線吸収層のバインダー樹脂としては、
例えば下記のものが挙げられる:蛋白質、ゴム、セルロ
ース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等などの
天然樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール
樹脂等の熱可塑性樹脂、レゾール型フェノール樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂。
【0027】赤外線吸収層の厚さおよび赤外線吸収材料
の濃度は、赤外線反射パターン層との間に読み取りに十
分なコントラストを形成できる程度の強度の赤外線吸収
性を有するという観点から適宜決められる。また赤外線
吸収材料の濃度は、赤外線吸収層を形成する際の塗布性
等も考慮して決定される。通常は、赤外線吸収材料の濃
度は、例えば、40〜80重量%の範囲であり、高い遮
蔽性を得るという観点から好ましくは60〜80重量%
の範囲である。また、赤外線吸収層の厚さは、例えば
0.5〜30μmの範囲、好ましくは5〜20μmの範
囲である。
【0028】赤外線吸収層は、層の構成成分を溶解した
溶液又は分散液に、必要に応じてスペーサー粒子等を分
散せしめ、これを基材に塗布し、乾燥することにより形
成し得る。また、層の構成成分を含むインキを用い、グ
ラビア印刷等の印刷手段により層を形成することもでき
る。この場合、インキは、通常印刷インキに用いられる
溶剤、添加剤等を用いて、この分野で周知の方法により
製造される。
【0029】本発明の赤外線識別情報媒体において、赤
外線反射パターン層は、450〜500nmの範囲の粒
子径を有する赤外線反射性粒子を含有する層である。4
50〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性
粒子を含有することで、900〜1000nmの波長範
囲の赤外線を良好に反射する。さらに本発明の赤外線反
射パターン層は、情報をパターンとして保持する層でも
ある。赤外線識別情報媒体において、赤外線反射パター
ン層により形成されたパターンの読み取り精度を高める
という観点から、赤外線反射パターン層と赤外線吸収層
との赤外線の反射吸収のコントラストを強くすることが
好ましい。このような観点から、赤外線反射パターン層
が、波長975nmにおける赤外線吸収層の反射率(R
1)に対する赤外線吸収層の反射率(R1)と赤外線反
射パターン層の反射率(R2)の差(R1−R2)の百
分率〔((R1−R2)/R1)×100〕が約30%
以上、好ましくは約50%以上となるような量の赤外線
反射性粒子を含有することが適当である。尚、コントラ
ストが強い程、読み取り精度は高くなるので、赤外線吸
収層の性能や読み取りに使用する機器の性能等を考慮し
て上記赤外線反射性粒子の含有量は適宜調整できる。さ
らに、上記〔((R1−R2)/R1)×100〕は、
赤外線反射パターン層中の450〜500nmの範囲の
粒子径を有する赤外線反射性粒子の含有量が多いほど大
きくなるので、450〜500nmの範囲にシャープな
粒子径分布を有する粒子を用いることが好ましい。
【0030】赤外線反射パターン層は、上記の赤外線反
射性粒子を含む層であり、例えば、赤外線反射性粒子と
これを分散させるバインダー樹脂を含む層であることが
できる。赤外線反射性粒子の例としては、白色顔料、例
えば酸化チタン、炭酸マグネシウムまたは硫酸バリウム
等の粒子を挙げることができる。上記赤外線反射性粒子
の1種又は2種以上を赤外線反射性層に含有させること
もできる。赤外線反射性層のバインダー樹脂は、成膜
性、透明性等を考慮して適宜選択される。例えば、上記
で赤外線吸収層のバインダー樹脂として挙げたものを使
用することができる。
【0031】赤外線反射性層の厚みや赤外線反射性粒子
の濃度は、赤外線反射性層に要求される赤外線反射特性
に応じて適宜決定できる。但し、赤外線反射層の厚み
は、吸収層等のコントラスト比の向上等を考慮して3〜
10μmの範囲である。また理論上、赤外線反射パター
ン層の厚みが10μmである場合、450〜500nm
の範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子の含有率が4
0重量%以上であれば、900〜1000nmの範囲の
赤外線は全量反射される。従って、粒子中に含まれる4
50〜500nmの範囲の赤外線反射性粒子の含有率
(粒度分布)と、必要とされる赤外線反射(赤外線吸収
層とのコントラスト)とを観点を考慮して、赤外線反射
性粒子の濃度は、適宜決定される。尚、粒子中の赤外線
反射性粒子の含有率が20〜40重量%の範囲である粒
子の場合、10μmの厚みを持つ赤外線反射性パターン
層中の顔料濃度は、好ましくは20〜40%の範囲であ
ることが適当である。
【0032】上記の赤外線反射パターン層は、熱転写印
刷やオフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷等のパ
ターン印刷により形成することができる。また、赤外線
反射パターン層は、後述のようにインクリボンを用いて
熱転写印刷することにより形成することもできる。
【0033】赤外線反射パターン層により形成されるパ
ターンの、肉眼による判読を困難にするために、好まし
くは、パターン層の上面の色と背景の色が実質的に同一
となるように、基材、赤外線吸収層及び赤外線反射パタ
ーン層の材料を選択することが好ましい。例えば、図1
に示す態様においては、基材2を白色とし、赤外線吸収
層3を実質的に透明とするか、基材2の色は問わず、赤
外線吸収層3を白色とし、かつ赤外線反射パターン層を
白色、半透明色または透明色とすることで、パターン層
を不可視化することができる。また、基材が有色である
場合、又は基材に図柄等が印刷されており、赤外線吸収
層が実質的に透明である場合は、後述のように、基材等
の色や図柄に合わせた色の印刷層を設けた印刷物とする
ことが好ましい。この場合、印刷層は赤外線透過性のイ
ンキにより形成する。この点については、後述の本発明
の印刷物の説明においてさらに詳説する。また、赤外線
反射パターン層が赤外線遮断性層のみからなる場合、そ
の隠蔽のために、赤外線遮断性層の隠蔽が可能で、かつ
赤外線の透過に支障のない程度の酸化チタン粒子等の白
色顔料を含有する層をベタ塗り層として設けることもで
きる。
【0034】本発明の赤外線識別情報媒体において、パ
ターンにより表される情報は、バーコードの他、文字、
図形等、いかなる情報であっても良い。また、バーコー
ド、文字、図形等の情報は、赤外線反射パターン層のパ
ターン自体により形成されてもよいが、該パターン自体
はバーコード等のスペース部分又は背景を構成し、バー
コード等は赤外線吸収層が露呈している部分により構成
されるようにしても良い。また、本発明の赤外線識別情
報媒体において、赤外線吸収層及び赤外線反射パターン
層は基材の一部に形成されても、全面に形成されても良
い。
【0035】本発明の赤外線識別情報媒体においては、
上記赤外線反射層と赤外線吸収層により、バーコード等
のパターンが形成されるため、赤外線を照射すると赤外
光の吸収/反射の反射光の濃淡が生じ、この濃淡を読み
取ることにより、バーコード等の情報を読み取ることが
できる。また、このパターンは、パターン部の上面の色
と背景部の上面の色が実質的に同一となるように、基
材、赤外線吸収層及び赤外線反射層の材料を選択した場
合には、肉眼で判読することが困難である。
【0036】インクリボン 本発明のインクリボンは、例えば、図4に示すように、
基材フィルム5上に赤外線反射性インク層6を有するも
のである。インクリボンの基材としては、通常熱転写用
インクリボンの基材として使用される樹脂フィルム、例
えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリイミドフィルム等を使用し得る。さらにこれらの基
材は、インクリボンとした際にサーマルヘッドに接する
側の面に耐熱処理を施したものであることが好ましい。
赤外線反射性インク層は、上記赤外線識別情報媒体にお
いて赤外線反射性粒子として説明した粒子とビヒクルを
含むインキを基材に塗布し、乾燥することにより形成さ
れるものであることができる。赤外線反射性インク層の
膜厚等は、熱転写により形成される赤外線反射パターン
層に要求される光学的性質を考慮して適宜決定できる。
【0037】インクに含まれるビヒクルは、例えば、合
成樹脂、ワックス、及び必要に応じて溶剤を含み得る。
合成樹脂は、サーマルヘッドの電圧、融点などを考慮し
た上で適当なものを単独又は混合して用いる。具体例と
しては、下記のものが挙げられる:ポリエチレン、ポリ
スチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、石油樹脂、
塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデ
ン樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、フッ素樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブ
チラール、アセチルセルロースプラスチック、ニトロセ
ルロース、ポリアセタール。ワックスは、例えば下記の
ものであり得る:ミツロウ、触ロウ、イボタロウ、羊毛
ロウ、セラックワックス、カルナバワックス、モンタン
ワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワック
ス、ペトロラクタム、マイクロクリスタリンワックス。
溶剤は、例えば下記のものであり得る:ベンゼン、キシ
レン、トルエン、トリクレン、ホワイトスピリット、酢
酸エチル、酢酸n−ブチル、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノール、エチルシクロヘキ
サン、メチルエチルケトン、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブ、シクロヘキサノン。特に、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、キシレン
及びトルエンが好ましい。
【0038】本発明のインクリボンには、熱転写時に赤
外線反射性インク層をインクリボン基材から分離して良
好に転写するために、インクリボン基材とこれに接する
層赤外線反射性インク層との間に剥離層を設けることが
できる。そのような剥離層としては融点と硬さを考慮し
て、例えば、カルナバワックス、パラフィンワックス、
キャンデリラワックス等の層や、これらのワックスに箔
保等を考慮してEVAやSBRゴム等を添加した層を挙
げることができる。また、本発明のインクリボン最上面
(基材と反対側の面)には、熱転写時に赤外線反射性イ
ンク層が、被転写物への接着が容易になるように接着層
7を設けることもできる。そのような接着層として例え
ば、ポリエステルワックス(カルナバ、ポリエチレン)
やアクリルワックス等の混合材料を挙げることができ
る。
【0039】赤外線識別情報媒体の製造方法 本発明の赤外線識別情報媒体の製造方法は、製造する赤
外線識別情報媒体の態様に応じて、基材または赤外線吸
収層上に、前記本発明のインクリボンを用いて、赤外線
反射パターン層を形成することを特徴とする。例えば、
図1に示すような、基材2上に赤外線吸収層3及び赤外
線反射性パターン層4をこの順に有する赤外線識別情報
媒体1は、例えば、前記図4のインクリボンを用いて、
常用されている熱転写プリンタにて、基材2上の赤外線
吸収層3の上に、所望のパターンの赤外線反射性パター
ン層4を熱転写することにより作製できる。尚、基材2
が反射性に優れたものであると、赤外線吸収層3に対す
る赤外線吸収性を改善することができる。
【0040】また、図2に示すような、赤外線透過性の
基材2の一方の側に赤外線吸収層3が形成され、他方の
側に、赤外線反射性パターン層4が形成されている赤外
線識別情報媒体1は、例えば、前記図4のインクリボン
を用いて、常用されている熱転写プリンタにて、基材2
の一方の面に所望のパターンの赤外線反射性パターン層
4を熱転写し、他方の面に赤外線吸収層3を形成するこ
とにより作製できる。尚、赤外線吸収層3を予め形成し
た基材2に上記熱転写することもできる。また、図示し
ていないが、赤外線吸収層3の上に反射性の層を設ける
ことで、赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善す
ることができる。
【0041】また、図3に示すような、基材2上に赤外
線反射性パターン層4が形成され、その上から赤外線吸
収層3が形成された赤外線識別情報媒体1は、例えば、
前記図4のインクリボンを用いて、常用されている熱転
写プリンタにて、基材2の一方の面に所望のパターンの
赤外線反射性パターン層4を熱転写し、さらにその上に
赤外線吸収層3を形成することにより作製できる。ま
た、図示していないが、赤外線吸収層3の上に反射性の
層を設けることで、赤外線吸収層3に対する赤外線吸収
性を改善することができる。
【0042】赤外線識別情報を有する印刷物 本発明の赤外線識別情報を有する印刷物は、基材、赤外
線吸収層、赤外線反射パターン層および赤外線透過性の
印刷層から少なくとも構成されることを特徴とする。よ
り具体的には、基材上に赤外線吸収層、赤外線反射パタ
ーン層および赤外線透過性の印刷層をこの順に有する印
刷物がある。この印刷物は、図5に示すように、図1に
示す赤外線識別情報1の赤外線吸収層3及び赤外線反射
パターン層4の上に、さらに赤外線透過性の印刷層8を
有するものである。また、別の態様として、基材が赤外
線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線吸収層を
有し、他方の側に赤外線反射パターン層を有し、この赤
外線反射パターン層の上に赤外線透過性の印刷層を有す
る印刷物がある。この印刷物は、図6に示すように、図
2に示す赤外線識別情報1の赤外線反射パターン層4側
に、さらに赤外線透過性の印刷層8を有するものであ
る。
【0043】さらに別の態様として、基材が赤外線透過
性であり、この基材の一方の側に赤外線反射パターン層
および赤外線吸収層をこの順に有し、他方の側に赤外線
透過性の印刷層を有する印刷物がある。この印刷物は、
図7に示すように、図3に示す赤外線識別情報1の赤外
線反射パターン層4および赤外線吸収層3とは反対側の
基材上に、赤外線透過性の印刷層8を有するものであ
る。
【0044】赤外線透過性の印刷層は、例えばプロセス
インキを用い、但し、黒色はフォーマットブラックによ
り印刷することにより形成することができる。即ち、一
般のプロセスインキは、黄インキ、マゼンタインキ、シ
アンインキ及び墨インキの4色からなり、4色を刷り重
ねることによりすべての色を再現することが可能なイン
キであり、墨インキとしてはカーボンブラックが用いら
れている。しかし、印刷物に設けられる印刷層に赤外線
透過性を付与するために、墨インキの代わりに、黄、マ
ゼンタ及びシアンを混合して黒色としたフォーマットブ
ラックを用いる。また、印刷層は赤外線透過性のホログ
ラムであっても良い。
【0045】さらに、本発明の赤外線識別情報を有する
印刷物は、マルチヘッド熱転写印刷機を用いて、赤外線
吸収層を有する基材の何れか一方の面に、少なくともイ
エロー、マゼンタ、シアンのプロセスインクリボンを用
いて赤外線透過性の印刷層を熱転写印刷し、さらに、前
記本発明のインクリボンを用いて赤外線反射パターン層
を熱転写印刷することで製造することもできる。赤外線
透過性の印刷層と赤外線反射パターン層との熱転写印刷
は、熱転写印刷した赤外線反射パターン層の上に赤外線
透過性の印刷層を熱転写印刷するか、または熱転写印刷
した赤外線透過性の印刷層の上に赤外線反射パターン層
を熱転写印刷し、さらにその上に赤外線透過性の印刷層
を熱転写印刷することで行うことができる。また、赤外
線透過性の印刷層と赤外線反射パターン層とを積層して
形成することもできる。尚、イエロー、マゼンタ、シア
ンのプロセスインクリボン以外に墨インキのインクリボ
ンを併用して、赤外線反射パターンの読み取りに支障の
ない範囲で印刷に使用することもできる。
【0046】以下に本発明の赤外線識別情報媒体の情報
読み取り方法について説明する。図1に示す赤外線識別
情報媒体においては、赤外線識別情報媒体1の上方から
照射された赤外線は、赤外線反射パターン層4に照射さ
れた部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない赤
外線吸収層3に照射された部分は吸収される。この反射
と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報
を読み取ることができる。図2に示す赤外線識別情報媒
体においては、赤外線識別情報媒体1の下方から照射さ
れた赤外線は、赤外線反射パターン層4に照射された部
分は反射され、赤外線反射パターン層4のない所に照射
された部分は基材2を透過して赤外線吸収層3に吸収さ
れる。この反射と吸収とのコントラストにより、パター
ンの有する情報を読み取ることができる。図3に示す赤
外線識別情報媒体においては、赤外線識別情報媒体1の
下方から照射された赤外線は、基材2を透過し、赤外線
反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線
反射パターン層4のない所に照射された部分は赤外線吸
収層3に吸収される。この反射と吸収とのコントラスト
により、パターンの有する情報を読み取ることができ
る。
【0047】以下に本発明の赤外線識別情報を有する印
刷物の情報読み取り方法について説明する。図5に示す
印刷物においては、印刷物の上方から照射された赤外線
は、印刷層8を透過し、赤外線反射パターン層4に照射
された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない
赤外線吸収層3に照射された部分は吸収される。この反
射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情
報を読み取ることができる。図6に示す印刷物において
は、印刷物の下方から照射された赤外線は、印刷層8を
透過し、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反
射され、赤外線反射パターン層4のない所に照射された
部分は基材2を透過して赤外線吸収層3に吸収される。
この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有
する情報を読み取ることができる。図7に示す印刷物に
おいては、印刷物の下方から照射された赤外線は、印刷
層8及び基材2を透過し、赤外線反射パターン層4に照
射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のな
い所に照射された部分は赤外線吸収層3に吸収される。
この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有
する情報を読み取ることができる。本発明の印刷物は、
印刷層8が赤外線透過性であることから、印刷層8を介
しても赤外線反射パターン層4および赤外線吸収層3に
入射する赤外線の強度が弱まってパターン情報の読み取
りを阻害することがない。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 実施例1インクリボンの製造 下記の方法により、図8に示す赤外線反射層形成用のイ
ンクリボン11を製造した。一方の面に耐熱処理層15
が形成された6μmのPETフィルム12の他方の面
に、カルナバワックスからなる0.5μmの剥離層13
を形成した。その上に、下記に示す組成の白インキを塗
布し、乾燥して厚さ3μmの赤外線反射性インキ層14
を形成して本発明のインクリボンを得た。
【0049】 顔料(粒径0.45μmの酸化チタン* 、タイペーグ社製R-930) 45重量部 アクリル系樹脂 15重量部 溶剤(トルエン:MEK=4:1) 40重量部 *酸化チタンの粒度分布を図9に示す。
【0050】実施例2インクリボンの製造 白インキとして以下に示すインキをを用いた以外は実施
例1と同様にして本発明のインクリボンを得た。 顔料(粒径0.45μmの酸化チタン、タイペーグ社製R-930) 53.3重量部 アクリル系樹脂 6.7重量部 溶剤(トルエン:MEK=4:1) 40重量部
【0051】参考例1赤外線吸収材料の製造 市販のリン酸イッテルビウム(信越化学製)の結晶20
0重量部を、800℃の電気炉(雰囲気:空気、圧:常
圧)中で2時間焼成した。次いで、このリン酸イッテル
ビウムに、メチルエチルケトン200重量部を添加して
スラリー状とし、ボールミルにより1000rpmで1
00分間湿式粉砕した。これに、シランカップリング剤
(信越化学製,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン)2重量部を添加し、遠心分離(3500rp
m,30分間)にかけることにより、ウェットケーキ
(固形分:72%)を得た。上記で得られたウェットケ
ーキ58.5重量部を、アクリル樹脂14重量部、トル
エン27.5重量部及び沈降防止剤3重量部と混合し、
攪拌することによりグラビアインキを製造した。
【0052】実施例3赤外線識別情報媒体の製造 下記の方法により、赤外線識別情報媒体を製造した。上
記参考例で製造したグラビアインキを白色のポリエチレ
ンフィルム(厚さ188μm)にグラビア印刷して、厚
さ20μmのベタ塗りの赤外線吸収層を形成した。この
上に、実施例1または2で製造したインクリボンを備え
たバーコードプリンター(オートニクス製:BC−12
W)を用いて所定のパターンで熱転写することにより、
所定のパターンの赤外線反射パターン層を形成した。こ
れにより、赤外線反射部により形成されるバーコードを
有する赤外線識別情報媒体を得た。
【0053】得られた赤外線識別情報媒体のパターン形
成部(赤外線吸収層上に赤外線反射性層が形成された部
分)と背景部(赤外線吸収層のみの部分)の分光反射率
を測定した。結果を図10のチャートに示す。図中、曲
線Aは背景部(吸収層)の分光反射率スペクトルを示
す。曲線Bは実施例1のインクリボンで形成したパター
ン形成部(反射層)の分光反射率スペクトルを示し、曲
線Cは実施例2のインクリボンで形成したパターン形成
部(反射層)の分光反射率スペクトルを示す。
【0054】また、パターン形成部により形成されたバ
ーコードを、光源として赤外発光ダイオード(SHAR
P GL480Q:ピーク発光波長950nm)を用
い、受光部としてフォトダイオード(SHARP PD
413PI:ピーク感度波長960nm)を用いて、読
み取り試験を行ったところ、バーコードを読み取ること
ができた。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、赤外線吸収材料の粒子
径等に左右されることなく、十分な赤外線吸収特性を有
し、しかも耐摩耗性に優れた、赤外線吸収コードパター
ン等の赤外線により識別可能なパターン層を有する媒体
を提供することができる。さらに本発明によれば、上記
赤外線識別情報媒体の製造に有用なインクリボン及びこ
のインクリボンを用いた赤外線識別情報媒体の製造方法
を提供することができる。加えて本発明によれば、赤外
線吸収材料の粒子径等に左右されることなく、十分な赤
外線吸収特性を有し、しかも耐摩耗性に優れた、赤外線
吸収コードパターン等の赤外線により識別可能なパター
ン層と自由な色合い及び模様等を有する印刷層とを有す
る印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を
示す。
【図2】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を
示す。
【図3】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を
示す。
【図4】 本発明のインクリボンの断面説明図を示す。
【図5】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を
示す。
【図6】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を
示す。
【図7】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を
示す。
【図8】 実施例1のインクリボンの断面説明図を示
す。
【図9】 実施例1及び2で使用した酸化チタンの粒度
分布を示す。
【図10】 実施例3で製造した赤外線識別情報媒体の
分光反射率のスペクトルを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 3/00 B41M 5/26 J

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材、赤外線吸収層および赤外線反射パ
    ターン層から少なくとも構成されることを特徴とする赤
    外線識別情報媒体であって、前記赤外線反射パターン層
    が450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反
    射性粒子を含有することを特徴とする赤外線識別情報媒
    体。
  2. 【請求項2】 赤外線反射パターン層が、波長975n
    mにおける赤外線吸収層の反射率(R1)に対する赤外
    線吸収層の反射率(R1)と赤外線反射パターン層の反
    射率(R2)の差(R1−R2)の百分率〔((R1−
    R2)/R1)×100〕が30%以上となるような量
    の赤外線反射性粒子を含有する請求項1記載の情報媒
    体。
  3. 【請求項3】 基材上に赤外線吸収層および赤外線反射
    パターン層をこの順に有する請求項1または2に記載の
    情報媒体。
  4. 【請求項4】 基材が赤外線透過性であり、この基材の
    一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に赤外線反射
    パターン層を有する請求項1または2に記載の情報媒
    体。
  5. 【請求項5】 基材が赤外線透過性であり、この基材上
    に赤外線反射パターン層および赤外線吸収層をこの順に
    有する請求項1または2に記載の情報媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の赤
    外線識別情報媒体にさらに赤外線透過性の印刷層を設け
    たことを特徴とする赤外線識別情報を有する印刷物。
  7. 【請求項7】 基材上に赤外線吸収層、赤外線反射パタ
    ーン層および赤外線透過性の印刷層をこの順に有する請
    求項6記載の印刷物。
  8. 【請求項8】 基材が赤外線透過性であり、この基材の
    一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に赤外線反射
    パターン層を有し、この赤外線反射パターン層の上に赤
    外線透過性の印刷層を有する請求項6記載の印刷物。
  9. 【請求項9】 基材が赤外線透過性であり、この基材の
    一方の側に赤外線反射パターン層および赤外線吸収層を
    この順に有し、他方の側に赤外線透過性の印刷層を有す
    る請求項6記載の印刷物。
  10. 【請求項10】 基材フィルム上に赤外線反射性インク
    層を有し、この層が450〜500nmの範囲の粒子径
    を有する赤外線反射性粒子を含有することを特徴とする
    インクリボン。
  11. 【請求項11】 赤外線反射性インク層が、このインク
    層の転写により形成される赤外線反射パターン層の波長
    975nmにおける反射率(R2)とこのパターン層と
    積層される赤外線吸収層の波長975nmにおける反射
    率(R1)との差(R1−R2)の、赤外線吸収層の反
    射率(R1)に対する差百分率〔((R1−R2)/R
    1)×100〕が30%以上となるような量の赤外線反
    射性粒子を含有する請求項10記載のインクリボン。
  12. 【請求項12】 基材上に赤外線吸収層を形成し、次い
    で形成された赤外線吸収層上に請求項10または11に
    記載のインクリボンを用いて赤外線反射パターン層を形
    成することを特徴とする赤外線識別情報媒体の製造方
    法。
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