JP3844543B2 - 赤外線識別情報媒体、この媒体形成用のインクリボン、この媒体の製造方法、及びこの媒体を用いた印刷物 - Google Patents

赤外線識別情報媒体、この媒体形成用のインクリボン、この媒体の製造方法、及びこの媒体を用いた印刷物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肉眼で視認することは実質的にできないが、赤外線を吸収することにより、光学的に識別可能なコードパターン等の不可視パターンを有する赤外線識別情報媒体、この情報媒体作製用のインクリボン、このインクリボンを用いた前記情報媒体の製造方法、及び前記情報媒体を用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学読み取りを利用したコードパターンとしてのバーコードが、主として物流管理システムのために広く利用されている。例えば、POS(販売時点管理)システム用のJANコードや配送伝票、荷分け伝票、納品用のバーコードタグなどの光学的データキャリアとして、バーコードは広く用いられている。
【0003】
これら従来のバーコードの光学読み取り用の光源光として650nm、800nm又は950nm付近に発光波長を持つ半導体レーザー又は発光ダイオードが主として用いられている。そのため、光源光の波長域が制約されるために、バーコードは、可視光領域に吸収帯のあるカーボンブラックを用いたインキ、又はシアン・グリーン系統の赤色/赤外波長域に吸収特性を持つインキにより印刷、又はプリントされている。
【0004】
又、バーコードの印刷の方式は、活版、オフセット、フレキソ、グラビア又はシルク印刷等で、主として、ソース・マーキングと呼ばれる大量印刷に適用される。バーコードのプリントの方式は、ドットインパクト、熱転写、ダイレクトサーマル、電子写真、インクジェットプリント等で、主として、インストア・マーキングと呼ばれる個別印刷、或いは、小ロットの情報コードラベルの製造に適用されている。
【0005】
しかし、こうした可視の情報コードはデザイン上の制約を印刷物にもたらすとしてこれを排除する要求が強い。そこで、可視光領域に吸収帯を持たないインキを印刷又はプリントすることにより情報コードを透明化し、目視での判定を困難にしようとする試みがなされている。
【0006】
こうした透明化の試みの1つとして、可視光線領域外の赤外線を主に吸収するインキを用いて、赤外線パターンを形成することが知られている〔例えば特開昭60−260674、特開昭61−86752号、特開昭63−116286号、特開平3−154187号、特開平3−227378号、特開平3−275389号、特開平4−70349号、特開平5−93160号、特開平6−297889号参照〕。
【0007】
赤外線領域に吸収域をもつ色素として従来用いられているものは、例えば、シアニン色素、フタロシアニン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ジルオール系色素、トリフェニルメタン系色素などがある。また、赤外線吸収顔料としてシアンフィルターガラスを用いるものもある。しかし、可視光線域にやや吸収を有するので完全な透明化という点では必ずしも満足できるものではない。
それに対して、本発明者は、先に、赤外領域にのみ吸収を持ち、可視光領域には吸収性がない新たな素材としてYbPO4 (リン酸イッテルビウム)を提案した〔特開平7−53946号〕。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記YbPO4 を含む赤外線パターンを形成する場合、インキ顔料として微細なYbPO4 粒子が必要である。これは、顔料のインキへの馴染みを良くするためやインキによる印刷層の厚みが薄いことによる。ところが、上記出願に記載の方法で得られるYbPO4 の粒子径は数十μmであり、これを粉砕しても平均粒子径は約1μmである。また、それ以上の粒子径になるように粉砕することは事実上困難であった。さらに、YbPO4 は粉砕することにより、近赤外領域での吸収特性が大幅に低下するという問題もあった。
また、上記YbPO4 粒子は、インキ中に分散させたときに強く凝集して、分散不良を起こし易く、YbPO4 粒子の分散状態が悪いインキを用いて形成した印刷層は、近赤外領域での吸収特性が悪いという問題もあった。
さらに、赤外線吸収層でパターンを形成する場合、赤外線吸収層は一定の厚みを要するため、パターンとして形成される凸部の高さが高く、バーコードリーダーとの接触により摩耗しやすいという欠点があった。
【0009】
そこで、本発明の第1の目的は、赤外線吸収材料の粒子径等に左右されることなく、十分な赤外線吸収特性を有し、しかも耐摩耗性に優れた、赤外線吸収コードパターン等の赤外線により識別可能なパターン層を有する情報媒体を提供することにある。
【0010】
さらに本発明の第2の目的は、上記赤外線識別情報媒体の作製に有用なインクリボンを提供することにある。
【0011】
加えて本発明の第3の目的は、上記インクリボンを用いた前記本発明の赤外線識別情報媒体の製造方法を提供することにある。
【0012】
また本発明の第4の目的は、上記本発明の赤外線識別情報媒体にさらに印刷層を有する印刷物とその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、基材、赤外線吸収層および赤外線反射パターン層から少なくとも構成されることを特徴とする赤外線識別情報媒体であって、前記赤外線反射パターン層が450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有することを特徴とする赤外線識別情報媒体に関する。
好ましくは、上記赤外線反射パターン層が、波長975nmにおける赤外線吸収層の反射率(R1)に対する赤外線吸収層の反射率(R1)と赤外線反射パターン層の反射率(R2)の差(R1−R2)の百分率〔((R1−R2)/R1)×100〕が30%以上となるような量の赤外線反射性粒子を含有する。
【0014】
本発明の第2の態様は、基材フィルム上に赤外線反射性インク層を有し、この層が450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有することを特徴とするインクリボンに関する。
好ましくは、上記赤外線反射性インク層が、このインク層の転写により形成される赤外線反射パターン層の波長975nmにおける反射率(R2)とこのパターン層と積層される赤外線吸収層の波長975nmにおける反射率(R1)との差(R1−R2)の、赤外線吸収層の反射率(R1)に対する差百分率〔((R1−R2)/R1)×100〕が30%以上となるような量の赤外線反射性粒子を含有する。
【0015】
本発明の第3の態様は、上記本発明のインクリボンを用いた本発明の赤外線識別媒体の製造方法に関する。
さらに本発明の第4の態様は、上記本発明の赤外線識別情報媒体にさらに赤外線透過性の印刷層を有する印刷物とのその製造方法に関する。
以下本発明について説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
赤外線識別情報媒体
従来の赤外線吸収パターン層を有する情報媒体をポジ型とすると、本発明の赤外線識別情報媒体は、赤外線吸収層はベタ塗り層であり、赤外線反射層がパターン層であることから、ネガ型とも言えるものである。そして、赤外線吸収材料を含む赤外線吸収層がベタ塗り層であることから、赤外線吸収材料の粒子径や含有量に、パターン層を形成する場合より制約が少なく、より高い赤外線吸収性を有するものとすることができる。
【0017】
本発明の赤外線識別情報媒体は、基材、赤外線吸収層及び赤外線反射パターン層から少なくとも構成される。尚、赤外線吸収層はベタ塗り層とし、赤外線反射層をパターン層とする。より具体的には、例えば図1に示すように、基材2上に赤外線吸収層3および赤外線反射パターン層4をこの順に有する赤外線識別情報媒体1を挙げることができる。さらに、図2に示すように、基材2が赤外線透過性であり、この基材2の一方の側に赤外線吸収層3を有し、他方の側に赤外線反射パターン層4を有する赤外線識別情報媒体1を挙げることができる。さらに、図3に示すように、基材2が赤外線透過性であり、この基材2の上に赤外線反射パターン層4及び赤外線吸収層3をこの順に有する赤外線識別情報媒体1を挙げることができる。
尚、図2及び3に示す態様においては、図示していないが、赤外線吸収層3の上に反射性の層を設けることで、赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善することができる。また、図1の態様においては、基材2が反射性に優れたものであることで赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善することができる。
【0018】
さらに、基材と各層との間及び各層の間には、所望により中間層を設けたり、あるいは最上層となる赤外線吸収層や赤外線反射パターン層の上に、保護層を設けることもできる。
本発明の赤外線識別情報媒体において、基材は、例えば、合成樹脂製シート、紙、合成紙、又はこれらを組み合わせたものであり得る。基材は、例えば、白色、半透明又は透明であることができる。但し、赤外線吸収層と赤外線反射パターン層との間に基材がある態様においては、赤外線透過性の基材を用いる。赤外線透過性の基材としては、合成樹脂製シートを挙げることができる。
【0019】
赤外線吸収層は、例えば、赤外線領域に吸収域を有する赤外線吸収材料とこれを分散させるバインダー樹脂を含む層であることができる。赤外線吸収層は、形成する材質により、透明、半透明又は不透明、例えば、白色であることができる。上記赤外線吸収層を形成するための赤外線吸収材料としてはYbPO4粒子(但し、より高い赤外線吸収性を有するという観点から、結晶性が高く、粒径0.005〜0.5μmのYbPO4粒子であることが適当である)が用いられる
【0020】
上記のイッテルビウムと酸との塩は、例えば下記の方法により製造され得る。酸化イッテルビウム(Yb2 3 )微粉末を酸水溶液に混合し、必要により加熱して酸化イッテルビウムを溶解し、酸塩の水溶液を作製する。そして、不溶解分があれば、濾過等により除去した後に、水溶液を冷却するか、あるいはアルコールを混合し、極性を下げたりして酸塩の溶解度を下げることにより、再結晶して酸塩の微粒子を得る。或いは、酸塩の水溶液の溶媒成分を蒸発乾固することにより、目的物であるイッテルビウム酸塩を得ることができる。得られる塩は、常法により乾燥することができる。尚、冷却の速度や還流条件を制御することにより、粒子径を調整することができる。また、得られた塩の粒子は、粉砕等を施すことにより、粒子径を調整することもできる。粉砕としては、粉砕時に容器等を冷却する方法、不活性ガス中での粉砕やキシレントルエン等の有機溶剤中での粉砕等を挙げることができる。
【0021】
YbPO4 粒子は、種々の方法で製造できるが、赤外線吸収性が高いという観点から、結晶性が高く、粒径0.5μm以下のYbPO4 粒子であることが適当である。
YbPO4 粒子は、例えば、イッテルビウムアルコキシドとリン酸アルコキシドとを加水分解してYbPO4 粒子を生成させ、所望によりカップリング剤で表面処理することにより製造され得る。結晶性を高めるために、上記表面処理の前にYbPO4 粒子を加熱処理し、次いで湿式粉砕することもできる。また、公知のYbPO4 粒子やYbPO4 粒子を公知の再結晶法等により粒径約1〜10μmの範囲としたYbPO4 粒子等を加熱処理し湿式粉砕したものも用いることができる。加熱処理の条件は、処理されたYbPO4 粒子の赤外線吸収性の改善の程度により適宜決定することができ、例えば、700℃〜1000℃の温度、好ましくは800〜900℃の温度で行うことが適当である。また熱処理時間は、赤外線吸収性の改善に十分な時間とすることができ、例えば、1〜6時間程度である。熱処理の雰囲気は、例えば空気中、常圧で行うことが適当である。また、湿式粉砕は、界面活性剤の存在下、有機溶剤中で行い、次いで粉砕した粒子をカップリング剤で表面処理することが好ましい。
【0022】
YbPO4 粒子の結晶性が高いとは、X線回折計を用いて測定される回折X線スペクトルにおいて、回折ピークがアモルファスのようにブロードにならず、スペクトルが読み取れる程度の結晶性の意味である。より具体的には、YbPO4 の回折X線スペクトルの主ピークである2θが約26のピークがバックグラウンドのノイズ幅の10倍以上の場合をいう。
【0023】
カップリング剤は、YbPO4 粒子及びインキビヒクルとなる樹脂と結合するものであれば特に限定はない。例えば、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、金属キレート化合物などを挙げることができる。特に、化学的特性が安定(溶剤に対して強い耐性がある)であり、物理強度も強く、さらにインキビヒクルとの接着性の良い官能基が種々付加されており、選択の度合いが大きいという観点からは、シランカップリング剤であることが好ましい。
【0024】
シランカップリング剤としては以下のものを例示することができる:テトラメトキシシラン(TMOS)、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン。
【0025】
YbPO4 粒子に対するカップリング剤の量は、YbPO4 粒子の粒子径やカップリング剤の種類により適宜決定出来るが、例えば一般にはYbPO4 粒子100重量部に対してカップリング剤0.1〜10重量部の範囲であることが適当である。
上記の酸化イッテルビウム(Yb2 3 )粒子としては、平均粒子径が2μm以下のものが好ましく、1μm以下のものがさらに好ましい。
【0026】
赤外線吸収層のバインダー樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる:蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等などの天然樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂、レゾール型フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂。
【0027】
赤外線吸収層の厚さおよび赤外線吸収材料の濃度は、赤外線反射パターン層との間に読み取りに十分なコントラストを形成できる程度の強度の赤外線吸収性を有するという観点から適宜決められる。また赤外線吸収材料の濃度は、赤外線吸収層を形成する際の塗布性等も考慮して決定される。通常は、赤外線吸収材料の濃度は、例えば、40〜80重量%の範囲であり、高い遮蔽性を得るという観点から好ましくは60〜80重量%の範囲である。また、赤外線吸収層の厚さは、例えば0.5〜30μmの範囲、好ましくは5〜20μmの範囲である。
【0028】
赤外線吸収層は、層の構成成分を溶解した溶液又は分散液に、必要に応じてスペーサー粒子等を分散せしめ、これを基材に塗布し、乾燥することにより形成し得る。また、層の構成成分を含むインキを用い、グラビア印刷等の印刷手段により層を形成することもできる。この場合、インキは、通常印刷インキに用いられる溶剤、添加剤等を用いて、この分野で周知の方法により製造される。
【0029】
本発明の赤外線識別情報媒体において、赤外線反射パターン層は、450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有する層である。450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有することで、900〜1000nmの波長範囲の赤外線を良好に反射する。さらに本発明の赤外線反射パターン層は、情報をパターンとして保持する層でもある。
赤外線識別情報媒体において、赤外線反射パターン層により形成されたパターンの読み取り精度を高めるという観点から、赤外線反射パターン層と赤外線吸収層との赤外線の反射吸収のコントラストを強くすることが好ましい。このような観点から、赤外線反射パターン層が、波長975nmにおける赤外線吸収層の反射率(R1)に対する赤外線吸収層の反射率(R1)と赤外線反射パターン層の反射率(R2)の差(R1−R2)の百分率〔((R1−R2)/R1)×100〕が約30%以上、好ましくは約50%以上となるような量の赤外線反射性粒子を含有することが適当である。尚、コントラストが強い程、読み取り精度は高くなるので、赤外線吸収層の性能や読み取りに使用する機器の性能等を考慮して上記赤外線反射性粒子の含有量は適宜調整できる。
さらに、上記〔((R1−R2)/R1)×100〕は、赤外線反射パターン層中の450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子の含有量が多いほど大きくなるので、450〜500nmの範囲にシャープな粒子径分布を有する粒子を用いることが好ましい。
【0030】
赤外線反射パターン層は、上記の赤外線反射性粒子を含む層であり、例えば、赤外線反射性粒子とこれを分散させるバインダー樹脂を含む層であることができる。
赤外線反射性粒子の例としては、白色顔料、例えば酸化チタン、炭酸マグネシウムまたは硫酸バリウム等の粒子を挙げることができる。上記赤外線反射性粒子の1種又は2種以上を赤外線反射性層に含有させることもできる。
赤外線反射性層のバインダー樹脂は、成膜性、透明性等を考慮して適宜選択される。例えば、上記で赤外線吸収層のバインダー樹脂として挙げたものを使用することができる。
【0031】
赤外線反射性層の厚みや赤外線反射性粒子の濃度は、赤外線反射性層に要求される赤外線反射特性に応じて適宜決定できる。但し、赤外線反射層の厚みは、吸収層等のコントラスト比の向上等を考慮して3〜10μmの範囲である。また理論上、赤外線反射パターン層の厚みが10μmである場合、450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子の含有率が40重量%以上であれば、900〜1000nmの範囲の赤外線は全量反射される。従って、粒子中に含まれる450〜500nmの範囲の赤外線反射性粒子の含有率(粒度分布)と、必要とされる赤外線反射(赤外線吸収層とのコントラスト)とを観点を考慮して、赤外線反射性粒子の濃度は、適宜決定される。尚、粒子中の赤外線反射性粒子の含有率が20〜40重量%の範囲である粒子の場合、10μmの厚みを持つ赤外線反射性パターン層中の顔料濃度は、好ましくは20〜40%の範囲であることが適当である。
【0032】
上記の赤外線反射パターン層は、熱転写印刷やオフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷等のパターン印刷により形成することができる。また、赤外線反射パターン層は、後述のようにインクリボンを用いて熱転写印刷することにより形成することもできる。
【0033】
赤外線反射パターン層により形成されるパターンの、肉眼による判読を困難にするために、好ましくは、パターン層の上面の色と背景の色が実質的に同一となるように、基材、赤外線吸収層及び赤外線反射パターン層の材料を選択することが好ましい。例えば、図1に示す態様においては、基材2を白色とし、赤外線吸収層3を実質的に透明とするか、基材2の色は問わず、赤外線吸収層3を白色とし、かつ赤外線反射パターン層を白色、半透明色または透明色とすることで、パターン層を不可視化することができる。
また、基材が有色である場合、又は基材に図柄等が印刷されており、赤外線吸収層が実質的に透明である場合は、後述のように、基材等の色や図柄に合わせた色の印刷層を設けた印刷物とすることが好ましい。この場合、印刷層は赤外線透過性のインキにより形成する。この点については、後述の本発明の印刷物の説明においてさらに詳説する。
また、赤外線反射パターン層が赤外線遮断性層のみからなる場合、その隠蔽のために、赤外線遮断性層の隠蔽が可能で、かつ赤外線の透過に支障のない程度の酸化チタン粒子等の白色顔料を含有する層をベタ塗り層として設けることもできる。
【0034】
本発明の赤外線識別情報媒体において、パターンにより表される情報は、バーコードの他、文字、図形等、いかなる情報であっても良い。また、バーコード、文字、図形等の情報は、赤外線反射パターン層のパターン自体により形成されてもよいが、該パターン自体はバーコード等のスペース部分又は背景を構成し、バーコード等は赤外線吸収層が露呈している部分により構成されるようにしても良い。また、本発明の赤外線識別情報媒体において、赤外線吸収層及び赤外線反射パターン層は基材の一部に形成されても、全面に形成されても良い。
【0035】
本発明の赤外線識別情報媒体においては、上記赤外線反射層と赤外線吸収層により、バーコード等のパターンが形成されるため、赤外線を照射すると赤外光の吸収/反射の反射光の濃淡が生じ、この濃淡を読み取ることにより、バーコード等の情報を読み取ることができる。
また、このパターンは、パターン部の上面の色と背景部の上面の色が実質的に同一となるように、基材、赤外線吸収層及び赤外線反射層の材料を選択した場合には、肉眼で判読することが困難である。
【0036】
インクリボン
本発明のインクリボンは、例えば、図4に示すように、基材フィルム5上に赤外線反射性インク層6を有するものである。
インクリボンの基材としては、通常熱転写用インクリボンの基材として使用される樹脂フィルム、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を使用し得る。さらにこれらの基材は、インクリボンとした際にサーマルヘッドに接する側の面に耐熱処理を施したものであることが好ましい。
赤外線反射性インク層は、上記赤外線識別情報媒体において赤外線反射性粒子として説明した粒子とビヒクルを含むインキを基材に塗布し、乾燥することにより形成されるものであることができる。
赤外線反射性インク層の膜厚等は、熱転写により形成される赤外線反射パターン層に要求される光学的性質を考慮して適宜決定できる。
【0037】
インクに含まれるビヒクルは、例えば、合成樹脂、ワックス、及び必要に応じて溶剤を含み得る。合成樹脂は、サーマルヘッドの電圧、融点などを考慮した上で適当なものを単独又は混合して用いる。具体例としては、下記のものが挙げられる:ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロースプラスチック、ニトロセルロース、ポリアセタール。ワックスは、例えば下記のものであり得る:ミツロウ、触ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、マイクロクリスタリンワックス。
溶剤は、例えば下記のものであり得る:ベンゼン、キシレン、トルエン、トリクレン、ホワイトスピリット、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキサノン。特に、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、キシレン及びトルエンが好ましい。
【0038】
本発明のインクリボンには、熱転写時に赤外線反射性インク層をインクリボン基材から分離して良好に転写するために、インクリボン基材とこれに接する層赤外線反射性インク層との間に剥離層を設けることができる。そのような剥離層としては融点と硬さを考慮して、例えば、カルナバワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス等の層や、これらのワックスに箔保等を考慮してEVAやSBRゴム等を添加した層を挙げることができる。また、本発明のインクリボン最上面(基材と反対側の面)には、熱転写時に赤外線反射性インク層が、被転写物への接着が容易になるように接着層7を設けることもできる。そのような接着層として例えば、ポリエステルワックス(カルナバ、ポリエチレン)やアクリルワックス等の混合材料を挙げることができる。
【0039】
赤外線識別情報媒体の製造方法
本発明の赤外線識別情報媒体の製造方法は、製造する赤外線識別情報媒体の態様に応じて、基材または赤外線吸収層上に、前記本発明のインクリボンを用いて、赤外線反射パターン層を形成することを特徴とする。
例えば、図1に示すような、基材2上に赤外線吸収層3及び赤外線反射性パターン層4をこの順に有する赤外線識別情報媒体1は、例えば、前記図4のインクリボンを用いて、常用されている熱転写プリンタにて、基材2上の赤外線吸収層3の上に、所望のパターンの赤外線反射性パターン層4を熱転写することにより作製できる。尚、基材2が反射性に優れたものであると、赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善することができる。
【0040】
また、図2に示すような、赤外線透過性の基材2の一方の側に赤外線吸収層3が形成され、他方の側に、赤外線反射性パターン層4が形成されている赤外線識別情報媒体1は、例えば、前記図4のインクリボンを用いて、常用されている熱転写プリンタにて、基材2の一方の面に所望のパターンの赤外線反射性パターン層4を熱転写し、他方の面に赤外線吸収層3を形成することにより作製できる。尚、赤外線吸収層3を予め形成した基材2に上記熱転写することもできる。また、図示していないが、赤外線吸収層3の上に反射性の層を設けることで、赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善することができる。
【0041】
また、図3に示すような、基材2上に赤外線反射性パターン層4が形成され、その上から赤外線吸収層3が形成された赤外線識別情報媒体1は、例えば、前記図4のインクリボンを用いて、常用されている熱転写プリンタにて、基材2の一方の面に所望のパターンの赤外線反射性パターン層4を熱転写し、さらにその上に赤外線吸収層3を形成することにより作製できる。また、図示していないが、赤外線吸収層3の上に反射性の層を設けることで、赤外線吸収層3に対する赤外線吸収性を改善することができる。
【0042】
赤外線識別情報を有する印刷物
本発明の赤外線識別情報を有する印刷物は、基材、赤外線吸収層、赤外線反射パターン層および赤外線透過性の印刷層から少なくとも構成されることを特徴とする。より具体的には、基材上に赤外線吸収層、赤外線反射パターン層および赤外線透過性の印刷層をこの順に有する印刷物がある。この印刷物は、図5に示すように、図1に示す赤外線識別情報1の赤外線吸収層3及び赤外線反射パターン層4の上に、さらに赤外線透過性の印刷層8を有するものである。
また、別の態様として、基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に赤外線反射パターン層を有し、この赤外線反射パターン層の上に赤外線透過性の印刷層を有する印刷物がある。この印刷物は、図6に示すように、図2に示す赤外線識別情報1の赤外線反射パターン層4側に、さらに赤外線透過性の印刷層8を有するものである。
【0043】
さらに別の態様として、基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線反射パターン層および赤外線吸収層をこの順に有し、他方の側に赤外線透過性の印刷層を有する印刷物がある。この印刷物は、図7に示すように、図3に示す赤外線識別情報1の赤外線反射パターン層4および赤外線吸収層3とは反対側の基材上に、赤外線透過性の印刷層8を有するものである。
【0044】
赤外線透過性の印刷層は、例えばプロセスインキを用い、但し、黒色はフォーマットブラックにより印刷することにより形成することができる。即ち、一般のプロセスインキは、黄インキ、マゼンタインキ、シアンインキ及び墨インキの4色からなり、4色を刷り重ねることによりすべての色を再現することが可能なインキであり、墨インキとしてはカーボンブラックが用いられている。しかし、印刷物に設けられる印刷層に赤外線透過性を付与するために、墨インキの代わりに、黄、マゼンタ及びシアンを混合して黒色としたフォーマットブラックを用いる。また、印刷層は赤外線透過性のホログラムであっても良い。
【0045】
さらに、本発明の赤外線識別情報を有する印刷物は、マルチヘッド熱転写印刷機を用いて、赤外線吸収層を有する基材の何れか一方の面に、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンのプロセスインクリボンを用いて赤外線透過性の印刷層を熱転写印刷し、さらに、前記本発明のインクリボンを用いて赤外線反射パターン層を熱転写印刷することで製造することもできる。赤外線透過性の印刷層と赤外線反射パターン層との熱転写印刷は、熱転写印刷した赤外線反射パターン層の上に赤外線透過性の印刷層を熱転写印刷するか、または熱転写印刷した赤外線透過性の印刷層の上に赤外線反射パターン層を熱転写印刷し、さらにその上に赤外線透過性の印刷層を熱転写印刷することで行うことができる。また、赤外線透過性の印刷層と赤外線反射パターン層とを積層して形成することもできる。尚、イエロー、マゼンタ、シアンのプロセスインクリボン以外に墨インキのインクリボンを併用して、赤外線反射パターンの読み取りに支障のない範囲で印刷に使用することもできる。
【0046】
以下に本発明の赤外線識別情報媒体の情報読み取り方法について説明する。
図1に示す赤外線識別情報媒体においては、赤外線識別情報媒体1の上方から照射された赤外線は、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない赤外線吸収層3に照射された部分は吸収される。この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報を読み取ることができる。
図2に示す赤外線識別情報媒体においては、赤外線識別情報媒体1の下方から照射された赤外線は、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない所に照射された部分は基材2を透過して赤外線吸収層3に吸収される。この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報を読み取ることができる。
図3に示す赤外線識別情報媒体においては、赤外線識別情報媒体1の下方から照射された赤外線は、基材2を透過し、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない所に照射された部分は赤外線吸収層3に吸収される。この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報を読み取ることができる。
【0047】
以下に本発明の赤外線識別情報を有する印刷物の情報読み取り方法について説明する。
図5に示す印刷物においては、印刷物の上方から照射された赤外線は、印刷層8を透過し、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない赤外線吸収層3に照射された部分は吸収される。この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報を読み取ることができる。図6に示す印刷物においては、印刷物の下方から照射された赤外線は、印刷層8を透過し、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない所に照射された部分は基材2を透過して赤外線吸収層3に吸収される。この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報を読み取ることができる。
図7に示す印刷物においては、印刷物の下方から照射された赤外線は、印刷層8及び基材2を透過し、赤外線反射パターン層4に照射された部分は反射され、赤外線反射パターン層4のない所に照射された部分は赤外線吸収層3に吸収される。この反射と吸収とのコントラストにより、パターンの有する情報を読み取ることができる。
本発明の印刷物は、印刷層8が赤外線透過性であることから、印刷層8を介しても赤外線反射パターン層4および赤外線吸収層3に入射する赤外線の強度が弱まってパターン情報の読み取りを阻害することがない。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明する。
実施例1
インクリボンの製造
下記の方法により、図8に示す赤外線反射層形成用のインクリボン11を製造した。一方の面に耐熱処理層15が形成された6μmのPETフィルム12の他方の面に、カルナバワックスからなる0.5μmの剥離層13を形成した。その上に、下記に示す組成の白インキを塗布し、乾燥して厚さ3μmの赤外線反射性インキ層14を形成して本発明のインクリボンを得た。
【0049】
顔料(粒径0.45μmの酸化チタン* 、タイペーグ社製R-930) 45重量部
アクリル系樹脂 15重量部
溶剤(トルエン:MEK=4:1) 40重量部
*酸化チタンの粒度分布を図9に示す。
【0050】
実施例2
インクリボンの製造
白インキとして以下に示すインキをを用いた以外は実施例1と同様にして本発明のインクリボンを得た。
顔料(粒径0.45μmの酸化チタン、タイペーグ社製R-930) 53.3重量部
アクリル系樹脂 6.7重量部
溶剤(トルエン:MEK=4:1) 40重量部
【0051】
参考例1
赤外線吸収材料の製造
市販のリン酸イッテルビウム(信越化学製)の結晶200重量部を、800℃の電気炉(雰囲気:空気、圧:常圧)中で2時間焼成した。
次いで、このリン酸イッテルビウムに、メチルエチルケトン200重量部を添加してスラリー状とし、ボールミルにより1000rpmで100分間湿式粉砕した。これに、シランカップリング剤(信越化学製,γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)2重量部を添加し、遠心分離(3500rpm,30分間)にかけることにより、ウェットケーキ(固形分:72%)を得た。
上記で得られたウェットケーキ58.5重量部を、アクリル樹脂14重量部、トルエン27.5重量部及び沈降防止剤3重量部と混合し、攪拌することによりグラビアインキを製造した。
【0052】
実施例3
赤外線識別情報媒体の製造
下記の方法により、赤外線識別情報媒体を製造した。上記参考例で製造したグラビアインキを白色のポリエチレンフィルム(厚さ188μm)にグラビア印刷して、厚さ20μmのベタ塗りの赤外線吸収層を形成した。この上に、実施例1または2で製造したインクリボンを備えたバーコードプリンター(オートニクス製:BC−12W)を用いて所定のパターンで熱転写することにより、所定のパターンの赤外線反射パターン層を形成した。これにより、赤外線反射部により形成されるバーコードを有する赤外線識別情報媒体を得た。
【0053】
得られた赤外線識別情報媒体のパターン形成部(赤外線吸収層上に赤外線反射性層が形成された部分)と背景部(赤外線吸収層のみの部分)の分光反射率を測定した。結果を図10のチャートに示す。
図中、曲線Aは背景部(吸収層)の分光反射率スペクトルを示す。曲線Bは実施例1のインクリボンで形成したパターン形成部(反射層)の分光反射率スペクトルを示し、曲線Cは実施例2のインクリボンで形成したパターン形成部(反射層)の分光反射率スペクトルを示す。
【0054】
また、パターン形成部により形成されたバーコードを、光源として赤外発光ダイオード(SHARP GL480Q:ピーク発光波長950nm)を用い、受光部としてフォトダイオード(SHARP PD413PI:ピーク感度波長960nm)を用いて、読み取り試験を行ったところ、バーコードを読み取ることができた。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、赤外線吸収材料の粒子径等に左右されることなく、十分な赤外線吸収特性を有し、しかも耐摩耗性に優れた、赤外線吸収コードパターン等の赤外線により識別可能なパターン層を有する媒体を提供することができる。
さらに本発明によれば、上記赤外線識別情報媒体の製造に有用なインクリボン及びこのインクリボンを用いた赤外線識別情報媒体の製造方法を提供することができる。
加えて本発明によれば、赤外線吸収材料の粒子径等に左右されることなく、十分な赤外線吸収特性を有し、しかも耐摩耗性に優れた、赤外線吸収コードパターン等の赤外線により識別可能なパターン層と自由な色合い及び模様等を有する印刷層とを有する印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を示す。
【図2】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を示す。
【図3】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を示す。
【図4】 本発明のインクリボンの断面説明図を示す。
【図5】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を示す。
【図6】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を示す。
【図7】 本発明の赤外線識別情報媒体の断面説明図を示す。
【図8】 実施例1のインクリボンの断面説明図を示す。
【図9】 実施例1及び2で使用した酸化チタンの粒度分布を示す。
【図10】 実施例3で製造した赤外線識別情報媒体の分光反射率のスペクトルを示す。

Claims (12)

  1. 基材、赤外線吸収層および赤外線反射性粒子を含有する赤外線反射パターン層から少なくとも構成されることを特徴とする赤外線識別情報媒体であって、前記赤外線反射性粒子は、450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子であり前記赤外線吸収層はリン酸イッテルビウム粒子を含有し、前記赤外線識別情報媒体は、900〜1000nmの波長範囲の赤外線を用いて前記赤外線反射パターン層により形成されたパターンの読み取りを行うために使用されるものであることを特徴とする赤外線識別情報媒体。
  2. 赤外線反射パターン層が、波長975nmにおける赤外線吸収層の反射率(R1)に対する赤外線吸収層の反射率(R1)と赤外線反射パターン層の反射率(R2)の差(R1−R2)の百分率〔((R1−R2)/R1)×100〕が30%以上となるような量の赤外線反射性粒子を含有する請求項1記載の情報媒体。
  3. 基材上に赤外線吸収層および赤外線反射パターン層をこの順に有する請求項1または2に記載の情報媒体。
  4. 基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に赤外線反射パターン層を有する請求項1または2に記載の情報媒体。
  5. 基材が赤外線透過性であり、この基材上に赤外線反射パターン層および赤外線吸収層をこの順に有する請求項1または2に記載の情報媒体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線識別情報媒体にさらに赤外線透過性の印刷層を設けたことを特徴とする赤外線識別情報を有する印刷物。
  7. 基材上に赤外線吸収層、赤外線反射パターン層および赤外線透過性の印刷層をこの順に有する請求項記載の印刷物。
  8. 基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線吸収層を有し、他方の側に赤外線反射パターン層を有し、この赤外線反射パターン層の上に赤外線透過性の印刷層を有する請求項記載の印刷物。
  9. 基材が赤外線透過性であり、この基材の一方の側に赤外線反射パターン層および赤外線吸収層をこの順に有し、他方の側に赤外線透過性の印刷層を有する請求項記載の印刷物。
  10. 基材フィルム上に赤外線反射性インク層を有し、この層が450〜500nmの範囲の粒子径を有する赤外線反射性粒子を含有し、請求項1〜のいずれか1項に記載の赤外線識別情報媒体の製造のために使用されることを特徴とするインクリボン。
  11. 赤外線反射性インク層が、このインク層の転写により形成される赤外線反射パターン層の波長975nmにおける反射率(R2)とこのパターン層と積層される赤外線吸収層の波長975nmにおける反射率(R1)との差(R1−R2)の、赤外線吸収層の反射率(R1)に対する差百分率〔((R1−R2)/R1)×100〕が30%以上となるような量の赤外線反射性粒子を含有する請求項10記載のインクリボン。
  12. 基材上に赤外線吸収層を形成し、次いで形成された赤外線吸収層上に請求項10または11に記載のインクリボンを用いて赤外線反射パターン層を形成することを特徴とする赤外線識別情報媒体の製造方法。
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