JPH1025516A - 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH1025516A JPH1025516A JP8181845A JP18184596A JPH1025516A JP H1025516 A JPH1025516 A JP H1025516A JP 8181845 A JP8181845 A JP 8181845A JP 18184596 A JP18184596 A JP 18184596A JP H1025516 A JPH1025516 A JP H1025516A
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
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- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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- H01F1/14766—Fe-Si based alloys
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 変圧器に用いられる超高磁束密度一方向性電
磁鋼板の一次被膜を安定して得る。 【解決手段】 Biを添加含有した超高磁束密度一方向
性電磁鋼スラブを出発材として、脱炭焼鈍後仕上げ焼鈍
前にIg−Loss値が0.4〜1.5%の焼鈍分離剤を塗布
する。
磁鋼板の一次被膜を安定して得る。 【解決手段】 Biを添加含有した超高磁束密度一方向
性電磁鋼スラブを出発材として、脱炭焼鈍後仕上げ焼鈍
前にIg−Loss値が0.4〜1.5%の焼鈍分離剤を塗布
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス等の鉄心
として用いられる{110}<001>方位集積度を高
度に発達させた超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法に関する。
として用いられる{110}<001>方位集積度を高
度に発達させた超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、主にトランスその
他の電気機器の鉄心材料として使用されており、励磁特
性、鉄損特性等の磁気特性が優れていることが要求され
ている。励磁特性を表す数値としては、通常800A/
mの磁場における磁束密度B(これをB8 と以下示す)
が使用される。また鉄損特性を表す代表的数値として
は、W17/50 (周波数50Hzにおいて1.7Tまで磁
化させた時の単位kgあたりの鉄損)が用いられる。
他の電気機器の鉄心材料として使用されており、励磁特
性、鉄損特性等の磁気特性が優れていることが要求され
ている。励磁特性を表す数値としては、通常800A/
mの磁場における磁束密度B(これをB8 と以下示す)
が使用される。また鉄損特性を表す代表的数値として
は、W17/50 (周波数50Hzにおいて1.7Tまで磁
化させた時の単位kgあたりの鉄損)が用いられる。
【0003】磁束密度は鉄損特性の重要支配因子であ
り、一般的にいって磁束密度が高いほど鉄損は良い。た
だしあまり磁束密度が高くなると、二次再結晶粒が大き
くなることに起因して異常渦電流損失が大きくなり鉄損
を悪くすることがある。これに対しては、磁区制御する
ことによって二次再結晶粒に関係なく鉄損を改善するこ
とができる。
り、一般的にいって磁束密度が高いほど鉄損は良い。た
だしあまり磁束密度が高くなると、二次再結晶粒が大き
くなることに起因して異常渦電流損失が大きくなり鉄損
を悪くすることがある。これに対しては、磁区制御する
ことによって二次再結晶粒に関係なく鉄損を改善するこ
とができる。
【0004】一方向性電磁鋼板は製造工程の仕上焼鈍に
おいて、二次再結晶を起こさせて鋼板面に{110}、
圧延方向に<001>を有するいわゆるGoss組織を
発達させることによって得られる。そのなかでB8 ≧
1.88Tの優れた励磁特性を持つものは高磁束密度一
方向性電磁鋼板と呼ばれている。
おいて、二次再結晶を起こさせて鋼板面に{110}、
圧延方向に<001>を有するいわゆるGoss組織を
発達させることによって得られる。そのなかでB8 ≧
1.88Tの優れた励磁特性を持つものは高磁束密度一
方向性電磁鋼板と呼ばれている。
【0005】高磁束密度一方向性電磁鋼板の代表的製造
方法としては、田口らによる特公昭40−15644号
公報および特公昭51−13469号公報に記載の方法
が挙げられる。Goss組織の二次再結晶を起こさせる
主なインヒビターとして、前者においてはMnSおよび
AlNを、後者ではMnS、MnSb、Sb等を用いて
いる。上記特許に基づく製品は、現在世界的規模で生産
されている。特公昭40−15644号公報によれば、
その製造方法は、熱延板焼鈍を施した後に冷延率80〜
95%の一回冷延を行うことを特徴としている。
方法としては、田口らによる特公昭40−15644号
公報および特公昭51−13469号公報に記載の方法
が挙げられる。Goss組織の二次再結晶を起こさせる
主なインヒビターとして、前者においてはMnSおよび
AlNを、後者ではMnS、MnSb、Sb等を用いて
いる。上記特許に基づく製品は、現在世界的規模で生産
されている。特公昭40−15644号公報によれば、
その製造方法は、熱延板焼鈍を施した後に冷延率80〜
95%の一回冷延を行うことを特徴としている。
【0006】また、一方向性電磁鋼板の表面には、電気
的絶縁性を有する被膜が形成されていることが要求され
る。この被膜は絶縁性を保持する役割の他、鋼板に張力
を付与し鉄損を低減させるといった役割も担っている。
そのため均一に形成させることは極めて重要である。
的絶縁性を有する被膜が形成されていることが要求され
る。この被膜は絶縁性を保持する役割の他、鋼板に張力
を付与し鉄損を低減させるといった役割も担っている。
そのため均一に形成させることは極めて重要である。
【0007】高磁束密度一方向性電磁鋼板の被膜は、一
次被膜と二次被膜の二段構成である。そのうち一次被膜
は、製造工程の脱炭焼鈍において鋼板表面に形成された
SiO2 が、その後に塗布された焼鈍分離剤と反応して
得られる。一般的に焼鈍分離剤はMgOを主成分とした
ものが用いられ、仕上焼鈍時にSiO2 と反応してMg
2 SiO4 となり、これが一次被膜となる。
次被膜と二次被膜の二段構成である。そのうち一次被膜
は、製造工程の脱炭焼鈍において鋼板表面に形成された
SiO2 が、その後に塗布された焼鈍分離剤と反応して
得られる。一般的に焼鈍分離剤はMgOを主成分とした
ものが用いられ、仕上焼鈍時にSiO2 と反応してMg
2 SiO4 となり、これが一次被膜となる。
【0008】ところで最近、高嶋らによってB8 ≧1.
95Tの極めて優れた励磁特性を持つ超高磁束密度一方
向性電磁鋼板が報告されている。その代表例としては、
特開平6−89805号公報が挙げられる。またその製
造方法の代表例としては、特開平6−88171号公報
が挙げられる。いずれもスラブ中にBiを含むことを特
徴としているが、その他は特段、田口らによる特公昭4
0−15644号公報で述べられている製造方法と変わ
りなく、大きな制約もない。
95Tの極めて優れた励磁特性を持つ超高磁束密度一方
向性電磁鋼板が報告されている。その代表例としては、
特開平6−89805号公報が挙げられる。またその製
造方法の代表例としては、特開平6−88171号公報
が挙げられる。いずれもスラブ中にBiを含むことを特
徴としているが、その他は特段、田口らによる特公昭4
0−15644号公報で述べられている製造方法と変わ
りなく、大きな制約もない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鋼中にBiを
含むことによると考えられる一次被膜密着性の劣化や、
一次被膜形成不良により、製品にならない場合が少なく
ない。
含むことによると考えられる一次被膜密着性の劣化や、
一次被膜形成不良により、製品にならない場合が少なく
ない。
【0010】本発明は、かかる問題を回避し、極めて磁
束密度の高い一方向性電磁鋼板の一次被膜の安定製造を
可能にし、一次被膜密着性の劣化や、一次被膜形成不良
を改善することを目的とする。
束密度の高い一方向性電磁鋼板の一次被膜の安定製造を
可能にし、一次被膜密着性の劣化や、一次被膜形成不良
を改善することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、以下の通りである。 (1)重量%で、C:0.03〜0.15%、Si:
2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.30%、Sお
よびSeの一方または双方:0.005〜0.040
%、酸可溶性Al:0.015〜0.040%、N:
0.0030〜0.0150%、Bi:0.0005〜
0.05%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなるスラブを出発材として加熱した後熱延し、熱延
板焼鈍後仕上げ冷延、あるいは中間焼鈍を含む複数の冷
延、あるいは熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延に
よって製品板厚に仕上げた後に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離
剤を塗布後、仕上焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の製造方法において、Ig−Loss値が0.4〜1.5
%のMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布することを
特徴とする超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
ろは、以下の通りである。 (1)重量%で、C:0.03〜0.15%、Si:
2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.30%、Sお
よびSeの一方または双方:0.005〜0.040
%、酸可溶性Al:0.015〜0.040%、N:
0.0030〜0.0150%、Bi:0.0005〜
0.05%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなるスラブを出発材として加熱した後熱延し、熱延
板焼鈍後仕上げ冷延、あるいは中間焼鈍を含む複数の冷
延、あるいは熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延に
よって製品板厚に仕上げた後に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離
剤を塗布後、仕上焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の製造方法において、Ig−Loss値が0.4〜1.5
%のMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布することを
特徴とする超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0012】(2)重量%で、C:0.03〜0.15
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeの一方または双方:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.015〜0.040
%、N:0.0030〜0.0150%、Sn:0.0
5〜0.50%、Bi:0.0005〜0.05%を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるスラブ
を出発材とした(1)記載の超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の製造方法。
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeの一方または双方:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.015〜0.040
%、N:0.0030〜0.0150%、Sn:0.0
5〜0.50%、Bi:0.0005〜0.05%を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるスラブ
を出発材とした(1)記載の超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の製造方法。
【0013】(3)重量%で、C:0.03〜0.15
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeの一方または双方:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.015〜0.040
%、N:0.0030〜0.0150%、Sn:0.0
5〜0.50%、Cu:0.01〜0.10%、Bi:
0.0005〜0.05%を含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物からなるスラブを出発材とした(1)記
載の超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeの一方または双方:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.015〜0.040
%、N:0.0030〜0.0150%、Sn:0.0
5〜0.50%、Cu:0.01〜0.10%、Bi:
0.0005〜0.05%を含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物からなるスラブを出発材とした(1)記
載の超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0014】(4)重量%で、C:0.03〜0.15
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeの一方または双方:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.015〜0.040
%、N:0.0030〜0.0150%、SbおよびM
oの一方または双方:0.0030〜0.3%、Bi:
0.0005〜0.05%を含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物からなるスラブを出発材とした(1)記
載の超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
%、Si:2.5〜4.0%、Mn:0.02〜0.3
0%、SおよびSeの一方または双方:0.005〜
0.040%、酸可溶性Al:0.015〜0.040
%、N:0.0030〜0.0150%、SbおよびM
oの一方または双方:0.0030〜0.3%、Bi:
0.0005〜0.05%を含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物からなるスラブを出発材とした(1)記
載の超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明者は、いわゆる超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の一次被膜を、更に安定して得るべく種々の研究を
鋭意重ねた結果、Biを含んだMnSとAlNを主イン
ヒビターとする一方向性電磁鋼板用スラブを出発材とし
て加熱した後熱延し、熱延板焼鈍後仕上げ冷延、あるい
は中間焼鈍を含む複数の冷延、あるいは熱延板焼鈍後中
間焼鈍を含む複数の冷延によって製品板厚に仕上げた後
に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布後、仕上げ焼鈍をす
る超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、
前記焼鈍分離剤塗布工程でIg−Loss値が0.4〜1.5
%のMgOを主成分とする焼鈍分離剤を用いることによ
って、極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の一次被膜を安定製造することに成功した。
する。本発明者は、いわゆる超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の一次被膜を、更に安定して得るべく種々の研究を
鋭意重ねた結果、Biを含んだMnSとAlNを主イン
ヒビターとする一方向性電磁鋼板用スラブを出発材とし
て加熱した後熱延し、熱延板焼鈍後仕上げ冷延、あるい
は中間焼鈍を含む複数の冷延、あるいは熱延板焼鈍後中
間焼鈍を含む複数の冷延によって製品板厚に仕上げた後
に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布後、仕上げ焼鈍をす
る超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法において、
前記焼鈍分離剤塗布工程でIg−Loss値が0.4〜1.5
%のMgOを主成分とする焼鈍分離剤を用いることによ
って、極めて磁束密度の高い超高磁束密度一方向性電磁
鋼板の一次被膜を安定製造することに成功した。
【0016】本発明の成分条件について説明する。Cは
0.03%未満では、熱延に先立つスラブ加熱時におい
て結晶粒が異常粒成長し、製品において線状細粒と呼ば
れる二次再結晶不良を起こすので好ましくない。一方
0.15%を超えた場合では、冷延後の脱炭焼鈍におい
て脱炭時間が長時間必要となり経済的でないばかりでな
く、脱炭が不完全となりやすく、製品での磁気時効と呼
ばれる磁性不良を起こすので好ましくない。
0.03%未満では、熱延に先立つスラブ加熱時におい
て結晶粒が異常粒成長し、製品において線状細粒と呼ば
れる二次再結晶不良を起こすので好ましくない。一方
0.15%を超えた場合では、冷延後の脱炭焼鈍におい
て脱炭時間が長時間必要となり経済的でないばかりでな
く、脱炭が不完全となりやすく、製品での磁気時効と呼
ばれる磁性不良を起こすので好ましくない。
【0017】Siは鋼の電気抵抗を高めて鉄損の一部を
構成する渦電流損失を低減するのに極めて有効な元素で
あるが、2.5%未満では製品の渦電流損失を抑制でき
ない。また4.0%を超えた場合では、加工性が著しく
劣化して常温での冷延が困難になるので好ましくない。
構成する渦電流損失を低減するのに極めて有効な元素で
あるが、2.5%未満では製品の渦電流損失を抑制でき
ない。また4.0%を超えた場合では、加工性が著しく
劣化して常温での冷延が困難になるので好ましくない。
【0018】Mnは二次再結晶を左右するインヒビター
と呼ばれるMnS、MnSeを形成する重要な元素であ
る。0.02%未満では、二次再結晶を生じさせるのに
必要なMnS等の絶対量が不足するので好ましくない。
一方、0.30%を超えた場合は、スラブ加熱時の固溶
が困難になるばかりでなく、熱延時の析出サイズが粗大
化しやすくインヒビターとしての最適サイズ分布が損な
われて好ましくない。S,Seは上述のMnとMnS,
MnSeを形成する重要な元素である。0.005〜
0.040%の範囲を逸脱すると十分なインヒビター効
果が得られないので、S,Seの一方または双方をこの
範囲に限定した。
と呼ばれるMnS、MnSeを形成する重要な元素であ
る。0.02%未満では、二次再結晶を生じさせるのに
必要なMnS等の絶対量が不足するので好ましくない。
一方、0.30%を超えた場合は、スラブ加熱時の固溶
が困難になるばかりでなく、熱延時の析出サイズが粗大
化しやすくインヒビターとしての最適サイズ分布が損な
われて好ましくない。S,Seは上述のMnとMnS,
MnSeを形成する重要な元素である。0.005〜
0.040%の範囲を逸脱すると十分なインヒビター効
果が得られないので、S,Seの一方または双方をこの
範囲に限定した。
【0019】酸可溶性Alは、高磁束密度一方向性電磁
鋼板のための主要インヒビター構成元素であり、0.0
15%未満では量的に不足してインヒビター強度が不足
するので好ましくない。一方、0.040%超ではイン
ヒビターとして析出させるAlNが粗大化し、結果とし
てインヒビター強度を低下させるので好ましくない。N
は上述の酸可溶性AlとAlNを形成する重要な元素で
ある。0.0030〜0.0150%の範囲を逸脱する
と、十分なインヒビター効果が得られないのでこの範囲
に限定した。
鋼板のための主要インヒビター構成元素であり、0.0
15%未満では量的に不足してインヒビター強度が不足
するので好ましくない。一方、0.040%超ではイン
ヒビターとして析出させるAlNが粗大化し、結果とし
てインヒビター強度を低下させるので好ましくない。N
は上述の酸可溶性AlとAlNを形成する重要な元素で
ある。0.0030〜0.0150%の範囲を逸脱する
と、十分なインヒビター効果が得られないのでこの範囲
に限定した。
【0020】更にSnについては薄手製品の二次再結晶
を安定して得る元素として有効であり、また二次再結晶
粒径を小さくする作用もある。この効果を得るために
は、0.05%以上の添加が必要であり、0.50%を
超えた場合にはその作用が飽和するのでコストアップの
点から0.50%以下に限定する。
を安定して得る元素として有効であり、また二次再結晶
粒径を小さくする作用もある。この効果を得るために
は、0.05%以上の添加が必要であり、0.50%を
超えた場合にはその作用が飽和するのでコストアップの
点から0.50%以下に限定する。
【0021】CuについてはSn添加鋼の一次被膜向上
元素として有効である。0.01%未満では効果が少な
く、0.10%を超えると製品の磁束密度が低下するの
で好ましくない。
元素として有効である。0.01%未満では効果が少な
く、0.10%を超えると製品の磁束密度が低下するの
で好ましくない。
【0022】Sb,Moについては薄手製品の二次再結
晶を安定して得る元素として有効である。この効果を得
るためには、Sb,Moの一方または双方を0.003
0%以上の添加が必要であり、0.30%を超えた場合
にはその作用が飽和するのでコストアップの点から0.
30%以下に限定する。
晶を安定して得る元素として有効である。この効果を得
るためには、Sb,Moの一方または双方を0.003
0%以上の添加が必要であり、0.30%を超えた場合
にはその作用が飽和するのでコストアップの点から0.
30%以下に限定する。
【0023】Biは本発明であるB8 ≧1.92Tの超
高磁束密度一方向性電磁鋼板の安定製造において、その
出発材であるスラブ中に必須の元素である。すなわち、
磁束密度向上効果がある。0.0005%未満ではその
効果が十分に得られず、また0.05%を超えた場合は
磁束密度向上効果が飽和するだけでなく、熱延コイルの
端部に割れが発生するので好ましくない。
高磁束密度一方向性電磁鋼板の安定製造において、その
出発材であるスラブ中に必須の元素である。すなわち、
磁束密度向上効果がある。0.0005%未満ではその
効果が十分に得られず、また0.05%を超えた場合は
磁束密度向上効果が飽和するだけでなく、熱延コイルの
端部に割れが発生するので好ましくない。
【0024】次に、本発明である一次被膜安定製造によ
る密着性の向上と鉄損改善の方法について説明する。上
記のごとく成分を調整した超高磁束密度一方向性電磁鋼
板製造用溶鋼は、通常の方法で鋳造する。特に鋳造方法
に限定はない。次いで通常の熱間圧延によって熱延コイ
ルに圧延される。
る密着性の向上と鉄損改善の方法について説明する。上
記のごとく成分を調整した超高磁束密度一方向性電磁鋼
板製造用溶鋼は、通常の方法で鋳造する。特に鋳造方法
に限定はない。次いで通常の熱間圧延によって熱延コイ
ルに圧延される。
【0025】引き続いて、熱延板焼鈍後仕上げ冷延、あ
るいは中間焼鈍を含む複数の冷延、あるいは熱延板焼鈍
後中間焼鈍を含む複数の冷延によって製品板厚に仕上げ
るわけであるが、仕上げ冷延前の焼鈍では結晶組織の均
質化と、AlNの析出制御を行う。
るいは中間焼鈍を含む複数の冷延、あるいは熱延板焼鈍
後中間焼鈍を含む複数の冷延によって製品板厚に仕上げ
るわけであるが、仕上げ冷延前の焼鈍では結晶組織の均
質化と、AlNの析出制御を行う。
【0026】その後、連続脱炭焼鈍を施した後仕上げ焼
鈍をする前に、Ig−Loss値が0.4〜1.5%のMgO
を主成分とする焼鈍分離剤として塗布することを本発明
は特徴としている。焼鈍分離剤塗布後は仕上げ焼鈍、連
続歪取り焼鈍・二次被膜塗布および焼き付けを行う。更
に、必要に応じてレーザ照射、溝形成等の磁区細分化処
理を施す。
鈍をする前に、Ig−Loss値が0.4〜1.5%のMgO
を主成分とする焼鈍分離剤として塗布することを本発明
は特徴としている。焼鈍分離剤塗布後は仕上げ焼鈍、連
続歪取り焼鈍・二次被膜塗布および焼き付けを行う。更
に、必要に応じてレーザ照射、溝形成等の磁区細分化処
理を施す。
【0027】これまで超高磁束密度一方向性電磁鋼板の
製造における一次被膜形成については特に言及されてい
なかった。例えば、特開平6−88171号公報では全
く述べられていない。それにもかかわらず、一次被膜不
良になる場合があり、安定製造には至っていないのが現
状である。
製造における一次被膜形成については特に言及されてい
なかった。例えば、特開平6−88171号公報では全
く述べられていない。それにもかかわらず、一次被膜不
良になる場合があり、安定製造には至っていないのが現
状である。
【0028】しかし脱炭焼鈍を施した後仕上げ焼鈍をす
る前に、Ig−Loss値が0.4〜1.5%のMgOを主成
分とする焼鈍分離剤を塗布することが、{110}<0
01>方位集積度の極めて優れた一方向性電磁鋼板の一
次被膜の安定形成に極めて重要であることが判明した。
る前に、Ig−Loss値が0.4〜1.5%のMgOを主成
分とする焼鈍分離剤を塗布することが、{110}<0
01>方位集積度の極めて優れた一方向性電磁鋼板の一
次被膜の安定形成に極めて重要であることが判明した。
【0029】図1に、C:0.080%、Si:3.2
8%、Mn:0.08%、S:0.024%、酸可溶性
Al:0.025%、N:0.0088%、Bi:0〜
0.0500%を含有するスラブを通常工程で脱炭焼鈍
まで行い、その後Ig−Loss値が0.3〜2.5%のMg
Oを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板片面あたり4g/m2
塗布し、後工程処理した時のBi含有量と、MgOのIg
−Loss値と、一次被膜密着評点とを示す。評点は以下の
ようにして決めた。20mm径の丸棒に沿って製品を曲げ
ても剥離しない場合をA、30mm径の丸棒に沿って製品
を曲げても剥離しない場合をB、30mm径の丸棒に沿っ
て製品を曲げると剥離する場合をCとした。すなわち、
評点Aが最も良好で、以下B、Cと続く。
8%、Mn:0.08%、S:0.024%、酸可溶性
Al:0.025%、N:0.0088%、Bi:0〜
0.0500%を含有するスラブを通常工程で脱炭焼鈍
まで行い、その後Ig−Loss値が0.3〜2.5%のMg
Oを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板片面あたり4g/m2
塗布し、後工程処理した時のBi含有量と、MgOのIg
−Loss値と、一次被膜密着評点とを示す。評点は以下の
ようにして決めた。20mm径の丸棒に沿って製品を曲げ
ても剥離しない場合をA、30mm径の丸棒に沿って製品
を曲げても剥離しない場合をB、30mm径の丸棒に沿っ
て製品を曲げると剥離する場合をCとした。すなわち、
評点Aが最も良好で、以下B、Cと続く。
【0030】図1より、Bi含有量が5ppm 未満の場合
は、焼鈍分離剤のIg−Loss値が0.4%未満や1.5%
を超えても一次被膜評点がAであるが、Bi含有量が5
ppm以上の場合は、0.4〜1.5%でAであり、この
範囲外ではB、Cであることがわかる。
は、焼鈍分離剤のIg−Loss値が0.4%未満や1.5%
を超えても一次被膜評点がAであるが、Bi含有量が5
ppm以上の場合は、0.4〜1.5%でAであり、この
範囲外ではB、Cであることがわかる。
【0031】図2は、C:0.078%、Si:3.2
2%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸可溶性
Al:0.025%、N:0.0078%、Bi:0.
0050%を含有するスラブを通常工程で脱炭焼鈍まで
行い、その後Ig−Loss値が0.3〜2.2%のMgOを
主成分とする焼鈍分離剤を鋼板片面あたり4g/m2 塗布
し、後工程処理した時の、Ig−Loss値と一次被膜量と鉄
損W17/50 を示す。
2%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸可溶性
Al:0.025%、N:0.0078%、Bi:0.
0050%を含有するスラブを通常工程で脱炭焼鈍まで
行い、その後Ig−Loss値が0.3〜2.2%のMgOを
主成分とする焼鈍分離剤を鋼板片面あたり4g/m2 塗布
し、後工程処理した時の、Ig−Loss値と一次被膜量と鉄
損W17/50 を示す。
【0032】図2より、Ig−Loss値を0.4〜2.5%
とすることによって、一次被膜量が2.5g/m2 以上得
られるため付与張力も十分となり、優れた鉄損が得られ
ていることがわかる。
とすることによって、一次被膜量が2.5g/m2 以上得
られるため付与張力も十分となり、優れた鉄損が得られ
ていることがわかる。
【0033】これは、以下のことが主原因と考えてい
る。仕上げ焼鈍は一般的にコイル状で行われるが、Mg
Oを主成分とする焼鈍分離剤によって持ち込まれた水分
によって必要を超えて酸化度が高まると、Bi系酸化物
とSi系酸化物やAl系酸化物との間に低融点複合酸化
物が生成し、一次被膜形成不良が生じる。逆にMgOを
主成分とする焼鈍分離剤によって持ち込まれた水分によ
って必要を超えて酸化度が下がると、一次被膜の主化合
物となるMg2 SiO4 の形成反応が進まず、一次被膜
形成不良が生じる。しかし、焼鈍分離剤のIg−Loss値を
適正に制御することによって、一次被膜形成が安定して
行われたと考えられる。
る。仕上げ焼鈍は一般的にコイル状で行われるが、Mg
Oを主成分とする焼鈍分離剤によって持ち込まれた水分
によって必要を超えて酸化度が高まると、Bi系酸化物
とSi系酸化物やAl系酸化物との間に低融点複合酸化
物が生成し、一次被膜形成不良が生じる。逆にMgOを
主成分とする焼鈍分離剤によって持ち込まれた水分によ
って必要を超えて酸化度が下がると、一次被膜の主化合
物となるMg2 SiO4 の形成反応が進まず、一次被膜
形成不良が生じる。しかし、焼鈍分離剤のIg−Loss値を
適正に制御することによって、一次被膜形成が安定して
行われたと考えられる。
【0034】高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造におい
て、一次被膜を安定的に形成させる方法は、これまでに
様々述べられている。例えば、特開昭59−56582
号公報、特開昭62−54085号公報、特開平2−2
59017号公報、特開平1−4427号公報が挙げら
れる。これらはいずれも焼鈍分離剤中の成分を規定した
り、焼鈍分離剤塗布量を規定したり、脱炭焼鈍によって
形成された表面酸化層の性質を規定したり、あるいは仕
上げ焼鈍における脱Nに絡んだ条件を規定するものであ
る。
て、一次被膜を安定的に形成させる方法は、これまでに
様々述べられている。例えば、特開昭59−56582
号公報、特開昭62−54085号公報、特開平2−2
59017号公報、特開平1−4427号公報が挙げら
れる。これらはいずれも焼鈍分離剤中の成分を規定した
り、焼鈍分離剤塗布量を規定したり、脱炭焼鈍によって
形成された表面酸化層の性質を規定したり、あるいは仕
上げ焼鈍における脱Nに絡んだ条件を規定するものであ
る。
【0035】これらに対し本発明は、一次被膜形成に多
大な影響を及ぼす地鉄中のBiに着目して、その酸化物
がSi系酸化物やAl系酸化物との間に低融点複合酸化
物を生成することにより一次被膜不良を生じさせると考
えているところが大きく違う。そしてその挙動を焼鈍分
離剤のIg−Loss値によって制御しようとするものであ
り、従来技術とはまったく異なる。
大な影響を及ぼす地鉄中のBiに着目して、その酸化物
がSi系酸化物やAl系酸化物との間に低融点複合酸化
物を生成することにより一次被膜不良を生じさせると考
えているところが大きく違う。そしてその挙動を焼鈍分
離剤のIg−Loss値によって制御しようとするものであ
り、従来技術とはまったく異なる。
【0036】
[実施例1]C:0.078%、Si:3.25%、M
n:0.08%、S:0.025%、酸可溶性Al:
0.025%、N:0.0084%、Bi:0.002
0%を含有するスラブを1360℃で加熱後直ちに熱延
して2.2mm厚の熱延コイルとした。熱延コイルに10
80℃の焼鈍を施し、一回冷延で0.220mm厚とした
後、850℃で脱炭焼鈍を行った。
n:0.08%、S:0.025%、酸可溶性Al:
0.025%、N:0.0084%、Bi:0.002
0%を含有するスラブを1360℃で加熱後直ちに熱延
して2.2mm厚の熱延コイルとした。熱延コイルに10
80℃の焼鈍を施し、一回冷延で0.220mm厚とした
後、850℃で脱炭焼鈍を行った。
【0037】その後Ig−Loss値が0.3〜2.2%のT
iO2 が7%添加されたMgO焼鈍分離剤を鋼板に塗布
し、1200℃の仕上げ焼鈍、二次被膜塗布、さらには
レーザ照射による磁区制御を行った。仕上げ焼鈍後に一
次被膜を測定し、磁区制御後に鉄損を測定した。一次被
膜量と鉄損W17/50 を表1に示す。
iO2 が7%添加されたMgO焼鈍分離剤を鋼板に塗布
し、1200℃の仕上げ焼鈍、二次被膜塗布、さらには
レーザ照射による磁区制御を行った。仕上げ焼鈍後に一
次被膜を測定し、磁区制御後に鉄損を測定した。一次被
膜量と鉄損W17/50 を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より明らかなように、Ig−Loss値が
0.4〜1.5%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜厚みが形成されている。また、このことによって0.
7W/kg以上の極めて優れた鉄損が得られている。
0.4〜1.5%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜厚みが形成されている。また、このことによって0.
7W/kg以上の極めて優れた鉄損が得られている。
【0040】[実施例2]C:0.075%、Si:
3.22%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.024%、N:0.0084%、S
n:0.12%、Bi:0.0031%を含有するスラ
ブを1330℃で加熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱
延コイルとした。酸洗後1.60mmに予備冷延し、10
00℃の焼鈍後0.200mmとした。
3.22%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.024%、N:0.0084%、S
n:0.12%、Bi:0.0031%を含有するスラ
ブを1330℃で加熱後直ちに熱延して2.3mm厚の熱
延コイルとした。酸洗後1.60mmに予備冷延し、10
00℃の焼鈍後0.200mmとした。
【0041】その後MgOにTiO2 が10%、Na2
B4 O7 が0.6%添加されたIg−Loss値が0.2〜
1.8%の焼鈍分離剤を鋼板に塗布し、1200℃の仕
上げ焼鈍、二次被膜塗布、さらにはレーザ照射による磁
区制御を行った。仕上げ焼鈍後に一次被膜を測定し、磁
区制御後に鉄損を測定した。一次被膜評点と、一次被膜
量と、鉄損W17/50 とを表2に示す。評点はAが一番良
好で、以下B、Cと続く。
B4 O7 が0.6%添加されたIg−Loss値が0.2〜
1.8%の焼鈍分離剤を鋼板に塗布し、1200℃の仕
上げ焼鈍、二次被膜塗布、さらにはレーザ照射による磁
区制御を行った。仕上げ焼鈍後に一次被膜を測定し、磁
区制御後に鉄損を測定した。一次被膜評点と、一次被膜
量と、鉄損W17/50 とを表2に示す。評点はAが一番良
好で、以下B、Cと続く。
【0042】
【表2】
【0043】表2より明らかなように、Ig−Loss値が
0.4〜1.4%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜量と一次被膜密着性評点Aが得られている。また、こ
のことによって0.70W/kg以上の極めて優れた鉄損が
得られている。
0.4〜1.4%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜量と一次被膜密着性評点Aが得られている。また、こ
のことによって0.70W/kg以上の極めて優れた鉄損が
得られている。
【0044】[実施例3]C:0.078%、Si:
3.30%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.029%、N:0.0084%、S
n:0.14%、Cu:0.060%を含有する溶鋼に
Biを0.0122%添加含有したスラブを1350℃
で加熱後直ちに熱延して2.0mm厚の熱延コイルとし
た。熱延コイルに1050℃の焼鈍を施し、二回冷延で
0.220mm厚とした後、840℃で脱炭焼鈍を行っ
た。
3.30%、Mn:0.08%、S:0.025%、酸
可溶性Al:0.029%、N:0.0084%、S
n:0.14%、Cu:0.060%を含有する溶鋼に
Biを0.0122%添加含有したスラブを1350℃
で加熱後直ちに熱延して2.0mm厚の熱延コイルとし
た。熱延コイルに1050℃の焼鈍を施し、二回冷延で
0.220mm厚とした後、840℃で脱炭焼鈍を行っ
た。
【0045】その後、TiO2 が8%、Sb2 (S
O4 )3 が0.1%添加されたIg−Loss値が0.2〜
1.6%のMgO焼鈍分離剤を鋼板に塗布後、1180
℃の仕上げ焼鈍を行った。水洗後、一次被膜を測定し
た。一次被膜密着性評点と、一次被膜量を表3に示す。
評点はAが一番良好で、以下B、Cと続く。
O4 )3 が0.1%添加されたIg−Loss値が0.2〜
1.6%のMgO焼鈍分離剤を鋼板に塗布後、1180
℃の仕上げ焼鈍を行った。水洗後、一次被膜を測定し
た。一次被膜密着性評点と、一次被膜量を表3に示す。
評点はAが一番良好で、以下B、Cと続く。
【0046】
【表3】
【0047】表3より明らかなように、Ig−Loss値が
0.6〜1.4%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜厚みが評点Aで得られている。
0.6〜1.4%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜厚みが評点Aで得られている。
【0048】[実施例4]C:0.078%、Si:
3.30%、Mn:0.08%、Se:0.025%、
酸可溶性Al:0.025%、N:0.0084%、S
b:0.022%、Mo:0.014%、Bi:0.0
080%を含有するスラブを1350℃で加熱後直ちに
熱延して2.3mm厚の熱延コイルとした。1000℃の
中間焼鈍を含む二回冷延で0.220mm厚とした後、8
60℃で脱炭焼鈍を行った。
3.30%、Mn:0.08%、Se:0.025%、
酸可溶性Al:0.025%、N:0.0084%、S
b:0.022%、Mo:0.014%、Bi:0.0
080%を含有するスラブを1350℃で加熱後直ちに
熱延して2.3mm厚の熱延コイルとした。1000℃の
中間焼鈍を含む二回冷延で0.220mm厚とした後、8
60℃で脱炭焼鈍を行った。
【0049】その後MgOにTiO2 が10%、SrS
O4 が0.3%添加された0.1〜2.3%のIg−Loss
値を有した焼鈍分離剤を鋼板に塗布後、1200℃の仕
上げ焼鈍を行った。水洗後、一次被膜を測定した。一次
被膜密着性評点と、一次被膜量を表4に示す。評点はA
が一番良好で、以下B、Cと続く。
O4 が0.3%添加された0.1〜2.3%のIg−Loss
値を有した焼鈍分離剤を鋼板に塗布後、1200℃の仕
上げ焼鈍を行った。水洗後、一次被膜を測定した。一次
被膜密着性評点と、一次被膜量を表4に示す。評点はA
が一番良好で、以下B、Cと続く。
【0050】
【表4】
【0051】表4より明らかなように、Ig−Loss値が
0.4〜1.2%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜厚みが評点Aで得られている。
0.4〜1.2%で、2.5g/m2 以上の良好な一次被
膜厚みが評点Aで得られている。
【0052】
【発明の効果】Biを添加含有した一方向性電磁鋼板用
スラブから得た熱延コイルを、熱延板焼鈍後仕上げ冷
延、あるいは中間焼鈍を含む複数の冷延、あるいは熱延
板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延によって製品板厚に
仕上げた後に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布後、仕上
焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、Ig−Loss値が0.4〜1.5%の焼鈍分離剤を
塗布することによって、一次被膜の良好な超高磁束密度
一方向性電磁鋼板が得られるとともに、磁区細分化処理
後の鉄損特性も極めて優れており、工業的に価値の高い
有益なものといえる。
スラブから得た熱延コイルを、熱延板焼鈍後仕上げ冷
延、あるいは中間焼鈍を含む複数の冷延、あるいは熱延
板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延によって製品板厚に
仕上げた後に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布後、仕上
焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、Ig−Loss値が0.4〜1.5%の焼鈍分離剤を
塗布することによって、一次被膜の良好な超高磁束密度
一方向性電磁鋼板が得られるとともに、磁区細分化処理
後の鉄損特性も極めて優れており、工業的に価値の高い
有益なものといえる。
【図1】 Bi含有量と、焼鈍分離剤のIg−Loss値と、
一次被膜密着性評点との関係を示す図表である
一次被膜密着性評点との関係を示す図表である
【図2】 焼鈍分離剤のIg−Loss値と、一次被膜量と、
鉄損W17/50 との関係を示す図表である。
鉄損W17/50 との関係を示す図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筑摩 顯太郎 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 難波 英一 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵株 式会社広畑製鐵所内
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの一方または双方:0.005〜0.04
0%、 酸可溶性Al:0.015〜0.040%、 N :0.0030〜0.0150%、 Bi:0.0005〜0.05% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを出発材として加熱した後熱延し、熱延板焼鈍後仕
上げ冷延、あるいは中間焼鈍を含む複数の冷延、あるい
は熱延板焼鈍後中間焼鈍を含む複数の冷延によって製品
板厚に仕上げた後に、脱炭焼鈍し、焼鈍分離剤を塗布
後、仕上焼鈍をする超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製
造方法において、Ig−Loss値が0.4〜1.5%のMg
Oを主成分とする焼鈍分離剤を塗布することを特徴とす
る超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの一方または双方:0.005〜0.04
0%、 酸可溶性Al:0.015〜0.040%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%、 Bi:0.0005〜0.05% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを出発材とした請求項1記載の超高磁束密度一方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの一方または双方:0.005〜0.04
0%、 酸可溶性Al:0.015〜0.040%、 N :0.0030〜0.0150%、 Sn:0.05〜0.50%、 Cu:0.01〜0.10%、 Bi:0.0005〜0.05% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを出発材とした請求項1記載の超高磁束密度一方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 重量%で、 C :0.03〜0.15%、 Si:2.5〜4.0%、 Mn:0.02〜0.30%、 SおよびSeの一方または双方:0.005〜0.04
0%、 酸可溶性Al:0.015〜0.040%、 N :0.0030〜0.0150%、 SbおよびMoの一方または双方:0.0030〜0.
3%、 Bi:0.0005〜0.05% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるス
ラブを出発材とした請求項1記載の超高磁束密度一方向
性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8181845A JPH1025516A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8181845A JPH1025516A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025516A true JPH1025516A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16107829
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8181845A Pending JPH1025516A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1025516A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006137972A (ja) * | 2004-11-10 | 2006-06-01 | Jfe Steel Kk | クロムレス被膜付き方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
US7981223B2 (en) | 2001-07-16 | 2011-07-19 | Nippon Steel Corporation | Ultra-high magnetic flux density grain-oriented electrical steel sheet excellent in iron loss at a high magnetic flux density and film properties and method for producing the same |
-
1996
- 1996-07-11 JP JP8181845A patent/JPH1025516A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7981223B2 (en) | 2001-07-16 | 2011-07-19 | Nippon Steel Corporation | Ultra-high magnetic flux density grain-oriented electrical steel sheet excellent in iron loss at a high magnetic flux density and film properties and method for producing the same |
JP2006137972A (ja) * | 2004-11-10 | 2006-06-01 | Jfe Steel Kk | クロムレス被膜付き方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
JP4682590B2 (ja) * | 2004-11-10 | 2011-05-11 | Jfeスチール株式会社 | クロムレス被膜付き方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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A02 | Decision of refusal |
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