JPH10183089A - 中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法

Info

Publication number
JPH10183089A
JPH10183089A JP35548496A JP35548496A JPH10183089A JP H10183089 A JPH10183089 A JP H10183089A JP 35548496 A JP35548496 A JP 35548496A JP 35548496 A JP35548496 A JP 35548496A JP H10183089 A JPH10183089 A JP H10183089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
module
potting
epoxy resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35548496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3250655B2 (ja
Inventor
Kenji Watari
謙治 亘
Mitsuo Chiga
允雄 千賀
Satoru Takeda
哲 竹田
Masumi Kobayashi
真澄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP35548496A priority Critical patent/JP3250655B2/ja
Publication of JPH10183089A publication Critical patent/JPH10183089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3250655B2 publication Critical patent/JP3250655B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜モジュールの製造における中空糸膜
の開口端を形成するためのポッティング部分を高温に加
温することなく切断できるポッティング剤を提供し、ま
た50℃以上の温度での膜処理に安定に適用される中空
糸膜モジュールを提供する。 【解決手段】 ポッティング剤を、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(A)、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)及
びポリアミン系硬化剤(C)で構成し、また該ポッティ
ング剤にてモジュールケース内に配した多孔質中空糸膜
端部をポッティングした中空糸膜モジュール、並びに該
ポッティング剤を用いた中空糸膜モジュールの製造方法
において、ポッティング部分を65〜130℃に加温し
て切断し多孔質中空糸膜の開口端を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空糸膜モジュー
ル用のポッティング剤及びそのポッティング剤を用いた
中空糸膜モジュール並びにその中空糸膜モジュールの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、膜モジュールは、医療分野や食品
分野等で液体や気体の濾過或いは分離に多用され、さら
に他の分野へもその利用範囲が広がりつつあるが、その
用途の広まりと共に膜モジュールの要求性能として特に
耐熱性、耐薬品性が求められている。また、耐熱性、耐
薬品性が求められる分野でも膜モジュールの形態として
膜モジュール容積当たりの膜面積が平膜よりも大きな中
空糸膜を用いた中空糸膜モジュールが用いられるように
なってきている。
【0003】中空糸膜モジュールは、中空糸膜、モジュ
ールケース、ポッティング剤にて構成されるが、耐熱性
中空糸膜モジュールとするには、これら構成素材を耐熱
性のあるものとすればよい。例えば、耐熱性中空糸膜と
して、ポリスルホン、ポリプロピレン等の耐熱性の素材
から構成された中空糸膜が、また耐熱性モジュールケー
スとして、既存の各種耐熱性素材から構成されたモジュ
ールケースが用いられるが、ポッティング剤について
は、耐熱性の点では満足できるが、耐熱性の中空糸膜と
モジュールケースとの接着性の点で十分満足すべきもの
が少ないのが実状である。
【0004】従来、中空糸膜モジュールのポッティング
剤としては、種々提案され、中空糸膜モジュールが50
℃以上の温度での膜処理に適用される場合は、耐熱性を
有するエポキシ系樹脂が用いられる。例えば、若干耐熱
性は劣るもののポリエチレン中空糸膜を用いた耐熱性中
空糸膜モジュールにおけるポッティング剤としてビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、ポリサルファイド液状ゴムま
たはポリサルファイド結合を有するエポキシ樹脂及び脂
環式アミンからなるエポキシ系樹脂が知られている。
【0005】しかしながら、耐熱性を有するエポキシ系
樹脂をポッティング剤として用いる中空糸膜モジュール
の製造において、モジュール端部に中空糸膜の開口端を
形成するためにポッティング部分を切断する際、耐熱性
を有するエポキシ系樹脂の硬化物は通常その硬度が大き
く極めて硬いので、切断すべきポッティング部分を例え
ば140℃以上もの高温に加温する必要がある。従っ
て、切断の度にポッティング部分の切断すべき箇所を所
定の温度にするまでに時間を要し、効率的に中空糸膜モ
ジュールを生産することが困難であり、また、ポッティ
ング部分を加温して切断しても、切断を繰り返すと切断
に用いる刃の寿命を縮める問題も生じる。
【0006】さらに、中空糸膜として均質層をその両側
から多孔質層で挟み込んだ三層膜構造の中空糸膜を用
い、エポキシ系樹脂でポッティングして中空糸膜モジュ
ールを製造する場合、エポキシ系樹脂は、中空糸膜の外
層の多孔質層に含浸し内層の均質層に浸透して硬化接着
するが、エポキシ系樹脂と均質層のポリマーとの接着性
が低い場合は、ポッティング部分の切断時の衝撃で多孔
質層と均質層との界面で均質層の内層が剥離することが
あり、特にポッティング部分を高温に加温して切断する
場合は、多孔質層と均質層との界面での剥離が起こり易
くなり、剥離による中空糸膜の開口部の閉塞を生ずる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中空
糸膜モジュールの製造において、モジュール端部に中空
糸膜の開口端を形成するためにポッティング部分を切断
する際にポッティング部分を高温に加温することなく切
断でき、また三層膜構造の中空糸膜を用いてもポッティ
ング部分の切断の際の中空糸膜の剥離を抑え、耐熱性の
中空糸膜モジュールの製造を容易にするポッティング剤
を提供し、また50℃以上の温度での膜処理に安定に適
用される中空糸膜モジュールを生産性よく提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂(A)、ウレタン変性エポキシ樹脂
(B)及びポリアミン系硬化剤(C)からなることを特
徴とする中空糸膜モジュール用ポッティング剤、
【0009】及び、前記のポッティング剤にてモジュー
ルケース内に配した多孔質中空糸膜の端部がポッティン
グされてなることを特徴とする中空糸膜モジュール、
【0010】並びに、前記のポッティング剤を用い、モ
ジュールケース内に配した多孔質中空糸膜の端部をポッ
ティングして中空糸膜モジュールを製造する方法におい
て、ポッティング部分を切断してモジュール端部面に多
孔質中空糸膜の開口端を形成させる際、ポッティング部
分を65〜130℃に加温して切断することを特徴とす
る中空糸膜モジュールの製造方法、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のポッティング剤を構成す
るビスフェノール型エポキシ樹脂(A)は、各種のビス
フェノールにエピクロルヒドリンを反応させてなるもの
であり、ビスフェノールとしては、例えばフェノールと
アセトンとの縮合で生成されるビスフェノールA、フェ
ノールとホルマリンとの縮合で生成されるビスフェノー
ルF、フェノールと硫酸との縮合で生成されるビスフェ
ノールS、水素添加ビスフェノールA、ブロムやフッ素
等のハロゲン化ビスフェノールA等が挙げられる。
【0012】ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)のエ
ポキシ当量は、特に制限はないが、その硬化物の耐熱性
の点から130以上、粘度が高過ぎなく取扱い性のよい
点から500以下であることが好ましく、150〜35
0であることがより好ましい。
【0013】ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)とと
もにポッティング剤を構成するウレタン変性エポキシ樹
脂(B)は、末端にエポキシ基を有し、その分子内にウ
レタン結合を有する化合物であればどのようなものでも
よく、また、ウレタンでの変性の程度は、その硬化物の
物性を極端に低下させない範囲のものであればよい。ウ
レタン変性エポキシ樹脂(B)としては、例えば特公平
1−51494号公報に記載されているような、エポキ
シ基とヒドロキシル基を有する化合物と、末端にイソシ
アネート基を有するウレタン結合含有化合物とを反応さ
せて得られるウレタン変性エポキシ樹脂等が用いられ
る。
【0014】ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)とウ
レタン変性エポキシ樹脂(B)との配合比A/Bは、樹
脂粘度、硬化速度、硬化時の発熱、硬化物の強度等の点
から、重量比で1/9〜9/1であることが好ましい。
【0015】また、ポリアミン系硬化剤(C)として
は、公知の任意のポリアミンが用いられ、例えばジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の直
鎖脂肪族アミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミ
ン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン等の脂環式アミン、メタキシリ
レンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニ
レンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族
アミン、ポリアミドアミン等が挙げられ、これらは単独
または混合して用いられる。
【0016】ポリアミン系硬化剤(C)は、主剤のビス
フェノール型エポキシ樹脂(A)とウレタン変性エポキ
シ樹脂(B)との合計エポキシ当量と同じ当量分となる
量がビスフェノール型エポキシ樹脂(A)とウレタン変
性エポキシ樹脂(B)の配合物に配合される。
【0017】本発明のポッティング剤は、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂にウレタン変性エポキシ樹脂が配合さ
れることにより、その硬化物が比較的柔らかく中空糸膜
モジュール製造時のポッティング部分の切断もポッティ
ング部分を僅かな加温で行えることから、中空糸膜モジ
ュール用のポッティング剤として好適なるものであり、
また、その硬化物が耐熱性を有することから、特に耐熱
性中空糸膜モジュールの製造に好ましく用いられ、本発
明には、かかるポッティング剤を用いた中空糸膜モジュ
ール並びにその製造方法を包含する。
【0018】本発明の中空糸膜モジュールは、前記本発
明のポッティング剤にてモジュールケース内に配した多
孔質中空糸膜の端部がポッティングされてなるものであ
り、より詳しくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂
(A)、ウレタン変性エポキシ樹脂(B)及びポリアミ
ン系硬化剤(C)からなるポッティング剤がモジュール
ケース内に配した多孔質中空糸膜の端部に注入され、硬
化されて多孔質中空糸膜端部の開口状態を保ってモジュ
ールケース及び多孔質中空糸膜相互が接着固定状態にポ
ッティングされてなるものである。
【0019】本発明の中空糸膜モジュールを構成する多
孔質中空糸膜としては、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレ
フィン、ポリスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリアミド等の素材からなる多孔質中
空糸膜が挙げられる。また、多孔質中空糸膜は、その膜
構造には特に制限はなく、液体または気体の濾過或いは
分離機能を有するものが用いられるが、ポッティング後
の切断工程が穏やかな条件で行えることから、多孔質中
空糸膜は、切断時に層間の剥離が生じ易い多層膜構造の
多孔質中空糸膜、例えば均質層をその両側から多孔質層
で挟み込んだ三層膜構造の多孔質中空糸膜であってもよ
く、またかかる三層膜構造の多孔質中空糸膜を用いるこ
とは中空糸膜モジュールを水の脱気、ガス分離、ガス添
加等の膜処理に用い得ることからも好ましいことであ
る。
【0020】用いられる三層膜構造の多孔質中空糸膜と
しては、多孔質層がポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ(3−メチルブテン−1)、ポリ(4−メチルペンテ
ン−1)等のポリオレフィン系ポリマー、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポ
リマー、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルケトン等の疎水性ポリマーからなり、均質
層がポリジメチルシロキサン、シリコンとポリカーボネ
ートのコポリマー等のシリコンゴム系ポリマー、低密度
ポリエチレン等のポリオレフィン系ポリマー、パーフル
オロアルキル系ポリマー等のフッ素含有ポリマー、エチ
ルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリ(4−ビニルピリジン)、ウレタン
系ポリマー等のポリマーからなるものが用いられる。
【0021】特に均質層がウレタン系ポリマーからなる
三層膜構造の多孔質中空糸膜は、多孔質層に含浸したポ
ッティング剤と均質層との接着性が極めて良好で、ポッ
ティング部分の切断時の多孔質中空糸膜の多孔質層と均
質層との界面での剥離を抑え、剥離による中空糸膜端部
の開口部の閉塞が防がれることから好ましいものであ
る。
【0022】モジュールケースは、金属製であってもよ
いが、加工性や価格の面から樹脂製であることが好まし
く、モジュールケースとしては、例えばポリ塩化ビニル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、アクリル系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポ
リフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂等の
素材からなるなるものが用いられる。特に溶剤濾過やベ
ーパーレーション等の用途において、中空糸膜モジュー
ルに耐溶剤性が要求される場合、ポリプロピレン製のモ
ジュールケースを用いることが好ましい。
【0023】また、ポッティング剤とモジュールケース
との接着性を向上させるためにモジュールケースの内表
面が表面処理されていてもよく、例えばポリプロピレン
製モジュールケースであれば、プラズマ放電処理、コロ
ナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、クロム混酸処理、
n−ヘキサン処理、プライマー処理、粗面化処理等を単
独或いは組み合わせて施される。
【0024】また、本発明の中空糸膜モジュールは、前
記本発明のポッティング剤を用い、モジュールケース内
に配した多孔質中空糸膜の端部をポッティングして本発
明の中空糸膜モジュールを製造する方法において、ポッ
ティング部分を切断してモジュール端部面に多孔質中空
糸膜の開口端を形成させる際、ポッティング部分を65
〜130℃、好ましくは70〜110℃に加温した状態
て切断する方法により製造される。
【0025】ポッティング部分の切断の際のポッティン
グ部分の加温温度が65℃未満では、ポッティング剤の
硬化物がまだ硬いため切断し難く、加温温度が130℃
を超えると、多孔質中空糸膜とポッティング剤との接着
界面での剥離が生じ易くなる。特に多孔質中空糸膜とし
て三層膜構造の多孔質中空糸膜を用いた場合、ポッティ
ング部分を65〜130℃に加温することにより外側の
多孔質層に含浸したポッティング剤と均質層との接着界
面における良好な接着性を保ち、切断時の衝撃でも多孔
質層と均質層との界面での剥離が生ぜず、モジュール端
部面に多孔質中空糸膜の良好な開口端を有する中空糸膜
モジュールが得られる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0027】(実施例1)エピコート828(油化シェ
ル(株)製、ビスフェノール型エポキシ樹脂)39.8
重量部、エピクロンTSR−243(大日本インキ
(株)製、ウレタン変性エポキシ樹脂)38.8重量
部、PACM(アンカーケミカル(株)製、硬化剤:ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタン)20.4重量
部を配合しポッティング剤を調製した。得られたポッテ
ィング剤の80℃で15時間硬化させた後の硬化物の物
性は、曲げ強度9.5kg/mm2、曲げ弾性率203
kg/mm2、強度(ショアーD)83、ガラス転移温
度87℃であった。
【0028】中空糸膜としてポリエチレンを溶融中空紡
糸して得た平均孔径0.2μmの多孔質中空糸膜(外径
380μm、内径270μm)を用い、長さ約50cm
の多孔質中空糸膜3500本をU字状にし、その端部を
揃えて筒状のポリカーボネート製モジュールケース内に
挿入して配し、多孔質中空糸膜束端部の開口端を熱融着
により目止めした後、多孔質中空糸膜束端部に前記ポッ
ティング剤を注入し多孔質中空糸膜をポッティングし
た。
【0029】ポッティングは、ポッティング剤70gの
注入を40℃で40Gの遠心力作用下で3時間かけて行
い、80℃で15時間の硬化処理をした。その後ポッテ
ィング剤により接着固定された多孔質中空糸膜束端部の
ポッティング部分を切断して多孔質中空糸膜に開口端を
形成した。このポッティング部分の切断の際には、ポッ
ティング部分を95℃に加温したが、多孔質中空糸膜の
開口端には多孔質中空糸膜の多孔質層での剥離は見られ
なかった。
【0030】得られた中空糸膜モジュールのリーク検査
は、リオン社製パーティクルカウンターを用い、大気中
の0.3μm以上の微粒子の除去性能を評価して行った
が、0.3μm以上の微粒子の漏れは認められなかっ
た。また、得られた中空糸膜モジュールをエタノールで
濡らした後水で置換する親水化処理し、60℃の水を差
圧2.0kg/cm2で6ヶ月間通水した。通水中、中
空糸膜モジュールのポッティング部分の損傷はなく、通
水6ヶ月後多孔質中空糸膜を乾燥して前記のリーク検査
を行ったが、0.3μm以上の微粒子の漏れは認められ
なかった。
【0031】(実施例2)エピコート828(油化シェ
ル(株)製、ビスフェノール型エポキシ樹脂)30重量
部、エピクロンTSR−243(大日本インキ(株)
製、ウレタン変性エポキシ樹脂)49.8重量部、PA
CM(アンカーケミカル(株)製、硬化剤:ビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタン)20.2重量部を配合
しポッティング剤を調製した。得られたポッティング剤
の80℃で15時間硬化させた後の硬化物の物性は、曲
げ強度4.5kg/mm2、曲げ弾性率118kg/m
2、強度(ショアーD)77、ガラス転移温度72℃
であった。
【0032】中空糸膜としてポリエチレンを多孔質層、
セグメント化ポリウレタンを均質層とし中空紡糸して得
た均質層が多孔質層で挟まれた三層膜構造の中空糸膜
(外径280μm、内径200μm)を用い、長さ約2
8cmの中空糸膜20500本を束ね、それぞれ両端部
を揃えて筒状のポリカーボネート製モジュールケース内
に挿入して配し、中空糸膜束両端部の開口端を熱融着に
より目止めした後、中空糸膜束両端部に前記ポッティン
グ剤を注入し中空糸膜をポッティングした。
【0033】ポッティングは、ポッティング剤70gの
注入を40℃で44Gの遠心力作用下で4時間かけて行
い、80℃で15時間の硬化処理をした。その後ポッテ
ィング剤により接着固定された中空糸膜束両端部のポッ
ティング部分を切断して中空糸膜に開口端を形成した。
このポッティング部分の切断の際には、ポッティング部
分を85℃に加温したが、中空糸膜の開口端には中空糸
膜の均質層での剥離は見られなかった。
【0034】得られた中空糸膜モジュールのリーク検査
は、中空糸膜の外側から内側へ4kg/cm2の水圧を
加えて水の漏れの有無を観察して行ったが、水の漏れは
認められなかった。また、得られた中空糸膜モジュール
の中空糸膜の内側に60℃の水を2.5kg/cm2
通し、中空糸膜の外側を120Torrに減圧して連続
6ヶ月間の水の脱気処理を行ったが、中空糸膜モジュー
ルのポッティング部分からのリークは認められず、脱気
性能の低下もなかった。
【0035】(比較例1)エピコート828(油化シェ
ル(株)製、ビスフェノール型エポキシ樹脂)100重
量部、ポリサルファイド樹脂41重量部、PACM(ア
ンカーケミカル(株)製、硬化剤:ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン)26.5重量部を配合しポッテ
ィング剤を調製した。得られたポッティング剤の80℃
で15時間硬化させた後の硬化物の物性は、曲げ強度
3.5kg/mm2、曲げ弾性率89kg/mm2、強度
(ショアーD)77、ガラス転移温度110℃であっ
た。
【0036】得られたこのポッティング剤を用いた以外
は、実施例2と同様にして中空糸膜端部をポッティング
し中空糸膜モジュールを得た。中空糸膜に開口端を形成
するためのポッティング部分の切断の際には、ポッティ
ング部分を約140℃にまで加温しないと切断が難し
く、また切断による中空糸膜の開口端には切断の衝撃で
中空糸膜の均質層の剥離している部分が多数見られ、得
られた中空糸膜モジュールは、中空糸膜の剥離による開
口部の閉塞により、中空糸膜の十分な濾過、分離機能を
発揮させるものではなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明のポッティング剤は、ウレタン変
性エポキシ樹脂を含むことにより、ポッティング剤の硬
化物が、ビスフェノール型エポキシ樹脂の奏する耐熱性
を大きく低下させることなく、比較的柔らかで、中空糸
膜モジュール製造時のポッティング部分の切断もポッテ
ィング部分を僅かな加温で行えることから、短時間での
切断作業、切断刃の寿命が長く、また切断時の中空糸膜
の剥離が殆どなく中空糸膜モジュール用のポッティング
剤として好適なるものである。また、本発明のポッティ
ング剤は、その硬化物が耐熱性を保持することから、特
に半導体関連の超純水製造分野、食品工業、ボイラー関
連、冷温調水の処理等の分野での耐熱性中空糸膜モジュ
ールの製造に好ましく用いられる。また、かかるポッテ
ィング剤を用いた中空糸膜モジュールを歩留まりよく得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 59/50 C08G 59/50 C08L 63/00 C08L 63/00 75/04 75/04 C09J 175/04 C09J 175/04 (72)発明者 小林 真澄 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)、
    ウレタン変性エポキシ樹脂(B)及びポリアミン系硬化
    剤(C)からなることを特徴とする中空糸膜モジュール
    用ポッティング剤。
  2. 【請求項2】 ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)と
    ウレタン変性エポキシ樹脂(B)との配合比A/Bが重
    量比で1/9〜9/1である請求項1記載の中空糸膜モ
    ジュール用ポッティング剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のポッティ
    ング剤にてモジュールケース内に配した多孔質中空糸膜
    の端部がポッティングされてなることを特徴とする中空
    糸膜モジュール。
  4. 【請求項4】 多孔質中空糸膜が均質層をその両側から
    多孔質層で挟み込んだ三層膜構造の中空糸膜である請求
    項3記載の中空糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】 均質層がウレタン系ポリマーである請求
    項4記載の中空糸膜モジュール。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載のポッティ
    ング剤を用い、モジュールケース内に配した多孔質中空
    糸膜の端部をポッティングして中空糸膜モジュールを製
    造する方法において、ポッティング部分を切断してモジ
    ュール端部面に多孔質中空糸膜の開口端を形成させる
    際、ポッティング部分を65〜130℃に加温して切断
    することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
JP35548496A 1996-12-24 1996-12-24 中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法 Expired - Lifetime JP3250655B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35548496A JP3250655B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35548496A JP3250655B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10183089A true JPH10183089A (ja) 1998-07-07
JP3250655B2 JP3250655B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=18444217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35548496A Expired - Lifetime JP3250655B2 (ja) 1996-12-24 1996-12-24 中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3250655B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002282783A (ja) * 2001-03-05 2002-10-02 Sika Ag 塗工面における構造的結着方法
JP2005334318A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toyobo Co Ltd 高強度高透水性中空糸膜型血液浄化器
JP2005334428A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toyobo Co Ltd 血液適合性に優れた高透水性中空糸膜型血液浄化器
JP2014000544A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Nok Corp 中空糸膜モジュール用束着管
JP2016215137A (ja) * 2015-05-21 2016-12-22 三菱レイヨン株式会社 中空糸膜モジュールの製造方法
JP2019081172A (ja) * 2013-06-12 2019-05-30 エボニック ファイバース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Fibres GmbH 膜カートリッジシステム
CN111675992A (zh) * 2020-07-22 2020-09-18 北京赛诺膜技术有限公司 一种柔性环氧胶粘剂及其制备方法
CN115605284A (zh) * 2020-05-15 2023-01-13 东丽株式会社(Jp) 筒式中空纤维膜组件的制造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002282783A (ja) * 2001-03-05 2002-10-02 Sika Ag 塗工面における構造的結着方法
JP2005334318A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toyobo Co Ltd 高強度高透水性中空糸膜型血液浄化器
JP2005334428A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Toyobo Co Ltd 血液適合性に優れた高透水性中空糸膜型血液浄化器
JP2014000544A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Nok Corp 中空糸膜モジュール用束着管
JP2019081172A (ja) * 2013-06-12 2019-05-30 エボニック ファイバース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Fibres GmbH 膜カートリッジシステム
JP2020171927A (ja) * 2013-06-12 2020-10-22 エボニック ファイバース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Fibres GmbH 膜カートリッジシステム
JP2016215137A (ja) * 2015-05-21 2016-12-22 三菱レイヨン株式会社 中空糸膜モジュールの製造方法
CN115605284A (zh) * 2020-05-15 2023-01-13 东丽株式会社(Jp) 筒式中空纤维膜组件的制造方法
CN115605284B (zh) * 2020-05-15 2023-08-18 东丽株式会社 筒式中空纤维膜组件的制造方法
CN111675992A (zh) * 2020-07-22 2020-09-18 北京赛诺膜技术有限公司 一种柔性环氧胶粘剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3250655B2 (ja) 2002-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000342932A (ja) 分離膜のポッティング方法
KR102228842B1 (ko) 카트리지식 중공사막 모듈 및 카트리지식 중공사막 모듈의 제조 방법
US8709253B2 (en) Separation membrane elements, separation membrane module, and process for producing separation membrane element
US20020056675A1 (en) Gas vent filter construction incorporating a hollow fiber membrane assembly
JP3250655B2 (ja) 中空糸膜モジュール用ポッティング剤及び中空糸膜モジュール並びにその製造方法
IL263895B2 (en) Hollow fiber membrane module and method for its production, and epoxy resin used in a hollow fiber membrane and method for production
JPS6041524A (ja) 被覆した膜
JP2000176253A (ja) 分離膜モジュ―ル用ポッティング剤及びそれを用いた中空糸膜モジュ―ル
JP2000317275A (ja) 中空糸膜モジュールの製造方法
JP3591670B2 (ja) ポッティング材及び中空糸膜モジュール
EP4052780A1 (en) Filter module case
JPH0747239A (ja) 中空糸膜モジュール及びその製造方法
JP2946628B2 (ja) 中空状多孔質分離膜エレメントの製造方法
JP3070997B2 (ja) 膜分離モジュールおよびその製造方法
JPH0368428A (ja) 流体分離モジュール及びその製造方法
JPH09220447A (ja) ポッティング剤及び中空糸膜モジュール
JP3765853B2 (ja) 冷媒輸送用ホース及びその製造方法
JP3497593B2 (ja) 中空糸膜モジュール
JPH08323157A (ja) 中空糸膜モジュール製造方法およびそのモジュール
JPH0483518A (ja) 膜モジュール
WO2021230112A1 (ja) カートリッジ式中空糸膜モジュールの製造方法
JPH03106422A (ja) 流体分離モジュール及びその製造方法
JPH0538422A (ja) 多孔質膜モジユール
JPH0368427A (ja) 流体分離モジュール及びその製造法
JPH02293025A (ja) 膜モジュールおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081116

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091116

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 11

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term