JP2000176253A - 分離膜モジュ―ル用ポッティング剤及びそれを用いた中空糸膜モジュ―ル - Google Patents

分離膜モジュ―ル用ポッティング剤及びそれを用いた中空糸膜モジュ―ル

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JP2000176253A
JP2000176253A JP10375496A JP37549698A JP2000176253A JP 2000176253 A JP2000176253 A JP 2000176253A JP 10375496 A JP10375496 A JP 10375496A JP 37549698 A JP37549698 A JP 37549698A JP 2000176253 A JP2000176253 A JP 2000176253A
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potting agent
hollow fiber
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membrane module
potting
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JP10375496A
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Kenji Watari
謙治 亘
Satoru Takeda
哲 竹田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離膜モジュールを製作するに当り、耐熱
性、耐薬品性を低下させることなく熱硬化性接着剤系の
ポッティング剤の硬化速度を早め、かつ、硬化物の硬さ
を上げないように硬化物の架橋密度を上げ耐薬品性を向
上させることのできるポッティング剤を提供する。 【解決手段】 分離膜を液密または気密に構造体に固定
するポッティング剤において、少なくともソルビトール
ポリグリシジルエーテルをポッティング剤に含む分離膜
モジュール用ポッティング剤、該ポッティング剤にポリ
アミン系硬化剤を含むポッティング剤、さらにこれにビ
スフェノール型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂を含むポッティング剤及びこれらポッティング剤を用
いてなる中空糸膜モジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離膜モジュール
用のポッティング剤、さらに詳しくは分離膜を液密また
は気密を保って構造体に接着できるシール材、そのポッ
ティング剤を用いた中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、膜モジュールは、医療分野や食品
分野で液体や気体の濾過あるいは分離に多用され、さら
に他の分野へもその利用範囲が拡がりつつあるが、その
用途の広まりと共に膜モジュールの要求性能として特に
耐熱性、耐薬品性、機械的強度の向上等が求められてい
る。これらの性能が要求される分野では、膜モジュール
の形態として膜モジュール容積当たりの膜面積が平膜よ
りも大きな中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールが用い
られるようになってきている。
【0003】中空糸膜モジュールは、中空糸膜、モジュ
ールケース及びポッティング剤から構成され、耐熱性ま
たは耐薬品性の中空糸膜モジュールとするには、これら
の構成部材をそれぞれ耐熱性、耐薬品性のあるものとす
ればよい。中空糸膜やモジュールケースは、様々な耐熱
性、耐薬品性を有する素材がありこれを利用することが
できるが、ポッティング剤については、その選択の範囲
は狭いのが現状である。
【0004】ポッティング剤として耐熱性や耐薬品性に
優れるものとしては、オレフィン系ポリマーやフッ素樹
脂のような熱可塑性樹脂で構成されたものが挙げられる
が、実際に入手できるものは少なく、また、高価であ
る。そのため一般的には、熱硬化性接着剤によるポッテ
ィング剤が主流であり、それに耐熱性や耐薬品性を備え
たものが多い。熱硬化性接着剤としては、ウレタン樹脂
やエポキシ樹脂等が挙げられるが、中空糸膜モジュール
のポッティング剤としては、目的とするモジュールの用
途に応じてポッティング剤の物性を対応させなければな
らない。耐熱性、耐薬品性、中空糸膜及びモジュールケ
ースとの接着性などを考慮して樹脂組成が選択される。
したがって、それらの目的を達成するためには、樹脂の
硬化性を犠牲にすることもしばしばあり得るが、例え
ば、樹脂の硬化までに長時間を要し、中空糸膜モジュー
ルの生産性が低くなってしまう問題がある。
【0005】一方、ポッティング剤にエポキシ樹脂硬化
物を用いる場合、耐熱性や耐薬品性を向上させる目的
で、硬化物の架橋密度を上げるべく多官能エポキシ樹脂
を使う方法が知られている。この例として、特開平1−
289884号公報や特開平2−218714号公報に
開示されている多官能エポキシ化合物を配合する中空糸
結束用接着剤がある。ここで用いられる多官能エポキシ
化合物には芳香環または複素環がその化学構造に含ま
れ、このような接着剤は、非常に強靱で耐熱性並びに耐
薬品性も良好であり硬化速度が速いものの、硬化時に大
きな発熱があり、中空糸膜の耐熱性を上回る硬化時の発
熱を起こすものもある。また、硬化物は非常に硬くなる
ため特殊な切断方法を採用しないと、端部に中空糸膜の
開口部を首尾良く形成できないという問題がある。
【0006】さらに、芳香環または複素環を化学構造中
に含む多官能エポキシ樹脂の採用は、硬化物の分子鎖内
に当然芳香環や複素環等の二重結合を有することにな
り、硬化物が黄変し易くなるという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分離
膜モジュールの構造において、耐熱性、耐薬品性を低下
させないように、熱硬化性接着剤系のポッティング剤の
硬化速度を速めることができ、また、硬化物の硬さを大
きく上昇させないように硬化物の架橋密度を上げ、耐薬
品性を向上させることのできる分離膜モジュール用のポ
ッティング剤を提供し、また、該ポッティング剤で中空
糸膜を集束固定された中空糸膜モジュールを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の通
りである。すなわち本発明は、 (1)分離膜を液密または気密に構造体に固定するポッ
ティング剤において、少なくともソルビトールポリグリ
シジルエーテルをポッティング剤に含むことを特徴とす
る分離膜モジュール用ポッティング剤。 (2)分離膜を液密または気密に構造体に固定するポッ
ティング剤において、少なくともソルビトールポリグリ
シジルエーテル並びにポリアミン系硬化剤をポッティン
グ剤に含むことを特徴とする分離膜モジュール用ポッテ
ィング剤。 (3)分離膜を液密または気密に構造体に固定するポッ
ティング剤において、ビスフェノール型エポキシ樹脂、
ウレタン変性エポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジ
ルエーテル及びポリアミン系硬化剤からなることを特徴
とする分離膜モジュール用ポッティング剤。 (4)分離膜の形状が中空糸膜であり、上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のポッティング剤を用いて、モ
ジュールケース内に配した中空糸膜の端部がポッティン
グされてなることを特徴とする中空糸膜モジュール。 及び上記(4)の発明において、中空糸膜が多孔質膜で
ある発明並びに中空糸膜が非多孔質である均質層をその
両側から多孔質層で挟み込んだ三層膜構造の中空糸膜で
ある発明からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポッティング剤を構成す
るソルビトールポリグリシジルエーテルは、ソルビトー
ルにエピクロルヒドリンを反応させてなるものであり、
ソルビトールのOH基にグリシジル基が導入されたもの
である。ソルビトールは、以下に示す式(1)のように
分子中に6個のOH基を有する化合物であるが、このO
H基に任意でグリシジル基が導入されることになる。例
えば、グリシジル基が4個導入されたソルビトールテト
ラグリシジルエーテルは、下式(2)に示すようにな
る。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】本発明で用いるソルビトールポリグリシジ
ルエーテルは、グリシジル基が2〜6個まで導入された
ものが利用できる。ただし、不純物として1個だけしか
グリシジル基が導入されていないものも含まれることが
あるが、これについては硬化物物性に影響しない程度で
あれば差し支えない。グリシジル基の個数には拘らない
が、グリシジル基が多いほど硬化物の架橋密度は高くな
り、硬くなる傾向にあるが、配合する割合などで硬化物
の硬さは調節できる。ソルビトールポリグリシジルエー
テルの分子内では、どのOH基がグリシジル基で置換さ
れたものであっても構わない。
【0013】ポッティング剤を構成する樹脂組成物にお
けるソルビトールポリグリシジルエーテルの配合比は、
どのような割合で配合しても差し支えないし、ソルビト
ールポリグリシジルエーテルのみを主剤として、硬化剤
と反応させて硬化物を形成させてもよい。主剤中にポリ
グリシジルエーテルと他の反応性化合物を混合して用い
る場合には、任意の割合で配合できる。組み合わせる他
の反応性化合物や硬化剤の種類によって、その配合量が
選択できる。
【0014】ポッティング剤の硬化剤としては、目的と
する物性の硬化物が得られるのであればどのようなもの
でも構わないが、硬化条件を制御し易く、安定した硬化
物物性が得られる点から、ポリアミン系硬化剤が好まし
い。
【0015】ポリアミン系硬化剤としては、公知の任意
のポリアミンが用いられる。例えば、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の直鎖脂肪族ア
ミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−ア
ミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチル
シクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン等の脂環式アミン、メタキシリレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン、ポ
リアミドアミン等が挙げられ、これらは単独または混合
して用いられる。
【0016】本発明のポッティング剤で用いられるソル
ビトールポリグリシジルエーテルは、硬化速度の遅いポ
ッティング剤系に配合することで、硬化物の物性を低下
させずに硬化速度を速め、加工性を向上させることがで
きる。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂並びにウ
レタン変性エポキシ樹脂を主剤とし、硬化剤にビス(4
−アミノシクロヘキシル)メタンを用いたポッティング
剤系では、その硬化時間に数時間を要しているが、この
系にソルビトールポリグリシジルエーテルを配合するこ
とによって、容易に硬化時間を短縮することができる。
【0017】ここで用いられるビスフェノール型エポキ
シ樹脂は、各種ビスフェノールにエピクロルヒドリンを
反応させてなるものであり、ビスフェノールとしては、
例えば、フェノールとアセトンとの縮合で生成されるビ
スフェノールA、フェノールとホルマリンとの縮合で生
成されるビスフェノールF、フェノールと硫酸との縮合
で生成されるビスフェノールS、水素添加ビスフェノー
ルA、臭素やフッ素等のハロゲン化ビスフェノールA等
が挙げられる。
【0018】また、ウレタン変性エポキシ樹脂は、末端
にエポキシ基を有し、その分子内にウレタン結合を有す
る化合物であればどのようなものでもよく、また、ウレ
タンでの変性の程度はその硬化物の物性を極端に低下さ
せない範囲のものであればよい。ウレタン変性エポキシ
樹脂としては、例えば、特公平1−51494号公報に
記載されているような、エポキシ基とヒドロキシル基を
有する化合物と、末端にイソシアネート基を有するウレ
タン結合含有化合物とを反応させて得られるウレタン変
性エポキシ樹脂等が用いられる。
【0019】本発明の分離膜モジュール用のポッティン
グ剤は、分離膜がどのようなものであっても使用でき
る。分離膜の形状としては、平膜、中空糸膜、管状膜な
ど任意の形状の分離膜が利用できる。中でも本発明のポ
ッティング剤は、中空糸膜をポッティングするのに好適
である。
【0020】本発明は、上述のポッティング剤を用いる
ことによってモジュールケース内に配した中空糸膜を集
束固定し、中空糸膜モジュールを効率よく作製できる。
本発明の中空糸膜モジュールは、モジュールケース内に
配した中空糸膜の端部が、上述したポッティング剤によ
り、その開口状態を保ったままモジュールケース及び中
空糸膜相互が接着固定されてなるものである。
【0021】本発明の中空糸膜モジュールを構成する中
空糸膜としては、多孔質なものでも、非多孔質なもので
もよい。中空糸膜とポッティング剤の接着力を高めるた
めには、ポッティング剤が孔内に含浸することにより、
より強固な接着となる多孔質中空糸膜が好ましい。膜素
材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ(4−メチルペンテン−1)等のポリオレフィン、ポ
リスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリアミド等の素材からなる中空糸膜が挙げられ
る。また、中空糸膜はその膜構造には特に制限はなく、
液体または気体の濾過あるいは分離機能を有するものが
用いられる。
【0022】本発明のポッティング剤は、ポッティング
後の切断工程が比較的穏やかな条件で行えることから、
中空糸膜は、切断時に層間の剥離が生じ易い多層膜構造
の中空糸膜にも適用できる。例えば、非多孔質な均質層
をその両側から多孔質層で挟み込んだ三層膜構造の中空
糸膜であっても良好なポッティングが可能である。この
ような三層膜構造の中空糸膜によるモジュールは、水の
脱気、ガス分離、ガス添加等の膜処理に用いることがで
きる。
【0023】三層膜構造の中空糸膜としては、多孔質層
がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(3−メチルブ
テン−1)、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のポリ
オレフィン系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリテ
トラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、ポリスチ
レン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケト
ン等の疎水性ポリマーからなり、均質層がポリジメチル
シロキサン、シリコンとポリカーボネートのコポリマー
等のシリコンゴム系ポリマー、低密度ポリエチレン等の
ポリオレフィン系ポリマー、パーフルオロアルキル系ポ
リマーのフッ素含有ポリマー、エチルセルロース等のセ
ルロース系ポリマー、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
(4−ビニルピリジン)、ウレタン系ポリマー等のポリ
マーからなるものが用いられる。
【0024】特に均質層がウレタン系ポリマーからなる
三層膜構造の中空糸膜は、多孔質層に含浸したポッティ
ング剤と均質層との接着層が極めて良好で、ポッティン
グ部分の切断時の多孔質中空糸膜の多孔質層と均質層と
の界面での剥離を抑え、剥離による中空糸膜端部の開口
部の閉塞が防がれることからも好ましいものである。
【0025】本発明において中空糸膜モジュールを構成
するケースは、金属製であってもよいが、加工性や価格
の面から樹脂製であることが好ましい。モジュールケー
スとしては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ABS樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキサ
イド樹脂、ポリアセタール樹脂等の素材からなるものが
用いられる。また、ポッティング剤とモジュールケース
との接着性を向上させるためにモジュールケースの内表
面が表面処理されていてもよく、例えば、ポリプロピレ
ン製モジュールケースであれば、プラズマ放電処理、コ
ロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、クロム混酸処
理、n−ヘキサン処理、プライマー処理、粗面化処理等
を単独またはこれらを組み合わせたものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。説明中「部」は重量部を示す。 [実施例1]エピコート828(油化シェル(株)製、
ビスフェノール型エポキシ樹脂、商品名)56.3部、
エポライトP−200(共栄社油脂化学工業(株)製、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、商品
名)22.7部、ERISYS GE−60(BTRジ
ャパン製、ソルビトールポリグリシジルエーテル、商品
名)10部、PACM(BTRジャパン製、硬化剤:ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、商品名)2
4.1部を配合しポッティング剤を調製した。
【0027】このポッティング剤の硬化挙動は、室温
下、100gの樹脂量で、配合初期粘度が410mPa
・s、配合後65分で10000mPa・sに達しゲル
化した。硬化時の最高発熱温度は132℃であった。ま
た、硬化物の物性は曲げ強度が61.8MPa、曲げ弾
性率が1376MPa、硬度(ASTM SHORE
D、以下同じ)が85、ガラス転移温度が80.6℃で
あった。
【0028】中空糸膜としてポリエチレンを溶融中空紡
糸して平均孔径0.2μmの多孔質中空糸膜(外径38
0μm、内径270μm)を用い、長さ約50cmの多
孔質中空糸膜3500本をU字状にし、その端部を揃え
て筒状のポリカーボネート製モジュールケース内に挿入
して配し、多孔質中空糸膜の開口端を熱融着により目止
した後、多孔質中空糸膜端部にポッティング剤を注入し
多孔質中空糸膜をポッティングした。
【0029】ポッティングは、上記のポッティング剤7
0gの注入を、室温で40Gの遠心力作用下で90分間
かけて行い、80℃で15時間の硬化処理をした。その
後、ポッティング剤により固定された多孔質中空糸膜束
端部のポッティング部分を切断して、多孔質中空糸膜に
開口端を形成した。このポッティング部分の切断の際に
は、ポッティング部分を110℃に加温して行うこと
で、容易に切断することができた。得られた中空糸膜モ
ジュールのリーク検査は、リオン社製パーティクルカウ
ンターを用い、大気中の0.3μm以上の微粒子の除去
性能を評価して行ったが、0.3μm以上の微粒子の漏
れは認められなかった。
【0030】[比較例1] 「エピコート828」56.3部、「エポライトP−2
00」22.7部、「PACM」21.0部を配合しポ
ッティング剤を調製した。このポッティング剤の硬化挙
動は、室温下、100gの樹脂量で、配合初期粘度が3
75mPa・s、配合後375分で10000mPa・
sに達しゲル化した。硬化時の最高発熱温度は92.3
℃であった。また、硬化物の物性は曲げ強度が45.1
MPa、曲げ弾性率が1177MPa、硬度が81、ガ
ラス転移温度が81.0℃であった。
【0031】このポッティング剤を用いて実施例1と同
様の中空糸膜を同様の方法でポッティングを行ったが、
70gのポッティング剤を注入するのに、雰囲気を40
℃に加温した場合でも、樹脂がゲル化するまでの遠心時
間は3.5時間を要した。得られた中空糸膜モジュール
について、0.3μm以上の微粒子の漏れはなかった。
【0032】[比較例2] 「エピコート828」56.3部、「エポライトP−2
00」22.7部、エピコート604(油化シェル
(株)製、多官能エポキシ樹脂:テトラグリシジルジア
ミノジフェニルメタン、商品名)10部、「PACM」
24.5部を配合しポッティング剤を調製した。このポ
ッティング剤の硬化挙動は、室温下、100gの樹脂量
で、配合初期粘度が690mPa・s、配合後58分で
10000mPa・sに達しゲル化した。硬化時の最高
発熱温度は184℃であった。また、硬化物の物性は曲
げ強度が142MPa、曲げ弾性率が1912MPa、
硬度が90、ガラス転移温度が125℃であった。
【0033】このポッティング剤を用いて実施例1と同
様の中空糸膜を同様の方法でポッティングを行った。7
0gの樹脂を注入するのに、室温下70分間の遠心で注
入及びゲル化が完了した。しかしながら、中空糸膜モジ
ュール内において、硬化時の発熱によると思われる一部
の中空糸膜の溶融が認められた。また、中空糸膜の開口
端を形成するためのポッティング部の切断においては、
ポッティング部分を150℃に加温しても、かなり切断
が困難で、カットの際に刃がこぼれるなどの現象が生じ
た。
【0034】[実施例2] 「エピコート828」26.4部、エピクロンTSR−
243(大日本インキ化学(株)製、ウレタン変性エポ
キシ樹脂、商品名)44.0部、「ERISYS GE
−60」8.8部、「PACM」20.8部を配合しポ
ッティング剤を調製した。このポッティング剤の硬化挙
動は、室温下、100gの樹脂量で、配合初期粘度が1
520mPa・s、配合後58分で10000mPa・
sに達しゲル化した。硬化時の最高発熱温度は158℃
であった。また、硬化物の物性は曲げ強度が84.7M
Pa、曲げ弾性率が1814MPa、硬度が84、ガラ
ス転移温度が80.3℃であった。
【0035】中空糸膜としてポリエチレンを多孔質層、
セグメント化ポリウレタンを均質層とし中空紡糸して得
た均質層が多孔質層で挟まれた三層膜構造の中空糸膜
(外径280μm、内径200μm)を用い、長さ約2
8cmの中空糸膜20500本を束ね、それぞれ両端部
を揃えて筒状のポリカーボネート製モジュールケース内
に挿入して配し、中空糸膜束両端部の開口端を熱融着に
より目止した後、中空糸膜束両端部に上記ポッティング
剤を注入し、中空糸膜をポッティングした。
【0036】ポッティングは、上記のポッティング剤7
0gの注入を、室温で44Gの遠心力作用下で80分間
かけて行い、ゲル化後80℃で15時間の硬化処理を行
った。その後、ポッティング剤により接着固定された中
空糸膜束両端部のポッティング部分を切断して中空糸膜
に開口端を形成した。このポッティング部分の切断の際
には、ポッティング部分を105℃に加温することで、
容易に切断でき、中空糸膜端部に開口部を形成すること
ができた。
【0037】得られた中空糸膜モジュールのリーク検査
は、中空糸膜の外側から内側へ0.4MPaの水圧を加
えて水の漏れの有無を観察して行ったが、水の漏れは認
められなかった。また、得られた中空糸膜モジュールの
内側に60℃の水を0.25MPaで通水し、中空糸膜
の外側を15kPaに減圧して連続6ヶ月間の水の脱気
処理を行ったが、中空糸膜モジュールのポッティング部
分からのリークは認められず、脱気性能の低下もなかっ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明のポッティング剤は、ポッティン
グ剤中のソルビトールポリグリシジルエーテルにより、
硬化の速度が高められ、分離膜モジュールの加工性を向
上させる。また、ソルビトールポリグリシジルエーテル
は多官能エポキシ樹脂であることから、硬化物の物性は
向上する方向になる。さらに、硬化物の硬さを著しく上
昇させないために、ポッティング後の開口部を形成させ
る切断工程においても、ポッティング部の僅かな加温で
容易に切断でき、加工性がよい。また、本発明のポッテ
ィング剤は、その硬化物の耐薬品性が向上することか
ら、薬液の濾過や濃縮、溶剤の脱気などの分野において
使用する分離膜モジュール製造に好ましく用いられる。
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Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分離膜を液密または気密に構造体に固定
    するポッティング剤において、少なくともソルビトール
    ポリグリシジルエーテルをポッティング剤に含むことを
    特徴とする分離膜モジュール用ポッティング剤。
  2. 【請求項2】 分離膜を液密または気密に構造体に固定
    するポッティング剤において、少なくともソルビトール
    ポリグリシジルエーテル並びにポリアミン系硬化剤をポ
    ッティング剤に含むことを特徴とする分離膜モジュール
    用ポッティング剤。
  3. 【請求項3】 分離膜を液密または気密に構造体に固定
    するポッティング剤において、ビスフェノール型エポキ
    シ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ソルビトールポリ
    グリシジルエーテル及びポリアミン系硬化剤からなるこ
    とを特徴とする分離膜モジュール用ポッティング剤。
  4. 【請求項4】 分離膜の形状が中空糸膜であり、請求項
    1〜3のいずれかに記載のポッティング剤を用いてモジ
    ュールケース内に配した中空糸膜の端部がポッティング
    されてなることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】 中空糸膜が多孔質膜であることを特徴と
    する請求項4記載の中空糸膜モジュール。
  6. 【請求項6】 中空糸膜が非多孔質である均質層をその
    両側から多孔質層で挟み込んだ三層膜構造からなること
    を特徴とする請求項4記載の中空糸膜モジュール。
JP10375496A 1998-12-16 1998-12-16 分離膜モジュ―ル用ポッティング剤及びそれを用いた中空糸膜モジュ―ル Pending JP2000176253A (ja)

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