JPH10129100A - 孔版印刷機および孔版による印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成の、両面印刷可能な孔版印刷機を
提供する。 【解決手段】 孔版原紙１２が巻装される版胴１０と、
版胴１０に近接配置され直径が版胴１０に対して半分の
転写胴２２が備えられている。孔版原紙１２は、裏面の
印刷内容に応じて製版された裏面用製版部２６と、表面
の印刷内容に応じて製版された表面用製版部２８を有し
ている。裏面用製版部２６を通過したインクは転写胴２
２に転写され、ここにインク画像が形成される。インク
画像が形成された転写胴２２と版胴１０の間に用紙３４
が送り込まれ、転写胴２２上に形成されたインク画像に
より用紙裏面の印刷が、版胴１０に貼着された孔版原紙
１２の表面用製版部２８により用紙表面の印刷が同時に
行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、版胴に孔版原紙を
巻き付け、版胴内側から供給されるインクを記録媒体に
直接的または間接的に転写して印刷を行う孔版印刷機お
よび印刷方法に関し、特に、記録媒体の表裏両面に印刷
可能な孔版印刷機および印刷方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在普及している印刷機の一種として孔
版印刷機が知られている。孔版印刷機は、インク通過性
のある円筒形状の版胴を有している。版胴の内部には、
版胴内周面にインクを供給するインク供給ローラが配置
されている。実際の印刷時においては、版胴の外周に印
刷の内容に応じて穿孔された孔版原紙を巻き付け、孔版
原紙の巻き付けられた版胴とこれに対向するプラテン胴
との間に用紙などの記録媒体（以下、単に用紙と記す）
を挟持して印刷を行う。インク供給ローラにより版胴内
周面に供給されたインクは、版胴と孔版原紙の穿孔を通
過して用紙に付着し、これによって印刷が行われる。

【０００３】また、上記のプラテン胴に替えて版胴をも
う一つ設け、二つの版胴により用紙を挟持することによ
り、用紙の表裏両面に同時に印刷をすることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した方法
により用紙の表裏両面に印刷を行う場合、表面印刷用の
版胴と裏面印刷用の版胴の双方を備える必要があり、さ
らに、版胴に孔版原紙を貼着する装置や、版胴より孔版
原紙を剥がし取るための装置なども表面用、裏面用の二
組ずつ備えることが必要となる。よって、部品点数の増
加や装置の大型化を招くという問題があった。

【０００５】本発明は前述の問題点を解決するためにな
されたものであり、簡易な構成の両面同時印刷可能な孔
版印刷機および孔版による印刷方法を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる孔版印刷機は、一つの版胴に記録
媒体の表面に印刷する内容に応じた表面用印刷領域と記
録媒体の裏面に印刷する内容に応じた裏面用印刷領域を
有する版胴と、前記裏面用印刷領域を通過したインクに
よって、表面上に裏面用インク画像が形成される転写胴
と、前記裏面用インク画像が形成された転写胴と、前記
版胴との間に記録媒体を搬送する搬送手段と、を有して
いる。そして、前記版胴の表面用印刷領域と前記転写胴
がそれぞれ記録媒体の表面と裏面に同時に印刷を行うも
のである。

【０００７】裏面の印刷においては、版胴上の裏面用印
刷領域により転写胴上にインク画像を形成し、その後転
写胴によって用紙に印刷を行っている。転写胴と版胴で
記録媒体を挟持し、この転写胴による印刷と版胴の表面
用印刷領域による印刷を同時に行うことで、一つの版胴
による表裏同時印刷が可能となる。表裏面の印刷に対
し、版胴を一つ備えれば良いので、版胴に孔版原紙を巻
き付ける装置や版胴から使用済みの孔版原紙を剥がし廃
棄する装置なども一つ備えれば良く、部品点数、コスト
の削減および装置の小型化を図ることができる。

【０００８】さらに、一枚の孔版原紙は、裏面の印刷内
容に応じた穿孔がなされた裏面用製版領域と、表面の印
刷内容に応じた穿孔がなされた表面用製版領域が連なっ
て設けられているものとすることができる。これによっ
て、孔版原紙を版胴に固定するクランプを版胴に一つ設
ければよく、簡易な構成となる。また、片面のみ印刷
と、この片面のみの印刷時の半分以下の大きさの両面印
刷を同一の印刷機で行うことができる。たとえば、Ａ３
用紙の片面印刷ができる印刷機であれば、一枚のＡ３用
の孔版原紙に、Ａ４相当の表裏面それぞれの製版を行う
ことによって、Ａ４用紙の両面印刷が可能となる。

【０００９】さらに、前述の各孔版印刷機において、版
胴の直径と転写胴の直径が２対１とすることができる。
この場合、版胴および転写胴の周速度が等しくなるよう
に各々一定回転数で回転させた状態で連続印刷を行うこ
とができる。したがって、版胴と転写胴の一方または双
方を、印刷中に回転させたり停止させたりする必要がな
く、また版胴と転写胴の一方または双方を印刷中に記録
媒体から離隔させる必要もない。よって、装置を簡易な
ものとすることができる。

【００１０】さらに、前述の各孔版印刷機において、版
胴を複数個備え、版胴ごとに異なる色の印刷を行うよう
にすることもできる。これによれば、２色またはそれ以
上の両面印刷を行うことができる。

【００１１】また、本発明の他の態様である孔版による
印刷方法は、一つの版胴上に、記録媒体の表面に印刷す
る内容に応じた表面用印刷領域と記録媒体の裏面に印刷
する内容に応じた裏面用印刷領域とを形成する工程と、
前記裏面用印刷領域を通過したインクにより転写胴上に
裏面用インク画像を形成する工程と、記録媒体を前記版
胴と前記転写胴の間に搬送し、当該記録媒体の表面に前
記版胴の表面用印刷領域により印刷を行い、これと同時
に同一の記録媒体の裏面に前記転写胴により印刷を行う
工程と、を含むものとすることができる。この方法によ
れば、一つの版胴で表裏両面の印刷を同時に行うことが
できる。

【００１２】さらに、前述の印刷方法において、前記版
胴上に表裏面用印刷領域を形成する工程を、裏面用製版
領域と表面用製版領域が連なって形成された一枚の孔版
原紙を一つの版胴に巻き付けることにより形成する工程
とすることができる。この方法によれば、版胴上に孔版
原紙を固定するクランプを一つだけ設けて、表裏両面の
同時印刷が可能となる。

【００１３】また、本発明のさらに他の態様である孔版
による印刷方法は、印刷色にそれぞれ対応した複数の版
胴の各々に、記録媒体の表面に印刷する内容に応じた表
面用印刷領域と、記録媒体の裏面に印刷する内容に応じ
た裏面用印刷領域とを形成する工程と、前記複数の版胴
の各々の前記裏面用印刷領域を通過したインクにより転
写胴上に多色の裏面用インク画像を形成する工程と、記
録媒体を前記複数の版胴と前記転写胴の間に搬送し、当
該記録媒体の表面に前記複数の版胴の表面用印刷領域に
より多色印刷を行い、これと同時に同一の記録媒体の裏
面に前記転写胴により多色印刷を行う工程と、を含むも
のとすることができる。この方法によれば、多色の表裏
同時印刷を行うことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態（以
下、実施形態と記す）を図面に従って説明する。図１に
は、本実施形態の孔版印刷機の特に両面印刷にかかる主
要構成が示されている。版胴１０は、略円筒形状であ
り、印刷機本体に回転可能に支持され、図示しない駆動
手段によって回転駆動される。また、版胴１０の円筒側
面には、インクが通過可能な領域が設けられている。版
胴１０の円筒外周面には、印刷内容に応じて穿孔されて
製版された孔版原紙１２が巻き付けられている。版胴１
０の内部には、版胴１０の円筒内周面にインクを供給す
るインク供給機構１４が設けられている。インク供給機
構１４は、版胴１０の円筒内周面に選択的に接するイン
ク供給ローラ１６と、インク供給ローラ１６と僅かの隙
間を設けて配置されたインク塗布ローラ１８を有してい
る。インク供給ローラ１６とインク塗布ローラ１８の間
には、不図示のインクラインによりインクが送られ、イ
ンク溜り２０が形成されている。インク供給ローラ１６
とインク塗布ローラ１８の回転に伴って、インク溜り２
０から定量のインクがインク供給ローラ１６に付着し、
版胴１０の円筒内周面に供給される。

【００１５】インク供給ローラ１６は、印刷時に、図示
しない押圧機構により版胴１０の円筒内面に押圧され、
版胴１０の接触した部分をわずかに外側に張り出させ
る。そして、このインク供給ローラ１６の押圧動作によ
り、版胴１０と後述する転写胴２２とが接触する。

【００１６】版胴１０には、孔版原紙１２の先端を把持
し、これを版胴１０に固定するクランプ２４が設けられ
ている。孔版原紙１２には、前の約半分に用紙の裏面に
印刷する内容に応じて穿孔された裏面用製版部２６が設
けられ、後ろの約半分に用紙の表面の印刷内容に応じて
穿孔された表面用製版部２８が設けられている。裏面用
製版部２６は裏面の印刷内容を正像で穿孔して製版され
ている。これは、後述するように裏面の印刷は、一旦転
写胴２２にインクを転写した後、この転写胴２２によっ
て用紙に印刷を行うためである。一方、表面用製版部２
８は表面の印刷内容を逆像で穿孔して製版されている。
この裏面用および表面用製版部２６，２８を有する孔版
原紙１２を版胴１０に巻き付けることにより、版胴１０
に裏面用印刷領域と表面用印刷領域が形成される。

【００１７】転写胴２２は、版胴１０のインク供給ロー
ラ１６が配置された位置に対向し、非印刷時には所定の
間隔、たとえば２ｍｍ程度の間隔をもって配置されてい
る。印刷時には、前述したようにインク供給ローラ１６
が版胴１０の円筒側面を押圧し、外側に張り出させるこ
とによって、版胴１０と転写胴２２は接触する。また転
写胴２２の直径は、版胴１０のそれの半分であり、印刷
時には互いの周速度が一致するよう回転駆動される。し
たがって、版胴１０が１回転する間に転写胴２２は２回
転する。

【００１８】転写胴２２の外周面にはゴムシート３０が
巻装されており、後述するように、版胴１０の裏面用印
刷領域を通過したインクを受容する。すなわち、このゴ
ムシート３０上に裏面用のインク画像が形成される。さ
らに、転写胴２２の外周の一部には窪み部３２とこの窪
み部３２内に配置され、記録媒体としての用紙３４の先
端を把持する係止爪３６が配置されている。この窪み部
３２は、版胴１０のクランプ２４と対向するように、版
胴１０および転写胴２２が同期回転し、クランプ２４お
よびこれの付近の突出部分を回避するようになってい
る。

【００１９】用紙３４は、給紙台３８に積載保持されて
おり、印刷時に給紙ローラ４０および搬送ローラ４２に
よって、前述の転写胴２２の外周付近に送られ、その先
端が係止爪３６によって把持される。そして、転写胴２
２の回転に伴って、版胴１０と転写胴２２の間隙に導か
れ、ここで印刷が行われる。印刷後、用紙３４は排紙台
４４に順次積載される。

【００２０】次に、印刷動作について説明する。印刷を
行う準備としてまず孔版原紙１２が製版される。前述の
ように、孔版原紙１２の前半部分（裏面用製版部２６）
には、用紙裏面の印刷内容に応じた製版がなされ、後半
部分（表面用製版部２８）には用紙表面の印刷内容に応
じた製版がなされる。そして、製版された孔版原紙１２
が版胴１０の外周面に貼着される。

【００２１】以上の準備が整うと印刷が開始される。版
胴１０と転写胴２２が図中矢印Ａ，Ｂの向きに回転駆動
され、インク供給ローラ１６が版胴１０に押圧される。
これによって、インク供給ローラ１６が版胴１０によ
り、図中矢印Ｃの向きに回転させられる。インク供給ロ
ーラ１６の回転により、インク溜り２０のインクが所定
量インク供給ローラ１６の表面に塗布される。この塗布
量は、インク供給ローラ１６とインク塗布ローラ１８の
間隙の幅によって調整可能である。このとき、版胴１０
の円筒側面は、インク供給ローラ１６の押圧により外側
に張り出し、孔版原紙１２が貼着された版胴１０と転写
胴２２が接触する状態となる。

【００２２】インク供給ローラ１６により、版胴１０の
円筒内周面に供給されたインクは、さらに版胴１０およ
び裏面用製版部２６の穿孔を通過して、孔版原紙１２の
外周に達する。このとき、孔版原紙１２の外周面と転写
胴２２が接触しているので、インクが転写胴２２の表面
のゴムシート３０に付着し、転写胴２２上に裏面印刷用
のインク画像が形成される。版胴１０と転写胴２２は、
その直径の比が２対１であるので、版胴１０が半回転す
る間に転写胴２２が１回転し、この間に、孔版原紙１２
の前半分の裏面用製版部２６から裏面用の印刷画像が転
写される。

【００２３】一方、裏面用のインク画像が転写胴２２上
に形成されている間に、用紙３４が搬送されて、その先
端が係止爪３６に挟持される。転写胴２２がさらに回転
すると用紙３４が、版胴１０と転写胴２２の間に送られ
て、これらにより挟持される。このとき、用紙３４の表
面には、孔版原紙１２の表面用製版部２８を通過したイ
ンクにより印刷が行われ、同時に用紙３４の裏面には転
写胴２２上にすでに形成されているインク画像により印
刷が行われる。そして、版胴１０と転写胴２２の間を通
過すると、係止爪３６が用紙を放し、表裏両面に印刷が
行われた用紙３４が、排紙台４４に搬送される。

【００２４】以下、裏面用製版部２６による転写胴２２
上のインク画像の形成動作、表面用製版部２８による用
紙３４の表面への印刷、表面への印刷と同時に行われる
転写胴２２による裏面への印刷、を繰り返して、所定枚
数の用紙３４に印刷が行われる。

【００２５】本実施形態によれば、一つの版胴１０によ
り表裏両面の印刷を行うことができるので、版胴の数は
もちろんインク溜り２０にインクを送るインクパイプや
孔版原紙１２の巻き付け、剥がし取りなどを行う装置な
どの付帯装置についても一つとなるので、部品点数を削
減することができ、また簡易な構成とすることができ
る。また、版胴１０と転写胴２２の直径の比を２対１と
したので、版胴１０および転写胴２２を連続して等速度
で回転させることができる。したがって、一方の胴の回
転を停止させる機構などを設ける必要がなく、これらの
回転の同期も取りやすく、制御も容易となる。また、表
裏面の製版部２６，２８を一つの孔版原紙１２に形成し
ているので、版胴１０上にクランプ２４を一つ設ければ
よく構成が簡略化される。以上のように構成が簡略化さ
れ、また部品点数も少なくなるので、装置の小型化を図
ることができる。

【００２６】図２には、本発明の他の実施形態、特に版
胴の構成が異なる実施形態が示されている。版胴６０に
は、二つのクランプ７４ａ，７４ｂが約１８０°の間隔
をもって配置されている。クランプ７４ａ，７４ｂは、
別個に製版された裏面用孔版原紙６２ａと表面用孔版原
紙６２ｂを各々保持し、版胴６０上に固定する。この裏
面用孔版原紙６２ａと表面用孔版原紙６２ｂによって版
胴６０上に裏面用製版部７６と表面用製版部７８が形成
される。その他の構成については、図１に示す実施形態
と同様であり説明は省略する。また、印刷動作に関して
も前述の実施形態のものと同様である。

【００２７】図３には、本発明のさらに他の実施形態が
示されている。本実施形態において、図１に示された実
施形態と同様の構成については、同一の符号を付しその
説明を省略する。さらに、本実施形態の装置は版胴を二
つ（１０，１１０）備えているが、各々の構成はほぼ同
一であり、版胴１１０の各構成部材は、版胴１０の対応
する各構成部材の符号に１００を加えた符号が付されて
いる。すなわち、版胴１１０の円筒外周面には、裏面用
製版部１２６と表面用製版部１２８を有する孔版原紙１
１２が貼着されており、内部のインク供給ローラ１１６
によってインク溜り１２０から版胴１１０の円筒内周面
にインクが供給され、印刷が行われる。印刷動作におい
ても、版胴１０の印刷動作と同様に、裏面用インク画像
を転写胴２２上に形成し、これによって用紙３４の裏面
の印刷を行い、一方版胴１１０によって直接用紙３４の
表面への印刷が行われる。二つの版胴１０，１１０に供
給するインクの色を異ならせ、一方の版胴のみを選択す
ることにより、当該選択された版胴の色の単色印刷が可
能となる。

【００２８】また、本実施形態によれば、２色の両面同
時印刷を行うこともできる。二つの版胴１０，１１０に
対して各々異なる色のインクを供給し、二つの版胴の印
刷動作を版胴１０，１１０の配置に基づく時間差を設け
て行えば、２色両面同時印刷が可能となる。以下、具体
的に説明する。版胴１０に供給されるインクの色を黒、
版胴１１０に供給されるインクの色を赤とする。まず、
版胴１０の裏面用製版部２６により転写胴２２上に黒の
裏面用インク画像を形成する。次に、版胴１１０の裏面
用製版部１２６により転写胴２２上に赤の裏面用インク
画像を形成する。このとき、二つの版胴１０，１１０に
よる転写のタイミングは、版胴１０と転写胴２２の接点
と、版胴１１０と転写胴２２の接点を結ぶ円弧に対応す
る中心角だけ、転写胴２２が回転する時間だけずれてい
る。これによって、転写胴２２が約１回転する間に、転
写胴２２上には黒と赤の２色の裏面用インク画像が形成
される。

【００２９】転写胴２２の２回転目では、用紙３４が係
止爪３６により係止され、転写胴２２上の裏面用インク
画像が用紙３４の裏面に転写されると同時に、版胴１
０，１１０の表面用製版部２８，１２８により用紙３４
の表面に黒と赤の印刷が行われる。表面の印刷において
も、版胴１０，１１０の印刷タイミングは、前述と同様
の時間だけずれている。以上、転写胴２２が約２回転す
る間に、黒と赤の２色の両面同時印刷が完了する。この
ように、用紙３４を一回搬送する間に印刷を行うことが
できるので、短時間で２色両面印刷を行うことができ
る。

【００３０】なお、版胴をさらに増やせばより多くの色
の印刷を行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる実施形態の概略構成図であ
る。

【図２】 本発明にかかる他の実施形態の概略構成図で
ある。

【図３】 本発明にかかるさらに他の実施形態の概略構
成図である。

【符号の説明】

１０ 版胴、１２ 孔版原紙、２２ 転写胴、２６ 裏
面用製版部、２８ 表面用製版部、３４ 用紙。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略円筒形の版胴に、印刷内容に応じた穿
   孔がなされた孔版原紙を貼着することによって印刷領域
   を形成し、当該印刷領域を通過したインクによって記録
   媒体に印刷を行う孔版印刷機であって、 前記版胴は、一つの版胴に、記録媒体の表面に印刷する
   内容に応じた表面用印刷領域と、記録媒体の裏面に印刷
   する内容に応じた裏面用印刷領域を有し、 さらに、前記裏面用印刷領域を通過したインクによっ
   て、表面上に裏面用インク画像が形成される転写胴と、 前記裏面用インク画像が形成された転写胴と、前記版胴
   との間に記録媒体を搬送する搬送手段と、を有し、前記
   版胴の表面用印刷領域と前記転写胴がそれぞれ記録媒体
   の表面と裏面に同時に印刷を行う孔版印刷機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の孔版印刷機において、
   一枚の孔版原紙に、裏面の印刷内容に応じた穿孔がなさ
   れた裏面用製版領域と、表面の印刷内容に応じた穿孔が
   なされた表面用製版領域が連なって設けられている、孔
   版印刷機。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の孔版印刷機に
   おいて、版胴の直径と転写胴の直径が２対１である、孔
   版印刷機。
4. 【請求項４】 請求項１から３のいずれかに記載の孔版
   印刷機において、前記版胴を複数個備え、版胴ごとに異
   なる色の印刷を行う、孔版印刷機。
5. 【請求項５】 略円筒形の版胴に、印刷内容に応じた穿
   孔がなされた孔版原紙を貼着することによって印刷領域
   を形成し、当該印刷領域を通過したインクによって記録
   媒体に印刷を行う印刷方法であって、 一つの版胴上に、記録媒体の表面に印刷する内容に応じ
   た表面用印刷領域と、記録媒体の裏面に印刷する内容に
   応じた裏面用印刷領域とを形成する工程と、 前記裏面用印刷領域を通過したインクにより転写胴上に
   裏面用インク画像を形成する工程と、 記録媒体を前記版胴と前記転写胴の間に搬送し、当該記
   録媒体の表面に前記版胴の表面用印刷領域により印刷を
   行い、これと同時に同一の記録媒体の裏面に前記転写胴
   により印刷を行う工程と、を含む孔版による印刷方法。
6. 【請求項６】 請求項５に記載の孔版による印刷方法に
   おいて、前記版胴上に表裏面用印刷領域を形成する工程
   は、裏面用製版領域と表面用製版領域が連なって形成さ
   れた一枚の孔版原紙を一つの版胴に巻き付けることによ
   り形成する工程である、孔版による印刷方法。
7. 【請求項７】 略円筒形の版胴に、印刷内容に応じた穿
   孔がなされた孔版原紙を貼着することによって印刷領域
   を形成し、当該印刷領域を通過したインクによって記録
   媒体に印刷を行う印刷方法であって、 印刷色にそれぞれ対応した複数の版胴の各々に、記録媒
   体の表面に印刷する内容に応じた表面用印刷領域と、記
   録媒体の裏面に印刷する内容に応じた裏面用印刷領域と
   を形成する工程と、 前記複数の版胴の各々の前記裏面用印刷領域を通過した
   インクにより転写胴上に多色の裏面用インク画像を形成
   する工程と、 記録媒体を前記複数の版胴と前記転写胴の間に搬送し、
   当該記録媒体の表面に前記複数の版胴の表面用印刷領域
   により多色印刷を行い、これと同時に同一の記録媒体の
   裏面に前記転写胴により多色印刷を行う工程と、を含む
   孔版による印刷方法。