JPH09500312A - 薬剤配分ｐｔｃａカテーテル及び配分方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 一対の長手方向に間隔を置いた膨脹可能なバルーン（２０，２２）と、その間に画定された薬剤配分領域（２６）とを備えた血管用の薬剤配分カテーテル（１０）が示されている。カテーテルは、ＰＣＴＡ手順の後に使用することが理想的であり、近位バルーン（２０）が血管を密封し、遠位バルーンが膨脹したとき独特の輪郭を有し、治療すべき血管の近傍にバルーンを越えた液体連通を画定する。遠位バルーン（２２）は膨脹したときに４つの弁を有するが、織地模様を有することもできる。各弁は隣接する弁と分離され、この溝は、血管の内壁と組み合わされて流体連通路を形成する。血管（５４）内で双方後バルーン（２０，２２）が膨脹したとき、膨脹したバルーン（２０，２２）の間の薬剤配分領域（２６）を介してヘパリンのような薬剤が注入され、薬剤は選択された速度で遠位バルーン（２２）を越えて流れ出る。従って、一回分の薬剤の量として注入するのではなく、治療場所に直接薬剤を注入することができ、副作用を最小限にするために少量の薬剤を使用することができる。別の例として、近位バルーン（２０）の一部のみを膨脹させてそれを越える流れを制限するか、近位バルーン全体をなくすることによって散布を行うことができ、液体配分領域は、輪郭を有する遠位バルーン（２２）の上流に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】 薬剤配分ＰＴＣＡカテーテル及び配分方法 発明の背景 本発明は、経皮的なトランスルミナル冠状動脈（ＰＣＴＡ）手順を実施した後 、患者の血管装置に薬剤を送る装置及び方法に関し、特に血管の治療場所への薬 剤を配分し集中することを容易にする改良されたカテーテル装置に関する。 経皮的なトランスルミナル冠状動脈（ＰＣＴＡ）の手順は、１つの膨脹可能な バルーンを備えたカテーテルを患者の血管装置に導入する段階と、治療すべき狭 窄病変部の近傍にバルーンを配置する段階とからなる。閉塞または狭窄部分にバ ルーンを並置することによって、拡張流体がカテーテルの内腔を通って導入され バルーンが膨脹し、閉塞部分に対してバルーンが拡張して狭窄した血管を拡張し それを開放する。次にこのカテーテルは除去され、第２のカテーテルが血管組織 に導入される。続いて狭窄病変部を治療するために薬剤が第２のカテーテルを通 して導入され、その場所の血小板の凝集を禁止する。この手順は最近の臨床医学 において広範に使用され、従来の冠状パイパス外科手術よりかなり外傷が少なく なる。 ある薬剤はレステノシス（ｒｅｓｔｅｎｏｓｉｓ）を小さくする際にさらに有 効であることが分かっている。これらの薬剤はＰＣＴＡ手順を繰り返す必要性を 小さくする。例えば、ある薬剤は、円滑な細胞の成長を禁止する傾向がある。こ れらの薬剤は、望ましくない副作用を有するので静脈に１回で注入し、狭窄病変 部の場所に血液流によって単に搬送することができる。しかしながら、本発明に よれば、もし薬剤をその病変部に送ることができるならば、非常に少量の薬剤が 使用され、副作用も最小限になる。 ヘパリンは、一回分の投薬として注入することによって送られるが、欠点を有 する凝結を禁止する１つの公知の薬剤である。例えば、潰瘍を有する患者または 高血圧のような患者は、大量のヘパリンを投与するために禁忌を示す。アスピリ ンまたはペルサンチンのような他の薬剤は、治療箇所の血小板凝縮を禁止する際 に及びレステノシスを禁止する際に有効である。損傷を受けた動脈を治療するた めにまた血栓を溶解するために反凝固薬剤はＰＣＴＡ手順の後に投与されること が好ましい。 ＰＣＴＡ手順に理想的に適した１つの特別な血管薬剤配分拡張カテーテルは、 米国特許第４，９９４，０３３号に示されており、その技術は参照によりここに 組み込まれている。この特別なカテーテルは、液体の薬剤を受ける壁の間に画定 された空隙を有する同心円的に配置された可撓性プラスティックエキスパンダを 有する。複数の小さい穴が外側のエキスパンダ部材を通して形成される。双方の エキスパンダ部材が膨脹するとき、薬剤は最外端のエキスパンダの小さい穴から 出て血管の隣接する組織に対して放出される。この装置を使用することによって 狭窄病変部を直接治療するために非常に少量の薬品が使用される。これは、特別 の薬剤の副作用を低減する。薬剤の投与中、外側の拡張部材は血管の内壁に直接 接触して血管の内壁を密封して内面を通って血液の散布を制限する。従って、薬 剤は体全体には容易には配分されない。 治療剤を配分するバルーンカテーテルが米国特許第５，０４９，１３２号に示 されている。このバルーンカテーテルは、第２のバルーンによって包囲された第 １のバルーンを有する。第２のバルーンはヘパリンのような薬剤を狭窄症病変部 または損傷した冠状動脈に局所的に送るためにバルーンを通るように画定された 複数の開口部を有する。この膨脹可能な外側のバルーンは、薬剤をそれに加えな がら短い時間で血管の内壁を密封するようになっている。この装置は、バルーン の膨脹液として薬剤を使用する。この薬剤は、バルーンが所望の速度で拡張する ように所定の容量及び所定の圧力で投与されるにもかかわらず、バルーン壁の開 口部を通って薬剤が漏れる。 これらの従来技術のＰＴＣＡの薬剤配分カテーテルの双方は、カテーテル軸に 沿って互いに長手方向に離れている一対のバルーンではなく、２つの同心円上の バルーンを有する。各デバイスの薬剤配分領域は、最外端のバルーンの外壁を通 って画定され、それと共に緊密に一致するように血管の壁に対して配置される。 これらの双方の装置は、バルーンに緊密に接近して血管の壁を通って薬剤がゆっ くり吸収されるようにすることができ、治療場所を越えて大量の薬剤が流れてそ の場所にあふれないようにする。 従って、本発明の第１の目的は、治療場所に種々の薬剤を直接に注入するのに 適した改良された拡張カテーテルと、薬剤を配分するための改良された方法を提 供することである。 また、本発明の基本的な目的はＰＴＣＡ手順の途中またはその後に薬剤を注入 するのに適した改良されたカテーテルを提供することである。 本発明の他の目的はレステノシスを禁止するように処理すべき病変部に直接液 体の薬剤または他の適当な物質を投薬することができる拡張カテーテルを提供す ることである。 本発明の他の目的はＰＴＣＡ手順の間またはその後に適しており、狭窄症病変 部に薬剤を有効に適用する間、血管内の血液を制限する適当な拡張カテーテルを 提供することである。 本発明の他の目的は、拡散を実行するために適当なカテーテルを提供すること である。 さらに本発明の他の目的は、薬剤を狭窄病変場所に直接配分する方法を提供す ることである。 本発明の前述した目的及び利点はその間に画定された薬剤配分領域を備えた長 手方向に間隔を置いた一対の膨脹可能な拡張部材（バルーン）を有する血管の薬 剤拡張カテーテルを提供することによって達成される。第２の及び最も遠位バル ーンは膨脹したとき、第２のバルーンの周囲と処理すべき血管の内壁との間に複 数の通路を画定する輪郭を有する。従って、拡張したバルーンの間の空所に薬剤 を配分し拡張した第２のバルーンに隣接した血管の壁の組織を越えてゆっくりと 流れ治療場所を薬剤で有効に浸すことができるようにする。第１のバルーンは、 第２のバルーンが拡張して血管内の流れを制限し血管の壁を通過してそれに隣接 して薬剤が漏れることができるようにしながら治療場所に接近してその上流で血 管全体を密封する。もし所望ならば、膨脹した第２のバルーンは、薬剤が血管を 越えて流れるときに血管を広げるように拡張することができる。拡張したバルー ンの対の間に画定された空所が薬剤を放出する前後に洗い流され吸い出され、Ｐ ＴＣＡ手順の前後に薬剤の有効性を増大する。 好ましい実施例において、第２のバルーンは、拡張したとき、隣接した弁の各 対の間に流通路が画定されるように複数の弁を有する。４つの長手方向の流通路 が、４つの弁によって血管の内壁と協働してつくられ、各通路は画定された弁の 間の溝に沿って伸びている。しかしながら、他の部分が血管壁から間隔を置いて １つまたはそれ以上の溝を形成しながら第２の膨脹可能なバルーンの一部が血管 に係合する他の構成も同様に実施される。もちろん、第２のバルーンの輪郭は、 第２のバルーンが膨脹したとき、大きいか、または小さい、少ないかまたは多数 の直線または湾曲したまたは螺旋形状の流通路が形成されるように設計すること ができる。通路は、第２のバルーン壁の厚さを選択的に選択することによってつ くられ、前記壁は、弁がバルーンが膨脹したときに谷よりもさらに拡張する傾向 を有するように谷に接近するよりも弁の冠状部に接近する方がさらに薄くなる。 別の例としては、一様な厚さの壁を有し、外面は、織地の粗い面を有し、外側に 伸びる間隔を置いた複数の突出部を有する。 他の好ましい実施例において、第１または近位バルーンは、一部が膨脹したと きのみ拡張して輪郭を有し、拡散を行うように全体がなくされる。従って、薬剤 は少量の血液と有効に混合され血管の選択された部分をゆっくり越えて流れるこ とができるようにされる。従って、１つのバルーンのカテーテルは局所化した有 効な薬剤治療を行うことができる。 第１図は、本発明による好ましい実施例による血管に配置された大きく拡大し た拡大図の２つのバルーンの血管内の薬剤配分カテーテルの部分断面図である。 第２図は、種々の内腔、バルーン及び薬剤配分領域を示すカテーテルの大きく 拡大された部分断面図である。 第３図は、カテーテルを通って伸びるいくつかの内腔を示す近位バルーンの第 １図の線３−３で切った断面図である。 第４図は、動脈内で膨脹した輪郭の遠位バルーンで複数の液体通路を画定する 第１図の４−４で切った断面図である。 第５図は、膨脹内腔３０及び３２が互いに連通する第１図の３−３で切った断 面図である。 第６図は、拡散に適する本発明の他の好ましい実施例による血管に配置された 大きく拡大した１つのバルーンの血管内の薬剤配分カテーテル拡大図の部分断面 図である。 第７図は、カテーテルを通って伸びるいくつかの内腔を示す第６図の線７−７ で切った断面図である。 第８図は、遠位バルーンが織地の外面を有する第１図の線４−４で切った断面 図である。 第９図は、外側に伸びる複数の突出部を有する第１図の線４−４で切った断面 図である。 本発明の他の目的、特徴及び利点は、好ましい実施例の説明、請求の範囲及び 同様な部品には同じ数字が付される図面を通して当業者に明らかになる。第１図 及び第２図を参照すると、本発明の好ましい実施例を有する血管内の薬剤配分拡 張カテーテルが参照符号１０で示されている。それは、参照数字１２，１４，１ ６によってそれぞれ示されている第１、第２及び第３の同軸的にまたは同心円的 に配置された細長い可撓性プラスティック管状部材を有することが分かる。３つ の管は通常は長さがほぼ１３５ｃｍであり、最外側の管１２は、治療場所の近位 に血管組織の部分を容易に通過するような寸法である。この構成は、ガイドワイ ヤの遠位端が病変場所または治療場所を通りそれを越えるようにガイドワイヤが ガイドカテーテル（図示せず）を通して送られるとそれが細長いガイドワイヤ１ ８を通過するオーバザワイヤ装置として示される。 最外端の管１２の遠位端は近位バルーン２０と遠位バルーン２２として示され る一対の膨脹可能なバルーンである。図示するように近位バルーン２０は、膨脹 した時に形状がほぼ細長く、円筒形の形状である。遠位バルーン２２は膨脹した とき非円形で等間隔に半径方向に伸びる複数の弁が画定されるような輪郭をして いることを特徴とする。別の例として遠位端のバルーンの輪郭は、織地模様をし ており、粗い面を有するか（第８図参照）、または外側に伸びる複数の突出部（ 第９図参照）を有する。２つのバルーンは、非拡張性のプラスティック部材のよ うなＰＥＴから、またはシリコン、ナイロンまたは非伸長性のプラスティック部 材のようなポリエチレンから製造することができ、各々は図示したようにカテー テル本体１２に適切に結合される。弁は製造したときバルーン壁の厚さを制御す ることによって製造される（第４図参照）。特に、壁は膨脹したときに弁の冠状 部を画定するようにいくつかの点でさらに弾性的で薄く、他の部分で比較的に 厚く、膨脹したときに、余り拡張せずに谷を画定する。別の例として、異なる領 域のバルーンの非伸長性の程度は、分子の架橋結合の度合いに影響を与えるよう にプラスティック材料を適当に照射することによって変えることができる。バル ーンが血管内で膨脹したときに遠位バルーン２２に沿った流通路として作用する 長手方向の溝２４が画定される。別の案としてバルーン２２は、第８図に示すよ うに、膨脹したときに液体流が通過することができるように織地模様を有し、第 ９図に示すように流通路を画定するように互いに間隔を置いた外側に伸びる複数 の突出部を有する。 近位バルーン２０と遠位バルーン２２との間の最も外側の管１２に沿って薬剤 配分領域２６が形成され、この領域の管１２はカテーテルが血管に挿入された後 薬剤を配分し、拡張したバルーンの間に存在する液体を拡散する複数の穴または 開口部２８を有する。第１図及び第２図の部分破断断面図から分かるように、第 １の内腔３０は、開口部３１で近位バルーン２０の内側に液体連通している。第 ２の内腔３２が管状部材１２の長さに沿って伸びており、開口部３３で遠位バル ーン２２と液体連通してそこで終わっている。また環状部材１２の全長に伸びて いる第３の内腔３４が薬剤配分領域２６その結果開口部２８に液体連通する。さ らに内腔３６は管１６の中央を通って伸びており、図示するようにガイドワイヤ １８を摺動可能に受けるようになっている。 第１及び第２の膨脹内腔３０及び３２は、近位バルーン２０及び遠位バルーン ２２の双方がカテーテルハブ４４のポートを通して膨脹流体を導入することによ って独立して膨脹することができる。しかしながら、バルーン膨脹内腔３０及び ３２は１つの流体源によって双方のバルーン２０及び２２が同時に膨脹されるよ うに互いに液体連通することができることは理解できよう。拡散領域２６から液 体を放散するために追加的な内腔４０が内腔３４と液体連通している。しかしな がら、内腔３４及び４０は互いに隔離することができ、内腔４０は、流体が別々 に噴射され双方の内腔を介して発散されるようにポートから手で接近することが できる。 カテーテル組立体の近位端にはそれぞれが内腔３０，３２及び３４に連通して いる３つのポート４６，４８及び５０を有する成形プラスティックハブ４４が取 り付けられている。ポート４６，４８及び５０は、グッディン等の米国特許第４ ，７２３，９３８号に示されるタイプのシリンジのような膨脹ツールの取付を容 易にするためにルアー型固定具であってもよい。 ハブ４４の近位端にはガイドワイヤ１８に対応する最内端の管１６の内腔３６ に結合されている穴を有するスタブ５２が配置されている。ガイドワイヤが除去 されたとき、最内端の管の内腔３６が治療箇所の遠位端の血液を満たすために使 用することができる。別の例として、内腔３６は処理場所の圧力を測定する途中 で使用することができる。 同心円的なカテーテル本体１２，１４及び１６は、アンジオプラスティ及びア ンジオグラフィックを製造する際によく使用される種々の材料から製造される。 典型的な材料は、ＰＶＣ、ナイロン及びポリウレタンである。ガイドワイヤ１８ は、特許の文献でよく知られている技術によってステンレススチールから製造す ることができる。 第１図を参照すると、ガイドワイヤ１８は、使用中に、イントロジューサまた はガイドカテーテル（図示せず）を通して血管５４の治療すべき場所または箇所 にわたってガイドワイヤ１８が配置される。それに続いて、最も内側の管１６の 遠位端はガイドワイヤの近位端上に適合され、弁型遠位バルーン２２が治療すべ き場所の近傍に並置されるまでガイドワイヤに沿って前進される。近位バルーン ２０は、その上流（近位部分）に配置される。第１図は、血管５４内で膨脹した 形状での近位バルーン２０及び遠位バルーン２２を示す。これらのバルーンはワ イヤの配分中に収縮し、環状部材１２の外側にしっかりと適合するように包囲さ れる。 カテーテル１０の遠位端が放射線不透過性のマーカーバンド５６の補助で適切 に配置され、次に膨脹流体が近位ポート４６及び内腔３０を通って注入され、近 位バルーン２０を完全に膨脹させて冠状動脈のような血管を密封する。しかしな がら、拡散が所望であるならば、第１のバルーン２０は、血管内で浮き流れを制 限するように一部を膨脹することができるか、遠位バルーン２２と同様に膨脹し たとき輪郭バルーンを有するか、第６図を参照して簡単に説明するように完全に 無くすこともできる。次に、膨脹流体は、バルーンが少なくとも一部が膨脹し、 容器壁の近傍に配置され、それを通る流れを制限するか、または血管の内壁に係 合するかしなくなるまで弁の遠位バルーン２２の内側に注入される。好ましくは 、遠位バルーン２２は、完全に膨脹されその場所に係合するようにその場所で血 管壁に係合する（第４図，第８図及び第９図）。一端膨脹すると、複数の流体通 路または溝６０は、弁の構成の谷によって画定され、その内の１つは、第４図に 示すように各弁の谷６２と血管の壁６４との間に示される。 膨脹時に、各弁６２の冠状部は血管５４の内側の近位壁に係合しそれを密封す る。しかしながら、複数の流体通路６０はバルーンの表面に第１図及び第４図に 示すようにバルーンの表面にわたって流体連通することができるように開放した ままである。次に血栓の形成を防止する液体を含むヘパリンまたは他の適当な薬 剤、または治療場所で血小板の凝結を防止するアスピリンまたはパーサンチンの ような選択された分散剤が遠位ルアポート５０及び内腔３４を通って薬剤配分領 域２６の内部に導入され、膨脹バルーン２０及び２２の間に画定された空所に開 口部２８を通って分散される。この空所が薬剤で充填されると、空所に追加的な 薬剤を注入することによって、長手方向に伸びる溝２４によって画定され、流れ パターンに示す矢印によって第１図に示すような治療場所に接触する流体溝６０ を通って対応する制御可能な速度で、膨脹した遠位バルーンを越えて薬剤が流れ る。第１の膨脹バルーンは、薬剤が薬剤治療場所を迅速に越えて洗うことがない ように、また薬剤のみが治療場所を越えて流れるように、治療場所から上流の血 管５４を密封する。 隣接する弁６２の間の溝の深さを適当に選択することによって、膨脹した遠位 弁を越える薬剤の分散流の速度を選択することができる。従って、溝２４が浅く なればなる程、それを越えて薬剤が押される速度が遅くなる。同様に、薬剤がそ れを越えて流れる速度を制御するために画定された溝２４の数を選択することが できる。例えば、遠位バルーン２２は、（膨脹したとき）一対のみの弁を有し、 液体流に対応するために溝の対応する対を有するように構成することができる。 所望ならば、長手方向に伸びる溝２４は、薬剤がそれを越えて流れる速度及びパ ターンを選択的に変えるように直線ではなく、非直線、湾曲または螺旋にするこ とができる。別の例として、遠位バルーン２２は、バルーン２２が膨脹したとき 血管の一部を密封し、薬剤がそれを越えてゆっくり流れることができるようにす る。 従って、本発明の１つの主な特徴は、膨脹したとき１つ部分で血管５４の一部 を密封することができるように遠位バルーン２２が独特の輪郭になり、治療場所 の近位で配分された薬剤の漏れ及び連通が可能になるように他の溝を有する部分 で血管の壁から間隔を置いている。しかしながら、遠位バルーン２２は、一部の みが膨脹し、血管内の近位に配置されるが、フロート構成においてそこから間隔 を置いており、それを越えた薬剤の流れを制限する。膨脹遠位バルーン２２の輪 郭は、製造時に適当な留意によって膨脹するときに第４図に示すような壁厚に画 定される。別の例として、壁は一様な厚さを有するが、織地の外面（第８図）を 有するか、または外側に伸びる間隔を置いた複数の突出部（第９図）を有する。 治療すべき場所に隣接してまたはわずかに上流に遠位バルーン２２を配置するよ うに放射線不透過性のマーカー５６を使用することができる。 薬剤を注入する前に薬剤配分領域２６の開口部は、膨脹したバルーンの間の空 所に薬剤があふれ、流れるように、またその間に配置されたこれ及び他の流体を 分散させるように内腔３４及び／または４０と組み合わせて使用することができ る。従って、薬剤がこの空所に薬剤配分領域２６を介して連続的に注入されると きに、薬剤は、希釈されず、治療すべき血管壁に対して集中され、それを浸すこ とができる。生理食塩水のような液体が通常よく用いられる。従って、血管を薬 剤で有効に浸すことができる。 ＰＴＣＡ手順の後に、冠状動脈のような血管壁は、短時間の間に、例えば、１ 分間にわたってふさがれる。この時間の間、凝結を溶解するために本発明を使用 して坑凝結剤を注入することができる。長手方向に間隔を置いたバルーンの対と 、膨脹したときに遠位バルーンの輪郭が形成され、その間に画定された薬剤配分 領域との組み合わせは、治療する血管または冠状動脈に長期間にわたる開放を行 う際に有効である。流体通路６０の寸法及び形状は、それらが容易につまらない ように、またそれを越えて流れる薬剤の流れ速度を適当に選択することができる ように適当に構成された弁６２及び溝２４によってよく構成することができる。 このように本発明の１つの大きな特徴は、治療場所を越えて流れる薬剤の速度を 特 に構成された遠位バルーンを使用することによって、選択することができる。純 粋な例示として、薬剤は、その場所で血小板の凝結を禁止するためにアスピリン またはペルサンチン、つまりを禁止するヘパリンまたはプロスタグランジン、円 滑な筋肉細胞の成長を禁止する際に有効であることが分かっている他の薬剤を含 む。 薬剤配分領域２６を介して薬剤を配分する前で血管を密封する前に膨脹可能な 近位バルーン２０が理想的であるが、膨脹可能なバルーンに対する説明は、他の 装置の可能性への制限を意味するものではなく、薬剤配分領域２６から上流の血 管を密封するか収縮する方法を同様に使用することができることを理解しなけれ ばならない。従って、本発明による特別の方法は、まずＰＴＣＡの途中またはそ の後、狭窄病変部のような選択された血管の場所から上流の血管を密封し、この 場所の下流でバルーンまたは流れ障害部材を膨脹する段階と、薬剤が輪郭を有す る遠位バルーンを越えて治療すべき場所に隣接するように近位バルーン（密封装 置）と遠位輪郭バルーンとの間に薬剤を注入する段階とを含む。 クローバの葉のような４つの弁が好ましい実施例の輪郭であるが、または図示 したような丸い弁に関して外側に伸びる突出部または織地、等価物のような異な る輪郭が同様に本発明には適当であることを理解すべきである。輪郭を有するバ ルーンが膨脹したとき、血管の内壁と組み合わさってその結果生じる溝は、制御 された速度で薬剤が漏れることができるように流体の通路を形成する。従って、 流通路の特定の設計に対する制限はない。さらに、遠位バルーン２２に注入され た膨脹流体の量は、通路６０の断面開口部を選択的に制御するために選択的に制 御可能に膨脹される。従って、治療場所の近傍の遠位バルーン２２を越えて流れ る速度は、第１図に示す遠位バルーン２２のような１つの装置を使用して選択的 に制御することができる。 第６図の参照符号７０で示すような本発明の他の好ましい実施例において、同 様の本発明による拡散を行うことができる。近位バルーンの一部のみを膨脹させ 、第１図のバルーン２２と同一の輪郭の織地模様（第８図）の膨脹した近位バル ーン２０を提供することによって、または外側に伸びる突出部（第９図参照）を 有する近位バルーン２０を形成するか、または第６図に示すように一緒に近位バ ル ーン２０をなくすことによって、拡散が可能になり、それを以下に説明する。第 ６図の１つのバルーンカテーテル７０は、輪郭を有する１つの遠位バルーン２２ のみが近位及びそこから上流に画定されている薬剤配分領域２６を備えている。 それと対応して、このカテーテルの動作に少数の内腔及びポートが必要である。 さらに詳細に説明すれば、ポート４６からの薬剤を薬剤配分領域２６及び穴２８ に連通する第１の内腔３０と、第１図のカテーテル１０を参照して前述したよう にポート４８から伸びており、膨脹遠位バルーン２２で終結する第２の内腔３２ とを有する。第７図に示すように内腔３６が設けられている。 拡散して制限され少量の血液流が流体通路６０を通って流れることができるよ うにするために、薬剤配分領域２６を介して膨脹した遠位バルーン２２の上流で 薬剤が注入され、血液と混合される。血液及び薬剤の双方が、膨脹した輪郭の遠 位バルーン２２を越えて血管容器に緊密に接近してゆっくりと掃引されＰＴＣＡ 手順の間またはその後にその場所を満たす。例えば、遠位バルーン２２は、血管 を膨脹し、薬剤としてそれを越える狭窄部を小さくするために血管を膨脹するた めに膨脹することができるか、またはまたは前に導入したカテーテルによってＰ ＣＴＡ手順を実行した後に実施される。弁型バルーン（第１図）に示すような遠 位バルーン２２（第１図）のような他の実施例において、突出部（第９図）を含 むバルーンが適当であり、内科医によって所望なように実行することができる。 要約すると、輪郭を有する遠位バルーン２２の特定の輪郭への制限、部分的ま たは全体的に膨脹した構成の近位バルーン２０の実施に対する制限はない。むし ろ、膨脹したときに、その近傍及び上流の近傍に配置された薬剤供給領域で遠位 輪郭バルーンを提供することによって、本発明の１つの第１の特徴がある。さら に近位バルーン２０は、所望ならば全体的になくされ所望ならば未膨脹のまま残 される。さらに本発明は、ＰＴＣＡ手順の間またはその後に実行することができ る。 本発明は、所望ならば、拡散を組み込むことができる。 この発明は、特許の法令に従うようにまた新しい原理を適用するために必要で 必要な特定の部材を製造し使用するために必要な情報を当業者に提供するように かなり詳細に説明した。しかしながら、本発明は特定の異なる設備装置によって 実行することができ、設備の詳細及び作動手順の双方に関する種々の変形例は本 発明の観点から逸脱することなく実施することができる。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 させてそれを越える流れを制限するか、近位バルーン全 体をなくすることによって散布を行うことができ、液体 配分領域は、輪郭を有する遠位バルーン（２２）の上流 に配置される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１、第２及び第３の内腔３０，３２．３４を有すると共に近位端及び遠 位端を有する細長い可撓性軸の管状のカテーテル軸１２を有し、前記カテーテル 軸１２は前記遠位端近傍で互いに長手方向に離れた前記第１と第２のバルーンと 、前記第１と第２のバルーンの間に配置された薬剤配分領域２６とを有し、前記 第１と第２の内腔は、前記第１と第２のバルーン２０，２２に流体連通しており 、前記第３の内腔３４は、前記薬剤配分領域２６に流体連通しており、前記第２ のバルーン２２は患者の血管５４内で膨脹したとき、前記薬剤配分領域２６から 前記第２のバルーン２２の外面に沿って流体の流れを生成する外側の輪郭面を有 する薬剤配分拡張カテーテル１０。 ２．前記第２のバルーン２２は、膨脹したとき複数の弁を有し、前記弁の隣接 した対の間に長手方向の流通路がある請求項１に記載の薬剤配分カテーテル１０ 。 ３．前記第２のバルーン２２は膨脹したときに前記弁を画定するために厚さの 変化するバルーン壁を有する請求項２に記載の薬剤配分拡張カテーテル１０。 ４．前記流通路は、前記第２のバルーン２２の前記外面に沿って前記薬剤配分 領域２６から放出された薬剤の一様な通路を容易にするために互いに等間隔に傾 斜して配置されている請求項２に記載の薬剤配分カテーテル１０。 ５．前記第２のバルーン２２の外面は、前記流通路をつくるために膨脹したと きに織地を有する請求項１に記載の薬剤配分カテーテル１０。 ６．前記第２のバルーン２２の外面は、膨脹したときに外側に伸びる複数の突 出部を有する請求項１に記載の薬剤配分カテーテル１０。 ７．前記第２のバルーン２２は、伸長可能な材料である請求項１に記載の薬剤 配分カテーテル１０。 ８．前記第２のバルーン２２は非伸長性材料から製造される薬剤配分カテーテ ル。 ９．前記第１及び第２の内腔３０，３２は、前記第１と第２のバルーンが同時 に膨脹することを容易にするために互いに液体連通している請求項１に記載の薬 剤配分拡張カテーテル。 １０．ガイドワイヤ１８を受けるために前記近位端から前記遠位端に伸びる第 ４の内腔を有する薬剤配分拡張カテーテル１０。 １１．第１と第２の内腔３０，３２と、近位端及び遠位端とを有する細長い可 撓性軸の管状のカテーテル軸１２を有し、前記軸は、前記遠位端に配置された膨 脹可能なバルーン２２と、前記バルーンの間に配置された薬剤配分領域２６とを 有し、前記第１の内腔３０は、前記バルーン２２に流体連通しており、前記第２ の内腔３２は、前記薬剤配分領域２６に流体連通しており、前記第２のバルーン ２２は、膨脹したとき、前記薬剤配分領域２６から前記第２のバルーン２２の外 面に沿って流体流をつくり、前記第２のバルーン２２が患者の血管内で膨脹した とき、外側に輪郭面を有する薬剤配分拡張カテーテル１０。 １２．前記バルーン２２は、膨脹したとき複数の弁を有し、前記弁の隣接した 弁の各々の対の間に長手方向の流通路がある請求項１１に記載の薬剤配分拡張カ テーテル７０。 １３．前記バルーン２２は、膨脹したときに弁を画定するために厚さが変化す るバルーンの壁を有する請求項１２に記載の薬剤配分拡張カテーテル７０。 １４．前記流通路は、前記バルーン２２の外面に沿って前記薬剤配分領域２６ から配分された薬剤が一様に通過することを容易にするために互いに等間隔で傾 斜して配置されている請求項１２に記載の薬剤配分拡張カテーテル７０。 １５．前記バルーン２２の外面は、膨脹したときに前記流体流通路をつくるた めに織地を有する請求項１１に記載の薬剤配分カテーテル７０。 １６．前記第２のバルーン２２の外面は、膨脹したときに外側に伸びる複数の 突出部を有する請求項１１に記載の薬剤配分カテーテル７０。 １７．前記第２のバルーン２２は、膨脹性材料である請求項１に記載の薬剤配 分カテーテル１０。 １８．前記第２のバルーン２２は非膨脹性材料から製造される薬剤配分カテー テル。 １９．ガイドワイヤ１８を受けるために前記近位端から前記遠位端に伸びる第 ４の内腔を有する請求項１１に記載の薬剤配分拡張カテーテル７０。 ２０．前記薬剤配分領域２６は、前記バルーン２２の近傍に配置されている請 求項１１に記載の薬剤配分カテーテル７０。 ２１．（ａ）カテーテルの遠位端近傍で互いに長手方向に間隔をおいた第１及 び第２の膨脹可能なバルーン２０，２２を有し、前記第１と前記第２のバルーン ２０，２２の間に配置された薬剤配分領域２６を有する細長い可撓性のカテーテ ル１０を提供する段階と、 （ｂ）前記第２のバルーン２２が前記選択部分に沿って前記血管５４の内壁６ ４に隣接して配置されるように前記患者の血管５４に前記カテーテル１０を挿入 する段階と、 （ｃ）前記第１のバルーン２０を膨脹させて前記血管の内壁６４を密封する段 階と、 （ｄ）第１の部分が前記血管５４の内壁６４の近くであるがそこから離れて配 置されるように前記第２のバルーン２２を膨脹させる段階と、 （ｅ）前記膨脹した第２のバルーン２２と前記血管の内壁６４との間でそれを 越えて薬剤が流れるように前記第１と第２のバルーン２０，２２との間の血管５ ４に前記薬剤配分領域を通って前記薬剤を注入する段階とを有する患者の血管５ ４の選択部分に薬剤を配分する方法。 ２２．前記第２のバルーン２２は、拡張したときに前記血管の内壁６４から前 記第２のバルーン２２の前記第１の部分を離し、前記第２のバルーン２２の第２ の部分は血管の内壁に係合し、前記血管の内壁と前記膨脹した第２のバルーン２ ２の前記第１の部分との間に少なくとも１つの薬剤流通路が画定される請求項２ １に記載の方法。 ２３．前記薬剤として薬品を含んだ液体を注入する段階を有する請求項２２に 記載の方法。 ２４．前記第２のバルーン２２は、前記段階（ｂ）でアテローム性動脈硬化症 の近傍に配置されている請求項２１に記載の方法。 ２５．（ａ）第１及び第２の長手方向に間隔を置いた流れ障害部材２０，２２ と、前記流れ障害部材２０，２２の間に配置された薬剤配分領域２６とを有する 細長い可撓性のカテーテル１０を提供する段階と、 （ｂ）前記第１の流れ障害部材２０が前記血管の選択部分の上流に配置され、 前記第２の流れ障害部材２２が前記血管５４の選択部分の下流でその近傍に配置 されるように前記患者の血管５４に前記カテーテル1０を配置する段階と、 （ｃ）前記第１の流れ障害部材２０で前記血管５４の流れを妨害し、流体が第 ２の障害部材２２を越えて前記血管５４の選択部分に隣接するように流れるよう に前記第２の流れ障害部材２２で前記血管５４内の流れを妨害する段階と、 （ｄ）前記拡散流が前記第２の流れ障害部材２２を越えて前記血管５４の選択 部分に密接に隣接して流れるように前記カテーテル薬剤配分領域２６から薬剤を 配分する段階とを有する患者の血管の選択部分に薬剤を配分する方法。 ２６．前記第１の流れ障害部材２０は、血管を越える流れを防止するために段 階（ｃ）で前記容器を密封する請求項２５に記載の方法。 ２７．前記第２の流れ妨害部材２２は、膨脹したとき輪郭を有する外面を備え た膨脹可能なバルーンであり、前記段階（ｃ）は、前記血管５４の選択された部 分の近傍に前記輪郭を有する外面を配置して血管を通る流れを制限する段階を有 する請求項２５に記載の方法。 ２８．前記第１の流れ妨害部材２０は、膨脹可能なバルーンであり、前記血管 ５４内の流れを妨害するために段階（ｃ）で膨脹される請求項２７に記載の方法 。 ２９．前記第２の流れ妨害部材２２は、アテローム性動脈硬化症の近傍で段階 （ｂ）で配置される請求項２８に記載の方法。 ３０．前記薬剤として薬品を含む液体を噴射する段階を含む請求項２５に記載 の方法。 ３１．前記カテーテル１０を導入する前に血管の選択部分に患者の血管を通し てガイドワイヤ１８を導入する段階と、前記ガイドワイヤ１８上を患者の血管５ ４を通って前記カテーテルを配置する段階とを有する請求項２５に記載の方法。 ３２．（ａ）近位端及び遠位端を有するカテーテルであって、前記遠位端に第 １の流れ妨害部材２２と、端部近傍の前記カテーテル７０と前記流れ妨害部材２ ２との間に配置された薬剤配分領域２６とを有するカテーテル７０を提供する段 階と、 （ｂ）前記流れ障害部材２２が前記血管の選択部分の近傍に配置され、前記薬 剤配分領域２６がその上流に配置されるように前記患者の血管５４に前記カテー テル１０を配置する段階と、 （ｃ）流体が第２の障害部材２２を越えて前記血管５４の選択部分に隣接する ように前記第２の流れ障害部材２２で前記血管５４内の流れを妨害する段階と、 （ｄ）前記拡散流が前記第２の流れ障害部材２２を越えて前記血管５４の選択 部分に密接に隣接して流れるように前記カテーテル薬剤配分領域２６から薬剤を 配分する段階とを有する患者の血管の選択部分に薬剤を配分する方法。 ３３．前記流れ妨害部材２２は、膨脹したとき輪郭を有する外面を備えた膨脹 可能なバルーンであり、前記段階（ｃ）は、前記血管５４の選択された部分の近 傍に前記輪郭を有する外面を配置して血管を通る流れを制限する段階を有する請 求項２２に記載の方法。 ３４．前記バルーン２２を膨脹させる段階は、前記輪郭を有する外面の一部が 、前記血管５４の選択部分に係合するように前記バルーン２２を膨脹させる段階 を有する請求項３３に記載の方法。