JPH09316022A - (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法

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JPH09316022A
JPH09316022A JP12830296A JP12830296A JPH09316022A JP H09316022 A JPH09316022 A JP H09316022A JP 12830296 A JP12830296 A JP 12830296A JP 12830296 A JP12830296 A JP 12830296A JP H09316022 A JPH09316022 A JP H09316022A
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JP
Japan
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polymerization
acrylic acid
meth
ester
hydroquinone
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Application number
JP12830296A
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English (en)
Inventor
Katsuji Imi
勝治 伊美
Kozo Kato
幸三 加藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸およびそのエステルの製
造に際し、蒸留時等の加熱状態においてもポリマーの発
生抑止効果に優れた重合防止方法を提供する。 【解決手段】 重合防止剤としてハイドロキノンに加
え、ベンゾキノン、1,2−ナフトキノンおよびそのエ
ステルの少なくとも1種を添加することにより、(メ
タ)アクリル酸およびそのエステルの重合を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸およびそのエステルの重合防止方法に関する。さらに
詳しくは、本発明は(メタ)アクリル酸およびそのエス
テルを含む系において、重合防止剤としてハイドロキノ
ンに加えて、ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン及び
その誘導体の少なくとも1種を併用する重合防止方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸およびそのエステル
は、熱、光、過酸化物等によって容易に、しかも極めて
激しい重合を起こす性質を有しているため、これらを蒸
留塔により精製する際に、多量の重合物の発生による蒸
留塔の能力の低下や、蒸留塔リボイラー伝熱面への重合
物の付着による伝熱性能の低下をもたらすばかりでな
く、蒸留塔内での重合物による閉塞も起こすことが知ら
れている。これらの現象は、(メタ)アクリル酸および
そのエステルを製造するプロセスにおいては、極めて大
きな支障となっており、重合をいかに制御するかが、工
業的製造には重要である。
【0003】従来、(メタ)アクリル酸およびそのエス
テルの重合防止法の1つとして、重合防止剤を添加する
ことが、古くから提案され実施されている。代表的な重
合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル等のフェノール類、フェノチアジン、
ジフェニルアミン等のアミン類、ジブチルジチオカルバ
ミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン等のマンガン塩、ニト
ロ化合物、ニトロソ化合物が知られている。そして、こ
れらの重合防止剤を単独の形で用いたり、或いは分子状
酸素含有ガスとこれらの重合防止剤との併用による方法
などがいろいろ提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに提案されている重合防止剤は(メタ)アクリル酸製
造プロセスの蒸留工程などの高温状態では、その重合防
止効果が小さいため、多量に添加しなければならず、工
業的実施において満足すべきものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(メタ)
アクリル酸およびそのエステルの重合防止法について鋭
意検討を行った結果、個々にはアクリル酸の重合防止剤
として公知であるハイドロキノンと特定の重合防止剤を
併用する場合には、単独では得られなかった顕著な重合
防止効果を相乗効果として発現し得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち本発明は、重合防止
剤としてベンゾキノン、1,2−ナフトキノンおよびそ
の誘導体の少なくとも1種とハイドロキノンを用いるこ
とを特徴とする(メタ)アクリル酸およびそのエステル
の重合防止方法を提供するにある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法について詳細に
説明する。本発明方法は(メタ)アクリル酸およびその
エステルに適用し得る。アクリル酸エステルとしては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル
等、またメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル等が挙げられる。
【0007】本発明方法に於いて、(メタ)アクリル酸
およびそのエステルの重合防止方法は、重合防止剤とし
てハイドロキノンにベンゾキノン、1,2−ナフトキノ
ンおよびその誘導体(以下1,2−ナフトキノン類と記
す場合がある)の少なくとも1種を併せ用いることを必
須とする。 重合防止剤としてのハイドロキノンは、
(メタ)アクリル酸およびそのエステルに対して約1〜
約5000ppm、好ましくは、約10〜約500pp
m添加される。ベンゾキノン、または1,2−ナフトキ
ノン類は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルに対
して約1〜約5000ppm、好ましくは、約10〜約
500ppm添加される。この際、両者は共存させて使
用するが、その比率(重量比)は約1:約100〜約1
00:約1、好ましくは約1:約10〜約10:約1の
範囲から選ばれる。前記重合防止剤の添加量がこの範囲
未満の場合には重合防止効果が十分ではなく、また、こ
の範囲を越える場合には十分な重合防止効果は得られる
ものの経済的ではない。
【0008】1,2−ナフトキノンの誘導体としては
1,2−ナフトキノン−4−スルホン酸カリウム、1,
2−ナフトキノン−4−スルホン酸ナトリウム、ブロモ
−1,2−ナフトキノン、クロロ−1,2−ナフトキノ
ン等が挙げられる。
【0009】本発明に於いて、重合防止剤の添加方法は
特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸を
製造する場合に関して説明すれば、それぞれの重合防止
剤を固体、または粉体のまま直接アクリル酸に添加する
方法や、適当な有機溶剤にそれぞれまたはその両方を溶
解して添加しても良い。これらは例えばアクリル酸の製
造直後に添加することもできるが、蒸留を行う直前に添
加することが好ましく、工業的には蒸留装置へ供給され
るアクリル酸の供給原液中や蒸留によって蒸留缶液側へ
還流される液中に溶解させて供給することもできる。一
般に、アクリル酸またはアクリル酸を含む系の蒸留は約
50〜約150℃、約100〜約500mmHgの条件
で行われるが、本発明方法によれば、このような高温状
態での処理においても十分に重合を防止することがで
き、長期の連続運転が可能になる。
【0010】本発明方法に於いては重合防止剤としてハ
イドロキノンにベンゾキノン、1,2−ナフトキノンお
よびその誘導体の少なくとも1種を併用することによ
り、優れた重合防止効果が得られるが、公知の他の重合
防止剤を更に添加・併用することも可能である。かかる
公知の重合防止剤としてはハイドロキノンモノメチルエ
ーテル等のフェノール類、フェノチアジン、ジフェニル
アミン等のアミン類、ジブチルジチオカルバミン酸銅等
の銅塩、酢酸マンガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、
ニトロソ化合物等が挙げられる。 これらの使用は上記
した本発明方法に於いて適用する重合防止剤と同様の方
法で使用することができる。
【0011】また、本発明方法に於いては、必要に応じ
て分子状酸素を用いることも可能である。分子状酸素は
エアーバブリング等によりアクリル酸に混入させればよ
く、工業的には、アクリル酸の精留塔や、アクリル酸と
溶剤の分離塔、アクロレインやメタクロレイン等の軽沸
分のストリッパー等の蒸留操作を行う箇所で実施するこ
とができる。
【0012】
【発明の効果】以上詳述した本発明方法によれば、少量
の重合防止剤で効果的に(メタ)アクリル酸およびその
エステルの重合防止を可能ならしめるもので、特に蒸留
時の高温状態においても、個々に重合防止剤を用いる場
合に比較し、極めて優れた(メタ)アクリル酸およびそ
のエステルの重合防止効果を発揮するもので、その産業
上の利用価値は頗る大である。
【0013】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0014】実施例1 アクリル酸50%水溶液にハイドロキノンを100pp
mを添加し、さらに表1に示す重合防止剤を添加した溶
液5gを、内容積20mlの蓋付き試験管に入れ、窒素
ボックス中で100ppmの酸素を含む窒素により5分
間バブリングした後、試験管をその雰囲気下で密栓し
た。次いでこの試験管を100℃のオイルバスに30分
浸けた後、取り出し冷却した。この冷却後の溶液を水で
希釈し、4級アンモニウム塩と反応させ、その濁りの度
合いから溶液中のポリアクリル酸量を定量した。
【0015】
【表1】 (表中のPAはポリアクリル酸を示す)
【0016】表1から明らかな如く重合防止剤としてハ
イドロキノンとベンゾキノン、又はハイドロキノンと
1,2−ナフトキノンおよびその誘導体を併用した本発
明方法はハイドロキノン単独或いはハイドロキノンと本
発明方法以外の重合防止剤との併用に比較し、重合防止
効果に優れていることがわかる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合防止剤としてベンゾキノン、1,2
    −ナフトキノンおよびその誘導体の少なくとも1種とハ
    イドロキノンを用いることを特徴とする(メタ)アクリ
    ル酸およびそのエステルの重合防止方法。
  2. 【請求項2】 ベンゾキノン、1,2−ナフトキノンお
    よびその誘導体の使用量が(メタ)アクリル酸およびそ
    のエステルに対して1〜5000ppmであることを特
    徴とする請求項1記載の(メタ)アクリル酸およびその
    エステルの重合防止方法。
  3. 【請求項3】 ハイドロキノンの使用量が(メタ)アク
    リル酸およびそのエステルに対して1〜5000ppm
    であることを特徴とする請求項1記載の(メタ)アクリ
    ル酸およびそのエステルの重合防止方法。
  4. 【請求項4】 ベンゾキノン、1,2−ナフトキノンお
    よびその誘導体の少なくとも1種とハイドロキノンの使
    用割合が1:100〜100:1であることを特徴とす
    る請求項1記載の(メタ)アクリル酸のおよびそのエス
    テルの重合防止方法。
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Cited By (3)

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