JP3351497B2 - ビニル化合物の重合防止方法 - Google Patents

ビニル化合物の重合防止方法

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JP3351497B2
JP3351497B2 JP00638896A JP638896A JP3351497B2 JP 3351497 B2 JP3351497 B2 JP 3351497B2 JP 00638896 A JP00638896 A JP 00638896A JP 638896 A JP638896 A JP 638896A JP 3351497 B2 JP3351497 B2 JP 3351497B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニル化合物の重合
防止方法に関し、さらに詳しくは、ビニル化合物、特に
アクリル酸やメタクリル酸などの製造プロセスにおける
蒸留系などにおいて、液相部及び気相凝縮部に対し、そ
の重合を効果的に抑制するとともに、機器の腐食を防止
し、長期間の安定な連続運転を可能とするビニル化合物
の重合防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン,アクリル酸,メタクリ
ル酸,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル,ア
クリロニトリルなどのビニル化合物は、光や熱などによ
って重合しやすい性質を有することが知られている。こ
れらのビニル化合物の製造プロセスにおいては、所望の
ビニル化合物を分離回収したり、濃縮したり、あるいは
精製などのために、種々の蒸留操作が施されている。し
かしながら、該ビニル化合物は、前記したように光や熱
により重合してポリマー状物質を形成するため、蒸留工
程において種々のトラブルを引き起こし、長期間の安定
な連続運転を不可能にするなど、好ましくない事態を招
来しやすい。したがって、このような事態を回避するた
めに、これまで、重合防止剤の存在下に蒸留操作を行う
方法がとられている。この重合防止剤としては、例えば
ヒドロキノン,メトキノン(p−メトキシフェノー
ル),p−t−ブチルカテコール,t−ブチルヒドロキ
ノン,フェノチアジンなどが用いられている。しかしな
がら、アクリル酸やメタクリル酸などは極めて重合しや
すい化合物であり、これらの重合防止剤では必ずしも充
分な効果が得られていないのが実状である。ところで、
ジブチルジチオカルバミン酸銅は、アクリル酸やメタク
リル酸の液相部に対して優れた重合抑制効果を示すこと
が知られている。しかしながら、気相凝縮部に対して
は、このジブチルジチオカルバミン酸銅をはじめ、上記
重合防止剤は、その効果が小さいか又はほとんど効果を
示さない。また、該ジブチルジチオカルバミン酸銅は、
装置(例えば、材質SUS316)を腐食するという欠
点を有するため、工業化プラントにおいては使用が困難
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、ビニル化合物、特にアクリル酸やメタクリル
酸などの製造プロセスの蒸留系などにおいて、液相部及
び気相凝縮部の両方に対して、その重合を効果的に抑制
するとともに、機器の腐食を防止し、長期間の安定な連
続運転を可能とするビニル化合物の重合防止方法を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジブチルジチ
オカルバミン酸銅を代表とするジアルキルジチオカルバ
ミン酸金属塩が、液相部に対して優れた重合防止効果を
示すことに着目し、これとN−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンやその塩とを併用することにより、液相部
及び気相凝縮部の両方に対して優れた重合防止効果を示
すことを見出した。そして、さらに無機酸や無機酸塩や
水を共存させることにより、機器の腐食を効果的に抑制
しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づい
て完成したものである。すなわち、本発明は、ビニル化
合物の製造プロセスにおいてジアルキルジチオカルバミ
ン酸金属塩を用いてビニル化合物の重合を防止するに当
たり、(A)ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩とと
もに、(B)N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
及び/又はその塩と、(C)無機酸,無機酸塩及び水の
中から選ばれた少なくとも一種とを用いることを特徴と
するビニル化合物の重合防止方法を提供するものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の方法が適用できるビニル
化合物としては、例えばスチレン,アクリル酸,メタク
リル酸,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル,
アクリロニトリルなどが挙げられるが、これらの中で、
特にアクリル酸及びメタクリル酸が好適である。本発明
においては、上記ビニル化合物の重合防止剤として、
(A)成分、すなわち、ジアルキルジチオカルバミン酸
金属塩が用いられる。このジアルキルジチオカルバミン
酸金属塩としては、例えば一般式(I)
【0006】
【化1】
【0007】で表される化合物を用いることができる。
上記一般式(I)において、R1 及びR2 は、それぞれ
炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基である。炭素
数1〜8のアルキル基は直鎖状,分岐状のいずれであっ
てもよく、具体的にはメチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基などが挙げられ
る。またR1 及びR2 はたがいに同一であっても異なっ
ていてもよい。Mは金属を示し、例えばニッケル,亜
鉛,銅,鉄,遷移金属(Mn,Coなど)などである。
nは金属Mの価数を示す。
【0008】上記一般式(I)で表されるジアルキルジ
チオカルバミン酸金属塩としては、例えばジメチルジチ
オカルバミン酸銅,ジエチルジチオカルバミン酸銅,ジ
プロピルジチオカルバミン酸銅,ジブチルジチオカルバ
ミン酸銅,ジペンチルジチオカルバミン酸銅,ジヘキシ
ルジチオカルバミン酸銅,ジフェニルジチオカルバミン
酸銅,メチルエチルジチオカルバミン酸銅,メチルプロ
ピルジチオカルバミン酸銅,メチルブチルジチオカルバ
ミン酸銅,メチルペンチルジチオカルバミン酸銅,メチ
ルヘキシルジチオカルバミン酸銅,メチルフェニルジチ
オカルバミン酸銅,エチルプロピルジチオカルバミン酸
銅,エチルブチルジチオカルバミン酸銅,エチルペンチ
ルジチオカルバミン酸銅,エチルヘキシルジチオカルバ
ミン酸銅,エチルフェニルジチオカルバミン酸銅,プロ
ピルブチルジチオカルバミン酸銅,プロピルペンチルジ
チオカルバミン酸銅,プロピルヘキシルジチオカルバミ
ン酸銅,プロピルフェニルジチオカルバミン酸銅,ブチ
ルペンチルジチオカルバミン酸銅,ブチルヘキシルジチ
オカルバミン酸銅,ブチルフェニルジチオカルバミン酸
銅,ペンチルヘキシルジチオカルバミン酸銅,ペンチル
フェニルジチオカルバミン酸銅,ヘキシルフェニルジチ
オカルバミン酸銅,及びこれらの銅塩に対応するニッケ
ル塩,亜鉛塩,鉄塩,各種遷移金属(Mn,Coなど)
塩などが挙げられる。これらのジアルキルジチオカルバ
ミン酸金属塩の中で、効果の点から、ジアルキルジチオ
カルバミン酸銅塩が好ましく、特にジブチルジチオカル
バミン酸銅が好適である。このジブチルジチオカルバミ
ン酸銅は、市販品として容易に入手することができる。
【0009】上記ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩
は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。また、その使用量は、特に制限はなく、各種の状
況によって適宜選定されるが、通常はビニル化合物に対
して0.001〜5重量%の範囲で選ばれる。この量が0.
001重量%未満では、液相部における重合防止効果が
充分に発揮されない場合がある。また5重量%を超える
と、その量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済
的に不利となることが多い。液相部における重合防止効
果及び経済性の面から、このジアルキルジチオカルバミ
ン酸金属塩の好ましい使用量は、ビニル化合物に対し
て、0.01〜1重量%の範囲であり、特に0.05〜0.5
重量%の範囲が好適である。
【0010】本発明においては、重合防止剤として、こ
のジアルキルジチオカルバミン酸金属塩とともに、
(B)成分、すなわち、N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンやその塩が用いられる。塩の種類については
特に制限はないが、効果の点から、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアンモニウム塩が好適である。こ
れらのN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンやその
アンモニウム塩は、市販品として容易に入手することが
できる。本発明においては、上記N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンやその塩は単独で用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量
は、適宜選定すればよいが、通常はジアルキルジチオカ
ルバミン酸金属塩に対して0.01〜10倍重量の範囲で
選ばれる。この量が0.01倍重量未満では、気相凝縮部
における重合防止効果が充分に発揮されないことがあ
る。また10倍重量を超えると、その量の割には効果の
向上がみられず、むしろ経済的に不利となる場合が多
い。気相凝縮部における重合防止効果及び経済性の面か
ら、このN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンやそ
の塩の好ましい使用量は、ジアルキルジチオカルバミン
酸金属塩に対して0.05〜1倍重量の範囲である。
【0011】本発明の方法においては、機器の腐食を抑
制するために、腐食抑制物質として、(C)成分、すな
わち、無機酸,無機酸塩及び水の中から選ばれた少なく
とも一種が用いられる。上記無機酸としては、オキソ酸
が好ましく、具体的にはホウ酸,リン酸,硝酸,硫酸な
どが挙げられる。これらの中で、効果の点から、リン酸
及びホウ酸が好ましく、特にリン酸が好適である。ま
た、無機酸塩としては、これらの無機酸のニッケル塩,
亜鉛塩,鉄塩,マンガン塩,コバルト塩などが挙げられ
る。本発明においては、この(C)成分の腐食抑制物質
は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。また、その使用量は、各種の状況により異なり、
一義的に定めることができないが、無機酸や無機酸塩を
用いる場合、通常ビニル化合物に対して0.001〜5重
量%の範囲で選定される。この量が0.001重量%未満
では、腐食抑制効果が充分に発揮されないことがあり、
また5重量%を超えると、その量の割には効果の向上が
あまりみられず、むしろ他の不都合が生じるおそれがあ
る。腐食抑制を効果的に行い、かつ他の不都合をもたら
さない点から、この無機酸や無機酸塩の好ましい使用量
は、ビニル化合物に対して、0.01〜3重量%の範囲で
あり、特に0.03〜1重量%の範囲が好適である。
【0012】なお、腐食抑制物質として、特にリン酸を
用いる場合、このリン酸の使用量は、前述したジアルキ
ルジチオカルバミン酸金属塩、特にジアルキルジチオカ
ルバミン酸銅塩に対して0.01以上(重量比)、特に0.
1〜3(重量比)であることが好ましい。一方、腐食抑
制物質として水を用いる場合、この水の量は、適宜定め
ればよいが、通常はビニル化合物に対して0.05〜5重
量%の範囲で選ばれる。この量が0.05重量%未満で
は、腐食抑制効果が充分に発揮されにくい。また、5重
量%を超えるとその分離に多大のエネルギーコストがか
かり、経済的に不利となることがある。腐食防止性及び
経済性の面から、好ましい水の量は、ビニル化合物に対
し、0.07〜0.5重量%の範囲である。本発明の方法に
おいては、重合防止効果をさらに向上させるために、所
望に応じ、他の公知の重合防止剤、例えばヒドロキノ
ン,メトキノン(p−メトキシフェノール),p−t−
ブチルカテコール,t−ブチルヒドロキノンなどのフェ
ノール系重合防止剤,フェノチアジンなどを添加するこ
とができる。本発明の方法においては、前記(A)成
分,(B)成分及び(C)成分の供給方法については特
に制限はなく、例えば(1)各成分を別々に供給する方
法、(2)(A)成分,(B)成分及び(C)成分を含
有する混合液を供給する方法、(3)(A)成分と
(B)成分とを含有する混合液と、(C)成分を供給す
る方法、(4)(A)成分と(C)成分とを含有する混
合液と、(B)成分を供給する方法、(5)(B)成分
と(C)成分とを含有する混合液と、(A)成分を供給
する方法などを挙げることができる。
【0013】上記(1)の方法においては、まず(A)
成分を供給し、その存在下に、(B)成分と(C)成分
を供給するのが望ましい。この際、(B)成分と(C)
成分の供給順序については特に制限ない。(2)の方法
においては、適当な量の本発明の適用対象のビニル化合
物中に、(A)成分と(C)成分を加えたのち、(B)
成分を加えるか、あるいはまず(A)成分を加えたの
ち、(B)成分と(C)成分を加えて混合液を調製する
のが望ましい。(3)の方法においては、適当な量の該
ビニル化合物中に、最初に(A)成分を加え、次いで
(B)成分を加えて混合液を調製したのち、まずこの混
合液を系内に供給し、(A)成分と(B)成分の存在下
に、(C)成分を供給するのが望ましい。(4)の方法
においては、適当な量の該ビニル化合物中に、(A)成
分と(C)成分を加えて混合液を調製したのち、まず、
この混合液を系内に供給し、(A)成分と(C)成分の
存在下に、(B)成分を供給するのが望ましい。さら
に、(5)の方法においては、まず(A)成分を系内に
供給し、(A)成分の存在下に、(B)成分と(C)成
分とを含有する混合液を供給するのが望ましい。本発明
の方法においては、前記(A)成分,(B)成分及び
(C)成分を含むビニル化合物の処理温度は、ビニル化
合物の種類により異なるが、アクリル酸やメタクリル酸
の場合は、通常50〜130℃の範囲である。処理温度
がこの範囲にあれば、重合防止効果及び腐食防止効果が
充分に発揮される。また、アクリル酸やメタクリル酸を
蒸留する場合は、通常減圧下で処理され、圧力としては
0.01〜0.1MPaの範囲が好ましい。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0015】比較例1 冷却管付500ミリリットルセパラブルフラスコに、酸
化被膜処理を施したSUS316テストピース(40×
15×3mm)と、重合防止剤としてジブチルジチオカ
ルバミン酸銅3500重量ppm(対アクリル酸、以下
同じ。)を溶解させたアクリル酸200ミリリットルを
仕込み、減圧下にフラスコ内温を110℃に保持して1
日間還流状態とした。その結果、腐食によるテストピー
スの重量減少率(処理前テストピースの重量に対する重
量減少量の割合)は507重量ppmであった。また、
この際、フラスコ内の液相部にはポリマーによる白濁は
みられなかったが、気相凝縮部であるフラスコの上蓋に
大量のポリマーが生成していた。条件及び結果を第1表
に示す。
【0016】比較例2 比較例1において、重合防止剤としてジブチルジチオカ
ルバミン酸銅の代わりにフェノチアジンを用いた以外
は、比較例1と同様にして実施した。条件及び結果を第
1表に示す。
【0017】比較例3 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmと共に、リン酸8500重量ppmを溶
解させたアクリル酸200ミリリットルを用いた以外
は、比較例1と同様にして実施した。条件及び結果を第
1表に示す。
【0018】比較例4 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmを溶解した後に、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンアンモニウム塩350重量ppmを
溶解させたアクリル酸200ミリリットルを用いた以外
は、比較例1と同様にして実施した。条件及び結果を第
1表に示す。
【0019】比較例5 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmと共に、水2000重量ppmを溶解さ
せたアクリル酸200ミリリットルを用いた以外は、比
較例1と同様にして実施した。条件及び結果を第1表に
示す。
【0020】比較例6 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅70
00重量ppmを溶解させたアクリル酸200ミリリッ
トルを用いた以外は、比較例1と同様にして実施した。
条件及び結果を第1表に示す。
【0021】比較例7 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅50
0重量ppmを溶解させたアクリル酸200ミリリット
ルを用いた以外は、比較例1と同様にして実施した。条
件及び結果を第1表に示す。
【0022】比較例8 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmと共に、メトキノン3500重量ppm
を溶解させたアクリル酸200ミリリットルを用いた以
外は、比較例1と同様にして実施した。条件及び結果を
第1表に示す。
【0023】比較例9 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmと共に、フェノチアジン1000重量p
pm,ヒドロキノン2000重量ppm,メトキノン2
000重量ppm及びリン酸8500重量ppmを溶解
させたアクリル酸200ミリリットルを用いた以外は、
比較例1と同様にして実施した。条件及び結果を第1表
に示す。
【0024】比較例10 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmと共に、フェノチアジン1000重量p
pm,ヒドロキノン2000重量ppm,メトキノン2
000重量ppm及びN−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミンアンモニウム塩350重量ppmを溶解させた
アクリル酸200ミリリットルを用いた以外は、比較例
1と同様にして実施した。条件及び結果を第1表に示
す。
【0025】比較例11 比較例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅の代
わりに、フェノチアジン1000重量ppm,ヒドロキ
ノン2000重量ppm,メトキノン2000重量pp
m及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモ
ニウム塩350重量ppmを溶解させたアクリル酸20
0ミリリットルを用いた以外は、比較例1と同様にして
実施した。条件及び結果を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】(注) 液相部の重合状態の判定基準 ○: 重合による液相部の白濁なし △: 重合により液相部が僅かに白濁する ×: 重合により液相部が白濁する 気相凝縮部の重合状態の判定基準 ○: 重合によるフラスコ上蓋へのポリマーの生成なし △: 重合によりフラスコ上蓋に僅かにポリマーが生成
する ×: 重合によりフラスコ上蓋にポリマーが生成する
【0030】第1表において、比較例1と比較例2との
比較から、ジブチルジチオカルバミン酸銅は腐食性を有
していることが分かる。また、比較例1,3,5から、
ジブチルジチオカルバミン酸銅は液相における重合防止
効果は良好であるものの、気相凝縮部における重合防止
効果は極めて低いことが分かる。比較例4から、ジブチ
ルジチオカルバミン酸銅とN−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンアンモニウム塩とを併用することにより、
気相凝縮部における重合防止効果の向上をもたらすこと
が分かる。さらに、比較例1と比較例3,5との比較例
から、リン酸及び水は腐食抑制物質として有効であるこ
とが分かる。
【0031】実施例1 ジブチルジチオカルバミン酸銅3500重量ppmと共
に、リン酸8500重量ppmを溶解させた後に、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩3
50重量ppmを溶解させたアクリル酸200ミリリッ
トルを用いた以外は、比較例1と同様にして実施した。
条件及び結果を第2表に示す。
【0032】実施例2 実施例1において、リン酸の量を4000重量ppmに
変えた以外は、実施例1と同様にして実施した。条件及
び結果を第2表に示す。
【0033】実施例3 実施例1において、リン酸の量を400重量ppmに変
えた以外は、実施例1と同様にして実施した。条件及び
結果を第2表に示す。
【0034】実施例4 実施例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅の量
を7000重量ppmに変えた以外は、実施例1と同様
にして実施した。条件及び結果を第2表に示す。
【0035】実施例5 実施例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅の量
を500重量ppm、N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミンアンモニウム塩の量を50重量ppm及びリン
酸の量を50重量ppmにそれぞれ変えた以外は、実施
例1と同様にして実施した。条件及び結果を第2表に示
す。
【0036】実施例6 実施例5において、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアンモニウム塩の量を25重量ppmに変えた以
外は、実施例5と同様にして実施した。条件及び結果を
第2表に示す。
【0037】実施例7 実施例1において、リン酸の代わりに水2000重量p
pmを用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。
条件及び結果を第2表に示す。
【0038】実施例8 実施例1において、さらに水2000重量ppmを加え
た以外は、実施例1と同様にして実施した。条件及び結
果を第2表に示す。
【0039】実施例9 実施例1において、リン酸の代わりにリン酸亜鉛170
0重量ppmを用いた以外は、実施例1と同様にして実
施した。条件及び結果を第2表に示す。
【0040】実施例10 実施例5において、リン酸の代わりにリン酸亜鉛170
0重量ppmを用いた以外は、実施例5と同様にして実
施した。条件及び結果を第2表に示す。
【0041】実施例11 実施例1において、リン酸の代わりにホウ酸3300重
量ppmを用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。条件及び結果を第2表に示す。
【0042】実施例12 実施例11において、ホウ酸の代わりにホウ酸亜鉛90
0重量ppm及び水900重量ppmを用いた以外は、
実施例11と同様にして実施した。条件及び結果を第2
表に示す。
【0043】実施例13 実施例1において、ジブチルジチオカルバミン酸銅35
00重量ppmと共に、フェノチアジン1000重量p
pm,ヒドロキノン2000重量ppm,メトキノン2
000重量ppm,N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンアンモニウム塩350重量ppm及びリン酸85
000重量ppmを溶解させたアクリル酸200ミリリ
ットルを用いた以外は、実施例1と同様にして実施し
た。条件及び結果を第2表に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】(注)液相部及び気相凝縮部の重合状態の
判定基準は、第1表の脚注と同じである。第2表から明
らかに、本発明の方法によると、液相部及び気相凝縮部
の両方において、良好な重合防止効果を示し、かつテス
トピースの腐食が極めて小さいことが分かる。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ビニル化合物、
特にアクリル酸やメタクリル酸などの製造プロセスにお
ける蒸留系などにおいて、液相部及び気相凝縮部の両方
に対して、該ビニル化合物の重合を効果的に抑制しうる
とともに、機器の腐食を防止し、長期間の安定した連続
運転が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−211735(JP,A) 特開 平7−252477(JP,A) 特開 平5−51403(JP,A) 特開 昭64−42443(JP,A) 特開 平5−194346(JP,A) 特表 平3−503896(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/42 C07C 57/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル化合物の製造プロセスにおいてジ
    アルキルジチオカルバミン酸金属塩を用いてビニル化合
    物の重合を防止するに当たり、(A)ジアルキルジチオ
    カルバミン酸金属塩とともに、(B)N−ニトロソフェ
    ニルヒドロキシルアミン及び/又はその塩と、(C)無
    機酸,無機酸塩及び水の中から選ばれた少なくとも一種
    とを用いることを特徴とするビニル化合物の重合防止方
    法。
  2. 【請求項2】 ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩
    が、ジブチルジチオカルバミン酸銅である請求項1記載
    の重合防止方法。
  3. 【請求項3】 N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
    ンの塩が、アンモニウム塩である請求項1記載の重合防
    止方法。
  4. 【請求項4】 無機酸が、リン酸又はホウ酸である請求
    項1記載の重合防止方法。
  5. 【請求項5】 ビニル化合物が、アクリル酸又はメタク
    リル酸である請求項1記載の重合防止方法。
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