JPH09314717A - 蓋 材 - Google Patents

蓋 材

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JPH09314717A
JPH09314717A JP8157522A JP15752296A JPH09314717A JP H09314717 A JPH09314717 A JP H09314717A JP 8157522 A JP8157522 A JP 8157522A JP 15752296 A JP15752296 A JP 15752296A JP H09314717 A JPH09314717 A JP H09314717A
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JP
Japan
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resin
resin layer
thermoplastic resin
stretched
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Application number
JP8157522A
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English (en)
Inventor
Takuya Yamazaki
拓也 山崎
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた静電気特性を有し、かつ、合成樹脂製
容器への高い接着性と良好な剥離性を兼ね備えた蓋材を
提供する。 【解決手段】 延伸樹脂層の一方の面に、自己接着性の
熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層を介してヒートシ
ーラント層と透明結晶性有機半導体を主成分とする静電
気拡散層とをこの順に積層して蓋材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蓋材に係り、特に内
容物として電子部品等を収納する合成樹脂製容器に用い
る帯電防止特性を備えた蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種部品、固形あるいは液状
の食品等を合成樹脂製容器に収容し、開口部を蓋材によ
り密封して流通、保管することが行われている。
【0003】例えば、多数のエンボスが形成されたキャ
リアテープの各エンボス部に電子部品を収納し、蓋材
(カバーテープ)をエンボス部を覆うようにキャリアテ
ープ上に熱融着して密封したエンボスキャリア型テーピ
ングが使用されている。このようなエンボスキャリア型
テーピングに使用されるキャリアテープは、通常、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボ
ネート等のシート成形が容易な材料を用いて形成されて
いる。また、蓋材は、延伸樹脂フィルムと、このフィル
ムの一方の面に形成されたヒートシーラント層を備えた
積層体からなっている。そして、電子部品の実装工程に
おいて、エンボスキャリア型テーピングに収納されてい
る電子部品を取り出すために蓋材が剥離可能であること
が要求される。
【0004】また、蓋材がヒートシールされたエンボス
キャリア型テーピングにおいては、出荷最終段階におい
て電子部品が充填されているか否かの検査、および電子
部品の外観、機能不良(リードの曲がり、折れ、パッケ
ージング部のボイド等)を目視にて行う必要がある。
【0005】さらに、収納されている電子部品がキャリ
アテープのエンボス部あるいは蓋材と接触して発生する
静電気、および蓋材が剥離される際に発生する静電気に
より、電子部品の劣化、破壊が生じる危険性があるた
め、これを防止する手段がキャリアテープ、蓋材に要求
される。
【0006】キャリアテープにおける静電気発生の防止
手段として、キャリアテープ中に導電性カーボン微粒
子、金属酸化物等の導電粉、金属微粒子を練り込んだり
塗布することが行われている。また、蓋材における静電
気発生の防止手段としては、電子部品と直接接触するヒ
ートシーラント層に導電性微粉末を含有させることが行
われている(特公平7−67774号)。特に、ヒート
シーラント層に金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛等)を
導電化した微粉末を混入したものは、比較的透明性を有
するため、よく使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャリ
アテープへの蓋材の熱融着は、エンボスキャリア型テー
ピングの輸送、保管中に蓋材が剥離して電子部品の脱落
が生じることがないように、所定の強度が要求される
が、この熱融着強度および熱融着強度のふれ(熱融着強
度の最大値と最小値の差、以下ジップアップとする)が
大きすぎると、電子部品の実装工程における蓋材の剥離
の際に、キャリアテープが振動して電子部品がキャリア
テープのエンボス部から飛び出す事故が発生するという
問題があった。したがって、蓋材はキャリアテープに十
分な強度で接着され、かつ、電子部品使用時の剥離性が
良好であることが要求されるが、従来のヒートシーラン
ト層に導電性微粉末等を混入した蓋材では、良好な剥離
性が得られないという問題があった。
【0008】また、ヒートシーラント層に金属酸化物の
導電性微粉末を混入した蓋材は、比較的良好な透明性を
有しているが、ヒートシーラント層形成時の分散化が難
しく、電子部品の目視検査が可能な透明性を得るために
は、熟練した分散技術が必要で、製造コストの上昇が避
けられないという問題があった。
【0009】さらに、ヒートシーラント層に界面活性剤
を塗布した場合は、蓋材のヒートシーラント層の表面状
態を変化させ、シール性が不安定となり、シール不良の
原因となったり、また、静電気拡散効果は保管中の温
度、湿度に対する依存性が大きいため、安定した帯電防
止効果が得られないという問題があった。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、優れた静電気特性を有し、かつ、合成樹
脂製容器への高い接着性と良好な剥離性を兼ね備えた蓋
材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は延伸樹脂層と、該延伸樹脂層の一方
の面に自己接着性の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂
層を介して形成されたヒートシーラント層と、該ヒート
シーラント層上に形成された透明結晶性有機半導体を主
成分とする静電気拡散層を備えるような構成とした。
【0012】また、本発明の蓋材前記延伸樹脂層の他方
の面に帯電防止層を備えるような構成とした。
【0013】さらに、本発明の蓋材は、前記延伸樹脂層
を、熱可塑性樹脂からなる同種あるいは異種の2以上の
延伸樹脂層が積層されたものとするような構成、前記延
伸樹脂層がポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂およびポリオレフィン樹脂の少なくとも
1種からなるものであるような構成、前記自己接着性の
熱可塑性樹脂が、多価カルボン酸と多価アルコールとを
エステル反応させた後に重縮合して得られた線状飽和ポ
リエステル樹脂であるような構成、前記ヒートシーラン
ト層が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂およびエ
チレン−酢酸ビニル共重合体の少なくとも1種を含有す
るような構成とした。
【0014】また、本発明の蓋材は、前記静電気拡散層
の表面抵抗率が105 〜1012Ωの範囲内であり、99
%電荷減衰時間が2秒以下であるような構成とした。
【0015】さらに、本発明の蓋材は、全光線透過率が
80%以上であり、かつ、ヘーズ値が30%以下である
ような構成とした。
【0016】上記の本発明では、蓋材は、自己接着性の
熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層を介してヒートシ
ーラント層と静電気拡散層が延伸樹脂層の一方の面に積
層されており、静電気拡散層側において上記蓋材が合成
樹脂製容器にヒートシールされた状態で、上記熱可塑性
樹脂層内における凝集破壊、あるいは、上記熱可塑性樹
脂層とヒートシーラント層との層間における剥離が可能
であるため、ヒートシール強度に関係なく蓋材の剥離が
安定かつ確実に行え、また、静電気拡散層は、主成分で
ある透明結晶性有機半導体が湿度に依存することなく良
好な静電気防止性を有するので、蓋材に安定した帯電防
止特性を付与し、また、この透明結晶性有機半導体は無
色透明で、かつ、ヒートシーラント層のヒートシール性
に影響を与えないため、蓋材は優れた静電気特性と内容
物の視認性を備える。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は本発明の蓋材の一実施形態を示す概
略断面図である。図1において、蓋材1は延伸樹脂層2
と、この延伸樹脂層2の一方の面に自己接着性の熱可塑
性樹脂からなる熱可塑性樹脂層3を介して積層されたヒ
ートシーラント層4および静電気拡散層5とを備えてい
る。
【0019】延伸樹脂層2は、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のポリエステル樹脂、ナイロン等のポ
リアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド(PI)、ポリエ
ーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート
(PA)、ポリエステルエーテル(PEE)、ポリアミ
ドイミド(PAI)、全芳香族ポリアミド(APA)、
ポリパラバン酸(PPA)、ポリオキサジアゾール(P
OD)、ポリヒダントイン(PHY)等の一軸延伸フィ
ルムあるいは二軸延伸フィルムで形成することができ
る。
【0020】また、延伸樹脂層2は、密度0.915〜
0.940g/cm3 のエチレン−α・オレフィン共重合
体、スチレン50〜90重量%とブタジエン50〜10
重量%とのスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ス
チレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%
とのスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加
物およびハイインパクトポリスチレンのうち少なくとも
エチレン−α・オレフィン共重合体およびスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体を含む3種以上の樹脂からな
る樹脂混合物を成形した一軸延伸フィルムあるいは二軸
延伸フィルムで形成することができる。
【0021】この場合、使用するエチレン−α・オレフ
ィン共重合体は、エチレンと、例えば、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、4−メチルペンテ
ン・1等との共重合体等である。このようなエチレン−
α・オレフィン共重合体の密度が0.915g/cm3
満、あるいは0.940g/cm3 を超える場合、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体との組み合わせによる
延伸樹脂層2の成膜性が低下してしまい好ましくない。
【0022】また、延伸樹脂層2の形成に使用するスチ
レン−ブタジエンブロック共重合体を構成するスチレン
量が50重量%未満であるとフィルムの粘着性が増して
取り扱いが難しくなり、また90重量%を超えると低温
での熱可塑性樹脂層3との密着性が悪くなり好ましくな
い。
【0023】そして、延伸樹脂層2におけるエチレン−
α・オレフィン共重合体とスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体との混合比は、エチレン−α・オレフィン共
重合体10〜90重量%、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体90〜10重量%とする。エチレン−α・オ
レフィン共重合体量が10重量%未満、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体が90重量%を超える場合、延
伸樹脂層2の成膜性が低くなり蓋材の透明性も低下し好
ましくない。一方、エチレン−α・オレフィン共重合体
量が90重量%を超え、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体が10重量%未満である場合、延伸樹脂層2と
熱可塑性樹脂層3との密着力が小さすぎ、蓋材の剥離強
度が適正な強度を下回り好ましくない。
【0024】延伸樹脂層2にスチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体の水素添加物およびハイインパクトポリス
チレンを用いて4種の樹脂により形成する場合、上記の
ようなエチレン−α・オレフィン共重合体10〜90重
量%と、スチレン−ブタジエンブロック共重合体90〜
10重量%との樹脂組成物100重量部に対して、スチ
レン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%と
のスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物
を5〜30重量部添加し、ハイインパクトポリスチレン
を5〜50重量部添加することが好ましい。
【0025】また、延伸樹脂層2にスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体の水素添加物を用いて3種の樹脂に
より形成する場合、上記のようなエチレン−α・オレフ
ィン共重合体10〜90重量%と、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体90〜10重量%との樹脂組成物1
00重量部に対して、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体の水素添加物を5〜30重量部添加することが好
ましい。
【0026】さらに、延伸樹脂層2にハイインパクトポ
リスチレンを用いて3種の樹脂により形成する場合、上
記のようなエチレン−α・オレフィン共重合体10〜9
0重量%と、スチレン−ブタジエンブロック共重合体9
0〜10重量%との樹脂組成物100重量部に対して、
ハイインパクトポリスチレンを5〜50重量部添加する
ことが好ましい。
【0027】このような延伸樹脂層2は、蓋材1に耐熱
性と透明性を付与することができ、蓋材1の透明性は全
光線透過率が80%以上であり、かつ、ヘーズ値が30
%以下であることが好ましい。延伸樹脂層2の厚さは、
蓋材の使用目的に応じて適宜設定することができ、例え
ば6〜100μm程度とすることができる。延伸樹脂層
の厚みが6μm未満であると、蓋材1の強度が弱く、合
成樹脂製容器からの高速剥離時に切断を生じるおそれが
ある。また、100μmを超えると、ヒートシール時の
伝熱性が低く、ヒートシールバーの温度を高くする必要
があり好ましくない。尚、この延伸樹脂層2の熱可塑性
樹脂層3が形成される面に、必要に応じて予めコロナ処
理、プラズマ処理、サンドブラスト処理等の表面処理を
施して、熱可塑性樹脂層3との接着性を高めてもよい。
また、必要に応じて静電気発生防止処理を施したものも
使用できる。
【0028】熱可塑性樹脂層3を構成する自己接着性の
熱可塑性樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイ
ン酸、マレイン酸誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリ
コール等の多価アルコールとをエステル反応させた後、
重縮合して得られた線状ポリエステル樹脂の1種あるい
は2種以上の組み合わせからなる。また、熱可塑性樹脂
層3は、上記のような自己接着性の熱可塑性樹脂のう
ち、ガラス転移点(Tg)の異なる熱可塑性樹脂を2種
以上組み合わせて形成してもよい。
【0029】この熱可塑性樹脂層3における上記の自己
接着性の熱可塑性樹脂の含有率は20〜100重量%程
度が好ましく、含有率が20重量%未満であると、熱可
塑性樹脂層3と延伸樹脂層2あるいはヒートシーラント
層4との接着強度が弱くなり好ましくない。また、熱可
塑性樹脂層3の厚みは0.1〜10μm程度とすること
ができる。厚みが0.1μm未満であると、熱可塑性樹
脂層3とヒートシーラント層4との接着強度が弱くな
り、また、10μmを超えると、キャリアテープ等の合
成樹脂製容器とのヒートシール時に熱可塑性樹脂層3が
はみ出し、電子部品を取り出す際に邪魔になる可能性が
あり好ましくない。
【0030】また、本発明では、延伸樹脂層としてのポ
リエステル樹脂フィルムの一方の面に予め上記のような
自己接着性の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層が形
成されたフィルムを使用することができる。
【0031】本発明の蓋材1が上記のような自己接着性
の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層3を具備するこ
とにより、合成樹脂製容器に熱融着された蓋材1を剥離
する際、熱可塑性樹脂層3とヒートシーラント層4との
層間における剥離(層間剥離)、または、熱可塑性樹脂
層3内における凝集破壊が生じる。この場合の剥離強度
は、後述する静電気拡散層5を介したヒートシーラント
層4と合成樹脂製容器との接着強度よりも弱いものであ
り、200〜1200g/15mmの範囲であることが
好ましい。剥離強度が200g/15mm未満になる
と、蓋材を熱融着した後の容器を移送する際に、熱可塑
性樹脂層3とヒートシーラント層4との層間において剥
離が生じ、内容物が脱落する危険性がある。また、剥離
強度が1200g/15mmを超えると、蓋材の剥離の
際に合成樹脂製容器が振動して内容物が飛び出すおそれ
があり好ましくない。また、ジップアップ(剥離強度の
最大値と最小値の差)は50g/2mm以下が好まし
い。ジップアップが50g/2mmを超えると、蓋材の
剥離の際に合成樹脂製容器が振動して内容物が飛び出す
おそれがあり好ましくない。
【0032】尚、上記の剥離強度は、23℃、40%R
H雰囲気下における180°剥離(剥離速度=300m
m/分)の値である。また、ジップアップとは、15m
m幅で合成樹脂製容器に熱融着させた蓋材を2mm幅に
スリットし剥離した時の剥離強度の最大値と最小値の差
をいう。このとき、剥離強度の測定条件は、23℃、4
0%RH雰囲気下における180°剥離(剥離速度=3
00mm/分)で測定長さ20cmとする。
【0033】本発明の蓋材1のヒートシーラント層4
は、エチレン−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル−
アクリル系、オレフィン系、エラストマー系(スチレン
−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン
−イソブチレン−スチレンブロックコポリマー、スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマ
−)、ポリアミド系、ポリエステル系、共重合ポリエス
テル系、ポリウレタン系等のホットメルト接着剤、下記
表1乃至表3に示されるような熱可塑性樹脂や熱可塑性
エラストマーの1種または2種以上の組み合わせにより
形成することができる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】 また、ヒートシーラント層4は、下記のような粘着剤
(感圧接着剤)の1種または2種以上の組み合わせによ
り形成することができる。 (粘着剤) ・ゴム系:天然ゴム系、スチレン−ブタジエン系、ポリ
イソブチレン系、イソプレン系 ・アクリル系 ・シリコーン系 ・エマルジョン系:アクリルエマルジョン系、天然ゴム
ラテックス系、スチレン−ブタジエンラテックス系 ・ホットメルト系:スチレン−イソプレンブロック共重
合体系、スチレン−ブタジエンブロック共重合体系、ス
チレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体系、エチ
レン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマー系 ・水系:ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド
系、ポリビニルメチルエーテル系、ポリアクリル酸含有
ポリマー系、デキストリン系、ポリビニルピロリドン系 ヒートシーラント層4は、好ましくはポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂、アクリル樹脂の少なくとも1種からなる熱可塑
性樹脂で形成されている。2種以上の熱可塑性樹脂の組
み合わせとしては、例えば、ポリウレタン樹脂と塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂(混合比率
は9:1〜4:6の範囲が好ましい)、ポリエステル樹
脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂
(混合比率は1:1〜9.5:0.5の範囲が好まし
い)、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂との混合樹脂(混合比率は1:1〜9.5:0.5
の範囲が好ましい)等を挙げることができる。
【0037】ヒートシーラント層4の厚みは0.5〜5
μmが好ましい。ヒートシーラント層4の厚みが0.5
μm未満の場合、合成樹脂製容器とのヒートシール性が
不十分となるおそれがあり、また、5μmを超えると、
合成樹脂製容器からの蓋材の剥離時にヒートシーラント
層4内で凝集破壊が生じ、ヒートシール剤が蓋材と合成
樹脂製容器とに接着したまま引っ張ってしまい、電子部
品を合成樹脂製容器から取り出す際にひっかかりを生じ
るおそれがある。
【0038】本発明の蓋材1の静電気拡散層5は、透明
結晶性有機半導体を主成分とする層である。この静電気
拡散層5は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂等の
熱可塑性樹脂、エチレン−酢酸ビニル系、エチレン−酢
酸ビニル−アクリル系、オレフィン系、エラストマー系
(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ
ー、スチレン−イソブチレン−スチレンブロックコポリ
マー、スチレン−エチレン−スチレンブロックコポリマ
ー)、ポリアミド系、ポリエステル系、共重合ポリエス
テル系、ポリウレタン系等のホットメルト接着剤、上記
表1乃至表3に示されるような熱可塑性樹脂や熱可塑性
エラストマーの1種あるいは2種以上の組み合わせをバ
インダーとして、これに透明結晶性有機半導体を混練あ
るいは分散させたもの、または、透明結晶性有機半導体
を溶液(水/イソプロピルアルコール)に分散させたも
のを用いて、押出しコート法、溶融押出しコート法、カ
レンダー法、ロールコート法、噴霧法等によりヒートシ
ーラント層4上に形成される。
【0039】本発明において使用する透明結晶性有機半
導体物質としては、下記の一般式(1)に示されるよう
なビスアンモニウム系有機イオウ半導体を挙げることが
できる。
【0040】
【化1】 より具体的には、下記の結合体1〜29に示される物質
を使用することができる。
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】 このような静電気拡散層5は、厚みが0.05〜2μm
の範囲であることが好ましく、その表面抵抗率が22
℃、40%RH下において105 〜1012Ωの範囲内で
あり、また、23±5℃、12±3%RH下において、
5000Vから99%減衰するまでに要する電荷減衰時
間が2秒以下であり、優れた静電気特性を有する。上記
の表面抵抗率が1012Ωを超えると、静電気拡散効果が
極端に悪くなり、電子部品を静電気破壊から保護するこ
とが困難になり、また、105 Ω未満になると、外部か
ら蓋材を介して電子部品に電気が通電する可能性があ
り、電子部品が電気的に破壊される危険性がある。一
方、静電気により発生する電荷の拡散速度の目安である
電荷減衰時間が2秒を超える場合、静電気拡散効果が極
端に悪くなり、電子部品を静電気破壊から保護すること
が困難になる。尚、上記の表面抵抗率および電荷減衰時
間は、米国の軍規格であるMIL−B−81705Cに
準拠して測定することができる。
【0046】また、静電気拡散層5には、必要に応じて
分散安定剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含有させ
ることができる。
【0047】上述の実施形態では、延伸樹脂層が単層構
造であるが、本発明の蓋材は延伸樹脂層が多層構造であ
ってもよい。図2は本発明の蓋材の他の実施形態を示す
概略断面図である。図2において、蓋材11は多層構造
の延伸樹脂層12と、この延伸樹脂層12の一方の面に
自己接着性の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層13
を介して積層されたヒートシーラント層14および静電
気拡散層15とを備えている。尚、この蓋材11を構成
する熱可塑性樹脂層13、ヒートシーラント層14およ
び静電気拡散層15は、上述の蓋材1を構成する熱可塑
性樹脂層3、ヒートシーラント層4および静電気拡散層
5と同様のものとすることできるので、ここでの説明は
省略する。
【0048】延伸樹脂層12は、延伸樹脂層12Aと延
伸樹脂層12Bが接着層12aを介して積層されたもの
であり、延伸樹脂層12B側に熱可塑性樹脂層3が形成
されている。このような延伸樹脂層12を構成する延伸
樹脂層12A,12Bは、上述の延伸樹脂層2と同様の
一軸延伸フィルムあるいは二軸延伸フィルムを使用でき
るので、ここでの説明は省略する。
【0049】延伸樹脂層12を構成する接着層12a
は、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、またはこれらの変性物から
なる硬化反応型接着剤を使用することができる。このよ
うな接着層12aを介し延伸樹脂層12A,12Bを積
層して延伸樹脂層12を形成することにより、透明性を
損なわずに蓋の剛性を高くすることができる。
【0050】また、延伸樹脂層12を構成する接着層1
2aとして、エチレン−α・オレフィン共重合体および
エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン
共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水
マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフ
トポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共
重合ポリエステル、共重合ポリアミド等の接着剤を使用
し、延伸樹脂層12Aと延伸樹脂層12Bをサンドイッ
チラミネーションして延伸樹脂層12を形成してもよ
い。このような延伸樹脂層12は、接着層12aにより
透明性を損なわずにクッション性が付与され、蓋材11
の合成樹脂製容器へのヒートシール性がさらに向上す
る。
【0051】上記の延伸樹脂層12の厚さは、蓋材の使
用目的に応じて適宜設定することができ、上述の蓋材1
を構成する延伸樹脂層2と同様に、例えば6〜100μ
m程度とすることができる。また、延伸樹脂層12を構
成する延伸樹脂層12A,12Bは、それぞれ3〜80
μmの範囲で厚みを設定することができる。さらに、延
伸樹脂層12を構成する接着層12aの厚さは、1〜1
0μmの範囲で設定することができる。
【0052】尚、上述の実施形態では、延伸樹脂層は2
層構造であるが、本発明の蓋材では延伸樹脂層を3層以
上の積層構造としてもよい。
【0053】本発明の蓋材は、上記のような実施形態の
他に、延伸樹脂層上に帯電防止層あるいは、反射防止層
と帯電防止層を有するような態様であってもよい。図3
および図4は、このような本発明の蓋材の他の例を示す
概略断面図である。図3において、蓋材21は延伸樹脂
層22と、この延伸樹脂層22の一方の面に自己接着性
の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層23を介して積
層されたヒートシーラント層24および静電気拡散層2
5とを備え、二軸延伸樹脂層22の他の面には帯電防止
層26を備えている。また、図4においては、更に帯電
防止層26上に反射防止層27を備えている。
【0054】帯電防止層26は、蓋材21の表面に静電
気によるゴミ付着が発生するのを防止することを目的と
して形成されるものである。この帯電防止層26は、帯
電防止剤としてアニオン系、カチオン系、非イオン系、
両性系のいずれかの界面活性剤、脂肪酸誘導体、4官能
基性珪素部分加水分解物、あるいは、金属微粉末、金属
酸化物系、金属硫化物系または硫酸塩系に導電性処理を
施した導電性微粉末、導電性カーボンの少なくとも1種
を含む層である。
【0055】上記のアニオン系界面活性剤としては、硫
酸化油、石鹸、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オ
レフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコール硫酸エス
テル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフ
ォン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼン
スルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸とホルマリン
との混合物、コハク酸エステルスルフォン酸塩、燐酸エ
ステル塩等を挙げることができる。
【0056】また、カチオン系界面活性剤としては、第
1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム化
合物、ピリジン誘導体等を挙げることができる。
【0057】また、非イオン系界面活性剤としては、多
価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪アルコール
のエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサ
イド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドのエチレン
オキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキ
サイド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイ
ド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエ
チレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
【0058】さらに、両性界面活性剤としては、カルボ
ン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等を挙げることができ
る。
【0059】帯電防止層26は、上記のような帯電防止
剤を単独で用いて延伸樹脂層22上に形成することがで
きる。また、後述の反射防止層27の形成において使用
可能な熱可塑性樹脂に帯電防止剤を分散したインキを塗
布することにより形成してもよい。このような帯電防止
層26の厚みは0.2〜20μm程度が好ましい。
【0060】上記の帯電防止層26は、その表面抵抗率
が22℃、40%RH下において105 〜1012Ωの範
囲内であり、また、23±5℃、12±3%RH下にお
いて、5000Vから99%減衰するまでに要する電荷
減衰時間が2秒以下であり、優れた帯電防止効果を有す
る。
【0061】また、反射防止層27は、蓋材における乱
反射あるいは光源の影写りを抑え、容器内部を目視する
ことをより容易にすることを目的としたものである。こ
のような反射防止層27は、弗化カルシウム、弗化ナト
リウム、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化ランタ
ン、弗化ネオジウム、弗化セリウム、二酸化珪素、酸化
アルミニウム、一酸化マグネシウム、酸化トリウム、酸
化ランタン、一酸化珪素、酸化イットリウム、酸化ジル
コニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化
ビスマス、硫化カドミウム等の1種あるいは2種以上
を、熱可塑性樹脂に分散したインキを用いて形成した
り、直接成膜することができる。熱可塑性樹脂として
は、ポリエステル系、ポリウレタン系、アクリル系、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリ酢酸ビニル系、
フェノール系、キシレン系、尿素樹脂系およびメラニン
系、ケトン系、クマロン・インデン系、石油樹脂系、テ
ルペン系、環化ゴム系、塩化ゴム系、アルキド系、ポリ
アミド系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルブチラ
ール系、塩素化ポリプロピレン系、スチレン系、エポキ
シ系、セルロース誘導体等を挙げることができる。イン
キ塗布による反射防止層27の形成方法としては、エア
ドクタコート法、ブレードコート法、ナイフコート法、
ロッドコート法、ロールコート法、グラビアコート法、
スクリーン法、キスコート法、ビードコート法、スロッ
トオリフィスコート法、スプレー法等を挙げることがで
き、また、直接成膜する場合には、真空蒸着法、スパッ
タリング法等を挙げることができる。このような反射防
止層27は、単層構造および多層構造のいずれでもよ
く、膜厚は0.01〜0.5μm程度が好ましい。
【0062】尚、上記の蓋材21において、延伸樹脂層
22、熱可塑性樹脂層23、ヒートシーラント層24お
よび静電気拡散層25は、上述の蓋材11を構成する対
応した各層と同様であるので、説明は省略する。
【0063】また、上述のような帯電防止層および反射
防止層は、図1に示されるような単層構造の延伸樹脂層
を備える蓋材においても同様に形成可能である。
【0064】次に、図3に示される蓋材21を例に、本
発明の蓋材の剥離動作について図5乃至図8を参照して
説明する。先ず、図5および図6に示されるように、例
えば、エンボス部32を備えた合成樹脂製容器としての
キャリアテープ31に、図3に示されるような蓋材21
が熱融着される。この熱融着は、エンボス部32の両端
部に所定の幅でライン状に行われる。図示例では、ライ
ン状の熱融着部分Hを斜線部で示してある。この状態
で、蓋材21の熱可塑性樹脂層23とヒートシーラント
層24との密着強度は200〜1200g/15mmの範
囲であり、ヒートシーラント24と静電気拡散層25と
の接着強度あるいは静電気拡散層25とキャリアテープ
31との熱融着強度よりも小さいものとなっている。次
に、蓋材21をキャリアテープ31から剥離すると、ラ
イン状の熱融着部分Hにおいては、ヒートシーラント層
24および静電気拡散層25はキャリアテープ31に熱
融着されたままであり、熱可塑性樹脂層23とヒートシ
ーラント層24との層間で剥離が生じる(図7)。した
がって、蓋材21はヒートシーラント24および静電気
拡散層25のうちライン状の熱融着部分Hをキャリアテ
ープ上に残した状態で剥離される。あるいは、ライン状
の熱融着部分Hにおいて熱可塑性樹脂層23内での凝集
破壊が生じて、熱可塑性樹脂層23の一部とヒートシー
ラント層24および静電気拡散層25とがキャリアテー
プ31に熱融着されたままで蓋材21が剥離される(図
8)。すなわち、本発明の蓋材21は、キャリアテープ
31に対する高い熱融着性と、剥離時の容易な剥離性と
いう、相反する特性を兼ね備えており、合成樹脂製容器
への熱融着強度を充分高くして熱融着したうえで、合成
樹脂製容器から低いジップアップで確実に剥離すること
ができる。
【0065】上記のような熱可塑性樹脂層23とヒート
シーラント層24との層間における剥離(層間剥離)を
生じさせるか、または熱可塑性樹脂層23内における凝
集破壊を生じさせるかは、ヒートシール条件を制御する
ことにより適宜選択することができる。すなわち、ヒー
トシール時の条件を厳しくする(加熱温度を高く、加熱
時間を長く、加圧を強くする)ことにより熱可塑性樹脂
23とヒートシーラント層24との層間剥離を生じさせ
ることができ、ヒートシール時の条件を緩くすることに
より熱可塑性樹脂層23内での凝集破壊を生じさせるこ
とができる。上記のヒートシール条件の具体例として
は、層間剥離の場合、加熱温度=120〜200℃、加
熱時間=0.3〜2.0秒、加圧=0.7〜3.0kg
f/cm2程度であり、凝集破壊の場合、加熱温度=9
0〜150℃、加熱時間=0.1〜0.5秒、加圧=
0.3〜1.2kgf/cm2 程度である。
【0066】上記のような本発明の蓋材の使用対象とな
る合成樹脂製容器としては、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル(A−PE
T、PEN、PET−G、PCTA)、ポリプロピレン
(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニ
トリル(PAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS)等の樹脂製容器、または、こ
れらに静電気対策として導電性カーボン微粒子、金属微
粒子、酸化錫や酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物に
導電性を付与した導電性微粉末、Si系有機化合物、界
面活性剤、透明結晶性有機半導体、紫外線硬化型あるい
は電子線硬化型の帯電防止剤を練り込んだり塗布したも
の等を挙げることができる。また、PS系樹脂シートま
たはABS系樹脂シートの片面あるいは両面にカーボン
ブラックを含有したPS系またはABS系樹脂フィルム
またはシートを共押出しにより一体的に積層してなる複
合プラスチックシートを形成したものも挙げられる。あ
るいは、導電性処理として、プラスチックフィルム表面
に、導電性高分子を形成させたものも挙げることができ
る。
【0067】
【実施例】次に、実施例を示して本発明の蓋材を更に詳
細に説明する。 (実施例1)試料1 片面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム(東洋紡績(株)製エスペ
ット6140、厚さ50μm)を準備した。次に、テレ
フタル酸とエチレングリコールよりなる線状飽和ポリエ
ステル樹脂を溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1
/1)に溶解した塗布液を、グラビアリバースコート法
により上記PETフィルム(延伸樹脂層)のコロナ処理
面に塗布(塗布厚み=2μm)し、乾燥させて自己接着
性の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
【0068】次に、下記組成のヒートシール剤を、グラ
ビアリバースコート法により上記熱可塑性樹脂層上に塗
布(塗布厚み=3μm)し、乾燥させてヒートシーラン
ト層を形成した。
【0069】 (ヒートシール剤の組成) ・ウレタン樹脂 … 70重量部 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 30重量部 次いで、ビスアンモニウム系有機イオウ半導体を、グラ
ビアリバースコート法により上記ヒートシーラント層上
に塗布(塗布厚み=1μm)し、乾燥させて静電気拡散
層を形成した。これにより、図1に示されるような構成
の蓋材(試料1)を作製した。試料2 片面にコロナ処理を施した二軸延伸PETフィルム(厚
さ12μm)と両面にコロナ処理を施した二軸延伸PE
Tフィルム(厚さ16μm)とを、コロナ処理面側でウ
レタン系接着剤によりドライラミネーションして2層構
造のフィルム(延伸樹脂層)を作製した。
【0070】このフィルム(延伸樹脂層)の厚さ16μ
mPETのコロナ処理面上に、試料1と同様に熱可塑性
樹脂層、ヒートシーラント層および静電気拡散層を順に
積層して、図2に示されるような構成の蓋材(試料2)
を作製した。試料3 片面にコロナ処理を施した二軸延伸PETフィルムの代
わりに、両面にコロナ処理を施した二軸延伸ナイロンフ
ィルム(厚さ15μm)を使用した他は、試料2と同様
にして、図2に示されるような構成の蓋材(試料3)を
作製した。試料4 片面にコロナ処理を施した二軸延伸PETフィルム(厚
さ12μm)と両面にコロナ処理を施した二軸延伸PE
Tフィルム(厚さ12μm)とをAC処理した後、コロ
ナ処理面側で低密度ポリエチレン接着剤によりサンドイ
ッチラミネーション(接着層=20μm)して2層構造
のフィルム(延伸樹脂層)を作製した。
【0071】このフィルム(延伸樹脂層)のコロナ処理
面上に、試料1と同様に熱可塑性樹脂層、ヒートシーラ
ント層および静電気拡散層を順に積層して、図2に示さ
れるような構成の蓋材(試料4)を作製した。試料5 低密度ポリエチレン接着剤の代わりに、エチレン−アク
リル酸共重合体によりサンドイッチラミネーションを行
った他は、試料4と同様にして、図2に示されるような
構成の蓋材(試料5)を作製した。試料6 両面にコロナ処理を施した二軸延伸PETフィルム(厚
み16μm)の代わりに、下記の組成の混合樹脂を用い
て作成した2軸延伸フィルム(厚さ30μm)を使用し
た他は、試料2と同様にして、図2に示されるような構
成の蓋材(試料6)を作製した。
【0072】 (混合樹脂の組成) ・線状低密度ポリエチレン … 70重量部 ・スチレン−ブタジエンブロック共重合体 … 20重量部 ・ハイインパクトポリスチレン … 10重量部比較試料1 テレフタル酸とエチレングリコールよりなる線状飽和ポ
リエステル樹脂の代わりに、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体30重量部と硝化綿70重量部の混合樹脂を使用
して熱可塑性樹脂層を形成した他は、試料1と同様にし
て、図1に示されるような構成の蓋材(比較試料1)を
作製した。比較試料2 ビスアンモニウム系有機イオウ半導体からなる静電気拡
散層を形成しない他は、試料1と同様にして蓋材(比較
試料2)を作製した。比較試料3 ビスアンモニウム系有機イオウ半導体の代わりに、界面
活性剤型帯電防止剤(瀧原産業(株)製スタティサイ
ド)を使用した他は、試料1と同様にして、図1に示さ
れるような構成の蓋材(比較試料3)を作製した。比較試料4 テレフタル酸とエチレングリコールよりなる線状飽和ポ
リエステル樹脂を用いた熱可塑性樹脂層を形成せずに、
PETフィルム(延伸樹脂層)のコロナ処理面に直接ヒ
ートシーラント層を形成した他は、試料1と同様にして
蓋材(比較試料4)を作製した。比較試料5 下記の組成の混合樹脂を用いて作成した2軸延伸フィル
ム(厚さ30μm)を使用した他は、試料6と同様にし
て、図2に示されるような構成の蓋材(比較試料5)を
作製した。
【0073】 (混合樹脂の組成) ・線状低密度ポリエチレン … 40重量部 ・スチレン−ブタジエンブロック共重合体 … 5重量部 ・ハイインパクトポリスチレン … 55重量部 次に、上記の各蓋材(試料1〜6、比較試料1〜5)に
ついて、ヘーズ度、全光線透過率、表面抵抗率、電荷減
衰時間を下記の条件で測定した。また、導電性ポリ塩化
ビニル樹脂基材(太平化学(株)製 XEG47)に上
記の各蓋材をヒートシールバーを用いて160℃、0.
5秒、3.0 kgf/cm2 の条件で熱融着し、その後、下
記の条件で剥離強度を測定しジップアップを求めた。
【0074】(ヘーズ度および全光線透過率の測定条
件)スガ試験機(株)製カラーコンピューターSM-5SCに
て測定した。
【0075】(表面抵抗率の測定条件)22℃、40%
RH下において、三菱油化(株)製ハイレスタIPにて
測定した。
【0076】(電荷減衰時間の測定条件)23±5℃、
12±3%RH下において、5000Vから99%減衰
するまでに要する時間を、MIL−B−81705Cに
準拠して、ETS社(Electro-Tech Systems,Inc)製の
STATIC DECAY METER-406C にて測定した。
【0077】(剥離強度の測定条件)23℃、40%R
H下において、東洋ボールドウィン(株)製テンシロン
万能試験機HTH-100 にて測定した。 (剥離速度=300
mm/分、180°剥離) 各蓋材に関する上記項目の測定結果と剥離形態を下記の
表4に示した。
【0078】
【表4】 表4から明らかなように、試料1〜6はいずれも低い表
面抵抗率(105 〜1012Ωの範囲内)と電荷減衰時間
(2秒以下)を示し、剥離強度も700〜900g/1
5mmの範囲でジップアップが50g/2mm以下であ
った。さらに、延伸樹脂層としてポリエステル樹脂フィ
ルムやポリアミド樹脂フィルムを用いた試料1〜5は、
透明性が特に優れている。
【0079】これに対して、自己接着性の熱可塑性樹脂
である線状飽和ポリエステルからなる熱可塑性樹脂層を
備えていない蓋材(比較試料1,4)は、表面抵抗率、
電荷減衰時間および透明性の点では良好であるが、剥離
強度が低く(200g/15mm未満)、蓋材として実
用に供し得ないものであった。
【0080】また、ビスアンモニウム系有機イオウ半導
体からなる静電気拡散層を備えていない蓋材(比較試料
2,3)は、いずれも表面抵抗率、電荷減衰時間が大き
く、蓋材として実用に供し得ないものであった。さら
に、ハイインパクトポリスチレンの含有量が多い混合樹
脂を用いて作成した2軸延伸フィルムを使用した蓋材
(比較試料5)は、透明性の点で蓋材として実用に供し
得ないものであった。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば延
伸樹脂層の一方の面に、自己接着性の熱可塑性樹脂から
なる熱可塑性樹脂層を介して形成されたヒートシーラン
ト層と透明結晶性有機半導体を主成分とする静電気拡散
層とをこの順に積層して蓋材とするので、静電気拡散層
側において上記蓋材が合成樹脂製容器にヒートシールさ
れた状態で、上記熱可塑性樹脂層内における凝集破壊、
あるいは、上記熱可塑性樹脂層とヒートシーラント層と
の層間における剥離が可能となり、ヒートシール強度に
関係なく蓋材の剥離強度の制御が容易であり、合成樹脂
製容器への蓋材の高い接着性を維持したままで蓋材の剥
離が低いジップアップで安定かつ確実に行え、また、静
電気拡散層により優れた静電気特性が付与され、かつ、
内容物の視認性に優れた蓋材である。さらに、延伸樹脂
層をポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂およびポリオレフィン樹脂の少なくとも1種か
らなるものとすることにより、蓋材の透明性がより向上
し、内容物の視認性が更に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋材の一実施形態を示す概略断面図で
ある。
【図2】本発明の蓋材の他の実施形態を示す概略断面図
である。
【図3】本発明の蓋材の他の実施形態を示す概略断面図
である。
【図4】本発明の蓋材の他の実施形態を示す概略断面図
である。
【図5】本発明の蓋材をキャリアテープ上に熱融着した
状態を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図である。
【図7】キャリアテープから蓋材を剥離した状態を示す
図6相当図である。
【図8】キャリアテープから蓋材を剥離した状態を示す
図6相当図である。
【符号の説明】
1,11,21…蓋材 2,12,22…延伸樹脂層 12A,12B…延伸樹脂層 12a…接着層 3,23,23…熱可塑性樹脂層 4,14、24…ヒートシーラント層 5,15,25…静電気拡散層 26…帯電防止層 27…反射防止膜 31…キャリアテープ 32…エンボス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/28 101 B32B 27/28 101 27/30 27/30 A 101 101 27/32 27/32 Z 27/34 27/34 27/36 27/36 B65D 77/20 B65D 77/20 M

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸樹脂層と、該延伸樹脂層の一方の面
    に自己接着性の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層を
    介して形成されたヒートシーラント層と、該ヒートシー
    ラント層上に形成された透明結晶性有機半導体を主成分
    とする静電気拡散層を備えることを特徴とする蓋材。
  2. 【請求項2】 前記延伸樹脂層の他方の面に帯電防止層
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 【請求項3】 前記延伸樹脂層は、熱可塑性樹脂からな
    る同種あるいは異種の2以上の延伸樹脂層が積層された
    ものであることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の蓋材。
  4. 【請求項4】 前記延伸樹脂層は、ポリエステル樹脂、
    ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリオレ
    フィン樹脂の少なくとも1種からなるものであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蓋
    材。
  5. 【請求項5】 前記自己接着性の熱可塑性樹脂は、多価
    カルボン酸と多価アルコールとをエステル反応させた後
    に重縮合して得られた線状飽和ポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の蓋材。
  6. 【請求項6】 前記ヒートシーラント層は、ポリエステ
    ル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
    重合体樹脂、アクリル樹脂およびエチレン−酢酸ビニル
    共重合体の少なくとも1種を含有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓋材。
  7. 【請求項7】 前記静電気拡散層は、表面抵抗率が10
    5 〜1012Ωの範囲内であり、99%電荷減衰時間が2
    秒以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれかに記載の蓋材。
  8. 【請求項8】 全光線透過率が80%以上であり、か
    つ、ヘーズ値が30%以下であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項7のいずれかに記載の蓋材。
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