JP2019043032A - 易剥離性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電防止効果の持続、及び紙との接着強度維持に優れる易剥離性フィルム、電子部品搬送に用いられる紙キャリアテープ用カバーテープを提供する。
【解決手段】 基材層、アンカーコート層、ヒートシール層及び帯電防止剤層の少なくとも4層をこの順に含むフィルムであり、帯電防止剤層が下記(a)〜(c)の要件を満たすカチオン性のアクリル樹脂系高分子型帯電防止剤(A)を含むことを特徴とする易剥離性フィルム。
(a)メタクリル酸エステルモノマー残基単位を含む。
(b)少なくとも4級アンモニウム塩とメタクリル酸エステルを側鎖にもつ。
(c)重量平均分子量が20,000〜100,000である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、基材層、アンカーコート剤層、ヒートシール層、特定の高分子型帯電防止剤を含む帯電防止剤層の少なくとも4層以上を含む易剥離性フィルムに関する。
従来から、食品包装や工業用部品の包装にはポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレンなどのプラスチック容器や紙を主体とした紙製容器が使用されている。そして、紙製容器の蓋材には、適度な剥離強度を持ち、且つ剥離時にはスムーズな剥離性能を示す易剥離性フィルムが使用されている。その中で紙製の食品容器用の蓋材や電子部品搬送用キャリアテープのカバーテープには、剥離強度に加え、剥離時に容器の紙が剥けて毛羽立つ、いわゆる紙剥けが無い剥離外観も要求される。電子部品搬送用キャリアテープのカバーテープには、紙キャリアテープからカバーテープを剥離する際に剥離強度が高すぎたり剥離強度の変動が大きいと剥離振動(ビビリ)が発生し、紙キャリア内の穴の中の電子部品やICチップが傾いたり飛び出すトラブルや紙剥けの発生による電子部品の取り出し不良がおこるため、搬送中に加わる外力によっては剥離しない程度の適度な剥離強度の維持が要求される。
また、電子部品がIC等の静電気により絶縁破壊されやすい部品である場合、埃の付着防止や内容物の静電気からの保護、または、紙キャリアテープからカバーテープを剥離する際に、カバーテープに電子部品が付着して飛び出す等のトラブルを防止するために、カバーテープのヒートシール層に帯電防止剤を練り込んだり、ヒートシール層表面に帯電防止処理がなされる。
近年、電子部品搬送用キャリアテープに電子部品が挿入されてから様々な国に輸送されて使用されることが増え、従来より過酷な環境に晒されることや輸送や保管期間が長期する傾向がある。そのため、各種環境においても剥離強度が変化することなく、初期の剥離強度を維持することが望まれている。また、電子部品の小型化により、従来では問題にならなかった程度の剥離強度の増加によっても剥離振動による電子部品の飛び出し等の問題が発生するようになり剥離強度維持に対する要求が高くなってきている。
また、帯電防止性についても同様に、従来より過酷な環境に晒されることや輸送や保管期間が長期化することにより帯電防止効果が悪化してしまうことによる付着トラブルが増加していることに加え、電子部品の小型化により帯電防止効果の安定性もこれまで以上に要求されている。
帯電防止処理には、帯電防止性を付与させようとする面を構成する樹脂に帯電防止剤を練り込んだり、あるいは帯電防止剤を表面に薄く塗布するなどの方法が用いられる。接着層の表面に帯電防止剤を塗布したものは、例えば特許文献1〜2に開示されている。これらの方法で、十分な帯電防止効果を得ようとすると、帯電防止剤を多量に塗布する必要が有りキャリアテープへのシール強度が安定しなくなる傾向が有る。又、高温の環境や高温多湿の環境に長期に渡って保管することにより帯電防止性能が悪化する可能性が指摘されていた。
上記のような背景に鑑み、ヒートシール性に優れ、剥離時の紙キャリアテープの毛羽立ちが無いことに加えて、高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても剥離強度の経時変化が小さいという剥離特性の維持性と帯電防止効果の持続性に優れた易剥離性フィルムが切望されていた。
特許第2901857号公報 特開平5−51053号公報
しかし、上記のいずれの方法も、紙製容器、特に紙基材からなる紙キャリアテープに対し、ヒートシール性と毛羽立ち防止に満足できるものは無いことに加えて、高温の環境や高温多湿の環境下で保管すると剥離強度が大きく増加してしまうことから剥離強度と帯電防止効果の維持性とを含め全てを十分に満足できるものではなかった。
本発明は、高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても帯電防止効果を維持し、紙キャリアテープと接着後に高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても初期の剥離強度を維持する剥離特性の維持性に優れた易剥離性フィルムを提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題に対し鋭意検討した結果、少なくとも特定の4層以上を含むフィルム構成で、帯電防止剤層に特定の高分子型帯電防止剤を含む易剥離性フィルムが高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても帯電防止効果を維持し、接着後に高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても初期の剥離強度を維持する剥離特性の維持性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、基材層、アンカーコート層、ヒートシール層、帯電防止剤層の少なくとも4層以上を含むフィルムであり、帯電防止剤層が特定の高分子型帯電防止剤(A)を含むことを特徴とする易剥離性フィルムに関する。
さらに、本発明は、上記易剥離性フィルムからなる電子部品搬送に用いられる紙キャリアテープ用カバーテープに関する。
本発明の易剥離性フィルムは、高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても帯電防止効果を維持し、接着後に高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても初期の剥離強度を維持する剥離特性の維持性に優れる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の易剥離性フィルムは、基材層、アンカーコート層、ヒートシール層及び帯電防止剤層の少なくとも4層をこの順に含むフィルムであり、帯電防止剤層が下記(a)〜(c)の要件を満たすカチオン性のアクリル樹脂系高分子型帯電防止剤(A)を含むことを特徴とする易剥離性フィルムに関する。
(a)メタクリル酸エステルモノマー残基単位を含む。
(b)少なくとも4級アンモニウム塩を側鎖にもつ。
(c)重量平均分子量が20,000〜100,000である。
本発明の易剥離性フィルムの基材層は熱可塑性樹脂からなり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド等の熱可塑性樹脂より製膜されたフィルム、特に二軸延伸フィルムを好適に用いることができる。好ましくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、いずれも市販のフィルムを用いることができる。アンカーコート層と接着する面には接着強度を強固にするためにコロナ処理の施されているものが好ましい。基材層の厚みは、剛性と破断防止のために12〜30μmで好ましい。
本発明の易剥離性フィルムのアンカーコート層は、アンカーコート剤の範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、基材層とヒートシール層又は中間層との接着性を付与するものであれば良い。アンカーコート剤としては、例えば、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系などが例示される。その塗布量としては、アンカーコート剤固形分として10〜200mg/mが帯電防止性能の経時悪化が少ないため好ましく、10〜50mg/mがより好ましい。
本発明の易剥離性フィルムのヒートシール層は、紙キャリアテープに対してヒートシール性を有し、剥離外観に優れ剥離時に適度な剥離強度にて剥がすことのできる易剥離性を示す熱可塑性樹脂からなるものであれば良い。その中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体と粘着付与剤を含む組成物が好ましく、JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3〜18重量%の範囲であり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが5〜40g/10分の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(C)80〜95重量部、及び環球法で測定した軟化点が90℃〜140℃の粘着付与剤(D)5〜20重量部を含む組成物((C)と(D)の合計は100重量部)がより好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)は、初期強度の維持性、毛羽立ち防止に優れた組成物となることから、JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3〜18重量%の範囲が好ましい。 また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)は、押出ラミネート加工性、紙容器の毛羽立ち防止に優れた組成物となることから、JIS K 6924−1に準拠して温度190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレイトが5〜40g/10分の範囲にあるものが好ましい。
粘着付与剤樹脂(D)は、粘着付与剤の範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、粘着付与剤としてヒートシール性を付与するものであれば良い。粘着付与剤樹脂(D)としては、例えば、合成石油樹脂系粘着付与剤である石油樹脂系、クマロン樹脂系、スチレン系などや、天然樹脂系粘着付与剤であるロジン系樹脂、メチルエステル系樹脂、グリセリンエステル系樹脂、ペンタエリストールエステル系樹脂、テルペン系樹脂及びそれらの変性物、などが挙げられる。これら粘着付与剤のうち合成石油樹脂系粘着付与剤には脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系水添石油樹脂、共重合系石油樹脂などがある。これらは、単独、又は2種以上を併用して使用できる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)と粘着付与剤樹脂(D)の配合割合は、(C)80〜95重量部、(D)5〜20重量部((C)と(D)の合計は100重量部)であるものが好ましく、特に、ヒートシール強度の安定性、毛羽立ち防止に優れた組成物となることから、(D)10〜15重量部であることがより好ましい。
ヒートシール層には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、導電剤、アンチブロッキング剤、粘着付与剤等が用いられても良い。
ヒートシール層の厚みは、5〜30μmが好ましく、5μm未満では、十分な剥離強度が得られず、30μmを越えると、高コストや透明性が悪化するため好ましくない。
本発明の易剥離性フィルムの帯電防止剤層は、下記(a)〜(c)の要件を満たすカチオン性のアクリル樹脂系高分子型帯電防止剤(A)であるものである。
(a)メタクリル酸エステルモノマー残基単位を含む。
(b)少なくとも4級アンモニウム塩とメタクリル酸エステルを側鎖にもつ。
(c)重量平均分子量が20,000〜100,000である。
高分子型帯電防止剤(A)の重量平均分子量が20,000未満の場合、接着後に高温の環境や高温多湿の環境下で保管すると剥離強度が上昇するものとなり、100,000を超える場合は塗布量が少ない場合に帯電防止効果が悪い。
帯電防止剤の塗布量は0.001〜0.1g/mであることが好ましく、0.001g/m未満では帯電防止効果が低く均一性も劣るため好ましくなく、0.1g/m以上では初期の接着性が劣るため好ましくない。
帯電防止剤層は、高分子型帯電防止剤(A)と、重量平均分子量が10,000以下である低分子型帯電防止剤(B)を含むことができる。低分子型帯電防止剤(B)としては非イオン系界面活性剤タイプ、カチオン系界面活性剤タイプ、アニオン系界面活性剤タイプ、両性イオン系界面活性剤タイプが好ましく、カチオン系界面活性剤タイプがより好ましい。高分子型帯電防止剤(A)と低分子型帯電防止剤(B)の配合比率は60〜100/40〜0が好ましい。
本発明では、前記基材層とヒートシール層との間に、両層の密着性を高めるため、中間層を設けることもできる。この中間層は、例えば、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどで構成できる。これらの成分は単独又は2種以上混合して使用できる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレンやエチレン共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体など)やその変性物などが挙げられる。中間層には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、導電剤、アンチブロッキング剤、粘着付与剤等が用いられても良い。中間層の厚みは5〜30μmが好ましく、10〜15μmがより好ましい。
易剥離性フィルムの製造方法は、基材層、アンカーコート層及びヒートシール層を含むフィルムに帯電防止剤を塗布することにより製造することができる。
基材層、アンカーコート層及びヒートシール層を含むフィルムの製造方法は、特に限定されることはなく、例えば、ヒートシール層を押出ラミネートする方法、及び予めヒートシール層樹脂を少なくとも1層含む多層フィルムを成形し、基材フィルムと積層する方法などが挙げられる。より詳しくは、例えば、(1)基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、ヒートシール層を溶融押出する押出ラミネート方法、(2)基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、中間層を溶融押出した後、その上にヒートシール層を溶融押出する押出ラミネート方法、(3)基材フィルムに、基材との接着性に優れた中間層を溶融押出した後、その上にヒートシール層を溶融押出する押出ラミネート方法、(4)基材フィルムにアンカーコート剤を塗布し、中間層とヒートシール層を同時に溶融押出する共押出ラミネート方法、(5)予めインフレーション成形法やキャスト成形法によりヒートシール層樹脂を少なくとも1層含む多層フィルムを成形し、アンカーコート剤を塗布した基材フィルムに貼り合わせる方法、(6)アンカーコート剤を塗布した基材フィルムとヒートシール層樹脂を少なくとも1層含む多層フィルムを押出ラミネートを用いて中間層を溶融押出すことにより積層する押出ラミネート方法などが挙げられる。
また、基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/mであることが被着体との接着性に優れるため好ましい。
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
一方、アンカーコート剤と中間層又はヒートシール層との接着性を高めるため、オゾン処理を施しても良い。オゾン処理は、オゾンを中間層又はヒートシール層樹脂をラミネート加工時の溶融膜に吹き付けることにより行われる。
本発明の易剥離性フィルムの帯電防止剤層の帯電防止剤を塗布する装置は特に限定されない。スプレーあるいはロールコーター等いずれの方法も使用することができる。いずれの方法でも均一に塗布することができ、表面固有抵抗値1×1012Ω以下となることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)ヒートシール層用組成物の調製
エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(C1)(東ソー(株)社製、商品名ウルトラセン537、酢酸ビニル含有量6%、MFR9g/10分)85重量部、粘着付与剤樹脂(D)として水添石油樹脂(D1)(荒川化学(株)社製 商品名アルコンP125、軟化温度125℃)15重量部をタンブラー混合機により予備ブレンドしておき、同方向回転の二軸押出機(東芝機械(株)社製、商品名TEM50B)を使用して180℃で溶融混練し、組成物のペレットを得た。
(2)易剥離性フィルムの特性の評価
〜帯電防止性の維持性の測定〜
易剥離性フィルムをa)23℃×50%RH恒温恒湿槽、b)60℃オーブン、c)60℃×95%RH恒温恒湿槽にそれぞれ30日保管し、30日後に試料を取り出して23℃50%RH環境下で1時間放冷した後に、JIS K−6911に準拠した条件(印加電圧500V、測定時間60秒)にて帯電防止剤層の表面固有抵抗値を測定した。
〜帯電防止性の維持性の測定(紙接触条件)〜
易剥離性フィルムの帯電防止剤層とキャリアテープとなる紙基材原紙とを10cm×10cmサイズで重ねあわせた後、試料上下を鉄板で挟み5kgの荷重をかけた状態で、b)60℃オーブン、c)60℃×95%RH恒温恒湿槽にそれぞれ7日保管した。7日後に試料を取り出して易剥離性フィルムのみを23℃50%RH環境下で1時間放冷した後に、JIS K−6911に準拠した条件(印加電圧500V、測定時間60秒)にて帯電防止剤層の表面固有抵抗値を測定した。
〜剥離特性の維持性の測定(経時後の剥離強度)〜
易剥離性フィルムの接着剤面とキャリアテープとなる紙基材(大王製紙製)を重ね合わせて、テーピング試験機(株式会社バンガードシステムズ製、VS−120型)、コの字型シールバー(0.5mm幅×2本型、シールバー長さ8.2mm)を用いて、0.1MPa、シールピッチ8mmの条件で、平均ヒートシール強度が約0.25N/mmとなるようにヒートシール時間を調整し、連続して加圧加熱接着した。シール後の試料をa)23℃×50%RH恒温恒湿槽、b)60℃オーブン、c)60℃×95%RH恒温恒湿槽にそれぞれ30日保管し、30日後に試料を取り出して23℃50%RH環境下で1時間放冷した後に剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件にて、剥離強度を150mm長さ分連続して測定して、その平均値を求めた。
剥離特性の維持性(変化率)として、30日後の剥離強度をヒートシール直後の初期強度にて除した値を用いた。剥離特性の維持性(変化率)は、80〜120%の範囲が良好と評価した。
〜剥離特性の維持性の測定(経時後の剥離外観)〜
易剥離性フィルムの接着剤面とキャリアテープとなる紙基材(大王製紙製)を重ね合わせて、テーピング試験機(株式会社バンガードシステムズ製、VS−120型)、コの字型シールバー(0.5mm幅×2本型、シールバー長さ8.2mm)を用いて、0.1MPa、シールピッチ8mmの条件で、平均ヒートシール強度が約0.25N/mmとなるようにヒートシール時間を調整し、連続して加圧加熱接着した。シール後の試料をa)23℃×50%RH恒温恒湿槽、b)60℃オーブン、c)60℃×95%RH恒温恒湿槽にそれぞれ30日保管し、30日後に試料を取り出して23℃50%RH環境下で1時間放冷した後に剥離角度180度、剥離速度300mm/分の条件にて、150mm長さ分を剥離した。
剥離後に易剥離性フィルムの接着剤面、及びキャリアテープ表面の目視確認を行ない、剥離状態を2段階評価した。
○:キャリアテープに毛羽立ちは無く、フィルム表面にも紙繊維の付着が見られない(良好)
×:キャリアテープに毛羽立ちがあり、フィルム表面に紙繊維の付着がある(不良)
実施例1
基材層として二軸延伸されたポリエステルフィルム(東洋紡(株)社製、商品名E5100、25μm厚み)を使用し、その基材のコロナ処理面の上にアンカーコート剤層としてウレタン系のアンカーコート剤(F1)(武田薬品工業(株)社製、商品名A3210、A3072、酢酸エチル、固形分濃度7重量%)を30mg/m塗布し、前記(1)ヒートシール層用の調整にて作製した組成物を240℃の温度でTダイより押出し、押出された溶融フィルムのアンカーコート剤層と接着する側に20mg/mとなるような条件でオゾンガスを吹き付けながら15μmの厚みになるように押出ラミネーション加工を行いラミネート構成フィルムを作製した。その後、帯電防止剤層に高分子型帯電防止剤(A)として重量平均分子量が約70000であり、メタクリル酸エステルモノマー残基単位を含み、4級アンモニウム塩を側鎖にもつカチオン性のアクリル系高分子型帯電防止剤(A1)(大成ファインケミカル(株)社製、商品名1SX−1090)をイソプロピルアルコールで所定量に希釈後、バーコーターを用いて乾燥後の帯電防止剤塗布量が8mg/mとなるようにヒートシール層の上に塗布を行い、24時間乾燥して易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムのフィルム構成を表1、前記方法で評価した結果を表2に示す。
実施例2
アンカーコート剤層とヒートシール層の中間層として、低密度ポリエチレン(E1)(東ソー(株)社製、商品名ペトロセン203)を320℃の温度で厚み15μmとなるように押出ラミネートした他は、実施例1と同様にして、易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムのフィルム構成を表1、前記方法で評価した結果を表2に示す。
実施例3
帯電防止剤層の高分子型帯電防止剤(A1)の代わりに、高分子型帯電防止剤として重量平均分子量が約30000であり、メタクリル酸エステルモノマー残基単位を含み、4級アンモニウム塩を側鎖にもつカチオン性のアクリル系高分子型帯電防止剤(A2)(大成ファインケミカル(株)社製、商品名1SX−1055)を用いた他は、実施例2と同様にして、易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムのフィルム構成を表1、前記方法で評価した結果を表2に示す。
実施例4
帯電防止剤層の高分子型帯電防止剤(A1)の代わりに、高分子型帯電防止剤(A1)と重量平均分子量が300であるカチオン系低分子型帯電防止剤(B1)(花王(株)社製、商品名エレクトロストリッパーQN)を比率70/30にて混合した帯電防止剤を用いて乾燥後の帯電防止剤塗布量が8mg/mとなるようにした他は、実施例2と同様にして、易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムのフィルム構成を表1、前記方法で評価した結果を表2に示す。
比較例1
帯電防止剤層の高分子型帯電防止剤(A1)の代わりに、帯電防止剤を未塗布とした他は、実施例2と同様にして、易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムのフィルム構成を表1、前記方法で評価した結果を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、帯電防止性に劣るものであった。
比較例2
帯電防止剤層の高分子型帯電防止剤(A1)の代わりに、低分子型帯電防止剤(B1)を用いて乾燥後の帯電防止剤塗布量が8mg/mとなるようにした塗布した他は、実施例2と同様にして、易剥離性フィルムを得た。
得られた易剥離性フィルムのフィルム構成を表1、前記方法で評価した結果を表2に示す。
得られた易剥離性フィルムは、紙接触試験の帯電防止性の持続性と剥離強度の維持性に劣るものであった。
Figure 2019043032
Figure 2019043032
本発明の易剥離性フィルムは、高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても帯電防止効果を維持し、接着後に高温の環境や高温多湿の環境下で保管しても初期の剥離強度を維持する剥離特性の維持性に優れるという特性を有し、紙製容器の蓋材用の易剥離性フィルム、特に紙キャリアテープ用カバーテープとして有用である。

Claims (6)

  1. 基材層、アンカーコート層、ヒートシール層及び帯電防止剤層の少なくとも4層をこの順に含むフィルムであり、帯電防止剤層が下記(a)〜(c)の要件を満たすカチオン性のアクリル樹脂系高分子型帯電防止剤(A)を含むことを特徴とする易剥離性フィルム。
    (a)メタクリル酸エステルモノマー残基単位を含む。
    (b)少なくとも4級アンモニウム塩を側鎖にもつ。
    (c)重量平均分子量が20,000〜100,000である。
  2. 帯電防止剤層が、帯電防止剤の塗布量0.001〜0.1g/mであることを特徴とする請求項1に記載の易剥離性フィルム。
  3. 帯電防止剤が、さらに重量平均分子量が10,000以下である低分子型帯電防止剤(B)を含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の易剥離性フィルム。
  4. ヒートシール層が、JIS K6924−1で測定した酢酸ビニル含有率が3〜18重量%の範囲であり、JIS K6924−1で測定したメルトマスフローレイトが5〜40g/10分の範囲であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(C)80〜95重量部、及び環球法で測定した軟化点が90℃〜140℃の粘着付与剤(D)5〜20重量部を含む組成物((C)と(D)の合計は100重量部)よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の易剥離性フィルム。
  5. さらに、アンカーコート層とヒートシール層の間にポリエチレン系樹脂よりなる中間層を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の易剥離性フィルム。
  6. 請求項1〜5に記載の易剥離性フィルムからなる紙キャリアテープ用カバーテープ。
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