JPH09249657A - (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法

Info

Publication number
JPH09249657A
JPH09249657A JP5560896A JP5560896A JPH09249657A JP H09249657 A JPH09249657 A JP H09249657A JP 5560896 A JP5560896 A JP 5560896A JP 5560896 A JP5560896 A JP 5560896A JP H09249657 A JPH09249657 A JP H09249657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
epichlorohydrin
acrylate
glycidyl
crude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5560896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3885249B2 (ja
Inventor
Fumihito Torii
文仁 鳥井
Kenichiro Ochiai
健一朗 落合
Hiroyuki Enomoto
裕之 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP05560896A priority Critical patent/JP3885249B2/ja
Publication of JPH09249657A publication Critical patent/JPH09249657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3885249B2 publication Critical patent/JP3885249B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エピクロルヒドリンを反応原料として得られ
た粗(メタ)アクリル酸グリシジルから、エピクロルヒ
ドリンおよび反応で副生した塩素化合物をほとんど含ま
ない、したがつて、塩素濃度が低い、高純度の(メタ)
アクリル酸グリシジルを収率良く得る精製方法を提供す
る。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸またはそのアルカリ
金属塩とエピクロルヒドリンを第4級オニウム塩の存在
下で反応させて得られた粗(メタ)アクリル酸グリシジ
ルに、粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し0.1〜
20重量%のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩
基性化合物と粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し
0.01〜5重量%の第4級オニウム塩を加えて、エピ
クロルヒドリンを留去し、ついで第4級オニウム塩に対
し0.5〜10倍モルのスルホン酸またはスルホン酸塩
を加えて、ろ過または水洗し、さらに蒸留を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エピクロルヒドリ
ンを反応原料として得られた粗(メタ)アクリル酸グリ
シジルの精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1分子中に重合性のアクリロイル基また
はメタクロイル基とエポキシ基を有する(メタ)アクリ
ル酸グリシジルは、その構造上の特徴から、反応性モノ
マ―として広い分野に使用されている。たとえば、塗
料、接着剤、粘着剤、繊維改質剤、分散剤、レジスト材
料などの多岐にわたつている。
【0003】(メタ)アクリル酸グリシジルを製造する
には、第一の方法として、(メタ)アクリル酸とエピク
ロルヒドリンを反応原料とする方法(特公昭37−74
54号公報)、第二の方法として、(メタ)アクリル酸
のアルカリ金属塩とエピクロルヒドリンを反応原料とす
る方法(特公昭45−28762号公報)、第三の方法
として、(メタ)アクリル酸メチルとグリシド―ルを反
応原料とする方法(特公昭47−38421号公報)
が、知られている。
【0004】このうち、エピクロルヒドリンを反応原料
とする第一および第二の方法は、最も汎用的な方法とし
て知られるが、これらの方法によると、未反応のエピク
ロルヒドリンおよび反応で副生した塩素化合物の除去の
ために蒸留を行つても、得られる製品中に数千ppmの
エピクロルヒドリンおよび反応で副生した塩素化合物が
数%混入してくる。これらの混入は、作業者の健康阻
害、グル―プトランスフア―重合の触媒毒、電子・電気
分野で使用した際の金属の腐蝕などの問題を引き起こす
原因となり、製品の産業上の利用が制限される。
【0005】この問題を克服するため、特開昭48−3
6117号公報には、第4級アンモニウム塩の存在下、
飽和または不飽和カルボン酸にエピクロルヒドリンを加
えて反応させ、さらにエピクロルヒドリンまたはアルキ
レンオキシドを加えて第1工程のエポキシ交換反応を行
い、第2工程として反応液を水酸化アルカリまたはアル
カリ土類金属の水酸化物とともに混合し、副生するエピ
クロルヒドリンを閉環除去し、再び第4級アンモニウム
塩の存在下に加熱反応させて2回目のエポキシ交換反応
を行い、さらに前記の第2工程を繰り返すことにより、
高純度のカルボン酸グリシジルを高収率で得る方法が開
示されている。
【0006】しかし、この方法では、第4級アンモニウ
ム塩が残つているため、蒸留時に重合物が発生して作業
性が悪くなり、しかも、グリセリンジメタクリレ―ト、
グリセリントリメタクリレ―トなどが生成し、蒸留ピツ
チが増加するという問題がある。また、特開昭48−7
2115号公報には、反応後の粗(メタ)アクリル酸グ
リシジルにスルホン酸塩を添加して重合を防止する方法
が開示されているが、反応で副生した塩素化合物の除去
は十分ではない。
【0007】特開平4−187682号公報には、第4
級アンモニウム塩の存在下に酸素含有ガスでストリツピ
ングしたのち、蒸留を行う方法が開示されている。しか
し、この方法では、蒸留時に第4級アンモニウム塩が存
在するため、蒸留中に副生するエピクロルヒドリンの発
生を抑えることができず、また、第4級アンモニウム塩
の存在下で蒸留を行うと、重合物が発生して作業性が悪
くなり、さらに、グリセリンジメタクリレ―ト、グリセ
リントリメタクリレ―トなどが多く生成して、蒸留ピツ
チが増加するなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に鑑み、エピクロルヒドリンを反応原
料として得られた粗(メタ)アクリル酸グリシジルか
ら、エピクロルヒドリンおよび反応で副生した塩素化合
物をほとんど含まない、したがつて、塩素濃度が低い、
高純度の(メタ)アクリル酸グリシジルを収率良く得る
ことができる新規な精製方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、エピクロルヒド
リンを反応原料として得られた粗(メタ)アクリル酸グ
リシジルに対し、アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の塩基性化合物と第4級オニウム塩を加えてエピクロル
ヒドリンを留去したのち、さらにスルホン酸またはスル
ホン酸塩を加えてろ過または水洗し、その後に蒸留を行
うようにすると、粗(メタ)アクリル酸グリシジル中の
エピクロルヒドリンおよび反応で副生した塩素化合物が
ほぼ除去されて、塩素濃度の低い高純度の(メタ)アク
リル酸グリシジルが高収率で得られることを見い出し、
本発明を完成するに至つた。
【0010】本発明は、(メタ)アクリル酸またはその
アルカリ金属塩とエピクロルヒドリンを第4級オニウム
塩の存在下で反応させて得られた粗(メタ)アクリル酸
グリシジルに、粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し
0.1〜20重量%のアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の塩基性化合物と粗(メタ)アクリル酸グリシジル
に対し0.01〜5重量%の第4級オニウム塩を加え
て、エピクロルヒドリンを留去し、ついで第4級オニウ
ム塩に対し0.5〜10倍モルのスルホン酸またはスル
ホン酸塩を加えて、ろ過または水洗し、さらに蒸留を行
うことを特徴とする(メタ)アクリル酸グリシジルの精
製方法に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において精製の対象となる
粗(メタ)アクリル酸グリシジルとしては、(1)(メ
タ)アクリル酸とエピクロルヒドリンを第4級オニウム
塩の存在下で反応させたのち、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の塩基性化合物と反応して得られた反応混
合物から、副生する塩をろ別、水洗などにより除去した
もの、(2)(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩とエ
ピクロルヒドリンを第4級オニウム塩の存在下で反応し
て得られた反応混合物から、副生する塩をろ別、水洗な
どにより除去したもの、(3)上記(1),(2)の粗
(メタ)アクリル酸グリシジルよりエピクロルヒドリン
を除去したもの、(4)上記(3)の粗(メタ)アクリ
ル酸グリシジルを蒸留したものなどが挙げられる。
【0012】本発明の精製方法に用いられるアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の塩基性化合物としては、ア
ルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化
物、炭酸塩または燐酸塩などがあり、たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カルシウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウムなどが挙
げられる。これらの塩基性化合物は、固形物、粉末また
は水溶液として使用することができる。
【0013】これらの塩基性化合物は、1種を単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用してもよい。使用量と
しては、粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し、0.
1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。0.1重量%未満では塩素濃度を低くする効果が小
さく、20重量%を超えると副反応のため収率が低下す
るばかりでなく、経済性の面からも好ましくない。
【0014】本発明の精製方法に用いられる第4級オニ
ウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド、トリメチルエチルアンモニ
ウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、トリエチルメチルアンモニウムクロライド、ト
リエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウム
ブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨ―ダイド、テ
トラエチルアンモニウムヨ―ダイド、テトラメチルホス
ホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロラ
イド、テトラブチルホスホニウムクロライド、トリメチ
ルエチルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジル
ホスホニウムクロライド、トリエチルメチルホスホニウ
ムクロライド、トリエチルベンジルホスホニウムクロラ
イド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエ
チルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウ
ムヨ―ダイド、テトラエチルホスホニウムヨ―ダイドな
どが挙げられる。
【0015】これらの第4級オニウム塩は、1種を単独
でまたは2種以上を組み合わせて使用ししてもよい。使
用量としては、粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し
て、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量
%である。0.01重量%未満では塩素濃度を低くする
効果が小さく、5重量%を超えると副反応のため収率が
低下するばかりでなく、経済性の面からも好ましくな
い。
【0016】本発明の精製方法においては、まず、前記
の粗(メタ)アクリル酸グリシジルに、上記の塩基性化
合物と第4級オニウム塩を上記割合で加えて、粗(メ
タ)アクリル酸グリシジル中に含まれるエピクロルヒド
リンを留去する。その際、水との共沸留去が効果的であ
り、また重合禁止の目的で空気を導入しながら行うのが
望ましい。処理時間は、粗(メタ)アクリル酸グリシジ
ルが前記(1)〜(4)のいずれであるかを勘案した上
で、処理温度、減圧度、空気吹き込み量などの処理条件
に応じて、適宜設定することができる。
【0017】本発明においては、上記のエピクロルヒド
リンの留去後、さらにスルホン酸またはスルホン酸塩を
加えて、通常20〜70℃で20〜60分間の撹拌処理
を行つたのち、ろ過または水洗する。ろ過は、反応によ
り生成した塩および未反応のアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩基性化合物を、常圧ろ過、減圧ろ過、加
圧ろ過などにより除去するものである。また、水洗は、
反応により生成した塩および未反応のアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の塩基性化合物を水に溶解させ、分
離した水層を除去するものである。
【0018】ここで用いられるスルホン酸またはスルホ
ン酸塩としては、メタンスルホン酸、ラウリルスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンステア
リルサルフエ―トなどのスルホン酸や、メタンスルホン
酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、パラト
ルエンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ポリオキシステアリルサルフエ―トソ―ダなど
のスルホン酸塩が挙げられる。
【0019】これらのスルホン酸またはスルホン酸塩
は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用し
てもよい。使用量としては、第4級オニウム塩に対し、
0.5〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モルである。
0.5倍モル未満では重合物が生じて収率が低下しやす
く、10倍モルを超えて使用しても収率は変わらず、経
済性の面からも好ましくない。
【0020】本発明において、このようにスルホン酸ま
たはスルホン酸塩を加えてろ過または水洗したのち、蒸
留することにより、塩素濃度の低い高純度の(メタ)ア
クリル酸グリシジルを高収率で得ることができる。粗
(メタ)アクリル酸グリシジルの種類により異なるが、
一般に、エピクロルヒドリンの量は0.002重量%以
下、塩素含量は1,000ppm以下、好ましくは50
0ppm以下に抑えることができ、純度99重量%以上
の(メタ)アクリル酸グリシジルを75重量%以上、好
ましくは80重量%前後の高い収率で得ることが可能で
ある。
【0021】
【実施例】以下に、実施例および比較例により、本発明
を具体的に説明する。なお、実施例および比較例で使用
した粗(メタ)アクリル酸グリシジルA〜Eは、以下の
調製方法1〜5により得られたものである。
【0022】<調製方法1>メタクリル酸とエピクロル
ヒドリン(対メタクリル酸6倍モル)を撹拌機、温度
計、還流冷却管を付したフラスコに仕込んだ。ついで、
テトラメチルアンモニウムクロライド(対メタクリル酸
3モル%)、フエノチアジン(総仕込量の0.02重量
%)を加え、90℃で5時間保つた。つぎに、90℃、
200mmHgで空気を吹き込みながら、50重量%水酸化
ナトリウム水溶液(対メタクリル酸1倍モル)を6時間
にわたつて滴下した。滴下終了後、水(総仕込量の50
重量%)で水洗し、粗メタクリル酸グリシジルAを得
た。
【0023】<調製方法2>調製方法1で得られた粗メ
タクリル酸グリシジルAに対し、60℃、50mmHgで空
気と水(対粗メタクリル酸グリシジルA5重量%/時
間)を吹き込みながら、6時間にわたつて未反応のエピ
クロルヒドリンを減圧留去することにより、粗メタクリ
ル酸グリシジルBを得た。
【0024】<調製方法3>調製方法1で得られた粗メ
タクリル酸グリシジルA(1,062g)に、60℃、
50mmHgで空気と50ml/時間の水を吹き込みながら、
12時間にわたつて未反応のエピクロルヒドリンを減圧
留去し、その後、蒸留を行うことにより、粗メタクリル
酸グリシジルCを得た。
【0025】<調製方法4>メタクリル酸430.5g
(5モル)と水酸化ナトリウム200g(5モル)との
中和反応によりメタクリル酸ナトリウムを合成し、これ
を脱水して得たメタクリル酸ナトリウム540.5gと
エピクロルヒドリン2,775.9g(30モル)を撹
拌機、温度計、還流冷却管を付したフラスコに仕込ん
だ。ついで、トリエチルベンジルアンモニウムクロライ
ド24.0g(対メタクリル酸ナトリウム2モル%)、
フエノチアジン0.55gを加えて、90℃、200mm
Hgで空気を吹き込みながら5時間反応した。反応終了
後、1,500gの水で水洗したのち、60℃、50mm
Hgで空気と50ml/時間の水を吹き込みながら、6時間
にわたつて未反応のエピクロルヒドリンを減圧留去する
ことにより、粗メタクリル酸グリシジルDを得た。
【0026】<調製方法5>調製方法1と同様の方法に
より、アクリル酸360.2g(5モル)、エピクロル
ヒドリン2,775.9g(30モル)、トリブチルベ
ンジルホスホニウムクロライド65.6g(0.20モ
ル、メタクリル酸に対して4モル%)、フエノチアジン
0.55g、50重量%水酸化ナトリウム480g(6
モル)を用いて、粗アクリル酸グリシジルEを得た。
【0027】実施例1 粗メタクリル酸グリシジルA2,933gに、水酸化ナ
トリウム29.3g(対粗メタクリル酸グリシジルA
1.0重量%)とテトラメチルアンモニウムクロライド
1.5g(対粗メタクリル酸グリシジルA0.05重量
%)を加えて、60℃、50mmHgで空気と50ml/時間
の水を吹き込みながら、12時間にわたつて未反応のエ
ピクロルヒドリンを減圧留去した。ついで、パラトルエ
ンスルホン酸4.7g(対テトラメチルアンモニウムク
ロライド2倍モル)を加えて、60℃で20分間攪拌
後、水150gで水洗し、減圧下で脱水したのち、ろ過
した。最後に、蒸留を行い、精製メタクリル酸グリシジ
ルを得た。
【0028】実施例2 粗メタクリル酸グリシジルB766gに、水酸化ナトリ
ウム38.3g(対粗メタクリル酸グリシジルB5重量
%)とテトラメチルアンモニウムクロライド3.8g
(対粗メタクリル酸グリシジルB0.5重量%)を加え
て、60℃、50mmHgで空気と50ml/時間の水を吹き
込みながら、6時間にわたつて未反応のエピクロルヒド
リンを減圧留去した。ついで、パラトルエンスルホン酸
7.6g(対テトラメチルアンモニウムクロライド2倍
モル)を加えて、40℃で30分間撹拌後、減圧下で脱
水したのち、ろ過した。最後に、蒸留を行い、精製メタ
クリル酸グリシジルを得た。
【0029】実施例3〜7 粗メタクリル酸グリシジルBに対し、後記の表1に記載
のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基性化合
物、第4級オニウム塩ならびにスルホン酸またはスルホ
ン酸塩を用いて、実施例2と同様の方法で精製処理し
て、精製メタクリル酸グリシジルを得た。なお、表1に
は、本実施例3〜7のほかに、前記の実施例1,2、後
記の実施例8〜10および比較例1〜5で用いた上記化
合物についても、その種類および量を併記した。
【0030】表1中の各符号は、下記のとおりである。 50%NaOH:50重量%水酸化ナトリウム水溶液 TMAC:テトラメチルアンモニウムクロライド TEBzAC:トリエチルベンジルアンモニウムクロラ
イド TBuBzPC:トリブチルベンジルホスホニウムクロ
ライド PTS:パラトルエンスルホン酸 PTSNa:パラトルエンスルホン酸ナトリウム
【0031】実施例8 粗メタクリル酸グリシジルC530.3gに、表1に記
載の水酸化ナトリウムとトリエチルベンゼンアンモニウ
ムクロライドを加えて、60℃、50mmHgで空気と50
ml/時間の水を吹き込みながら、3時間にわたつて未反
応のエピクロルヒドリンを減圧留去した。ついで、パラ
トルエンスルホン酸ナトリウムを加えて、20℃で60
分間撹拌後、水220gで水洗し、減圧下で脱水したの
ち、ろ過した。最後に、蒸留を行い、精製メタクリル酸
グリシジルを得た。
【0032】実施例9 粗メタクリル酸グリシジルD748gに、表1に記載の
水酸化ナトリウムとテトラメチルアンモニウムクロライ
ドを加えて、実施例2と同様の方法によりエピクロルヒ
ドリンを減圧留去した。ついで、パラトルエンスルホン
酸を加え、70℃で20分間撹拌後、減圧下で脱水した
のち、ろ過した。最後に、蒸留を行い、精製メタクリル
酸グリシジルを得た。
【0033】実施例10 粗アクリル酸グリシジルE2,864gに、表1に記載
の50重量%水酸化ナトリウム水溶液とテトラメチルア
ンモニウムクロライドを加えて、実施例1と同様の方法
によりエピクロルヒドリンを減圧留去した。ついで、パ
ラトルエンスルホン酸ナトリウムを加えて、40℃で6
0分間撹拌後、減圧下で脱水したのち、ろ過した。最後
に、蒸留を行い、精製メタクリル酸グリシジルを得た。
【0034】比較例1 粗メタクリル酸グリシジルB766gに、60℃で、5
0mmHgで空気と50ml/時間の水を吹き込みながら、6
時間にわたつて未反応のエピクロルヒドリンを減圧留去
した。ついで、減圧下で脱水したのち、ろ過した。最後
に、蒸留を行い、精製メタクリル酸グリシジルを得た。
【0035】比較例2 粗メタクリル酸グリシジルB766gに、表1に記載の
水酸化ナトリウムを加えて、60℃、50mmHgで空気と
50ml/時間の水を吹き込みながら、6時間にわたつて
未反応のエピクロルヒドリンを減圧留去した。減圧下で
脱水したのち、ろ過した。最後に、蒸留を行い、精製メ
タクリル酸グリシジルを得た。
【0036】比較例3 粗メタクリル酸グリシジルB766gに、表1に記載の
トリブチルベンジルホスホニウムクロライドを加えて、
60℃、50mmHgで空気と50ml/時間の水を吹き込み
ながら、6時間にわたり未反応のエピクロルヒドリンを
減圧留去した。ついで、減圧下で脱水したのち、ろ過し
た。最後に、蒸留を行うことにより、精製メタクリル酸
グリシジルを得た。
【0037】比較例4 粗メタクリル酸グリシジルB766gに、60℃、50
mmHgで空気と50ml/時間の水を吹き込みながら、表1
に記載のパラトルエンスルホン酸を加えて、6時間にわ
たり未反応のエピクロルヒドリンを減圧留去した。最後
に、蒸留を行い、精製メタクリル酸グリシジルを得た。
【0038】比較例5 粗メタクリル酸グリシジルB766gに、表1に記載の
水酸化ナトリウムとトリブチルベンジルホスホニウムク
ロライドを加えて、60℃、50mmHgで空気と50ml/
時間の水を吹き込みながら、6時間にわたつて未反応の
エピクロルヒドリンを減圧留去した。ついで、減圧下で
脱水したのち、ろ過した。最後に、蒸留を行い、精製メ
タクリル酸グリシジルを得た。
【0039】以上の実施例1〜10および比較例1〜5
で得た精製(メタ)アクリル酸グリシジルについて、そ
の収率と、蒸留時の初留カツト分およびピツチ(蒸留残
渣)の収率を、後記の表2に示した。また、精製(メ
タ)アクリル酸グリシジルの純度、エピクロルヒドリン
の濃度および塩素濃度を調べ、表2に示した。純度とエ
ピクロルヒドリンの濃度は下記のガスクロマトグラフイ
―分析で測定し、塩素濃度はアルカリ水溶液で処理した
のち硝酸銀で滴定する方法で測定した。表2中、エピク
ロルヒドリンの濃度の欄における「ND」は、上記分析
で検知できなかつた(0.002重量%以下であつた)
ことを示している。
【0040】 <ガスクロマトグラフイ―分析> 機種:(株)島津製作所製の「GC14−A」 測定条件:カラム;PEG−HT5%、内径3mm、長さ2m 注入温度;280℃ カラム温度;80〜260℃、7.5℃/分の昇温速度
【0041】 (注)※1:対粗(メタ)アクリル酸グリシジル(単位:重量%) ※2:対粗(メタ)アクリル酸グリシジル(単位:重量%) ※3:対第4級オニウム塩(単位:倍モル)
【0042】 (注)※4,5:収率は重量を蒸留前の重量で除した百分率である ※6:収率は重量を蒸留前の重量で除した百分率であり、ECH濃度は 製品中のエピクロルヒドリンの濃度であり、塩素濃度は製品中の 塩素の濃度である
【0043】上記の表2の結果から明らかなように、本
発明の実施例1〜10の精製方法では、蒸留時の初留カ
ツト分が約6重量%以下、ピツチ(蒸留残渣)が約17
重量%以下で、約77重量%以上の高い収率が得られて
おり、しかも、この製品(メタ)アクリル酸グリシジル
にはエピクロルヒドリンがほとんど含まれておらず、塩
素濃度は約350ppm以下の低い値を示しており、9
9重量%以上の高純度の(メタ)アクリル酸グリシジル
が得られていることがわかる。これに対して、比較例1
〜5の精製方法では、収率および純度ともに、本発明の
実施例1〜10の方法に比べて、大分劣つていることが
明らかである。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の精製方法によれ
ば、エピクロルヒドリンを反応原料として得られた粗
(メタ)アクリル酸グリシジルから、エピクロルヒドリ
ンおよび反応で副生した塩素化合物をほとんど含まな
い、したがつて、塩素濃度が低い、高純度の(メタ)ア
クリル酸グリシジルを高収率で得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸またはそのアルカリ
    金属塩とエピクロルヒドリンを第4級オニウム塩の存在
    下で反応させて得られた粗(メタ)アクリル酸グリシジ
    ルに、粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し0.1〜
    20重量%のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩
    基性化合物と粗(メタ)アクリル酸グリシジルに対し
    0.01〜5重量%の第4級オニウム塩を加えて、エピ
    クロルヒドリンを留去し、ついで第4級オニウム塩に対
    し0.5〜10倍モルのスルホン酸またはスルホン酸塩
    を加えて、ろ過または水洗し、さらに蒸留を行うことを
    特徴とする(メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法。
JP05560896A 1996-03-13 1996-03-13 (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法 Expired - Fee Related JP3885249B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05560896A JP3885249B2 (ja) 1996-03-13 1996-03-13 (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05560896A JP3885249B2 (ja) 1996-03-13 1996-03-13 (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09249657A true JPH09249657A (ja) 1997-09-22
JP3885249B2 JP3885249B2 (ja) 2007-02-21

Family

ID=13003492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05560896A Expired - Fee Related JP3885249B2 (ja) 1996-03-13 1996-03-13 (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3885249B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143629A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc メタクリル酸グリシジルの製造方法
JP2006193449A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc メタクリル酸グリシジルの精製方法
JP2010126453A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Nippon Shokubai Co Ltd エポキシ基含有アクリル酸エステル類の製造方法
JP2011184373A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Nippon Shokubai Co Ltd グリシジルアクリレートの製造方法
WO2022158463A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 三菱瓦斯化学株式会社 (メタ)アクリル酸グリシジル組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006143629A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Mitsubishi Gas Chem Co Inc メタクリル酸グリシジルの製造方法
JP2006193449A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc メタクリル酸グリシジルの精製方法
JP4666139B2 (ja) * 2005-01-12 2011-04-06 三菱瓦斯化学株式会社 メタクリル酸グリシジルの精製方法
JP2010126453A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Nippon Shokubai Co Ltd エポキシ基含有アクリル酸エステル類の製造方法
JP2011184373A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Nippon Shokubai Co Ltd グリシジルアクリレートの製造方法
WO2022158463A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 三菱瓦斯化学株式会社 (メタ)アクリル酸グリシジル組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3885249B2 (ja) 2007-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS63255273A (ja) アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジルの精製方法
JP5011707B2 (ja) メタクリル酸グリシジルの製造方法
JP2967252B2 (ja) グリシジルメタクリレートの製造法
JP3885249B2 (ja) (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法
JP5702048B2 (ja) (メタ)アクリル酸ナフチルエステルの製造方法
JP4456939B2 (ja) アダマンチルエステル類の精製方法
JP2000309558A (ja) 2−アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法
JPH0459308B2 (ja)
JP3044694B2 (ja) メタクリル酸グリシジルの精製方法
JPH04187682A (ja) グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートの精製法
US2319070A (en) Manufacture of unsaturated aliphatic acids and anhydrides
JP4247582B2 (ja) (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法及び製造方法
JP2000072719A (ja) 2−ヒドロキシイソ酪酸アリルの製造方法
JPS63190862A (ja) N−ビニルホルムアミドの回収法
JPH0825991B2 (ja) ジチオールジ(メタ)アクリレートの製造法
JPH0196177A (ja) エポキシ化(メタ)アクリレート化合物の製造方法
JPS60215650A (ja) グリセロ−ルアクリレ−トまたはメタクリレ−トの製造法
JP2941044B2 (ja) 新規な(ナタ)アクリレート化合物およびその製造方法
JP4120271B2 (ja) [4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル]メチルアクリレートの製造法
WO2007122691A1 (ja) 高純度α-(メタ)アクリロイロキシーγ-ブチロラクトン及びその製造方法
JP5209201B2 (ja) 分子内に不飽和基を有する高純度有機酸クロライドの製造方法
JP2005200527A (ja) 結晶性エポキシ化合物の製造方法
JP4505936B2 (ja) プロピオール酸エステルの製造方法
JPH03209353A (ja) 結晶質3―メタクリロイルオキシ―2―ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドモノマー
JP2021134152A (ja) (メタ)アクリル酸エステル組成物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061113

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091201

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091201

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121201

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131201

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees