JPH09242581A - 内燃機関の燃料噴射時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射時期制御装置

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JPH09242581A
JPH09242581A JP8049344A JP4934496A JPH09242581A JP H09242581 A JPH09242581 A JP H09242581A JP 8049344 A JP8049344 A JP 8049344A JP 4934496 A JP4934496 A JP 4934496A JP H09242581 A JPH09242581 A JP H09242581A
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spill valve
time
engine
pulse
fuel injection
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Kanji Kizaki
幹士 木崎
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Toyota Motor Corp
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン回転数が急変した場合、スピル弁の制
御応答遅れ分もその経過回転角度に応じて補正すること
により、燃料噴射量に誤差が生じない。 【解決手段】 燃料を加圧動作するプランジャ12を備
えるプランジャポンプ12Aにはプランジャポンプ12
Aの高圧室15と低圧側とを連通するスピル通路22が
形成され、同スピル通路22にはスピル弁23が設けら
れている。電子制御装置は、スピル弁23を開閉制御す
る際、当該燃焼サイクルにおけるエンジン作動状態に基
づいてスピル弁制御指令値をスピル弁実作動時期として
算出し、スピル弁23の制御は、前記スピル弁制御指令
値に基づくとともに前回燃焼サイクルにおけるエンジン
回転に基づく予測補正を行った所定の機関回転角度位置
からの角度時間変換値に対してスピル弁応答遅れの補正
を行って実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジン、
ガソリンエンジン等の内燃機関において、内燃機関の燃
料噴射時期制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子制御技術、特にデジタル制御
技術の発達とともに、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポ
ンプを電子的に制御するようにした、いわゆる電子制御
ディーゼルエンジンが実用化されている。燃料噴射ポン
プを電子制御する方法には種々あるが、その1つに、燃
料噴射ポンプにおける燃料の溢流を電磁スピル弁で制御
するものがある。この方法は、燃料噴射量が目標値に達
する溢流時期(スピル時期)で電磁スピル弁によりスピ
ルポートを開放し、燃料の圧送を終了させて燃料噴射量
を調整するものである。
【0003】より詳しく説明すると、例えば、前記電磁
スピル弁の開閉制御には、通常、回転数センサによりデ
ィーゼルエンジンの一定クランク角(11.25°C
A)毎に出力される回転角信号(エンジン回転パルス)
が用いられる。
【0004】この技術では、図11,図12に示すよう
に、ディーゼルエンジンの作動状態に応じた目標スピル
時期を算出し、エンジン回転パルスの所定基準位置
(「0」のエンジン回転パルスの立上がり)から前記目
標スピル時期までのエンジン回転パルスの数(この場
合、8個)と、1パルス分に満たない余り角度とを求め
る。そして、前回燃焼サイクルにおいて目標スピル時期
を含む1パルス(「8」のエンジン回転パルス)の所要
時間を基準時間とし、この基準時間を用い、今回燃焼サ
イクルにおける目標スピル時期での1パルス(「8」の
エンジン回転パルス)の所要時間(予測パルス時間)を
予測する。さらに、予測パルス時間と、エンジン回転パ
ルスの発生間隔である単位角度(11.25°CA)と
を用い、前記余り角度を時間に換算する。そして、時間
換算値と前記エンジン回転パルスの数とから決定される
タイミングにて開弁指令信号を電磁スピル弁へ出力する
ことにより開弁させて、燃料噴射を終了させるようにし
ている。
【0005】しかしながら、この種の燃料噴射時期制御
装置は前記電磁スピル弁が開弁指令信号を受けてから実
際に開弁するまでに応答遅れがあり、噴***度が悪化す
る問題がある。
【0006】この問題を解消するために、特開昭61−
226543では、開弁遅れ時間に相応する抵抗値をも
つ固定抵抗器を設け、制御回路がこの固定抵抗器によっ
て調製された電圧信号Vτに基づいて、電磁スピル弁の
応答遅れ時間に対応した補正すべき燃料噴射量Δτを求
めている。そして、制御回路は機関運転状態によって定
まる燃料噴射量と補正すべき前記燃料噴射量Δτとを加
算して、機関運転状態によって定まる燃料噴射量での燃
料噴射を実現するために電磁スピル弁に印加する開弁指
令信号のタイミングを演算するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記技
術では、エンジン回転数(機関回転数)が変わっても電
磁スピル弁の応答遅れ時間は一定であるが、経過クラン
ク角度(経過回転角度)は異なるため、特定の運転状態
以外、例えば、エンジン回転が急変した場合には、噴射
量に誤差が生じる問題があった。すなわち、エンジン回
転が急に高くなれば、経過クランク角度の値はより小さ
くなり、反対にエンジン回転数が急に低くなれば経過ク
ランク角度はより大きくなる。従って、エンジン回転が
急変した場合には、目標とするスピル時期が得られない
問題がある。
【0008】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、エンジン回転数が急変した場
合等のように、特定運転状態以外であっても、スピル弁
の制御応答遅れ分もその経過回転角度に応じて補正する
ことにより、燃料噴射量に誤差が生じない内燃機関の燃
料噴射時期制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、燃料を加圧動作するプランジャ
を備えるプランジャポンプと、前記プランジャポンプの
ポンプ室と低圧側とを連通する燃料逃し通路を開閉する
スピル弁と、前記スピル弁を開閉制御する制御手段とを
備えた内燃機関の燃料噴射時期制御装置において、前記
制御手段は、前記スピル弁を開閉制御する際、内燃機関
の機関回転数に応じて可変となるスピル弁応答遅れの補
正を行うことを特徴とする内燃機関の噴射時期制御装置
をその要旨としている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1において、前
記制御手段は、当該燃焼サイクルにおける機関作動状態
に基づいてスピル弁制御指令値をスピル弁実作動時期と
して算出し、スピル弁の制御は、前記スピル弁制御指令
値に基づくとともに過去の燃焼サイクルにおける機関回
転に基づく予測補正を行った所定の機関回転角度位置か
らの角度時間変換値に対して前記スピル弁応答遅れの補
正を行って実行することをその要旨としている。
【0011】(作用)請求項1の発明によれば、制御手
段は、スピル弁を開閉制御する際、内燃機関の機関回転
数に応じて可変となるスピル弁応答遅れの補正を行う。
機関回転数が変化した場合でも、スピル弁の応答遅れ時
間は一定、すなわち、不変であるが、機関回転角は機関
回転数の変化にともなって変わる。従って、前記制御手
段により、スピル弁応答遅れの補正を行うことにより、
燃料噴射量に誤差が生じることがない。
【0012】請求項2の発明によれば、制御手段は、当
該燃焼サイクルにおける機関作動状態に基づいてスピル
弁制御指令値をスピル弁実作動時期として算出し、スピ
ル弁の制御は、前記スピル弁制御指令値に基づくととも
に前回燃焼サイクルにおける機関回転に基づく予測補正
を行った所定の機関回転角度位置からの角度時間変換値
に対して前記スピル弁応答遅れの補正を行って実行す
る。
【0013】従って、請求項2の発明では、制御手段
は、スピル弁制御指令値に基づくとともに前回燃焼サイ
クルにおける機関回転に基づく予測補正を行った所定の
機関回転角度位置からの角度時間変換値に対してスピル
弁応答遅れの補正を行うため、スピル弁応答遅れ分も予
測補正されることになり、噴射量に誤差が生じることは
ない。
【0014】
【実施の形態】以下、内燃機関としての自動車用ディー
ゼルエンジンに適用した第1の実施の形態を図1〜図1
0に従って詳細に説明する。
【0015】図1,2に示すように、燃料噴射ポンプ1
は、ディーゼルエンジン2のクランク軸40にベルト等
を介して駆動連結されたドライブプーリ3を備えてい
る。そして、そのドライブプーリ3の回転によって燃料
噴射ポンプ1が駆動され、ディーゼルエンジン2の各気
筒(この場合は4気筒)毎に設けられた燃料噴射弁とし
ての燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃料噴射が行
われる。
【0016】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取付けられている。
また、そのドライブシャフト5の途中には、べーン式ポ
ンプよりなる燃料フィードポンプ(図では90度展開さ
れている)6が設けられている。さらに、ドライブシャ
フト5の基端側には円板状のパルサ7が取付けられてい
る。そして、ドライブシャフト5の基端部は図示しない
カップリングを介してカムプレート8に接続されてい
る。
【0017】パルサ7とカムプレート8との間にはロー
ラリング9が設けられ、同ローラリング9の円周に沿っ
てカムプレート8のカムフェイス8aに対向する複数の
カムローラ10が取付けられている。カムフェイス8a
はディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ設けられて
いる。また、カムプレート8はスプリング11によって
常にカムローラ10に付勢係合されている。
【0018】カムプレート8にはプランジャポンプ12
Aの燃料加圧用プランジャ12の基端が一体回転可能に
取付けられ、それらカムプレート8及びプランジャ12
がドライブシャフト5の回転に連動して回転される。す
なわち、ドライブシャフト5の回転力が図示しないカッ
プリングを介してカムプレート8に伝達されることによ
り、カムプレート8が回転しながらカムローラ10に係
合して、気筒数と同数だけ図中左右方向へ往復駆動され
る。また、この往復駆動に伴ってプランジャ12が回転
しながら同方向へ往復駆動される。すなわち、カムプレ
ート8のカムフェイス8aがローラリング9のカムロー
ラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往動(リフ
ト)され、その逆にカムフェイス8aがカムローラ10
を乗り下げる過程でプランジャ12が復動される。
【0019】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面とシリンダ14の底面との間がポンプ室と
しての高圧室15となっている。前記プランジャ12と
シリンダ14とにより、プランジャポンプ12Aが構成
されている。また、プランジャ12の先端側外周には、
ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分
配ポート17とが形成されている。また、それら吸入溝
16及び分配ポート17に対応して、ポンプハウジング
13には分配通路18及び吸入ポート19が形成されて
いる。
【0020】そして、ドライブシャフト5が回転されて
燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示し
ない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料室
21内へ燃料が供給される。また、プランジャ12が復
動されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝
16の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃
料室21から高圧室15へ燃料が導入される。一方、プ
ランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮
行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル
4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0021】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料逃し通路としての燃料溢
流(スピル)用のスピル通路22が形成されている。こ
のスピル通路22の途中には、高圧室15からの燃料ス
ピルを調整するスピル弁としての電磁スピル弁23が設
けられている。この電磁スピル弁23は常開型の弁であ
り、コイル24が無通電(オフ)の状態では弁体25が
開放されて高圧室15内の燃料が燃料室21へスピルさ
れる。また、コイル24が通電(オン)されることによ
り、弁体25が閉鎖されて高圧室15から燃料室21へ
の燃料のスピルが止められる。
【0022】従って、電磁スピル弁23の通電時間を制
御することにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、高
圧室15から燃料室21への燃料のスピル調整が行われ
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。すなわち、プランジャ12が往動しても、
電磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃
料圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
行われない。また、プランジャ12の往動中に、電磁ス
ピル弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、
燃料噴射ノズル4からの噴射終了が調整されて燃料噴射
量が制御される。
【0023】ポンプハウジング13の下側には、基準と
なる回転角としてのクランク角に対する燃料噴射の位相
(噴射位相)を調整するためのタイマ装置(図では90
度展開されている)26が設けられている。このタイマ
装置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するロ
ーラリング9の位置を変更することにより、カムフェイ
ス8aがカムローラ10に係合する時期、すなわちカム
プレート8及びプランジャ12の往復駆動時期を変更す
るためのものである。
【0024】タイマ装置26は制御油圧により駆動され
るものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング
27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイ
マハウジング27内一側(図の左側)の低圧室29にて
タイマピストン28を他側(図の右側)の加圧室30へ
押圧付勢するタイマスプリング31等とから構成されて
いる。そして、タイマピストン28はスライドピン32
を介してローラリング9に接続されている。
【0025】前記加圧室30には、燃料フィードポンプ
6により加圧された燃料が導入されるようになってい
る。そして、その燃料圧力とタイマスプリング31の付
勢力との釣り合い関係によってタイマピストン28の位
置が決定される。また、そのピストン位置が決定される
ことにより、ローラリング9の位置が決定され、カムプ
レート8を介してプランジャ12の往復動タイミングが
決定される。
【0026】タイマ装置26の制御油圧として作用する
燃料圧力を調整するために、タイマ装置26にはタイミ
ングコントロールバルブ(TCV)33が設けられてい
る。詳しくは、タイマハウジング27の加圧室30と低
圧室29とが連通路34によって連通されており、同連
通路34の途中にTCV33が介在されている。このT
CV33は、デューティ制御された通電信号によって開
閉制御される電磁弁であり、同TCV33の開度調整に
よって加圧室30内の燃料圧力が調整される。そして、
その燃料圧力の調整によって、プランジャ12の往復動
時期が変更され、各燃料噴射ノズル4による噴射位相が
制御される。
【0027】前記ローラリング9の上部には、機関回転
角検出手段を構成するとともに作動状態検出手段の一部
を構成する回転数センサ35が、パルサ7の外周面に対
向して取付けられている。この回転数センサ35は電磁
ピックアップコイルよりなり、パルサ7の外周面に形成
された突起が横切る度に検出信号を出力する。
【0028】本実施の形態では、図3で示すようにパル
サ7の突起は、64個のものが等間隔に配列してある状
態から90°(クランク角にして180°CA)毎に2
歯ずつ欠歯部7aが形成された構成となっている。この
ため、ディーゼルエンジン2のクランク軸40が回転す
ると、図4における波形整形後の検出出力で示すよう
に、720°CA/64=11.25°CA毎に、各歯
によるエンジン回転パルスが出力されるとともに、該エ
ンジン回転パルスの14個目には欠歯部7aによる1
1.25°CA×3=33.75°CAのエンジン回転
パルス(基準位置信号)1個が出力される。
【0029】すなわち、パルサ7の外周面には、ディー
ゼルエンジン2の気筒数と同数(この場合4個)の欠歯
部7aが等角度間隔で形成され、さらに互いに隣接する
欠歯部7a間には14個ずつ(合計で56個)の突起が
等角度間隔で形成されている。そのため、回転数センサ
35からの検出信号を波形整形することによって、燃料
噴射周期と同期した基準位置信号及び回転速度を表す回
転信号が得られる。
【0030】なお、図4におけるCNIRQは、基準位
置信号が出力されてからのエンジン回転パルスの数を示
すパルスカウンタ(初期値0)である。次に、ディーゼ
ルエンジン2について説明する。図1に示すように、こ
のディーゼルエンジン2ではシリンダ41、ピストン4
2及びシリンダヘッド43によって各気筒毎に対応する
主燃焼室44がそれぞれ形成されている。また、それら
各主燃焼室44に連通する副燃焼室45が各気筒毎に対
応して設けられている。そして、各副燃焼室45には、
各燃料噴射ノズル4から燃料が噴射されるようになって
いる。各副燃焼室45には、始動補助装置としての周知
のグロープラグ46がそれぞれ取り付けられている。
【0031】ディーゼルエンジン2には、吸気管47及
び排気管50がそれぞれ設けられている。また、その吸
気管47には過給機を構成するターボチャージャ48の
コンプレッサ49が設けられ、排気管50にはターボチ
ャージャ48のタービン51が設けられている。排気管
50には、過給圧PiMを調節するウェイストゲートバ
ルブ52が設けられている。
【0032】また、ディーゼルエンジン2には、排気管
50内の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還
流させる還流管54が設けられている。そして、その還
流管54の途中には、排気の還流量を調節するエキゾー
ストガスリサキュレイションバルブ(EGRバルブ)5
5が設けられている。このEGRバルブ55はバキュー
ムスイッチングバルブ(VSV)56によって開閉され
る。
【0033】さらに、吸気管47の途中には、アクセル
ペダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバ
ルブ58が設けられている。また、そのスロットルバル
ブ58に平行してバイパス路59が設けられ、同バイパ
ス路59にはバイパス絞り弁60が設けられている。こ
のバイパス絞り弁60は、二つのVSV61,62にて
駆動される二段式のダイヤフラム室を有するアクチュエ
ータ63によって開閉制御される。
【0034】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46及び各VSV56,
61,62は、電子制御装置(以下単に「ECU」とい
う)71にそれぞれ電気的に接続され、同ECU71に
よってそれらの駆動タイミングが制御される。
【0035】ディーゼルエンジン2の運転状態を検出す
るセンサとしては、前述した回転数センサ35に加え
て、以下の各種センサが設けられている。吸気管47の
入口に設けられたエアクリーナ64の近傍には、吸気温
度THAを検出する吸気温センサ72が設けられてい
る。
【0036】また、スロットルバルブ58の開閉位置か
ら、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開
度ACCPを検出するアクセル開度センサ73が設けら
れている。アクセル開度センサ73は作動状態検出手段
の一部を構成している。吸入ポート53の近傍には、タ
ーボチャージャ48によって過給された後の吸入空気圧
力(吸気圧)PiMを検出する吸気圧センサ74が設け
られている。さらに、ディーゼルエンジン2の冷却水温
THWを検出する水温センサ75が設けられている。ま
た、クランク軸40の回転基準位置、例えば特定気筒の
上死点(TDC)に対するクランク軸40の回転位置を
検出するクランク角センサ76が設けられている。さら
に、図示しないトランスミッションには、そのギアの回
転によって回されるマグネット77aによりリードスイ
ッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車速)SPを
検出する車速センサ77が設けられている。
【0037】上述した各センサ35,72〜77はEC
U71にそれぞれ接続されている。そして、ECU71
は各センサ35,72〜77の検出信号に基づき、電磁
スピル弁23、TCV33、グロープラグ46及びVS
V56,61,62を制御する。
【0038】次に、前述したECU71の構成につい
て、図5のブロック図に従って説明する。ECU71は
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84を備え、これら
各部と入力ポート85及び出力ポート86とがバス87
によって接続されている。CPU81は、制御手段、パ
ルス時間算出手段、回転変化量算出手段、回転変化予測
値算出手段、作動時クランク角算出手段、余り角度算出
手段、角度時間換算手段、及び予測パルス時間算出手段
を構成している。また、CPU81は演算処理のために
フリーランニングカウント動作を行うようになってい
る。
【0039】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセル開度センサ73、吸気圧センサ74及
び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,9
1、マルチプレクサ92及びA/D変換器93を介して
接続されている。同じく、入力ポート85には、前述し
た回転数センサ35、クランク角センサ76及び車速セ
ンサ77が、波形整形回路95を介して接続されてい
る。そして、CPU81は入力ポート85を介して入力
される各センサ35,72〜77の検出信号を入力値と
して読み込む。また、出力ポート86には各駆動回路9
6,97,98,99,100,101を介して電磁ス
ピル弁23、TCV33、グロープラグ46及びVSV
56,61,62が接続されている。
【0040】そして、CPU81は各センサ35,72
〜77から読み込んだ入力値に基づき、電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46及びVSV56,6
1,62を好適に制御する。
【0041】さて、前記のように構成された本実施の形
態では、閉弁状態の電磁スピル弁23を開弁して燃料を
溢流させる時期(目標スピル時期)を算出するために、
一定クランク角(この実施の形態では11.25°C
A)毎に出力されるエンジン回転パルス(図10参照)
が利用される。この電磁スピル弁23の開弁時期は、あ
る基準となるエンジン回転パルス(図10ではパルスカ
ウンタCNIRQ=0のエンジン回転パルスの立上が
り)からの角度で与えられる。
【0042】詳しくは、パルスカウンタCNIRQの値
が「0」のエンジン回転パルスの立上がりから「8」の
エンジン回転パルスの立上がりまでは直接角度で、この
場合スピル時期パルス数CANGLとして算出される。
【0043】また、「8」のエンジン回転パルスにおい
て1パルス分に満たない余り角度θREMは、予測によ
り次のようにして時間に換算される。すなわち、前回燃
焼サイクルにおける目標スピル時期での1パルス分の所
要時間を基準時間TS1125とし、この基準時間TS
1125を用いて今回燃焼サイクルにおける目標スピル
時期を含む1パルス分の所要時間を予測し、その予測値
(予測パルス時間TS1125a)をもとに前記余り角
度θREMを時間換算する。このようにして時間換算さ
れた値はスピル時刻TSPONで表される。
【0044】次に、前記スピル時刻TSPONの算出処
理を図8のフローチャートに示す。また、前記基準時間
TS1125の算出処理を図6のフローチャートに示
す。なお、図8の処理ルーチンは所定のタイミングで実
行され、図6の処理ルーチンは、回転数センサ35のエ
ンジン回転パルスの立上がりで割り込まれて実行され
る。
【0045】まず、図6の基準時間算出ルーチンについ
て説明する。このルーチンの処理が開始されると、CP
U81はステップ100において、フリーランニングカ
ウント動作により求められる今回のNE割込み時におけ
る現在時刻FCと、前回のNE割込み時における割込み
時刻TOとの差を、パルス時間TNINTとして設定す
る。図9では、パルスカウンタCNIRQの値が「1
0」になってから「11」になるまでの1パルス分を例
として挙げており、この1パルス分に相当するクランク
角度(11.25°CA)だけ進むのに要する時間を算
出し、これをパルス時間TNINTとする。従って、ス
テップ100はパルス時間算出手段を構成する。
【0046】次に、CPU81はステップ110におい
てパルスカウンタCNIRQの値が「6」であるか否か
を判定する。ここで、「6」は、予測パルス時間TS1
125aを有するパルス信号(「8」のエンジン回転パ
ルス)の前の複数のパルス信号のうち、「8」のエンジ
ン回転パルスに最も近い算出可能なエンジン回転パルス
の値である。パルスカウンタCNIRQの値が「6」で
ないと、CPU81はそのままステップ170へ移行す
る。
【0047】一方、ステップ110でパルスカウンタC
NIRQの値が「6」であると、CPU81はステップ
120において、先にステップ100にて求められたパ
ルス時間TNINTを瞬時時間TN6(i)として設定
する。瞬時時間TN6(i)は、図9に示すように、パ
ルスカウンタCNIRQの値が「5」になってから
「6」になるまでに、クランク角度で「11.25°C
A」だけ進むのに要するパルス時間TNINTに相当し
ている。
【0048】続いて、CPU81はステップ130にお
いて、前回の処理で記憶した前回燃焼サイクルでの瞬時
時間TN6(i−1)を読み出す。そして、CPU81
はステップ140において、前回燃焼サイクルでの瞬時
時間TN6(i−1)に対する、今回燃焼サイクルでの
瞬時時間TN6(i)の比(TN6(i)/TN6(i
−1))を求め、これを回転変化量TNRAとして設定
する。従って、ステップ140は回転変化量算出手段を
構成する。
【0049】このようにしたのは、1燃焼サイクル内で
は、クランク軸40の回転変動が、エンジン負荷、噴射
時期、エンジン回転数NE等の変化に応じて変化するこ
とがあるのに対し、隣接の燃焼サイクル間で各々対応し
た位置ではエンジン負荷、噴射時期等によるクランク軸
40の回転変動がわずかであり、前回の燃焼サイクルの
回転変動と今回の燃焼サイクルの回転変動とが相似する
からである。
【0050】CPU81はステップ150で、前記回転
変化量TNRAに応じた予測補正係数MDT1を算出す
る。従って、ステップ150は回転変化予測値算出手段
を構成している。予測補正係数MDT1は図7のマップ
を参照して求められる係数であり、前記基準時間TS1
125を補正するべく、同基準時間TS1125に乗算
される。図7のマップでは、回転変化量TNRAが
「1」の場合、すなわち、前回燃焼サイクルと今回燃焼
サイクルとの間で瞬時時間TN6が変化しない場合、基
準時間TS1125を補正する必要がないことから、予
測補正係数MDT1は「1」に設定されている。回転変
化量TNRAが「1」より小さい場合、すなわち、エン
ジン回転数NEが上昇している場合には、基準時間TS
1125を小さく補正すべく予測補正係数MDT1が
「1.0」よりも小さな値に設定されている。回転変化
量TNRAが「1」より大きい場合、すなわち、エンジ
ン回転数NEが下降している場合には、基準時間TS1
125を大きく補正すべく予測補正係数MDT1が
「1.0」よりも大きな値に設定されている。
【0051】CPU81はステップ160において、次
回の演算に備え、今回燃焼サイクルでの瞬時時間TN6
(i)を前回燃焼サイクルでの瞬時時間TN6(i−
1)とし、この値を記憶する。次に、ステップ170に
おいて、CPU81はパルスカウンタCNIRQの値が
「9」であるか否かを判定する。ここで、パルスカウン
タCNIRQの値が「9」でないと、CPU81はその
ままステップ190へ移行する。これに対し、パルスカ
ウンタCNIRQの値が「9」であると、CPU81は
ステップ180において、そのときのパルス時間TNI
NTを基準時間TS1125として設定し、記憶する。
【0052】この基準時間TS1125は、図9に示す
ようにパルスカウンタCNIRQの値が「8」になって
から「9」になるまでに、クランク角度で「11.25
°CA」だけ進むのに要するパルス時間TNINTに相
当している。
【0053】また、図9における基準時間TS1125
の位置は、ディーゼルエンジン2の運転状態に応じて決
定される目標噴射量を得るための噴射終了時期に相当し
ている。
【0054】そして、ステップ190において、CPU
81は前記ステップ100での現在時刻FCを前回の割
込み時刻TOとして設定した後、その後の処理を終了す
る。このようにして基準時間TS1125が算出され
る。
【0055】次に、図8におけるスピル時刻TSPON
の算出処理について説明する。このルーチンの処理が開
始されると、CPU81は先ずステップ201におい
て、回転数センサ35、吸気圧センサ74及びアクセル
開度センサ73の各検出値に基づき、エンジン回転数N
E、吸気圧PiM及びアクセル開度ACCPを読み込
む。また、図8での基準時間TS1125及び予測補正
係数MDT1をそれぞれ読込む。
【0056】続いて、CPU81はステップ202にお
いて、前記エンジン回転数NE、吸気圧PiM及びアク
セル開度ACCPにより、作動時クランク角度としての
噴射量指令値QFINを算出する。従って、ステップ2
02は作動時クランク角算出手段を構成する。この噴射
量指令値QFINは予め定められた計算式に従って求め
られ、クランク角度(°CA)で表され、本発明のスピ
ル弁制御指令値とされている。
【0057】そして、CPU81はステップ203にお
いて、前記噴射量指令値QFINにより、スピル時期パ
ルス数CANGL及び余り角度θREMをそれぞれ算出
する従って、ステップ203は余り角度算出手段を構成
する。これらの各値CANGL,θREMは、下記の式
(1)を参照して求められる。
【0058】 θREM=QFIN−11.25・CANGL ……(1) すなわち、図10に示すように、噴射量指令値QFIN
をエンジン回転パルス1個分の角度に相当する「11.
25」で除算して、その商をスピル時期パルス数CAN
GLとして求め、その余りを余り角度θREMとして求
める。
【0059】次に、CPU81はステップ204におい
て、下記式(2)に従って前記基準時間TS1125を
予測補正係数MDT1にて補正する。従って、ステップ
204は予測パルス時間算出手段を構成する。補正され
た値は、今回燃焼サイクルでの目標スピル時期近傍にお
ける1パルス分のパルス時間であり、予測パルス時間T
S1125aで表される。
【0060】 TS1125a=TS1125・MDT1 ……(2) そして、CPU81はステップ205において、先に求
められた余り角度θREMと予測パルス時間TS112
5aとによりスピル時刻TSPONを算出する。従っ
て、ステップ205は角度時間換算手段を構成する。す
なわち、余り角度θREMを予測パルス時間TS112
5aに基づいて時間換算する。このスピル時刻TSPO
Nは下記式(3)に従って求められる。
【0061】 TSPON = (θREM/11.25)・TS1125a-(TRES+VRR+f(V)) ……(3) 前記TRESは電磁スピル弁23の応答遅れ時間であ
る。応答遅れ時間TRESは予め実験等により求められ
た値である。例えば、電磁スピル弁23の作動初め時期
を電磁スピル弁23のリフト開始時期或いは、高圧室1
5の室圧変化時期等で検出し、この作動初め時期と制御
信号発生時期との差を、応答遅れ時間TRESとするも
のである。
【0062】従って、この実施の形態では、上記(3)
式及び(1)式より、噴射量指令値QFINは下記のよ
うになる。 QFIN=CANGL・11.25+(TSPON+TRES)・11.25/TS1125a …(4) すなわち、上記(4)式のことから、従来は電磁スピル
弁23の応答遅れ時間TRESは考慮されていないた
め、噴射量指令値QFINは制御信号発生時期を意味し
ていたが、この実施の形態では、応答遅れ時間TRES
の項が含まれているため、噴射量指令値QFINは、ス
ピル弁実作動時期としての電磁スピル弁実作動時期を意
味している。
【0063】このステップ205での処理によって余り
角度θREMが時間換算されると、CPU81はこのル
ーチンを終了する。なお、前記ステップ203でスピル
時期パルス数CANGLが求められ、前記ステップ20
5でスピル時刻TSPONが求められると、CPU81
は両値CANGL,TSPONに基づき電磁スピル弁2
3をオフさせるための制御信号を出力する。すると、電
磁スピル弁23の開弁動作により燃料噴射ポンプ1から
の燃料噴射の終了時期、すなわち燃料噴射量が調整され
る。 (a)さて、本実施の形態では、余り角度θREMを予
測パルス時間TS1125aに基づいて時間換算し、こ
のスピル時刻TSPONは式(3)に従って求めるよう
にした。
【0064】 TSPON=(θREM/11.25)・TS1125a−TRES ……(3) すなわち、電磁スピル弁23の応答遅れ時間TRESを
加味してスピル時刻TSPONを算出し、電磁スピル弁
23の制御応答遅れ分も回転変化予測補正しているた
め、燃料噴射量に誤差が生じることがない。 (b)又、本実施の形態では、隣接の燃焼サイクル間で
はエンジン負荷、噴射時期等によるクランク軸40の回
転変動がわずかであり、前回の燃焼サイクルの回転変動
と今回の燃焼サイクルの回転変動とが相似する現象を利
用している。回転数センサ35による所定のエンジン回
転パルスの所要時間をパルス時間TNINTとして算出
する(ステップ100)。今回燃焼サイクルでの電磁ス
ピル弁23の開弁時期の算出に際し、前回燃焼サイクル
における所定パルス信号のパルス時間(瞬時時間TN6
(i−1))と、今回燃焼サイクルにおいて前記所定パ
ルス信号に対応するパルス信号のパルス時間(瞬時時間
TN6(i))とから両者間の変化量(回転変化量TN
RA)を求め(ステップ140)、その変化量に基づ
き、クランク軸40の回転変化量を予測するようにして
いる。
【0065】従って、算出されたクランク軸40の回転
変化量(回転変化予測値)を、エンジン負荷、噴射時期
及びエンジン回転数NEの変化に応じて補正しなくて
も、高い精度をもってディーゼルエンジン2の回転変化
予測を行うことができる。 (c)又、本実施の形態では、ディーゼルエンジン2の
作動状態に応じた目標燃料噴射量を得るべく、電磁スピ
ル弁23を開弁させる際のクランク角度(噴射量指令値
QFIN)を算出する(ステップ202)。噴射量指令
値QFINを含む作動時パルス信号(「8」のエンジン
回転パルス)において、同エンジン回転パルスの立上が
りから噴射量指令値QFINまでの1パルス分に満たな
い余り角度θREMを算出する(ステップ203)。作
動時パルス信号に対応する前回燃焼サイクルでのパルス
信号(「8」のエンジン回転パルス)の所要時間(基準
時間TS1125)、及びクランク軸40の回転変化量
TNRAから、作動時パルス信号の所要時間である予測
パルス時間TS1125aを算出する(ステップ20
4)。エンジン回転パルスの発生間隔である単位角度
(11.25°CA)、及び前記予測パルス時間TS1
125aを用いて、余り角度θREMを時間換算してス
ピル時刻TSPONを求めている(ステップ205)。
【0066】従って、前記のように精度の高いクランク
軸40の回転変化量TNRAが用いられるので、電磁ス
ピル弁23の開弁時期算出に必要な余り角度θREMを
精度よく時間換算することができる。
【0067】次に第2の実施の形態を前記第1の実施の
形態と異なるところを中心に説明する。図13に示すよ
うに、CPU81は車載バッテリ(図示しない)の電圧
Vをバッファ103、マルチプレクサ92、A/D変換
器93、入力ポート85を介して検出するようにされて
いる。そして、CPU81は、この実施の形態では、前
記図8のスピル時刻算出ルーチンのステップ205にお
いて、下記の式にて算出するところが異なっている。
【0068】 TSPON = (θREM/11.25)・TS1125a-(TRES+VRR+f(V)) ……(5) 前記VRRは電磁スピル弁23のバラツキ補正項であっ
て、電磁スピル弁23の開弁時間に個体間差の影響をな
くすために設けられており、この項は予め実験等により
求められ、ROM82に格納されている。そして、この
補正項はステップ205において、読み出される。又、
f(V)は車載バッテリ電圧の補正項である。この電圧補正
項f(V)は、前記CPU81がこのステップ205におい
て、バッテリ電圧Vに基づいて演算或いはマップから求
める。前記マップは予めROM82に格納されている。
【0069】前記マップは、バッテリ電圧が高いほど、
すなわち、電磁スピル弁23の制御電圧が高いほど電磁
スピル弁23の応答性が悪くなるため、制御電圧に対す
る応答性の変化量に対応して、制御電圧が高いほどその
補正量が大きくなるようにされている。この応答性の変
化量は、制御電圧が変化した場合に所定の基準電圧にお
ける制御電圧に対してどれだけ応答時間が変化した量
(時間)のことである。
【0070】又、電磁スピル弁23のバラツキ補正項
は、標準の電磁スピル弁における制御応答性に対してど
れだけ制御応答性がばらついているかのバラツキ量(時
間)であって、個々の電磁スピル弁の固有値である。
【0071】従って、この実施の形態では、電磁スピル
弁23の応答遅れ時間TRESのみならず、電磁スピル
弁23の個体間のバラツキを解消するための補正項並び
に電磁スピル弁23の制御電圧補正項を加味してスピル
時刻TSPONを算出し、電磁スピル弁23の制御応答
遅れ分、電磁スピル弁23の個体間のバラツキ、及び制
御電圧についても回転変化予測補正しているため、第1
の実施の形態よりもさらに燃料噴射量に誤差が生じるこ
とがない。
【0072】なお、この発明は前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、この発明の趣旨から逸脱しない範囲
で構成の一部を適宜に変更して次のように実施すること
もできる。
【0073】(イ)前記両実施の形態では、回転数セン
サ35が11.25゜CA毎にエンジン回転パルス数を
出力するようにパルサ7の突起数を設定したが、これに
限定されるものではなく、パルサ7の突起数を変更して
もよい。
【0074】(ロ)前記両実施の形態では、電磁スピル
弁23を開弁駆動において、応答遅れ時間TRES分を
考慮したが、電磁スピル弁23の閉弁駆動において、応
答遅れ時間TRESOを加味してもよい。
【0075】例えば、パルサ7の突起数を前記第1の実
施の形態と同様にした場合、閉弁駆動のための閉弁指令
時刻をTPSとすると、閉弁指令時期Qpsは下記の通り
となる。
【0076】Qps=CANGps・11.25 + (TPS+TRE
S0)・11.25/TS1125a なお、前記CANGpsは、閉弁指令時期パルス数であ
る。従って、閉弁指令時期TPSは、下式となる。
【0077】 TPS=(Qps−CANGps・11.25)/11.25 − TRES0 (ハ)前記第1の実施の形態では、前回燃焼サイクルで
の瞬時時間TN6(i−1)に対する、今回燃焼サイク
ルでの瞬時時間TN6(i)の比(TN6(i)/TN
6(i−1))を求め、これを回転変化量TNRAとし
たが、前記両瞬時時間の偏差(TN6(i)−TN6
(i−1))を求め、これを回転変化量としてもよい。 (ニ)前記実施の形態では、過給機としてのターボチャ
ージャ48を備えたディーゼルエンジン2に具体化した
が、過給機としてのスーパーチャージャを備えたディー
ゼルエンジンや、過給機を備えていないディーゼルエン
ジン、さらにはガソリンエンジンに具体化することもで
きる。
【0078】(ホ)前記第2の実施の形態では、車載バ
ッテリの制御電圧、及び電磁スピル弁23の個体間のバ
ラツキによる応答遅れ分の両方を加味したが、車載バッ
テリ、或いは、電磁スピル弁の個体間のバラツキによる
応答遅れ分を、第1の実施の形態の応答遅れ時間TRE
Sに加算、或いは、電磁スピル弁を閉弁する場合の応答
遅れ時間TRESOに加算してもよい。
【0079】前記実施の形態から把握される請求項以外
の技術的思想をその効果とともに以下に記載する。 (1)請求項2において、機関の回転に伴い所定の単位
角度毎にパルス信号を発生し、機関の回転角を検出する
機関回転角検出手段と、前記機関回転角検出手段による
所定のパルス信号の所要時間をパルス時間として算出す
るパルス時間算出手段とを備え、前記制御手段は、機関
作動状態に基づいてスピル弁制御指令値をスピル弁実作
動時期として算出し、スピル弁の制御は、過去の燃焼サ
イクルにおける所定パルス時間算出手段により算出され
る所定パルス信号のパルス時間と、今回燃焼サイクルに
おける前記所定パルス信号に対応するパルス信号のパル
ス時間とから両者間の変化量を求め、その変化量に基づ
いて機関回転に基づく変化予測を行う内燃機関の噴射時
期制御装置。
【0080】例えば、過去の燃焼サイクルとして、前回
の燃焼サイクルにおける所定パルス時間算定手段により
所定パルス信号のパルス時間を算出すると、隣接する燃
焼サイクル間では機関負荷(エンジン負荷)、噴射時期
等による機関の回転変動がわずかであり、前回の燃焼サ
イクルの回転変動と、今回の燃焼サイクルの回転変動と
が相似する。この現象を利用すれば、スピル弁の開閉制
御時期の算出に際し、前回燃焼サイクルにおける所定パ
ルス信号のパルス時間と、今回燃焼サイクルにおいて所
定パルス信号に対応するパルス時間とから機関回転の回
転変化量を容易に予測することができる。この結果、機
関の回転変化量を、機関負荷、噴射時期、機関回転数の
変化に応じて補正しなくても、高い精度をもって回転変
化予測を行うことができる。 (2)前記(1)において、内燃機関の作動状態を検出
する作動状態検出手段と、前記作動状態検出手段による
作動状態に応じた内燃機関の目標燃料噴射量を得るべ
く、前記アクチュエータを作動させる際のクランク角度
を作動時クランク角度として算出する作動時クランク角
算出手段と、前記作動時クランク角算出手段による作動
時クランク角度を含む作動時パルス信号において、クラ
ンク角検出手段によるパルス信号の発生から同作動時ク
ランク角度までの1パルス分に満たない余り角度を算出
する余り角度算出手段と、前記パルス時間算出手段によ
り算出され、かつ前記作動時パルス信号に対応する前回
燃焼サイクルでのパルス信号の所要時間、及び前記回転
変化予測値算出手段によるクランク軸の回転変化予測値
から、作動時パルス信号の所要時間である予測パルス時
間を算出する予測パルス時間算出手段と、前記パルス信
号の発生間隔である単位角度、及び前記予測パルス時間
算出手段による予測パルス時間を用いて、余り角度算出
手段による余り角度を時間換算する角度時間換算手段と
を備えた内燃機関の燃料噴射時期制御装置。これらの手
段を備えることにより、スピル弁の制御応答遅れ分も回
転変化予測補正され、燃料噴射量に誤差が生じることが
なくなる。 (3)スピル弁は電磁スピル弁であり、制御手段は、ス
ピル弁を開閉制御する際、電磁スピル弁の制御電圧に起
因する応答性変化量の補正を行う請求項1、2、前記
(1)、(2)のうちいずれかに記載の内燃機関の燃料
噴射時期制御装置。この構成により、電磁スピル弁の制
御電圧による応答の変化に対しても対応でき、燃料噴射
精度が高まる。 (4)スピル弁は電磁スピル弁であり、制御手段は、ス
ピル弁を開閉制御する際、電磁スピル弁の個体間の応答
性のバラツキ量の補正を行う請求項1、2、前記
(1)、(2)、(3)のうちいずれかに記載の内燃機
関の燃料噴射時期制御装置。この構成により、標準の電
磁スピル弁に対する当該電磁スピル弁固有の応答性のバ
ラツキ量に対しても対応でき、燃料噴***度が高まる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明
は、エンジン回転数が急変した場合等のように、特定運
転状態以外であっても、スピル弁の制御応答遅れ分もそ
の経過回転角度に応じて補正するため、燃料噴射量に誤
差を生ずることがない効果を奏する。
【0082】又、請求項2の発明は、請求項1の効果に
加え、機関回転数が急変した場合等のように、特定運転
状態以外であっても、スピル弁の制御応答遅れ分も回転
変化予測補正するため、燃料噴射量に誤差を生ずる異が
ない、
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のディーゼルエンジン、燃料
噴射ポンプ、回転変化予測装置及びクランク角の時間換
算装置を示す概略構成図。
【図2】同じく燃料噴射ポンプの拡大断面図。
【図3】同じくパルサ及び回転数センサの正面図。
【図4】同じく回転数センサによるエンジン回転パルス
の出力波形を示す説明図。
【図5】同じくECUの電気的構成を示すブロック図。
【図6】同じく基準時間算出ルーチンを説明するフロー
チャート。
【図7】同じく回転変化量に対する予測補正係数の関係
を規定したマップを示す特性図。
【図8】同じくCPUにより実行されるスピル時刻算出
ルーチンを説明するフローチャート。
【図9】同じくエンジン回転数の変動とエンジン回転パ
ルスとの対応関係を示す説明図。
【図10】同じくエンジン回転パルスと電磁スピル弁の
作動との対応関係を示す説明図。
【図11】同じく2つの燃焼サイクル間での回転変化量
と、基準時間に対する予測パルス時間の比との相関関係
を示す特性図。
【図12】図11との比較のために、今回燃焼サイクル
内で求めた回転変化量と、基準時間に対する予測パルス
時間の比との相関関係を示す特性図。
【図13】第2の実施の形態のECUの電気的構成を示
すブロック図。
【符号の説明】
2…ディーゼルエンジン(内燃機関)、23…電磁スピ
ル弁、35…回転数センサ(クランク角検出手段及び作
動状態検出手段)、40…クランク軸、73…アクセル
開度センサ(作動状態検出手段)、81…CPU(制御
手段、パルス時間算出手段、回転変化予測値算出手段、
作動時クランク角算出手段、余り角度算出手段、角度時
間換算手段、及び予測パルス時間算出手段)、ACCP
…アクセル開度(内燃機関機関の作動状態)、NE…エ
ンジン回転数(内燃機関の作動状態、クランク軸の単位
時間当たりの回転数)、TNINT…パルス時間、TN
RA…回転変化量、TS1125…基準時間(作動時パ
ルス信号に対応する前回燃焼サイクルでのパルス信号の
所要時間)、TS1125a…予測パルス時間、QFI
N…噴射量指令値(作動時クランク角度)、θREM…
余り角度、TSPON…スピル時刻(余り角度の時間換
算値)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を加圧動作するプランジャを備える
    プランジャポンプと、前記プランジャポンプのポンプ室
    と低圧側とを連通する燃料逃し通路を開閉するスピル弁
    と、前記スピル弁を開閉制御する制御手段とを備えた内
    燃機関の燃料噴射時期制御装置において、 前記制御手段は、前記スピル弁を開閉制御する際、内燃
    機関の機関回転数に応じて可変となるスピル弁応答遅れ
    の補正を行うことを特徴とする内燃機関の燃料噴射時期
    制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、当該燃焼サイクルにお
    ける機関作動状態に基づいてスピル弁制御指令値をスピ
    ル弁実作動時期として算出し、 スピル弁の制御は、前記スピル弁制御指令値に基づくと
    ともに過去の燃焼サイクルにおける機関回転に基づく予
    測補正を行った所定の機関回転角度位置からの角度時間
    変換値に対して前記スピル弁応答遅れの補正を行って実
    行するものである請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射
    時期制御装置。
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