JPH09220468A - 排ガス中の窒素酸化物除去用触媒、その製造方法およびこれを用いた排ガス中の窒素酸化物除去方法 - Google Patents

排ガス中の窒素酸化物除去用触媒、その製造方法およびこれを用いた排ガス中の窒素酸化物除去方法

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JPH09220468A
JPH09220468A JP8030807A JP3080796A JPH09220468A JP H09220468 A JPH09220468 A JP H09220468A JP 8030807 A JP8030807 A JP 8030807A JP 3080796 A JP3080796 A JP 3080796A JP H09220468 A JPH09220468 A JP H09220468A
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JP
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catalyst
oxide
exhaust gas
titanium oxide
nitrogen oxides
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JP8030807A
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Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Naomi Imada
尚美 今田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い脱硝性能を維持し、かつSO2 酸化活性を
著しく低下させた脱硝触媒を提供することにある。 【解決手段】酸化チタン、酸化モリブデンまたは酸化タ
ングステン、および酸化バナジウムを活性成分とする脱
硝触媒の製造方法において、酸化チタンと酸化モリブデ
ン、酸化チタンと酸化タングステン、または酸化チタン
と酸化ケイ素を主成分とする触媒基材成形体を形成し、
この成形体表面に酸化チタン、酸化モリブデンまたは酸
化タングステン、および酸化バナジウムからなる高V含
有量層を担持させる。 【効果】高い脱硝性能を維持し、かつSO2 酸化活性を
従来触媒に比し1/3程度に抑制した触媒が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の窒素酸
化物除去用触媒、その製造方法およびこれを用いた排ガ
ス中の窒素酸化物除去方法に係り、特に排ガス中のSO
2 をSO3 に酸化する活性を抑制した高活性な窒素酸化
物除去用触媒、その製造方法およびそれら触媒を使った
排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所、各種工場、自動車などから排出
される排ガス中のNOxは、光化学スモッグや酸性雨の
原因物質であり、その効果的な除去方法として、アンモ
ニア(NH3 )を還元剤とした選択的接触還元による排
ガス脱硝法が、火力発電所を中心に幅広く用いられてい
る。触媒には、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)
またはタングステン(W)を活性成分にした酸化チタン
(TiO2 )系触媒が使用されており、特に活性成分の
1つとしてバナジウムを含むものは活性が高いだけでな
く、排ガス中に含まれている不純物による劣化が小さい
こと、より低温から使用できることなどから、現在の脱
硝触媒の主流になっている(特開昭50−128681
号公報等)。その製造法にはあらかじめ酸化チタン原料
とW、Mo、V原料とを混練して得たペーストを、また
は必要に応じてこれをさらに焼成・粉砕した後、水とと
もに混練してペースト状にしたものをハニカム状に押出
成形する方法や、金属またはセラミックス製基板に塗布
して板状触媒にする方法が広く用いられてきた(特公昭
60−3856号公報、特公昭61−28377号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来触媒は、前述
したようにあらかじめ触媒成分を調製し、これをハニカ
ム状や板状に成形するため次のような多くの問題を有し
ている。第1は、触媒成分自体を成形して形状を保持さ
せるため、実用的な強度を維持しようとするとハニカム
触媒のセル壁、または板状触媒の厚みを小さくすること
が不可能である。このため近年の省資源、省エネルギー
の時流に対応することが難しくなっている。
【0004】第2の問題は、第1の問題とも関連する
が、触媒成分の使用量を一定以下に下げられないため、
排ガスの浄化に使用した場合、排ガス中に含まれるSO
2 がSO3 に酸化する副反応を一定以下にできない。S
3 はSO2 に較べ大気に放出された場合の毒性が高い
上、脱硫装置で除去されにくいため、上記SO2 の酸化
活性が高い点は改善されるべき大きな課題である。
【0005】さらに第3の問題として、近年事業用ボイ
ラなどの排ガスではNOxの排出量を現在のレベルより
低下するために大量の脱硝触媒を使用することが多くな
る傾向にある。このような装置に従来技術の触媒を適用
すると一層SO2 の酸化割合が著しく高くなり、環境面
だけでなく脱硝装置後流機器にも悪影響を引き起こす。
【0006】上記したように触媒成分をハニカム/板状
に成形して用いる触媒では、触媒原料使用量を一定以上
低下しにくいだけでなく、脱硝活性を維持しようとする
とSO2 酸化活性を低く抑えることが難しいという問題
があった。本発明の目的は、上記した従来触媒の問題点
をなくし、高い脱硝活性と低いSO2 酸化活性を両立さ
せた触媒と、この触媒を得るための経済的に優れた触媒
製造方法と、この触媒を用いた排ガス中の窒素酸化物除
去方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。 (1)酸化チタン、酸化モリブデンおよび/または酸化
タングステン、ならびに酸化バナジウムを活性成分とす
る窒素酸化物除去用触媒において、該触媒が成形体触媒
であり、該触媒成形体の表面部のバナジウム含有量が内
部のそれより高いことを特徴とする排ガス中の窒素酸化
物除去用触媒。
【0008】(2)(1)記載の触媒において、表面部
の高バナジウム含有量層がコーティングにより形成され
た酸化チタン、酸化モリブデンおよび/または酸化タン
グステン、ならびに酸化バナジウムとからなる触媒成分
層であることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用
触媒。 (3)(1)〜(2)記載の触媒において、触媒表面の
高バナジウム含有触媒層が厚み0.1mm以下で、かつ単
位面積当たりのコーティング量が100g/m 2 以下で
あることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触
媒。
【0009】(4)(1)〜(3)記載の触媒におい
て、触媒内部および触媒表面の総バナジウム含有率が
0.5wt%以下であることを特徴とする排ガス中の窒
素酸化物除去用触媒。 (5)(1)〜(4)記載の触媒において、触媒内部が
酸化チタンと酸化モリブデン、酸化チタンと酸化タング
ステン、または酸化チタンと酸化モリブデンと酸化タン
グステンであることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物
除去用触媒。
【0010】(6)(1)〜(5)記載の触媒におい
て、触媒基材である網状無機繊維物間および網目間に酸
化チタンと酸化モリブデン、または酸化チタンと酸化タ
ングステン、酸化チタンと酸化モリブデンと酸化タング
ステンを主成分とする酸化物が埋められた状態の板状成
形体表面に高バナジウム含有成分層が形成されたことを
特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒。
【0011】(7)酸化チタン、酸化モリブデンまたは
酸化タングステン、および酸化バナジウムとを活性成分
とする窒素酸化物除去用触媒の製造方法において、酸化
チタンと酸化モリブデン、酸化チタンと酸化タングステ
ン、または酸化チタンと酸化ケイ素を主成分とする触媒
基材成形体を形成し、これを乾燥、焼成したのち、この
表面に高バナジウム含有触媒成分のスラリを塗布するこ
とを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造
方法。
【0012】(8)酸化チタン、酸化モリブデンまたは
酸化タングステン、および酸化バナジウムを活性成分と
する窒素酸化物除去用触媒の製造方法において、酸化チ
タンと酸化モリブデン、酸化チタンと酸化タングステ
ン、または酸化チタンと酸化ケイ素を主成分とする湿式
触媒基材成形体を形成し、この湿式成形体に高バナジウ
ム含有触媒成分を担持させたのち、乾燥、焼成すること
を特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方
法。
【0013】(9)(8)記載の触媒の製造方法におい
て、スラリの担持手段が、スラリを一旦弾性を有するロ
ーラに付着させた後、ローラを前記湿式成形体表面と接
触させて、該成形体表面にスラリを転着することを特徴
とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方法。 (10)(8)記載の触媒の製造方法において、湿式成
形体への高バナジウム含有触媒成分の担持方法が、上記
湿式成形体と高バナジウム含有触媒成分粉末とを接触さ
せることにより行われ、これにより該湿式成形体表面に
高バナジウム含有成分層が形成されることを特徴とする
排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方法。
【0014】(11)窒素酸化物とともに亜硫酸ガスを
含有する排ガス中の窒素酸化物除去方法において、前記
排ガスをアンモニアの存在下、(1)〜(6)記載の触
媒と接触させて、前記窒素酸化物をアンモニアにより還
元することを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去方
法。
【0015】
【発明の実施の形態】上記従来技術の問題点は、酸化チ
タン(TiO2 )、酸化チタンとモリブデン(Mo)酸
化物、酸化チタンとタングステン(W)酸化物、または
これらの酸化物とバナジウム(V)酸化物を主成分とす
る成形体表面に、V含有量の高い触媒成分層を形成させ
ることによって解決することができる。
【0016】すなわち、本発明の窒素酸化物除去用触媒
は、図1に示すように、TiO2 、TiO2 とMo
3 、TiO2 とWO3 とからなる成形体内部を構成す
る触媒基材(低V濃度層)2の表面にチタン、タングス
テンまたはモリブデン、およびバナジウムとからなる触
媒成分層(高V濃度層)1を形成し、触媒表面のV含有
量を内部に較べ大きく高めたことを特徴とするものであ
る。
【0017】ここで基材となる内部触媒層は、通常の方
法により成形されたハニカム状または板状の成形体であ
り、V含有量が低く抑えられている。また、表面の被覆
層はVの含有量の高いTi、W、MoおよびVとからな
るV含有量4〜12原子%の触媒成分であり、基材とな
るハニカムまたは板状体が成形された後、粉末状または
水を分散媒とするスラリの形で付着させて形成され、そ
の付着量は小さく5〜100g/m2 であり、厚みは
0.1mm以下と少量である。
【0018】被覆量は、具体的にはハニカムまたは板状
の湿式成形体がまだ湿った状態の時点で、上記高V触媒
成分粉末と接することにより付着させるか、成形後湿っ
た状態もしくは一旦焼成したものに触媒スラリを塗布、
または転着することにより形成することができる。この
ようにして得られた触媒の全体としてのV含有量は、用
いる排ガスの種類による異なるが、SO2 酸化が問題と
なる場合には0.5wt%以下、望ましくは0.2wt
%以下が好結果を与える。また、SO2 を含まずSO2
酸化の問題にならない排ガスでは制限はないが、この場
合であっても1wt%以下で充分な性能が得られる。
【0019】図2は、従来触媒について反応時における
NOxとSO2 濃度の表面から内部への分布を示したも
のである。この図から明らかなように、NOxのアンモ
ニアによる還元反応は速いので、触媒表面部で大半が反
応してNOxが消失してしまうために、触媒内部はほと
んど利用されない。これに対し、SO2 の酸化反応は遅
いため触媒表面から内部までSO2 の濃度が変わらず、
触媒内部も表面と同等にSO2 の酸化促進に寄与する。
このため従来触媒のように表面から内部までが同一組成
である触媒では、脱硝活性を高めるため活性成分である
V含有量を増大すると、脱硝活性の増大に較べ触媒内部
におけるSO2 酸化活性が著しく増大するという問題を
生じる。これはVが脱硝活性成分であると同時にSO2
酸化活性成分でもあることに加え、触媒内部では図2の
ような濃度分布であることが大きな原因となっている。
この点が従来触媒の限界であり、解決すべき問題でもあ
った。
【0020】これに対し、図1に示した本発明では必要
なVの大半を触媒表面層に集中させたことにより、 (1)NOx濃度の高い表層部で効率よく脱硝反応が進
行するため、触媒全体としての活性が向上する。 (2)SO2 の酸化の大半を担う触媒内部のV含有量を
非常に小さくできるためSO2 酸化活性が低い触媒にな
る。など、従来技術の課題を解消することができる。
【0021】さらに、(3)触媒内部の活性は触媒活性
が低くてもよいため、強度に優れる組成とすることによ
り触媒厚みを小さくし易いだけでなく、薄肉の触媒を調
製することができる。この結果、非常に少ない触媒成分
量で脱硝活性は従来触媒と同等でSO2 酸化活性の小さ
い触媒が実現でき、大量に触媒を用いて高脱硝率を得よ
うとする脱硝装置のSO2 酸化によるSO3 副生を飛躍
的に低下せしめることが可能になる。
【0022】これに加えて、本発明の触媒に必要な触媒
量は前述したように触媒重量で5〜100g/m2 、被
覆層は0.1mm以下であるため、湿式成形の後、成形体
の持つ水分で触媒粉を表面に付着させるなどの従来の触
媒製造法の補助手段程度の設備で達成できることも大き
な特徴である。以下、具体例を用いて本発明を詳細に説
明する。
【0023】
【実施例】
実施例1〜5 酸化チタン粉末20kgにモリブデン酸アンモニウム
((NH4 6 ・Mo7 24・4H2 O)を2.3kg、
無機繊維(商品名カオウール)を3.3kgとに水を加え
てニーダで混練し、水分32%の基材用ペーストを調製
した。
【0024】一方、繊維径9μmのEガラス製繊維14
00本の捻糸を10本/インチの粗さで平織りした網状
物にチタニア40%、シリカゾル20%、ポリビニルア
ルコール1%のスラリを含浸し、150℃で乾燥して剛
性を持たせ触媒基材を得た。本触媒基材2枚の間に上記
基材用ペーストを置き、圧延ローラを通すことにより酸
化チタンと酸化モリブデンとからなる厚み1.2mmの板
状触媒基材を得た。これを12時間大気中で風乾した
後、500℃で2時間焼成した。
【0025】これとは別に、酸化チタン粉末20kgにモ
リブデン酸アンモニウム((NH46 ・Mo7 24
4H2 O)を2.5kg、メタバナジン酸アンモニウム
2.33kg、蓚酸3.0kgとに水を加えてニーダで混練
してペースト状にしたものを3φの柱状に造粒後、流動
層乾燥器で乾燥、500℃で2時間焼成し、続いてハン
マーミルで粉砕して1μm以下、50%以上の触媒粉末
を得た(V含有量:3.56wt%)。得られた粉末1
00gに水を加えてスラリにし、本スラリを刷毛を用い
て上記板状触媒基材表面に触媒成分が1m2 当たり、そ
れぞれ5、10、30、50、100gになるように塗
布した後、150℃で乾燥して触媒を得た。
【0026】本触媒の被覆層の厚みはいずれも0.1mm
以下であり、密度からの計算厚みはそれぞれ約0.0
5、0.01、0.03、0.05、0.1mmに相当す
る。また、触媒中のV含有量はそれぞれ0.016、
0.032、0.097、0.16、0.32wt%で
ある。 比較例1 実施例1〜5における触媒スラリの(刷毛による)塗布
を行わないで、板状触媒基材のみを用いた。 比較例2 実施例1の塗布に使った触媒中のV含有量3.56wt
%の触媒20kgを用い、これに前記無機繊維3kgと水を
加えて混練し、板状触媒基材を得た方法と同様の方法で
網状基材に塗布した触媒を得た。 比較例3〜7 酸化チタン粉末20kgにモリブデン酸アンモニウム
((NH4 6 ・Mo7 24・4H2 O)を2.3kg、
無機繊維(商品名カオウール)を3.3kg、さらにメタ
バナジン酸アンモニウムをそれぞれ39、77、23
4、382、774g添加した後、水を加えてニーダで
混練し、水分32%の基材用ペーストを調製した。本ペ
ーストを実施例1〜5に用いた板状触媒基板の調製法と
同様の方法で板状化した後、500℃で2時間焼成して
触媒を得た。
【0027】この触媒中のV含有量は、それぞれ実施例
1〜5と同じ0.016、0.032、0.097、
0.16、0.32wt%である。 実施例6 実施例2の基材用ペーストおよび刷毛による塗布用スラ
リの製造に使ったモリブデン酸アンモニウムに変えて、
等モルのパラタングステン酸アンモニウム((NH4
10・W1241・5H2 O)を用いたほかは同様に触媒を
得た。 実施例7 実施例2触媒における基材用ペーストに添加したモリブ
デン酸アンモニウムに変え、シリカゾルを同重量用いて
触媒基材を得たほかは、同様の方法で触媒を調製した。
【0028】実施例1〜7の触媒と比較例1〜7の触媒
について、表1の条件で脱硝率、表2の条件でSO2
化率を測定し、結果を表3にまとめて示した。また図3
には単位触媒当たりのV量をパラメータにとり、従来触
媒(比較例3〜7)と本発明の触媒(実施例1〜5)と
の脱硝率ならびにSO2 酸化率を比較して示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】 表3において、比較例1および2と実施例1の比較か
ら、本発明の方法は脱硝性能向上に著しい効果がある
上、使用した触媒成分単独のSO2 酸化率に比し飛躍的
にSO2 酸化率を低減できることが分かる。
【0032】また、V含有量を実施例1〜5と同じくし
た比較例3〜7の触媒と較べた図3のように、同一V含
有量での脱硝率は本発明の触媒が優れていることが分か
る。さらに、本発明の触媒では脱硝率が向上しても、S
2 酸化率はほとんど上昇しないことがわかる。以上に
示したことから、本発明の触媒は高活性と低SO2 酸化
性とを達成するに好適な触媒であることは明白である。 実施例8 実施例1で酸化チタンとモリブデン酸アンモニウムのペ
ーストから得た板状触媒基材を、成形直後の触媒がいま
だ乾燥しないうちに、塗布用スラリの調製に用いたVを
含有する触媒成分粉末を空気流で流動化させた中に入
れ、成形体が含む水分をバインダにして触媒粉末を付着
させた。その表面をローラで押さえて平坦にした後、乾
燥し、続いて500℃で2時間焼成して触媒を得た。そ
のときの触媒粉末の付着量は約30g/m2 であった。 実施例9 実施例1で用いたV含有触媒の粉末に同重量の水を加え
て高粘度のスラリを得た。このスラリを一旦ゴムローラ
に薄く添着した後、そのゴムローラを実施例8に用いた
板状触媒基材表面上で回転させ、基材表面に薄い触媒成
分層を形成した。その後、乾燥し、さらに500℃で2
時間焼成して触媒を得た。
【0033】このときの触媒添着量は約10g/m2
あった。実施例8および9で得られた触媒の脱硝率とS
2 酸化率とを前記表1および表2の条件で測定し、同
一触媒添着量である実施例3および2と比較して表4に
示した。
【0034】
【表4】 表4から明らかなように、実施例8または9の方法にお
いても同様に脱硝率が高く、SO2 酸化活性の低い触媒
が得られることがわかる。上記実施例では触媒内部が酸
化チタンと酸化モリブデン、または酸化チタンと酸化タ
ングステンの例を示したが、酸化チタン、酸化モリブデ
ン、酸化タングステンの3成分でも同様の効果が得られ
た。また、上記実施例では、触媒基材として無機繊維製
基材を用いたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、ステンレス製エクスパンドメタルなどの多孔板を用
いることもできる。また、触媒表層部の触媒組成とし
て、酸化チタン、酸化モリブデン、または酸化タングス
テンおよび酸化バナジウムよりなる3成分系を示した
が、上記4つの成分が共存する4成分系についても同様
の効果が得られる。また、表層部が酸化チタンと酸化バ
ナジウムの2成分であっても活性の点では問題ないが、
汚れた排ガスで使用するには問題がある。
【0035】
【発明の効果】本発明により非常に少ない触媒成分の使
用量で活性が高く、実用上好ましくないSO2 酸化率が
きわめて低い触媒が実現できる。これにより、従来触媒
では使用量を増して脱硝率を高めようとするとSO2
化率も高くなるため、実施できなかったSO2 含有排ガ
スでの高脱硝率運転が可能になり、環境保全にも大きく
貢献することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒の概要を示す図。
【図2】従来触媒の問題点を明らかにするための触媒内
部におけるNOxとSO2 の濃度分布を示す図。
【図3】本発明の触媒と従来触媒の性能を比較した図。
【符号の説明】
1…高V濃度層、2…低V濃度層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 37/04 102 B01D 53/36 102C 102H

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン、酸化モリブデンおよび/ま
    たは酸化タングステン、ならびに酸化バナジウムを活性
    成分とする窒素酸化物除去用触媒において、該触媒が成
    形体触媒であり、該触媒成形体の表面部のバナジウム含
    有量が内部のそれより高いことを特徴とする排ガス中の
    窒素酸化物除去用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の触媒において、表面部の
    高バナジウム含有量層がコーティングにより形成された
    酸化チタン、酸化モリブデンおよび/または酸化タング
    ステン、ならびに酸化バナジウムとからなる触媒成分層
    であることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触
    媒。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の触媒において、
    触媒表面の高バナジウム含有触媒層が厚み0.1mm以下
    で、かつ単位面積当たりのコーティング量が100g/
    2 以下であることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物
    除去用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載の触媒
    において、触媒内部および触媒表面の総バナジウム含有
    率が0.5wt%以下であることを特徴とする排ガス中
    の窒素酸化物除去用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか記載の触媒
    において、触媒内部が酸化チタンと酸化モリブデン、酸
    化チタンと酸化タングステン、または酸化チタンと酸化
    モリブデンと酸化タングステンであることを特徴とする
    排ガス中の窒素酸化物除去用触媒。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか記載の触媒
    において、触媒基材である網状無機繊維物間および網目
    間に酸化チタンと酸化モリブデン、または酸化チタンと
    酸化タングステン、酸化チタンと酸化モリブデンと酸化
    タングステンを主成分とする酸化物が埋められた状態の
    板状成形体表面に高バナジウム含有成分層が形成された
    ことを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒。
  7. 【請求項7】 酸化チタン、酸化モリブデンまたは酸化
    タングステン、および酸化バナジウムとを活性成分とす
    る窒素酸化物除去用触媒の製造方法において、酸化チタ
    ンと酸化モリブデン、酸化チタンと酸化タングステン、
    または酸化チタンと酸化ケイ素を主成分とする触媒基材
    成形体を形成し、これを乾燥、焼成したのち、この表面
    に高バナジウム含有触媒成分のスラリを塗布することを
    特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 酸化チタン、酸化モリブデンまたは酸化
    タングステン、および酸化バナジウムを活性成分とする
    窒素酸化物除去用触媒の製造方法において、酸化チタン
    と酸化モリブデン、酸化チタンと酸化タングステン、ま
    たは酸化チタンと酸化ケイ素を主成分とする湿式触媒基
    材成形体を形成し、この湿式成形体に高バナジウム含有
    触媒成分を担持させたのち、乾燥、焼成することを特徴
    とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の触媒の製造方法におい
    て、スラリの担持手段が、スラリを一旦弾性を有するロ
    ーラに付着させた後、ローラを前記湿式成形体表面と接
    触させて、該成形体表面にスラリを転着することを特徴
    とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の触媒の製造方法におい
    て、湿式成形体への高バナジウム含有触媒成分の担持方
    法が、上記湿式成形体と高バナジウム含有触媒成分粉末
    とを接触させることにより行われ、これにより該湿式成
    形体表面に高バナジウム含有成分層が形成されることを
    特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去用触媒の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 窒素酸化物とともに亜硫酸ガスを含有
    する排ガス中の窒素酸化物除去方法において、前記排ガ
    スをアンモニアの存在下、請求項1ないし6のいずれか
    記載の触媒と接触させて、前記窒素酸化物をアンモニア
    により還元することを特徴とする排ガス中の窒素酸化物
    除去方法。
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