JP2005021780A - 排ガス処理触媒の製造方法 - Google Patents

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Kentaro Adachi
健太郎 足立
Morio Fukuda
盛男 福田
Kanji Yanase
寛司 梁瀬
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Abstract

【課題】人体に有害な五酸化バナジウムを含有する排ガス処理触媒の高い触媒活性を低下させることなく、活性成分である五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制して触媒を製造する方法の提供。
【解決手段】(1)バナジウム化合物、(2)二酸化チタンおよび(3)Alとして0.5〜15重量%(触媒基準)範囲のアルミナ水和物、とを混合し、成形、乾燥、焼成することを特徴とする排ガス処理触媒の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス中に含まれる窒素酸化物や塩素化有機化合物などを分解除去する排ガス処理触媒の製造方法に関し、さらに詳しくは、使用中もしくは使用して活性劣化した五酸化バナジウムを含有する使用済み触媒を加熱再生処理する際などに、人体に有害(粘膜を刺激する作用があり、鼻カタル、気管支炎などの症状がでる)な五酸化バナジウムの飛散が抑制されると共に、高い触媒活性を有する排ガス処理触媒を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガス焚きタービンなどの火力発電所、製鉄所などをはじめ各種工場の燃焼炉や都市ゴミ、産業廃棄物などを処理する焼却炉、さらに自動車などから排出される燃焼排ガス中の窒素酸化物や有機ハロゲン化合物を分解する排ガス処理触媒には、五酸化バナジウムを含有する触媒は高い触媒活性を示すことから五酸化バナジウムが活性成分として使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1の実施例1NO.21には、酸化チタン1重量部に対し0.08重量部のアルミナを含有するAl・TiO担体にVを8wt%担持した「窒素酸化物と一酸化炭素の同時処理用触媒」が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、本質的に10〜50重量%のアルミナと50〜90重量%のチタニアとからなる混合担体に、1〜10重量%のバナジウム、0.1〜5重量%のニッケル、0.1〜5重量%のモリブデン及び1〜15重量%のタングステンを含むダイオキシン除去用触媒が開示されている。
前述の担体の製造ではアルミナ源としてγ−アルミナなどの酸化アルミナが使用されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−250947号公報
【特許文献2】
特開2002−248352号公報
【0006】
前述の排ガス処理触媒の活性成分として使用される人体に有害な五酸化バナジウムは、融点が680℃であり、150〜600℃までの温度範囲においては、通常昇華はあり得ない。しかしながら、反応排ガス中に水蒸気を多量に含む場合には680℃以下の温度であっても一部の五酸化バナジウムが触媒から分離、飛散して系外に放出されることがある。飛散量は反応温度が高い程多いが、250℃などの低温領域においても反応時間が長期間に亘れば時間とともに増える傾向にある。
また、人体に有害な五酸化バナジウムを含有する使用済み排ガス処理触媒を乾式で熱処理を行って再生処理する場合に、触媒中の一部の五酸化バナジウムが触媒から分離、飛散して系外に放出される問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、人体に有害な五酸化バナジウムを含有する排ガス処理触媒の高い触媒活性を低下させることなく、活性成分である五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制して触媒を製造する方法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討を重ねた結果、バナジウムはアルミナと親和性が強いこと、しかしアルミナの形で用いるとバナジウム化合物の脱硝活性を低下させることおよびアルミナ水和物の形で用いればバナジウム化合物の脱硝活性を低下させることが少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の第1は、(1)バナジウム化合物、(2)二酸化チタンおよび(3)Alとして0.5〜15重量%(触媒基準)範囲のアルミナ水和物、とを混合し、成形、乾燥、焼成することを特徴とする排ガス処理触媒の製造方法に関する。
本発明の第2は、前記排ガス処理触媒が、さらに(4)タングステンをWOとして3.5〜9.0重量%(触媒基準)範囲で含有するものである請求項1の排ガス処理触媒の製造方法に関する。
本発明の第3は、前記排ガス処理触媒が、さらに(5)珪素をSiOとして0.1〜3.0重量%(触媒基準)範囲で含有するものである請求項1または2記載の排ガス処理触媒の製造方法に関する。
本発明の第4は、前記排ガス処理触媒が、窒素酸化物分解除去触媒である請求項1〜3いずれか記載の排ガス処理触媒の製造方法に関する。
本発明の第5は、前記排ガス処理触媒が、塩素化有機化合物分解除去触媒である請求項1〜3いずれか記載の排ガス処理触媒の製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
本発明でのバナジウム化合物としては、例えば五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモン、メタバナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウム、硫酸バナジル、蓚酸バナジル、酢酸バナジルなどの化合物が例示される。これらの化合物は、水に溶解した水溶液の状態で使用することが好ましい。なお、バナジウム化合物の量は、通常の排ガス処理触媒の五酸化バナジウム(V)含有量の範囲が採用され、具体的には、触媒基準で0.5〜20重量%の範囲が好適である。
【0012】
また、本発明では、二酸化チタンおよびアルミナ水和物が原料として使用される。二酸化チタンとしては、通常、脱硝触媒の製造原料に使用される二酸化チタンを使用する。特に、アナターゼ型の結晶構造を有する二酸化チタンは好適である。また、本発明での二酸化チタンは他の無機酸化物を含有することができる。
二酸化チタン以外に、例えば、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、スズ(Sn)、バリウム(Ba)、セリウム(Ce)などのチタン以外の元素よりなる無機酸化物が挙げられる。特に、二酸化チタンと酸化タングステン(TiO−WO)、二酸化チタンとシリカ(TiO−SiO)のいわゆる二元系複合酸化物、また二酸化チタンと酸化タングステンおよびシリカ(TiO−WO−SiO)の三元系複合酸化物は、TiOにSiO、WOが高分散した構造を有し、加熱焼成による結晶化の進行やルチル型TiOへの転移を抑制する性質を有するので好適である。二酸化チタン以外の無機酸化物の含有量は、二酸化チタンの量よりも少ないことが好ましい。チタン以外の無機酸化物の含有量が二酸化チタンの量よりも多くなると所望の活性を有する排ガス処理触媒が得られないことがある。
【0013】
前述の二酸化チタンと酸化タングステン(TiO−WO)の二元系複合酸化物では、タングステンの含有量が、触媒基準でWOとして3.5〜9.0重量%範囲となるようにすることが好ましい。排ガス処理触媒が窒素酸化物分解除去触媒または塩素化有機化合物分解除去触媒である場合には、酸化タングステン(WO)含有量が触媒基準で3.5重量%より少ないと排ガス処理性能が低下することがあり、また酸化タングステン(WO)含有量が9.0重量%より多いと活性成分である五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制する効果が低下することがある。前述の二酸化チタンと酸化タングステン(TiO−WO)の二元系複合酸化物でのタングステンの含有量は、更に好ましくは、触媒基準でWOとして4.5〜9.0重量%範囲となるようにすることが望ましい。
【0014】
また、前述の二酸化チタンとシリカ(TiO−SiO)の二元系複合酸化物では、珪素の含有量が、触媒基準でSiOとして0.1〜3.0重量%範囲となるようにすることが好ましい。排ガス処理触媒中の二酸化珪素含有量が3.0重量%より多くなると、混合物を成形する場合に成形性が悪くなることがあり、また、二酸化珪素含有量が0.1重量%より少ない場合には活性成分である五酸化バナジウムの分離、飛散の抑制効果が低下することがある。
【0015】
更に、前述の二酸化チタンと酸化タングステンおよびシリカ(TiO−WO−SiO)の三元系複合酸化物では、タングステンの含有量が触媒基準でWOとして3.5〜9.0重量%範囲となるように、また、珪素の含有量が触媒基準でSiOとして0.1〜3.0重量%範囲となるようにすることが好ましい。
【0016】
本発明でのアルミナ水和物は、焼成により活性アルミナに相転移するアルミナ水和物である。具体的には、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル、無定形アルミナゲルなどが挙げられる。特にジプサイトは好適である。
本発明では、前記アルミナ水和物を触媒基準でAlとして0.5〜15重量%範囲となるように、前記バナジウム化合物および前記二酸化チタンと混合し、成形する。アルミナ水和物の量が、触媒基準でAlとして0.5重量%より少ない場合には、五酸化バナジウムが触媒から分離、飛散するのを抑制する効果が得られない。また、アルミナ水和物の量が、触媒基準でAlとして15重量%より多い場合には、窒素酸化物分解除去能や塩素化有機化合物分解除去能などの触媒活性が低下する。アルミナ水和物の量は、好ましくは、触媒基準でAlとして1〜10重量%範囲にあることが望ましい。
【0017】
前述の(1)バナジウム化合物、前述の(2)二酸化チタンおよび前述の(3)アルミナ水和物、とを混合し、成形する方法としては、通常の窒素酸化物分解除去触媒や塩素化有機化合物分解除去触媒などの排ガス処理触媒の製造における混合、成形方法が採用可能である。例えば、二酸化チタン粉末とアルミナ水和物とをニーダに所定の量を入れ、更に、所定量のバナジウム化合物の水溶液を加えて混合し、必要に応じて粘土などを加えて混練、捏和して押出成形に適した捏和物を調製し、所望の形状に押出成形する方法が挙げられる。
押出成形された成形物は、通常の方法で乾燥、焼成される。例えば、該成形物を50〜200℃で1〜50時間乾燥し、次いで400〜800℃で0.5〜10時間焼成して排ガス処理触媒を得る。
【0018】
本発明の方法で得られる排ガス処理触媒は、バナジウム化合物とアルミナ水和物とを混合して乾燥、焼成するとき、アルミナ水和物が結晶水を失って活性アルミナに相転移する際に五酸化バナジウムとの相互作用により適度に結合することで、本来の窒素酸化物分解除去能や塩素化有機化合物分解除去能などの触媒活性を失うことなく、触媒から五酸化バナジウムが分離、飛散しにくくなるものと思われる。しかし、アルミナ水和物の代わりに活性アルミナを使用した場合は、五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制する効果はあるが、排ガス処理性能が低下するので好ましくない。さらに触媒中に二酸化珪素および酸化タングステンを所定量含有させることで、本来の窒素酸化物分解除去能や塩素化有機化合物分解除去能などの触媒活性を失うことなく、触媒からの五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制する効果がさらに増すものと思われる。
【0019】
本発明の方法で得られる排ガス処理触媒は、触媒基準で二酸化チタン(TiO)含有量が好ましくは60重量%以上、更に好ましくは65重量%以上となるように調製することが望ましい。二酸化チタン含有量が60重量%未満では窒素酸化物分解除去能や塩素化有機化合物分解除去能などの触媒活性が低下することがある。
【0020】
本発明の方法で得られる排ガス処理触媒は、通常の排ガス処理条件で使用可能であり、重油や石炭焚きボイラ、火力発電所、製鉄所などをはじめ各種工場の燃焼炉や都市ゴミ、産業廃棄物などを処理する焼却炉、さらに自動車などから排出される燃焼排ガス中の窒素酸化物分解除去や塩素化有機化合物分解除去、アンモニア分解除去などに適用される。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0022】
参考例1<二酸化チタン原料(a)の調製>
硫酸法による酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸スラリーを得た。このメタチタン酸スラリーを酸化チタンとして25.0kgに相当する量だけ取り出し、還流器付攪拌槽に仕込み、これに15重量%アンモニア水30.5kgを加えてpHを9.5に調整し、次いで95℃で1時間に亘り十分な攪拌を行いつつ加熱熟成した。その後、冷却して該スラリ−を取り出し、濾過、脱水、洗浄して、SOが3.0重量%(Dry Basis)、NaOが0.03重量%(Dry Basis)の洗浄ケ−キを得た。該洗浄ケーキを110℃で20時間乾燥した後、これを550℃で5時間焼成して酸化チタンからなる二酸化チタン原料(a)を調製した。
【0023】
参考例2<二酸化チタン原料(b)の調製>
硫酸法による酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸スラリーを得た。このメタチタン酸スラリーを酸化チタンとして22.5kgに相当する量だけ取り出し、還流器付攪拌槽に仕込み、これにパラタングステン酸アンモニウム2.82kgを添加混合した後、15重量%アンモニア水30.5kgを加えてpHを9.5に調整し、その後95℃で1時間に亘り十分な攪拌を行いつつ加熱熟成した。その後、冷却して該スラリ−を取り出し、濾過、脱水、洗浄して、SOが3.0重量%(Dry Basis)、NaOが0.03重量%(Dry Basis)の洗浄ケ−キを得た。該洗浄ケーキを110℃で20時間乾燥した後、これを550℃で5時間焼成して酸化チタンと酸化タングステンとの複合酸化物(重量比でTiO/WO=90/10)からなる二酸化チタン原料(b)を調製した。
【0024】
参考例3<二酸化チタン原料(c)の調製>
硫酸法による酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸スラリーを得た。このメタチタン酸スラリーを酸化チタンとして21.25kgに相当する量だけ取り出し、還流器付攪拌槽に仕込み、これにシリカゾル〔SiO濃度20wt%、商品名“カタロイドS−20L”触媒化成工業(株)製〕6.25kgを添加混合した後、15重量%アンモニア水30.5kgを加えてpHを9.5に調整し、その後95℃で1時間に亘り十分な攪拌を行いつつ加熱熟成した。次いで、パラタングステン酸アンモニウム2.82kgを添加し、更に、95℃で1時間加熱熟成を行った。その後、冷却して該スラリ−を取り出し、濾過、脱水、洗浄して、SOが3.0重量%(Dry Basis)、NaOが0.03重量%(Dry Basis)の洗浄ケ−キを得た。該洗浄ケーキを110℃で20時間乾燥した後、これを550℃で5時間焼成して酸化チタンとシリカと酸化タングステンとの複合酸化物(重量比でTiO/SiO/WO=85/5/10)からなる二酸化チタン原料(c)を調製した。
【0025】
比較例1<触媒の調製(a―1)>(アルミナが無いケース)
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を、参考例1の二酸化チタン原料(a)21.5kgに加え、次いでアンモニア水を加え、この混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加し、さらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/V/GF/酸性白土が86/4/5/5の組成をもつ触媒(a―1)を調製した。触媒(a―1)の性状を表1に示す。
【0026】
実施例1<触媒の調製(a―2)>
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を、参考例1の二酸化チタン原料(a)21.4kgとジプサイト形アルミナ水和物0.19kgに加え、次いでアンモニア水を加え、この混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加し、さらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/Al/V/GF/酸性白土が85.5/0.5/4/5/5の組成をもつ触媒(a―2)を調製した。触媒(a―2)の性状を表1に示す。
【0027】
実施例2<触媒の調製(a―3)>
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を、参考例1の二酸化チタン原料(a)20.25kgとジプサイト形アルミナ水和物1.92kgに加え、次いでアンモニア水を加え、この混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加し、さらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/Al/V/GF/酸性白土が81/5/4/5/5の組成をもつ触媒(a―3)を調製した。触媒(a―3)の性状を表1に示す。
【0028】
実施例3<触媒の調製(a―4)>
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を、参考例1の二酸化チタン原料(a)19.00kgとジプサイト形アルミナ水和物3.84kgに加え、次いでアンモニア水を加え、この混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加し、さらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/Al/V/GF/酸性白土が76/10/4/5/5の組成をもつ触媒(a―4)を調製した。触媒(a―4)の性状を表1に示す。
【0029】
比較例2<触媒の調製(a―5)>(アルミナ量が多すぎるケース)
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を、参考例1の二酸化チタン原料(a)16.50kgと、ジプサイト形アルミナ水和物7.67kgに加え、次いでアンモニア水を加え、この混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加し、さらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/Al/V/GF/酸性白土が66/20/4/5/5の組成をもつ触媒(a―5)を調製した。触媒(a―5)の性状を表1に示す。
【0030】
比較例3<触媒の調製(a―6)>(アルミナ源としてアルミナ水和物を使用しないケース)
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を参考例1の二酸化チタン原料(a)20.25kgと活性アルミナ(Al)1.25kgに、加え、次いでアンモニア水を加えこの混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加し、さらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/Al/V/GF/酸性白土が81/5/4/5/5の組成をもつ触媒(a―6)を調製した。触媒(a―6)の性状を表1に示す。
【0031】
実施例4<触媒の調製(b―1)>
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を参考例2の二酸化チタン原料(b)20.25kgとジプサイト形アルミナ水和物1.92kgに加え、次いでアンモニア水を加えこの混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加しさらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/WO/Al/V/GF/酸性白土が72.9/8.1/5/4/5/5の組成をもつ触媒(b―1)を調製した。触媒(b―1)の性状を表1に示す。
【0032】
実施例5<触媒の調製(bc―1)>
メタバナジン酸アンモニウム1.28kgをモノエタノールアミン0.64kgで溶解した溶液を参考例1の二酸化チタン原料(b)12.75kgと参考例2の二酸化チタン原料(c)7.50kgおよびジプサイト形アルミナ水和物1.92kgに加え、次いでアンモニア水を加えこの混合スラリーのpHを9とし、さらに水を加えて水分38%とし、ニーダにて25分加熱混練捏和した。その後グラスファイバー(GF)1.25kg、酸性白土1.25kg、ポリエチレンオキサイド0.5kgを添加しさらに30分混練捏和して捏和物を調製した。次いで該捏和物を真空押し出し成形機で、外径79mm□、目開き4.28mm、隔壁厚0.88mm、長さ400mmのハニカム状に押出し成形し、成形物を60℃で48時間乾燥後、530℃で3時間焼成して、重量比でTiO/WO/SiO/Al/V/GF/酸性白土が71.4/8.1/1.5/5/4/5/5の組成をもつ触媒(bc―1)を調製した。触媒(bc―1)の性状を表1に示す。
【0033】
応用例1
実施例1〜5の触媒(a−2)、(a−3)、(a−4)、(b−1)(bc−1)および比較例1〜3の触媒(a−1)、(a−5)、(a−6)をそれぞれ使用して、窒素酸化物除去能試験および五酸化バナジウム分離、飛散試験を行った。
<窒素酸化物分解除去能試験>
各ハニカム触媒から300mmの長さで5×5目に切り出した試験試料を流通式反応器に充填し、下記条件で脱硝率を測定した。脱硝率は触媒接触前後のガス中の窒素酸化物(NOx)の濃度をケミルミ式窒素酸化物分析計にて測定し次式により求めた。
脱硝率(%)=〔{未接触ガス中のNOx(ppm)−接触後のガス中のNOx(ppm)}/未接触ガス中のNOx(ppm)〕×100
Figure 2005021780
反応結果を表1に示す。
【0034】
<五酸化バナジウム分離、飛散試験>
各ハニカム触媒から250mmの長さで4×5目に切り出した試験試料を流通式反応器に充填し、下記条件で五酸化バナジウムの分離、飛散量を測定した。五酸化バナジウムの分離、飛散量測定法は、試験終了後、流通式反応器の内壁および流通式反応器出口に充填したガラスウールに付着した五酸化バナジウムを1規定のシュウ酸で洗い流し容量500mLとした。これをバナジウムとしてICPにて定量し五酸化バナジウムとして換算して分離、飛散量とした。
Figure 2005021780
反応結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 2005021780
【0036】
比較例1の触媒(a−1)は五酸化バナジウムの分離、飛散量が極めて多いのに対し、アルミナ水和物をAlとして0.5〜10重量%含有する実施例の触媒は五酸化バナジウムの分離、飛散量が少なくなるが、窒素酸化物除去(脱硝)性能に関しては、実用に支障が出る程の低下は生じなかった。しかしながら、アルミナ水和物をAlとして20重量%含有する比較例2の触媒(a−5)は五酸化バナジウムの分離、飛散量が殆どなくなるが、脱硝性能に関しては極端に性能低下した。なお、工業的に使用される触媒の脱硝性能は、前記試験条件での脱硝率が75%以上であることが望ましい。
【0037】
触媒製造時にアルミナ水和物を使用せず活性アルミナ(Al)を5重量%使用した比較例3の触媒(a−6)は五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制する効果は(a−3)と同等であるが、脱硝性能が極端に低下した。
【0038】
二酸化チタン原料(b)を用いた実施例4の触媒(b−1)は、WOを8.1重量%含有しているため、アルミナ水和物をAlとして5重量%含有する実施例2の触媒(a−3)に比べ、脱硝性能がさらに高かった。
また、二酸化チタン原料(c)を30重量%添加した実施例5の触媒(bc−1)は、触媒中の二酸化珪素含量が1.5重量%と適度であるため、比較例1の触媒(a−1)に比べ、五酸化バナジウムの分離、飛散量が約7割程度減少し、また高い脱硝性能を維持しているのが判る。
【0039】
【発明の効果】
本発明の触媒は、窒素酸化物分解除去能や塩素化有機化合物分解除去能などの高い触媒活性を維持しつつも、触媒中の五酸化バナジウムの分離、飛散を抑制する効果を有するので、人体に有害な五酸化バナジウムによる大気汚染が防止される。

Claims (5)

  1. (1)バナジウム化合物、(2)二酸化チタンおよび(3)Alとして0.5〜15重量%(触媒基準)範囲のアルミナ水和物、とを混合し、成形、乾燥、焼成することを特徴とする排ガス処理触媒の製造方法。
  2. 前記排ガス処理触媒が、さらに(4)タングステンをWOとして3.5〜9.0重量%(触媒基準)範囲で含有するものである請求項1の排ガス処理触媒の製造方法。
  3. 前記排ガス処理触媒が、さらに(5)珪素をSiOとして0.1〜3.0重量%(触媒基準)範囲で含有するものである請求項1または2記載の排ガス処理触媒の製造方法。
  4. 前記排ガス処理触媒が、窒素酸化物分解除去触媒である請求項1〜3いずれか記載の排ガス処理触媒の製造方法。
  5. 前記排ガス処理触媒が、塩素化有機化合物分解除去触媒である請求項1〜3いずれか記載の排ガス処理触媒の製造方法。
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