JPH09215915A - 撹拌装置及び該装置を用いるポリマーの製造方法 - Google Patents

撹拌装置及び該装置を用いるポリマーの製造方法

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JPH09215915A
JPH09215915A JP31774896A JP31774896A JPH09215915A JP H09215915 A JPH09215915 A JP H09215915A JP 31774896 A JP31774896 A JP 31774896A JP 31774896 A JP31774896 A JP 31774896A JP H09215915 A JPH09215915 A JP H09215915A
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stirring
container
stirring shaft
rotor
degrees
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JP31774896A
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Michiaki Nogata
倫彰 野方
Masashi Shimonari
正志 下成
Toru Sawaki
透 佐脇
Takeshi Muraoka
剛 村岡
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、装置内の液の流れの不均一化が防
止され、気液界面の発生による劣化物の生成を防止し、
十分なセルフクリーニング性が改善された撹拌装置を提
供することを目的とする。 【解決手段】 実質的に水平に設置した筒体状の容器内
に平行をなして配設されて同期して同方向に回転駆動さ
れる2本の撹拌軸を併設し、各撹拌軸に固定されて撹拌
作用をなす複数の撹拌ロータを具えた撹拌装置におい
て、該容器への液供給口を、該容器を外側から見た場合
に、撹拌軸の回転が反時計回りのとき(時計回りのと
き)は、左側(右側)の撹拌軸の中心から垂直上方を起
点とし、撹拌軸の回転方向を正として、−45度から+
90度までの範囲に対応する該容器の鏡板又は円筒上に
設置したことを特徴とする撹拌装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な撹拌装置に
関するものである。さらに詳しくは、セルフクリーニン
グ機能を有する撹拌装置に関するものである。また、本
発明は、この装置を使用し、飽和及び不飽和のポリエス
テル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等
の高粘度重縮合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、合成ポリマーの製造装置とし
て、混合性能、伝熱性能が高く、さらに、ポリマーの滞
留を積極的に防止する機能、すなわち、セルフクリーニ
ング機能を持った撹拌装置が望まれることが多い。
【0003】特に、光学用途で用いられることが多いポ
リマーを製造するには、品質上、撹拌装置におけるセル
フクリーニング機構が極めて重要である。このため、従
来から、特に付着性の強い粘ちょうな物質を処理するた
めのものとして、セルフクリーニング機構を持つ撹拌装
置が提案されている。
【0004】かかるセルフクリーニング機構を持つ撹拌
装置としては、容器内に2軸以上の撹拌軸を設け、それ
らに撹拌ロータを取り付け、撹拌ロータ相互間及び撹拌
ロータと容器内壁との隙間を僅かに保ち、機械的に容器
内壁への付着物の生成を可能な限り防止しようとする装
置が挙げられる(特開昭63−232828号公報)。
【0005】かかる装置は、容器内に配設されて同期し
て回転駆動される複数の撹拌軸と、前記各撹拌軸に固定
されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータとを具えてなる
撹拌装置であって、前記撹拌ロータを軸方向に間隔を空
けて取り付けるとともに、前記撹拌ロータの先端部に前
記間隔にほぼ相当する長さを有するスクレーパを前記撹
拌軸と平行に取り付けたものである。
【0006】この装置では、撹拌作用と同時にセルフク
リーニング作用が行われる。すなわち、各撹拌ロータの
尖端稜線部が容器内壁に近接して移動すること、一方の
撹拌軸の撹拌ロータと他方の撹拌軸の撹拌ロータの曲面
状周面は相互にそれらの尖端が近接して移動すること、
撹拌ロータ平面状側面とそれらに対向する撹拌ロータの
平面状側面が近接して相対移動すること、等によってセ
ルフクリーニングされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなセ
ルフクリーニング機能を有する従来の装置においては、
通常、容器の底部に液供給口が設けられ、供給口付近で
被処理液の流れが不安定となる欠点があった。そのため
液供給口の近傍の撹拌ロータを供給液で均一に濡らすこ
とが困難であり、撹拌ロータの表面に気液の界面が生
じ、界面付近で劣化物が生成するという問題点があっ
た。
【0008】特に、ポリマーの高粘度流体を撹拌混和す
る場合においては、この傾向が顕著であり、供給口近傍
では気相と液相との境界が生じ、その界面付近ではポリ
マーが劣化しやすく、セルフクリーニング性が不十分な
場合は、製品品質の維持のため装置の洗浄間隔を短くせ
ざるを得ず、運転コストを増大せしめる大きな要因とな
っていた。
【0009】本発明は、このような従来の撹拌装置にお
ける問題点を解決することを目的とするものであり、セ
ルフクリーニング性を改善し、直線状の飽和及び不飽和
のポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカー
ボネート等の重縮合体を製造することのできる装置、及
び該装置を用い低運転コストで連続的に高品質のポリマ
ーを製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的に水平
に設置した筒体状の容器内に平行をなして配設されて同
期して同方向に回転駆動される2本の撹拌軸を併設し、
各撹拌軸に固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータ
を具えた撹拌装置において、該容器への液供給口を、該
容器を外側から見た場合に、撹拌軸の回転が反時計回り
のときは左側の撹拌軸の中心から垂直上方を起点とし、
撹拌軸の回転方向を正として、−45度から+90度ま
での範囲に対応する該容器の鏡板又は円筒上に設置し、
撹拌軸の回転が時計回りのときは右側の撹拌軸の中心か
ら垂直上方を起点とし、撹拌軸の回転方向を正として、
−45度から+90度までの範囲に対応する該容器の鏡
板又は円筒上に設置することを特徴とする撹拌装置であ
る。
【0011】また、本発明は、予め重縮合せしめた重縮
合体を本発明の装置によって、さらに重合せしめること
を特徴とするポリマーの製造方法である。そして、本発
明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを
溶融重合せしめて得られたポリカーボネートを本発明の
撹拌装置に供給し、該装置にて減圧下で溶融撹拌するこ
とにより、さらに重合せしめることを特徴とするポリカ
ーボネートの製造方法を包含する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の撹拌装置の具体例
を図面に従って詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の撹拌装置の一例を示す水
平断面図、図2は図1のA−A’垂直断面図である。図
3は、図1及び図2の装置を撹拌軸方向から見た断面の
模式図である。
【0014】(容器)本発明の撹拌装置において、容器
1は実質的に水平に設置され、該容器1の内壁は撹拌軸
2及び撹拌軸3をそれぞれ中心とする2個の円筒壁を繋
げたような形の繭型断面を有している。なお、容器1の
断面形状は繭型が好適であるが、これに限定されるもの
ではない。
【0015】(撹拌軸)容器1内には、該容器の長手方
向へほぼ水平に伸びた2本の撹拌軸2、3が設けられて
おり、これら2本の撹拌軸2、3は互いに平行に軸受け
で支持され、各々の撹拌軸2、3は図示しない駆動源に
よって、図中矢印のように同一回転方向に同一回転速度
で互いに同期して回転駆動されるようになっている。
【0016】(撹拌ロータ)各撹拌軸2、3には、それ
ぞれ複数の撹拌ロータが、撹拌軸と直交する面内に沿っ
て所定間隔を隔てて固定されている。各撹拌ロータは、
図3〜7に示すごとく、中央部が膨らみ両端が尖った紡
錘形断面を持つ厚肉板状に形成されているが、その形状
は適宜選択できる。また、各撹拌軸に固定する撹拌ロー
タの数も適宜選択できるが、各撹拌軸の全体にわたって
ほぼ均等に撹拌ロータを配置するのが適当である。図4
で示すようにロータの直径をDとすると、ロータの曲率
半径はD/√2であることが好ましい。
【0017】各撹拌軸に固定した撹拌ロータは、それぞ
れ、図1、図2、図11、図12に示すように、その回
転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて、容器1の円筒
内壁あるいは隣接して対応する隣接の撹拌軸に固定した
撹拌ロータに対向し得るようにその寸法が選定されてい
る。
【0018】すなわち、一方の撹拌軸2には所定の間隔
を隔てて複数(図1、図2では19個)の撹拌ロータ4
a、4b、4c、…4sが固定されている。これらの撹
拌ロータは撹拌軸2に対してそれと直交する面内に沿っ
て取り付けられている。また、これらの撹拌ロータはそ
の回転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて前記1の円
筒壁あるいは他方の撹拌軸3に固定された対応する撹拌
ロータ5a、5b、5c、…5sに対向し得るようにそ
の寸法が選定されている。
【0019】一方、撹拌軸3にも、同様に複数(図1、
図2では撹拌軸2の撹拌ロータと同数の19個)の撹拌
ロータ5a、5b、5c、…5sが固定されている。各
撹拌ロータはそれぞれ相対する撹拌軸2の対応する撹拌
ロータに対応してそれと同じ軸方向位置に位置し、各々
対応する撹拌ロータに対して各々位相が90度ずれた形
で撹拌軸3に取り付けられている。
【0020】いずれの撹拌ロータも、その各尖端が、回
転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて容器1の円筒内
壁あるいは各々対応する撹拌ロータに対向し得るように
なっている。さらに、その側面はそれぞれ隣接して対応
する撹拌ロータに対して軸方向に僅かな隙間を隔てて対
向している。そして、撹拌軸2に固定した撹拌ロータと
撹拌軸3に固定した撹拌ロータは、それぞれ相手方の撹
拌ロータに対応してそれと同じ軸方向に位置し、かつ対
応する撹拌ロータに対して各々位相が90度ずれた形で
撹拌軸に取り付けられている。さらに各撹拌ロータの側
面はそれぞれ隣接して対応する撹拌ロータに対して軸方
向に僅かな隙間を隔てて対向している。
【0021】(スクレーパ)図1〜3に示す装置では各
撹拌ロータにはスクレーパを設けていないが、図11〜
13に示す装置のように各撹拌ロータ尖端にスクレーパ
を具えてもよく、その方が好ましい場合も多い。撹拌ロ
ータの尖端部分にスクレーパを設けた場合には、セルフ
クリーニング性をさらに向上させることができる。
【0022】スクレーパは、撹拌ロータの先端部に、撹
拌軸と平行に取り付けることが好ましい。その形状は、
外面が該撹拌ロータの外周面と一致して図13の12で
示す如き擬三角形断面をなしていることが好ましい。ま
た、スクレーパの長さ13は、図12で示すように撹拌
ロータの間隔と同程度にすることが好ましい。
【0023】(液出口)通常、液出口9は容器1の円筒
10の下部に取り付けられることが多い。
【0024】(液供給口)本発明は、液供給口8を容器
1の鏡板6又は円筒10上に開口せしめ、かつ、その位
置を以下のように選定することを特徴とするものであ
る。
【0025】本発明において、容器1への液供給口8
は、図4〜図7に斜線で示す位置に設けられる。図4〜
図7は本発明の撹拌装置を外側から見たときの液供給口
の位置を説明する模式図である。
【0026】本発明の撹拌装置において、被処理溶液
は、鏡板6又は円筒10に設けた図4〜図7に斜線で示
す範囲内に設けた液供給口から、容器1内に導入され、
撹拌軸2、3が回転駆動することで各撹拌ロータの移動
により、十分撹拌された後、液出口9から取り出され
る。
【0027】本発明の撹拌装置は、従来の装置では溶液
の供給口が設けられていない特定の位置に液供給口を設
置したことを最大の特徴とするものである。
【0028】すなわち、該容器を外側から見た場合に、
図4、図5に示すように撹拌軸の回転が反時計回りのと
きは、液供給口8を、左側の撹拌軸2の中心から垂直上
方11を起点とし、撹拌軸の回転方向を正として、−4
5度〜+90度の範囲に対応する該容器の鏡板6(図4
に示す)又は円筒10上(図5に示す)に設置する。
【0029】また、図6、図7に示すように撹拌軸の回
転が時計回りのときは、液供給口8を、右側の撹拌軸の
中心から垂直上方を起点とし、撹拌軸の回転方向を正と
して、−45度〜+90度の範囲に対応する、該容器の
鏡板6(図6に示す)又は円筒10上(図7に示す)に
投影した範囲内に設置したことを最大の特徴とするもの
である。図8、9は、液供給口8を示す装置の垂直断面
図である。
【0030】本発明は、横型撹拌装置においては、図1
0に示す第II象限が最も撹拌装置内部の溶液滞留量が低
下するということを見出したことに基づく。
【0031】すなわち、図10に示すように横型撹拌装
置は一般的に、主に重力と撹拌ロータの回転運動との影
響により、撹拌軸の垂直上方の円筒上の点を起点として
回転方向を正とすると、装置の円筒の撹拌軸の中心を通
る水平面より上方である図10に示す第II象限が最も撹
拌装置内部の溶液滞留量が低下するため、前記範囲に溶
液を供給することで、装置内の滞留量の不均一化を解消
することができることを見出したことに基づくものであ
る。
【0032】従来の装置において、撹拌軸の回転方向が
反時計回りの場合、図10に示すようにx−y座標系を
とると、y≧0の範囲(第I象限、第II象限)とy<0
の範囲(第III象限、第IV象限)とでは、重力の影響に
より、y≧0の方がポリマーの滞留量は少ない。また、
x≧0の範囲(第I象限、第IV象限)とx<0範囲(第
II象限、第III象限)とを比較すると、回転方向が反時
計回りであるために、x<0の範囲(第II象限、第III
象限)がポリマーの滞留量が少ない。
【0033】故に、図10に示す座標系においては、y
≧0かつx<0の範囲(第II象限)のポリマー滞留量が
最も少ないためにセルフクリーニング性を維持できてい
なかった。
【0034】しかし、本発明によれば、すでに図4〜7
で詳述したように、容器の外側から鏡板をみて、軸の回
転が反時計回りのときは容器の鏡板6の左側の撹拌軸の
垂直上方11を起点とし、回転方向を正とすると、−4
5度〜90度の範囲内に、軸の回転が時計回りのときは
容器の鏡板6の右側の撹拌軸の垂直上方11を起点と
し、回転方向を正とすると、−45度〜90度の範囲内
に、液供給口8を設置することによって、これまで濡ら
すことが困難であった液供給口近傍の撹拌ロータを十分
に濡らすことができる。
【0035】そして装置内での液供給口付近の溶液の滞
留の不均一化が解消されるために、装置内に偏りなく液
が充満し、これまで確たる解決方法がなかった液供給口
近傍の撹拌ロータのセルフクリーニング性が改善され、
長時間の運転を続けてもポリマーの劣化、および、ゲル
等の発生が無い高品質のポリマーが製造可能となる。
【0036】この場合の液供給口8の位置は、鏡板6に
近ければ近いほど良く、好ましくは、鏡板6近接の撹拌
ロータに直接被処理溶液を供給できる構造になっている
方がよりセルフクリーニング性が良い。
【0037】(重縮合系ポリマーの製造方法)また、本
発明は、低運転コストで製品品質の維持を図りながら連
続的にポリマーを製造する方法を提供するものである。
【0038】すなわち、本発明は、予め重縮合せしめた
重縮合体を本発明の装置によって、さらに重合せしめる
ことを特徴とするポリマーの製造方法を提供するもので
ある。重縮合体としては、飽和及び不飽和のポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等が
挙げられる。
【0039】本発明は、前記の飽和、不飽和のポリマー
の中で、芳香族ポリカーボネートの溶融重合に適用でき
る。すなわち、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとを溶融重合せしめて得られたポリカー
ボネート、好ましくは固有粘度[η]が0.2〜0.3
5程度のポリカーボネートを、上記の撹拌装置により減
圧下でさらに溶融重合せしめて、より高重合度のポリカ
ーボネートを製造する方法を包含する。
【0040】ここで使用する芳香族ジヒドロキシ化合物
としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−
ブチルフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニールエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドなど
のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシア
リールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類等
が用いられる。特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。
【0041】炭酸ジエステルとしては置換されていても
よい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基等のエ
ステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネー
ト、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カ
ーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカ
ーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート等が挙げ
られる。
【0042】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの溶融重合反応は、従来知られているように不活性
ガス雰囲気下で加熱しながら撹拌して生成する芳香族モ
ノヒドロキシ化合物を溜出させることで行われる。反応
温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期に
は系の減圧度を1〜0.1Torrに高めて生成する芳
香族モノヒドロキシ化合物の溜出を容易にさせて固有粘
度[η]が0.2〜0.35程度のポリカーボネートを
得る。
【0043】なお、ここで、固有粘度[η]は、0.7
g/dlの塩化メチレン溶液でウベローデ粘度計で測定
したものである。
【0044】本発明方法では、このように製造した溶融
粘度数千ポイズ程度のポリカーボネートを、さらに溶融
状態で上記の撹拌装置に供給し、該装置内で撹拌混合を
続けて連続的に重合せしめることによって2万〜3万ポ
イズの溶融粘度まで重合度を上昇させ、光学特性の良好
な[η]が0.3〜0.7程度のポリカーボネートが製
造される。
【0045】この後期重合工程では、反応温度(容器内
の設定温度)は120〜350℃、好ましくは170〜
300℃、圧力は10〜0.1Torr、好ましくは1
〜0.1Torrとし、反応時間(装置内の滞留時間)
は30〜120分程度が好適に採用される。
【0046】
【発明の効果】本発明の装置によれば、液供給口付近の
溶液の滞留の不均一化が防止され、装置内に偏りなく溶
液が充満し、気液界面の発生による劣化物の生成が抑制
され十分なセルフクリーニング性が実現される。
【0047】また、本発明の装置によれば、十分なセル
フクリーニング性が実現される結果、長時間の運転を続
けてもポリマーの劣化、ゲルの発生が無く、高粘度で高
品質のポリマーの製造が可能となり、また装置の洗浄周
期を長くすることが可能となる。
【0048】本発明の装置は、100ポイズ以上の高粘
度の溶液の撹拌混合、ポリマーを製造する場合に有用で
あり、重合の後期段階の使用に適している。
【0049】
【実施例】次に、本発明の撹拌装置を使用し、重縮合系
ポリマーの一種である芳香族ポリカーボネートを製造す
る例を説明する。なお、例中の固有粘度[η]の測定は
前述の通りである。
【0050】[実施例1]ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとを溶融重合せしめ、得られた固有粘度
[η]が0.35のポリカーボネートを、溶融状態に
て、水平に設置した図1〜3に示す繭型断面の撹拌装置
に供給した。図3に示す液供給口8を持つ装置を用い、
減圧下、温度270℃で重合反応を進行させた。
【0051】そして、反応終了後のポリマーを、液出口
9より取り出した。このようにして、最終固有粘度
[η]が0.5であり、かつ、色相の良好なポリカーボ
ネートを約700時間連続的に製造することができた。
【0052】上記実験終了後、該撹拌装置の容器内部を
分解点検したところ、ポリマー劣化物等の汚れは皆無で
あり、良好なセルフクリーニング機能が維持されていた
ことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撹拌装置の具体例の水平断面図。
【図2】図1のA−A’断面摸式図。
【図3】図1及び図2で示す装置を撹拌軸方向から見た
断面の模式図。
【図4】液供給口の位置を示す模式図。
【図5】液供給口の位置を示す模式図。
【図6】液供給口の位置を示す模式図。
【図7】液供給口の位置を示す模式図。
【図8】液供給口の位置を示す模式図。
【図9】液供給口の位置を示す模式図。
【図10】装置断面の液滞留分布の模式図。
【図11】スクレーパを有する本発明の撹拌装置の具体
例の水平断面図。
【図12】図11のA−A’断面摸式図。
【図13】図11及び図12で示す装置を撹拌軸方向か
ら見た断面の模式図。
【符号の説明】
1:容器 2、3:撹拌軸 4a〜4s、5a〜5s:撹拌ロータ 6、7:鏡板 8:液供給口 9:液出口 10:円筒 11:垂直上方 12:スクレーパ 13:スクレーパの長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村岡 剛 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に水平に設置した筒体状の容器内
    に平行をなして配設されて同期して同方向に回転駆動さ
    れる2本の撹拌軸を併設し、各撹拌軸に固定されて撹拌
    作用をなす複数の撹拌ロータを具えた撹拌装置におい
    て、該容器への液供給口を、該容器を外側から見た場合
    に、撹拌軸の回転が反時計回りのときは左側の撹拌軸の
    中心から垂直上方を起点とし、撹拌軸の回転方向を正と
    して、−45度から+90度までの範囲に対応する該容
    器の鏡板又は円筒上に設置し、撹拌軸の回転が時計回り
    のときは右側の撹拌軸の中心から垂直上方を起点とし、
    撹拌軸の回転方向を正として、−45度から+90度ま
    での範囲に対応する該容器の鏡板又は円筒上に設置した
    ことを特徴とする撹拌装置。
  2. 【請求項2】 撹拌ロータが、中央部が膨らみ両端が尖
    った紡錘形断面形形状をなし、直径をDとする場合その
    曲率半径がD/√2である請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 各撹拌ロータが、軸回りに90度ずらし
    て固定され、軸方向に間隔をあけて撹拌軸に取り付けら
    れた請求項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 撹拌ロータの先端部に、外面が該撹拌ロ
    ータの外周面と一致して擬三角形断面をなし、スクレー
    パが撹拌軸と平行に取り付けられた請求項1に記載の装
    置。
  5. 【請求項5】 予め重縮合せしめた重縮合体を、請求項
    1〜4のいずれかに記載の装置によってさらに重合せし
    めることを特徴とするポリマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを溶融重合せしめて得られたポリカーボネート
    を、請求項1〜4のいずれかに記載の撹拌装置に供給
    し、該装置にて減圧下で溶融撹拌することにより、さら
    に重合せしめることを特徴とするポリカーボネートの製
    造方法。
JP31774896A 1995-12-05 1996-11-28 撹拌装置及び該装置を用いるポリマーの製造方法 Pending JPH09215915A (ja)

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