JPH1076149A - 撹拌装置及び該装置を用いるポリマーの製造方法 - Google Patents

撹拌装置及び該装置を用いるポリマーの製造方法

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JPH1076149A
JPH1076149A JP8330688A JP33068896A JPH1076149A JP H1076149 A JPH1076149 A JP H1076149A JP 8330688 A JP8330688 A JP 8330688A JP 33068896 A JP33068896 A JP 33068896A JP H1076149 A JPH1076149 A JP H1076149A
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stirring
rotor
polymer
liquid
liquid outlet
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JP8330688A
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Tomoaki Nogata
倫彰 野方
Masashi Shimonari
正志 下成
Toru Sawaki
透 佐脇
Takeshi Muraoka
剛 村岡
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、液出口付近のポリマーの滞留量の
低下が防止され、セルフクリーニング性が改善された撹
拌装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、実質的に水平に設置した筒体
状の容器内に、平行をなして配設され同期して同方向に
回転駆動される2本の撹拌軸を併設し、各撹拌軸に複数
の撹拌ロータを具えた撹拌装置において、該容器内の液
出口側に送液作用をなすロータを配設したことを特徴と
する撹拌装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な撹拌装置に
関するものである。さらに詳しくは、セルフクリーニン
グ機能を有する液状物の撹拌装置に関するものである。
また、本発明は、この装置を使用し、直線状の飽和及び
不飽和のポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポ
リカーボネート等の高粘度重縮合体を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、合成ポリマーの製造装置とし
て、混合性能、伝熱性能が高く、さらに、ポリマーの滞
留を積極的に防止する機能、すなわち、セルフクリーニ
ング機能を持った撹拌装置が望まれることが多い。
【0003】特に、光学用途で用いられることが多いポ
リマーを製造するには、品質上、撹拌装置におけるセル
フクリーニング機構が極めて重要である。このため、従
来から、特に付着性の強い粘ちょうな物質を処理するた
めのものとして、セルフクリーニング機能を持つ撹拌装
置が提案されている。
【0004】かかるセルフクリーニング機能を持つ撹拌
装置は、容器内に2軸以上の撹拌軸を設け、それらに取
り付けられた撹拌ロータ相互、及び、撹拌ロータと容器
内壁とを僅かな隙間を保ちながら相対移動させることに
より、機械的に容器内壁への付着物の生成を可能な限り
防止しようとする装置であり、具体的な装置としては、
例えば、特開昭63−232828号公報に記載の撹拌
装置が知られている。
【0005】すなわち、同公報には、容器内に配設され
て同期して回転駆動される複数の撹拌軸と、前記各撹拌
軸に固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータ、とを
具えてなる撹拌装置において、前記撹拌ロータを軸方向
に間隔を空けて取り付けるとともに、前記撹拌ロータの
先端部に前記間隔にほぼ相当する長さを有するスクレー
パを前記撹拌軸と平行に取り付けたものが開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この種の装
置においては、滞留時間とセルフクリーニング性とを兼
備させる必要から、自己送液性を有しない撹拌作用のみ
をなす撹拌ロータを備えるのが一般的であり、かつ、通
常、容器の底部に被処理溶液の液出口が設けられている
ため、液出口でポリマーが排出されて、ポリマーの滞留
量が低下するために液出口近傍の撹拌ロータと鏡板に十
分なポリマーが供給されずセルフクリーニング性の低下
を招いていた。
【0007】特に、高粘度ポリマーを撹拌混和する場合
においては、この傾向が顕著であり、本体が優れたセル
フクリーニング性を有する場合でも、液出口近傍では気
相と液相との境界が生じ、その界面ではポリマーが劣化
しやすく、セルフクリーニング性が不十分な場合は、製
品品質の維持のために、装置の洗浄間隔を短くせざるを
得ず、運転コストを増大せしめる大きな要因となってい
た。
【0008】本発明の主たる目的は、このような従来の
撹拌装置における問題点を解決しようとするものであ
り、液出口側のセルフクリーニング性を改善し、高品質
の飽和及び不飽和のポリエステル、ポリエーテル、ポリ
アミド、ポリカーボネート等の重縮合体を製造すること
のできる装置を提供することにある。また、その装置を
用い、製品品質の維持を図りながら、低運転コストでポ
リマーを製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、実質的に水平
に設置した筒体状の容器内に、平行をなして配設され同
期して同方向に回転駆動される2本の撹拌軸を併設し、
各撹拌軸に複数の撹拌ロータを具えた撹拌装置におい
て、該容器内の液出口の部分に送液作用をなすロータを
配設したことを特徴とする撹拌装置である。
【0010】また、本発明は、予め重縮合せしめた重縮
合体を、本発明の装置によってさらに重合せしめること
を特徴とするポリマーの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の撹拌装置の具体例
を図面に従って詳細に説明する。図1は本発明の撹拌装
置の一例を示す水平断面図、図2は図1のA−A’の垂
直断面図であり、図3は装置の横断面図である。
【0012】(容器)本発明の撹拌装置において、容器
1は実質的に水平に設置され、該容器1の断面形状は特
に限定されるものではないが、クリアランスを一定とし
セルフクリーニング性を高めるためには、該容器1の内
壁は撹拌軸2及び撹拌軸3をそれぞれ中心とする2個の
円筒壁を繋げたような形の繭型断面を有していることが
好ましい。
【0013】(撹拌軸)容器1内には、該容器の長手方
向へほぼ水平に伸びた2本の撹拌軸2、3が設けられて
おり、これら2本の撹拌軸2、3は互いに平行に軸受け
で支持され、各々の撹拌軸2、3は図示しない駆動源に
よって、図中矢印のように同一回転方向に同一回転速
度、または、異なる回転速度で互いに同期して回転駆動
されるようになっている。
【0014】(撹拌ロータ)各撹拌軸2、3には、それ
ぞれ複数の撹拌ロータが、撹拌軸と直交する面内に沿っ
て所定間隔を隔てて固定されている。かかる撹拌ロータ
は、撹拌作用のみをなすもので送液作用を有しないもの
である。撹拌ロータは、撹拌軸に軸回り90±10度ず
らして軸方向に間隔をあけて撹拌軸に取り付けることが
好ましい。
【0015】各撹拌ロータは、図3に示すごとく、中央
部が膨らみ両端が尖った紡錘形断面形状を有し、直径を
Dとする場合その曲率半径がD/√2であることが好ま
しいが、その形状は適宜選択できる。各撹拌軸に固定す
る撹拌ロータの数は、適宜選択できるが各撹拌軸の全体
にわたってほぼ均等に撹拌ロータを配置するのが適当で
ある。
【0016】各撹拌軸に固定した撹拌ロータは、それぞ
れ、図3に示すように、その回転角度位置に応じて僅か
な隙間を隔てて、容器1の円筒内壁あるいは隣接して対
応する隣接の撹拌軸に固定した撹拌ロータに対向し得る
ようにその寸法が選定されている。
【0017】すなわち、一方の撹拌軸2には所定の間隔
を隔てて複数(図1では14個)の撹拌ロータ4a、4
b、4c、…4nが固定されている。これらの撹拌ロー
タは撹拌軸2に対してそれと直交する面内に沿って取り
付けられている。また、これらの撹拌ロータはその回転
角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて前記1の円筒壁あ
るいは他方の撹拌軸3に固定された対応する撹拌ロータ
5a、5b、5c、…5nに対向し得るようにその寸法
が選定されている。
【0018】一方、撹拌軸3にも同様に複数(図1では
撹拌軸2の撹拌ロータと同数の14個)の撹拌ロータ5
a、5b、5c、…5nが固定されている。
【0019】各撹拌ロータはそれぞれ相対する撹拌軸2
の対応する撹拌ロータに対応してそれと同じ軸方向位置
に位置し、各々対応する撹拌ロータに対して各々位相が
約90度ずれた形で撹拌軸3に取り付けられている。
【0020】いずれの撹拌ロータも、その各尖端が、回
転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて容器1の円筒内
壁あるいは各々対応する撹拌ロータに対向し得るように
なっている。さらに、その側面はそれぞれ隣接して対応
する撹拌ロータに対して軸方向に僅かな隙間を隔てて対
向している。そして、撹拌軸2に固定した撹拌ロータと
撹拌軸3に固定した撹拌ロータは、それぞれ相手方の撹
拌ロータに対応してそれと同じ軸方向に位置し、かつ対
応する撹拌ロータに対して各々位相が約90度ずらして
軸方向に撹拌軸に取り付けられている。さらに、各撹拌
ロータの側面はそれぞれ隣接して対応する撹拌ロータに
対して軸方向に僅かな隙間を隔てて対向している。
【0021】(液供給口、液出口)通常、液供給口8は
鏡板6近傍の周壁(シェル)1に取り付けられ、その位
置は特に限定されないものの、セルフクリーニング性の
面からいえば、液出口側の鏡板7に近づけた方が好まし
い。
【0022】一方、液出口9は、通常、容器1の周壁
(シェル)1の下部に取り付けられる。
【0023】このような本発明の撹拌装置において被処
理溶液は、溶液供給口8から、容器1内に導入され、ヘ
ッド差により出口側に移動しつつ、撹拌軸2、3が回転
駆動することで各撹拌ロータの移動により、十分撹拌さ
れた後、液出口9から取り出される。
【0024】(セルフクリーニング)この装置では、上
記撹拌作用と同時にセルフクリーニングが行われる。す
なわち、容器1内各部は、各撹拌ロータの尖端稜線部が
近接して移動することによりセルフクリーニングされ
る。また、一方の撹拌軸の撹拌ロータと他方の撹拌軸の
撹拌ロータの曲面状周面は相互にそれらの尖端が近接し
て移動することによりセルフクリーニングされる。さら
に、撹拌ロータ平面状側面とそれらに対向する撹拌ロー
タの平面状側面が近接して相対移動することでも互いに
セルフクリーニングされる。
【0025】しかしながら、このようなセルフクリーニ
ング機能を意図した撹拌装置であっても、ポリマーが液
出口9より排出されるため、液出口9の近傍ではポリマ
ー滞留量が低下することなどにより、液出口近傍の撹拌
ロータと液出口側の鏡板は、ポリマーにより完全に濡ら
すことが困難となり、気液の界面が生じ、界面付近では
劣化物が生成するためにセルフクリーニング性が著しく
低下するという欠点がある。
【0026】(送液作用をなすロータ)本発明によれ
ば、液出口側に送液作用をなすロータを配設すること
で、従来の撹拌装置の欠点が解消できる。
【0027】本発明の撹拌装置は、従来、この種の装置
では設置されたことのない、該容器内の液出口側に送液
作用をなすロータを配設し、液出口側の鏡板までたどり
着くポリマーの量を増やすことで、液出口側のロータと
液出口側の鏡板とのセルフクリーニング性を向上させた
ことを最大の特徴とするものである。液出口側とは、図
1、図2のxで示す斜線部分のことを言う。
【0028】すなわち、本発明の撹拌装置は、図1、図
2のxで示す斜線部分に図4に例示する送液作用をなす
ロータを設置することで、当該部分のセルフクリーニン
グ性を向上させるものである。本発明においては、少な
くとも液出口側の鏡板に隣接するロータを、送液作用を
なすロータとする必要がある。図5には、実際に送液作
用をなすロータを液出口側に取り付けた例を示す。
【0029】従来は、液出口部分の撹拌ロータには送液
性がなかったために、液出口部分の撹拌ロータと液出口
側の鏡板はポリマーの滞留量が低下しており、そのため
ポリマーの濡れ性も悪く、セルフクリーニングも十分に
できていなかったが、当該部分の撹拌ロータに送液機能
を持たせることにより、撹拌ロータと鏡板のポリマー滞
留量も増え、ポリマーの濡れ性も向上し、セルフクリー
ニング性も保持できるようになるものである。
【0030】送液作用をなすロータは、スクリュー(螺
旋)状であることが好ましい。スクリューは、図4に示
す如くヘリカルアングルαが25±10度であることが
好ましい。この様なヘリカルアングルを使用することに
より、流動が滑らかに変化するため、セルフクリーニン
グ性が向上する。
【0031】スクリューの一部に切り欠きを設けること
も好ましい。この原因は定かではないが、スクリューに
切り欠きがあればポリマーのすり抜けが生じ、混練効果
を促進さるためと推定される。この様な切り欠きは、ス
クリューの1ピッチに1ケ以上設けることが好ましく、
また、切り欠きサイズとしては、スクリューの直径をD
としたときに、1つの切り欠きの軸方向への投影面積は
2/8以下であることが好ましい。
【0032】この様なスクリューを基本とする送液作用
をなすロータは、一体形状で作成されてもよく、また、
一体形状のスクリューを0.03<h/D<0.1の厚
みhで軸と直角方向にスライスしたものを積層させて作
成しても良く、また、後者において、5度〜60度の範
囲で位相をずらしつつ積層しても良い。位相をずらして
積層することにより、切り欠きを有するスクリューとな
すこともできる。
【0033】(スクレーパ)図6に示すように撹拌ロー
タの尖端部分にスクレーパを設けると、さらにセルフク
リーニング性が向上する。スクレーパは、撹拌ロータの
先端部に、外面が該撹拌ロータの外周面と一致して擬三
角形断面をなし撹拌軸と平行に取り付けることができ
る。
【0034】(ポリマーの製造方法)本発明の撹拌装置
は、重縮合系ポリマーの高粘度溶液を撹拌するのに適し
た装置であり、例えば、飽和及び不飽和のポリエステ
ル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネートの製
造に適する。従って、本発明は、予め重縮合せしめた重
縮合体を、本発明の装置によってさらに重合せしめるこ
とを特徴とするポリマーの製造方法を包含する。
【0035】飽和、不飽和のポリマーの具体例として、
芳香族ポリカーボネートが挙げられ、本発明はかかるポ
リマーの溶融重合にも適用できる。したがって、本発明
は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶
融重合せしめて得られたポリカーボネート、好ましくは
固有粘度[η]が0.2〜0.35程度のポリカーボネ
ートを、上記の撹拌装置により減圧下でさらに重合せし
めて、より高重合度のポリカーボネートを製造する方法
を包含する。
【0036】ここで使用する芳香族ジヒドロキシ化合物
としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−
ブチルフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニールエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドなど
のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシア
リールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類等
が用いられる。特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンが好ましい。
【0037】炭酸ジエステルとしては置換されていても
よい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基等のエ
ステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネー
ト、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カ
ーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカ
ーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート等が挙げ
られる。
【0038】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの溶融重合反応は、従来知られているように不活性
ガス雰囲気下で加熱しながら撹拌して生成する芳香族モ
ノヒドロキシ化合物を溜出させることで行われる。反応
温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期に
は系の減圧度を1〜0.1Torrに高めて生成する芳
香族モノヒドロキシ化合物の溜出を容易にさせて固有粘
度[η]が0.2〜0.35程度のポリカーボネートを
得る。なお、ここで、固有粘度[η]は、0.7g/d
lの塩化メチレン溶液でウベローデ粘度計で測定したも
のである。
【0039】本発明方法では、このように製造した溶融
粘度数千ポイズ程度のポリカーボネートを、さらに溶融
状態で上記の撹拌装置に供給し、該装置内で撹拌混合を
続けて連続的に重合せしめることによって2万〜3万ポ
イズの溶融粘度まで重合度を上昇させ、光学特性の良好
な[η]が0.3〜0.7程度のポリカーボネートが製
造される。
【0040】この後期重合工程では、反応温度(容器内
の設定温度)は120〜350℃、好ましくは170〜
300℃、圧力は10〜0.1Torr、好ましくは1
〜0.1Torrとし、反応時間(装置内の滞留時間)
は30〜120分程度が好適に採用される。
【0041】
【発明の効果】本発明によれは、液出口側に送液作用を
なすロータを設けることによって、液出口付近のポリマ
ーの滞留量の低下が防止され、液出口近傍の撹拌ロータ
と鏡板に十分なポリマーが供給され、セルフクリーニン
グ性が向上される。そのため、気液の界面の発生が防止
され、長時間の運転を続けてもポリマーの劣化、ゲルの
発生が無く、高品質のポリマーの製造が可能となる。ま
た、装置の洗浄周期を長くすることが可能となる。
【0042】また、本発明方法によれば、低運転コスト
で製品品質の維持を図りながら連続的にポリマーを製造
することのできる。本発明の撹拌装置は、100ポイズ
以上の高粘度の溶液の撹拌混合、ポリマーを製造する場
合に有用であり、重合の後期段階の使用に適している。
【0043】
【実施例】次に、本発明の撹拌装置を使用し、重縮合系
ポリマーの一種である芳香族ポリカーボネートを製造す
る例を説明する。なお、実施例中の固有粘度[η]の測
定は前述の通りである。
【0044】[実施例1]ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとを溶融重合せしめ、得られた固有粘度
[η]が0.35のポリカーボネートを、溶融状態に
て、水平に設置した図5に示す繭型断面の撹拌装置に供
給し、減圧下、温度270℃で重合反応を進行させ、反
応の終了したポリマーを液出口より取り出した。この装
置及び条件で、最終固有粘度[η]が0.5であり、か
つ、色相の良好なポリカーボネートを約700時間連続
的に製造することができた。
【0045】上記実験終了後、該撹拌装置の容器内部を
分解点検したところ、ポリマー劣化物等の汚れは皆無で
あり、良好なセルフクリーニング機能が維持されていた
ことが確認できた。
【0046】[実施例2]ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとを溶融重合せしめ、得られた固有粘度
[η]が0.35のポリカーボネートを、溶融状態に
て、水平に設置した図6に示す繭型断面の撹拌装置に供
給し、減圧下、温度270℃で重合反応を進行させ、反
応の終了したポリマーを液出口より取り出した。この装
置及び条件で、最終固有粘度[η]が0.5であり、か
つ、色相の良好なポリカーボネートを約800時間連続
的に製造することができた。
【0047】[実施例3]ビスフェノールAとジフェニル
カーボネートとを溶融重合せしめ、得られた固有粘度
[η]が0.35のポリカーボネートを、溶融状態に
て、水平に設置した図7に示す繭型断面の撹拌装置に供
給し、減圧下、温度270℃で重合反応を進行させ、反
応の終了したポリマーを液出口より取り出した。この装
置及び条件で、最終固有粘度[η]が0.5であり、か
つ、色相の良好なポリカーボネートを約700時間連続
的に製造することができた。
【0048】上記実験終了後、該撹拌装置の容器内部を
分解点検したところ、ポリマー劣化物等の汚れは皆無で
あり、良好なセルフクリーニング機能が維持されていた
ことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撹拌装置の具体例の水平断面図であ
る。
【図2】図1のA−A’垂直断面摸式図である。
【図3】図1の横断面図である。
【図4】送液作用をなす撹拌ロータの具体例である。
【図5】図4の撹拌ロータを取り付けた撹拌装置の具体
例である。
【図6】撹拌作用をなす撹拌ロータにスクレーパ設けた
撹拌装置の断面図である。
【図7】送液作用をなす撹拌ロータとして、厚みをもつ
スクリューを撹拌軸を中心として一定位相ごとに積層し
たものを取り付けた装置の断面図である。
【図8】図7の装置の横断面図である。
【符号の説明】
1:容器 2、3:撹拌軸 4a〜4n、5a〜5n:撹拌ロータ 6、7:鏡板 8:液供給口 9:液出口 x:液出口側
フロントページの続き (72)発明者 村岡 剛 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に水平に設置した筒体状の容器内
    に、平行をなして配設され同期して同方向に回転駆動さ
    れる2本の撹拌軸を併設し、各撹拌軸に複数の撹拌ロー
    タを具えた撹拌装置において、該容器内の液出口側に送
    液作用をなすロータを配設したことを特徴とする撹拌装
    置。
  2. 【請求項2】 送液作用をなすロータが、スクリュー
    (螺旋)状であることを特徴とする請求項1に記載の装
    置。
  3. 【請求項3】 スクリューのヘリカルアングルαが、約
    25度±10度であることを特徴とする請求項2に記載
    の装置。
  4. 【請求項4】 撹拌ロータが、撹拌軸に軸回りに90±
    10度ずらして軸方向に間隔をあけて撹拌軸に取り付け
    られたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 撹拌ロータが、中央部が膨らみ両端が尖
    った紡錘形断面形状を有し、直径をDとする場合その曲
    率半径がD/√2であることを特徴とする請求項1に記
    載の装置。
  6. 【請求項6】 撹拌ロータの先端部に、外面が該撹拌ロ
    ータの外周面と一致して擬三角形断面をなすスクレーパ
    が撹拌軸と平行に取り付けられた請求項1に記載の装
    置。
  7. 【請求項7】 予め重縮合せしめた重縮合体を、請求項
    1〜6のいずれかに記載の装置によってさらに重合せし
    めることを特徴とするポリマーの製造方法。
  8. 【請求項8】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを溶融重合せしめて得られたポリカーボネート
    を、請求項1〜6のいずれかに記載の撹拌装置に供給
    し、該装置にて減圧下で溶融撹拌することにより、さら
    に重合せしめることを特徴とするポリカーボネートの製
    造方法。
JP8330688A 1996-07-12 1996-12-11 撹拌装置及び該装置を用いるポリマーの製造方法 Pending JPH1076149A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013161229A1 (ja) * 2012-04-23 2013-10-31 浅田鉄工株式会社 分散・粉砕機

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