JPH09174727A - 積層体およびそれを用いた自動車内外装部品 - Google Patents

積層体およびそれを用いた自動車内外装部品

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JPH09174727A
JPH09174727A JP33654895A JP33654895A JPH09174727A JP H09174727 A JPH09174727 A JP H09174727A JP 33654895 A JP33654895 A JP 33654895A JP 33654895 A JP33654895 A JP 33654895A JP H09174727 A JPH09174727 A JP H09174727A
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JP
Japan
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polyolefin resin
thermoplastic elastomer
rubber
laminate
weight
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Pending
Application number
JP33654895A
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English (en)
Inventor
Kyoko Kobayashi
恭子 小林
Yuichi Ito
雄一 伊藤
Akira Uchiyama
晃 内山
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で、リサイクルが容易で、しかも焼却し
ても有害なガスを発生しないポリオレフィン系材料を生
かし、耐傷付き性に優れた積層体およびそれを用いた自
動車内外装部品を提供すること。 【解決手段】 [1](1)結晶性ポリオレフィン樹脂
(a)と架橋オレフィン系ゴム(b)とを含有する熱可
塑性エラストマー(A)およびポリ1−ブテン樹脂
(B)を含有し、そして(2)熱可塑性エラストマー
(A)とポリ1−ブテン(B)との重量割合[(A)/
(B)]が95/5〜5/95の範囲にある熱可塑性エ
ラストマー組成物からなる表皮層と、[II]結晶性ポリ
オレフィン樹脂(a’)と架橋オレフィン系ゴム
(b’)とを含有する熱可塑性エラストマー(A’)、
結晶性ポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン樹脂発
泡体から形成された基材層、とからなることを特徴とす
る積層体およびこれを用いた自動車用内外装部品が提供
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
材料からなる耐傷付き性に優れた積層体およびそれを用
いた自動車内外装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車内装材には、塩化ビニル樹
脂が広く用いられている。塩化ビニル樹脂を用いた自動
車内装材は、表面がエンボス加工によりシボ付けされて
皮革模様を有する塩化ビニル樹脂層に、ウレタン発泡体
層および必要に応じて樹脂骨材層で順次裏打ちされた積
層体として用いられている。しかしながら、このような
積層体は、煩雑な工程を経て製造されている。また、塩
化ビニル樹脂は、焼却時に有害なガスを発生するため、
環境を汚染するという問題がある。
【0003】また、自動車外装部品であるサイドプロテ
クションモールには、塩化ビニル樹脂が広く用いられて
いる。塩化ビニル樹脂は、耐傷付き性に優れ、かつ安価
であるため、上記用途には非常に好適な材料である。し
かしながら、塩化ビニル樹脂には、上記した問題があ
る。
【0004】ところで、オレフィン系樹脂、オレフィン
系熱可塑性エラストマーは、軽量でリサイクルが容易で
あることから、省エネルギー、省資源タイプの材料とし
て、自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建材
等に広く使用されている。また、近年、地球環境保護の
観点から、焼却時に有害なガスを発生する塩化ビニル樹
脂に代わって、有害なガスが発生しないオレフィン系樹
脂あるいはオレフィン系熱可塑性エラストマーが使われ
るようになってきている。
【0005】しかしながら、従来のオレフィン系樹脂あ
るいはオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる成形
体は、塩化ビニル樹脂からなる成形体と比較して、耐傷
付き性が劣るという欠点があり、その改良が強く望まれ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軽量
で、リサイクル使用が容易で、しかも焼却しても有毒な
ガスを発生しない等のオレフィン系重合体材料の長所を
生かし、耐傷付き性に優れ、自動車内外装部品に用いる
ことができる素材を提供することである。本発明の他の
目的は、上記素材を用いた自動車内外装部品を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的および
利点は、 [1](1)結晶性ポリオレフィン樹脂(a)と架橋オ
レフィン系ゴム(b)とを含有する熱可塑性エラストマ
ー(A)およびポリ1−ブテン樹脂(B)を含有し、そ
して(2)熱可塑性エラストマー(A)とポリ1−ブテ
ン樹脂(B)との重量割合[(A)/(B)]が95/
5〜5/95の範囲にある熱可塑性エラストマー組成物
からなる表皮層と、 [II]結晶性ポリオレフィン樹脂(a’)と架橋オレフ
ィン系ゴム(b’)とを含有する熱可塑性エラストマー
(A’)、結晶性ポリオレフィン樹脂またはポリオレフ
ィン樹脂発泡体から形成された基材層、とからなること
を特徴とする積層体および該積層体を用いた自動車外装
部品および自動車内装部品により達成される。
【0008】以下、本発明を詳述するが、それにより本
発明の他の目的および利点が明らかとなろう。
【0009】まず、表皮層を構成する熱可塑性エラスト
マー組成物について説明する。該熱可塑性エラストマー
組成物について説明する。該熱可塑性エラストマーは、
熱可塑性エラストマー(A)とポリ1−ブテン樹脂
(B)を含有する。
【0010】熱可塑性エラストマー(A) [I]結晶性ポリオレフィン樹脂(a) 熱可塑性エラストマーを構成する結晶性ポリオレフィン
樹脂(a)としては、炭素原子数2〜20のα−オレフ
ィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。上記結
晶性ポリオレフィン樹脂(a)の具体的な例としては、
以下のような重合体または共重合体が挙げられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法等
いずれでも良い) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレート等のビニルモ
ノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体 (9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下の他
のα−オレフィンとのランダム共重合体 上記のコモノマーとしての他のα−オレフィンは、例え
ばエチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン等から1種以上適宜に選択
することができる。なお、上記でコモノマーとしての他
のα−オレフィンのモル%は、共重合体を構成する全繰
返し単位を基準とする。以下、オレフィンのモル%はこ
れと同じくポリマーを構成する全繰返し単位を基準とす
る。
【0011】上記の結晶性ポリオレフィン樹脂(a)の
中でも、結晶性ポリプロピレン樹脂が好ましく、プロピ
レン単独重合体、プロピレンと10モル%以下のα−オ
レフィンとのランダム共重合体、プロピレン含量が50
モル%以上のプロピレン・α−オレフィンブロック共重
合体が特に好ましい。上記のような結晶性ポリオレフィ
ン樹脂(a)は、単独であるいは組合せて用いることが
できる。結晶性ポリオレフィン樹脂(a)のメルトフロ
ーレート(MFR;ASTMD1238、230℃、
2.16kg荷重、以下同じ)は好ましくは0.01〜1
00g/10分、さらに好ましくは0.3〜70g/1
0分の範囲にある。また、結晶性ポリオレフィン樹脂
(a)のX線法により求めた結晶化度は、通常5〜10
0%、好ましくは20〜80%の範囲にある。
【0012】熱可塑性エラストマー(A)中、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(a)は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(a)と架橋オレフィン系ゴム(b)の合計量100重
量部に対し、好ましくは10〜90重量部、より好まし
くは10〜80重量部、さらに好ましくは10〜70重
量部の割合で用いられる。上記割合で結晶性ポリオレフ
ィン樹脂(a)が用いられると、本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物の成形性が良好で、該組成物からなる表
皮層の耐傷付き性および耐熱性が優れる結果となる。
【0013】[II]架橋オレフィン系ゴム(b) 熱可塑性エラストマー(A)を構成する成分である架橋
オレフィン系ゴム(b)は、炭素数2〜20のα−オレ
フィン含量が50モル%以上のα−オレフィンランダム
共重合ゴムの架橋物である。α−オレフィンランダム共
重合ゴムとして、例えば2種以上のα−オレフィンの共
重合ゴム、2種以上のα−オレフィンと非共役ジエンと
の共重合ゴムを挙げることができる。α−オレフィンラ
ンダム共重合ゴムとして、具体的に下記(1)〜(4)
で示されるゴムを例示することができる。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム [エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50] (3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム [プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50] (4)1−ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム [1−ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50]
【0014】上記(1)〜(4)のα−オレフィンとし
ては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−
メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等
から適宜1種以上選択して用いることができる。
【0015】また、上記非共役ジエンとしては、炭素原
子数6〜20のものが好ましく、具体的にはジシクロペ
ンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等
が挙げられる。このような非共役ジエンが共重合してい
る上記(2)のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエ
ン共重合体ゴムのヨウ素価は、25以下が好ましく、5
〜20がより好ましい。上記(1)〜(4)の共重合体
ゴムのムーニー粘度[ML1+4(121℃)]は10
〜250が好ましく、特に30〜150が好ましい。
【0016】また、α−オレフィンランダム共重合ゴム
の結晶化度は、X線法で測定して20%未満のものが好
ましい。
【0017】架橋オレフィン系ゴム(b)は、上述した
α−オレフィンランダム共重合ゴムが架橋したものであ
るが、部分的に架橋した状態であることが好ましい。こ
こで、部分的に架橋している状態とは、後述する方法で
測定されるゲル含量が20〜97%である場合をいう。
【0018】α−オレフィンランダム共重合ゴムから、
架橋オレフィン系ゴム(b)を得るには、それ自体公知
の方法、例えば少量割合の架橋剤の存在下にα−オレフ
ィンランダム共重合体を溶融混練する方法によって得る
ことができる。このとき、後で詳述する方法により、結
晶性ポリオレフィン樹脂(a)を共存させ、1回の操作
で結晶性ポリオレフィン樹脂(a)と架橋オレフィン系
ゴム(b)とを含有する熱可塑性エラストマー(A)を
製造することもできる。
【0019】熱可塑性エラストマー(A)中に、架橋オ
レフィン系ゴム(b)は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(a)および架橋オレフィン系ゴム(b)の合計100
重量部に対して10〜90重量部、好ましくは20〜9
0重量部、さらに好ましくは30〜90重量部の割合で
用いられる。
【0020】[III]好ましい熱可塑性エラストマー
(A)および熱可塑性エラストマー(A)の調製法 本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラストマー
(A)は、結晶性ポリプロピレン樹脂と、架橋エチレン
・α−オレフィン共重合体ゴムもしくは架橋エチレン・
α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとを含有
し、熱可塑性エラストマー(A)中において、これの成
分が部分架橋された状態で存在し、かつ結晶性ポリプロ
ピレン樹脂と架橋オレフィン系ゴムとの重量割合(結晶
性ポリプロピレン樹脂/架橋オレフィン系ゴム)が70
/30〜10/90の範囲内にあるものである。
【0021】好ましく用いられる熱可塑性エラストマー
(A)のより具体的な例として、結晶性ポリオレフィン
樹脂(a)として結晶性ポリプロピレン樹脂を、架橋オ
レフィン系ゴム(b)として架橋エチレン・プロピレン
共重合体ゴムおよび架橋エチレン・プロピレン・非共役
ジエン共重合体ゴムの少なくともいずれかを含み、その
重合割合が70/30〜90/10[(a)/(b)]
であり、さらにこれらの成分の合計量100重量部に対
して、後述するオレフィン系ゴム以外のゴムおよび/ま
たは鉱物油系軟化剤を5〜100重量部含むものを挙げ
ることができる。
【0022】熱可塑性エラストマー(A)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(a)とα−オレフィンランダム共重
合ゴムとを含有するブレンド物を架橋剤、例えば有機過
酸化物の存在下、該ブレンド物を溶融、混練することに
より得ることができる。
【0023】上記有機過酸化物としては、具体的にはジ
クミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3
−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレー
ト、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペ
ルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ter
t−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオ
キシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミル
ペルオキシド等が挙げられる。
【0024】これらのうちでは、臭気性、スコーチ安定
性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−
ブチルペンチルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン
−3、1,3−ビス(tert−ブチルオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペル
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−
ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)
バレレートが好ましく、中でも、1,3−ビス(ter
t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好
ましい。
【0025】有機過酸化物は、結晶性ポリオレフィン樹
脂(a)およびα−オレフィンランダム共重合ゴムの合
計量100重量部に対して、好ましくは0.05〜3重
量部、より好ましくは0.1〜1重量%の割合で用いら
れる。
【0026】上記有機過酸化物による架橋処理に際し、
硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイル
キノンジオキシム、N−メチル−N−4−ジニトロソア
ニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、ト
リメチロールプロパン−N,N’−m−フェニレンジマ
レイミドのようなペルオキシ架橋用助剤;あるいはジビ
ニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレート等のような多官能性メタクリレートモ
ノマー;ビニルブチラート、ビニルステアレートのよう
な多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0027】上記のような化合物を用いることにより、
α−オレフィンランダム共重合ゴムの均一かつ緩和な架
橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニ
ルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは、取扱
い易く、結晶性ポリオレフィン(a)およびα−オレフ
ィンランダム共重合ゴムとの相溶性が良好であり、かつ
有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の
分散剤として働くため、熱処理による架橋が均一で、流
動性と物性とのバランスのとれた熱可塑性エラストマー
(A)が得られる。
【0028】上記のような架橋助剤、多官能性メタクリ
レートモノマーもしくは多官能性ビニルモノマーは、上
記の溶融混練物全体に対して0.1〜2重量%、特に0.
3〜1重量%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤、
多官能性メタクリレートモノマーもしくは多官能性ビニ
ルモノマーの配合割合が、上記範囲にあると、得られる
熱可塑性エラストマー(A)は、架橋助剤、多官能性メ
タクリレートモノマーもしくは多官能性ビニルモノマー
が、エラストマー中に未反応のモノマーとして残存する
ことが少ないため、加工の際に熱履歴による物性の変化
が生じることが少なく、しかも流動性に優れている。
【0029】混練装置としては、従来公知の混練装置、
例えば開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリ
ーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等が用い
られる。これらの内では、非開放型の混練装置が好まし
く、混練は、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスの雰囲
気下で行うことが好ましい。
【0030】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行うのが望ましい。混
練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜
240℃であり、混練時間は1〜20分間、好ましくは
1〜5分間である。また、加えられる剪断力は、通常剪
断速度で10〜104sec-1、好ましくは102〜10
4sec-1の範囲である。上記のようにして結晶性ポリ
オレフィン樹脂(a)と架橋オレフィンゴム(b)を含
有する熱可塑性エラストマー(A)を得ることができ
る。
【0031】ここに、「架橋された」とは、下記の方法
で測定したゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)が10
%以上である場合をいう。本発明においては、熱可塑性
エラストマーのゲル含量が20%以上であることが好ま
しく、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは4
0〜70%である。ゲル含量が上記範囲にある熱可塑性
エラストマー(A)は、ゴム弾性が良好であり、機械強
度および破断伸度に優れた成形体を提供することができ
る。
【0032】[ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の
測定法]熱可塑性エラストマーの試料を約100mg秤
量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断
し、次いで、得られた細片を密閉容器中にて30mlの
シクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬する。
【0033】次に、この試料を濾紙上に取り出し、室温
にて72時間以上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残
渣の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性
成分(繊維状フィラー、充填剤、含量等)の重量を減じ
た値を「補正された最終重量(Y)」とする。一方、試
料の重量からポリマー成分以外のシクロヘキサン可溶性
成分(例えば軟化剤)の重量およびポリマー成分以外の
シクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、
顔料等)の重量を減じた値を「補正された初期重量
(X)」とする。ここに、ゲル含量(シクロヘキサン不
溶解分)は、下記数式により求められる。
【0034】
【数1】
【0035】ポリ1−ブテン樹脂(B) 熱可塑性エラストマーを構成するポリ1−ブテン樹脂
(B)としては、以下の(1)、(2)および(3)で
例示される(共)重合体が好ましく用いられる。 (1)1−ブテン単独重合体 (2)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (3)1−ブテンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 上記のコモノマーとしての他のα−オレフィンは、具体
的にはエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。その
中でも、1−ブテンの単独重合体あるいは1−ブテンを
主成分とした1−ブテンとエチレンまたはプロピレンと
のランダム共重合体が特に好ましい。これらのα−オレ
フィンは、1種単独であるいは2種以上併用して用いら
れる。
【0036】また、ポリ1−ブテン樹脂は1種単独であ
るいは2種以上併用して用いられる。ポリ1−ブテン樹
脂(B)のMFR(メトルフローレート;ASTM D
1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.01〜
30の範囲のものが好ましい。
【0037】熱可塑性エラストマー組成物およびその調
製法 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、前述した熱可
塑性エラストマー(A)およびポリ1−ブテン樹脂
(B)を含有する。そして、これらの重量割合[(A)
/(B)]は60/40〜5/95であり、好ましくは
59/41〜10/90であり、より好ましくは55/
45〜20/80である。
【0038】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、本発明の目的の達成を損なわない範囲で、必要に応
じて任意成分として、オレフィン系ゴム以外のゴムを配
合することができる。
【0039】オレフィン系ゴム以外のゴムとしては、例
えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴ
ム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(II
R)等のジエン系ゴム、ポリイソブチレンゴム等を挙げ
ることができる。
【0040】上記オレフィン系ゴム以外のゴムは、本発
明の熱可塑性エラストマー組成物の製造する任意の段階
で添加することができるが、前述した熱可塑性エラスト
マー(A)を調製する段階で添加することが好ましい。
オレフィン系ゴム以外のゴムは、結晶性オレフィン樹脂
(a)と架橋オレフィンゴム(b)との合計量100重
量部に対して、40重量部以下の割合で使用することが
好ましく、より好ましくは5〜20重量部の割合で使用
する。オレフィン系ゴム以外のゴムを使用することによ
り、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得る
ことができる。
【0041】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、耐傷付き性を良好とする目的で、シリコーンオ
イル(C)、エステル化合物(D)、フッ素系ポリマー
(E)および高級脂肪酸アミド(F)からなる群から選
択される少なくとも1種を配合することが好ましい。そ
して、その配合量は熱可塑性エラストマー(A)および
ポリ1−ブテン樹脂(B)の合計量100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは
0.01〜5重量部である。
【0042】上記シリコーンオイル(C)としては、具
体的にはジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシ
リコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、テトラメ
チルテトラフェニルトリシロキサン、変性シリコーン油
等が挙げられる。中でも、ジメチルシリコーンオイル、
フェニルメチルシリコーンオイルが好ましく用いられ
る。
【0043】シリコーンオイル(C)の動粘度[JIS
K2283、25℃]は、10〜30,000cS
t、好ましくは50〜10,000cSt、さらに好ま
しくは100〜5,000cStの範囲である。
【0044】また、上記エステル化合物(D)は、脂肪
族アルコールとジカルボン酸あるいは脂肪酸とのエステ
ルである。このようなエステル化合物(D)としては、
具体的にはセチルアルコールと酢酸とのエステル、セチ
ルアルコールとプロピオン酸とのエステル、セチルアル
コールと酪酸とのエステル、牛脂アルコールと酢酸との
エステル、牛脂アルコールとプロピオン酸とのエステ
ル、牛脂アルコールと酪酸とのエステル、ステアリルア
ルコールと酢酸とのエステル、ステアリルアルコールと
プロピオン酸とのエステル、ステアリルアルコールと酪
酸とのエステル、ジステアリルアルコールとフタル酸と
のエステル、グリセリンモノオレート、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリン12−ヒドロキシステアレー
ト、グリセリントリステアレート、トリメチロールプロ
パントリステアレート、ペンタエリストールテトラステ
アレート、ブチルステアレート、イソブチルステアレー
ト、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、ベヘ
ン酸エステル、カルシウムソープ含有エステル、イソト
リデシルステアレート、セチルパルミテート、セチルス
テアレート、ステアリールステアレート、ベヘニルベヘ
ネート、モンタン酸エチレングリコールエステル、モン
タン酸グリセリンエステル、モンタン酸ペンタエリスト
ールエステル、カルシウム含有モンタン酸エステル等が
挙げられる。中でも、ジステアリルアルコールとフタル
酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリセリン
モノステアレート、モンタン酸グリセリンエステルが好
ましく、特にジステアリルアルコールとフタル酸とのエ
ステル、グリセリンモノステアレート、モンタン酸グリ
セリンエステルが好ましい。
【0045】上記フッ素系ポリマー(E)としては、具
体的にはポリテトラフルオロエチレン、ビニリデンフル
オライド共重合物等が挙げられる中でも、ポリテトラフ
ルオロエチレンが好ましい。
【0046】上記高級脂肪酸アミド(F)としては、具
体的には、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ス
テアリン酸アミド、ヘベミン酸アミド等の飽和脂肪酸ア
ミド;エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン
酸アミド、エライジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミ
ド;メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオ
レイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エ
チレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸アミド等が
挙げられる。中でもエルカ酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エチレンビスオレイン酸アミドが好ましい。
【0047】上記(C)〜(E)成分は、あらかじめ熱
可塑性エラストマー(A)およびポリ1−ブテン樹脂
(B)の少なくともいずれかに配合されていてもよい。
【0048】さらに、本発明においては、熱可塑性エラ
ストマー組成物中に、本発明の目的の達成を損なわない
範囲で、必要に応じて、公知の鉱物油系軟化剤、無機充
填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、金属セッケンおよびワックス等で例示される滑剤等
の添加剤を添加することができる。これらはあらかじ
め、熱可塑性エラストマー(A)およびポリ1−ブテン
樹脂(B)の少なくともいずれかに配合されていてもよ
い。
【0049】このような無機充填剤としては、具体的に
は炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリ
ン、タルク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アスベス
ト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊
維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイト、アルミ
ナ等が挙げられる。
【0050】また、公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐
候安定剤としては、フェノール系、サルファイト系、フ
ェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系安定剤
等が挙げられる。
【0051】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
熱可塑性エラストマー(A)と、ポリ1−ブテン樹脂
(B)とを、前述した割合で配合し、溶融混練すること
により調製することができる。
【0052】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物の調製において、上記の各成分を配合する際に、必要
に応じて、シリコーンオイル(C)、エステル化合物
(D)、フッ素系ポリマー(E)および高級脂肪酸アミ
ド(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成
分、オレフィン系ゴム以外のゴム、その他前述した任意
成分を配合することができる。
【0053】上記の溶融混練の方法としては、熱可塑性
エラストマー(A)の調製で上述すた溶融混練の方法が
望ましい。
【0054】次に本発明の積層体の基材層を形成する熱
可塑性エラストマー(A’)、結晶性ポリオレフィン樹
脂およびオレフィン樹脂発泡体について説明する。
[I’]基材形成用熱可塑性エラストマー(A’)熱可
塑性エラストマー(A’)は、前述した熱可塑性エラス
トマー(A)に関する記載を好ましい態様を含めて、そ
のまま適用することができる。
【0055】[II’]基材形成用結晶性ポリオレフィン
樹脂 以下の如き炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独
重合体または共重合体を挙げることができる。 (1)エチレン単独重合体 (製法は、低圧法、高圧法のいずれでもよい) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレート等のビニルモ
ノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独共重合体 (9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下の他
のα−オレフィンとのランダム共重合体 (10)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
が10〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリエ
チレン (11)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
が10〜40dl/gの範囲内にある超高分子量ポリエ
チレン15〜40重量%と、135℃デカリン中で測定
した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの範囲内にあ
るポリエチレン60〜85重量%とからなり、135℃
デカリン中で測定した極限粘度[η]が3.5〜8.3d
l/gの範囲内にある超高分子量ポリエチレン組成物 上記のα−オレフィンとしては、具体的にエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
【0056】上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中で
も、プロピレン単独重合体、プロピレンと10モル%以
下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体、あるい
はプロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンと
のブロック共重合体を用いることが特に好ましい。
【0057】結晶性ポリオレフィン樹脂のメルトフロー
レート(MFR;ASTM D1238、230℃、
2.16kg荷重)は、好ましくは50g/10分以
下、さらに好ましくは20g/10分以下の範囲にあ
る。また、結晶性ポリオレフィン樹脂は、X線法により
求めた結晶化度が通常5〜100%、好ましくは20〜
80%の範囲にある。
【0058】[III’]基材形成用ポリオレフィン樹脂
発泡体 上記発泡体は、ポリエチレンまたはポリプロピレンの発
泡体が好ましく、より好ましくは架橋発泡体である。こ
のような架橋発泡体の製法としては、例えば特公昭39
−25500号公報、同40−25351号公報および
同40−25352号公報等にアジド架橋剤を用いた方
法が記載されており、この他に放射線照射法による架橋
発泡体等も知られている。また、これらの架橋発泡体は
市販もされているので、その市販品をそのまま使用する
こともできる。これらの発泡体は、本発明の積層体を自
動車用内装材として用いる場合、約10〜50倍程度の
発泡倍率であることが望ましい。
【0059】上記の結晶性ポリオレフィン樹脂およびポ
リオレフィン樹脂発泡体には、必要に応じて、鉱物油系
軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防
止剤、充填剤、着色剤、滑剤等の添加剤を、本発明の目
的を損なわない範囲で配合することができる。
【0060】積層体およびその製法 本発明の積層体は、前述した表皮層と基材層とから構成
される。基材層と表皮層との積層方法は、最終製品の形
状、大きさ、要求物性により異なり、特に限定されない
が、例えば以下のような積層方法が挙げられる。 (1)予め成形された基材層および表皮層の少なくとも
一方の層が溶融する温度以上の温度で、カレンダーロー
ル成形機、圧縮成形機等を用いて両層を熱圧融着する方
法。 (2)予めシート状に成形された基材層あるいは表皮層
を、押出成形、カレンダー成形をしている他方の層に熱
圧融着する方法。 (3)多層押出成形機で基材層と表皮層とを同時に押出
成形して熱融着する方法(共押出成形)。
【0061】積層体が自動車外装部品用途の場合、基材
層は熱可塑性エラストマー(A’)または結晶性オレフ
ィン樹脂で構成されることが好ましい。自動車外装部品
用途のとき、基材層の厚さは0.1〜50mmであるこ
とが好ましく、表皮層の厚さは5μm〜20mmである
ことが好ましい。また、積層体の厚さは0.5〜50m
mであることが好ましい。
【0062】積層体が自動車内装部品用途の場合、基材
層はポリオレフィン樹脂発泡から構成されることが好ま
しい。自動車内装部品用途のとき、表皮層の厚さは0.
1〜2mmであることが好ましく、基材層の厚さは1〜
30mmであることが好ましい。また、積層体の厚さは
1.1〜30mmであることが好ましい。なお、表皮層
の厚さは、天井材の場合、比較的薄くし、ダッシュボー
ボ、ホイルハウスカバー、各種ピラー、シート等の場
合、比較的厚くする。
【0063】また、表皮層はいずれの用途であっても、
必要に応じてエンボス加工されていてもよい。
【0064】積層体の用途 本発明の積層体は、基材層と表皮層の層間接着性が著し
く優れ、しかも機械的強度、耐熱性、耐熱老化性、耐候
性、耐傷付き性、耐摩耗性および寸法安定性、特に耐傷
付き性に優れている。また、熱可塑性エラストマー積層
体は、ポリ塩化ビニル樹脂と比較して軽量でリサイクル
が容易であり、しかも焼却しても有害なガスを発生する
ことがない。
【0065】従って、本発明の熱可塑性エラストマー積
層体は、特に耐傷付き性が要求される用途、例えば自動
車内装部品、自動車外装部品、家具、建材、家電用ハウ
ジング、靴、スーツケース、スポーツ用品、事務用品、
雑貨等の用途に有効に用いることができる。これらの中
では、特に自動車内装部品、自動車外装部品、中でも共
押出成形品に適した自動車内装品、自動車外装品に使用
することが好ましい。
【0066】自動車内装部品の具体的な例としてはイン
ストゥルメンタルパネル、ステアリングホイール、ピラ
ーガニッシュ、エアバッグカバー、ドアグラブ、コンソ
ールボックス、シフトノブ、アシストグリップ、シート
アジャスタ、ルーバーガーニッシュ、ガレージオープナ
ー、サンバイザー、バックミラーカバー、ルームミラー
カバー、カップホルダー、コインボックス、レジスト、
灰皿アッパー、ドアフレームガーニッシュ、ドアトリ
ム、アームレスト、コラムカバー、インナーパネル、ガ
レージオープナーのハウジング、ダッシュボード、ホイ
ルハウスカバ等を挙げることができる。また、自動車外
装部品の具体的な例としてはサイドモールガーニッシ
ュ、ウィンドウモール等を挙げることができる。なお、
基材としてポリオレフィン樹脂発泡体を用いるときは、
強度向上の目的で骨剤を用いることができる。骨剤それ
自体およびその使用方法は良く知らており、それらを用
いることができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例により説明す
る。
【0068】実施例1 (表皮層の熱可塑性エラストマー(A−1)成分の合
成)結晶性ポリオレフィン樹脂としてポリプロピレン
[MFR:13g/10分、X線法により求めた結晶化
度:72%]20重量部と、オレフィン系ゴムとしてエ
チレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン共重合体ゴム[エチレン含有量:78モル%、ヨウ素
価:15、ムーニー粘度(ML1+4、121℃):6
1]80重量部とこれらの混合物100重量部に対し、
ジ−tert−ブチルペルオキシド50重量%、ジビニ
ルベンゼン40重量%およびパラフィン系鉱物油10重
量%よりなる混合物0.7重量部をヘンシェルミキサー
で攪拌混合した。次いで、これらの混合物を2軸押出機
のホッパーからシリンダー内に供給するとともにパラフ
ィン系プロセスオイルが19重量部となるようにプラン
ジャーポンプを用いてシリンダー部へ直接注入しなが
ら、窒素雰囲気下210℃で押し出して熱可塑性エラス
トマー(A−1)のペレットを製造した。ゲル含量は9
0%であった。
【0069】(表皮層形成用熱可塑性エラストマー組成
物の調製)熱可塑性エラストマー(A−1)のペレット
90重量部とポリ1−ブテン樹脂(ホモポリマー、MF
R:20g/10分)10重量部のペレットをヘンシェ
ルミキサーで混合した後、再び押出機で混練し、熱可塑
性エラストマー組成物ペレットを製造した。 (積層体の調製)結晶性ポリプロピレン(P)(ホモポ
リマー、MFR:15g/10分)を230℃の温度で
シート状に押出成形するとともに、その表面に上記の熱
可塑性エラストマー組成物をシート状に共押出積層し
て、基材層の厚みが10mm、表皮層の厚みが2mmの
共押出積層体を得た。
【0070】得られた積層体について、層間接着強度と
表皮層表面の耐傷付き性を下記の方法に従って測定を行
った。結果を表1に示す。 (a)層間接着強度試験 試験方法:180度剥離試験 試験片:幅25mm、長さ100mm 引張速度:25mm/分 (b)耐傷付き性試験 積層体の表面層表面に20mm角のフェルト布を置き、
さらにその上に200g/cm2の圧力が掛かるように
重りを載せて100回表皮層表面を往復させ、その往復
操作後の表面状態をもって耐傷付き性の評価を行った。 (耐傷付き性の5段階評価) A:傷が殆ど目立たない B:傷がやや目立つ C:傷が目立つ D:傷がかなり目立つ E:表面が白化した
【0071】実施例2〜6、比較例1〜2 (表皮層形成用熱可塑性エラストマーの調製)熱可塑性
エラストマー(A−1)のペレットと前記ポリブテン−
1樹脂のペレットまたは結晶性ポリプロピレン(P)の
ペレットおよびシリコーンオイル(C)、エステル化合
物(D)、フッ素系ポリマー(E)、高級脂肪酸アミド
(F)をそれぞれ表1に示す比率でヘンシェルミキサー
で混合した後、再び押出機で混練し、熱可塑性エラスト
マー組成物ペレットを製造した。なお、上記(C)〜
(G)成分は下記のとおりである。 シリコーンオイル(C):東レシリコーン社製、SH2
00 エステル化合物(D):グリセリンモノステアレート フッ素系ポリマー(E):ポリビニリデンフルオライド
樹脂(クレハ社製、KFポリマーW−1000) 高級脂肪酸アミド(F):エルカ酸アミド
【0072】(積層体の調製)実施例1と同様にして共
押出積層体を得た。得られた積層体について、層間接着
強度と表皮層表面の耐傷付き性を実施例1と同様にして
測定した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】実施例7〜12、比較例3、4 (表皮層形成用熱可塑性エラストマーの調製)熱可塑性
エラストマー(A−1)のペレットとポリブテン1−ブ
テン樹脂のペレット、結晶性ポリプロピレン樹脂
(P)、シリコーンオイル(D)、エステル化合物
(D)、フッ素系ポリマー(E)、高級脂肪酸アミド
(F)をそれぞれ表2に示す比率でヘンシェルミキサー
で混合した後、再び押出機で混練し、表皮形成用熱可塑
性エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0075】さらに、この熱可塑性エラストマー組成物
のペレットを(株)東芝製90mmφT−ダイ押出機
(フルフライトスクリュー、L/D=26、コートハン
ガーダイ)を用いて、220℃、引き取り速度2.5m
/分でシート状に押出し、押出された溶融状態にあるシ
ート状の熱可塑性エラストマー組成物と、ポリエチレン
の架橋発泡体シート[積水化学(株)製、商品名 ソフ
トロン、発泡倍率30倍、厚さ3mm]と積層させた状
態で一対のロール間を通した。その際、熱可塑性エラス
トマーシートは、ロール温度60℃のエンボス加工ロー
ル側に、また架橋発泡体シートは加熱されていない通常
ロール側に接触させるようにし、表皮層が0.5mmの
厚さを有する積層体を製造した。
【0076】上記のようにして得た積層体とは別に、タ
ルク[松村産業(株)製、商品名ET−5]を30%充
填したポリプロピレン[プロピレン・エチレンブロック
共重合体、エチレン含量9モル%、MFR:0.5g/
10分]から成形したプラスチックダンボール(ピッチ
10mm、厚さ3mm)から自動車天井用骨材を成形す
るために、雄型および雌型のホットプレスを用い、95
℃、2kg/cm2の加熱加圧条件下で40秒間のプレ
ス成形を行い、その間に170℃に予備加熱された前記
積層体を骨材成形品上に載置し、再度プレスして両者を
熱成形一体化させ、自動車用天井材を成形した。
【0077】得られた天井材の熱可塑性エラストマー組
成物からなる表皮層の平滑な部分にフェルト布を置き、
さらにその上に200g/cm2の圧力が掛かるように
重りを載せて、天井材上を100回往復させ、その往復
操作後の表面状態をもって耐傷付き性の評価を行った。
結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、軽量でリサイクルが容
易で、しかも焼却しても有害なガスを発生しない、耐傷
付き性に優れた積層体およびこれを用いた自動車用内外
装部品が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/18 LCG C08L 23/18 LCG 23/26 LCF 23/26 LCF 83/04 LRY 83/04 LRY (C08L 23/26 23:18 27:00)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [1](1)結晶性ポリオレフィン樹脂
    (a)と架橋オレフィン系ゴム(b)とを含有する熱可
    塑性エラストマー(A)およびポリ1−ブテン樹脂
    (B)を含有し、そして(2)熱可塑性エラストマー
    (A)とポリ1−ブテン(B)との重量割合[(A)/
    (B)]が95/5〜5/95の範囲にある熱可塑性エ
    ラストマー組成物からなる表皮層と、 [II]結晶性ポリオレフィン樹脂(a’)と架橋オレフ
    ィン系ゴム(b’)とを含有する熱可塑性エラストマー
    (A’)、結晶性ポリオレフィン樹脂またはポリオレフ
    ィン樹脂発泡体から形成された基材層、とからなること
    を特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 表皮層を構成する可塑性エラストマー組
    成物が、シリコーンオイル(C)、エステル化合物
    (D)、フッ素系ポリマー(E)および高級脂肪酸アミ
    ド(F)からなる群から選択される少なくとも1種を熱
    可塑性エラストマー(A)およびポリ1−ブテン樹脂
    (B)の合計量100重量部に対して0.01〜10重
    量部含有する請求項1に記載の積層体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマー(A)中に、結晶
    性ポリオレフィン樹脂(a)が、結晶性ポリオレフィン
    樹脂(a)と架橋オレフィン系ゴム(b)との合計量1
    00重量部に対して10〜70重量部存在する請求項1
    または2に記載の積層体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマー(A)中に、スチ
    レン・ブタジエンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、ブチ
    ルゴムおよびポリイソブチレンゴムから選択される少な
    くとも1種のゴムおよび/または鉱油系軟化剤が、結晶
    性ポリオレフィン樹脂(a)と架橋オレフィン系ゴム
    (b)との合計量100重量部に対して5〜100重量
    部存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 【請求項5】 結晶性ポリオレフィン樹脂(a)が結晶
    性ポリプロピレン樹脂であり、架橋オレフィン系ゴム
    (b)がエチレン・プロピレンランダム共重合体ゴムお
    よびエチレン・プロピレン・非共役ジエンランダム共重
    合体ゴムの少なくともいずれかの架橋ゴムである請求項
    1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマー(A)が、結晶性
    ポリオレフィン樹脂(a)と架橋オレフィン系ゴム
    (b)を有機過酸化物の存在下に溶融、混練して得られ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. 【請求項7】 基材層が結晶性ポリオレフィン樹脂また
    はポリオレフィン樹脂発泡体から形成されている請求項
    1〜6のいずれかに記載の積層体。
  8. 【請求項8】 基材層の結晶性ポリオレフィン樹脂が、
    結晶性ポリプロピレン樹脂である請求項7に記載の積層
    体。
  9. 【請求項9】 基材層のポリオレフィン樹脂発泡体が、
    ポリエチレン発泡体またはポリプロピレン発泡体である
    請求項7に記載の積層体。
  10. 【請求項10】 ポリオレフィン樹脂発泡体が、架橋し
    ている請求項7または9に記載の積層体。
  11. 【請求項11】 積層体が自動車外装部品用であり、基
    材層の厚さが0.1〜50mm、表皮層の厚さが5μm
    〜20mmである請求項1〜10のいずれかに記載の積
    層体。
  12. 【請求項12】 積層体が自動車内装部品用であり、基
    材層の厚さが1〜30mmであり、表皮層の厚さが0.
    1〜2mmである請求項1〜10のいずれかに記載の積
    層体。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかの積層体か
    らなる自動車外装部品。
  14. 【請求項14】 請求項1〜10および請求項12のい
    ずれかの積層体からなる自動車内装部品。
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