JP2003094504A - 多層発泡シートの製造方法 - Google Patents

多層発泡シートの製造方法

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JP2003094504A
JP2003094504A JP2001290829A JP2001290829A JP2003094504A JP 2003094504 A JP2003094504 A JP 2003094504A JP 2001290829 A JP2001290829 A JP 2001290829A JP 2001290829 A JP2001290829 A JP 2001290829A JP 2003094504 A JP2003094504 A JP 2003094504A
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Akinobu Sakamoto
昭宣 坂本
Tatsuhiro Nagamatsu
龍弘 永松
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層Tダイ共押出法により、うろこ状の外観
不良が改良された多層発泡シートを製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 発泡層および非発泡層を有する多層発泡
シートの多層Tダイ共押出法による製造方法であって、
各層の界面におけるせん断応力が5000Pa以上、2
5000Pa以下である多層発泡シートの製造方法。前
記非発泡層の樹脂として、メルトフローレートが20〜
400g/10分の直鎖状プロピレン系樹脂を用いる該
多層発泡シートの製造方法。前記発泡層の樹脂として、
190℃におけるメルトテンション(MT)と230℃
におけるメルトフローレート(MFR)とが下式Aを満
足するプロピレン重合体を用いる該多層発泡シートの製
造方法。 MT≧7.52×MFR(-0.576) [式A]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の層構成からな
る多層発泡シートのTダイ共押出法による製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】複数の層構成からなる多層発泡シートの
製造方法としては、各層に対応する樹脂原料を複数の押
出機を用いて可塑化溶融させ、各押出機から供給される
溶融樹脂をダイ内で積層一体化させてダイ外へ押し出す
共押出法が経済的に有利である。特開平7−16971
号公報には、共押出法においてポリオレフィン系樹脂層
(A)と発泡性ポリオレフィン系樹脂層(B)の流動性
を一致させて共押出Tダイ発泡を行うことによって、各
層の幅方向の厚み分布むらが改良されることが開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような厚み分布む
らは元来、各層の溶融樹脂を積層一体化させた後、薄く
なりつつ横に広がってゆく流路を通してTダイ出口形状
となした多層溶融樹脂をTダイ外へ押出し発泡させると
いうフィードブロック方式によるTダイ共押出法におい
て、発生しがちな不良である。本発明者らは主にマルチ
マニホールド方式による多層Tダイ共押出法により多層
発泡シートを製造する方法につき検討してきたところ、
そのような大きなスケールの不良よりも、直径数cm程
度のうろこ状の模様が現れるという外観不良が問題とな
ることが分かってきた。本発明の目的は、多層Tダイ共
押出法により、うろこ状の外観不良が改良された多層発
泡シートを製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、発泡層および
非発泡層を有する多層発泡シートの多層Tダイ共押出法
による製造方法であって、各層の界面におけるせん断応
力が5000Pa以上、25000Pa以下である多層
発泡シートの製造方法にかかるものである。以下、本発
明をさらに詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における各層の界面におけ
るせん断応力(層界面のせん断応力)が高いと、各層の
界面で層構成が乱れ、うろこ状の外観不良が発生すると
考えられる。発泡層および非発泡層を有する多層発泡シ
ートを多層Tダイ共押出法で製造するに際しては、該層
界面のせん断応力としては25000Pa以下が好まし
いが、20000Pa以下がより好ましく、さらには1
8000Pa以下が好ましい。層界面のせん断応力が低
いほど、うろこ状の外観不良は低減する傾向である。な
お、層界面のせん断応力の下限値は5000Paである
が、この下限値を下回ると、生産性を損ねたり、気泡が
粗大化するなど、うろこ状の外観不良以外の悪影響が懸
念される。層界面のせん断応力は上記範囲にて低い方が
好ましいが、用途にも影響される。例えば、乱れが発生
しやすい界面に接する両層に顔料等を添加した用途等で
あれば、層構成の乱れは隠蔽されやすく、多少の乱れは
実用上問題ないこともある。一方、高価な機能性材料を
含有する層を薄く均一に表層として積層したい場合に
は、より低いせん断応力にすることが好ましい。
【0006】層界面のせん断応力の求め方について以下
説明する。溶融樹脂のレオロジー特性を表現する構成方
程式としては下記数式1に示す指数則流体モデルを採用
する。 ここで、各層の溶融樹脂に特有の定数Kおよびnは、加
工温度におけるキャピラリーレオメーター測定を行い、
実施例で示している数式6および7を用いて決定する。
つぎに、各層に用いられる溶融樹脂の定数Kおよびn、
ダイ形状、各層の押出量等の加工条件を用いて、多層流
動解析を文献 J.Appl.Polym.Sci.,17,1203(1973) に基
づいて行い、層界面のせん断応力を求める。
【0007】層界面のせん断応力を低下、制御するため
の方法としては、次の4つの方法の何れか、または各方
法の組合せを用いることができる。 方法全体の押出量を下げ、ダイリップにおける圧力を
低下させる。 方法リップ開度を広くし、ダイリップにおける圧力を
低下させる。(ダイ幅は固定であるとした場合) 方法各層の押出量の比率を変更し、リップ壁面に接す
る最外層の厚みを増すなど、層界面の位置をせん断応力
の低い厚み中心部に近づける。 方法各樹脂の流動性を増す(特に最外層)。
【0008】ただし、層界面のせん断応力を低下させる
ための方法は生産性を損ないやすく、ダイ内発泡が進
み破泡による不良も発生しやすいという欠点も有する。
方法もダイ内発泡が進み破泡による不良が発生しやす
く、また厚物に限定されやすい。方法は、例えば、中
間層の発泡体に非発泡の最外層が厚く積層された多層発
泡体であり、機械物性、特に曲げ剛性が高く望まれる用
途では有効な手段である。しかし、例えば、発泡体に高
価な機能性材料を積層し、高付加価値を与える場合、機
能性材料は極力最小厚みに抑えたい。
【0009】本発明者らは層界面のせん断応力を低下さ
せるための方法〜について鋭意検討を行った結果、
生産性・発泡性・製品範囲の自由度を考慮し、また、様
々な用途・目的に対応できる方法として、方法、また
は、方法と他の方法との組合せが最も好ましいと考え
ている。方法において、流動性を増す樹脂層として
は、せん断応力の高いダイリップ壁面に接する最外層が
最も効果的で適している。厚み中心部ではせん断応力は
低いため樹脂層の流動性を増しても効果は少ないと考え
られる。
【0010】層界面のせん断応力は各層に用いられる溶
融樹脂の定数Kおよびn、ダイ形状、各層の押出量等の
加工条件によって決定されるが、せん断応力の低下方法
の樹脂の流動性を増すということは、定数K値を低く
することであり、このK値の選択・制御が生産性・発泡
性・製品範囲の自由度等を考慮した場合、もっとも有効
な方法であると考えている。また、この方法と組み合わ
せて、各層の押出量の制御(方法、方法)、ダイ形
状の制御(方法及びダイ幅)を併用することも有効で
ある。K値の制御方法としては、樹脂の重合条件の調
整、または、重合パウダーをペレットに造粒する際に有
機過酸化物を少量添加し、その添加量を調整するなど、
一般にMFRの調整に用いられる公知技術を用いること
ができる。なお、加工時の樹脂温度で調整する方法も発
泡性に悪影響をもたらさないかぎり有効である。
【0011】発泡層と非発泡層からなる複数の層構成と
しては、ダイ内で発生した気泡がせん断応力により破泡
するのを防止するために、発泡層の位置は、(ダイ壁面
から離れていて)せん断応力の低い中間層であることが
好ましい。ただし、ダイ壁面に近い層であっても、少量
の発泡剤を添加した低倍率の発泡層であればこの限りで
はない。2種3層の構成であれば非発泡層/発泡層/非
発泡層が好ましく、非発泡のリサイクル層を設けた3種
5層であれば非発泡層/リサイクル層/発泡層/リサイ
クル層/非発泡層が好ましい。これらの層構成は機械物
性も高く、表層に機能性を与えることもできるため好ま
しい構成である。
【0012】本発明の多層発泡シートはリサイクル可能
である。リサイクル方法としては、得られた多層発泡シ
ートを粉砕機にて粉砕し、必要に応じて粉砕品を押出機
にて脱気造粒、再生ペレット化し、使用する。これら粉
砕品または再生ペレットをリサイクル層用押出機に投入
し、リサイクル層用の流路構造を設けた多層ダイに導入
する。リサイクル層は非発泡層であり同様に、MFRは
20〜400g/10分が好ましく、リサイクル層と他
の層との界面におけるせん断応力は5000Pa以上、
25000Pa以下に制御される。
【0013】本発明において発泡層や非発泡層に用いら
れる樹脂としてはプロピレン系樹脂が好ましく、該プロ
ピレン系樹脂は、分岐のない無架橋の直鎖状ポリプロピ
レンを主成分とし、低密度ポリエチレンや高密度ポリエ
チレンなどのエチレン系樹脂等の他のオレフィン系樹脂
を少量、例えば40重量%までブレンドして使用しても
よい。
【0014】非発泡層に用いられる樹脂としては、MF
Rが20g/10分以上、400g/10分以下の直鎖
状プロピレン系樹脂が好ましい。より好ましくは、40
g/10分以上、400g/10分以下であり、さらに
好ましくは100g/10分以上、400g/10分以
下である。該MFRが低いと、層界面のせん断応力が高
くなりやすく、うろこ状の外観不良が発生しやすい。ま
た、該MFRが高すぎると、発泡層から非発泡層にダイ
内で拡散された発泡剤ガスが非発泡層中に保持できなく
なり、ガス抜けしやすくなったり、ダイ圧を十分に保持
できずに気泡が粗大化するなど、うろこ状の外観不良以
外の悪影響が懸念される。
【0015】なお、直鎖状プロピレン系樹脂とは、通常
のチーグラー・ナッタ型触媒を用いて、プロピレンを単
独重合させて、あるいは、結晶性を失わない程度の量の
エチレンおよび/または炭素原子数4〜12のα−オレ
フィンなどのコモノマーとプロピレンとを共重合させて
得られる重合体をいう。この直鎖状プロピレン系樹脂は
単独の樹脂であってもよいが、2種類以上の配合物でも
よく、直鎖状プロピレン系樹脂全体のMFRが所定の範
囲にあればよい。
【0016】本発明において、発泡層に用いられる樹脂
は、発泡伸長変形時に破泡しにくくするため溶融強度の
高い樹脂が好ましく、190℃におけるメルトテンショ
ン(MT)と230℃におけるメルトフローレート(M
FR)とが下式Aを満足するプロピレン重合体が好まし
い。 MT≧7.52×MFR(-0.576) [式A]
【0017】発泡層に用いられる樹脂としては、超高分
子量成分を導入した下記に示すプロピレン重合体(T)
がより好ましい。すなわち、極限粘度が5dl/g以上
の結晶性プロピレン重合体部分(A)を製造する工程お
よび極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合
体部分(B)を製造する工程を含む重合方法により得ら
れ、樹脂全体の極限粘度が3dl/g未満であり、かつ
樹脂全体に占める結晶性プロピレン重合体部分(A)の
含有量が0.05重量%以上35重量%未満であるプロ
ピレン重合体(T)である。
【0018】前記のプロピレン重合体(T)は(A)を
製造する工程および(B)を製造する工程を含む重合方
法により得られる重合体である。例えば第一段階で
(A)を重合した後、引き続いて第二段階で(A)を重
合したと同一の重合槽で(B)を重合する回分式重合法
や、2槽以上の重合槽を直列に配置し、第一段階として
(A)を重合後生成物を次の重合槽へ移送し、その重合
槽で第二段階として(B)を重合する連続式重合法等の
方法で得られる重合体である。なお、連続式重合法の場
合は、第一段階および第二段階それぞれの重合槽は1槽
でも2槽以上でもよい。
【0019】該プロピレン重合体(T)の溶融強度は高
い方が発泡体を得る上で好ましく、かかる観点から
(A)の極限粘度は5dl/g以上が好ましく、6dl
/g以上がさらに好ましく、7dl/g以上が特に好ま
しい。(A)の極限粘度は高いほど好ましく特に上限は
制限はないが、通常は15dl/g未満である。(A)
の極限粘度としてより好ましくは6〜13dl/gであ
り、特に好ましくは7〜11dl/gである。
【0020】結晶性プロピレン重合体部分(A)のプロ
ピレン重合体(T)に占める含有量は溶融強度の観点か
ら0.05重量%以上が好ましく、0.3重量%以上が
より好ましい。また伸び特性の観点から結晶性プロピレ
ン重合体部分(A)の量は発泡体を得るに十分な溶融強
度を有している限り、少ない方が好ましく、通常は35
重量%未満が好ましく、20重量%以下がより好まし
い。即ち、該プロピレン重合体(T)中の結晶性プロピ
レン重合体(A)の含有量は0.05重量%以上35重
量%未満が好ましく、より好ましくは0.3〜20重量
%である。(A)の割合は重合時に重合条件等で所定の
量に調節してもよく、溶融工程または混練工程において
(B)に相当する成分を追加して(A)の量を調節して
もよい。
【0021】流動性と加工性の観点から、(B)の極限
粘度は3dl/g未満が好ましく、さらに流動性と加工
性の観点から、プロピレン重合体(T)全体の極限粘度
も3dl/g未満であることが好ましい。プロピレン重
合体(T)全体のMFRは、5g/10分以上30g/
10分以下の範囲が好ましい。該MFRが高すぎると、
発泡に必要な溶融張力を保持できず、低すぎると加工性
への影響、具体的にはせん断による発熱、樹脂温上昇の
影響が大きい。より好ましくは、8g/10分以上25
g/10分以下の範囲が好ましい。さらに好ましくは、
10g/10分以上20g/10分以下の範囲が好まし
い。また、発泡体の外観の観点から、プロピレン重合体
(T)全体の分子量分布は15以下が好ましく、より好
ましくは5以上12以下であり、さらに好ましくは6以
上10未満である。なお本発明でいう分子量分布は、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)で評価する。
【0022】なお連続的に重合する場合、(B)の極限
粘度は(B)の製造条件を適宜設定することにより上記
範囲内とすることができる。通常は極限粘度の加成性が
成り立つとして、(A)と(B)とからなるプロピレン
重合体(T)の場合、最終的に得られたプロピレン重合
体(T)の極限粘度[η]T と(A)の極限粘度[η]
A および(A)、(B)それぞれの(T)中の含有量
(重量%)から下記数式2により(B)の極限粘度を求
める。 [η]B =([η]T ×100−[η]A ×WA )÷WB [数式2] [η]T :プロピレン重合体(T)の極限粘度(dl/
g) [η]A :結晶性プロピレン重合体部分(A)の極限粘
度(dl/g) WA :結晶性プロピレン重合体部分(A)の含有量
(重量%) WB :結晶性プロピレン重合体部分(B)の含有量
(重量%)
【0023】さらに、プロピレン重合体(T)の溶融強
度の観点から、(A)の極限粘度[η]A (dl/g)
および含有量WA (重量%)が、下記数式3を満たすこ
とがさらに好ましい。 WA ≧400×EXP(−0.6×[η]A ) [数式3] WA が上記式の範囲内であると、溶融強度の改善効果が
十分であり好ましい。
【0024】(A)および(B)は、それぞれポリプロ
ピレン結晶構造を有する結晶性プロピレン重合体部分で
あり、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと、
結晶性を失わない程度の量のエチレンおよび/またはα
−オレフィン等のコモノマーとの共重合体が好ましい。
α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ヘキセン等が
挙げられる。結晶性を失わない程度の量とはコモノマー
の種類により異なるが、例えばエチレンの場合、共重合
体中のエチレン単位の量は通常10重量%以下、1−ブ
テン等の他のα−オレフィンの場合、共重合体中のα−
オレフィン単位の量は通常30重量%以下である。
(A)と(B)とは同一組成であっても異なっていても
よい。また(A)と(B)とはブロック的に結合してい
るものがあってもよい。さらには(A)と(B)がブロ
ック的に結合したものとそれ以外の(A)および(B)
とが共存していてもよい。
【0025】また(B)は上記以外に結晶性のプロピレ
ン重合体(T)中に非晶性のエチレン・α−オレフィン
共重合体が分散している重合体も例示することができ
る。
【0026】上記プロピレン重合体(T)は、例えば、
Ti原子、Mg原子、ハロゲン原子を含有する固体触媒
を使用して製造することができ、例えば、特開平11−
228629号公報に記載の方法が挙げられる。
【0027】本発明で用いられる発泡剤は特に限定され
るものではなく、物理発泡剤として、炭酸ガス、窒素ガ
ス、空気、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジ
クロルエタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモ
ノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタンなど
が単体または併用して使用できるが、好ましくは、窒素
ガス、炭酸ガス、空気等の安全で環境にやさしい無機ガ
スであり、最も好ましくは炭酸ガスである。炭酸ガスは
ポリプロピレン系樹脂への溶解性が無機ガスの中では比
較的高い点でも好ましい。炭酸ガスは7.4MPa以
上、31℃以上で超臨界状態となり、樹脂への拡散、溶
解性に優れた状態になる。
【0028】化学発泡剤としては、重曹、重曹とクエン
酸、クエン酸ナトリウム、ステアリン酸などの有機酸と
の混合物、アゾジカルボン酸アミド、トリレンジイソシ
アネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート
などのイソシアネート化合物、アゾビスブチロニトリ
ル、バリウム・アゾジカルボキシレート、ジアゾアミノ
ベンゼン、トリヒドラジノトリアジンなどのアゾ、ジア
ゾ化合物、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド、P,
P’−オキシビス(ベンゼンスルホニル・ヒドラジ
ド)、トルエン・スルホニル・ヒドラジドなどのヒドラ
ジン誘導体、N,N’−ジニトロソ・ペンタメチレン・
テトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロ
ソ・テレフタルアミドなどのニトロソ化合物、P−トル
エン・スルホニル・セミカルバジド、4,4’オキシビ
スベンゼンスルホニルセミカルバジドなどのセミカルバ
ジド化合物の他アジ化合物やトリアゾール化合物などが
単体または併用して使用できるが、特に、重曹、クエン
酸、アゾジカルボン酸アミドが好ましい。
【0029】これら物理発泡剤や化学発泡剤は単体で使
用してもよいが、これらの併用も可能である。また、こ
れら化学発泡剤の使用において、その分解温度・速度を
調整するために発泡助剤を併用してもよい。例えば、ア
ゾジカルボン酸アミド単体では分解温度が約200℃と
高く、低温で加工したい場合には発泡助剤として酸化亜
鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素などを少量添加してもよ
い。なお、物理発泡の場合、特に気泡核剤を添加するこ
とが多いが、核剤としては、タルク、シリカ、珪藻土、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、マイカ、クレ
ー、ワラストナイト、ハイドロタルサイト、酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム、PMMA等のポリマービーズ、合成アルミノ
シリケートや上記の化学発泡剤を少量添加してもよい。
【0030】本発明においては、樹脂と発泡剤を複数の
押出機等を用いて溶融混練を行い、該押出機に接続した
多層Tダイ内で積層一体化し、大気中に共押出する。こ
の平板状の溶融シートを、ダイ直後に設置され冷却温調
された多数のロールに接触させたり、または、冷却温調
された2枚のプレート状の平板の間を接触させながら通
過させる等の公知の冷却成形方法でシートを冷却成形し
た後、ニップロールを設けた引取機で引き取って、切断
機で所定寸法に切断して多層発泡シートを製造する。
【0031】かかる押出機としては、単軸や多軸押出機
が挙げられ、また、それら複数の押出機を組み合わせた
タンデム押出機も使用可能である。発泡層に用いる押出
機としては、特に2軸押出機が好ましく、さらに、スク
リュー1回転あたりの押出量が多くて所定の押出量を低
回転で得ることができ、スクリュー回転によるせん断発
熱の少ない構造が好ましい。また、スクリュー本体に冷
却媒体を循環させ、温調してもよい。また、押出機とダ
イの間にギヤポンプを、原料供給用に定量フィーダーを
設けて、ギアポンプ入口圧力を一定に制御するため、ス
クリュー回転数や原料供給量へフィードバックする制御
システムも有効である。さらに、押出機とダイをつなぐ
アダプタには、スタティックミキサーなどを挿入して樹
脂温度均一化をはかるのも有効である。物理発泡の場
合、発泡用押出機は発泡剤を途中で圧入できる構造であ
るが、圧入位置以前には樹脂原料を十分に溶融可塑化さ
せ、圧入以降は樹脂と発泡剤を十分に混合均一化させ、
発泡に適切な樹脂温に制御できることが必要である。
【0032】多層Tダイの流路構造としては、各層の幅
方向の厚み分布を調整でき、各層がダイ先端に近いとこ
ろで合流し積層される構造(即ち、マルチマニホールド
方式)が好ましく、幅方向における各層の厚み分布を均
一にしやすく有効である。また、ダイ内で発泡層から非
発泡層に発泡剤ガスが拡散することを低減でき、非発泡
層に拡散した発泡剤ガスがガス抜けして生じる外観不良
も低減できるため、各層の合流点はダイ先端に近いほう
が好ましい。
【0033】さらに、通常、ポリプロピレン系樹脂発泡
シートの表面に施される、コロナ処理、オゾン処理や帯
電防止剤塗布などの表面処理を行うこともできる。
【0034】本発明における発泡倍率や発泡シート形状
は使用するダイ幅、リップ開度、樹脂、発泡剤、引取成
形条件等の諸条件によって異なるが特に限定されること
はなく、高倍率で層構成良好な多層発泡シートを得るこ
とができる。例えば、炭酸ガスを発泡剤として用いた2
種3層シートの場合、発泡倍率が1.1〜10倍、厚み
が1〜10mmの層構成良好な多層発泡シートを得るこ
とができる。ここで、発泡倍率とは多層発泡シート全体
の見かけの発泡倍率を指し、発泡層のみにおける発泡倍
率ではなく、厚みもシート全体の厚みを指す。
【0035】本発明で得られる多層発泡シートには、用
途に応じてシートやフィルム等の表皮材を積層貼合した
り、これら多層発泡シート、または、シートやフィルム
等の表皮材積層発泡シートに真空成形等の熱成形を施す
ことも可能である。積層用のシートやフィルム等の表皮
材としては用途に応じて公知のものを使用することがで
き、例えば、アルミニウムや鉄等の金属薄板、熱可塑性
樹脂シート、熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂加飾
シート、熱可塑性樹脂加飾フィルム、熱可塑性樹脂発泡
シート、紙、合成紙、不織布、織布、麻、ガラスウー
ル、カーペット等が挙げられる。
【0036】例えば、食品用途であれば、10〜100
μm厚みのポリプロピレン系樹脂フィルムや気体バリア
樹脂フィルムを貼合することが多い。バリア樹脂として
は、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合
体)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PVA(ポリ
ビニルアルコール)、PA(ポリアミド)などを使用す
ることができる。なお、これら気体バリア樹脂は単体ま
たは混合して使用してもよいし、単体のフィルムを2種
類以上、積層して使用してもよい。
【0037】また、自動車内装材用途であれば、不織
布、織布、麻、ガラスウール、カーペット等を貼合する
ことが多い。他に包装用途、例えば、箱の仕切り板とし
て使用する場合には、内容物保護のため、高倍率発泡シ
ートのような緩衝シートを貼合してもよい。
【0038】表皮材の貼合方法は特に限定されることは
なく、例えば、接着剤を発泡シート表面に塗布して貼
合する方法、接着樹脂フィルムがラミネートされたシ
ートやフィルムを用い、その接着樹脂フィルム面を加熱
溶融させて発泡体と貼合する方法、接着剤や接着樹脂
フィルムを使用せず、ヒーターや熱風などを用いて直接
互いの表面を溶融させて貼合する方法、溶融樹脂を表
皮材と発泡シートの間に押出しラミネートして貼合する
方法等が挙げられる。
【0039】熱成形としては、真空成形や熱罫線加工が
挙げられるが、特に限定されることはない。本発明の発
泡シートは層構成や厚み分布良好で、気泡微細であるた
め、熱成形性に優れている。
【0040】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその主旨を損なわない限り、これ
らの例に何ら限定されるものではない。なお、実施例お
よび比較例で用いた評価方法について以下に示す。
【0041】(1)重合体の極限粘度 ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測
定を行った。なお、結晶性プロピレン重合体部分(B)
の極限粘度は結晶性プロピレン重合体部分(A)および
全体のプロピレン重合体(T)の極限粘度より明細書中
に記載の計算式より求めた。
【0042】(2)分子量分布 G.P.C.(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ)により、下記条件で測定した。なお分子量分布は重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)で評価した。 機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製) カラム:Shodex M/S 80 測定温度:145℃ 溶媒:オルトジクロロベンゼン サンプル濃度:5mg/8mL 検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。この条件
で測定された標準ポリスチレン(NBS706:Mw/
Mn=2.0)のMw/Mnは1.9〜2.0であっ
た。
【0043】(3)MFR JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.
16kgfで測定した。
【0044】(4)メルトテンション(MT) 東洋精機社製メルトテンションテスターMT−501D
3型を用いて、サンプル量5g、余熱温度190℃、余
熱時間5分間、押出速度5.7mm/分で、長さ8m
m、直径2mmのオリフィスからストランドを押し出
し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻
取速度100rpmで巻き取ったときの張力を、メルト
テンション(MT)として測定した(単位=g)。
【0045】(5)定数K、n、および層界面のせん断
応力の算出方法 各層に用いられる樹脂について、東洋精機社製キャピラ
リーレオメーターCAPIROGRAPH 1Bを用いて定数K、nを
求めた。内径0.955cmのバレルおよび、長さ4c
m、内径0.1cmのオリフィスを用いて、加工温度と
同一の温度で0.2、0.5、1、2、5、10、2
0、または50cm/分の各ピストン速度にて樹脂を押
出し、樹脂圧力P(Pa)を測定した。その樹脂圧力P
(Pa)および吐出量Q(cc/s)を両対数プロット
し、直線回帰を行い、下記数式4を用いてNおよびηを
算出し、数式6、7にてK、nを求めた。 log(P)=log(2L/r(N+3)/N)+(1/N)log((N+3) η/π)+(1/N)log(Q) [数式4] なお、上記数式4において、Lはオリフィスの長さ(4
cm)であり、rはオリフィス内径の半径(0.05c
m)であり、Qは下記数式5で求められる。 Q=πR2V [数式5] 上記数式5において、Rはバレル内径の半径(0.47
75cm)であり、Vはピストン速度を単位cm/sに
換算した値である。 K=η1/N [数式6] n=1/N [数式7] つぎに、これら各層の定数K、n、ダイ形状、各層の押
出量等の加工条件を用いて、多層流動解析を文献 J.App
l.Polym.Sci.,17,1203(1973) に基づいて行い、層界面
のせん断応力を計算した。
【0046】(6)発泡倍率 JIS K7112に準拠し、水中置換法による測定方
法を使用し発泡体の密度ρfを求めた。発泡倍率は未発
泡の熱可塑性樹脂の密度ρsをρfで割ったものであ
る。実施例ではポリプロピレン系樹脂を使用している
が、ρs=0.9g/ccとして発泡倍率を算出した。
【0047】(7)発泡体外観 うろこ状外観不良は目視判定で○×とした。○は不良無
し、または、実用上問題なし、×は顕著に発生、また
は、実用上問題ありとした。
【0048】[参考例1](ポリプロピレン系樹脂PP
1の製造) [1](固体触媒成分の合成) 攪拌機付きの200リットルSUS製反応容器を窒素で
置換した後、ヘキサン80リットル、テトラブトキシチ
タン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モル、
およびテトラエトキシシラン98.9モルを投入し均一
溶液とした。次に濃度2.1モル/リットルのブチルマ
グネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51リ
ットルを、反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間
かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間
攪拌した後室温で固液分離体ルエン70リットルでの洗
浄を3回繰り返した。次いで、スラリー濃度が0.6K
g/リットルになるようにトルエンを加えた後、n−ブ
チルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モルの混
合液を加え、さらにフタル酸クロライドを20.8モル
加えて110℃で3時間反応を行った。反応終了後、9
5℃でトルエンでの洗浄を2回行った。次いで、スラリ
ー濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、フタル酸
ジイソブチル3.13モル、n−ブチルエーテル8.9
モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で
1時間反応を行った。反応終了後同温度で固液分離した
後、95℃でトルエン90リットルでの洗浄を2回行っ
た。次いで、スラリー濃度を0.6Kg/リットルに調
整した後、n−ブチルエーテル8.9モルおよび四塩化
チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行っ
た。反応終了後、同温度で固液分離し同温度でトルエン
90リットルでの洗浄を3回行った。次いで、スラリー
濃度を0.6Kg/リットルに調整した後、n−ブチル
エーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加
え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度
で固液分離し同温度でトルエン90リットルでの洗浄を
3回行った後、さらにヘキサン90リットルでの洗浄を
3回した後減圧乾燥して固体触媒成分11.0Kgを得
た。固体触媒成分はチタン原子1.9重量%、マグネシ
ウム原子20重量%、フタル酸エステル8.6重量%、
エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基0.21重量%
を含有し、微粉のない良好な粒子性状を有していた。
【0049】[2](固体触媒成分の予備活性化) 内容積3リットルのSUS製、攪拌機付きオートクレー
ブに十分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5リッ
トル、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−
ブチル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモ
ル、上記[1]で得られた固体触媒成分15gを添加
し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレン15
gを30分かけて連続的に供給して予備活性化を行っ
た。
【0050】[3](結晶性プロピレン重合体部分
(A)の重合) SUS製の内容積300リットルの重合槽において、重
合温度60℃、重合圧力27kg/cm2 Gを保持する
ように液状プロピレンを57kg/hで供給しながら、
トリエチルアルミニウム1.3ミリモル/h、t−ブチ
ル−n−プロピルジメトキシシラン0.13ミリモル/
hおよび予備活性化された固体触媒成分0.51g/h
を連続的に供給し、水素の実質的非存在下でプロピレン
重合を行い、2.0kg/hの重合体が得られた。この
時の重合体生成量は触媒1g当たり3920gであり、
その一部をサンプリングして分析した結果、極限粘度は
7.7dl/gであった。得られた重合体はそのまま第
二槽目に連続的に移送した。
【0051】[4](結晶性プロピレン重合体部分
(B)の重合) 内容積1m3 の攪拌機付き流動床反応器において、重合
温度80℃、重合圧力18Kg/cm2 G、気相部の水
素濃度8vol%を保持するようにプロピレンおよび水
素を供給しながら、第一槽目より移送された触媒含有重
合体およびトリエチルアルミニウム60ミリモル/h、
t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン6ミリモル
/hを供給しながらプロピレン重合を連続的に継続する
ことにより18.2kg/hの重合体が得られた。この
重合体の極限粘度は1.9dl/gであった。以上の結
果から(B)の重合時の重合体生成量は触媒1gあたり
31760gであり、第一槽目と第二槽目の重合重量比
は11:89であり、(B)の極限粘度は1.2dl/
gと求められた。
【0052】[5](重合体のペレット化) この重合体粉末100重量部に対して、ステアリン酸カ
ルシウム0.1重量部、商品名イルガノックス1010
(チバガイギー社製)0.05重量部、商品名スミライ
ザーBHT(住友化学工業社製)0.2重量部を加えて
混合し、230℃で溶融混練し、メルトフローレート
(MFR)が12g/10分、分子量分布(Mw/M
n)が8.0のペレット(ポリプロピレン系樹脂PP
1)を得た。このペレットのメルトテンション(MT)
を測定したところ、4.7gであり、[式A]の右辺
7.52×MFR(-0.576)は1.80となり、[式A]
を満足していた。
【0053】[実施例1](押出発泡試験) 下記に示す方法にて芯層に発泡層を、その両面に非発泡
層を設けた2種3層のポリプロピレン系樹脂製多層発泡
シートを作成した。発泡層用押出機として先端にギアポ
ンプを設けた58mmΦ同方向回転2軸押出機(L/D
=32、Lはスクリュー有効長さ、Dはスクリュー径)
を、非発泡層用押出機として50mmΦ単軸押出機(L
/D=32)を使用し、これら押出機に1000mm幅
の多層Tダイ(リップ開度1.5mm、マルチマニホー
ルド合流方式)を接続した装置を使用した。上記参考例
1[5]で得られたポリプロピレン系樹脂PP1(MF
R=12)70重量部と低密度ポリエチレンPE1(住
友化学工業(株)製、スミカセンG201)30重量部
の配合物に対して、気泡核剤(日本ベーリンガーインゲ
ルハイム(株)製、ハイドロセロールCF40E)を
0.5PHRブレンドした原料樹脂を定量フィーダーを
経て発泡層用押出機ホッパーに投入して溶融混錬を行
い、溶融が進んだ位置(L/D=20)で液化炭酸ガス
0.5PHRをダイヤフラム式定量ポンプを用いて高圧
で注入した。原料樹脂と炭酸ガスを十分溶融混練したの
ち、175℃に冷却・調整し、吐出量100Kg/h
(37.0cc/s、但し溶融樹脂の密度を0.75g
/ccとした)でギアポンプを用いて安定して多層ダイ
に導入した。一方、ポリプロピレン系樹脂PP2(住友
化学工業(株)製、ノーブレンAZ161C(MFR=
30))を定量フィーダーを経て非発泡層用押出機ホッ
パーに投入して溶融混錬を行い、185℃に冷却・調整
し、吐出量30Kg/h(11.1cc/s、但し溶融
体の密度を0.75g/ccとした)で多層ダイに導入
した。多層ダイから押出した平板状発泡シートを、直後
に設置され、また約60℃に冷却温調された多数の30
0φロールにより冷却成形し、ニップロールを備えた引
取機で引取ったのち、切断機にて所定寸法に切断した。
【0054】次に、加工温度である175℃におけるキ
ャピラリーレオメーター測定を行い、定数K、nを求め
たところ、 PP1とPE1の上記配合物のKは534
0(Pa・sn)、nは0.500(−)であり、PP
2のKは2880(Pa・sn)、nは0.479
(−)であった。また、層界面のせん断応力を計算した
ところ23170(Pa)であった。得られた発泡シー
トは、発泡倍率3.0倍、厚み6.0mm、うろこ状外
観は○であり、気泡微細で良好なシートであった。
【0055】[実施例2〜5および比較例1〜2]異な
る非発泡層樹脂を使用するとともに、リップ開度を変更
して実施例1と同様に実施し、その結果を表1にまとめ
た。
【0056】
【表1】 注1)非発泡層樹脂 PP2:住友化学工業(株)製、ノーブレンAZ161
C(MFR=30) PP3:住友化学工業(株)製、ノーブレンWPX53
43(MFR=43) PP4:住友化学工業(株)製、ノーブレンU501E
1(MFR=112) PP5:住友化学工業(株)製、ノーブレンAW161
C(MFR=8) PP6:住友化学工業(株)製、ノーブレンAY161
C(MFR=15)
【0057】
【発明の効果】本発明におけるポリプロピレン系樹脂製
多層発泡シートの多層Tダイ共押出法による製造方法
は、ダイ内における層界面のせん断応力を制御し、層構
成を安定化させることによって、多様な樹脂原料や加工
条件においても層構成良好な多層発泡シートを提供する
ことができる。特に、薄物高倍率の多層発泡シートの製
造に適している。多層発泡シートはその軽量性、断熱性
等を活かして、包装、食品容器、文具、建材、自動車内
装材等に使用され、層構成を適宜選択することで、機械
物性・機能性の向上、他物品との貼合性向上等の高付加
価値化が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 B29K 23:00 105:04 105:04 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 C08L 23:10 C08L 23:10 Fターム(参考) 4F074 AA24B AA98 BA03 BA13 BA14 BA15 BA16 BA18 BA19 BA20 BA32 BA33 BA36 BA37 BA39 BA40 BA48 BA54 BA55 BA56 CA22 DA20 DA33 DA35 4F100 AK07A AK07B AK07C AR00B AR00C BA02 BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C DJ01A EH20 EJ02 EJ30 GB07 GB15 GB16 GB23 GB33 JA06A JA06B JA06C JA11A JL16D JL16E YY00A YY00B YY00C 4F207 AA11 AA50 AG01 AG03 AG20 AH26 AH48 AH55 AK06 AR17 KA01 KA11 KA17 KB26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡層および非発泡層を有する多層発泡シ
    ートの多層Tダイ共押出法による製造方法であって、各
    層の界面におけるせん断応力が5000Pa以上、25
    000Pa以下である多層発泡シートの製造方法。
  2. 【請求項2】前記非発泡層の樹脂として、メルトフロー
    レートが20〜400g/10分の直鎖状プロピレン系
    樹脂を用いる請求項1記載の多層発泡シートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記発泡層の樹脂として、190℃におけ
    るメルトテンション(MT)と230℃におけるメルト
    フローレート(MFR)とが下式Aを満足するプロピレ
    ン重合体を用いる請求項1または2記載の多層発泡シー
    トの製造方法。 MT≧7.52×MFR(-0.576) [式A]
  4. 【請求項4】前記発泡層の樹脂として、極限粘度が5d
    l/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(A)を製造
    する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロ
    ピレン重合体部分(B)を製造する工程を含む重合方法
    により得られ、樹脂全体の極限粘度が3dl/g未満で
    あり、かつ樹脂全体に占める結晶性プロピレン重合体部
    分(A)の含有量が0.05重量%以上35重量%未満
    であるプロピレン重合体(T)を用いる請求項1または
    2記載の多層発泡シートの製造方法。
  5. 【請求項5】層構成が非発泡層/発泡層/非発泡層の2
    種3層である請求項1〜4のいずれかに記載の多層発泡
    シートの製造方法。
  6. 【請求項6】層構成が非発泡層/リサイクル層/発泡層
    /リサイクル層/非発泡層の3種5層であり、前記リサ
    イクル層が請求項1〜4のいずれかに記載の多層発泡シ
    ートの粉砕品または該粉砕品を押出機にて脱気造粒した
    再生ペレットからなる非発泡のリサイクル層である請求
    項1〜4のいずれかに記載の多層発泡シートの製造方
    法。
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