JP3484840B2 - 熱可塑性エラストマー積層体を用いた逐次射出成形自動車内外装部品 - Google Patents

熱可塑性エラストマー積層体を用いた逐次射出成形自動車内外装部品

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JP3484840B2
JP3484840B2 JP25164395A JP25164395A JP3484840B2 JP 3484840 B2 JP3484840 B2 JP 3484840B2 JP 25164395 A JP25164395 A JP 25164395A JP 25164395 A JP25164395 A JP 25164395A JP 3484840 B2 JP3484840 B2 JP 3484840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内外装部品
に関する。さらに詳しくは、耐傷付性に優れ、表皮層と
基材層の逐次射出成形により得られる自動車内外装部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系材料は、軽量でリサイクル
が容易であることから、省エネルギー省資源タイプの材
料として自動車部品等に広く使用されている。また近
年、地球環境保護の観点から、焼却時に有害なガスの出
ないオレフィン系材料が多く使われるようになってきて
いる。
【0003】しかし、従来のオレフィン系材料は、塩化
ビニル樹脂に比べて耐傷付性が劣るという欠点があり、
自動車部品等に用いる場合には、スプレー塗装やナイフ
コーターなどにより傷が付かないように表面加工する方
法もとられているが、製造工程が煩雑になり、またコス
トがかかるという問題点もあり、改良が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術に伴う問題点を解決するものであって、オレフ
ィン系組成物を材料とし、耐傷付性に優れ、軽量で、リ
サイクルが容易で、かつ焼却しても有害なガスを発生し
ない自動車内外装部品を低コストでしかも容易に提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の逐次射出成形自
動車内外装部品は、表皮層と基材層を逐次射出成形する
ことによりより得られる
【0006】本発明に係る表皮層を形成するオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物〔I〕としては、次のオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物があげられる。 〔I〕(A)結晶性ポリオレフィン樹脂20〜85重量
部、 (B)(a)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
クと、 (b)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
ソプレン単位含有量が40%以上である重合体または共
重合体ブロックとからなる水素添加されていてもよいブ
ロック共重合体15〜80重量部、 (C)(c)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
クと、 (d)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
ソプレン単位含有量が30%以下である重合体または共
重合体ブロック(d1)、またはブタジエン重合体ブロ
ック(d2)とからなる水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(C)0〜30重量部、 (D)オレフィン系ゴム0〜40重量部、 (E)軟化剤0〜40重量部、 (F)充填剤0〜40重量部、 (G)シリコーンオイル(G1)、脂肪族アルコールと
ジカルボン酸あるいは脂肪酸とのエステル(G2)、お
よびフッ素系ポリマー(G3)からなる群から選ばれる
少なくとも1種の成分0〜10重量部、および (H)高級脂肪酸アミド0〜10重量部〔成分(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)および(F)の合計量
は100重量部である〕を含む熱可塑性エラストマー組
成物であって、前記成分(G)および(H)からなる群
から選ばれる少なくとも1種の成分を含み、かつ成分
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)
の合計量に対する成分(A)、(B)、(C)および
(D)の合計量の比率が100〜40重量%であるオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物。上記のような本
発明に係る表皮層を構成する第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕は、全く架橋されていなくてもよいし、
架橋されていてもよい。
【0007】
【0008】また、本発明に係る表皮層を形成するオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物〔III〕として
は、次のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物があ
げられる。 〔III〕 (J)結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィ
ン系ゴムとを含有してなる部分的ないし完全に架橋され
た熱可塑性エラストマー10〜80重量部、 (B)(a)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
クと、 (b)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
ソプレン単位含有量が40%以上である重合体または共
重合体ブロックとからなる水素添加されていてもよいブ
ロック共重合体20〜90重量部、 (A)結晶性ポリオレフィン樹脂0〜50重量部、 (C)(c)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
クと、 (d)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
ソプレン単位含有量が30%以下である重合体または共
重合体ブロック(d1)、またはブタジエン重合体ブロ
ック(d2)とからなる水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(C)0〜30重量部、 (D)オレフィン系ゴム0〜40重量部、 (E)軟化剤0〜40重量部、 (F)充填剤0〜40重量部、 (G)シリコーンオイル(G1)、脂肪族アルコールと
ジカルボン酸あるいは脂肪酸とのエステル(G2)、お
よびフッ素系ポリマー(G3)からなる群から選ばれる
少なくとも1種の成分0〜10重量部、および (H)高級脂肪酸アミド0〜10重量部〔成分(A)、
(B)、(C)、(D)、(E)、(F)および(J)
の合計量は100重量部である〕を含む熱可塑性エラス
トマー組成物であって、前記成分(G)および(H)か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含み、か
つ成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)および(J)の合計量に対する成分(A)、
(B)、(C)、(D)および(J)の合計量の比率が
100〜40重量%であるオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物。また、基材層はポリプロピレン樹脂、ま
たは無機フィラーを含有するポリプロピレン樹脂組成物
からなる。
【0009】《結晶性ポリオレフィン樹脂(A)》本発
明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、炭
素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体または
共重合体があげられる。結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)の具体的な例としては、以下のような重合体また
は共重合体があげられる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでもよい) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体 (9)4−メチル−1−ペンテンと20モル%以下の他
のα−オレフィンとのランダム共重合体
【0010】上記のα−オレフィンとしては、具体的に
はエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげら
れる。上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中では、プロ
ピレン単独重合体、およびプロピレン含量が50モル%
以上のプロピレン・α−オレフィン共重合体が特に好ま
しい。上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は
単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
【0011】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、メル
トフローレート(MFR;ASTMD 1238、23
0℃、2.16kg荷重、以下同じ)が好ましくは0.
01〜100g/10分、さらに好ましくは0.3〜7
0g/10分の範囲にある。また、結晶性ポリオレフィ
ン樹脂(A)は、X線法により求めた結晶化度が通常5
〜100%、好ましくは20〜80%の範囲にある。
【0012】本発明に係る表皮層を構成する第1の熱可
塑性エラストマー組成物〔I〕においては、結晶性ポリ
オレフィン樹脂(A)は、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)、ブロック共重合体
(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤(E)および
充填剤(F)の合計量100重量部に対して20〜85
重量部、好ましくは30〜75重量部、さらに好ましく
は35〜70重量部の割合で用いられる。ただし、上記
成分(C)、(D)、(E)および(F)は任意成分で
あるので、これらの成分は0重量部となる場合がある。
【0013】また、本発明に係る表皮層を構成する第2
の熱可塑性エラストマー組成物〔III〕においては、結
晶性ポリオレフィン樹脂(A)は、熱可塑性エラストマ
ー(J)、ブロック共重合体(B)、結晶性ポリオレフ
ィン樹脂(A)、ブロック共重合体(C)、オレフィン
系ゴム(D)、軟化剤(E)および充填剤(F)の合計
量100重量部に対して0〜50重量部、好ましくは5
〜40重量部、さらに好ましくは10〜40重量部の割
合で用いられる。ただし、上記成分(A)、(C)、
(D)、(E)および(F)は任意成分であるので、こ
れらの成分は0重量部となる場合がある。
【0014】結晶性ポリオレフィン樹脂(A)を上記の
ような割合で用いると、耐傷付性に優れるとともに、耐
熱性に優れた成形体を提供し得る成形性に優れた熱可塑
性エラストマー組成物〔I〕、〔III〕が得られる。
【0015】《ブロック共重合体(B)》本発明で用い
られるブロック共重合体(B)は、スチレンまたはその
誘導体の重合体ブロック(a)と、特定のイソプレン重
合体または特定のイソプレン・ブタジエン共重合体から
なるブロック(b)とからなり、水素添加されていても
よい。
【0016】上記ブロック(a)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体としては、具体的にはα−メチルスチレン、1−ビニ
ルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−メチルスチ
レン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチ
レン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジ
ルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどがあ
げられる。ブロック(a)を構成する重合体成分として
は、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0017】上記ブロック(b)を構成する重合体また
は共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・ブ
タジエン共重合体であって、下記式に示すイソプレン単
位全体に対する1,2−位および3,4−位で結合して
いるイソプレン単位含有量が40%以上、好ましくは4
5%以上である。
【0018】
【化1】
【0019】本発明において、全イソプレン単位に対す
る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
ン単位含有量が40%以上であるとき、耐傷付性に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕を得ることができる。
【0020】ブロック共重合体(B)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(a)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(b)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さ
らに好ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0021】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(B)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(B)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕が得られる。
【0022】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)のメルトフローレート(MFR;ASTM D
1238、230℃、2.16kg荷重、以下同じ)
は、好ましくは0.01〜30g/10分、さらに好ま
しくは0.01〜10g/10分の範囲にある。メルト
フローレートが上記のような範囲にあるブロック共重合
体(B)を用いると、耐傷付性に優れた成形体を提供し
得る熱可塑性エラストマー組成物〔I〕、〔III〕が得
られる。
【0023】本発明で用いられるブロック共重合体
(B)の形態としては、ブロック(a)−ブロック
(b)−ブロック(a)の形態が最も好ましいが、これ
に限られるものではない。
【0024】このようなブロック共重合体(B)は、た
とえば以下のような方法により製造することができる。 (1)アルキルリチウム化合物を開始剤としてスチレン
またはその誘導体、イソプレンまたはイソプレン・ブタ
ジエン混合物を逐次重合させる方法。 (2)スチレンまたはその誘導体、次いでイソプレンま
たはイソプレン・ブタジエン混合物を重合し、これをカ
ップリング剤によりカップリングする方法。 (3)ジリチウム化合物を開始剤としてイソプレンまた
はイソプレン・ブタジエン混合物、次いでスチレンまた
はその誘導体を逐次重合させる方法。 上記ブロック共重合体(B)の製造方法の詳細は、たと
えば特開平2−300250号公報に記載されている。
【0025】また、上記のような方法により得られたブ
ロック共重合体(B)に水添処理を行えば、水素添加さ
れたブロック共重合体(B)が得られる。水添されるブ
ロックは、イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン
・ブタジエン共重合体ブロック(b)である。
【0026】本発明で用いられる第1の熱可塑性エラス
トマー組成物〔I〕においては、ブロック共重合体
(B)は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック
共重合体(B)、ブロック共重合体(C)、オレフィン
系ゴム(D)、軟化剤(E)および充填剤(F)の合計
量100重量部に対して15〜80重量部、好ましくは
25〜70重量部、さらに好ましくは30〜65重量部
の割合で用いられる。ただし、上記成分(C)、
(D)、(E)および(F)は、任意成分であるので、
これらの成分は0重量部となる場合がある。
【0027】また、本発明で用いられる第2の熱可塑性
エラストマー組成物〔III〕においては、ブロック共重
合体(B)は、熱可塑性エラストマー(J)、ブロック
共重合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブ
ロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化
剤(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対
して20〜90重量部、好ましくは20〜70重量部、
さらに好ましくは25〜65重量部の割合で用いられ
る。ただし、上記成分(A)、(C)、(D)、(E)
および(F)は任意成分であるので、これらの成分は0
重量部となる場合がある。
【0028】ブロック共重合体(B)を上記のような割
合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付性に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕が得られる。
【0029】《ブロック共重合体(C)》 本発明において用いられるブロック共重合体(C)は、
スチレンまたはその誘導体の重合体ブロック(c)と、
特定のイソプレン重合体または特定のイソプレン・ブタ
ジエン共重合体からなるブロック(d1)、あるいはブ
タジエン重合体ブロック(d2)とからなり、水素添加
されていてもよい。
【0030】上記ブロック(c)を構成する重合体成分
は、スチレンまたはその誘導体である。スチレンの誘導
体の具体例としては、上記ブロック共重合体(B)の項
で例示した化合物と同じ化合物があげられる。ブロック
(c)を構成する重合体成分としては、スチレン、α−
メチルスチレンが好ましい。
【0031】上記ブロック(d1)を構成する重合体ま
たは共重合体は、イソプレン重合体またはイソプレン・
ブタジエン共重合体であって、全イソプレン単位に対す
る1,2−位および3,4−位で結合しているイソプレ
ン単位含有量が30%以下、好ましくは25%以下であ
る。本発明において、全イソプレン単位に対する1,2
−位および3,4−位で結合しているイソプレン単位含
有量が30%以下であるとき、良好な外観を有する成形
体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔I〕、
〔III〕を得ることができる。
【0032】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)は、ブロック(c)とブロック(d1)とからな
っていてもよいし、またブロック(c)とブタジエン重
合体からなるブロック(d2)とからなっていてもよ
い。
【0033】ブロック共重合体(C)におけるスチレン
またはその誘導体の重合体ブロック(c)の割合は、好
ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜45
重量%の範囲である。すなわち、上記のイソプレン重合
体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共重合体ブロ
ック(d1)、またはブタジエン重合体ブロック(d
2)の割合は、好ましくは95〜50重量%、さらに好
ましくは90〜55重量%の範囲である。
【0034】本発明においては、水素添加されたブロッ
ク共重合体(C)が好ましい。水素添加されたブロック
共重合体(C)を用いると、耐候性と耐熱性により優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕が得られる。
【0035】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)のメルトフローレート(MFR;ASTM D
1238、230℃、2.16kg荷重)は、好ましく
は0.01〜100g/10分、さらに好ましくは0.
01〜50g/10分の範囲にある。メルトフローレー
トが上記のような範囲にあるブロック共重合体(C)を
用いると、耐傷付性に優れた成形体を提供し得る熱可塑
性エラストマー組成物〔I〕、〔III〕が得られる。
【0036】本発明で用いられるブロック共重合体
(C)のブロック形態としては、ブロック(c)−ブロ
ック(d1)または(d2)−ブロック(c)の形態が
最も好ましいが、これに限られるものではない。
【0037】このような水素添加されていてもよいブロ
ック共重合体(C)は、たとえば上述したようなブロッ
ク共重合体(B)の製造方法と同様の方法により製造す
ることができる。なお、水素添加されたブロック共重合
体(C)を調製する際に、水添されるブロックは、イソ
プレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブタジエン共
重合体ブロック(d1)、またはブタジエン重合体ブロ
ック(d2)である。
【0038】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕においては、ブロック共重合体(C)
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合
体(B)、ブロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム
(D)、軟化剤(E)および充填剤(F)の合計量10
0重量部に対して0〜30重量部、好ましくは1〜25
重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の割合で用い
られる。ただし、上記成分(C)、(D)、(E)およ
び(F)は任意成分であるので、これらの成分は0重量
部となる場合がある。
【0039】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔III〕においては、ブロック共重合体
(C)は、熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重
合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤
(E)、充填剤(F)の合計量100重量部に対して0
〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ま
しくは5〜20重量部の割合で用いられる。ただし、上
記成分(A)、(C)、(D)、(E)および(F)は
任意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場
合がある。
【0040】ブロック共重合体(C)を上記のような割
合で用いると、耐傷付性に優れるとともに、外観に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕が得られる。
【0041】《オレフィン系ゴム(D)》本発明におい
て用いられるオレフィン系ゴム(D)としては、炭素原
子数2〜20のα−オレフィン含量が50モル%以上の
無定形ランダムな弾性共重合体があげられる。また、本
発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、オ
レフィン系ゴム(D)と、オレフィン系ゴム(D)以外
のゴム、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(SB
R)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブ
チルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、ポリイソブチレ
ンゴムなどとを組合わせて用いることもできる。
【0042】上記の炭素原子数2〜20のα−オレフィ
ン含量が50モル%以上の無定形ランダムな弾性共重合
体としては、2種以上のα−オレフィンからなるα−オ
レフィン共重合体、2種以上のα−オレフィンと非共役
ジエンとからなるα−オレフィン・非共役ジエン共重合
体などがあり、具体的には以下のようなゴムなどがあげ
られる。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム 〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50〕 (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴム 〔エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10
〜50/50〕 (3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム 〔プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/1
0〜50/50〕 (4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム 〔ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜
50/50〕 上記α−オレフィンとしては、具体的にはエチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテンなどがあげられる。
【0043】上記非共役ジエンとしては、具体的にはジ
シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネンなどがあげられる。このような非共役ジエンが共
重合している上記(2)のエチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン共重合体ゴムのヨウ素価は25以下が好ま
しい。上記(1)〜(4)の共重合体ゴムのムーニー粘
度〔ML1+4(100℃)〕は10〜250であり、特
に30〜150が好ましい。
【0044】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕においては、オレフィン系ゴム(D)
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合
体(B)、ブロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム
(D)、軟化剤(E)および充填剤(F)の合計量10
0重量部に対して0〜40重量部、好ましくは1〜35
重量部、さらに好ましくは5〜30重量部の割合で用い
られる。ただし、上記成分(C)、(D)、(E)およ
び(F)は任意成分であるので、これらの成分は0重量
部となる場合がある。
【0045】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔III〕においては、オレフィン系ゴム
(D)は、熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重
合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤
(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対し
て0〜40重量部、好ましくは1〜35重量部、さらに
好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。ただ
し、上記成分(A)、(C)、(D)、(E)および
(F)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。
【0046】オレフィン系ゴム(D)を上記のような割
合で用いると、耐傷付性に優れるとともに柔軟性に優れ
た成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕が得られる。
【0047】《軟化剤(E)》本発明において用いられ
る軟化剤(E)としては、通常ゴムに使用される軟化剤
が適当であり、具体的にはプロセスオイル、潤滑油、パ
ラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス、石油アスファルト、ワセリン等
の石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等の
コールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆
油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバ
ロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、12−水酸化ステアリン酸、モンタ
ン酸、オレイン酸、エルカ酸等の脂肪酸またはその金属
塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポ
リプロピレン等の合成高分子;ジオクチルフタレート、
ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエス
テル系可塑剤;その他マイクロクリスタリンワックス、
液状ポリブタジエンまたはその変性物あるいは水添物、
液状チオコールなどがあげられる。
【0048】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕においては、軟化剤(E)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、ブ
ロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化
剤(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対
して0〜40重量部、好ましくは1〜35重量部、さら
に好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。ただ
し、上記成分(C)、(D)、(E)および(F)は任
意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場合
がある。
【0049】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔III〕においては、軟化剤(E)は、
熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重合体
(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共
重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤(E)
および充填剤(F)の合計量100重量部に対して0〜
40重量部、好ましくは1〜35重量部、さらに好まし
くは5〜30重量部の割合で用いられる。ただし、上記
成分(A)、(C)、(D)、(E)および(F)は任
意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場合
がある。
【0050】軟化剤(E)を上記のような割合で用いる
と、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物〔I〕、〔III〕が得られる。この熱可塑性エラスト
マー組成物〔I〕、〔III〕からなる成形品は、耐傷付
性が良好である。
【0051】《充填剤(F)》本発明において用いられ
る充填剤(F)としては、通常ゴムに使用される充填剤
が適当であり、具体的には炭酸カルシウム、珪酸カルシ
ウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、けいそう
土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニ
ウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリ
ブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラ
ファイト、アルミナなどがあげられる。
【0052】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕においては、充填剤(F)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、ブ
ロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化
剤(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対
して0〜40重量部、好ましくは1〜35重量部、さら
に好ましくは1〜30重量部の割合で用いられる。ただ
し、上記成分(C)、(D)、(E)および(F)は任
意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場合
がある。
【0053】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔III〕においては、充填剤(F)は、
熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重合体
(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共
重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤(E)
および充填剤(F)の合計量100重量部に対して0〜
40重量部、好ましくは1〜35重量部、さらに好まし
くは1〜30重量部の割合で用いられる。ただし、上記
成分(A)、(C)、(D)、(E)および(F)は任
意成分であるので、これらの成分は0重量部となる場合
がある。
【0054】充填剤(F)を上記のような割合で用いる
と、成形時の流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物〔I〕、〔III〕が得られる。この熱可塑性エラスト
マー組成物〔I〕、〔III〕からなる成形品は、耐傷付
性が良好である。
【0055】《シリコーンオイル(G1)、エステル
(G2)およびフッ素系ポリマー(G3)》本発明にお
いて用いられるシリコーンオイル(G1)としては、具
体的にはジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシ
リコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、テトラメ
チルテトラフェニルトリシロキサン、変性シリコーン油
などがあげられる。中でも、ジメチルシリコーンオイ
ル、フェニルメチルシリコーンオイルが好ましく用いら
れる。
【0056】このシリコーンオイル(G1)の動粘度
〔JIS K2283、25℃〕は10〜30,000
cSt、好ましくは50〜10,000cSt、さらに
好ましくは100〜5,000cStの範囲である。
【0057】また、本発明において用いられるエステル
(G2)は、脂肪族アルコールと、ジカルボン酸または
脂肪酸とのエステルである。このようなエステル(G
2)としては、具体的にはセチルアルコールと酢酸との
エステル、セチルアルコールとプロピオン酸とのエステ
ル、セチルアルコールと酪酸とのエステル、牛脂アルコ
ールと酢酸とのエステル、牛脂アルコールとプロピオン
酸とのエステル、牛脂アルコールと酪酸とのエステル、
ステアリルアルコールと酢酸とのエステル、ステアリル
アルコールとプロピオン酸とのエステル、ステアリルア
ルコールと酪酸とのエステル、ジステアリルアルコール
とフタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グ
リセリンモノステアレート、12−水酸化ステアレー
ト、グリセリントリステアレート、トリメチロールプロ
パントリステアレート、ペンタエリスリトールテトラス
テアレート、ブチルステアレート、イソブチルステアレ
ート、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、ベ
ヘン酸エステル、カルシウムソープ含有エステル、イソ
トリデシルステアレート、セチルパルミテート、セチル
ステアレート、ステアリールステアレート、ベヘニルベ
ヘネート、モンタン酸エチレンブリコールエステル、モ
ンタン酸グリセリンエステル、モンタン酸ペンタエリス
リトールエステル、カルシウム含有モンタン酸エステル
などがあげられる。中でも、ジステアリルアルコールと
フタル酸とのエステル、グリセリンモノオレート、グリ
セリンモノステアレート、ステアリン酸エステル、モン
タン酸グリセリンエステルが好ましい。特にジステアリ
ルアルコールとフタル酸とのエステル、グリセリンモノ
ステアレート、モンタン酸グリセリンエステルが好まし
い。
【0058】さらに、本発明において用いられるフッ素
系ポリマー(G3)としては、具体的にはポリテトラフ
ルオロエチレン、ビニリデンフルオライド共重合物など
があげられ、中でもポリテトラフルオロエチレンが好ま
しい。
【0059】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕においては、上記のシリコーンオイル
(G1)、エステル(G2)およびフッ素系ポリマー
(G3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合
体(B)、ブロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム
(D)、軟化剤(E)および充填剤(F)の合計量10
0重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.01
〜5重量部の割合で用いられる。ただし、上記成分
(C)、(D)、(E)および(F)は任意成分である
ので、これらの成分は0重量部となる場合がある。
【0060】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔III〕においては、上記のシリコーン
オイル(G1)、エステル(G2)およびフッ素系ポリ
マー(G3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の
成分は、熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重合
体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック
共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤
(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対し
て、0〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の
割合で用いられる。ただし、上記成分(A)、(C)、
(D)、(E)および(F)は任意成分であるので、こ
れらの成分は0重量部となる場合がある。
【0061】上記のようなシリコーンオイル(G1)、
エステル(G2)またはフッ素系ポリマー(G3)を上
記のような割合で用いると、耐傷付性に優れた熱可塑性
エラストマー組成物〔I〕、〔III〕を得ることができ
る。
【0062】《高級脂肪酸アミド(H)》本発明におい
て用いられる高級脂肪酸アミド(H)としては、具体的
にはラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリ
ン酸アミド、ベヘミン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;
エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン酸アミ
ド、エライジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;メチ
レンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸
アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビ
スオレイン酸アミド等のビス脂肪酸アミドなどがあげら
れる。中でも、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エ
チレンビスオレイン酸アミドが好ましい。
【0063】本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマ
ー組成物〔I〕においては、高級脂肪酸アミド(H)
は、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合
体(B)、ブロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム
(D)、軟化剤(E)および充填剤(F)の合計量10
0重量部に対して0〜10重量部、好ましくは0.01
〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の割合
で用いられる。ただし、上記成分(C)、(D)、
(E)および(F)は任意成分であるので、これらの成
分は0重量部となる場合がある。
【0064】また、本発明で用いる第2の熱可塑性エラ
ストマー組成物〔III〕においては、高級脂肪酸アミド
(H)は、熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重
合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤
(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対し
て0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さら
に好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。た
だし、上記成分(A)、(C)、(D)、(E)および
(F)は任意成分であるので、これらの成分は0重量部
となる場合がある。
【0065】上記のような高級脂肪酸アミド()を上
記のような割合で用いると、表面改良効果により,耐傷
付性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
〔I〕、〔III〕が得られる。
【0066】《熱可塑性エラストマー(J)》本発明に
おいて用いられる熱可塑性エラストマー(J)は、結晶
性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴムとから構成さ
れている。上記結晶性ポリオレフィン樹脂としては、前
記結晶性ポリオレフィン樹脂(A)などを用いることが
できる。
【0067】上記結晶性ポリオレフィン樹脂の具体的な
例としては、以下のような重合体または共重合体があげ
られる。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでもよい) (2)エチレンと、10モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニル
モノマーとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1−ブテン単独重合体 (7)1−ブテンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (8)4−メチル−1−ペンテン単独重合体 (9)4−メチル−1−ペンテン単独重合体と20モル
%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
【0068】上記のα−オレフィンとしては、具体的に
はエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどがあげら
れる。上記の結晶性ポリオレフィン樹脂の中でも、プロ
ピレン単独重合体、およびプロピレン含量が50モル%
以上のプロピレン・α−オレフィン共重合体が特に好ま
しい。
【0069】上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂は
単独で、あるいは組合わせて用いることができる。本発
明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂は、メルトフ
ローレート(MFR;ASTM D 1238、230
℃、2.16kg荷重)が、好ましくは0.01〜10
0g/10分、さらに好ましくは0.3〜70g/10
分の範囲にある。
【0070】また、結晶性ポリオレフィン樹脂のX線法
により求めた結晶化度は、通常5〜100%、好ましく
は20〜80%の範囲にある。熱可塑性エラストマー
(J)を構成する結晶性ポリオレフィン樹脂は、結晶性
ポリオレフィン樹脂およびオレフィン系ゴムの合計量1
00重量部に対して10〜90重量部、好ましくは10
〜80重量部、さらに好ましくは20〜70重量部の割
合で用いられる。
【0071】結晶性ポリオレフィン樹脂を上記のような
割合で配合した熱可塑性エラストマー(J)を用いる
と、耐傷付性に優れるとともに耐熱性に優れた成形体を
提供し得る、成形性に優れた熱可塑性エラストマー組成
物〔III〕が得られる。
【0072】上記オレフィン系ゴムとしては、前述のオ
レフィン系ゴム(D)を用いることができる。オレフィ
ン系ゴムは、熱可塑性エラストマー(J)中において、
部分的に架橋された状態、または完全に架橋された状態
で存在している。本発明では、オレフィン系ゴムが部分
的に架橋された状態にあることが好ましい。
【0073】また、本発明においては、本発明の目的を
損なわない範囲で、オレフィン系ゴムとオレフィン系ゴ
ム以外のゴムとを組合わせて用いることもできる。この
ようなオレフィン系ゴム以外のゴムとしては、たとえば
スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム
(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)
等のジエン系ゴム、ポリイソブチレンゴムなどがあげら
れる。
【0074】熱可塑性エラストマー(J)においてオレ
フィン系ゴムは、結晶性ポリオレフィン樹脂およびオレ
フィン系ゴムの合計量100重量部に対して10〜90
重量部、好ましくは20〜90重量部、さらに好ましく
は30〜80重量部の割合で用いられる。
【0075】また、オレフィン系ゴムとオレフィン系ゴ
ム以外のゴムとを組合せて用いる場合には、オレフィン
系ゴム以外のゴムは、結晶性ポリオレフィン樹脂および
オレフィン系ゴムの合計量100重量部に対して40重
量部以下、好ましくは5〜20重量部の割合で用いられ
る。
【0076】オレフィン系ゴムを上記のような割合で配
合した熱可塑性エラストマー(J)、またはオレフィン
系ゴムおよびオレフィン系ゴム以外のゴムを上記のよう
な割合で配合した熱可塑性エラストマー(J)を用いる
と、耐傷付性に優れるとともに柔軟性に優れた成形体を
提供し得る熱可塑性エラストマー組成物〔III〕が得ら
れる。
【0077】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(J)には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定
剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着
色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない
範囲で配合することができる。
【0078】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(J)は、結晶性ポリプロピレン樹脂と、エチ
レン・α−オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン・α
−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムとからなり、
熱可塑性エラストマー(J)中において、これらの成分
が部分架橋された状態で存在し、かつ結晶性ポリオレフ
ィン樹脂とオレフィン系ゴムとの重量配合比(結晶性ポ
リプロピレン樹脂/オレフィン系ゴム)が70/30〜
10/90の範囲内にある。
【0079】本発明で好ましく用いられる熱可塑性エラ
ストマー(J)のより具体的な例としては、結晶性ポリ
プロピレン樹脂60〜10重量部と、オレフィン系ゴム
としてエチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム40〜90重量部
〔結晶性ポリプロピレン樹脂およびオレフィン系ゴムの
合計量は100重量部とする〕と、オレフィン系ゴム以
外のゴム5〜100重量部および/または鉱物油系軟化
剤5〜100重量部とからなり、オレフィン系ゴムが部
分的に架橋されている熱可塑性エラストマーがあげられ
る。
【0080】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(J)は、結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴ
ムとを含有するブレンド物を、有機過酸化物の存在下で
動的に熱処理することにより得ることができる。
【0081】上記有機過酸化物としては、具体的にはジ
クミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキ
ジ、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−
ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)
バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベン
ゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、
tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチル
ペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペル
オキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル
クミルペルオキシドなどがあげられる。
【0082】これらの中では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−
ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)バレレートが好ましく、中でも1,3−ビス(te
rt−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も
好ましい。
【0083】本発明においては、有機過酸化物は、結晶
性ポリオレフィン樹脂およびオレフィン系ゴムの合計量
100重量%に対して0.05〜3重量%、好ましくは
0.1〜2重量%の割合で用いられる。
【0084】本発明においては、上記有機過酸化物によ
る部分架橋処理に際し、硫黄、p−キノンジオキシム、
p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル
−N−4−ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジ
フェニルグアニジン、トリメチロールプロパン−N,
N′−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ
架橋用助剤;あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシ
アヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、アリルメタクリレート等の多官能性
メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルス
テアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合する
ことができる。
【0085】上記のような化合物を用いることにより、
均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明に
おいては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニル
ベンゼンは取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分で
ある結晶性ポリオレフィン樹脂およびオレフィン系ゴム
との相溶性が良好であり、かつ有機過酸化物を可溶化す
る作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、
熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバラ
ンスのとれた熱可塑性エラストマー(J)が得られる。
【0086】本発明においては、上記のような架橋助剤
もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理
物全体に対して0.1〜3重量%、特に0.3〜2重量
%の割合で用いるのが好ましい。架橋助剤もしくは多官
能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にあると、得
られる熱可塑性エラストマー(J)は、架橋助剤および
多官能性ビニルモノマーがエラストマー中に未反応のモ
ノマーとして残存することがないため、加工成形の際に
熱履歴による物性の変化が生じることがなく、しかも流
動性に優れている。
【0087】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。動的な
熱処理は、ミキシングロール、インテンシブミキサー
(たとえばバンバリーミキサー、ニーダー)、一軸また
は二軸押出機などの混練装置を用いて行われるが、非開
放型の混練装置中で行うことが好ましい。また、動的な
熱処理は、窒素等の不活性ガス中で行うことが好まし
い。
【0088】また、混練は、使用する有機ペルオキシド
の半減期が1分未満となる温度で行うのが望ましい。混
練温度は、通常150〜280℃、好ましくは170〜
240℃であり、混練時間は1〜20分間、好ましくは
1〜5分間である。また、混練の際に加えられる剪断力
は、通常、剪断速度で10〜104sec-1、好ましく
は102〜104sec-1の範囲内で決定される。
【0089】上記のようにしてオレフィン系ゴムが部分
的に、または完全に架橋された熱可塑性エラストマー
(J)を得ることができる。ここに、「部分的に架橋さ
れた」とは、下記の方法で測定したゲル含量(シクロヘ
キサン不溶解分)が、たとえば10%以上、特に20%
以上98%未満である場合をいう。本発明においては、
ゲル含量が30%以上であることが好ましい。また、
「完全に架橋された」とは、下記の方法で測定したゲル
含量(シクロヘキサン不溶解分)が98%以上100%
である場合をいう。上記範囲にある熱可塑性エラストマ
ー(J)を用いると、得られる熱可塑性エラストマー組
成物〔III〕は成形時の流動性が良好であり、機械強度
および耐熱性に優れた成形体を提供することができる。
【0090】〔ゲル含量(シクロヘキサン不溶解分)の
測定法〕熱可塑性エラストマー(J)の試料を約100
mg秤量して0.5mm×0.5mm×0.5mmの細
片に裁断した後、得られた細片を密閉容器中にて30m
lのシクロヘキサンに23℃で48時間浸漬する。次
に、この試料を濾紙上に取り出し、室温にて72時間以
上恒量になるまで乾燥する。この乾燥残渣の重量からポ
リマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フ
ィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、「補正
された最終重量(Y)」とする。
【0091】一方、試料の重量からポリマー成分以外の
シクロヘキサン可溶性成分(たとえば軟化剤)の重量お
よびポリマー成分以外のシクロヘキサン不溶性成分(繊
維状フィラー、充填剤、顔料等)の重量を減じた値を、
「補正された初期重量(X)」とする。ここに、ゲル含
量(シクロヘキサン不溶解分)は、次式により求められ
る。
【数1】ゲル含量〔重量%〕=〔補正された最終重量
(Y)〕÷〔補正された初期重量(X)〕×100
【0092】本発明においては、熱可塑性エラストマー
(J)は、熱可塑性エラストマー(J)、ブロック共重
合体(B)、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤
(E)および充填剤(F)の合計量100重量部に対し
て10〜80重量部、好ましくは30〜80重量部、さ
らに好ましくは35〜75重量部の割合で用いられる。
ただし、上記成分(A)、(C)、(D)、(E)およ
び(F)は任意成分であるので、これらの成分は0重量
部となる場合がある。
【0093】熱可塑性エラストマー(J)を上記のよう
な割合で用いると、耐熱性に優れるとともに耐傷付性に
優れた成形体を提供し得る熱可塑性エラストマー組成物
〔III〕が得られる。
【0094】《その他の成分》本発明においては、熱可
塑性エラストマー組成物中〔I〕、〔III〕に、本発明
の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、公知の耐熱
安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属セ
ッケン、ワックス等の滑剤などの添加剤を添加すること
ができる。
【0095】公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定
剤としては、フェノール系、サルファイト系、フェニル
アルカン系、フォスファイト系、アミン系安定剤などが
あげられる。
【0096】《熱可塑性エラストマー組成物〔I〕、
〔III〕》本発明で用いる第1の熱可塑性エラストマー
組成物〔I〕においては、結晶性ポリオレフィン樹脂
(A)、ブロック共重合体(B)、ブロック共重合体
(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤(E)および
充填剤(F)の合計量に対する重合体成分、すなわち結
晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(B)、ブロック共重合体(C)およびオレフィン系ゴ
ム(D)の合計量の比率は100〜40重量%、好まし
くは100〜50重量%である。
【0097】また、本発明で用いる第2のオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物〔III〕においては、熱可
塑性エラストマー(J)、ブロック共重合体(B)、結
晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤(E)および
充填剤(F)の合計量に対する重合体成分、すなわち熱
可塑性エラストマー(J)、ブロック共重合体(B)、
結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロック共重合体
(C)およびオレフィン系ゴム(D)の合計量の比率は
100〜40重量%、好ましくは100〜50重量%で
ある。
【0098】《オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物〔I〕、〔III〕の調製》 本発明に係る表皮層を構成する第1の熱可塑性エラスト
マー組成物〔I〕は結晶性ポリオレフィン樹脂(A)
と、ブロック共重合体(B)と、さらに必要に応じて、
ブロック共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟
化剤(E)および充填剤(F)、さらにシリコーンオイ
ル(G1)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるいは
脂肪酸とのエステル(G2)、フッ素系ポリマー(G
3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含
む(G)および高級脂肪酸アミド(H)からなる群から
選ばれる少なくとも1種の成分とを、上述した特定の割
合で配合し、有機過酸化物の不存在下あるいは存在下で
動的な熱処理を行うことにより調製することができる。
【0099】本発明で用いるオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物〔I〕における「部分的に架橋された」
および「完全に架橋された」の定義は、熱可塑性エラス
トマー(J)の説明で前述した通りである。
【0100】また、本発明で用いる第2のオレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物〔III〕は、熱可塑性エラ
ストマー(J)、ブロック共重合体(B)と、さらに必
要に応じて、結晶性ポリオレフィン樹脂(A)、ブロッ
ク共重合体(C)、オレフィン系ゴム(D)、軟化剤
(E)および充填剤(F)、さらにシリコーンオイル
(G1)、脂肪族アルコールとジカルボン酸あるいは脂
肪酸とのエステル(G2)、フッ素系ポリマー(G3)
からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含む
(G)および高級脂肪酸アミド(H)からなる群から選
ばれる少なくとも1種の成分とを、上述した特定の割合
で配合し、有機過酸化物の不存在下で動的な熱処理を行
うことにより調製することができる。
【0101】上記の動的な熱処理の方法としては、熱可
塑性エラストマー(J)の調製で上述した動的な熱処理
の方法が望ましい。
【0102】《ポリプロピレン樹脂》本発明に係る基材
層は、ポリプロピレン樹脂からなるか、または無機フィ
ラーとポリプロピレン樹脂の組成物からなる。ポリプロ
ピレン樹脂の具体的な例としては、以下のような(共)
重合体があげられる。 (1)プロピレン単独重合体 (2)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体、(3)プロピレンと30モル
%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体、
上記のα−オレフィンとしては、具体的にはエチレン、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテンなどがあげられる。その中でも、プロ
ピレンの単独重合体あるいはプロピレンを主成分とした
プロピレンとエチレンとの共重合体が特に好ましい。
【0103】ポリプロピレン樹脂には必要に応じて無機
フィラーを含有させることができる。無機フィラーの例
としては、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、
カオリン、タルク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラ
ファイト等をあげることができる。この中でも特にタル
クが好ましく用いられる。
【0104】ポリプロピレン樹脂または無機フィラーと
ポリプロピレン樹脂とからなる組成物は、1種類でもか
まわないし、2種類以上用いてもかまわない。ポリプロ
ピレン樹脂または無機フィラーとポリプロピレン樹脂と
からなる組成物のMFR(メルトフローレート;230
℃、2.16kg荷重)は、0.01〜100の範囲の
ものが好ましい。上記のポリプロピレン樹脂には、必要
に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、
耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの
添加物を本発明の目的を損なわない範囲で配合すること
ができる。
【0105】《逐次射出成形自動車内外装部品》本発明
の逐次射出成形自動車内装部品の具体的な例としては、
インストゥルメンタルパネル、ステアリングホイール、
ピラーガーニッシュ、エアバッグカバー、ドアグラブ、
コンソールボックス、シフトノブ、アシストグリップ、
シートアジャスタ、ルーバーガーニッシュ、ガレージオ
ープナー、サンバイザー、バックミラーカバー、ルーム
ミラーカバー、カップホルダー、コインボックス、レジ
スト、灰皿アッパー、ドアフレームガーニッシュ、ドア
トリム、アームレスト、コラムカバー、インナーパネ
ル、ガレージオープナーのハウジング等をあげることが
できる。
【0106】また、本発明の逐次射出成形自動車外装部
品の具体的な例としては、バンパー、バンパーコーナ
ー、フェンダー部品、マッドガード、サイドモール、ガ
ーニッシュ、エアースポイラー等をあげることができ
る。
【0107】本発明の逐次射出成形自動車内外装部品は
基材層および表皮層を逐次射出成形、例えば二色ロータ
リー成形またはインサート成形等により一体成形するこ
とにより得られる。通常は、まず基材層を成形した後、
表皮層を成形するが逆の順序でもよい。基材層と表皮層
とは後工程の射出成形により、接着剤を使用することな
しに、熱融着により接合される。この場合、基材層と表
皮層の固着性は優れ、剥離は起こらない。基材層の厚は
0.1〜50mm、表皮層の厚さは5μm〜20mmで
あるのが好ましい
【0108】
【発明の効果】本発明の逐次射出成形自動車内外装部品
は、特定の熱可塑性エラストマー組成物からなる表皮層
と、ポリプロピレン樹脂またはその組成物からなる基材
層とから構成されているので、ポリオレフィン系組成物
を材料として用いているにもかかわらず、耐傷付性に優
れている。しかも軽量で、リサイクルが容易で、焼却し
ても有害なガスは発生せず、しかも低コストで容易に製
造することができる。
【0109】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。実施例における熱可塑性エラストマー組成物の製
造に際して用いた原材料を以下に記す。
【0110】《結晶性ポリオレフィン樹脂(A)》 (A−1)プロピレンホモポリマー 1)MFR(ASTM D 1238−65T、230
℃、2.16kg荷重:20g/10分 《ブロック共重合体(B)》 (B−1)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物 1)スチレン含有量:20重量% 2)全イソプレン単位に対する1,2−位および3,4
−位で結合しているイソプレン単位含有量:55%、 3)MFR(ASTM D 1238−65T、230
℃、2.16kg荷重):2.0g/10分
【0111】《ブロック共重合体(C)》 (C−1)スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体の水素添加物 1)スチレン含有量:30重量% 2)MFR(ASTM D 1238−65T、230
℃、2.16kg荷重):2.5g/10分 《オレフィン系ゴム(D)》 (D−1)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2
−ノルボルネン共重合体ゴム 1)エチレン含有量:70モル% 2)ヨウ素価:14 3)ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕:62
【0112】《軟化剤(E)》 (E−1)鉱物油系プロセスオイル:出光興産(株)
製、PW−380(商標)《充填剤(F)》 (F−1)微粉タルク:松村産業(株)製、ET−5
(商標) 《シリコーンオイル(G)》 (G−1)シリコーンオイル:東レシリコーン社製、S
H200(商標)
【0113】《エステル(G)》 (G−2)グリセリンモノステアレート フッ素系ポリマー(G) (G−3)ポリビニリデンフルオライド樹脂:クレハ社
製、KFポリマー W−1000(商標) 《高級脂肪酸アミド(H)》 (H−1)エルカ酸アミド
【0114】《熱可塑性エラストマー(J)》 (J−1)以下の方法により製造されたオレフィン系熱
可塑性エラストマー:結晶性ポリオレフィン樹脂として
ポリプロピレン〔MFR:13g/10分、X線法によ
り求めた結晶化度:72%〕30重量部と、オレフィン
系ゴムとしてエチレン・プロピレン・5−エチリデン−
2−ノルボルネン共重合体ゴム〔エチレン含有量:70
モル%、ヨウ素価:12、ムーニー粘度(ML1+4(1
00℃):120〕70重量部とをバンバリーミキサー
を用いて、窒素雰囲気中で、180℃で5分間混練した
後、得られた混練物をロールに通してシート状にし、シ
ートカッターで裁断して角ペレットを製造した。
【0115】次いで、この角ペレット100重量部と、
1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピ
ル)ベンゼン0.3重量部と、ジビニルベンゼン0.5
重量部とをヘンシェルミキサーで攪拌混合した後、得ら
れた混合物を、L/D=30、スクリュー径50mmの
一軸押出機を用いて、窒素雰囲気中で、220℃で押出
して熱可塑性エラストマー(J−1)のペレットを製造
した。得られた熱可塑性エラストマー(J−1)のゲル
含量は86%であった。
【0116】実施例1 プロピレンホモポリマー(A−1)のペレット40重量
部と、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体(B−1)のペレット60重量部とを充分混合した
後、L/D=30、スクリュー径50mmの二軸押出機
を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出して熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造した。
【0117】次いで、このペレットおよびプロピレンホ
モポリマー〔MFR:15g/10分(230℃)〕の
ペレットから2色ロータリー射出成形物〔(株)名機製
作所製、M−700AII−VR2−2CJ、商標〕に
て逐次成形し、基材層(ポリプロピレン)と表皮層(熱
可塑性エラストマー組成物)とから構成される成形体を
得た。この成形体の基材層の厚みは3mm、表皮層の厚
みは2mmであった。得られた成形体の表皮層の耐傷付
性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0118】表皮層の平滑な部分にフェルト布を置き、
さらにその上に200g/cm2の圧力が掛かるように
重りを載せて、表皮層上を100回往復させ、その往復
操作後の表面状態をもって耐傷付性の評価を行った。 (耐傷付性の5段階評価) A:傷が殆ど目立たない B:傷がやや目立つ C:傷が目立つ D:傷がかなり目立つ E:表面が白化した
【0119】実施例2 実施例1において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量
部、50重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体の水素添加物(C−1)10重
量部を配合した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例
1と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0120】実施例3 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部と、スチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添
加物(B−1)40重量部と、エチレン・プロピレン・
5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(D−
1)10重量部と、鉱物油系プロセスオイル(E−1)
10重量部と、微粉タルク(F−1)10重量部とをバ
ンバリーミキサーを用いて、窒素雰囲気中、180℃で
5分間混練した後、得られた混練物をロールに通してシ
ート状にし、シートカッターで裁断して角ペレットを製
造した。
【0121】次いで、この角ペレットをL/D=30、
スクリュー径50mmの二軸押出機を用いて、窒素雰囲
気中、220℃で押出して熱可塑性エラストマー組成物
のペレットを製造した。さらに、この熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットから、実施例1と同様にして2層
成形体を成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0122】実施例4 実施例3において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量
部、60重量部とし、さらにシリコーンオイル(G−
1)2重量部を配合した以外は、実施例3と同様にして
熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さら
に実施例1と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性
の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0123】実施例5 実施例3において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ30重量
部、40重量部とし、さらにエチレン・プロピレン・5
−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(D−
1)10重量部、鉱物油系プロセスオイル(E−1)1
0重量部、微粉タルク(F−1)10重量部、およびグ
リセリンモノステアレート(G−2)0.5重量部を配
合した以外は、実施例3と同様にして熱可塑性エラスト
マー組成物のペレットを製造し、さらに実施例1と同様
にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0124】実施例6 実施例3において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量
部、40重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体の水素添加物(C−1)10重
量部、鉱物油系プロセスオイル(E−1)10重量部、
およびポリビニリデンフルオライド樹脂(G−3)5重
量部を配合した以外は、実施例3と同様にして熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例
1と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0125】実施例7 実施例3において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ30重量
部、30重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体の水素添加物(C−1)10重
量部、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合体ゴム(D−1)10重量部、鉱物油
系プロセスオイル(E−1)10重量部、微粉タルク
(F−1)10重量部、およびエルカ酸アミド(H−
1)3重量部を配合した以外は、実施例3と同様にして
熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造し、さら
に実施例1と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性
の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0126】実施例8 プロピレンホモポリマー(A−1)30重量部、スチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(B−1)30重量部、エチレン・プロピレン・5−
エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(D−1)
30重量部、および鉱物油系プロセスオイル(E−1)
10重量部から実施例3と同様にしてバンバリーミキサ
ーを用いて角ペレットを製造した。ついでこの角ペレッ
ト100重量部と、1,3−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシイソプロピル)ベンゼン0.3重量部と、ジビ
ニルベンゼン0.5重量部とをヘンシェルミキサーで攪
拌混合した後、L/D=30、スクリュー径50mmの
二軸押出機を用いて、窒素雰囲気中、220℃で押出し
て熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
さらに、実施例1と同様にして2層成形体を成形し、耐
傷付性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0127】実施例9 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(B−1)のペレット60重量部、オレイン酸
アミド(H−1)の粉末3重量部、および熱可塑性エラ
ストマー(J−1)のペレット40重量部から実施例1
と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを
製造し、さらに実施例1と同様にして2層成形体を成形
し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0128】実施例10 実施例3において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ0重量
部、30重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体の水素添加物(C−1)10重
量部、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合体ゴム(D−1)10重量部、鉱物油
系プロセスオイル(E−1)10重量部、微粉タルク
(F−1)10重量部、および熱可塑性エラストマー
(J−1)30重量部配合した以外は、実施例3と同様
にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造
し、さらに実施例1と同様にして2層成形体を成形し、
耐傷付性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0129】実施例11 実施例3において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ20重量
部、20重量部とし、さらにエチレン・プロピレン・5
−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(D−
1)20重量部、鉱物油系プロセスオイル(E−1)1
0重量部、および熱可塑性エラストマー(J−1)30
重量部配合した以外は、実施例3と同様にして熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例
1と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0130】比較例1 実施例1において、プロピレンホモポリマー(A−1)
およびスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体の水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ40重量
部、0重量部とし、さらにスチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体の水素添加物(C−1)60重量
部を配合した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例1
と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を行
った。その結果を表1に示す。
【0131】比較例2 実施例1において、ポリエチレン組成物(A−1)およ
びスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体の
水素添加物(B−1)の配合量をそれぞれ95重量部、
5重量部とした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性
エラストマー組成物のペレットを製造し、さらに実施例
1と同様にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を
行った。その結果を表1に示す。
【0132】比較例3 スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水
素添加物(C−1)のペレット60重量部と熱可塑性エ
ラストマー(J−1)のペレット40重量部から、実施
例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トを製造し、さらに実施例1と同様にして2層成形体を
成形し、耐傷付性の評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0133】比較例4 熱可塑性エラストマー(J−1)のペレット100重量
部から、実施例1と同様にして2層成形体を成形し、耐
傷付性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0134】比較例5 熱可塑性エラストマー(J−1)のペレット100重量
部とエルカ酸アミド(H−1)3重量部を実施例1と同
様に二軸押出機を用いて押出し、熱可塑性エラストマー
組成物のペレットを製造した。さらに、実施例1と同様
にして2層成形体を成形し、耐傷付性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0135】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 53/02 C08L 53/02 (56)参考文献 特開 平7−96581(JP,A) 特開 平7−26105(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 45/00 - 45/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔I〕(A)結晶性ポリオレフィン樹脂
    20〜85重量部(B)(a)スチレンまたはその誘導
    体の重合体ブロックと、 (b)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
    タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
    に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
    ソプレン単位含有量が40%以上である重合体または共
    重合体ブロックとからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体15〜80重量部、 (C)(c)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
    クと、 (d)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
    タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
    に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
    ソプレン単位含有量が30%以下である重合体または共
    重合体ブロック(d1)、またはブタジエン重合体ブロ
    ック(d2)とからなる水素添加されていてもよいブロ
    ック共重合体(C)0〜30重量部 (D)オレフィン系ゴム0〜40重量部、 (E)軟化剤0〜40重量部、 (F)充填剤0〜40重量部、 (G)シリコーンオイル(G1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸あるいは脂肪酸とのエステル(G2)、お
    よびフッ素系ポリマー(G3)からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の成分0〜10重量部、および (H)高級脂肪酸アミド0〜10重量部〔成分(A)、
    (B)、(C)、(D)、(E)および(F)の合計量
    は100重量部である〕を含む熱可塑性エラストマー組
    成物であって、前記成分(G)および(H)からなる群
    から選ばれる少なくとも1種の成分を含み、かつ成分
    (A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)
    の合計量に対する成分(A)、(B)、(C)および
    (D)の合計量の比率が100〜40重量%であるオレ
    フィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる表皮層、
    ならびに 〔II〕ポリプロピレン樹脂、またはポリプロピレン樹脂
    と無機フィラーとの組成物からなる基材層から構成され
    ていることを特徴とする逐次射出成形自動車内外装部
    品。
  2. 【請求項2】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物〔I〕は、全く架橋されていないことを特徴とする請
    求項1記載の逐次射出成形自動車内外装部品。
  3. 【請求項3】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物〔I〕は、架橋されていることを特徴とする請求項
    載の逐次射出成形自動車内外装部品。
  4. 【請求項4】 〔III〕(J)結晶性ポリオレフィン樹
    脂とオレフィン系ゴムとを含有してなる部分的ないし完
    全に架橋された熱可塑性エラストマー10〜80重量
    部、 (B)(a)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
    クと、 (b)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
    タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
    に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
    ソプレン単位含有量が40%以上である重合体または共
    重合体ブロックとからなる水素添加されていてもよいブ
    ロック共重合体20〜90重量部、 (A)結晶性ポリオレフィン樹脂0〜50重量部、 (C)(c)スチレンまたはその誘導体の重合体ブロッ
    クと、 (d)イソプレン重合体ブロックまたはイソプレン・ブ
    タジエン共重合体ブロックであって、全イソプレン単位
    に対する1,2−位および3,4−位で結合しているイ
    ソプレン単位含有量が30%以下である重合体または共
    重合体ブロック(d1)、またはブタジエン重合体ブロ
    ック(d2)とからなる水素添加されていてもよいブロ
    ック共重合体(C)0〜30重量部、 (D)オレフィン系ゴム0〜40重量部、 (E)軟化剤0〜40重量部、 (F)充填剤0〜40重量部、 (G)シリコーンオイル(G1)、脂肪族アルコールと
    ジカルボン酸あるいは脂肪酸とのエステル(G2)、お
    よびフッ素系ポリマー(G3)からなる群から選ばれる
    少なくとも1種の成分0〜10重量部、および (H)高級脂肪酸アミド0〜10重量部〔成分(A)、
    (B)、(C)、(D)、(E)、(F)および(J)
    の合計量は100重量部である〕を含む熱可塑性エラス
    トマー組成物であって、前記成分(G)および(H)か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含み、か
    つ成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
    (F)および(J)の合計量に対する成分(A)、
    (B)、(C)、(D)および(J)の合計量の比率が
    100〜40重量%であるオレフィン系熱可塑性エラス
    トマー組成物からなる表皮層、ならびに 〔II〕ポリプロピレン樹脂、またはポリプロピレン樹脂
    と無機フィラーとの組成物からなる基材層から構成され
    る逐次射出成形自動車内外装部品。
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