JPH09151613A - 既存コンクリート柱状体の補強構造 - Google Patents

既存コンクリート柱状体の補強構造

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JPH09151613A
JPH09151613A JP22110196A JP22110196A JPH09151613A JP H09151613 A JPH09151613 A JP H09151613A JP 22110196 A JP22110196 A JP 22110196A JP 22110196 A JP22110196 A JP 22110196A JP H09151613 A JPH09151613 A JP H09151613A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性が良好で、コンクリート柱状体の自重
が必要以上に増加したりすること無く、耐久性能や耐火
性能が優れている既存コンクリート柱状体の補強構造を
提供すること。 【解決手段】 既存コンクリート柱状体11に所定間隔
で巻いた線状体13からなる複数の剪断補強筋13と、
これらの剪断補強筋のうえから既存コンクリート柱を巻
くように設けた網状体14と、これら剪断補強筋及び網
状体のうえから既存コンクリート柱に吹き付けたモルタ
ル15とを備え、線状体には緊張力を導入しても良く、
また、モルタルの所定吹き付け厚さを規定する厚さガイ
ド12a,26を備えたモルタル厚指示治具12,22
を剪断補強筋と既存コンクリート柱との間に設けても良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存コンクリート
柱状体の補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】既存のコンクリート柱状体、すなわち既
存の橋脚やビルディング等のコンクリート柱の補強構造
には、以下の従来例がある。 鋼板補強構造:コンクリート柱の外周に鋼板を巻き、
この鋼板とコンクリート柱との間に無収縮モルタルを充
填して形成する。 RC補強構造:コンクリート柱の外周に主筋及び剪断
補強筋を設け、この外周に型枠を設置し、型枠内にコン
クリートを打設し、コンクリート硬化後に型枠を脱型し
て形成する。 繊維補強構造:コンクリート柱の外周に炭素繊維等の
補強繊維を貼着して形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の鋼板補強構造では、鋼板の重量が大きいので、揚重
機等が必要になると共に作業効率が低いという問題があ
る。またRC補強構造では、打ち増したコンクリート
によりコンクリート柱の自重が増加するため、基礎の負
荷重量が許容値よりも大きくなることがある。さらに
繊維補強構造では、長期間にわたる補強繊維の耐久性能
や耐火性能が充分に高くないという問題がある。
【0004】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであり、その目的は、作業性が良好で、コンク
リート柱状体の自重が必要以上に増加したりすること無
く、耐久性能や耐火性能が優れている既存コンクリート
柱状体の補強構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的に鑑
みてなされたものであって、その要旨は、既存コンクリ
ート柱状体に所定間隔で巻いた線状体からなる複数の剪
断補強筋と、これらの剪断補強筋のうえから既存コンク
リート柱を巻くように設けた網状体と、これら剪断補強
筋及び網状体のうえから既存コンクリート柱に吹き付け
たモルタルとを備えた既存コンクリート柱状体の補強構
造にある。
【0006】ここで、既存コンクリート柱状体に所定間
隔で巻いた前記線状体は、地震等の外力によってコンク
リートが破断した際、この破断したコンクリートをある
程度拘束して、コンクリート柱状体の変形性能を向上さ
せることができる材料であれば良く、例えば、鉄筋、鋼
線、炭素繊維からなるロープ、及び鋼線と炭素繊維とを
縒り合わせて形成したロープ等を使用することができ
る。
【0007】また剪断補強筋の配筋間隔は適宜定めるこ
とができる。例えば、モーメントが大きく作用する箇所
には間隔を狭めて配筋し、一方、作用するモーメントが
小さい箇所には比較的大きな間隔で配筋しても良い。
【0008】さらに前記網状体は、吹付モルタルの既存
コンクリート柱状体への付着力を向上させることができ
るものであれば良く、例えば、金網、炭素繊維からなる
網、ラスまたはプラスチック網を用いることができる。
【0009】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構
造において、既存コンクリート柱状体に所定間隔で巻い
た複数の剪断補強筋には緊張力を導入しても良く、これ
によってコンクリートに対する拘束力が高まり、地震等
に対する変形性能を向上するといった利点を享受するこ
とができる。
【0010】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構
造において、前記剪断補強筋と前記既存コンクリート柱
との間には、前記モルタルの所定吹き付け厚さを規定す
る厚さガイドを備えたモルタル厚指示治具を設けても良
い。ここで、モルタル厚指示治具は、長尺部材と、その
軸方向に直行するように設けた複数の突出片(厚さガイ
ド)とで形成することができる。この長尺部材として
は、例えば、平鋼、アングル鋼材、鋼棒、または鋼材以
外の樹脂材料等でこれら鋼材と同様な形状に形成した長
尺部材を用いても良い。また突出片は、その先端部また
は中間部等の何れの箇所で吹き付けモルタルの表面位置
を指示するようにしても良く、突出片の中間部で指示す
る場合にはモルタル吹き付け後にモルタル表面から突出
した部分のみを除去し、残り部分を吹き付けモルタル中
に埋設させ、一方、突出片の先端部で指示する場合に
は、突出片の先端と同じ高さ、又は突出片の先端よりも
若干高い位置に、吹付モルタルの表面を形成して突出片
全てを吹付モルタル中に埋設させる。
【0011】またモルタル厚指示治具は、上述した構成
以外に、長尺部材と、その軸方向に直行するように設け
た支持部材と、この支持部材の先端に支持されて吹き付
けモルタルの表面位置を指示する表面指示部材(厚さガ
イド)とで形成しても良い。
【0012】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構
造において、前記モルタル厚指示治具に前記剪断補強筋
の配置を規定する補強筋配置ガイドを形成し、この補強
筋配置ガイドと厚さガイドとを同一の治具に混在させ、
これにより補強筋配置指示治具とモルタル厚指示治具と
を兼用しても良い。
【0013】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構
造において、複数の剪断補強筋と、モルタル厚指示治具
と、網状体とを予め組み立てて所定寸法の補強材料組立
体に形成し、この補強材料組立体の複数を既存コンクリ
ート柱状体に設置してそれぞれを連結するようにしても
良い。この時、コンクリート柱状体を捲回する一本の剪
断補強筋は二分割又はこれ以上の複数に分割した形状で
形成し、モルタル厚指示治具は長尺部材とこれに突設さ
れた複数の突出片で形成し、前記分割された剪断補強筋
を所定間隔で前記モルタル厚指示治具に固定し、この固
定された剪断補強筋の外周に網状体を固定すれば前記補
強材料組立体は形成することができる。かような補強材
料組立体を連結する際には、分割された剪断補強筋の端
部どうしを従来の接合方法、すなわち、端部どうしをラ
ップさせて溶接したり、または、端部をカプラー内に貫
入させて接着材を充填したり、あるいはカプラーに楔を
打ち込んだりする。
【0014】
【実施例】以下に、この発明の一実施例を図を参照して
説明する。図1は本発明の既存コンクリート柱状体の補
強構造を示す斜視図である。図1において、補強構造
は、剪断補強筋13としての複数の鉄筋を既存コンクリ
ート柱11に捲回し、この剪断補強筋13のうえに金網
14を固着し、これら剪断補強筋13及び金網14を埋
設するように、吹付モルタル15を既存コンクリート柱
に吹き付けて形成する。
【0015】前記剪断補強筋13は、既存コンクリート
柱11においてモーメントが大きく作用する部位には間
隔を狭めて配筋し、作用するモーメントが小さい部位に
は比較的大きな間隔で配筋する。例えば、橋脚(図示せ
ず)の上下端部には狭い間隔でより多くの剪断補強筋1
3を配し、中間部には比較的大きな間隔で配筋する。ま
た剪断補強筋13には緊張力を導入することにより、既
設コンクリート柱に対する拘束力を強くすることもでき
る。
【0016】前記吹付モルタル15は、本願出願人によ
る特願平7−48263号に開示された吹付モルタル材
料(商品名:ショットパッチII)等を使用し、剪断補強
筋13や金網14が埋設される程度の厚さに吹き付け
る。例えば、断面寸法が90×90cm程度のコンクリー
ト柱に直径13mm程度の剪断補強筋13を捲回した場
合、吹付モルタル15はコンクリート柱表面から40mm
程度の厚さまで吹き付ける。
【0017】以上の補強構造には、施工時に吹付モルタ
ルを所定厚さに管理するため、図2に示したようなモル
タル厚指示治具12を設けても良い。すなわち、モルタ
ル厚指示治具12は、アングル鋼材12bと、このアン
グル鋼材12bの頂部に所定間隔で突設した複数の突出
片12aとを備え、突出片12aはアングル鋼材12b
の二辺に対して同角度になるように固定し、その長さは
先端が吹付モルタル15の表面高さ、又は表面高さより
若干低く位置するように形成する。なお、突出片12a
を剪断補強筋13の配筋間隔と同じ間隔に設ければ、こ
の突出片12aを目印にして剪断補強筋を配筋すること
ができ、作業効率が向上する。
【0018】かようなモルタル厚指示治具12は、図3
及び図4に示したように、そのアングル鋼材12bを既
存コンクリート柱11の四隅に当接して配置し、各剪断
補強筋13が突出片12aの上又は下を通るようにモル
タル厚指示治具12のうえから既存コンクリート柱11
に捲回し、この剪断補強筋13の上に金網14を固着
し、さらに、突出片12aを目印にしながら吹付モルタ
ル15を所定厚さまで吹き付けると、本発明の補強構造
を形成することができる。
【0019】また本発明において、モルタル厚指示治具
12、剪断補強筋13及び金網14は、図5に示したよ
うな補強材料組立体20として予め組み立てたものを使
用しても良い。すなわち、剪断補強筋14aをコ字形状
に形成し、この剪断補強筋14aの二つの角の内側に各
モルタル厚指示治具12を当接して結束線(図示せず)
で突出片12aに固定し、剪断補強筋14aの外側に金
網14を固着して補強材料組立体20を形成する。
【0020】そして、かような補強材料組立体20は、
左右対称に形成された一対をそれぞれの剪断補強筋14
aが既設コンクリート柱に当接するように、且つ、先端
が相互に重なりあうように配置し、この先端部どうしを
溶接にて固着する。剪断補強筋14aを溶接した後、接
合部の金網14を剪断補強筋14aに固着し、吹付モル
タル15を前述と同様に吹き付ければ、本発明の補強構
造は完成する。
【0021】図6では本発明の補強構造を設けた既設コ
ンクリート柱と、その他の既設コンクリート柱との変形
性能を比較するため計算によって求めたグラフを示し
た。図6に一点鎖線で示した「無補強」とは、断面寸法
800×800mm、主筋比2.48%及び帯筋比0.05
%の既設コンクリート柱であって、何ら補強構造を設け
てないコンクリート柱を意味する。また点線で示した
「鋼板巻き立て」とは、前記「無補強」の既設コンクリ
ート柱の周りにクリアランス50mmを確保して厚さ6mm
の鋼板を捲回し、このクリアランスに無収縮モルタルを
充填して形成した、従来の既設コンクリート柱の鋼板補
強構造を意味する。さらに「本願補強構造」とは、前記
「無補強」の既設コンクリート柱の周りに直径16mmの
鉄筋を100mm間隔で捲回し、この鉄筋の上に直径5mm
の鋼線で50mmメッシュに形成された金網を固着し、厚
さ40mmのモルタルを吹き付けて、本願発明の既設コン
クリート柱の補強構造を意味する。以上の条件のもとで
求めた図6のグラフから「本願補強構造」は「鋼板巻き
立て」とほぼ同様、且つ「無補強」の約4.1倍の変形
性能を有することが判る。
【0022】次に、図1乃至図5とは異なる実施態様を
図7乃至図13を参照して説明する。図7は本発明の既
存コンクリート柱状体の補強構造を示す正面図であり、
図8は図7におけるVIII−VIII線に沿った断面図であ
り、図9は図7に示した補強構造における円IX部分の
断面図であり、図10はモルタル厚指示治具として使用
する部材を示す側面図であり、図11(a)は図8の円X
部分におけるモルタル厚指示治具を示す断面図であり、
図11(b)は図8の円X部分における補強筋配置ガイド
を示す断面図である。
【0023】図7において補強構造は、既存の矩形コン
クリート柱11の四隅に面取り部11’を形成し、この
面取り部11’にモルタル厚指示治具22を配置し、こ
のモルタル厚指示治具22のうえから既存コンクリート
柱11に剪断補強筋23を捲回し、さらに、図1の補強
構造と同様に、金網14と吹付モルタル15とを設けて
形成する。
【0024】かように前記面取り部11’を形成するこ
とにより、剪断補強筋23と矩形コンクリート柱11の
表面との隙間を小さくできるという利点が生じる。すな
わち、剪断補強筋23を矩形コンクリート柱11廻りに
捲回するために曲折した場合、この曲折部は一定以上の
曲率を有する形状に形成されて、直角には形成できず、
この曲折部を矩形コンクリート柱11の直角の四隅に当
接した場合、矩形コンクリート柱11の表面との間に隙
間が生じ、さらに、直角の四隅にモルタル厚指示治具2
2を設けた場合、この隙間は拡大する。しかしながら、
本発明では剪断補強筋23の曲折部の曲率にあわせて面
取り部11’を形成し、この面取り部11’にモルタル
厚指示治具22を設けたので、曲率を有する曲折部とモ
ルタル厚指示治具22の厚さとが面取り部11’により
吸収されて、剪断補強筋23と矩形コンクリート柱11
の表面との隙間は低減される。
【0025】前記モルタル厚指示治具22は、図11
(a)に示したように、複数のボルト25aと配筋ガイド
28としての複数の丸鋼とが片面に所定間隔で突設され
た平鋼24(図10参照)と、複数のボルト25aを貫
通させる孔(図示せず)が一方のフランジに形成された
チャンネル材25d(図12参照)と、このチャンネル
材25dの他方のフランジに貼着される厚さガイドとし
ての表面指示材26と、チャンネル材25dを複数のボ
ルト25aに固定するための固定ナット25b,25c
とを備える。
【0026】かようなモルタル厚指示治具22におい
て、平鋼24には孔が(図示せず)形成されており、こ
の孔にアンカーボルト(図示せず)を貫通させてモルタ
ル厚指示治具22を面取り部11’に固定する。また平
鋼24の長さは、補強する柱の長さより若干短く形成
し、これにより、柱の上下端部に平鋼24が当接されな
い区間、すなわち、2〜5cm程度の無補強の区間を形成
する。さらに、チャンネル材25d及び表面指示材26
の長さは、平鋼24と概ね同じ程度とする。更にまた、
表面指示材26は、弾力性のある材料、例えば、ゴム、
プラスチックまたは発泡体を用いて形成する。
【0027】また前記剪断補強筋23は、矩形コンクリ
ート柱11の対向面11a,11bにおいて、それぞれ
の端部を突き合わせて連結することができるような一対
の形状、すなわち図8に示したような形状の剪断補強筋
23a,23bに形成するか、あるいは、図示はしない
が一対の剪断補強筋を同じ「コ」字形状に形成しても良
い。かような形状の剪断補強筋23a,23bは、前記
モルタル厚指示治具22から突設された配筋ガイド28
の上に仮置きし、端部どうしを突き合わせてカプラー2
7で連結し、結束線等で配筋ガイド28に繋着する。ま
た剪断補強筋23は、図7にも示したようにモーメント
が大きく作用する柱11の上下端区間では狭い間隔で配
筋し、作用するモーメントが小さい中間区間では比較的
大きな間隔で配筋する。
【0028】さらに、突き合わされた端部どうしを連結
するカプラー27内には、エポキシ樹脂や高強度無収縮
モルタルが注入される。かような剪断補強筋23a,2
3bを連結するカプラー27は、例えば、図7の下端区
間に示したように、上下に隣合う剪断補強筋のカプラー
27が同一の対向面において互い違いの位置関係になる
ように配置するか、あるいは、図7の上端区間に示した
ように、上下に隣合う剪断補強筋のカプラー27が異な
る対向面に位置するように配置しても良い。
【0029】次に、図7乃至図13に示した実施態様に
おける施工手順について説明する。最初に既存コンクリ
ート柱11の表面処理を行う。この工程では、吹付モル
タル15の付着に悪影響を及ぼすような汚れ等を、サン
ダーやワイヤーブラシで除去すると共に、既存コンクリ
ート柱11の四隅を削り落して面取り部11’を形成す
る。
【0030】次いで、図10に示した部材の平鋼24を
面取り部11’に当接し、これをアンカーボルト(図示
せず)によって固定する。そして、剪断補強筋23,2
3a,23bを配筋ガイド23の上に仮置きし、その端
部どうしを突き合わせてカプラー27を嵌め、結束線
(図示せず)で剪断補強筋23,23a,23bを配筋
ガイド23に繋着し、カプラー27内にはエポキシ樹脂
を充填する。
【0031】所定数の剪断補強筋23,23a,23b
を配筋した後に、厚さガイドとしての表面指示材26の
取付け工程を行う。この工程では、最初に、平鋼24か
ら突設した複数のボルト25aのそれぞれに固定ナット
25bを螺合し、次いでチャンネル材25dの一方のフ
ランジに形成された孔をボルト25aに挿入し、さら
に、固定ナット25bを螺合してチャンネル材25dを
固定し、最後に、チャンネル材25dの残りのフランジ
に表面指示材26を貼着する。
【0032】表面指示材26の取付け工程の後に、既存
コンクリート柱11が吹付モルタル15の水分を吸収す
るのを防止するための下地材(シーラー)を、既存コン
クリート柱11の表面に塗布し、次いで、吹付モルタル
15の吹付けを二層に分けて行う。第一層目の吹付モル
タル15は、剪断補強筋23,23a,23bがかくれ
る程度の厚さまで吹き付け、その後、この第一層の上に
金網14または合成樹脂性のネットを取付け、さらに、
第二層目の吹付モルタル15は、表面指示材26の高さ
を目印にしながら金網14または合成樹脂性のネットの
うえからを吹付けて、その表面を金ゴテ等によって均
す。
【0033】吹付モルタル15を施工した翌日、図13
に示したように、表面指示材26をチャンネル材25d
から剥がして吹付モルタル15の表面から抜き取り、こ
れによって生じた吹付モルタル15表面の凹部にモルタ
ルを充填すると、本発明の既存コンクリート柱状体の補
強構造は完成する。ここでは、表面指示材26を吹付モ
ルタル15表面から除去したが、本発明の補強構造は、
これに限定されず、例えば、表面指示材26を吹付モル
タル15中に埋めたまま、チャンネル材25dまで水が
浸透しないように、表面指示材26の上にモルタル等の
表面処理材を塗布しても良い。
【0034】
【発明の効果】本発明では、既存コンクリート柱状体に
複数の剪断補強筋を捲回し、この剪断補強筋のうえから
網状体を固着し、さらに吹付モルタルを吹き付けて補強
構造を形成するので、従来の鋼板を使用する補強構造に
較べて補強材料が軽量で取扱いが容易である。また、剪
断補強筋を被覆している吹付モルタルが耐久性能や耐火
性能を向上させ、網状体は吹付モルタルの柱状体への付
着力を向上させる。
【0035】また本発明では、剪断補強筋が構造上の耐
力を向上し、モルタルはこの剪断補強筋を被覆すること
ができる程度の厚さに吹付けられるだけなので、補強構
造自体の軽量化が可能であり、従来のRC補強構造のよ
うにコンクリート柱状体の自重が増加し、基礎に対する
負荷が大きくなり過ぎるといった問題を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構造を
示す斜視図である。
【図2】モルタル厚指示治具を示す斜視図である。
【図3】モルタル厚指示治具及び剪断補強筋を既存コン
クリート柱状体に設置した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構造に
おいてモルタル厚指示治具を付加した際の断面図であ
る。
【図5】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構造に
使用する補強材料組立体の斜視図である。
【図6】本発明の既存コンクリート柱状体の補強構造と
従来例とを、変形性能で比較したグラフである。
【図7】図1とは異なる本発明の既存コンクリート柱状
体の補強構造を示す正面図である。
【図8】図7に示した補強構造におけるVIII−VIII線に
沿った断面図である。
【図9】図7に示した補強構造における円IX部分の断
面図である。
【図10】モルタル厚指示治具を構成する部材の側面図
である。
【図11】(a)は図8の円X部分におけるモルタル厚指
示治具を示す断面図であり、(b)は図8の円X部分にお
ける補強筋配置ガイドを示す断面図である。
【図12】モルタル厚指示治具を構成する一部材の斜視
図である。
【図13】図11(a)のモルタル厚指示治具の施工手順
を示す説明断面図である。
【符号の説明】
11 既存コンクリート柱状体 12 モルタル厚指示治具 12a 突出片(厚さガイド) 13,23 剪断補強筋(線状体、剪断補強筋) 14 金網(網状体) 15 吹付モルタル 24 補強筋配置ガイド 26 表面指示部材(厚さガイド)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存コンクリート柱状体に所定間隔で巻
    いた線状体からなる複数の剪断補強筋と、これらの剪断
    補強筋のうえから既存コンクリート柱を巻くように設け
    た網状体と、これら剪断補強筋及び網状体のうえから既
    存コンクリート柱に吹き付けたモルタルとを備えた既存
    コンクリート柱状体の補強構造。
  2. 【請求項2】 前記線状体に緊張力を導入してなる請求
    項1記載の既存コンクリート柱状体の補強構造。
  3. 【請求項3】 前記モルタルの所定吹き付け厚さを規定
    する厚さガイドを備えたモルタル厚指示治具を、前記剪
    断補強筋と前記既存コンクリート柱との間に設けてなる
    請求項1又は2記載の既存コンクリート柱状体の補強構
    造。
  4. 【請求項4】 前記剪断補強筋の配置を規定する補強筋
    配置ガイドを、前記モルタル厚指示治具に形成したこと
    を特徴とする請求項3記載の既存コンクリート柱状体の
    補強構造。
JP22110196A 1995-09-27 1996-08-22 既存コンクリート柱状体の補強構造 Expired - Lifetime JP3765882B2 (ja)

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