JPH0911354A - 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

Info

Publication number
JPH0911354A
JPH0911354A JP7163595A JP16359595A JPH0911354A JP H0911354 A JPH0911354 A JP H0911354A JP 7163595 A JP7163595 A JP 7163595A JP 16359595 A JP16359595 A JP 16359595A JP H0911354 A JPH0911354 A JP H0911354A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic resin
tubular body
layer
fiber
reinforced thermoplastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7163595A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Ikeda
尚夫 池田
Koichi Adachi
浩一 足立
Mitsuo Sasakura
満雄 笹倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP7163595A priority Critical patent/JPH0911354A/ja
Publication of JPH0911354A publication Critical patent/JPH0911354A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】生産性を低下させることなく、界面における接
着力が強固であり、過酷な条件下で使用したり長期間使
用しても界面剥離や亀裂発生のない繊維強化熱可塑性樹
脂複合管の製造方法を提供する。 【構成】熱可塑性樹脂管Aの外周面に、繊維強化熱可塑
性樹脂帯状体からなる繊維強化熱可塑性樹脂層Bを積層
して2層以上の多層管状体を形成した後、その多層管状
体を加熱炉内に導いて多層管状体の内側雰囲気の加圧も
しくは外側雰囲気の減圧のいずれか、又はその両方の雰
囲気条件下に多層管状体を曝して加熱し、熱可塑性樹脂
管Aと繊維強化熱可塑性樹脂層Bとを融着一体化する工
程を包含する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法で
ある。繊維強化熱可塑層樹脂帯状体として、多数の貫通
孔が設けられたものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂管を内層
とし、その外周面に繊維強化熱可塑性樹脂層を積層して
2層以上の多層とされた繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂複合管であって、内面に熱
可塑性樹脂よりなる層を有する繊維強化樹脂複合管は、
錆びることがなく、強度的にも優れ、水やガス等の流体
を輸送する配管、電気配線用に用いられる配管、構造用
部材等として広く用いられている。
【0003】従来、繊維強化複合管は、内層である熱可
塑性樹脂管の外面に液状の熱硬化性樹脂を含浸させた強
化繊維をマンドレル上に巻き付け、熱硬化性樹脂を硬化
させた後マンドレルを抜き取る方法(フィラメントワイ
ンディング法)により製造されている(例えば、特公昭
62─773号公報参照)。
【0004】この種の繊維強化樹脂複合管は、界面の接
着力が弱く、繊維強化樹脂複合管を冷熱繰り返し条件下
等で使用すると、内層と繊維強化樹脂層との線膨張率の
差により、界面剥離を引き起こすという問題点がある。
【0005】この問題点を解決するため、例えば、特開
平6─218841号公報には、内層である熱可塑性樹
脂よりなる管の外面に繊維強化樹脂複合体よりなる強化
層を巻き付けて積層して多層管状体となし、その多層管
状体を融着する際に、多層管状体の内側雰囲気の加圧も
しくは外側雰囲気の減圧のいずれか、又はその両方雰囲
気下に多層管状体を曝して加熱し、熱可塑性樹脂よりな
る管と繊維強化樹脂複合体とを強固に融着一体化する方
法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法の場合には、その多層管状体を熱融着する際に、多層
管状体の各層の積層時の積層圧力はかなり改善され、熱
可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層との界面、強化
繊維同士の界面の空気の巻き込みもかなり改善される
が、過酷な条件下で使用したり長期間使用しても界面剥
離や亀裂発生のない繊維強化熱可塑性樹脂複合管を得る
ためには、加熱炉の長さを長くするとか生産速度を下げ
る必要があり、加熱炉の長さを長くすると、生産ライン
が長くなり、設備投資が多くなり、生産性が低下すると
いう問題点がある。
【0007】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、生産性を低下させることなく、界面における接着力
が強固であり、過酷な条件下で使用したり長期間使用し
ても界面剥離や亀裂発生のない繊維強化熱可塑性樹脂複
合管の製造方法を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
管の外周面に、繊維強化熱可塑性樹脂帯状体からなる繊
維強化熱可塑性樹脂層を積層して2層以上の多層管状体
を形成した後、その多層管状体を加熱炉内に導いて多層
管状体の内側雰囲気の加圧もしくは外側雰囲気の減圧の
いずれか、又はその両方の雰囲気条件下に多層管状体を
曝して加熱し、熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂
層とを融着一体化する工程を包含する繊維強化熱可塑性
樹脂複合管の製造方法であって、繊維強化熱可塑層樹脂
帯状体として、多数の貫通孔が設けられたものを使用す
る繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法である。
【0009】本発明において、熱可塑性樹脂管を構成す
る熱可塑性樹脂としては、得られる複合管の使用目的に
適したものを適宜選択すればよいが、例えば、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォン、ポ
リエーテルエーテルケトン等が挙げられる。これらの熱
可塑性樹脂は、単独で使用されてもよいし、複数種併用
されてもよい。
【0010】熱可塑性樹脂中には、必要に応じて、熱安
定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収
剤、加工助剤、無機充填剤等が適宜添加される。
【0011】本発明において、繊維強化熱可塑性樹脂帯
状体(以下、帯状体という)を構成するマトリックス樹
脂としての熱可塑性樹脂としては、上記の熱可塑性樹脂
管を構成する熱可塑性樹脂と同様のものが使用できる。
これらの熱可塑性樹脂は、通常は単独で使用されるが、
複数種併用されてもよい。繊維強化熱可塑性樹脂層が2
層以上からなる場合には、各層のマトリック樹脂は必ず
しも同一種の熱可塑性樹脂である必要はないが、相互に
相溶性に優れた熱もの同士を選択する必要がある。
【0012】帯状体を構成する強化繊維としては、例え
ば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、ステンレ
ス繊維、銅繊維等の金属繊維、アラミド繊維、ビニロン
繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、麻繊維等の有
機繊維などからなり、直径1〜数十μmの連続フィラメ
ントよりなるロービング又はストランドなどの連続繊維
が使用される。
【0013】帯状体中の繊維の量は、多すぎると繊維間
に保持する熱可塑性樹脂の量が少なくなり、少なすぎる
と補強効果が生じないので、3〜70重量%が好まし
く、10〜50重量%が更に好ましい。
【0014】帯状体として、多数の貫通孔が設けられた
ものが使用されるが、その製造方法としては、連続的に
製造する関係上、冷却ロールに放射状に複数の針状の突
起物が設けられたものの上を帯状体を通過させる方法が
好ましい。このときの突起状物の間隔は、適宜選択して
決めることができるが、例えば5〜50mmとされる。
【0015】突起状物は比熱が小さい場合は、溶融状態
にある熱可塑性樹脂を固化させることなく貫通孔を設け
ることができるが、比熱が大きい場合は、熱可塑性樹脂
が突起状物に接触したときに固化し、強化繊維を移動さ
せることができなくなるので、突起状物を加熱しながら
貫通孔を設けるのが好ましい。
【0016】突起状物の横断面形状としては、貫通孔の
あけ易さ及び強化繊維の押しのけ易さの点から、円形、
楕円形、菱形等が挙げられる。突起状物の長さは、製造
すべき帯状体の肉厚、突起状物の強度、突起状物を設け
る冷却ロールの径等を考慮して適宜決められる。
【0017】貫通孔の大きさは、直径が0.3〜2mm
が好ましく、0.5〜1.5mmが更に好ましい。直径
が小さすぎると気泡の除去が充分に行われにくく、界面
の融着強度に悪影響を及ぼし、直径が大きすぎると帯状
体の強度が不充分となり、得られる複合管の強度低下に
つながる。
【0018】熱可塑性樹脂管の外表面に、帯状体を巻き
付けることにより積層される繊維強化熱可塑性樹脂層
は、強化繊維が軸方向に配列される第1の強化層と、強
化繊維が略周方向に配列される第2の強化層の組合わせ
からなる2層以上設けられた繊維強化熱可塑性樹脂複合
管とすると、第1の強化層によりその管軸方向の線膨張
率が抑制されて熱伸縮が低減し、且つ第2の強化層によ
りその耐圧性が向上するので好ましい。
【0019】第1の強化層形成用の帯状体としては、連
続繊維のフィラメント間に熱可塑性樹脂が含浸され、加
熱・加圧によりシート状にされたものが使用される。こ
のシート状帯状体は長手方向と略平行に連続繊維が配置
されている。シート状帯状体の幅は、繊維強化熱可塑性
樹脂層の周長よりもやや長くされ、厚みは所望の第1の
強化層の厚みにより決められる。
【0020】第2の強化層形成用の帯状体としては、連
続繊維のフィラメント間に熱可塑性樹脂が含浸され、加
熱・加圧によりテープ状や紐状にされたものが使用され
る。このテープ状や紐状の帯状体は長手方向と略平行に
連続繊維が配置されている。テープ状や紐状の幅、厚み
は特に制限はないが、例えば、テープ状帯状体の場合に
は、厚みが0.1〜10mm程度のものが好ましく、
0.1〜3mm程度のものがより好ましく、紐状の帯状
体の場合には、直径が0.5〜5mmのものが好適に使
用される。
【0021】帯状体の製造方法としては、例えば、次の
方法が挙げられる。 多数のフィラメントよりなるロービング状又はスト
ランド状連続繊維を、粉体状熱可塑性樹脂の流動床中を
順次通過させ、繊維間に粉体状熱可塑性樹脂を付着させ
た後、必要に応じて一旦乾燥させた後、加熱・加圧によ
り連続繊維と熱可塑性樹脂とをシート状、テープ状、紐
状等の所望の形状に一体化する方法。 溶融粘度が低い樹脂の場合には、上記連続繊維を溶
融樹脂の槽中に浸漬することで含浸させること以外は
と同様の方法。
【0022】多層管状体の内側雰囲気の加圧力は、得ら
れる複合管の寸法によって異なるため一概にいえない
が、通常0.01〜10kg/cm2 の範囲とするのが
好ましい。具体的には、内径25mm、肉厚3.5mm
の場合は、加圧力は0.01〜3kg/cm2 が好まし
い。加圧力が0.01kg/cm2 未満であると、充分
な積層圧力が得られず、3kg/cm2 を超えると管が
膨れて外形の精度が得られない場合があるので留意する
必要がある。
【0023】一方、多層管状体の側雰囲気の減圧力は、
同じく一概にはいえないが、通常500mmHg以上が
好ましい。減圧力が500mmHg未満だと、多層管状
体に十分な積層圧力や脱気効果が与えられない。又、加
圧と減圧との両方の雰囲気状態下とすると、熱可塑性樹
脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層との融着性により優れた
複合管が得られる。
【0024】加熱炉の加熱温度としては、多層管状体の
マトリックス樹脂のビカット軟化温度〜熱分解温度が好
ましく、上記樹脂の押出、射出成形等における成形温度
付近とするのが更に好ましい。加熱温度が上記樹脂のビ
カット軟化温度未満であると、0.01〜10kg/c
2 の範囲の加圧力や、多層管状体外側を500mmH
g以上の減圧力となるような減圧下に加熱しても、多層
管状体の熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層間が
熱融着せず、熱分解温度を超えると、得られる管の性能
が悪くなる。
【0025】尚、ビカット軟化点とは、JIS K 7
206に準じて測定したものをいう。熱可塑性樹脂のビ
カット軟化温度は、例えば、ポリ塩化ビニルでは約65
〜85℃、塩素化ポリ塩化ビニルでは約95〜120℃
である。又、熱融着とは、双方の熱可塑性樹脂を溶融状
態になるまで加熱した上で圧着し、冷却後、融着した界
面が容易に破断しないことをいう。
【0026】尚、本発明において、多層管状体の外周面
に、更に熱可塑性樹脂からなる外層を設けた方が外面保
護や外観向上のためより好ましい。外層形成用の熱可塑
性樹脂としては、特に制限されないが、多層管状体のマ
トリックス樹脂に熱融着性のよいものが好適に使用され
る。
【0027】以下、本発明の例を図面を参照して説明す
る。図1は、本発明に用いられる帯状体の一例を示す一
部切欠き斜視図である。1は繊維強化熱可塑性樹脂から
なるシート状(又はテープ状)帯状体であって、熱可塑
性樹脂2をマトリックス樹脂として、その中に強化繊維
3が長手方向に沿うように配設されており、多数の貫通
孔4が所定間隔をあけて設けられている。貫通孔4の周
囲の強化繊維3は、突起状物による穿孔の際に押しのけ
られるようにして曲げられている。
【0028】図2は、本発明に用いられる帯状体の製造
工程の一例を製造装置とともに説明する正面図である。
まず、製造装置について説明する。製造装置は、上流側
から下流側に向けて、順次、複数の強化繊維巻戻しロー
ル29と、上下に配設された流動床装置28と、ガイド
バー30と、二対の加熱ロール32,33と、多数の針
状突起状物34が放射状に設けられた冷却ロール35
と、ガイドロール36と、巻取りロール37とが配列さ
れている。流動床装置28には、熱可塑性樹脂粉末Rが
充填されている。
【0029】次に、この製造装置を用いた、帯状体の製
造工程の例を説明する。複数の強化繊維巻戻しロール2
9から、強化繊維F1,F1を巻戻しロール37により
撚りが入らないように巻き戻しつつ、それぞれ、ガイド
ロール30により、上下の流動床装置28,28内を通
過させることにより、その中に浮遊状態にて充填された
粉末状の熱可塑性樹脂Rをフィラメント繊維間に含浸さ
せた熱可塑性樹脂含浸強化繊維束F2,F2を作製す
る。
【0030】この熱可塑性樹脂含浸強化繊維束F2,F
2を重ね合わせるようにして二対の加熱ロール32,3
3間を通過させることにより帯状体F3を作製する。引
き続いて、その帯状体F3を多数の針状突起状物34が
放射状に設けられた冷却ロール35にかけることによ
り、帯状体F3に多数の針状突起状物34に対応する多
数の貫通孔を穿孔し、これをターンロール31を経て、
巻取りロール37に巻き取る。
【0031】図3は、本発明における複合管を製造する
工程の一例を製造装置とともに示す正面図である。ま
ず、製造装置について説明する。製造装置は、上流側か
ら下流側に向けて、順次、シート状帯状体40の巻戻し
ロール41と、第1の押出機42が連結された第1のク
ロスヘッドダイ43と、第1のクロスヘッドダイ43の
先端に装着された冷却金型45と、テープ状帯状体15
の巻回装置14と、加熱炉18と、第2の押出機47が
連結された第2のクロスヘッドダイ18と、サイジング
装置49と、引取装置19とが配列されている。
【0032】第1のクロスヘッドダイ43は、2段に膨
出部441,441を備えた内コア44を備え、シート
状帯状体40を円筒状に賦形して第1の強化層を形成す
るとともに、その内面に内層用の熱可塑性樹脂管を成形
することができるようにされている。
【0033】内コア44から引取機19の手前までワイ
ヤーからなる支承具12が延設され、支承具12の先端
に多層管状体の内部をシールするシール板13が取着さ
れている。内コア44には貫通孔が設けられ、コンプレ
ッサー16により、気体流路17、貫通孔を通して、多
層管状体の内側雰囲気を加圧状態とすることができるよ
うにされている。
【0034】加熱炉18は、その中を通過する多層管状
体を図示しない加熱装置により加熱するとともに、吸引
装置10により、多層管状体の外側雰囲気を減圧状態と
することができるようにされている。
【0035】以下、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合
管の製造方法の例を説明する。巻戻しロール41にシー
ト状帯状体40をセットし、巻回装置14にテープ状帯
状体15をセットする。
【0036】まず、第1のクロスヘッドダイ43内に、
巻戻しロール41よりシート状帯状体40に巻き戻しつ
つ導いて円筒状に賦形し強化繊維を軸方向に配列させた
第1の強化層B1を形成するとともに、第1の押出機4
2にて混練した内層用の熱可塑性樹脂を供給して、第1
の強化層B内に内層用の熱可塑性樹脂管Aを積層し、こ
れを冷却金型45にて冷却して2層管状体を形成する。
【0037】この2層管状体の外周面に、巻回装置14
によりテープ状帯状体15を熱風発生装置46により加
熱しつつ巻き付けて強化繊維を周方向に配列させた第2
の強化層B2を積層して、熱可塑性樹脂管Aの外周面に
第1の強化層B1と第2の強化層B2からなる繊維強化
熱可塑性樹脂層Bを積層した3層管状体を形成する。
【0038】この3層管状体を加熱炉18内に導き、吸
引装置10により3層管状体の外側雰囲気を減圧状態と
なすとともに、コンプレーサー16により3層管状体の
内側雰囲気を加圧状態となしつつ加熱する。これによ
り、3層管状体には膨張圧が作用し、各層はその熱可塑
性樹脂が溶融状態となって密接する。尚、3層管状体の
内側雰囲気の加圧又は外側雰囲気の減圧のいずれか一方
だけでも何ら構わない。
【0039】次に、第2のクロスヘッドダイ48内に、
この3層管状体を導くとともに、第2の押出機により外
層用の熱可塑性樹脂を溶融状態にて供給して、3層管状
体の外周面に外層Cを積層した4層管状体を形成し、こ
れをサイジング装置49内を通過させることにより冷却
すると、各層間の界面が融着状態となる。これら一連の
操作を引取装置19にて引き取りつつ行い、図示しない
切断装置により切断して、図4に示す如き繊維強化熱可
塑性樹脂複合管51を得る。
【0040】
【作用】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
法は、熱可塑性樹脂管の外周面に、繊維強化熱可塑性樹
脂帯状体からなる繊維強化熱可塑性樹脂層を積層して2
層以上の多層管状体を形成した後、その多層管状体を加
熱炉内に導いて多層管状体の内側雰囲気の加圧もしくは
外側雰囲気の減圧のいずれか、又はその両方の雰囲気条
件下に多層管状体を曝して加熱することにより、多層管
状体に膨張圧を作用させることができるが、この際に、
繊維強化熱可塑層樹脂帯状体として多数の貫通孔が設け
られたものを使用することにより、短時間にその界面に
巻き込んでいる気泡を確実に追い出すようにして、界面
を密着させることができるので、界面の熱融着をより確
実に行うことができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 (1)帯状体の製造 図2を参照して説明した製造工程により図1に示す如き
帯状体を製造した。熱可塑性樹脂粉末Rとして、粉体状
の塩素化ポリ塩化ビニル(塩素化度:67%、重合度:
1000)100重量部に対して、錫系安定剤4重量部
と、ステアリルアルコール2重量部と、ポリエチレンワ
ックス0.5重量部とを添加した塩素化ポリ塩化ビニル
組成物を用いた。上下に配置された流動床装置28に、
熱可塑性樹脂粉末Rを充填した。
【0042】冷却ロール35として、直径が225mm
であり、多数の直径が1mm、高さが10mmの円錐形
の針状突起物34が、周方向の角度が45°をなし、軸
方向の間隔が10mmとなるように放射状に設けられた
ものを用いた。
【0043】直径23μmのフィラメントより構成され
るロービング状のガラス繊維束(4,400tex)F
1,F1を巻き戻しつつ、上下の流動床装置28,28
内を通過させることにより、熱可塑性樹脂Rをフィラメ
ント繊維間に含浸させた熱可塑性樹脂含浸強化繊維束F
2,F2を作製し、これを表面温度200℃とされた2
対の加熱ロール32,32を通過させ、これを多数の針
状突起物34が設けられた冷却ロール35をとおして、
針状突起物34に対応する直径0.9mmの貫通孔が多
数穿設された、シート状帯状体(厚み0.8mm、幅1
70mm)と、テープ状帯状体(厚み:約0.5mm、
幅:約20mm)とを作製した。それらの繊維含有率は
いずれも25重量%であった。
【0044】(2)繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造 図3を参照して説明した製造工程に準じて、図4に示す
如き繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造を行った。巻戻
しロール41シート状帯状体を装着し、巻回装置14に
テープ状帯状体を装着した。
【0045】第1のクロスヘッドダイ43内に、シート
状帯状体40を導いて外径56.6mm、肉厚0.8m
mの円筒状に賦形して第1の強化層Bを形成するとも
に、第1の押出機42にて、熱可塑性樹脂粉末Rとして
用いたの同様の塩素化ポリ塩化ビニル樹脂組成物からな
る内層用の熱可塑性樹脂を混練して供給して、第1の強
化層B1内に内層用の熱可塑性樹脂管Aを積層し、これ
を冷却金型45にて冷却して、外径56.6mm、肉厚
2.8mmの2層管状体を形成した。
【0046】この2層管状体の外周面に、巻回装置14
によりテープ状帯状体15を熱風発生装置46にて加熱
しつつ軸方向に対して75°の角度でスパイラル状に巻
き付けて第2の強化層B2を積層して3層管状体を形成
した。
【0047】この3層管状体を300℃に保たれた減圧
加熱炉18内に導き、吸引装置10により3層管状体の
外側雰囲気を550mmHgの減圧状態に維持するとと
もに、コンプレッサー16により3層管状体の内側雰囲
気を0.4Kg/cm2 の圧力にて加圧し、3層管状体
に膨張圧を作用させて、各層の熱可塑性樹脂を融着状態
にて密接させた。
【0048】次に、この3層管状体を、第2のクロスヘ
ッドダイ48内に導くとともに、第2の押出機47にて
熱可塑性樹脂粉末Rとして用いたの同様の塩素化ポリ塩
化ビニル樹脂組成物からなる外層用の熱可塑性樹脂を混
練して供給して、3層管状体の外周面に外層Cを積層し
た4層管状体を形成し、これをサイジング装置49内を
通過させることにより冷却し、各層間の界面を融着さ
せ、これらの一連の操作を引取装置19にて引き取りつ
つ行い、切断機にて切断し、図4に示すような外径60
mm、内径51mm、肉厚4.5mmの繊維強化熱可塑
性樹脂管を得た。
【0049】(3)繊維強化熱可塑性樹脂管の冷熱通水
繰り返し試験 得られた繊維強化熱可塑性樹脂管を500mmに切断し
たものを10本接続した。その管内に95℃の熱水を5
分間通水し、その後25℃の冷水を5分間通水する操作
を10,000サイクル繰り返す冷熱通水繰り返し試験
を行った。試験終了後、サンプル数10本、即ち20端
面の表面状態を観察した結果、各層間の剥離や亀裂発生
等の異常は認められなかった。
【0050】比較例 貫通孔を設けていない、シート状帯状体及びテープ状帯
状体を用いたこと以外は実施例と同様にして、実施例と
略同様の繊維強化熱可塑性樹脂管を得た。得られた繊維
強化熱可塑性樹脂管について、実施例と同様の冷熱通水
繰り返し試験を行ったところ、5,000サイクル終了
の時点で、20端面のうち2端面にそれぞれ第1の強化
層Bと第2の強化層Cの界面に約5mmの亀裂が発生し
ており、10,000サイクル終了の時点で、5端面に
それぞれ第1の強化層Bと第2の強化層Cの界面に5〜
10mmの亀裂が発生しているのが観察された。
【0051】
【発明の効果】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造方法は、上記の如き構成とされているので、生産性
を低下させることなく、界面における接着力が強固であ
り、過酷な条件下で使用したり長期間使用しても界面剥
離や亀裂発生のない繊維強化熱可塑性樹脂複合管を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる帯状体の一例を示す一部切
欠き拡大斜視図である。
【図2】本発明に用いられる帯状体の製造工程の一例を
製造装置とともに説明する正面図である。
【図3】本発明における繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造工程の一例を製造装置とともに説明する正面図であ
る。
【図4】本発明により得られた繊維強化熱可塑性樹脂複
合管の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
A 熱可塑性樹脂管 B 繊維強化熱可塑性樹脂層 4 貫通孔 15,40 帯状体 18 加熱炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:12 105:08 B29L 9:00 23:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂管の外周面に、繊維強化熱
    可塑性樹脂帯状体からなる繊維強化熱可塑性樹脂層を積
    層して2層以上の多層管状体を形成した後、その多層管
    状体を加熱炉内に導いて多層管状体の内側雰囲気の加圧
    もしくは外側雰囲気の減圧のいずれか、又はその両方の
    雰囲気条件下に多層管状体を曝して加熱し、熱可塑性樹
    脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層とを融着一体化する工程
    を包含する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法であ
    って、繊維強化熱可塑層樹脂帯状体として、多数の貫通
    孔が設けられたものを使用することを特徴とする繊維強
    化熱可塑性樹脂複合管の製造方法。
JP7163595A 1995-06-29 1995-06-29 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 Pending JPH0911354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7163595A JPH0911354A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7163595A JPH0911354A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0911354A true JPH0911354A (ja) 1997-01-14

Family

ID=15776913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7163595A Pending JPH0911354A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0911354A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006142819A (ja) * 2004-10-22 2006-06-08 Toray Ind Inc 強化繊維積層体、プリフォーム、frp、強化繊維積層体の製造方法およびその製造装置
KR100878179B1 (ko) * 2007-03-16 2009-01-12 윤순종 섬유강화플라스틱 상하수도관
KR100878178B1 (ko) * 2007-03-16 2009-01-12 윤순종 섬유강화플라스틱 관 및 그 제조방법
JP2010144882A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Kurabe Ind Co Ltd ホース及びホースの製造方法
JP2017044345A (ja) * 2016-09-07 2017-03-02 ロング・パイプス・プロプライエタリー・リミテッド パイプの建造
JP2018192799A (ja) * 2018-05-29 2018-12-06 ロング・パイプス・プロプライエタリー・リミテッド パイプの建造
JP2020169656A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 トヨタ自動車株式会社 高圧タンク及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006142819A (ja) * 2004-10-22 2006-06-08 Toray Ind Inc 強化繊維積層体、プリフォーム、frp、強化繊維積層体の製造方法およびその製造装置
KR100878179B1 (ko) * 2007-03-16 2009-01-12 윤순종 섬유강화플라스틱 상하수도관
KR100878178B1 (ko) * 2007-03-16 2009-01-12 윤순종 섬유강화플라스틱 관 및 그 제조방법
JP2010144882A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Kurabe Ind Co Ltd ホース及びホースの製造方法
JP2017044345A (ja) * 2016-09-07 2017-03-02 ロング・パイプス・プロプライエタリー・リミテッド パイプの建造
JP2018192799A (ja) * 2018-05-29 2018-12-06 ロング・パイプス・プロプライエタリー・リミテッド パイプの建造
JP2020169656A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 トヨタ自動車株式会社 高圧タンク及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960702381A (ko) 곡관과 그 제조방법 및 장치(curved pipe and process and apparatus for producing the same)
US4341578A (en) Method of hose production
JPH0911355A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH0911354A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
CA1145274A (en) Method of hose production and product
JP3117492B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法
JP2659110B2 (ja) 繊維強化樹脂複合管及びその製造方法
JPH08323882A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH0584847A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法
JPH07256779A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH07117178B2 (ja) 複合管
CN113858661A (zh) 一种复合材料螺旋弹簧的制备方法及设备
JPH06344444A (ja) 熱可塑性樹脂ライニング金属管
JPH0911353A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH0531782A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH07132565A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JP2674844B2 (ja) 繊維強化樹脂管の製造方法
JPH074877B2 (ja) 繊維強化樹脂管の製造方法
JPH044132A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法
JPH08174704A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JP3214892B2 (ja) 横断面中空異形成形体の製造方法
JPH07290591A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法
JPH086847B2 (ja) 複合管およびその製造方法
JPH0692127B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂管の製造方法
JPH06340004A (ja) 繊維強化複合管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040218

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02